(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175972
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】実装基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20241212BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H05K3/00 J
H05K3/00 X
H05K1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094122
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】風間 剛支
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338BB46
5E338BB75
5E338EE60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】筐体に対する部品の取付位置の精度を向上させる実装基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】画像撮像装置のケースを構成する筐体30に取り付けられる実装基板10は、部品20が実装される実装部11及び筐体に取り付けられる取付部40を備える。取付部は、部品が設計位置からずれた実装位置に実装された場合に、設計位置と実装位置とのずれに従って形成されている。また、実装基板の製造方法は、実装基板を複数含み、複数の実装基板と枠部を結合する結合部を有する集合基板を用意することと、実装部に対して設計位置に部品を実装することと、実装部に実装された部品夫々の設計位置と実装位置とのずれを算出することと、結合部を切断し、集合基板から複数の実装基板夫々を分割することと、を含む。実装基板を分割することでは、結合部における筐体に取り付けられる部位を、算出した設計位置と実装位置とのずれに従って形成することを含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象である筐体(30)に取り付けられる実装基板であって、
部品(20)が実装される実装部(11)および前記筐体に取り付けられる取付部(40)を備え、
前記取付部は、前記部品が予め定められる設計位置からずれた実装位置に実装された場合に、前記設計位置と前記実装位置とのずれに従って形成されている実装基板。
【請求項2】
前記筐体は、前記実装基板が取り付けられる内周面を有し、
前記取付部は、前記内周面に取り付けられる取付面(41)を有し、
前記取付面は、前記部品が前記設計位置に対して傾いて実装された場合に、前記部品の傾きに沿って形成されている請求項1に記載の実装基板。
【請求項3】
前記実装基板は、集合基板(1)に複数形成され、
前記集合基板は、複数の前記実装基板それぞれの周囲を囲む枠部(3)を有し、
前記実装基板は、前記枠部に結合され、前記部品が前記実装部に実装された状態で前記枠部から分離される結合部(12)を有し、
前記取付部は、前記結合部によって構成されている請求項1に記載の実装基板。
【請求項4】
前記部品は、イメージセンサである請求項1に記載の実装基板。
【請求項5】
取付対象である筐体(30)に取り付けられ、部品(20)が実装される実装部(11)を有する実装基板の製造方法であって、
前記実装基板を複数含み、複数の前記実装基板それぞれの周囲を囲む枠部(3)および複数の前記実装基板と前記枠部とを結合する結合部(12)を有する集合基板(1)を用意することと、
複数の前記実装基板それぞれの前記実装部に対して予め定められる設計位置に前記部品を実装することと、
複数の前記実装基板それぞれの前記実装部に実装された前記部品それぞれの実装位置を検出し、前記設計位置と前記実装位置とのずれを算出することと、
前記結合部を切断し、前記集合基板から複数の前記実装基板それぞれを分割することと、を含み、
前記結合部は、前記筐体に取り付けられる部位であって、
前記結合部を切断し、前記集合基板から前記実装基板を分割することでは、前記結合部における前記筐体に取り付けられる部位を、算出した前記設計位置と前記実装位置とのずれに従って形成することを含む実装基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実装基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品が実装される製品基板と、部品を実装する際に固定用として使用される捨て基板と、製品基板と捨て基板とを結合する結合部と、を有する配線基板が知られている(例えば、特許文献1参照)。この配線基板は、製品基板に部品が実装された後、結合部が切断されて部品が実装された状態の製品基板と捨て基板とに分割される。そして、部品が実装された製品基板は、例えば、製品基板の取付対象となる筐体へ取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製品基板のような実装基板に実装される部品が、例えば、イメージセンサのような筐体に対する取付位置の精度が重要な部品である場合、部品は、筐体に対して予め定められる設計位置に取り付けることが求められる。ただし、筐体に対する部品の取付位置は、部品が実装される実装基板の筐体への取付位置が基準となる。このため、部品の取付位置の基準となる実装基板は、筐体に対して予め定められる設計位置に取り付けられることが求められる。
【0005】
しかし、部品は、設計位置からずれて実装基板に実装される可能性がある。この場合、実装基板が筐体に対して設計位置に取り付けられたとしても、部品は、筐体に対して設計位置からずれて取り付けられることとなる。このような取付位置の設計位置からのずれは、実装基板に実装される部品が筐体への取付位置の精度が重要な部品である場合、好ましくない。
【0006】
本開示は、筐体に対する部品の取付位置の精度を向上可能な実装基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの観点によれば、
取付対象である筐体(30)に取り付けられる実装基板は、
部品(20)が実装される実装部(11)および筐体に取り付けられる取付部(40)を備え、
取付部は、部品が予め定められる設計位置からずれた実装位置に実装された場合に、設計位置と実装位置とのずれに従って形成されている。
【0008】
別の観点によれば、
取付対象である筐体(30)に取り付けられ、部品(20)が実装される実装部(11)を有する実装基板の製造方法は、
実装基板を複数含み、複数の実装基板それぞれの周囲を囲む枠部(3)および複数の実装基板と枠部とを結合する結合部(12)を有する集合基板(1)を用意することと、
複数の実装基板それぞれの実装部に対して予め定められる設計位置に部品を実装することと、
複数の実装基板それぞれの実装部に実装された部品それぞれの実装位置を検出し、設計位置と実装位置とのずれを算出することと、
結合部を切断し、集合基板から複数の実装基板それぞれを分割することと、を含み、
結合部は、筐体に取り付けられる部位であって、
結合部を切断し、集合基板から実装基板を分割することでは、結合部における筐体に取り付けられる部位を、算出した設計位置と実装位置とのずれに従って形成することを含む。
【0009】
これによれば、部品が設計位置からずれて実装基板に実装された場合であっても、筐体に対する部品の取付位置を設計位置に近付けることができる。したがって、筐体に対する部品の取付位置の精度を向上させることができる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る実装基板を含む集合基板の概略図である。
【
図2】本実施形態に係る実装基板が集合基板から分割された状態を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る実装基板が筐体に取り付けられた状態を示す図である。
【
図4】比較例となる実装基板に部品が傾いて実装された状態を示す図である。
【
図5】部品が傾いて実装されている比較例の実装基板が筐体に取り付けられた状態を示す図である。
【
図6】本実施形態の実装基板に部品が傾いて実装された状態を示す図である。
【
図7】部品が傾いて実装されている本実施形態の実装基板が筐体に取り付けられた状態を示す図である。
【
図8】部品が実装される前の実装基板を含む集合基板の概略図である。
【
図9】実装基板に実装された部品の実装位置を検出する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一実施形態について
図1~
図9に基づいて説明する。
図1に示すように、実装基板10は、集合基板1に複数形成される。集合基板1は、例えば、樹脂やセラミックスなどの絶縁基板に、導電性の部材を主成分とする配線が設けられたプリント配線基板である。本実施形態では、集合基板1に6つの実装基板10が含まれている。これらの6つの実装基板10は、後の工程で切断されるようになっている。
【0013】
集合基板1は、6つの実装基板10それぞれの周囲を囲む枠部3を有する。また、集合基板1には、6つの実装基板10の間および6つの実装基板10と枠部3との間に、6つの実装基板10の切断を容易にするための切り欠き部5が形成されている。
【0014】
実装基板10は、部品20を含む不図示の各種電子部品が実装される部分である。実装基板10は、部品20が実装される実装部11と、実装基板10を枠部3に結合させる結合部12と、を有する。そして、6つの実装基板10それぞれには、
図1に示すように、実装部11に部品20が実装される。具体的には、実装部11の表面には、部品20が載せられてリフローによってはんだ付けによって部品20が表面実装される。その後、集合基板1は、結合部12が分断される。これにより、
図2に示すように、集合基板1から6つの実装基板10が分割されて形成される。
【0015】
実装部11は、薄板形状であって、実装基板10の板面に垂直方向から視た形状が矩形状に形成されている。また、実装部11は、当該矩形状を形成する一対の長辺部111、112および一対の短辺部113、114を有する。一対の長辺部111、112は、直線状に延びており、互いに平行になっている。また、一対の短辺部113、114は、一対の長辺部111、112より短く、直線状に延びており、互いに平行になっている。実装基板10は、一対の長辺部111、112それぞれの端部に結合部12が結合された状態で集合基板1から切断される。
【0016】
部品20は、例えば、デジタルカメラ装置等の不図示の画像撮像装置に用いられるCCDあるいはCMOS等のイメージセンサを採用することができる。CCDはCharge Coupled Deviceの略である。CMOSはComplementary Metal Oxide Semiconductorの略である。本実施形態では、部品20が車両に設けられる画像撮像装置に採用されるイメージセンサである例について説明する。
【0017】
イメージセンサである部品20は、画像撮像装置が正常に画像撮像を行うため、実装基板10の表面において、予め定められる設計位置に実装されることが求められる。本実施形態の部品20は、実装基板10の板面に垂直方向から視た形状が長方形状となっている。また、部品20は、
図2に示すように、部品20の4つの端面それぞれが実装基板10の一対の長辺部111、112および一対の短辺部113、114それぞれに平行となるように設計位置が定められている。以下、部品20の4つの端面のうち、一対の長辺部111、112に平行となるように設計位置が定められる一対の端面を一対の第1端面21、22と呼ぶ。また、部品20の4つの端面のうち、一対の短辺部113、114に平行となるように設計位置が定められる一対の端面を一対の第2端面23、24とも呼ぶ。
【0018】
なお、実装基板10には、イメージセンサ以外の電子部品が実装されていてもよい。
【0019】
集合基板1から分割された実装基板10は、
図3に示すように、不図示の画像撮像装置の筐体30に取り付けられる。筐体30は、画像撮像装置のケースを構成するハウジング部品であって、車両に直接取り付けられる部分である。筐体30は、例えば、有底角筒形状に形成されており、部品20が実装された実装基板10を内部に収容可能に構成されている。また、筐体30は、実装基板10が取り付けられる内周面31を有する。内周面31は、実装基板10の板面に垂直方向から視て直線状に延びる平面状に形成されており、実装基板10を収容した際に、実装基板10の一対の長辺部111、112のうちの一方の長辺部111に対向するように設定されている。
【0020】
実装基板10は、結合部12が筐体30に取り付けられる。以下、実装基板10の4つの結合部12のうち、筐体30に取り付けられる2つの結合部12を取付部40とも呼ぶ。実装基板10は、筐体30に取り付けられる2つの取付部40それぞれの端部である取付面41が筐体30の内側の内周面31に接続されて筐体30に取り付けられる。具体的に、実装基板10は、取付面41が筐体30の内周面31に押し当てられて筐体30に固定される。これにより、実装基板10は、筐体30に対する取付位置が決定される。そして、実装基板10に実装された部品20は、筐体30に対する取付位置が決定される。この場合、筐体30に対する部品20の取付位置は、部品20が実装される実装基板10の筐体30への取付位置が基準となる。本実施形態の部品20は、
図3に示すように、一対の第1端面21、22が内周面31に平行となるように設計位置が定められている。
【0021】
ところで、実装基板10に実装される部品20は、設計位置からずれて実装される場合がある。例えば、
図4の比較例に示すように、部品20は、実装基板10の表面において、設計位置から角度θだけ傾いて実装されたとする。すなわち、部品20は、一対の第1端面21、22それぞれが一対の長辺部111、112に対して角度θだけ傾いて実装され、一対の第2端面23、24それぞれが一対の短辺部113、114に対して角度θだけ傾いて実装されたとする。
【0022】
このような場合において、2つの取付部40それぞれを集合基板1から切断する際に、2つの取付面41それぞれが実装基板10の一対の長辺部111、112に対して平行となるように切断したとする。すなわち、実装基板10を筐体30に取り付ける際に、実装基板10の一対の長辺部111、112が筐体30の内周面31に対して平行となるように2つの取付部40を切断したとする。そして、取付面41を筐体30の内周面31に押し当てて実装基板10を筐体30に固定したとする。
【0023】
すると、
図5に示すように、部品20は、設計位置から角度θだけ傾いて筐体30に取り付けられることとなる。部品20の取付位置は、実装基板10の筐体30への取付位置が基準であるためである。すなわち、部品20が設計位置からずれて実装基板10に実装された際に実装基板10を基準に筐体30に取り付けると、部品20が設計位置からずれて筐体30に取り付けられることとなる。
【0024】
しかし、イメージセンサである部品20が設計位置から角度θだけ傾いて筐体30に取り付けられると、画像撮像装置が傾いた画像撮像を行うこととなる。この場合、画像撮像装置は、傾いた画像を補正するなどのソフト処理を行う必要があるため、好ましくない。
【0025】
このため、本実施形態の実装基板10は、
図6に示すように、2つの取付部40における取付面41それぞれが、部品20の設計位置からのずれに従って、部品20の傾きに沿って傾いて形成されている。具体的に、2つの取付面41は、長辺部111に沿って延びる方向と2つの取付面41に沿って延びる方向とによって為される角度が、部品20の設計位置からのずれである角度θとなるように切断される。すなわち、実装基板10は、2つの取付面41が、長辺部111に沿って延びる方向に対して角度θだけ傾いて延びる仮想直線VLに沿って切断されている。換言すれば、2つの取付面41は、一対の第1端面21、22の延びる方向に沿って切断されている。そしてこれにより、2つの取付面41および一対の第1端面21、22は、互いに平行となっている。
【0026】
このように2つの取付面41を有する実装基板10を筐体30に対する取り付けた場合の部品20の取付位置について、
図7を参照して説明する。部品20の設計位置からのずれに従って形成された2つ取付面41を筐体30の内周面31に押し当てて実装基板10を筐体30に固定したとする。すると、
図7に示すように、実装基板10は、筐体30に対して角度θだけ傾いて取り付けられる。このため、部品20が設計位置から角度θだけ傾いて実装基板10に実装された場合であっても、部品20の取付位置を設計位置に近付けることができる。具体的に、部品20は、一対の第1端面21、22が筐体30の内周面31に平行となるように筐体30に対して取り付けられる。
【0027】
したがって、イメージセンサである部品20が設計位置から角度θだけ傾いて実装基板10に取り付けられる場合であっても、画像撮像装置が傾いた画像を補正するなどのソフト処理を行うことが不要となる。
【0028】
以上が、本実施形態の実装基板10の構成の説明である。
【0029】
続いて、本実施形態の実装基板10の製造方法について、説明する。
【0030】
まず、例えば、
図8に示すように、部品20が実装される前の状態の6つの実装基板10を含む集合基板1を用意する。集合基板1は、枠部3を有する。また、集合基板1には、切り欠き部5が形成されている。そして、上述した
図1に示すように、6つの実装基板10それぞれの表面に、部品20を載せてリフローによって部品20をはんだ付けによって表面実装する。
【0031】
そして、
図9に示すように、6つの実装基板10それぞれに実装された部品20の実装位置をカメラ50によって検出する。部品20の実装位置は、例えば、集合基板1に予め定められた1つの基準点を原点として、6つの実装基板10それぞれに実装された部品20の実装位置を検出してもよい。または、部品20の実装位置は、例えば、6つの実装基板10それぞれに予め定められた基準点を原点として、6つの実装基板10それぞれに実装された部品20の実装位置を検出してもよい。なお、部品20の実装位置の検出方法は、カメラ50以外の方法によって検出してもよい。
【0032】
そして、検出した6つの実装基板10それぞれに実装された部品20の実装位置に基づいて、各部品20の設計位置からのずれを算出する。
【0033】
そして、算出した各部品20の設計位置からのずれに基づいて結合部12を切断する。これにより、6つの実装基板10それぞれは、
図2および
図6に示したように、集合基板1から分割される。また、実装基板10は、2つの取付部40における取付面41それぞれが、部品20の設計位置からずれに従って切断される。例えば、上述したように、部品20が一対の長辺部111、112に対して角度θだけ傾いて実装基板10に実装された場合、2つの取付面41は、一対の長辺部111、112の延びる方向に対して角度θだけ傾いて延びる仮想直線VLに沿って切断される。
【0034】
そして、集合基板1から分割された6つの実装基板10それぞれは、2つ取付面41が筐体30の内周面31に押し当てられて筐体30に取り付けられる。これにより、部品20が設計位置から角度θだけ傾いて実装基板10に実装された場合であっても、部品20の取付位置が設計位置に近付けられる。
【0035】
以上の如く、本実施形態の実装基板10は、部品20が実装される実装部11および筐体30に取り付けられる取付部40を備える。取付部40は、部品20が予め定められる設計位置からずれた実装位置に実装された場合に、設計位置と実装位置とのずれに従って形成されている。
【0036】
これによれば、部品20が設計位置からずれて実装基板10に実装された場合であっても、筐体30に対する部品20の取付位置を設計位置に近付けることができる。したがって、筐体30に対する部品20の取付位置の精度を向上させることができる。
【0037】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0038】
(1)上記実施形態では、筐体30は、実装基板10が取り付けられる内周面31を有する。取付部40は、内周面31に取り付けられる取付面41を有する。取付面41は、部品20が設計位置に対して傾いて実装された場合に、部品20の傾きに沿って形成されている。
【0039】
これによれば、部品20が設計位置から傾いて実装基板10に実装された場合であっても、筐体30に対する部品20の取付位置を傾けさせることで設計位置に近付けることができる。したがって、筐体30に対する部品20の取付位置の精度を向上させることができる。
【0040】
(2)上記実施形態では、実装基板10は、集合基板1に複数形成される。集合基板1は、複数の実装基板10それぞれの周囲を囲む枠部3を有する。実装基板10は、枠部3に結合され、部品20が実装部11に実装された状態で枠部3から分離される結合部12を有する。結合部12が取付部40として構成されている。
【0041】
これによれば、取付部40を結合部12とは別にさらに設ける構成に比較して、実装基板10の構成を簡易にできる。
【0042】
(4)上記実施形態では、部品20は、イメージセンサである。
【0043】
上述したように、部品20がイメージセンサである場合、イメージセンサである部品20が設計位置から傾いて筐体30に取り付けられると、画像撮像装置が傾いた画像撮像を行うこととなる。この場合、画像撮像装置は、傾いた画像を補正するなどのソフト処理を行う必要がある。
【0044】
これに対して、本実施形態の実装基板10によれば、イメージセンサである部品20が設計位置から傾いて実装基板10に取り付けられる場合であっても、画像撮像装置が傾いた画像を補正するなどのソフト処理を不要とすることができる。
【0045】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0046】
上述の実施形態では、実装基板10が画像撮像装置の筐体30に取り付けられる例について説明したが、これに限定されない。例えば、実装基板10は、画像撮像装置とは異なる装置等の筐体に取り付けられてもよい。
【0047】
上述の実施形態では、部品20がイメージセンサである例について説明したが、これに限定されない。例えば、部品20は、嵌められるコネクタであってもよい。
【0048】
例えば、部品20が挿入する側のコネクタである場合、挿入する側のコネクタが設計位置からずれて筐体30に取り付けられると、挿入するコネクタに嵌められる側のコネクタの位置調整を行う必要がある。
【0049】
これに対して、本実施形態の実装基板10によれば、挿入する側のコネクタである部品20が設計位置からずれて実装基板10に取り付けられる場合であっても、挿入する側のコネクタに嵌められる側のコネクタの位置調整を行う必要がなくなる。
【0050】
上述の実施形態では、部品20が実装基板10に傾いて実装された場合において、取付面41が部品20の傾きに沿って形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、部品20が実装基板10に傾いていないが、設計位置に対して一対の第2端面23、24が延びる方向に沿ってずれて実装されたとする。
【0051】
この場合であっても、実装基板10は、取付部40である結合部12の切断位置を調整することで、部品20が設計位置からずれて実装基板10に実装された場合であっても、筐体30に対する部品20の取付位置を設計位置に近付けることができる。したがって、筐体30に対する部品20の取付位置の精度を向上させることができる。
【0052】
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0053】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0054】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0055】
(本開示の観点)
上記した本開示については、例えば以下に示す観点として把握することができる。
【0056】
[第1の観点]
取付対象である筐体(30)に取り付けられる実装基板であって、
部品(20)が実装される実装部(11)および前記筐体に取り付けられる取付部(40)を備え、
前記取付部は、前記部品が予め定められる設計位置からずれた実装位置に実装された場合に、前記設計位置と前記実装位置とのずれに従って形成されている実装基板。
【0057】
[第2の観点]
前記筐体は、前記実装基板が取り付けられる内周面を有し、
前記取付部は、前記内周面に取り付けられる取付面(41)を有し、
前記取付面は、前記部品が前記設計位置に対して傾いて実装された場合に、前記部品の傾きに沿って形成されている第1の観点に記載の実装基板。
【0058】
[第3の観点]
前記実装基板は、集合基板(1)に複数形成され、
前記集合基板は、複数の前記実装基板それぞれの周囲を囲む枠部(3)を有し、
前記実装基板は、前記枠部に結合され、前記部品が前記実装部に実装された状態で前記枠部から分離される結合部(12)を有し、
前記取付部は、前記結合部によって構成されている第1または第2の観点に記載の実装基板。
【0059】
[第4の観点]
前記部品は、イメージセンサである第1ないし第3の観点のいずれか1つに記載の実装基板。
【0060】
[第5の観点]
取付対象である筐体(30)に取り付けられ、部品(20)が実装される実装部(11)を有する実装基板の製造方法であって、
前記実装基板を複数含み、複数の前記実装基板それぞれの周囲を囲む枠部(3)および複数の前記実装基板と前記枠部とを結合する結合部(12)を有する集合基板(1)を用意することと、
複数の前記実装基板それぞれの前記実装部に対して予め定められる設計位置に前記部品を実装することと、
複数の前記実装基板それぞれの前記実装部に実装された前記部品それぞれの実装位置を検出し、前記設計位置と前記実装位置とのずれを算出することと、
前記結合部を切断し、前記集合基板から複数の前記実装基板それぞれを分割することと、を含み、
前記結合部は、前記筐体に取り付けられる部位であって、
前記結合部を切断し、前記集合基板から前記実装基板を分割することでは、前記結合部における前記筐体に取り付けられる部位を、算出した前記設計位置と前記実装位置とのずれに従って形成することを含む実装基板の製造方法。
【符号の説明】
【0061】
1 集合基板
3 枠部
11 実装部
12 結合部
20 部品
30 筐体
40 取付部