(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175970
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報表示システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241212BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094120
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小川 大介
(72)【発明者】
【氏名】橋口 健信
(72)【発明者】
【氏名】冨田 大地
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301AA09
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301FF07
5H301GG07
5H301GG14
5H301KK08
5H301KK09
5H301KK18
5H301KK19
(57)【要約】
【課題】搬送車の走行経路の形状や構造と振動との関係を容易に把握できる情報表示システムを提供する。
【解決手段】情報表示システムであって、記録装置45は、搬送車の位置情報と搬送車の振動情報とが関連付けられた搬送車走行データ、及び、搬送車の走行経路のマップの経路マップデータを記録し、制御装置40は、第1表示エリア43に、経路マップデータを表示するマップ表示処理と、第1表示エリア43に表示されたマップ上に、表示対象時点での搬送車の位置を示す搬送車マーク47を表示する搬送車表示処理と、第2表示エリア44に、表示対象時点及びその前後の時間での振動情報を示す振動結果グラフ48を表示するグラフ表示処理と、振動結果グラフ48上で表示対象時点に対応する位置を示す位置マーク49を第2表示エリア44に表示する位置マーク表示処理とを実行する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、記録装置と、を備えた情報表示システムであって、
前記記録装置は、搬送車の位置を示す位置情報と前記搬送車で測定された振動を示す振動情報とが関連付けられたデータである搬送車走行データ、及び、前記搬送車が走行した走行経路のマップのデータである経路マップデータを記録し、
前記制御装置は、
前記表示装置の表示画面に第1表示エリアと第2表示エリアとを設定し、
前記第1表示エリアに、前記経路マップデータに基づく前記マップの少なくとも一部を表示するマップ表示処理と、
前記マップ表示処理により前記第1表示エリアに表示された前記マップ上に、表示対象時点での前記搬送車の位置を示す搬送車マークを表示する搬送車表示処理と、
前記第2表示エリアに、少なくとも前記表示対象時点及びその前後の時間での前記振動情報を示す振動結果グラフを表示するグラフ表示処理と、
前記振動結果グラフ上で前記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークを前記第2表示エリアに表示する位置マーク表示処理と、を実行する、情報表示システム。
【請求項2】
前記搬送車走行データは、前記搬送車の状態を示す搬送車状態情報を更に含むと共に、前記搬送車状態情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、
前記制御装置は、
前記グラフ表示処理において、少なくとも前記表示対象時点及びその前後の時間での前記搬送車状態情報を示す搬送車状態グラフを、前記振動結果グラフと共に前記第2表示エリアに表示し、
前記位置マーク表示処理において、前記搬送車状態グラフ上で前記表示対象時点に対応する位置を前記位置マークにより前記第2表示エリアに表示する、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記搬送車走行データは、前記搬送車の状態を示す搬送車状態情報を更に含むと共に、前記搬送車状態情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、
前記制御装置は、前記マップ表示処理により表示された前記マップ上に、前記搬送車表示処理により表示された前記搬送車マークに対応させて、前記搬送車状態情報を示す搬送車状態マークを表示する搬送車状態表示処理を更に実行する、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記搬送車状態情報は、前記搬送車の走行速度、前記搬送車の加速状態、前記搬送車が備える走行機構の動作状態、及び、前記搬送車が備えるセンサの検知状態、の少なくとも1つを含む、請求項2又は3に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第2表示エリアに、前記搬送車が走行した前記走行経路の形状の特徴を示す経路形状表示を、前記振動結果グラフで表示される前記振動が測定された位置と対応付けて表示する経路形状表示処理を更に実行する、請求項1から3の何れか一項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記搬送車走行データは、前記搬送車が備える物体検知センサの検知エリアの状態を示す検知エリア情報を更に含むと共に、前記検知エリア情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、
前記制御装置は、前記マップ表示処理により表示された前記マップ上に、前記搬送車表示処理により表示された前記搬送車マークに対応させて、前記検知エリアの状態を示す検知エリアマークを表示する検知エリア表示処理を更に実行する、請求項1から3の何れか一項に記載の情報表示システム。
【請求項7】
前記搬送車走行データは、前記搬送車の走行速度を示す走行速度情報を更に含むと共に、前記走行速度情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、
前記制御装置は、前記搬送車表示処理において前記搬送車走行データに基づく前記搬送車の走行速度に応じた速度で前記搬送車マークを前記マップに対して相対的に移動させ、前記位置マーク表示処理において前記搬送車マークの移動速度に応じた速度で前記位置マークを前記振動結果グラフに対して相対的に移動させる、再生表示処理を実行する、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記振動情報に示された振動値が予め定められた判定しきい値を超えた前記走行経路上の地点を示す振動地点マークを前記マップ上に表示する振動地点マーク表示処理と、
前記振動地点マーク表示処理により表示された前記振動地点マークに対する選択操作を受け付ける操作受付処理と、を更に実行すると共に、
前記操作受付処理により前記振動地点マークに対する前記選択操作を受け付けた場合に、前記振動地点マークに示された地点よりも上流側の地点から前記再生表示処理を実行する、請求項7に記載の情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置と、表示装置を制御する制御装置と、記録装置と、を備えた情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような情報表示システムの一例が、下記の特許文献1(特開2016-52919号公報)に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号及び名称を括弧内に引用する。
【0003】
特許文献1の情報表示システムは、情報を表示する表示装置(ディスプレイ128)と、搬送車(112)の位置を示す位置情報と搬送車の位置した時刻とが関連付けて記憶されている記録装置(ストレージ123)とを備えている。そして、表示装置(128)では、搬送車(112)の走行経路のマップ(経路マップ132)上に、所定時刻に対応する搬送車(112)の位置を示す搬送車マーク(搬送車アイコン133)が表示される。
【0004】
加えて、記憶装置(123)は、搬送車(112)の状態を示す状態情報とその状態情報を取得した時刻とを紐付けて記憶している。そして、表示装置(128)では、上述した搬送車(112)の走行経路のマップ(132)及び搬送車マーク(133)の表示エリアに加えて、所定時刻に対応する状態情報の経時的な変化を視覚的に示す状態グラフ(134)の表示エリアも設けられている。
【0005】
特許文献1では、搬送車(112)の状態を示す状態情報として、搬送車(112)の運転モードの状態、異常の種類を示す異常コード、昇降台(114)に設けられている複数の荷物センサの検出状態、昇降台(114)に荷物が存在しているか否かの情報、台車(113)の前輪および後輪に対応してそれぞれ設けられたエンコーダの出力値、エンコーダの出力値およびタイマーによる時刻情報により得られる速度、搬送車(112)に搭載されるバッテリーの出力電圧値などの情報が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
搬送車を走行させた場合、その搬送車でどの程度の大きさの振動が測定されたかを知ることができれば有用である。例えば、搬送車の走行経路のどの場所で大きな振動が測定されたかを知ることができれば、その部位の走行経路に何らかの異常が発生していると推測できる。しかし、特許文献1に記載の技術において、搬送車(112)の状態を示す状態情報として、搬送車(112)の振動の情報を取得することは行われていない。
【0008】
更に、特許文献1の技術では、状態グラフ(134)は所定期間内の状態情報の経時的な変化を示しているだけであり、状態グラフ(134)を見ても、所定期間内の状態情報の経時的な変化を示す状態グラフ(134)の中のどの部分が、搬送車マーク(133)の位置に対応する所定時刻での状態を示すのかは不明である。つまり、状態グラフ(134)に表示された状態情報の経時的な変化の中で、特定の時刻の状態を確認したい場合であっても、その時刻に搬送車が走行経路のどの場所を走行していたのかを容易に把握することができない。
【0009】
そこで、搬送車の走行経路の形状や構造と振動との関係を容易に把握できる情報表示システムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記に鑑みた、情報表示システムの特徴構成は、情報を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、記録装置と、を備えた情報表示システムであって、前記記録装置は、搬送車の位置を示す位置情報と前記搬送車で測定された振動を示す振動情報とが関連付けられたデータである搬送車走行データ、及び、前記搬送車が走行した走行経路のマップのデータである経路マップデータを記録し、前記制御装置は、前記表示装置の表示画面に第1表示エリアと第2表示エリアとを設定し、前記第1表示エリアに、前記経路マップデータに基づく前記マップの少なくとも一部を表示するマップ表示処理と、前記マップ表示処理により前記第1表示エリアに表示された前記マップ上に、表示対象時点での前記搬送車の位置を示す搬送車マークを表示する搬送車表示処理と、前記第2表示エリアに、少なくとも前記表示対象時点及びその前後の時間での前記振動情報を示す振動結果グラフを表示するグラフ表示処理と、前記振動結果グラフ上で前記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークを前記第2表示エリアに表示する位置マーク表示処理と、を実行する点にある。
【0011】
本構成によれば、マップ表示処理及び搬送車表示処理により、表示装置の表示画面の中の第1表示エリアに、走行経路のマップとそのマップ上における表示対象時点での搬送車の位置とが表示される。また、グラフ表示処理及び位置マーク表示処理により、表示装置の表示画面の中の第2表示エリアに、少なくともその表示対象時点及びその前後での振動情報を示す振動結果グラフと、その振動結果グラフ上で上記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークとが表示される。つまり、第1表示エリア及び第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、搬送車が走行経路のどの位置にある時に、どのような振動が測定されたのかを視覚的に容易に把握できる。従って、マップに示された走行経路の形状や構造と振動との関係を容易に把握できる情報表示システムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】振動測定装置を用いた振動測定が行われる物品搬送設備の平面図
【
図3】搬送車及び振動測定装置の構成を示す模式的ブロック図
【
図6】搬送車の物体検知センサの検知エリアの説明図
【
図7】搬送車の物体検知センサの検知エリアの説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
情報表示システムの実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態では、情報表示システムが、物品を搬送する搬送車3に搭載された振動測定装置20から出力された情報を表示する例を説明する。従って、以下の説明では、先ず、物品を搬送する搬送車3に振動測定装置20を搭載して、その振動測定装置20が振動測定を行う例を説明する。
図1は、振動測定装置20を用いた振動測定が行われる物品搬送設備200の平面図である。
図2は、振動測定装置20を搭載する搬送車3の側面図である。
図3は、搬送車3及び振動測定装置20の構成を示す模式的ブロック図である。
図4及び
図5は、搬送車3が備える案内輪17の動作状態の説明図である。また、以下の説明では、走行経路1に沿った方向を走行方向Y、水平面に沿うと共に走行方向Yに直交する方向を幅方向Xとする。上下方向Zは、走行方向Y及び幅方向Xに直交する方向である。
【0014】
物品搬送設備200は、天井に吊り下げ支持されて走行経路1に沿って設置された走行レール2と、走行レール2に吊り下げ支持されて走行レール2上を走行経路1に沿って走行し、容器Wを搬送する搬送車3とを備えている。つまり、本実施形態で説明する搬送車3は、所謂、天井搬送車である。搬送車3は、例えば、半導体基板の材料とされるウェハなどの物品を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)等を容器Wとして搬送する。
【0015】
図1に示すように、走行経路1は、例えば1つの環状の主経路1Mと、複数の処理装置202を経由する環状の複数の副経路1Sと、後述するメンテナンス領域E2に設けられるメンテナンス経路1Cとを備えている。走行経路1は一方通行である。搬送車3は、走行経路1を走行方向Yの上流側から走行方向Yの下流側に向かって走行する。また、走行経路1には、容器Wを搬送する場合に通る領域である搬送領域E1と、搬送車3のメンテナンスを行う場合に通る領域であるメンテナンス領域E2とが含まれている。メンテナンス領域E2には、例えば、メンテナンスのために、走行レール2に吊り下げられた搬送車3を地上側に降ろすためのメンテナンスリフタ204が配置されている。
図4及び
図5に示すように、搬送車3は、一対の走行レール2に案内される。
【0016】
処理装置202は、例えば露光処理やエッチング処理などの各種の処理を行うための半導体処理装置等である。その場合、物品搬送設備200では上記FOUPが容器Wとして搬送される。尚、容器W及びその容器Wに収容する物品は他の物でもよい。例えば、搬送車3は、半導体基板の製造過程においてウェハの露光処理に用いられるレチクルを物品とし、そのレチクルを収容するレチクルポッドを容器Wとして搬送してもよい。各処理装置202には、載置台203が併設されている。
【0017】
図2に示すように、搬送車3は、走行経路1に沿って天井から吊り下げ支持されて配置された走行レール2に案内されて走行経路1に沿って走行する走行機構5と、走行レール2の下方に位置して走行機構5に吊り下げ支持された搬送車本体12とを備えている。また、搬送車3は、容器Wを吊り下げて保持する保持機構6と、保持機構6を昇降させる昇降機構7と備える。搬送車3は、
図2に示すように、保持機構6を上昇させた状態で走行して容器Wを搬送する。
【0018】
図2、
図4及び
図5に示すように、それぞれの走行機構5には、電動式の走行用アクチュエータ35にて回転駆動される一対の走行輪15が備えられている。走行用アクチュエータ35は、例えばモータ(走行用モータ)である。走行輪15は、走行レール2のそれぞれの上面にて形成される走行面を転動する。また、詳細な図示は行っていないが、走行機構5には、上下方向Zに沿う軸心周り(上下軸心周り)で自由回転する一対の走行補助輪16が、一対の走行レール2におけるそれぞれの内側面に接当する状態で備えられている。
【0019】
図4及び
図5に示すように、走行経路1における分岐区間には、搬送車3の走行方向Yに沿った方向に延びる案内レール13が備えられている。尚、図示は省略するが、走行経路1における合流区間にも同様の案内レール13が備えられている。案内レール13は、一対の案内面14(第1案内面14a,第2案内面14b)を備える。一対の案内面14(第1案内面14a,第2案内面14b)は、走行方向Yに直交する幅方向Xにおける互いに反対側を向くと共にそれぞれが走行方向Yに沿って延在する第1案内面14a及び第2案内面14bである。また、搬送車3には、上下方向Zに沿う縦軸心周り(上下軸心周り)に回転する案内輪17が備えられている。案内輪17は、左右一対の走行レール2の間の中央部に配置された案内レール13よりも右方向及び左方向に位置変更可能に備えられ、案内レール13の右側の案内面14である第1案内面14a、或いは左側の案内面14である第2案内面14bに接触して回転する。
【0020】
搬送車3が備える車両制御部4は、以下に説明するように、走行機構5に対して、分岐区間及び合流区間において案内輪17を、一対の案内面14の何れかに選択的に当接させるのかを切り替える切替動作を行わせる。
【0021】
図4は、搬送車3を分岐区間において走行方向Yに向かって右側の経路へ進行させる(本例では直進させる)場合の例である。この場合、車両制御部4は、案内輪17を案内レール13の第1案内面14aの側(走行方向Yに向かって右側)に位置させる。これにより、搬送車3は、案内レール13の第1案内面14aと案内輪17とが当接する状態で走行する。
図4に示すように、搬送車3が分岐区間において右側(幅方向第1側X1)の経路を通って直進する場合、一対の走行レール2の内、左右一方側(ここでは左側)の走行レール2が途切れ、左側の走行輪15及び走行補助輪16が脱輪した状態となる。尚、
図4では走行補助輪16については簡略化のため記載を省略している。しかし、案内レール13が案内輪17を介して搬送車3の荷重を受止めて案内支持することで、搬送車3が走行レール2から脱落することが抑制され、搬送車3が分岐区間において直進走行できる。
【0022】
図5は、搬送車3を分岐区間において走行方向Yに向かって左側の経路へ進行させる(本例ではカーブ経路に沿って分岐させる)の例である。この場合、車両制御部4は、案内輪17を案内レール13の第2案内面14bの側(走行方向Yに向かって左側)に位置させる。これにより、搬送車3は、案内レール13の第2案内面14bと案内輪17とが当接する状態で案内される。
図5に示すように、搬送車3が分岐区間において左側(幅方向第2側X2)の経路を通って分岐する場合、一対の走行レール2の内、左右一方側(ここでは右側)の走行レール2が途切れ、右側の走行輪15及び走行補助輪16が脱輪した状態となる。しかし、案内レール13が案内輪17を介して搬送車3の荷重を受止めて案内支持することで、搬送車3が走行レール2から脱落することが抑制され、搬送車3が分岐区間において分岐走行できる。
【0023】
図3に示すように、搬送車3は、上述した以外にも、位置検知センサ8と、速度センサ9と、物体検知センサ10と、通信部11とを備える。
【0024】
車両制御部4は、搬送車3の動作を制御する。例えば、車両制御部4は、物品搬送設備200の全体を管理する設備制御部Hとの間で通信部11を介してワイヤレス通信によって情報通信できる。そして、車両制御部4は、設備制御部Hからの搬送指令に基づいて、自律制御により搬送車3を走行させ、容器Wを異なる載置台203の間で搬送し、指定された載置台203の上方で停止して、保持機構6を昇降させることによって容器Wを移載する。
【0025】
位置検知センサ8は、搬送車3がどの位置にあるのかを検出するために用いられる。例えば、
図3に示すように、走行経路1には、走行経路1における位置を示す位置指標Bが走行経路1に沿って配置されている。位置指標Bは、例えば一次元又は二次元バーコード等や、数字や文字が記載されたマーカーとすることができる。位置検知センサ8は、バーコードリーダや画像認識装置、数字や文字を認識する文字認識装置とすることができる。また、位置検知センサ8は、走行輪15の車軸(図示せず)の回転角度を検出するセンサ等を用いて、搬送車3の走行距離を導出できる。そして、位置検知センサ8は、位置指標Bを検出してからの搬送車3の走行距離に基づいて、走行経路1における搬送車3の現在の位置を検出できる。位置検知センサ8によって検出された位置情報は、車両制御部4に伝達される。このようにして、搬送車3は、複数の位置指標Bを利用して、走行経路1における位置を検出できる。また、搬送車3は、検出された位置情報を設備制御部Hに逐次送信し、設備制御部Hは、その位置情報に基づいて生成した搬送指令を搬送車3に送信できる。
【0026】
速度センサ9は、搬送車3の走行速度を検出するために用いられる。速度センサ9は、例えば、走行輪15の車軸(図示せず)の回転角度を検出するセンサ等を用いて実現できる。その場合、速度センサ9が、走行輪15の車軸(図示せず)の回転角度に基づいて車軸の回転速度を導出し、その回転速度に基づいて搬送車3の走行速度を導出できる。そして、速度センサ9が、その導出した走行速度を車両制御部4に伝達すればよい。或いは、速度センサ9が、測定した走行輪15の車軸(図示せず)の回転角度を車両制御部4に逐次伝達し、車両制御部4がその回転角度の値に基づいて搬送車3の走行速度を導出してもよい。
【0027】
物体検知センサ10は、走行する搬送車3にとっての障害物となる物体を検知するために用いられる。例えば、走行経路1には、複数の搬送車3が存在し、同時に走行している。そのため、他の搬送車3との衝突を防止するために、搬送車3には、走行方向Yの前方における設定領域内に存在する物体を検出する物体検知センサ10が設けられている。
【0028】
図6及び
図7は、搬送車3の物体検知センサ10の検知エリア18を説明する図である。
図6に示すように、搬送車3は、走行方向Yの前方が直線区間の場合、搬送車3の走行方向Yの前方に設定される検知エリア18を、幅方向Xよりも、走行方向Yに沿って長く延びた形状にする。それに対して、
図7に示すように、搬送車3は、搬送車3の走行方向Yの前方が曲線区間の場合、搬送車3の走行方向Yの前方に設定される検知エリア18を、走行方向Yよりも、曲線形状の走行経路1に応じて幅方向Xに沿って長く延びた形状にする。
【0029】
次に、搬送車3に搭載される振動測定装置20について説明する。
図3に示すように、振動測定装置20は、振動を測定する振動測定部21と、搬送車3の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部22と、搬送車3の状態を示す搬送車状態情報を取得する状態情報取得部23と、振動測定部21による測定結果と搬送車状態情報と位置情報とを相互に関連付けて記録する記録部24と、記録部24に記録された情報を出力する出力部25とを備える。尚、振動測定装置20は、情報の通信機能、情報の演算処理機能、情報の記憶機能などを備えており、後述するようにそれらの機能の少なくとも一部を利用して、振動測定部21、位置情報取得部22、状態情報取得部23、記録部24及び出力部25の機能を実現してもよい。また、振動測定装置20は、それらの機能が搭載された単一の装置によって実現されてもよく、或いは、それらの機能が搭載された複数の装置によって実現されてもよい。
【0030】
振動測定部21は、振動の振幅、周波数、加速度等の振動を表す物理量を測定できるセンサを用いて実現できる。また、振動測定部21は、例えば、X方向、Y方向及びZ方向の互いに直交する3方向の振動を測定可能な構成であってもよい。或いは、振動測定部21は、X方向、Y方向及びZ方向のうちの2方向又は1方向の振動を測定可能な構成であってもよい。振動測定部21は、振動の測定結果と共にその測定結果が取得された時刻についての時刻情報を取得してもよい。
【0031】
位置情報取得部22は、搬送車3の位置を示す位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部22は、振動測定装置20が備える情報通信機能を利用して、搬送車3の位置検知センサ8で検知された搬送車3の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部22は、位置情報と共にその位置情報が検知された時刻についての時刻情報を取得してもよい。
【0032】
状態情報取得部23は、搬送車3の状態を示す搬送車状態情報を取得する。例えば、状態情報取得部23は、振動測定装置20が備える情報の通信機能を利用して、搬送車3で測定された搬送車状態情報を取得する。状態情報取得部23は、搬送車状態情報と共にその搬送車状態情報が測定された時刻についての時刻情報を取得してもよい。
【0033】
搬送車状態情報は、搬送車3の走行速度、搬送車3の加速状態、搬送車3が備える動作機構の動作状態、及び、搬送車3が備えるセンサ(例えば物体検知センサ10など)の検知状態、の少なくとも1つを含む。
【0034】
搬送車3の走行速度は、搬送車3の速度センサ9で測定された値である。搬送車3の加速状態(すなわち、加速している状態、減速している状態、等速状態などを示す加速度)は、搬送車3の速度センサ9で測定された走行速度の変化を演算して決定できる。搬送車3の車両制御部4が搬送車3の加速状態の演算を行って、その演算された加速状態を振動測定装置20の状態情報取得部23が取得してもよい。或いは、振動測定装置20の状態情報取得部23が、取得した搬送車3の走行速度から、振動測定装置20の演算処理機能を利用して加速状態を演算してもよい。例えば、搬送車3が加速している場合及び減速している場合には搬送車3の振動は比較的大きくなり、搬送車3が等速で走行している場合には搬送車3の振動は比較的小さくなると考えられる。
【0035】
搬送車3が備える動作機構の動作状態は、搬送車3の走行機構5、保持機構6及び昇降機構7などの動作機構の動作状態についての情報である。例えば、搬送車3は、走行機構5の一部として、
図4及び
図5に示した案内輪17を備えており、その動作は車両制御部4によって制御される。そして、状態情報取得部23は、案内輪17が走行方向Yに向かって右側及び左側の何れに位置しているのかを示す情報を搬送車3の車両制御部4から取得できる。尚、動作状態は、案内輪17(すなわち、走行機構5)の状態に限定されない。例えば、昇降機構7の動作状態、保持機構6の動作状態などでもよい。例えば、走行機構5の案内輪17が動作した場合(すなわち、案内輪17の位置が左右で切り替わった場合)には搬送車3の振動は比較的大きくなると考えられる。
【0036】
搬送車3が備える物体検知センサ10の検知状態は、例えば、
図6及び
図7に示した物体検知センサ10の検知エリア18の形状についての情報や、物体を検知しているか否かの情報などである。搬送車3の物体検知センサ10の検知エリア18をどのような状態にするのかは車両制御部4によって制御される。また、物体検知センサ10が物体を検知しているか否かの情報は車両制御部4に伝達される。そして、状態情報取得部23は、搬送車3の物体検知センサ10の検知状態についての情報を搬送車3の車両制御部4から取得できる。例えば、物体検知センサ10が物体を検知した場合には、搬送車3が減速する等の理由により搬送車3の振動は比較的大きくなると考えられる。
【0037】
以上のように、状態情報取得部23は、搬送車状態情報として、振動測定部21が測定する振動に影響する可能性がある搬送車3の挙動を示す情報を取得できる。従って、ユーザは、そのような搬送車状態情報を参照することで、振動が搬送車3の状態の影響を強く受けているか否かの分析が容易になる。
【0038】
記録部24は、振動測定部21による測定結果(振動情報)と搬送車状態情報と位置情報とを相互に関連付けて記録する。記録部24は、振動測定装置20が備える情報の記憶機能を利用して実現できる。例えば、上述したように振動測定部21による測定結果と搬送車状態情報と位置情報とが何れも時刻情報に関連付けられている場合、記録部24は、同じ時刻又は所定の時刻範囲内の振動測定部21による測定結果と搬送車状態情報と位置情報とを相互に関連付けて記録できる。尚、それらの情報が時刻情報に関連付けられていない場合、記録部24は、同時又は所定時間内に記録する振動測定部21による測定結果と搬送車状態情報と位置情報とを一つのデータセットとして相互に関連付けて記録すればよい。
【0039】
尚、振動情報は、振動測定部21が測定した振動の振幅、周波数、加速度等の振動を表す物理量であってもよいし、それらに対して演算を行った値であってもよい。例えば、振動情報は、振動波形から演算される実効値(RMS:root mean square)などであってもよい。
【0040】
このように、記録部24は、少なくとも搬送車3の位置を示す位置情報と搬送車3で測定された振動を示す振動情報とが関連付けられた搬送車走行データ、或いは、少なくとも搬送車3の位置を示す位置情報と搬送車3で測定された振動を示す振動情報と搬送車3の状態を示す搬送車状態情報とが関連付けられたデータである搬送車走行データを記録できる。搬送車走行データに含まれる位置情報、振動情報及び搬送車状態情報には、時刻情報が関連付けられていてもよい。また、記録部24は、搬送車3が走行途中に通過した位置の情報を、搬送車3が走行した走行経路1のマップのデータである経路マップデータとして記録できる。搬送車3が走行途中に通過した位置の情報には、時刻情報が関連付けられていてもよい。
【0041】
出力部25は、記録部24に記録された情報を出力する。例えば、出力部25は、振動測定装置20が備える情報の通信機能を利用して、振動測定装置20と通信可能な他の装置に対して、記録部24に記録された情報を出力できる。尚、出力部25は、情報を他の装置へ送信する態様で出力するだけでなく、表示装置41への情報の表示出力や、紙への印字出力、可搬型の記憶装置への情報出力などを行ってもよい。
【0042】
以上のように、本実施形態の振動測定装置20を用いれば、搬送車3が走行した走行経路1の各位置で測定した振動とその位置での搬送車3の状態とを示す情報を取得できる。その結果、それらの情報の出力を受けたユーザは、振動が搬送車3の走行経路1のいずれの位置において大きくなるのか、及び、その際に搬送車3がどのような状態であるのかといった情報を適切に把握できる。すなわち、本実施形態に係る振動測定装置20によれば、測定された振動の原因の分析を適切に行うための情報を出力することができる。
【0043】
次に、情報表示システムについて説明する。
図8は、情報表示システムの構成を説明する図である。図示するように、情報表示システムは、情報を表示する表示装置41と、表示装置41を制御する制御装置40と、記録装置45と、入力受付部56とを備える。情報表示システムは、情報の表示機能(すなわち、上記表示装置41)、情報の通信機能、情報の演算処理機能(すなわち、上記制御装置40)、情報の記憶機能(すなわち、上記記録装置45)、キーボードやマウス等の情報の入力受付機能(すなわち、上記入力受付部56)などを備える単数又は複数台のコンピュータ装置を用いて実現できる。
【0044】
記録装置45は、搬送車3の位置を示す位置情報と搬送車3で測定された振動を示す振動情報とが関連付けられたデータである搬送車走行データ、及び、搬送車3が走行した走行経路1のマップのデータ(すなわち、搬送車3が走行途中に通過した位置の情報)である経路マップデータを記録する。つまり、搬送車走行データと経路マップデータとは、搬送車3の走行途中の各時点での位置で結び付けられる。そのため、特定の時点での搬送車3の位置が指定されれば、その位置での振動情報が特定され、且つ、その位置が走行経路1のマップのどの部分に対応するかが特定される。
【0045】
記録装置45に記録される搬送車走行データ及び経路マップデータは、振動測定装置20の出力部25から出力されたデータを用いて構築される。例えば、情報表示システムを実現するコンピュータ装置と振動測定装置20とが互いに情報通信可能である場合、搬送車走行データ及び経路マップデータに含まれる情報を振動測定装置20の出力部25から情報表示システムを実現するコンピュータ装置へ出力すればよい。或いは、搬送車走行データ及び経路マップデータに含まれる情報を振動測定装置20の出力部25が可搬型の記憶装置へ出力し、次に、情報表示システムを実現するコンピュータ装置にその可搬型の記憶装置を接続して、記憶されている情報を読み出すことで、記録装置45に搬送車走行データ及び経路マップデータに含まれる情報を記録できる。
【0046】
制御装置40は、表示装置41の表示画面42に第1表示エリア43と第2表示エリア44とを設定し、後述するようなマップ表示処理と搬送車表示処理とグラフ表示処理と位置マーク表示処理とを実行する。
【0047】
マップ表示処理は、第1表示エリア43に、経路マップデータに基づくマップの少なくとも一部を表示する処理である。
図8に示す例では、走行経路1に対応する走行経路マーク46が表示されている。例えば、制御装置40は、搬送車3が走行途中に通過した位置を線で結ぶことで、走行経路マーク46を表示できる。或いは、制御装置40は、例えば走行レール2が敷設されている場合など、走行経路1の地図情報が既にある場合には、その走行経路地図を走行経路マーク46で表示してもよい。
【0048】
搬送車表示処理は、マップ表示処理により第1表示エリア43に表示されたマップ(走行経路マーク46)上に、表示対象時点での搬送車3の位置を示す搬送車マーク47を表示する処理である。
図8に示す例では、制御装置40は、搬送車3が走行した走行経路1のマップのデータ(すなわち、搬送車3が走行途中に通過した位置の情報)である経路マップデータに基づいて、走行経路マーク46で表示される走行経路地図のうち、特定の時点(すなわち、表示対象時点)での搬送車3の位置に対応する場所に搬送車マーク47を表示している。尚、搬送車マーク47の形状、模様などは適宜設定可能である。
【0049】
グラフ表示処理は、第2表示エリア44に、少なくとも表示対象時点及びその前後の時間での振動情報を示す振動結果グラフ48を表示する処理である。
図8に示す例では、制御装置40は、搬送車3の位置を示す位置情報と搬送車3で測定された振動を示す振動情報とが関連付けられたデータである搬送車走行データに基づいて、特定の時点(すなわち、表示対象時点)及びその前後の時間での振動情報の推移をグラフ化した振動結果グラフ48を表示している。
【0050】
位置マーク表示処理は、振動結果グラフ48上で表示対象時点に対応する位置を示す位置マーク49を第2表示エリア44に表示する処理である。
図8に示す例では、制御装置40は、表示対象時点を表す破線49aと、その破線49aを指し示す矢印49bとを、位置マーク49として表示している。尚、位置マーク49の形状、模様などは適宜設定可能である。
【0051】
このように、マップ表示処理及び搬送車表示処理により、表示装置41の表示画面42の中の第1表示エリア43に、走行経路1のマップとそのマップ上における表示対象時点での搬送車3の位置とが表示される。また、グラフ表示処理及び位置マーク表示処理により、表示装置41の表示画面42の中の第2表示エリア44に、少なくともその表示対象時点及びその前後での振動情報を示す振動結果グラフ48と、その振動結果グラフ48上で上記表示対象時点に対応する位置を示す位置マーク49とが表示される。つまり、第1表示エリア43及び第2表示エリア44を含む表示画面42を見た者は、搬送車3が走行経路1のどの位置にある時に、どのような振動が測定されたのかを視覚的に容易に把握できる。従って、マップに示された走行経路1の形状や構造と振動との関係を容易に把握できる情報表示システムが実現できる。
【0052】
搬送車走行データは、搬送車3の走行速度を示す走行速度情報を更に含むと共に、走行速度情報が位置情報と振動情報とに関連付けられたデータとなっていてもよい。そして、制御装置40は、搬送車表示処理において搬送車走行データに基づく搬送車3の走行速度に応じた速度で搬送車マーク47をマップに対して相対的に移動させ、位置マーク表示処理において搬送車マーク47の移動速度に応じた速度で位置マーク49を振動結果グラフ48に対して相対的に移動させる再生表示処理を実行してもよい。或いは、制御装置40は、搬送車3の走行速度とは無関係な一定の速度で、搬送車マーク47をマップに対して相対的に移動させてもよい。
【0053】
尚、図示は省略するが、制御装置40は、例えば表示画面42に再生開始ボタンや再生停止ボタンなどの再生制御用ボタンを表示させ、ユーザがマウスなどの入力受付部56で行った操作入力(すなわち、再生開始及び再生停止などの再生表示に関する指示)に応じて再生表示処理を行ってもよい。或いは、制御装置40は、ユーザが再生開始ボタンに対する操作入力を行わなくても、自動で再生表示処理を行ってもよい。
【0054】
このようなマップ表示処理、搬送車表示処理及び再生表示処理が実行されることにより、表示装置41の表示画面42の中の第1表示エリア43に、走行経路1のマップとそのマップ上における表示対象時点での搬送車3の位置を示す搬送車マーク47とが表示され、更に搬送車マーク47は搬送車走行データに基づく搬送車3の走行速度に応じた速度でマップに対して相対的に移動する。また、グラフ表示処理、位置マーク表示処理及び再生表示処理が実行されることにより、表示装置41の表示画面42の中の第2表示エリア44に、少なくともその表示対象時点及びその前後での振動情報を示す振動結果グラフ48と、その振動結果グラフ48上で上記表示対象時点に対応する位置を示す位置マーク49とが表示され、更に位置マーク49は搬送車走行データに基づく搬送車3の走行速度に応じた速度で振動結果グラフ48に対して相対的に移動する。つまり、第1表示エリア43及び第2表示エリア44を含む表示画面42を見た者は、搬送車3が走行経路1のどの位置にある時に、搬送車3がどのような速度で移動し、振動がどのような値をとりながら変化したのかを視覚的に容易に把握できる。
【0055】
例えば、制御装置40は、第1表示エリア43では、搬送車マーク47の表示位置を固定し、走行経路地図を示す走行経路マーク46を移動させるような再生表示処理や、走行経路地図を示す走行経路マーク46を固定し、搬送車マーク47の表示位置を移動させるような再生表示処理や、搬送車マーク47の表示位置及び走行経路地図を示す走行経路マーク46の両方を移動させるような再生表示処理などを行うことができる。
【0056】
また、制御装置40は、第2表示エリア44では、表示対象時点を示す位置マーク49の表示位置を固定し、振動結果グラフ48を移動させるような再生表示処理や、振動結果グラフ48の表示を固定し、表示対象時点を示す位置マーク49の表示位置を移動させる再生表示処理や、表示対象時点を示す位置マーク49の表示位置及び振動結果グラフ48の両方を移動させるような再生表示処理などを行うことができる。
【0057】
制御装置40は、例えば入力受付部56でユーザから受け付けた指示に応じて、第1表示エリア43及び第2表示エリア44で表示する情報を変更できる。以下に、第1表示エリア43及び第2表示エリア44での幾つかの表示画面例を説明する。
【0058】
図9は、表示装置41の表示画面例を示す図である。この例では、搬送車走行データは、搬送車3の状態を示す搬送車状態情報を更に含むと共に、搬送車状態情報が位置情報と振動情報とに関連付けられたデータとなっている。そして、制御装置40は、グラフ表示処理において、少なくとも表示対象時点及びその前後の時間での搬送車状態情報を示す搬送車状態グラフ50を、振動結果グラフ48と共に第2表示エリア44に表示し、位置マーク表示処理において、搬送車状態グラフ50上で表示対象時点に対応する位置を位置マーク49により第2表示エリア44に表示する。
【0059】
図9に示す例では、搬送車3の走行速度についての情報を搬送車状態情報としている。そして、制御装置40は、グラフ表示処理において、搬送車3の走行速度についての情報(搬送車状態情報)が位置情報と振動情報とに関連付けられたデータである搬送車走行データに基づいて、特定の時点(すなわち、表示対象時点)及びその前後の時間での振動情報の推移をグラフ化した振動結果グラフ48、及び、走行速度の推移をグラフ化した搬送車状態グラフ50を表示している。このように、第1表示エリア43及び第2表示エリア44を含む表示画面42を見た者は、搬送車3が走行経路1のどの位置にある時に、どのような振動が測定され且つ搬送車3がどのような状態であったのかを視覚的に容易に把握できる。その結果、マップに示された走行経路1の形状や構造と振動と搬送車3の状態との関係の把握が容易になり易いという利点がある。
【0060】
尚、
図9では、振動結果グラフ48及び搬送車状態グラフ50を一つの第2表示エリア44に表示しているが、例えば、表示画面42に第2表示エリア44を複数設けて、振動結果グラフ48及び搬送車状態グラフ50をそれぞれの第2表示エリア44に表示してもよい。その場合、位置マーク49もそれぞれの第2表示エリア44に表示すればよい。
【0061】
加えて、制御装置40は、マップ表示処理により表示されたマップ上に、搬送車表示処理により表示された搬送車マーク47に対応させて、搬送車状態情報を示す搬送車状態マーク51を表示する搬送車状態表示処理を実行する。
【0062】
図9に示す例では、案内輪17の動作状態(すなわち、案内輪17が走行方向Yに向かって右側及び左側の何れに位置している状態なのか)についての情報を搬送車状態情報としている。そして、制御装置40は、搬送車状態表示処理において、案内輪17の動作状態についての情報(搬送車状態情報)が位置情報と振動情報とに関連付けられたデータである搬送車走行データに基づいて、マップ表示処理により表示されたマップ上に、搬送車表示処理により表示された搬送車マーク47に対応させて、案内輪17の動作状態を示す搬送車状態マーク51を表示している。図示する例では、案内輪17が、走行方向Yに向かって左側に位置している状態が表示されている。このように、第1表示エリア43及び第2表示エリア44を含む表示画面42を見た者は、搬送車3が走行経路1のどの位置にある時に、どのような振動が測定され且つ搬送車3の案内輪17がどのような状態であったのかを視覚的に容易に把握できる。
【0063】
図10及び
図11は、表示装置41の表示画面例を示す図である。この例では、搬送車走行データは、搬送車3の状態を示す搬送車状態情報を更に含むと共に、搬送車状態情報が位置情報と振動情報とに関連付けられたデータとなっている。そして、制御装置40は、マップ表示処理により表示されたマップ上に、搬送車表示処理により表示された搬送車マーク47に対応させて、搬送車状態情報を示す搬送車状態マーク51を表示する搬送車状態表示処理を更に実行する。
【0064】
図10及び
図11に示す例では、搬送車3の走行速度についての情報を搬送車状態情報としている。そして、制御装置40は、搬送車状態表示処理において、搬送車3の走行速度についての情報(搬送車状態情報)が位置情報と振動情報とに関連付けられたデータに基づいて、マップ表示処理により表示されたマップ上に、搬送車表示処理により表示された搬送車マーク47に対応させて、搬送車3の走行速度を示す搬送車状態マーク51を表示している。例えば、
図10及び
図11では、搬送車状態情報として搬送車3の走行速度が、搬送車状態マーク51としての破線矢印で表示されている。この場合、破線矢印が長い程、走行速度が速いことが示されている。つまり、
図10に示されている搬送車状態マーク51としての破線矢印は、
図11に示されている搬送車状態マーク51としての破線矢印よりも長い形状で表示されているため、
図10に示す時点での搬送車3の走行速度の方が速いことが分かる。このように、第1表示エリア43及び第2表示エリア44を含む表示画面42を見た者は、搬送車3が走行経路1のどの位置にある時に、どのような振動が測定され且つ搬送車3の速度がどのような状態であったのかを視覚的に容易に把握できる。
【0065】
図12は、表示装置41の表示画面例を示す図である。この例では、搬送車走行データは、搬送車3が備える物体検知センサ10の検知エリア18の状態を示す検知エリア情報を更に含むと共に、検知エリア情報が位置情報と振動情報とに関連付けられたデータとなっている。そして、制御装置40は、搬送車走行データに基づいて、マップ表示処理により表示されたマップ上に、搬送車表示処理により表示された搬送車マーク47に対応させて、表示対象時点での検知エリア18の状態を示す検知エリアマーク53を表示する検知エリア表示処理を更に実行する。例えば、
図12では、搬送車状態情報として検知エリア18の水平方向での形状が、検知エリアマーク53としての破線図形で表示されている。
図12に示す検知エリアマーク53の形状は、
図7に示した検知エリア18の形状と同様である。このように、第1表示エリア43及び第2表示エリア44を含む表示画面42を見た者は、搬送車3が走行経路1のどの位置にある時に、どのような振動が測定され且つ搬送車3の物体検知センサ10の検知エリア18がどのような状態であったのかを視覚的に容易に把握できる。尚、検知エリアマーク53の形状、模様などは適宜設定可能である。
【0066】
図13は、表示装置41の表示画面例を示す図である。この例では、制御装置40は、第2表示エリア44に、搬送車3が走行した走行経路1の形状の特徴を示す経路形状表示52を、振動結果グラフ48で表示される振動が測定された位置と対応付けて表示する経路形状表示処理を更に実行する。
図13に示す例では、第2表示エリア44の一部(走行経路1の曲線区間に対応する部分)の模様が他と異なっている。そして、その曲線区間が、走行経路1の内輪側の曲率半径が500mmである180°の回転であることを意味する「180° 内輪 R500」という経路形状表示52が表示されている。このように、第2表示エリア44を含む表示画面42を見た者は、走行経路1の形状と振動との関係を視覚的に容易に把握できる。
【0067】
図14は、表示装置41の表示画面例を示す図である。この例では、制御装置40は、振動情報に示された振動値が予め定められた判定しきい値を超えた走行経路1上の地点を示す振動地点マーク54をマップ上に表示する振動地点マーク表示処理を実行している。また、第1表示エリア43にはマウスポインタ55も表示されている。このように、第1表示エリア43を見た者は、走行経路1上のいずれの地点において大きな振動が発生しているかを容易に把握できる。また、
図14に示す第1表示エリア43には、搬送車3の走行速度を示す搬送車状態マーク51も表示されている。
【0068】
制御装置40は、振動地点マーク表示処理により表示された振動地点マーク54に対する選択操作を受け付ける操作受付処理を更に実行できる。例えば、ユーザは、マウスなどの入力受付部56を操作して、マウスポインタ55により特定の振動地点マーク54に対する選択入力を行うことができる。そして、制御装置40は、操作受付処理により振動地点マーク54に対する選択操作を受け付けた場合に、
図15に示すように、振動地点マーク54に示された地点よりも上流側の地点から再生表示処理を開始する。
【0069】
このように、再生表示処理により、振動地点マーク54に対する操作を受け付けた場合に、振動地点マーク54に示された地点よりも上流側の地点から再生表示が行われるため、走行経路1上における搬送車3の振動が比較的大きい地点の前後における走行経路1の形状や構造と、搬送車3の走行速度との把握が容易になるような情報を表示装置41に表示できる。
【0070】
〔その他の実施形態〕
次に、情報表示システムのその他の実施形態について説明する。
【0071】
(1)上記の実施形態では、搬送車3が天井搬送車である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、搬送車3は、AGV(Automatic Guided Vehicle)、STV(ソーティング・トランスファー・ビークル)、スタッカクレーン、自律走行搬送ロボットAMR(Autonomous Mobile Robot)でもよい。
【0072】
(2)上記実施形態では、位置検知センサ8が、走行経路1における位置を示す位置指標Bに基づいて搬送車3の位置を検出する例を説明したが、位置検知センサ8が他の手段によって搬送車3の位置を検出してもよい。例えば、位置検知センサ8は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構築するGNSS衛星からの信号を受信して、搬送車3の位置を検出してもよい。
【0073】
(3)上記実施形態において、搬送車状態情報の内容は適宜変更可能である。例えば、搬送車3が備える各種のセンサの検知状態についての情報を含んでもよい。搬送車3が備える各種のセンサの例としては、容器Wを保持する保持機構6の動作状態を検出するセンサ、保持機構6を昇降させる昇降機構7の動作状態を検出するセンサなどがある。
【0074】
(4)上記実施形態では、第1表示エリア43と第2表示エリア44とが表示画面42の中で明確に区分けされている例を説明したが、第1表示エリア43及び第2表示エリア44が表示画面42の中でどのように表示されるのかは適宜設定可能である。例えば、第1表示エリア43と第2表示エリア44とが表示画面42の中で部分的に重なって表示されていてもよい。また、表示画面42の中に、第1表示エリア43及び第2表示エリア44とは別の表示エリアが表示されていてもよい。
【0075】
(5)上記実施形態において、制御装置40は、ユーザが入力受付部56を操作して行った指示に応じて、第1表示エリア43で表示される走行経路1のマップの拡大及び縮小、上下左右方向への移動や、第2表示エリア44で表示されるグラフ等の拡大及び縮小、上下左右方向への移動などを行ってもよい。
【0076】
(6)上記実施形態において、第2表示エリア44で表示対象とする情報の推移が分かるのであれば、第2表示エリア44に表示されるグラフの横軸は適宜設定可能である。例えば、横軸は、搬送車3の合計走行距離、情報が記録された順番などでもよい。
【0077】
(7)上記実施形態において、再生表示処理の内容は適宜変更可能である。例えば、制御装置40は、第1表示エリア43においてユーザがマウスなどの入力受付部56を用いて搬送車マーク47を選択して移動させる(すなわち、マウスで搬送車マーク47をドラッグする)指示を行った場合に、その指示に応じて搬送車マーク47をマップ(走行経路マーク46)に対して移動させ、それに応じて第2表示エリア44において位置マーク49を振動結果グラフ48に対して相対的に移動させるような再生表示処理を行ってもよい。
【0078】
(8)上記実施形態において、搬送車3の走行速度を示す搬送車状態マーク51を、
図10及び
図11に示すような破線矢印で表示する例を説明したが、搬送車状態マーク51の表示態様は適宜変更可能である。例えば、搬送車3の走行速度を示す数値(すなわち、文字情報)を搬送車状態マーク51として表示してもよい。
【0079】
(9)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0080】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した情報表示システムの概要について説明する。
【0081】
情報表示システムは、情報を表示する表示装置と、前記表示装置を制御する制御装置と、記録装置と、を備えた情報表示システムであって、前記記録装置は、搬送車の位置を示す位置情報と前記搬送車で測定された振動を示す振動情報とが関連付けられたデータである搬送車走行データ、及び、前記搬送車が走行した走行経路のマップのデータである経路マップデータを記録し、前記制御装置は、前記表示装置の表示画面に第1表示エリアと第2表示エリアとを設定し、前記第1表示エリアに、前記経路マップデータに基づく前記マップの少なくとも一部を表示するマップ表示処理と、前記マップ表示処理により前記第1表示エリアに表示された前記マップ上に、表示対象時点での前記搬送車の位置を示す搬送車マークを表示する搬送車表示処理と、前記第2表示エリアに、少なくとも前記表示対象時点及びその前後の時間での前記振動情報を示す振動結果グラフを表示するグラフ表示処理と、前記振動結果グラフ上で前記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークを前記第2表示エリアに表示する位置マーク表示処理と、を実行する。
【0082】
本構成によれば、マップ表示処理及び搬送車表示処理により、表示装置の表示画面の中の第1表示エリアに、走行経路のマップとそのマップ上における表示対象時点での搬送車の位置とが表示される。また、グラフ表示処理及び位置マーク表示処理により、表示装置の表示画面の中の第2表示エリアに、少なくともその表示対象時点及びその前後での振動情報を示す振動結果グラフと、その振動結果グラフ上で上記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークとが表示される。つまり、第1表示エリア及び第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、搬送車が走行経路のどの位置にある時に、どのような振動が測定されたのかを視覚的に容易に把握できる。従って、マップに示された走行経路の形状や構造と振動との関係を容易に把握できる情報表示システムが実現できる。
【0083】
ここで、前記搬送車走行データは、前記搬送車の状態を示す搬送車状態情報を更に含むと共に、前記搬送車状態情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、前記制御装置は、前記グラフ表示処理において、少なくとも前記表示対象時点及びその前後の時間での前記搬送車状態情報を示す搬送車状態グラフを、前記振動結果グラフと共に前記第2表示エリアに表示し、前記位置マーク表示処理において、前記搬送車状態グラフ上で前記表示対象時点に対応する位置を前記位置マークにより前記第2表示エリアに表示すると好適である。
【0084】
本構成によれば、グラフ表示処理及び位置マーク表示処理により、表示装置の表示画面の中の第2表示エリアに、少なくとも表示対象時点及びその前後の時間での搬送車状態情報を示す搬送車状態グラフが、振動結果グラフ及びその振動結果グラフ上で上記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークと共に表示される。つまり、第1表示エリア及び第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、搬送車が走行経路のどの位置にある時に、どのような振動が測定され且つ搬送車がどのような状態であったのかを視覚的に容易に把握できる。その結果、マップに示された走行経路の形状や構造と振動と搬送車の状態との関係の把握が容易になり易いという利点がある。
【0085】
また、前記搬送車走行データは、前記搬送車の状態を示す搬送車状態情報を更に含むと共に、前記搬送車状態情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、前記制御装置は、前記マップ表示処理により表示された前記マップ上に、前記搬送車表示処理により表示された前記搬送車マークに対応させて、前記搬送車状態情報を示す搬送車状態マークを表示する搬送車状態表示処理を更に実行すると好適である。
【0086】
本構成によれば、搬送車状態表示処理により、表示装置の表示画面の中の第1表示エリアに、搬送車マークにより示される表示対象時点での搬送車の位置と、その表示対象時点での搬送車状態マークにより表示される搬送車の状態とが表示される。つまり、第1表示エリア及び第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、搬送車が走行経路のどの位置にある時に、どのような振動が測定され且つ搬送車がどのような状態であったのかを視覚的に容易に把握できる。
【0087】
また、前記搬送車状態情報は、前記搬送車の走行速度、前記搬送車の加速状態、前記搬送車が備える走行機構の動作状態、及び、前記搬送車が備えるセンサの検知状態、の少なくとも1つを含むと好適である。
【0088】
本構成によれば、グラフ表示処理及び位置マーク表示処理により、表示装置の表示画面の中の第2表示エリアに、少なくとも表示対象時点と、その前後の時間での、搬送車の走行速度、搬送車の加速状態、搬送車が備える走行機構の動作状態、及び、搬送車が備えるセンサの検知状態の少なくとも1つを含む搬送車状態情報を示す搬送車状態グラフが、振動結果グラフ及びその振動結果グラフ上で上記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークと共に表示される。ここで、搬送車の状態を示す搬送車状態情報としての、搬送車の走行速度、搬送車の加速状態、搬送車が備える走行機構の動作状態、及び、搬送車が備えるセンサの検知状態のそれぞれは、搬送車で測定される振動に影響する可能性がある。従って、第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、搬送車の振動の原因が搬送車の状態にあるのか否かを視覚的に容易に把握できる。
【0089】
また、前記制御装置は、前記第2表示エリアに、前記搬送車が走行した前記走行経路の形状の特徴を示す経路形状表示を、前記振動結果グラフで表示される前記振動が測定された位置と対応付けて表示する経路形状表示処理を更に実行すると好適である。
【0090】
本構成によれば、第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、走行経路の形状と振動との関係を視覚的に容易に把握できる。
【0091】
また、前記搬送車走行データは、前記搬送車が備える物体検知センサの検知エリアの状態を示す検知エリア情報を更に含むと共に、前記検知エリア情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、前記制御装置は、前記マップ表示処理により表示された前記マップ上に、前記搬送車表示処理により表示された前記搬送車マークに対応させて、前記検知エリアの状態を示す検知エリアマークを表示する検知エリア表示処理を更に実行すると好適である。
【0092】
本構成によれば、検知エリア表示処理により、表示装置の表示画面の中の第1表示エリアに、搬送車マークにより示される表示対象時点での搬送車の位置と、その表示対象時点での物体検知センサの検知エリアの状態とが表示される。つまり、第1表示エリア及び第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、搬送車が走行経路のどの位置にある時に、どのような振動が測定され且つ搬送車の物体検知センサの検知エリアがどのような状態であったのかを視覚的に容易に把握できる。
【0093】
また、前記搬送車走行データは、前記搬送車の走行速度を示す走行速度情報を更に含むと共に、前記走行速度情報が前記位置情報と前記振動情報とに関連付けられたデータとなっており、前記制御装置は、前記搬送車表示処理において前記搬送車走行データに基づく前記搬送車の走行速度に応じた速度で前記搬送車マークを前記マップに対して相対的に移動させ、前記位置マーク表示処理において前記搬送車マークの移動速度に応じた速度で前記位置マークを前記振動結果グラフに対して相対的に移動させる、再生表示処理を実行すると好適である。
【0094】
本構成によれば、マップ表示処理、搬送車表示処理及び再生表示処理により、表示装置の表示画面の中の第1表示エリアに、走行経路のマップとそのマップ上における表示対象時点での搬送車の位置を示す搬送車マークとが表示され、更に搬送車マークは搬送車走行データに基づく搬送車の走行速度に応じた速度でマップに対して相対的に移動する。また、グラフ表示処理、位置マーク表示処理及び再生表示処理により、表示装置の表示画面の中の第2表示エリアに、少なくともその表示対象時点及びその前後での振動情報を示す振動結果グラフと、その振動結果グラフ上で上記表示対象時点に対応する位置を示す位置マークとが表示され、更に位置マークは搬送車走行データに基づく搬送車の走行速度に応じた速度で振動結果グラフに対して相対的に移動する。つまり、第1表示エリア及び第2表示エリアを含む表示画面を見た者は、搬送車が走行経路のどの位置にある時に、搬送車がどのような速度で移動し、振動がどのような値をとりながら変化したのかを視覚的に容易に把握できる。
【0095】
また、前記制御装置は、前記振動情報に示された振動値が予め定められた判定しきい値を超えた前記走行経路上の地点を示す振動地点マークを前記マップ上に表示する振動地点マーク表示処理と、前記振動地点マーク表示処理により表示された前記振動地点マークに対する選択操作を受け付ける操作受付処理と、を更に実行すると共に、前記操作受付処理により前記振動地点マークに対する前記選択操作を受け付けた場合に、前記振動地点マークに示された地点よりも上流側の地点から前記再生表示処理を実行すると好適である。
【0096】
本構成によれば、振動地点マーク表示処理により、表示装置の表示画面の中の第1表示エリアに、搬送車の振動が比較的大きい地点を示す振動地点マークが走行経路上におけるマップ上に表示される。その結果、第1表示エリアを見た者は、走行経路上のいずれの地点において大きな振動が発生しているかを容易に把握できる。
また本構成によれば、再生表示処理により、振動地点マークに対する操作を受け付けた場合に、振動地点マークに示された地点よりも上流側の地点から再生表示が行われるため、走行経路上における搬送車の振動が比較的大きい地点の前後における走行経路の形状や構造と、搬送車の走行速度との把握が容易になるような情報を表示装置に表示できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示に係る技術は、搬送車の走行経路の形状や構造と振動との関係を容易に把握できる情報表示システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 :走行経路
3 :搬送車
5 :走行機構
10 :物体検知センサ
18 :検知エリア
40 :制御装置
41 :表示装置
42 :表示画面
43 :第1表示エリア
44 :第2表示エリア
45 :記録装置
47 :搬送車マーク
48 :振動結果グラフ
49 :位置マーク
49a :破線(位置マーク 49)
49b :矢印(位置マーク 49)
50 :搬送車状態グラフ
51 :搬送車状態マーク
52 :経路形状表示
53 :検知エリアマーク
54 :振動地点マーク