(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175961
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ガスタービンの燃料供給装置、及び、ガスタービンの燃料供給装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
F23R 3/36 20060101AFI20241212BHJP
F02C 9/40 20060101ALI20241212BHJP
F02C 7/22 20060101ALI20241212BHJP
F02C 7/228 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
F23R3/36
F02C9/40 A
F02C7/22 A
F02C7/228
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094108
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】白岩 崇
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 健文
(72)【発明者】
【氏名】池田 怜
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 慎一
(72)【発明者】
【氏名】内田 進也
(72)【発明者】
【氏名】盛下 光寛
(72)【発明者】
【氏名】金箱 篤彦
(57)【要約】
【課題】ガスタービンの始動時における混合率の誤認識を防止することにより、安定的な運転を行う。
【解決手段】本願は、ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置に関する。本装置は、第1燃料供給ラインと第2燃料供給ラインとが合流部で合流して、混合ラインを介して燃焼器に接続される。第2燃料供給ラインには、専焼状態から混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、第1遮断弁より上流側に設けられる流量計が設けられる。流量計は、ガスタービンの運転状態を監視するための第1燃料及び第2燃料の混合率を算出するために、第2燃料の流量について検出値を出力可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
を備える、ガスタービンの燃料供給装置。
【請求項2】
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記合流部との間に設けられた隔離弁を備える、請求項1に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項3】
前記隔離弁は、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁との距離よりも前記合流部との距離が近くなる位置に設けられる、請求項2に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項4】
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記隔離弁との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁を更に備える、請求項2に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項5】
前記ベントラインの前記第2燃料供給ラインからの分岐点は、前記第1遮断弁との距離より前記合流部との距離が近くなる位置に設けられる、請求項4に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項6】
前記第2燃料供給ラインのうち前記流量計より上流側に設けられた第2遮断弁を更に備える、請求項1又は2に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項7】
前記混合ラインに設けられた第3遮断弁を更に備える、請求項1又は2に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項8】
前記第1遮断弁は、前記第2燃料供給ラインのうち前記流量計との距離より前記合流部との距離が近くなる位置に設けられる、請求項1に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項9】
前記第1遮断弁及び前記流量計は追設ユニットとして一体的に構成される、請求項1又は2に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項10】
前記第1燃料は天然ガスを含み、
前記第2燃料は水素ガスを含む、請求項1又は2に記載のガスタービンの燃料供給装置。
【請求項11】
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記合流部との間に設けられた隔離弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記隔離弁との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁と、
を備える、ガスタービンの燃料供給系統の制御方法であって、
前記ガスタービンを停止した状態で、前記隔離弁を閉じた状態で、前記第2燃料供給ラインのうち前記隔離弁の上流側に第2燃料を供給する工程と、
前記第1遮断弁を閉じるとともに、前記隔離弁を開けることにより、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の下流側に前記第1燃料を供給する工程と、
前記ガスタービンを起動した状態で、前記第2燃料供給ラインにおいて前記第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった場合に、前記第1遮断弁を開く工程と、
を備える、ガスタービンの燃料供給装置の制御方法。
【請求項12】
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記流量計との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁と、
を備える、ガスタービンの燃料供給系統の制御方法であって、
前記ガスタービンを停止した状態で、前記第1遮断弁を閉じた状態で、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の上流側に第2燃料を供給する工程と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の下流側に前記第1燃料を供給する工程と、
前記ガスタービンを起動した状態で、前記第2燃料供給ラインにおいて前記第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった場合に、前記第1遮断弁を開く工程と、
を備える、ガスタービンの燃料供給装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンの燃料供給装置、及び、ガスタービンの燃料供給装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば火力発電プラントでは、発電機を駆動するためのタービンとして、燃料の燃焼によって生成された燃焼ガスで駆動可能なガスタービンが用いられている。近年の火力発電プラントでは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する手段として、燃焼ガスを生成するために燃焼される燃料として、天然ガスのような第1燃料に対して、燃焼速度が比較的高い第2燃料(水素)を混合して燃焼(混焼)することで、二酸化炭素の排出量を削減可能な水素混焼方式のガスタービンの開発が進められている(例えば特許文献1)。
【0003】
第1燃料及び第2燃料を混焼可能なガスタービンの燃料供給装置は、典型的には、第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインとが合流して、燃料の燃焼が行われる燃焼器に接続される構成を有する。この種の燃料供給装置では、第2燃料供給ガスラインには燃焼性の高い第2燃料が少なからず存在するため、ガスタービンの停止時には、第2燃料供給ガスラインに残存する第2燃料を外部に排除することが望ましい。例えば特許文献2は、ガスタービンではなく、水素を燃料として燃焼可能な水素燃焼ボイラであるが、窒素、ヘリウム或いはネオン等の不活性ガスを用いて、水素を供給するための水素供給ラインに残存する水素をパージ可能な構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2022/149540号
【特許文献2】特開2018-200166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1燃料及び第2燃料を混焼可能なガスタービンの燃料供給装置では、停止時には第2燃料供給ラインに残存する第2燃料を排除するために、上記特許文献1のように不活性ガスによって置換する運用がなされている。この場合、ガスタービンの始動時には、第2燃料供給ラインに置換された不活性ガスが燃焼器に供給されないように、第2燃料供給ラインにある不活性ガスが、第1燃料供給ラインからの第1燃料で置換した後、第2燃料の供給を開始することでガスタービンの混焼運転が開始されるシーケンスが採用される。
【0006】
ところで、第1燃料及び第2燃料を混焼可能なガスタービンでは、第2燃料供給ラインに配置された流量計によって測定された第2燃料の流量を用いて、混焼率のような監視パラメータを算出することで、ガスタービンの混焼運転状態の監視が行われる。第2燃料供給ラインに配置される流量計は、典型的には、通過する燃料の体積に基づいて流量を算出可能なコリオリ流量計が用いられる。しかしながら、前述のシーケンスを採用した場合、ガスタービンの始動時には第2燃料供給ラインは第1燃料によって置換されているため、第2燃料供給ラインに配置された流量を第1燃料が少なからず通過する。天然ガスのような第1燃料は、水素ガスのような第2燃料に比べて密度が大きいため、コリオリ流量計である流量計を第1燃料が通過すると、測定値の誤差が大きくなってしまう。その結果、このような流量計測値に基づいて、ガスタービンの混焼率のような監視パラメータを求めると、ガスタービンの運転状態を誤認識してしまうおそれがある。例えば監視パラメータの一種である混焼率は、第2燃料の供給停止に関するインターロック制御に用いられるため、その誤差が大きくなると、ガスタービンの運転状態が正常であるにも関わらず、インターロック制御が発動してしまい、ガスタービンの運用に支障をもたらしてしまう。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、ガスタービンの始動時における混合率の誤認識を防止することにより、安定的な運転が可能なガスタービンの燃料供給装置、及び、ガスタービンの燃料供給装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの燃料供給装置は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
を備える。
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの燃料供給装置の制御方法は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記合流部との間に設けられた隔離弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記隔離弁との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁と、
を備える、ガスタービンの燃料供給系統の制御方法であって、
前記ガスタービンを停止した状態で、前記隔離弁を閉じた状態で、前記第2燃料供給ラインのうち前記隔離弁の上流側に第2燃料を供給する工程と、
前記第1遮断弁を閉じるとともに、前記隔離弁を開けることにより、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の下流側に前記第1燃料を供給する工程と、
前記ガスタービンを起動した状態で、前記第2燃料供給ラインにおいて前記第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった場合に、前記第1遮断弁を開く工程と、
を備える。
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの燃料供給装置の制御方法は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記流量計との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁と、
を備える、ガスタービンの燃料供給系統の制御方法であって、
前記ガスタービンを停止した状態で、前記第1遮断弁を閉じた状態で、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の上流側に第2燃料を供給する工程と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の下流側に前記第1燃料を供給する工程と、
前記ガスタービンを起動した状態で、前記第2燃料供給ラインにおいて前記第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった場合に、前記第1遮断弁を開く工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、ガスタービンの始動時における混合率の誤認識を防止することにより、安定的な運転が可能なガスタービンの燃料供給装置、及び、ガスタービンの燃料供給装置の制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係るガスタービンの概略構成図である。
【
図2】第1実施形態に係る燃料供給装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図3A】
図2の各ステップに対応する説明図である。
【
図3B】
図2の各ステップに対応する説明図である。
【
図3C】
図2の各ステップに対応する説明図である。
【
図3D】
図2の各ステップに対応する説明図である。
【
図3E】
図2の各ステップに対応する説明図である。
【
図4】第2実施形態に係るガスタービンの概略構成図である。
【
図5】第2実施形態に係る燃料供給装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図6A】
図5の各ステップに対応する説明図である。
【
図6B】
図5の各ステップに対応する説明図である。
【
図6C】
図5の各ステップに対応する説明図である。
【
図6D】
図5の各ステップに対応する説明図である。
【
図6E】
図5の各ステップに対応する説明図である。
【
図8】第3実施形態に係るガスタービンの概略構成図である。
【
図9】参考技術に係るガスタービンの概略構成図である。
【
図10】
図9の燃料供給装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0014】
図1は第1実施形態に係るガスタービン1の概略構成図である。ガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機3、圧縮機3で生成された圧縮空気と燃料とを混焼することで燃焼ガスを生成するための燃焼器2、燃焼器2に燃料を供給するための燃料供給装置4、及び、燃焼ガスによって駆動されるタービン6を備える。圧縮機3及びタービン6は、一軸に連結されている。このような構成を有するガスタービン1では、燃焼器2には、圧縮機3により圧縮された圧縮空気、及び、燃料供給系統4から供給される燃料が供給され、これらが混合燃焼されて、燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、タービン6に流入し、タービン6を駆動するための動力として機能する。
【0015】
燃料供給装置4は、燃焼器2に供給される燃料として、第1燃料F1及び第2燃料F2が混合された混合燃料を取り扱う。第2燃料F2は第1燃料F1に比べて燃焼速度が大きい燃料である。また第2燃料F2は第1燃料F1に比べて、単位体積当たりの熱量が低い燃料である。本実施形態では、第1燃料F1は液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)であり、第2燃料F2は水素ガスである。
【0016】
第1燃料F1は、第1燃料供給源7に接続された第1燃料供給ライン8を介して供給可能である。第1燃料供給ライン8には、第1燃料F1の流量を検出するための第1流量計10が設けられる。第1流量計10は、後述する第2流量計15と同様にオリフィス流量計であってもよいし、コリオリ流量計であってもよい。
【0017】
第2燃料F2は、第2燃料供給源14に接続された第2燃料供給ライン16を介して供給可能である。第2燃料供給ライン16には、第2燃料F2の流量を検出するためのオリフィス流量計である第2流量計15、第2燃料F2の流量を調整するための流量調整弁18、第1遮断弁20a及び第2遮断弁20bが設けられる。第2遮断弁20bは第2燃料供給ライン16において第1遮断弁20aより上流側に設けられる。第1遮断弁20a及び第2遮断弁20bは、ともに閉制御されることにより、合流部25に対する第2燃料F2の供給を停止可能である。
【0018】
また第2燃料供給ライン16のうち第1遮断弁20aと合流部25との間には、隔離弁13が設けられる。隔離弁13は、作業員の人手によって開閉可能な手動弁であり、本実施形態では特に、第2燃料供給ライン16のうち第1遮断弁20aとの距離より合流部25との距離が近くなる位置に設けられる。隔離弁13が開状態にある場合には、第2燃料供給ライン16が合流部25に連通することにより、第2燃料供給ライン16から供給される第2燃料F2が、第1燃料供給ライン8から供給される第1燃料F1と混合し、混合燃料Fmとして燃焼器2に供給されることにより、ガスタービン1が混焼運転可能である。一方、隔離弁13が閉状態にある場合には、第2燃料供給ライン16は合流部25から隔離されることにより、第2燃料供給ライン16からの第2燃料F2の供給が停止される。
【0019】
第2燃料供給ライン16は、第1遮断弁20aと隔離弁13との間に設けられた分岐点26から分岐する第1ベントライン19を備える。第1ベントライン19は、分岐点26から外部に連通するように構成され、開閉可能な第1ベント弁21が設けられる。また第2燃料供給ライン16は、第2遮断弁20bより上流側に設けられた分岐点29から分岐する第2ベントライン27を備える。第2ベントライン27は、分岐点29から外部に連通するように構成され、開閉可能な第2ベント弁28が設けられる。また第2燃料供給ライン16は、第2遮断弁20bと流量調整弁18との間に設けられた分岐点32から分岐する第3ベントライン30を備える。第3ベントライン30は、分岐点32から外部に連通するように構成され、開閉可能な第3ベント弁31が設けられる。
尚、第1ベントライン19の第2燃料供給ライン16からの分岐点26は、第1遮断弁20aとの距離より合流部25との距離が近くなる位置に設けられる。
【0020】
第1燃料供給ライン8及び第2燃料供給ライン16は、下流側で互いに合流して混合ライン22に接続される。第1燃料F1及び第2燃料F2がともに供給される場合には、第1燃料及びF1及び第2燃料F2は、第1燃料供給ライン8及び第2燃料供給ライン16の合流点25で互いに合流することで混合され、混合燃料Fmとして混合ライン22を介して燃焼器2に送られることにより、ガスタービン1の混焼運転が可能である。また第2燃料F2の供給が停止されている場合には、混合ライン22は第1燃料F1のみを燃焼器2に供給することでガスタービン1の専焼運転が可能である。
尚、また混合ライン22には、混合ライン22を流れる燃料を遮断可能な第3遮断弁20cが設けられる。
【0021】
混合ライン22の下流側は、詳細な図示は省略するが、燃焼器2が備える複数の燃料噴射ノズルに分岐して接続される。これらの燃料噴射ノズルは、混合ライン22から供給される燃料と、圧縮機3から供給される燃焼用空気とを予混合して燃焼器2の燃焼室に噴射して火炎を形成可能な、予混合式の燃料噴射ノズルである。
【0022】
尚、上記構成のうち流量調整弁18、第1遮断弁20a、第2遮断弁20b、第3遮断弁20c、第1ベント弁21、第2ベント弁28及び第3ベント弁31は、不図示のコントロールユニットである制御装置からの制御信号に基づいて自動的に開閉可能な制御弁である。制御装置は、予めインストールされた制御プログラムを実行することにより、ガスタービン1の運転に必要な各種制御を実施可能なコンピュータ装置のような電子演算装置として構成される。
【0023】
続いて上記構成を有する燃料供給装置4の制御方法について説明する。
図2は第1実施形態に係る燃料供給装置4の制御方法を示すフローチャートであり、
図3A~
図3Eは
図2の各ステップに対応する説明図である。
【0024】
まず本制御方法が実施される初期状態として、
図3Aに示すように、ガスタービン1は停止状態にあり、隔離弁13、第3遮断弁20c、第1ベント弁21、第2ベント弁27、及び、第3ベント弁31が閉状態にある(他の弁は開状態にある)。このような初期状態から、一時的に第1ベント弁21を開きながら、第2燃料ガス供給ライン16に対して第1ベントライン19を介して外部から窒素ガスを供給することにより、第2燃料ガス供給ライン16のうち隔離弁13より上流側を窒素ガスで置換する(ステップS100)。これにより、前回運転によって第2燃料供給ライン16に残存している燃焼性の高い水素ガスを外部に排出し、ガスタービン1の停止状態が継続される間におけるガスタービン1の安全性が確保される。
【0025】
尚、ステップS100で窒素ガスの置換が完了した後、第1ベント弁21は閉じてもよい。またステップS100では、第2燃料供給ライン16のうち隔離弁13より下流側(すなわち合流部25側)には、第1燃料供給ライン8から第1燃料F1が入り込んでいる。
【0026】
続いてガスタービン1の始動に先だって、
図3Bに示すように、第2燃料ガス供給ライン16に対して第2燃料供給源14から水素ガスを供給することにより、第2燃料ガス供給ライン16のうち隔離弁13より上流側を水素ガスで置換する(ステップS101)。このとき閉状態にある隔離弁13は、第2燃料供給ライン16のうち第1遮断弁20aとの距離より合流部25との距離が近くなる位置に設けられる。すなわち、第2燃料供給ライン16のうち合流部25の近くに隔離弁13が配置される。これにより、始動前のガスタービン1において、第2燃料F2を第2燃料供給ライン16の広範囲にわたって充填することでスタンバイできる。
【0027】
尚、ガスタービン1の混焼運転時に何らかの要因でガスタービン1がトリップ(緊急停止)される場合、混合ライン22に配置された第3遮断弁20cと第2燃料供給ライン16に配置された第1遮断弁20a又は第2遮断弁20bとを閉状態に切り替えることで、燃焼器2に対する燃料供給が停止される。この状況において、合流部25の近くに開閉可能な弁が配置されていない場合、次回のガスタービン再起動時に第1燃料F1による専焼運転を行う際に、第2燃料供給ライン16に残存する第2燃料F2がそのまま燃焼器2に供給されてしまう。本実施形態では、隔離弁13を第2燃料供給ライン16のうち合流部25の近くに配置することで、このようにガスタービン1が再起動される際に燃焼器2に供給される第2燃料F2を少なく抑えることができる。
【0028】
続いて、
図3Cに示すように、第1遮断弁20aを閉じるとともに隔離弁13を開くことにより、第1燃料供給ライン8から第1燃料F1を取り込む(ステップS102)。このとき、第1遮断弁20aは閉状態にあるため、第1燃料供給ライン8からの第1燃料F1は、第2燃料供給ライン16のうち第1遮断弁20aより下流側(すなわち合流部25側)の範囲に充填される。
尚、ステップS102では、
図3Cに示すように、流量調節弁18は閉状態になるように制御される。
【0029】
続いて
図3Dに示すように、流量調節弁18を所定開度に微開制御し(ステップS103)、第3遮断弁20cを開制御することにより、ガスタービン1を専焼状態で始動する(ステップS104)。これにより、第1遮断弁20aの上流側圧力が次第に上昇する。
【0030】
続いて第2燃料ガス供給ライン16において、第1遮断弁20aの上流側圧力P1が下流側圧力P2より大きくなったか否かが判定される(ステップS105)。そして上流側圧力P1が下流側圧力P2より大きくなった場合(ステップS105:YES)、第1遮断弁20aが開制御される(ステップS106)。これにより、
図3Eに示すように、第1遮断弁20aの上流側にある第1燃料F1が、第1遮断弁20aの下流側を通り合流部25に供給されることで、ガスタービン1の混焼運転が開始される(ステップS107)。
【0031】
ここで参考技術に係るガスタービン1´の構成及び制御について説明する。
図9は参考技術に係るガスタービン1´の概略構成図であり、
図10は
図9の燃料供給装置4の制御方法を示すフローチャートであり、
図11A~
図11Eは
図10の各ステップに対応する説明図である。
【0032】
参考技術に係るガスタービン1の構成は、
図1に示す第1実施形態における燃料供給装置4に比べて、隔離弁13を有さない点で異なる。
尚、以下の説明では前述の第1実施形態に対応する構成には共通の符号を付し、重複する説明は特段の記載がない限りにおいて適宜省略する。
【0033】
まず本制御方法が実施される初期状態として、
図11Aに示すように、ガスタービン1は停止状態にあり、第3遮断弁20c、第1ベント弁21、第2ベント弁27、及び、第3ベント弁31が閉状態にある(他の弁は開状態にある)。このような初期状態から、一時的に第1ベント弁21を開きながら、第2燃料ガス供給ライン16に対して外部から窒素ガスを供給することにより、第2燃料ガス供給ライン16を窒素ガスで置換する(ステップS300)。これにより、前回運転によって第2燃料供給ライン16に残存している燃焼性の高い水素ガスを外部に排出し、ガスタービン1の停止状態が継続される間におけるガスタービン1の安全性が確保される。
【0034】
続いてガスタービン1の始動の先だって、
図11Bに示すように、第2燃料ガス供給ライン16に対して第1燃料ガス供給ライン8から合流部25を介して第1燃料F1を供給することにより、第2燃料ガス供給ライン16を第1燃料F1で置換する(ステップS301)。
【0035】
続いて第3遮断弁20cを開き、ガスタービン1を専焼状態で始動し(ステップS302)、
図11Cに示すように、第1遮断弁20bを閉める(ステップS303)。そして
図11Dに示すように、流量調整弁18を所定開度に微開制御する(ステップS304)。これにより、第1遮断弁20aの上流側圧力が次第に上昇する。
【0036】
続いて第2燃料ガス供給ライン16において、第1遮断弁20aの上流側圧力P1が下流側圧力P2より大きくなったか否かが判定される(ステップS305)。そして上流側圧力P1が下流側圧力P2より大きくなった場合(ステップS305:YES)、第1遮断弁20aが開制御される(ステップS306)。これにより、
図11Eに示すように、第1遮断弁20aの上流側にある第1燃料F1が、第1遮断弁20aの下流側を通り合流部25に供給されることで、ガスタービン1の混焼運転が開始される(ステップS307)。
【0037】
このような参考技術における一連の制御シーケンスでは、
図11B及び
図11Cに示すように、ガスタービン1´の始動前において第2流量計15が第1燃料F1の充填範囲に含まれる。そのため、ガスタービン1´の始動時には、第2流量計15は第2燃料F2に比べて密度の高い第1燃料F1が一時的に流れる。そのため第2流量計15としてコリオリ流量計を用いる場合には、第1燃料F1及び第2燃料F2の密度差に基づいて流量を誤認識してしまうおそれがある。第2流量計15で検出される流量検出値は、例えば、ガスタービン1´の混焼運転中における監視パラメータである混合率の算出に用いられるため、このような誤認識は回避する必要がある。
【0038】
このような参考技術における課題は、前述の第1実施形態によって好適に解消可能である。第1実施形態における一連の制御シーケンスでは、第1燃料F1は第2流量計15に達しない。仮に第2流量計15がコリオリ流量計であり、第2燃料供給ライン16において第1燃料F1が第2流量計15に達している場合、ガスタービン1の起動時に第2流量計15には第2燃料F2とは密度が異なる第1燃料F1が流れることにより、流量を誤認識するおそれがある。特に第1燃料F1である天然ガスと、第2燃料F2である水素ガスとでは、密度が大きく異なるため、第2流量計15としてコリオリ流量計を採用すると、流量を正確に測定することができない。第2流量計15の測定値は、例えば、ガスタービン1の混焼運転時における重要な制御パラメータである混焼率の演算等に用いられるため、このような誤認識は回避しなければならない。それに対して本実施形態では、前述のように、第1燃料F1が第2流量計15に達しないため、このような第2流量計15による誤認識を好適に回避できる。
【0039】
図4は第2実施形態に係るガスタービン1の概略構成図である。第2実施形態では、
図1に示す第1実施形態における燃料供給装置4に比べて、隔離弁13を有さない代わりに、隔離弁13の位置に第1遮断弁20aが配置されている点で異なる。
尚、以下の説明では前述の第1実施形態に対応する構成には共通の符号を付し、重複する説明は特段の記載がない限りにおいて適宜省略する。
【0040】
続いて
図4の構成を有する燃料供給装置4の制御方法について説明する。
図5は第2実施形態に係る燃料供給装置4の制御方法を示すフローチャートであり、
図6A~
図6Eは
図5の各ステップに対応する説明図である。
【0041】
まず本制御方法が実施される初期状態として、
図6Aに示すように、ガスタービン1は停止状態にあり、第1遮断弁20a、第1ベント弁21、第2ベント弁27、及び、第3ベント弁31が閉状態にある(他の弁は開状態にある)。このような初期状態から、一時的に第1ベント弁21を開きながら、第2燃料ガス供給ライン16に対して第1ベントライン19を介して外部から窒素ガスを供給することにより、第2燃料ガス供給ライン16のうち第1遮断弁20aより上流側を窒素ガスで置換する(ステップS200)。これにより、前回運転によって第2燃料供給ライン16に残存している燃焼性の高い水素ガスを外部に排出し、ガスタービン1の停止状態が継続される間におけるガスタービン1の安全性が確保される。
【0042】
尚、ステップS200で窒素ガスの置換が完了した後、第1ベント弁21は閉じてもよい。またステップS200では、第2燃料供給ライン16のうち第1遮断弁20aより下流側(すなわち合流部25側)には、第1燃料供給ライン8から第1燃料F1が入り込んでいる。
【0043】
続いてガスタービン1の始動の先だって、
図6Bに示すように、第2燃料ガス供給ライン16に対して第1ベントライン19を介して第2燃料供給源14から水素ガスを供給することにより、第2燃料ガス供給ライン16のうち第2遮断弁20aより上流側を水素ガスで置換する(ステップS201)。このとき閉状態にある第1遮断弁20aは、第2燃料供給ライン16のうち第2流量計15との距離より合流部25との距離が近くなる位置に設けられる。すなわち、第2燃料供給ライン16のうち合流部25の近くに第1遮断弁20aが配置される。これにより、始動前のガスタービン1において、第2燃料F2を第2燃料供給ライン16の広範囲にわたって充填することでスタンバイできる。
【0044】
続いて、
図6Cに示すように、流量調節弁18が閉状態になるように制御される(ステップS202)。そして、
図6Dに示すように、流量調節弁18を所定開度に微開制御し(ステップS203)、ガスタービン1を専焼状態で始動する(ステップS204)。これにより、第1遮断弁20aの上流側圧力が次第に上昇する。
【0045】
続いて第2燃料ガス供給ライン16において、第1遮断弁20aの上流側圧力P1が下流側圧力P2より大きくなったか否かが判定される(ステップS205)。そして上流側圧力P1が下流側圧力P2より大きくなった場合(ステップS205:YES)、第1遮断弁20aが開制御される(ステップS206)。これにより、
図6Eに示すように、第1遮断弁20aの上流側にある第1燃料F1が、第1遮断弁20aの下流側を通り合流部25に供給されることで、ガスタービン1の混焼運転が開始される(ステップS207)。
【0046】
以上説明した第2実施形態では、第1実施形態に比べて隔離弁13を備えないため、よりシンプルな構成で燃料供給装置4を実現できる。このような構成を有する第2実施形態における一連の制御シーケンスでも、第1燃料F1は第2流量計15に達しない。仮に第2流量計15がコリオリ流量計であり、第2燃料供給ライン16において第1燃料F1が第2流量計15に達している場合、ガスタービン1の起動時に第2流量計15には第2燃料F2とは密度が異なる第1燃料F1が流れることにより、流量を誤認識するおそれがある。特に第1燃料F1である天然ガスと、第2燃料F2である水素ガスとでは、密度が大きく異なるため、第2流量計15としてコリオリ流量計を採用すると、流量を正確に測定することができない。第2流量計15の測定値は、例えば、ガスタービン1の混焼運転時における重要な制御パラメータである混焼率の演算等に用いられるため、このような誤認識は回避しなければならない。それに対して本実施形態では、前述のように、第1燃料F1が第2流量計15に達しないため、このような第2流量計15による誤認識を好適に回避できる。
【0047】
尚、上記構成を有するガスタービン1において、第1燃料F1による専焼運転から第1燃料及び第2燃料F2の混焼運転に切り替える場合、第1燃料F1による専焼運転中では、第1遮断弁20a及び第2遮断弁20bを閉じた状態で、その間に設けられた第2ベント弁28及び第3ベント弁31を開けることにより、流量調整弁18は均圧のために規定開度に開けられた状態となる。このとき、第1遮断弁20a及び第2遮断弁20b間の距離が大きいと、第1燃料F1の専焼を行う際に、その間にある比較的大きな容積の第2燃料F2を第2ベント弁28及び第3ベント弁31から外部に放出することになるため無駄が多くなってしまう。第1実施形態では第2実施形態に比べて、第1遮断弁20a及び第2遮断弁20b間の距離が短いことから、このように第2ベント弁28及び第3ベント弁31から外部に放出される第2燃料F2が少なく、効率のよい運転が可能である。
【0048】
図7は
図4の変形例である。この変形例では、
図4に示す構成に比べて、第2燃料供給ライン16のうち第2流量計15と分岐点26との間が短く構成される。そのため一連のシーケンスにおいて、第2燃料供給ライン16を通る第1燃料F1や第2燃料F2の容積を低減することで、より効率のよい運転が期待できるとともに、装置構成をコンパクト化できる。また本変形例では、第2実施形態に比べて第1遮断弁20a及び第2遮断弁20bの間の距離も短くなるため、第2ベント弁28及び第3ベント弁31から外部に放出される第2燃料F2も少ない点からも、効率のよい運転が可能である。
【0049】
図8は第3実施形態に係るガスタービン1の概略構成図である。第3実施形態では、
図1に示す第1実施形態に比べて、第1燃料供給ライン8を中心とした構成を有することにより第1燃料F1による専焼運転が可能な既設部4aを有しており、当該既設構成4aに対して第2燃料F2を供給するための第1追加設備4b1と、第2追加設備4b2とが後付け的に追設されている。これにより、第1燃料F1による専焼運転が可能な既設部4aに対して、これらの追加設備を追設することで混焼運転が可能な構成に容易に改良可能である。
【0050】
第1追加設備4b1は、第2遮断弁20b及び流量調整弁18を含む。第2追設設備4b2は、第1遮断弁20a及び第2流量計15を含む。第1追設設備4b1及び第2追設設備4b2は、第2燃料供給部14と合流部25との間に順に接続される。第2追設設備4b2と合流部25との間は、第2燃料供給ライン16を構成する延長ライン16aを介して接続される。延長ライン16aは、第2燃料供給部14の位置に応じて、例えば数10mにわたって設けられる。
【0051】
このような構成では、第1燃料F1による専焼運転が可能な既設部4aに対して、後付け的に第1追加設備4b1及び第2追加設備4b2を取り付けることで、第1燃料F1及び第2燃料F2の混焼運転が可能なように改良することができる。特に、第1追加設備4b1及び第2追加接部4b2は、それぞれ他所で生産することができる。そして、他所で生産した第1追加設備4b1及び第2追加設備4b2を、ガスタービン1が設置される現場に搬送し、現場で既設部4aに対して延長ライン16aを介して取り付けすることで、現場での作業量を減らした、効率的な追設工事が可能である。
【0052】
以上説明したように上記各実施形態によれば、ガスタービン1の混焼開始時における一連の制御において、第2燃料供給ライン16に配置された第2流量計15は、第2燃料F2のみが通過する。そのため、密度の異なる第1燃料F1が第2流量計15を通過することにより第2流量計15の検出値を用いて、ガスタービン1の運転状態を監視するためのパラメータである混焼率が誤認されることを防止し、安定的なガスタービン1の運転を実現できる。
【0053】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0054】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0055】
(1)一態様に係るガスタービンの燃料供給装置は、
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
を備える。
【0056】
上記(1)の態様によれば、第2燃料供給ラインには、ガスタービンの運転状態が専焼状態から混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁が設けられる。また第2燃料供給ラインのうち第1遮断弁より上流側には、ガスタービンの運転状態を監視パラメータの1つである混合率を算出するために、第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計が設けられる。このような構成を有するガスタービンの燃料供給装置では、ガスタービンの運転状態が専焼状態から混焼状態に切り替えられる際に、それに先じて、第1遮断弁を閉じた状態で第2燃料供給ラインの上流側から第2燃料を供給することにより、第2燃料供給ラインのうち第1遮断弁より上流側を第2燃料で充填することができる。そして、第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった際に第1遮断弁を開けることにより、第2燃料供給ラインから合流部に対して第2燃料を供給し、ガスタービンの混焼を開始することができる。このようなガスタービンの混焼開始時における一連の制御において、第2燃料供給ラインに配置された流量計は、第2燃料のみが通過する。そのため、密度の異なる第1燃料が通過することにより流量計の検出値を用いて、ガスタービンの運転状態を監視するためのパラメータである混焼率が誤認されることを防止し、安定的なガスタービンの運転を実現できる。
【0057】
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記合流部との間に設けられた隔離弁を備える。
【0058】
上記(2)の態様によれば、第1遮断弁と合流部との間に隔離弁が設けられる。この隔離弁は、ガスタービンの運転状態を専焼状態から混焼状態に切り替える前に閉じることにより、合流部から第2燃料供給ラインに侵入する第1燃料が流量計に達しないように、第2燃料供給ラインにおける第1燃料の充填範囲を規制する。これにより、ガスタービンの混焼開始時に、第2燃料供給ラインに配置された流量計を、第1燃料が通過することがない。密度の異なる第1燃料が通過することにより流量計の検出値を用いて、ガスタービンの運転状態を監視するためのパラメータである混焼率が誤認されることを防止し、安定的なガスタービンの運転を実現できる。
【0059】
(3)他の態様では、上記(2)の態様において、
前記隔離弁は、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁との距離より前記合流部との距離が近くなる位置に設けられる。
【0060】
上記(3)の態様によれば、第2燃料供給ラインのうち合流部の近くに隔離弁が配置される。この隔離弁は、前述のように、ガスタービンの混焼開始前に合流部から第2燃料供給ラインに侵入する第1燃料の充填範囲を規制する機能を有する。そのため、隔離弁を合流部の近くに配置することで、当該充填範囲を少なく抑えることができる。
尚、ガスタービンの混焼運転時に何らかの要因でガスタービンがトリップ(緊急停止)される場合、混合ラインに配置された遮断弁(合流部より下流側において燃焼器に供給される燃料全体を遮断可能な弁)と第2燃料供給ラインに配置された第1遮断弁とを閉状態に切り替えることで、燃焼器に対する燃料供給が停止される。この状況において、合流部の近くに開閉可能な弁が配置されていない場合、次回のガスタービン再起動時に第1燃料による専焼運転を行う際に、第2燃料供給ラインに残存する第2燃料がそのまま燃焼器に供給されてしまう。本態様では、隔離弁を第2燃料供給ラインのうち合流部の近くに隔離弁を配置することで、このようにガスタービンが再起動される際に燃焼器に供給される第2燃料を少なく抑えることができる。
【0061】
(4)他の態様では、上記(2)又は(3)の態様において、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記隔離弁との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁を更に備える。
【0062】
上記(4)の態様によれば、第2燃料供給ラインには、ベント弁を有するベントラインが分岐するように設けられる。これにより、ガスタービンの混焼開始前において、隔離弁を閉じた状態でベント弁を開けながら第2燃料を供給することで、第2燃料供給ラインのうち隔離弁までの範囲に第2燃料を充填することが可能となる。
【0063】
(5)他の態様では、上記(4)の態様において、
前記ベントラインの前記第2燃料供給ラインからの分岐点は、前記第1遮断弁との距離より前記合流部との距離が近くなる位置に設けられる。
【0064】
上記(5)の態様によれば、第2燃料供給ラインに対するベントラインの分岐点が合流部の近くに設けられる。これにより、ガスタービンの混焼開始前に第1燃料を第2燃料供給ラインに充填する際に、充填範囲を広く確保できる。
【0065】
(6)他の態様では、上記(1)から(5)のいずれか一態様において、
前記第2燃料供給ラインのうち前記流量計より上流側に設けられた第2遮断弁を更に備える。
【0066】
上記(6)の態様によれば、第2燃料供給ラインには、流量計より上流側に第2遮断弁が設けられる。これにより、ガスタービンの運転に異常が発生した場合に、第1遮断弁とともに第2遮断弁を閉じることにより、燃焼速度が速い第2燃料の供給を的確に停止できる。
【0067】
(7)他の態様では、上記(1)から(6)のいずれか一態様において、
前記混合ラインに設けられた第3遮断弁を更に備える。
【0068】
上記(7)の態様によれば、合流部より下流側にある混合ラインに第3遮断弁が設けられる。これにより、ガスタービンの運転に異常が発生した場合に、第3遮断弁を閉じることで、燃焼器に対して燃料供給を的確に停止できる。
【0069】
(8)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記第1遮断弁は、前記第2燃料供給ラインのうち前記流量計との距離より前記合流部との距離が近くなる位置に設けられる。
【0070】
上記(8)の態様によれば、第2燃料供給ラインに設けられる第1遮断弁の位置が、流量計より合流部に近くなるように設定される。これにより、前述の隔離弁の機能を第1遮断弁が兼ねることができるため、隔離弁を省略することにより燃料供給装置の構成を簡略化することができる。
【0071】
(9)他の態様では、上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記第1遮断弁及び前記流量計は追設ユニットとして一体的に構成される。
【0072】
上記(9)の態様によれば、第2燃料供給ラインに設けられる主要構成である第1遮断弁及び流量計は、追設ユニットとして一体的に構成されてもよい。この場合、例えば、第1燃料の専焼のみが可能な既設のガスタービンの燃料供給装置に対して、追設ユニットを後付けすることにより混焼可能なガスタービンに対して容易に改良可能である。
【0073】
(10)他の態様では、上記(1)から(9)のいずれか一態様において、
前記第1燃料は天然ガスを含み、
前記第2燃料は水素ガスを含む。
【0074】
上記(10)の態様によれば、第1燃料及び第2燃料として天然ガス及び水素ガスを含む各燃料を混焼可能なガスタービンに対して燃料を供給するための燃料供給装置において、ガスタービンの運転状態を監視するためのパラメータである混焼率が誤認されることを防止し、安定的なガスタービンの運転を実現できる。
【0075】
(11)一態様に係るガスタービンの燃料供給装置の制御方法は、
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記合流部との間に設けられた隔離弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記隔離弁との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁と、
を備える、ガスタービンの燃料供給系統の制御方法であって、
前記ガスタービンを停止した状態で、前記隔離弁を閉じた状態で、前記第2燃料供給ラインのうち前記隔離弁の上流側に第2燃料を供給する工程と、
前記第1遮断弁を閉じるとともに、前記隔離弁を開けることにより、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の下流側に前記第1燃料を供給する工程と、
前記ガスタービンを起動した状態で、前記第2燃料供給ラインにおいて前記第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった場合に、前記第1遮断弁を開く工程と、
を備える。
【0076】
上記(11)の態様によれば、第2燃料供給ラインには、ガスタービンの運転状態が専焼状態から混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁が設けられる。また第2燃料供給ラインのうち第1遮断弁より上流側には、ガスタービンの運転状態を監視パラメータの1つである混合率を算出するために、第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計が設けられる。このような構成を有するガスタービンの燃料供給装置では、ガスタービンの運転状態が専焼状態から混焼状態に切り替えられる際に、それに先じて、第1遮断弁を閉じた状態で第2燃料供給ラインの上流側から第2燃料を供給することにより、第2燃料供給ラインのうち第1遮断弁より上流側を第2燃料で充填することができる。そして、第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった際に第1遮断弁を開けることにより、第2燃料供給ラインから合流部に対して第2燃料を供給し、ガスタービンの混焼を開始することができる。このようなガスタービンの混焼開始時における一連の制御において、第2燃料供給ラインに配置された流量計は、第2燃料のみが通過する。そのため、密度の異なる第1燃料が通過することにより流量計の検出値を用いて、ガスタービンの運転状態を監視するためのパラメータである混焼率が誤認されることを防止し、安定的なガスタービンの運転を実現できる。
【0077】
(12)一態様に係るガスタービンの燃料供給装置の制御方法は、
ガスタービンの燃焼器に対して、第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを供給可能なガスタービンの燃料供給装置であって、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流部と前記燃焼器とを接続する混合ラインと、
前記第2燃料供給ラインに設けられ、前記ガスタービンの運転状態が前記燃焼器に対して第1燃料のみが供給される専焼状態から前記燃焼器に対して前記第1燃料及び前記第2燃料の混合燃料が供給される混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁より上流側に設けられ、前記ガスタービンの運転状態を監視するための前記第1燃料及び前記第2燃料の混合率を算出するために、前記第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁と前記流量計との間から分岐するベントラインと、
前記ベントラインに設けられたベント弁と、
を備える、ガスタービンの燃料供給系統の制御方法であって、
前記ガスタービンを停止した状態で、前記第1遮断弁を閉じた状態で、前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の上流側に第2燃料を供給する工程と、
前記第2燃料供給ラインのうち前記第1遮断弁の下流側に前記第1燃料を供給する工程と、
前記ガスタービンを起動した状態で、前記第2燃料供給ラインにおいて前記第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった場合に、前記第1遮断弁を開く工程と、
を備える。
【0078】
上記(12)の態様によれば、第2燃料供給ラインには、ガスタービンの運転状態が専焼状態から混焼状態に切り替えられる際に制御対象となる第1遮断弁が設けられる。また第2燃料供給ラインのうち第1遮断弁より上流側には、ガスタービンの運転状態を監視パラメータの1つである混合率を算出するために、第2燃料の流量について検出値を出力可能な流量計が設けられる。このような構成を有するガスタービンの燃料供給装置では、ガスタービンの運転状態が専焼状態から混焼状態に切り替えられる際に、それに先じて、第1遮断弁を閉じた状態で第2燃料供給ラインの上流側から第2燃料を供給することにより、第2燃料供給ラインのうち第1遮断弁より上流側を第2燃料で充填することができる。そして、第1遮断弁の上流側圧力が下流側圧力より大きくなった際に第1遮断弁を開けることにより、第2燃料供給ラインから合流部に対して第2燃料を供給し、ガスタービンの混焼を開始することができる。このようなガスタービンの混焼開始時における一連の制御において、第2燃料供給ラインに配置された流量計は、第2燃料のみが通過する。そのため、密度の異なる第1燃料が通過することにより流量計の検出値を用いて、ガスタービンの運転状態を監視するためのパラメータである混焼率が誤認されることを防止し、安定的なガスタービンの運転を実現できる。
【符号の説明】
【0079】
1 ガスタービン
2 燃焼器
3 圧縮機
4 燃料供給装置
4b1 第1追設設備
4b2 第2追設設備
6 タービン
7 第1燃料供給源
8 第1燃料供給ライン
10 第1流量計
13 隔離弁
14 第2燃料供給源
15 第2流量計
16 第2燃料供給ライン
16a 延長ライン
18 流量調整弁
19 第1ベントライン
20a 第1遮断弁
20b 第2遮断弁
20c 第3遮断弁
21 第1ベント弁
22 混合ライン
25 合流点
26 第1分岐点
27 第2ベントライン
28 第2ベント弁
29 第2分岐点
30 第3ベントライン
31 第3ベント弁
32 第3分岐点