(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175978
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】空気調和システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/526 20180101AFI20241212BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20241212BHJP
F24F 11/61 20180101ALI20241212BHJP
【FI】
F24F11/526
F24F11/65
F24F11/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094131
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】林 航平
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA80
3L260CA03
3L260CA12
3L260CB62
3L260CB63
3L260CB64
3L260CB67
3L260DA02
3L260DA04
3L260EA08
3L260EA12
3L260FA02
3L260GA15
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる空気調和システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の空気調和システムは、設定受付部と、条件評価部と、対応処理部とを備える。前記設定受付部は、空気調和機の運転開始の条件または運転停止の条件としての温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される前記空気調和機の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザの設定操作を受け付け可能である。前記条件評価部は、前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定する。前記対応処理部は、前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が前記所定の評価条件を満たさないと前記条件評価部により判定された場合、所定の報知を行う、または前記設定受付部が前記設定操作を受け付けることを抑制する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の運転態様を実行可能な空気調和機に関して、各運転態様での運転開始の条件と運転停止の条件とが個別に設定可能であるとともに、前記運転開始の条件または前記運転停止の条件としての温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される前記空気調和機の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザの設定操作を受け付け可能な設定受付部と、
前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定する条件評価部と、
前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が前記所定の評価条件を満たさないと前記条件評価部により判定された場合、所定の報知を行う、または前記設定受付部が前記設定操作を受け付けることを抑制する対応処理部と、
を備えた空気調和システム。
【請求項2】
前記設定受付部は、前記設定操作として、温度、湿度、時期、または人のうち2つ以上の要素の組み合わせにより規定される前記条件と、当該条件が満たされた場合に実行される前記制御内容とを対応付けた設定内容を登録する設定操作を受け付け可能であり、
前記条件評価部は、前記2つ以上の要素の組み合わせにより規定される前記条件と前記制御内容との対応関係が前記所定の評価条件を満たすか否かを判定する、
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記所定の評価条件は、運転開始時または運転終了時の温度と前記制御内容との整合性に関する第1評価項目と、前記空気調和機の運転中における部屋の温度変化と、当該温度変化に応じた前記制御内容の変更との整合性に関する第2評価項目とを含む、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記対応処理部は、前記条件評価部により前記所定の評価条件が満たされないと判定された場合、前記設定内容の変更を要求する報知を行う、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記所定の評価条件は、第1評価条件と、前記第1評価条件と比べて回避の重要度が高い第2評価条件とを含み、
前記対応処理部は、
前記条件と前記制御内容との対応関係が前記第1評価条件を満たさないが前記第2評価条件は満たすと前記条件評価部により判定された場合、注意喚起を促すための第1報知を行うとともに、前記設定受付部が前記設定内容を受け付けることを許容し、
前記条件と前記制御内容との対応関係が前記第2評価条件を満たさないと前記条件評価部により判定された場合、前記設定受付部が前記設定内容を受け付けることを抑制し、前記設定内容の変更を要求する第2報知を行う、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記第1評価条件は、温度または湿度である所定要素に関する数値が基準値から所定範囲内である場合であり、
前記第2評価条件は、前記所定要素に関する数値が前記基準値から前記所定範囲外である場合である、
請求項5に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記ユーザに関する情報を取得する情報取得部をさらに備え、
前記条件評価部は、前記情報取得部により取得された前記ユーザに関する情報に基づき、判定に使用する前記所定の評価条件を変更する、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記ユーザに関する情報を取得するための質問を、端末装置を通じて出力させ、前記ユーザの回答に基づいて前記ユーザに関する情報を取得する、
請求項7に記載の空気調和システム。
【請求項9】
前記条件と前記制御内容との対応関係が前記所定の評価条件を満たすと前記条件評価部により判定され、前記空気調和機の運転が行われる場合に、前記空気調和機の1回以上の運転を含む期間に所定の情報を収集する情報収集部をさらに備え、
前記条件評価部は、前記情報収集部により前記所定の情報が収集された場合、前記所定の情報に基づき、前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が、前記所定の評価条件を満たすか否かを再判定する、または再判定用の評価条件を満たすか否かを判定する、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項10】
前記対応処理部は、前記条件評価部により前記所定の評価条件が満たされないと判定された場合、前記所定の報知の一部として、前記所定の評価条件を満たすための前記設定内容の変更案を出力する、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項11】
前記対応処理部は、前記条件評価部により前記所定の評価条件が満たされないと判定された場合、前記所定の報知の一部として、前記設定内容に応じて推定される時系列上の前記空気調和機の制御内容の変化または時系列上の温度変化を示す図を端末装置に表示させる、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項12】
前記設定受付部は、温度、湿度、時期、または人に関する条件の入力と、当該条件と対応付けられる前記制御内容の入力として、自然言語による音声または文章での入力を受け付ける、
請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項13】
複数の運転態様を実行可能な空気調和機に関して、各運転態様での運転開始の条件と運転停止の条件とを個別に設定可能であるシステムにおいて、
1つ以上のコンピュータが、
前記運転開始の条件または前記運転停止の条件として、温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される前記空気調和機の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザの設定操作が行われた場合に、前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定し、
前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が前記所定の評価条件を満たさないと判定された場合、所定の報知を行う、または前記設定操作を受け付けることを抑制する、
ことを含む情報処理方法。
【請求項14】
1つ以上のコンピュータに、
複数の運転態様を実行可能な空気調和機に関して、各運転態様での運転開始の条件と運転停止の条件とを個別に設定可能であるとともに、前記運転開始の条件または前記運転停止の条件として、温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される前記空気調和機の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザの設定操作を受け付け可能な設定受付部と、
前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定する条件評価部と、
前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が前記所定の評価条件を満たさないと前記条件評価部により判定された場合、所定の報知を行う、または前記設定受付部が前記設定操作を受け付けることを抑制する対応処理部と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転時に利用者の要求に従い、運転モードゾーンの各データをマニュアル操作により変更した運転モードを記憶する空気調和機が提案されている。ところで、空気調和機に関するシステムは、利便性のさらなる向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる空気調和システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の空気調和システムは、設定受付部と、条件評価部と、対応処理部とを備える。前記設定受付部は、複数の運転態様を実行可能な空気調和機に関して、各運転態様での運転開始の条件と運転停止の条件とを個別に設定可能であるとともに、前記運転開始の条件または前記運転停止の条件として、温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される前記空気調和機の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザの設定操作を受け付け可能である。前記条件評価部は、前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定する。前記対応処理部は、前記設定内容に含まれる前記条件と前記制御内容との対応関係が前記所定の評価条件を満たさないと前記条件評価部により判定された場合、所定の報知を行う、または前記設定受付部が前記設定操作を受け付けることを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】第1実施形態の空気調和機の機能構成を示すブロック図。
【
図3】第1実施形態の端末装置の機能構成を示すブロック図。
【
図4】第1実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
【
図5】第1実施形態の冷房運転の開始条件および停止条件の一例を示す図。
【
図6】第1実施形態の暖房運転の開始条件および停止条件の一例を示す図。
【
図7】第1実施形態のユーザインターフェースの第1例を説明するための図。
【
図8】第1実施形態のユーザインターフェースの第1例を説明するための別の図。
【
図9】第1実施形態のユーザインターフェースの第2例を説明するための図。
【
図10】第1実施形態の設定内容が評価条件を満たさない場合の例を示す図。
【
図11】第1実施形態の所定の報知の出力画面の一例を示す図。
【
図12】第1実施形態の設定内容の変更を要求する出力画面の一例を示す図。
【
図13】第1実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図14】第2実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
【
図15】第2実施形態のユーザ情報を取得するため入力画面を示す図。
【
図16】第3実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
【
図17】第3実施形態の所定の報知の出力画面の一例を示す図。
【
図18】第4実施形態の所定の報知の出力画面の一例を示す図。
【
図19】第4実施形態の所定の報知の出力画面の別の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の空気調和システム、情報処理方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本出願で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXに直接に基づく場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本出願で「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。XXおよびYYは、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
本出願で「取得する」とは、送信要求を送信して能動的に取得する場合に限定されず、他の装置から送信される情報を受動的に受信することで取得する場合も含み得る。また「取得」とは、目的の情報(取得対象の情報)を外部から直接取得する場合に限定されず、外部から得られた情報に対して演算または加工などを行うことで、目的の情報を生成して取得する場合も含み得る。
【0009】
(第1実施形態)
<1.全体構成>
図1は、第1実施形態の家電管理システム1を示す図である。家電管理システム1は、例えば、空気調和機100と、サーバ200と、端末装置300とを含む。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0010】
(空気調和機)
空気調和機100は、ユーザUによって使用される家電機器であり、ユーザUの住居に設置される。空気調和機100は、例えば家庭用ルームエアコンである。ただし、空気調和機100は、家庭用エアコンに限らず、空気清浄機などでもよい。空気調和機100は、例えば、ユーザUの住居内に設置された無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWと接続される。空気調和機100は、ネットワークNWを介して、サーバ200または端末装置300と通信可能である。空気調和機100は、例えばBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信を利用して端末装置300と直接に通信可能でもよい。
【0011】
(サーバ)
サーバ200は、空気調和機100を管理する管理サーバである。サーバ200は、1つまたは複数のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)により構成される。サーバ200は、ネットワークNWを介して、空気調和機100または端末装置300と通信可能である。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータなどでもよい。
【0012】
(端末装置)
端末装置300は、ユーザUが使用する電子機器である。端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。ただし、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータなどでもよい。端末装置300は、例えば、表示装置301と、入力装置302と、通信部303とを有する。
【0013】
表示装置301は、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであり、種々の情報を表示可能な表示画面301aを有する。入力装置302は、ユーザUの入力を受け付け可能である。入力装置302は、例えば表示画面301aと重ねて設けられたタッチパネルである。入力装置302は、端末装置300に設けられたカメラやマイクなどを含み得る。通信部303は、例えば無線通信可能な通信モジュールである。通信部303は、無線ルータWRおよびモデムMを介してまたは直接にネットワークNWと接続される。通信部303は、ネットワークNWを介して、空気調和機100またはサーバ200と通信可能である。端末装置300は、Bluetoothのような近距離無線通信を利用して空気調和機100と直接に通信可能でもよい。
【0014】
端末装置300には、アプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。アプリケーションプログラムPは、例えば、空気調和機100を管理するためのアプリケーションプログラムである。以下では、アプリケーションプログラムPが実行されることで起動されるアプリケーションソフトウェアを「家電管理アプリAP」と称する。
【0015】
本実施形態では、空気調和機100、サーバ200、および端末装置300の家電管理アプリAPにより「空気調和システム」の一例が実現される。ただし、「空気調和システム」は、サーバ200のみによって実現されてもよいし、家電管理アプリAPのみによって実現されてもよいし、空気調和機100のみによって実現されてもよいし、サーバ200、家電管理アプリAP、または空気調和機100のうち任意の2つ以上により実現されてもよい。本実施形態では、空気調和機100、サーバ200、および端末装置300の各々は、「コンピュータ」の一例である。
【0016】
<2.空気調和機>
次に、空気調和機100について説明する。
図2は、空気調和機100の機能構成を示すブロック図である。空気調和機100は、例えば、熱交換装置110、センサ部120、制御部130、通信部140、および記憶部190を有する。
【0017】
<2.1 熱交換装置>
熱交換装置110は、室内空気の温度または湿度を調整するために熱交換を行う装置である。熱交換装置110は、例えば、ヒートポンプ式の熱交換装置であり、圧縮機111、室外熱交換器112、膨張弁113、室内熱交換器114、および送風機115を含む。圧縮機111および室外熱交換器112は、例えば室外機に含まれる。膨張弁113、室内熱交換器114、および送風機115は、例えば室内機に含まれる。熱交換装置110は、冷媒の流れ方向を切り替える不図示の切換弁などをさらに含む。
【0018】
冷房サイクルでは、圧縮機111は、冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を室外熱交換器112に供給する。室外熱交換器112は、冷房サイクルでは凝縮器として機能する。室外熱交換器112を通過することで放熱された冷媒は、膨張弁113を経由して室内熱交換器114に供給される。室内熱交換器114は、冷房サイクルでは蒸発器として機能し、室内空気の熱を奪うことで室内空気の温度を低下させる。
【0019】
暖房サイクルでは、圧縮機111は、冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を室内熱交換器114に供給する。室内熱交換器114は、暖房サイクルでは凝縮器として機能し、室内空気を加熱することで室内空気の温度を上昇させる。室内熱交換器114を通過することで放熱された冷媒は、膨張弁113を経由して室外熱交換器112に供給される。室外熱交換器112は、暖房サイクルでは蒸発器として機能し、冷媒の温度を上昇させる。送風機115は、熱交換装置110により冷却または加熱された空気を、空気調和機100が設置された部屋に送出する。
【0020】
<2.2 センサ部>
センサ部120は、空気調和機100の状態または空気調和機100が設置された環境の状態を検出可能な検出部である。センサ部120は、例えば、温度センサ121、湿度センサ122、電流センサ123、電圧センサ124、および人感センサ125を有する。温度センサ121、湿度センサ122、電流センサ123、電圧センサ124、および人感センサ125の各々は、「検出器」の一例である。
【0021】
温度センサ121は、空気調和機100が設置された部屋の温度を検出する。湿度センサ122は、空気調和機100が設置された部屋の湿度を検出する。電流センサ123は、空気調和機100の運転に使用される電流値を検出する。電圧センサ124は、空気調和機100の運転に使用される電圧値を検出する。人感センサ125は、空気調和機100が設置された部屋の人の有無を検出する。人感センサ125は、例えば赤外線式の人感センサである。ただし、人感センサ125は、上記例に代えて、別方式のセンサでもよい。センサ部120により検出された検出結果は、後述する制御部130によって、運転実績情報192として蓄積される。
【0022】
<2.3 制御部>
制御部130は、空気調和機100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、空気調和機100の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0023】
制御部130は、空気調和機100の全体を統括的に制御する。例えば、制御部130は、センサ部120により検出された検出結果と、記憶部190に記憶された制御用情報191とに基づき、熱交換装置110を制御することで空気調和機100を運転する。制御部130は、熱交換装置110を制御することで、空気調和機100の運転態様として複数の運転態様を実行可能である。複数の運転態様は、例えば、冷房運転、暖房運転、おおよび除湿運転を含む。
【0024】
本実施形態では、複数の運転態様は、同種類の運転であって、空気調和能力(運転の強さ)が異なる複数の運転態様を含んでもよい。例えば、複数の運転態様は、冷房運転として、冷房強運転(急速冷房)、冷房中運転(通常冷房)、および冷房弱運転(節電冷房)を含んでもよい。同様に、複数の運転態様は、暖房運転として、暖房強運転(急速暖房)、暖房中運転(通常暖房)、および暖房弱運転(節電暖房)を含んでもよい。
【0025】
<2.4 通信部>
通信部140は、例えば、無線ルータWRと接続可能な無線通信モジュールである。通信部140は、ネットワークNWを介して、サーバ200または端末装置300と通信可能である。通信部140は、例えば、記憶部190に記憶された運転実績情報192を、所定の周期でサーバ200または端末装置300に送信する。
【0026】
記憶部190は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、またはSSD(Solid State Drive)などの組み合わせにより実現される。記憶部190は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部190は、制御用情報191と、運転実績情報192とを記憶する。
【0027】
<3.端末装置>
次に説明の便宜上、端末装置300について先に説明する。
図3は、端末装置300の機能構成を示すブロック図である。端末装置300は、例えば、情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、情報送信部340、および記憶部390を有する。
【0028】
情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、および情報送信部340は、端末装置300に搭載されたCPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがアプリケーションプログラムPを実行することにより実現される。言い換えると、情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、および情報送信部340は、家電管理アプリAPに含まれるソフトウェア機能部である。
【0029】
情報取得部310は、サーバ200または空気調和機100と通信を行うことで、サーバ200または空気調和機100から各種情報を取得する。
【0030】
表示制御部320は、端末装置300の表示装置301を制御することで、表示装置301の表示画面301aに表示される内容を制御する。以下に説明する表示画面301aに表示される画面および操作部などは、表示制御部320による制御により表示される。表示制御部320は、例えば、サーバ200または空気調和機100から受信する各種報知などを表示画面301aに表示させる。
【0031】
操作受付部330は、空気調和機100の運転または管理に関して入力装置302に対して行われるユーザUの操作を受け付ける。情報送信部340は、操作受付部330により受け付けられた各種操作に応じた情報または信号を、サーバ200または空気調和機100に送信する。
【0032】
記憶部390は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、またはSSDなどの組み合わせにより実現される。記憶部390は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部390は、アプリケーションプログラムPを記憶する。
【0033】
<4.サーバ>
次に、サーバ200について説明する。
図4は、サーバ200の機能構成を示すブロック図である。サーバ200は、例えば、設定受付部210、条件評価部220、対応処理部230、情報送信部240、および記憶部290を有する。
【0034】
設定受付部210、条件評価部220、対応処理部230、および情報送信部240は、サーバ200に搭載されたCPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC、PLD、またはFPGAなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。なお、これら機能部は、複数のサーバ装置に分かれて設けられてもよい。また、これら機能部のうち1つ以上は、サーバ200に代えて、空気調和機100、または端末装置300の家電管理アプリAPに設けられてもよい。例えば、条件評価部220および対応処理部230が端末装置300の家電管理アプリAPに設けられ、設定受付部210がサーバ200に設けられてもよい。
【0035】
<4.1 設定受付部>
設定受付部210は、空気調和機100の複数の運転態様の各々について、運転開始の条件と、運転停止の条件とを個別に設定するユーザUの設定操作を受け付け可能である。本出願で「運転停止」とは、空気調和機100の運転を停止する場合に限定されず、運転中の運転態様を終了して他の運転態様へ遷移すること(冷房運転から除湿運転への遷移、または通常暖房から節電暖房への遷移)なども該当し得る。本出願で「運転開始の条件と運転停止の条件とを個別に設定可能」とは、例えば、運転開始の条件と運転停止の条件とで異なる条件(異なる温度、異なる湿度、または人の有無など)を設定可能であることを意味する。
【0036】
例えば、設定受付部210は、冷房運転開始の条件と、冷房運転停止の条件として、異なる温度を設定可能である。これに代えて、設定受付部210は、例えば、冷房運転開始の条件として温度と湿度の組み合わせにより規定される条件が設定され、冷房運転停止の条件として温度のみで規定される条件が設定されてもよい。これは、冷房運転以外の運転態様に関しても同様である。
【0037】
そして本実施形態では、設定受付部210は、各運転態様の運転開始の条件または運転停止の条件としての温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される空気調和機100の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザUの設定操作を受け付け可能である。
【0038】
「温度に関する条件」とは、例えば、運転開始または運転停止の起点となる閾値温度である。「湿度に関する条件」とは、例えば、運転開始または運転停止の起点となる閾値湿度である。「時期に関する条件」とは、例えば、運転開始または運転停止が行われる季節などである。「人に関する条件」とは、例えば、空気調和機100が設置された部屋の人の有無である。以下では説明の便宜上、「温度、湿度、時期、または人に関する条件」を「状態条件」と称する場合がある。
【0039】
本実施形態では、状態条件と空気調和機100の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザUの設定操作が行われる場合、後述する条件評価部220により上記設定内容が妥当であるか否か(所定の評価条件を満たすか否か)が判定される。そして、上記設定内容が妥当である(所定の評価条件を満たす)と判定された場合、設定受付部210は、上記設定内容を設定内容情報291に追加することで、上記設定内容を登録する。
【0040】
本実施形態では、設定受付部210は、上記設定操作として、温度、湿度、時期、または人のうち2つ以上の要素の組み合わせにより規定される状態条件と、当該状態条件が満たされた場合に実行される空気調和機100の制御内容とを対応付けた設定内容を登録する設定操作を受け付け可能である。この場合、「時期に関する条件」は、閾値温度または閾値湿度を補正するために用いられる季節などでもよい。例えば、5月から6月は7月から8月と比べて熱中症が生じやすい。このため、5月から6月は7月から8月と比べて冷房運転を開始する閾値温度を低くすることが好ましい場合がある。このため、設定受付部210は、「時期に関する条件」として、例えば、冷房運転を開始する閾値温度を基準値と比べて所定温度(例えば2℃)低くする期間として特定の季節(例えば5月から6月)を登録する設定操作を受け付けてもよい。
【0041】
図5は、冷房運転の開始条件および停止条件の一例を示す図である。
図5に示す例では、冷房運転の開始条件として、(a1)「室温が35℃以上」、(a2)「室温が30℃以上、かつ、人がいる」、および(a3)「室温が26℃以上、かつ、暑さ指数(WGBT:Wet Bulb Globe Temperature)が危険域、かつ、人がいる」である3つの状態条件が設定される。これら(a1)~(a3)の開始条件は、例えば並列に設定可能であり、(a1)~(a3)の開始条件のうちいずれか1つが満たされると、冷房運転が開始される。設定受付部210は、これら並行して設定される複数の開始条件と、空気調和機100の制御内容(例えば冷房運転の開始)とを対応付けた設定内容を登録するユーザUの設定操作を受け付ける。
【0042】
同様に、
図5に示す例では、冷房運転の停止条件として、(b1)「室温が30℃以下、かつ、人がいない」、または(b2)「WGBTが安全域、かつ、室温が25℃以下」の2つが設定される。これら(b1),(b2)の停止条件は、例えば並列に設定可能であり、(b1),(b2)の停止条件のうちいずれか1つが満たされると、冷房運転が停止される。設定受付部210は、これら並行して設定される複数の停止条件と、空気調和機100の制御内容(例えば冷房運転の停止)とを対応付けた設定内容を登録するユーザUの設定操作を受け付ける。
【0043】
図6は、暖房運転の開始条件および停止条件の一例を示す図である。
図6に示す例では、暖房運転の開始条件として、(c1)「室温が-10℃以下」、または(c2)「室温が-5℃以下、かつ、人がいる」が設定される。これら(c1),(c2)の開始条件は、例えば並列に設定可能であり、(c1),(c2)の開始条件のうちいずれか1つが満たされると、暖房運転が開始される。設定受付部210は、これら並行して設定される複数の開始条件と、空気調和機100の制御内容(例えば暖房運転の開始)とを対応付けた設定内容を登録するユーザUの設定操作を受け付ける。
【0044】
同様に、
図6に示す例では、暖房運転の停止条件として、(d1)「室温が1℃以下、かつ、人がいない」、または(d2)「室温が10℃以上」の2つが設定される。これら(d1),(d2)の停止条件は、例えば並列に設定可能であり、(d1),(d2)の停止条件のうちいずれか1つが満たされると、暖房運転が停止される。設定受付部210は、これら並行して設定される複数の停止条件と、空気調和機100の制御内容(例えば暖房運転の停止)とを対応付けた設定内容を登録するユーザUの設定操作を受け付ける。
【0045】
(ユーザインターフェースの第1例)
図7は、上記設定操作を受け付けるためのユーザインターフェースの第1例を説明するための図である。
図7は、表示制御部320により端末装置300の表示画面301aに表示されて、ユーザUによって組み合わせ可能な複数のブロックBLKを示す。各ブロックにおいて破線部分は、ユーザUによって任意に変更可能な内容である。
【0046】
例えば、
図7中の(a)は、状態条件に基づく判定処理を設定するためのブロックBLK1を示す。
図7中の(b)は、開始または停止される運転態様を設定するためのブロックBLK2を示す。
図7中の(c)は、空気調和能力の変更を設定するためのブロックBLK3を示す。
図7中の(d)は、運転態様の変更を設定するためのブロックBLK4を示す。
図7中の(b)は、変更後の内容を1人以上のユーザUに通知するためのブロックBLK5を示す。
【0047】
図8は、上記ユーザインターフェースの第1例を説明するための別の図である。
図9は、表示制御部320により端末装置300の表示画面301aに表示されて、ユーザUによって操作可能な設定登録画面D1Aを示す。ユーザUは、複数のブロックBLKを任意に組み合わせることで、端末装置300を用いて、各運転態様の運転開始または運転停止(運転態様の変更を含む)の条件としての温度、湿度、時期、または人に関する状態条件と、当該状態条件が満たされた場合に実行される空気調和機100の制御内容とを対応付けて登録するユーザUの設定操作を行うことができる。ユーザUの設定操作は、端末装置300の操作受付部330により受け付けられる。操作受付部330は、受け付けたユーザUの設定操作を示す情報を、サーバ200に送信する。
【0048】
(ユーザインターフェースの第2例)
図9は、上記設定操作を受け付けるためのユーザインターフェースの第2例を説明するための図である。
図9は、表示制御部320により端末装置300の表示画面301aに表示されて、ユーザUによって入力可能な設定登録画面D1Bを示す。ユーザUは、設定登録画面D1Bに対して、各運転態様の運転開始または運転停止の条件を入力することで、各運転態様の運転開始または運転停止(運転態様の変更を含む)の条件としての温度、湿度、時期、または人に関する状態条件と、当該状態条件が満たされた場合に実行される空気調和機100の制御内容とを対応付けて登録するユーザUの設定操作を行うことができる。ユーザUの設定操作は、端末装置300の操作受付部330により受け付けられる。操作受付部330は、受け付けたユーザUの設定操作を示す情報を、サーバ200に送信する。
【0049】
なお、設定登録画面D1Bは、より詳細な条件ごと(例えば、部屋に人がいる場合と人がいない場合、または、季節ごと)に設けられてもよい。すなわち、部屋に人がいる場合における各運転態様の運転開始または運転停止の条件を設定可能な設定登録画面D1Bと、部屋に人がいない場合における各運転態様の運転開始または運転停止の条件を設定可能な設定登録画面D1Bとが別々に設けられてもよい。また、設定登録画面D1Bは、各運転態様の運転開始または運転停止の条件に限らず、空気調和機100の熱交換装置110の空気調和能力(例えば圧縮機111の運転周波数)、または空気調和機100から吐出される風量(例えば送風機115の回転数)などを登録するユーザUの設定操作を受け付け可能でもよい。
【0050】
(ユーザインターフェースの第3例)
設定受付部210は、上記第1例および第2例に代えて/加えて、自然言語による入力に基づき、ユーザUの設定操作を受け付け可能でもよい。すなわち、設定受付部210は、温度、湿度、時期、または人に関する状態条件の入力と、当該状態条件と対応付けられる空気調和機100の制御内容の入力として、自然言語による入力を受け付け可能でもよい。
【0051】
この場合、設定受付部210は、端末装置300のマイクに入力されたユーザUの音声を端末装置300から受信する。設定受付部210は、受信したユーザUの音声に対して自然言語解析を行うことで、ユーザUの音声に対応するテキスト文章を取得する。そして、設定受付部210は、取得されたテキスト文章を、例えば深層学習を行うことで得られた学習済みモデルに入力することで、取得されたテキスト文章に対応するユーザUの設定操作の内容を取得する。なお、自然言語による入力は、音声に代えて文章でもよい。
【0052】
例えば、設定受付部210は、次のようなユーザUの音声または文章の入力:「6月から9月の期間については、人がいる状態でWBGTが28℃以上になったら,WBGTが26℃になるまで冷房で運転、26℃を下回ったら25℃になるまで除湿で運転をし、25℃を下回ったら運転を停止する。人がいないときは室温が35℃を超えたら冷房運転を開始し、30℃を下回って且つ湿度が55%未満になったら停止してください」に基づき、ユーザUの設定操作の内容を取得してもよい。なお、設定受付部210は、上記状態条件を直接設定するユーザUの発話または文字の入力がなくても、発話や文章の入力から上記状態条件を生成してもよい。なお以上説明した設定受付部210による処理の全部または一部は、設定受付部210に代えて操作受付部330により行われてもよい。
【0053】
<4.2 条件評価部>
(条件評価部の基本処理)
条件評価部220は、ユーザUによって入力された上記設定内容の妥当性を評価する。具体的には、条件評価部220は、上記設定内容に含まれる状態条件と空気調和機100の制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定する。本実施形態では、条件評価部220は、温度、湿度、時期、または人のうち2つ以上の要素の組み合わせにより規定される状態条件と空気調和機100の制御内容との対応関係が含まれる場合、当該2つ以上の要素の組み合わせにより規定される状態条件と空気調和機100の制御内容との対応関係が上記所定の評価条件を満たすか否かを判定する。
【0054】
「所定の評価条件」は、状態条件と空気調和機100の制御内容との対応関係の妥当性を評価するために確認する条件である。「所定の評価条件」は、例えば、複数の評価項目を含む。この場合、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が上記複数の評価項目の全てを満たす場合に、上記状態条件と制御内容との対応関係が上記所定の評価条件を満たすと判定される。
【0055】
複数の評価項目は、例えば、運転開始時または運転終了時の温度と空気調和機100制御内容との整合性に関する第1評価項目と、空気調和機100の運転中における部屋の温度変化と、当該温度変化に応じた空気調和機100制御内容の変更(例えば熱交換装置110のパワー)との整合性に関する第2評価項目とを含む。熱交換装置110のパワーは、空気調和機100の空気調和能力を意味し、例えば圧縮機111の運転周波数と送風機115の回転数とのうち少なくとも一方により規定される。
【0056】
複数の評価項目のセットの一例は、以下のとおりである。
・25℃超えで暖房運転にならないこと(暑いのに暖房運転にならないこと)。
・冷房運転中、熱交換装置110のパワーは室温に対して単調増加であること。
・15℃未満で冷房運転にならないこと(寒いのに冷房運転にならないこと)。
・暖房運転中、熱交換装置110のパワーは室温に対して単調減少であること。
・自動で開始した運転は条件を満たせば停止すること(自動停止すること)。
・運転内容が一意に定まること。
【0057】
図10は、ユーザUの設定内容が上記所定の評価条件を満たさない場合の例を示す図である。
図10に示す設定内容のなかで、「室温が-10℃以下」である状態条件、および「室温が-5℃以下、かつ、人がいる」である状態条件と、暖房運転の開始である制御内容との対応関係は、上記複数の評価項目のいずれにも反しないため、これら設定内容は、上記所定の評価条件を満たすと判定される。
【0058】
一方で、
図10に示す設定内容のなかで、「室温が25℃以上、26℃未満」である状態条件と、暖房運転の開始である制御内容との対応関係は、上記複数の評価項目の1つである「25℃超えで暖房運転にならないこと」と反するため、本設定内容は、上記所定の評価条件を満たさないと判定される。すなわち、室温が高いなかで暖房運転をすることとなっているため,不適切な設定と判定される。
【0059】
(評価項目の他の例)
例えば、上記所定の評価条件は、下記の評価項目を含んでもよい。
・暖房系運転(暖房運転)と冷房系運転(冷房運転または除湿運転)とで切り替わらないこと。
例えば、「24℃を境に低ければ冷房運転、高ければ暖房運転」という設定内容である場合、24℃付近のときに冷房運転と暖房運転とが交互に切り替わり無駄な運転が行われてしまう。暖房系運転(暖房運転)と冷房系運転(冷房運転または除湿運転)の両方を設定する場合には、それらの境に運転を行わない、または、暖房系運転と冷房系運転との間に空気清浄運転もしくは送風運転の温度帯が設けられていることを評価項目とする。
【0060】
・運転の開始と停止とを同一温度にしていないこと。
例えば、「30℃以上になると冷房で運転開始、30℃未満になると運転停止」という設定内容である場合、30℃付近のときに運転開始と運転停止とが交互に繰り返されることになる。そのため,運転の開始条件と停止条件とが同じでないことを評価項目とする。例えば、「30℃以上になると冷房運転開始、28℃未満となると冷房運転終了」とすれば上記評価項目が満たされる。
【0061】
(複数段階の評価条件による評価)
本実施形態では、上記所定の評価条件は、第1評価条件と、第1評価条件と比べて回避の重要度が高い第2評価条件とを含む。第1評価条件は、状態条件と制御内容との対応関係が当該第1評価条件を満たさないと判定された場合に、ユーザUに対して注意喚起を促すための第1報知が行われるが、設定内容を変更せずに設定受付部210が設定内容を受け付けることを許容する評価条件である。第2評価条件は、状態条件と制御内容との対応関係が当該第2評価条件を満たさないと判定された場合に、設定受付部210が設定内容を受け付けることを抑制し、ユーザUに対して設定内容の変更を要求する第2報知が行われる評価条件である。
【0062】
(複数段階の評価条件の第1例)
第1評価条件の複数の評価項目のセットの一例は、以下のとおりである。
・15℃未満で冷房運転にならないこと。
・冷房運転中に熱交換装置110のパワーは室温に対して単調増加であること。
・暖房運転中に熱交換装置110のパワーは室温に対して単調減少であること。
これら設定内容は、一般的な設定内容ではないが直ちに危険とは言えないため、ユーザUに対して所定の報知を出力するが、ユーザUの設定内容を受け入れることを許容する。
【0063】
例えば、15℃未満では冷房運転は一般的には行われないが、湿度管理の目的(除湿目的)の可能性があるため、設定内容の変更は要求せず、設定内容を受け入れる。また、室温は上がっているのに冷房運転が弱まる(室温30℃よりも35℃のときのほうが弱い)という設定内容は、室温が上がる一方になると考えられるため適切でないが、冷房運転は行われているため、設定内容の変更は要求せず、設定内容を受け入れる。同様に、室温は下がっているのに暖房運転が弱まるという設定内容は、室温は下がる一方となると考えられるため適切ではいが、暖房運転は行われているため、設定内容の変更は要求せず、設定内容を受け入れる。
【0064】
一方で、第2評価条件の複数の評価項目のセットの一例は、以下のとおりである。
・25℃超えで暖房運転にならないこと。
・自動で開始した運転は条件を満たせば停止すること(自動停止する)。
・運転内容が一意に定まること。
これら評価項目については、設定内容の受け付けを抑制し(例えば受け付けず)、ユーザUに対して設定内容の変更を要求する報知を行う。
【0065】
例えば、高温のなか暖房運転を行うと,熱中症リスクが高まる。例えば、「湿度が40%以下であれば暖房運転、湿度が60%以上であれば除湿運転」と設定内容であれば、湿度が40%以下であれば、室温が高い場合でも暖房運転になってしまう可能性がある。一方で、「湿度が40%以下、かつ、室温10℃以下であれば暖房運転、湿度が60%以上であれば除湿運転」という設定内容であれば、上記評価項目が満たされる。
【0066】
また、自動で開始した運転について停止条件が設定されていない場合、自動で開始した運転がユーザUの意図に反して継続される可能性がある。例えば、「25℃を超えたら冷房運転を開始」というのみの設定内容では、一度25℃を超えたら運転したままとなってしまう。そのため、「25℃を超えたら冷房運転を開始、23℃以下になれば冷房運転を停止」という設定内容のように、停止条件を規定することで上記評価項目が満たされる。
【0067】
また、運転内容が一意に定まらない設定内容の例として、複数の運転態様となる状態条件が同時に満たされる設定内容がある。例えば、「室温30℃以上で冷房運転、湿度60%以上で除湿運転」という設定内容では、例えば室温32℃、湿度65%のとき、冷房運転を行うための状態条件と、除湿運転を行うための状態条件が同時に満たされる。そこで、「室温30℃以上であれば冷房運転、室温30℃未満、かつ、湿度60%以上であれば除湿運転」という設定内容であれば、上記評価項目が満たされる。
【0068】
(複数段階の評価条件の第2例)
次に、評価条件の別の例について説明する。本例では、第1評価条件は、温度または湿度である所定要素に関する数値が基準値から所定範囲内である場合である。第2評価条件は、上記所定要素に関する数値が基準値から所定範囲外である場合である。
【0069】
第1評価条件の一例は、「15℃以上で暖房運転が行われないこと」である。第2評価条件の一例は、「24℃以上で暖房運転が行われないこと」である。この場合、15℃以上で暖房運転が行われる設定内容である場合は、例えば熱中症のリスクが小さいため、ユーザUに対して注意喚起のための所定の報知を出力するが、ユーザUの設定内容を受け入れる。一方で、24℃以上で暖房運転が行われる設定内容である場合は、例えば熱中症のリスクが大きいため、設定内容の受け付けを抑制し(例えば受け付けず)、ユーザUに対して設定内容の変更を要求する報知を行う。
【0070】
(条件評価部による評価方法)
上述した評価条件を用いた判定を行うため、条件評価部220は、次の処理を行う。例えば、条件評価部220は、あらゆるパターンについて検証を行い、ユーザUの意図通りでない可能性がある設定内容ではないか評価する。例えば、条件評価部220は、評価方法として、各状態条件の値が上昇する場合と低下する場合とで空気調和機100の制御内容がどのように変化するかを検証する。
【0071】
例えば、条件評価部220は、1つの検証として、空気調和機100の運転中の温度として、室温T℃でスタートして、0.1℃刻みで室温が上昇するパターンと、0.1℃刻みで室温が下がるパターンとで空気調和機100の制御内容がどのように変化するかを検証する。その結果、冷房運転の運転中に突然暖房運転に遷移したり、停止したりするなど、不可解な挙動の可能性があれば検出することができる。
【0072】
例えば、条件評価部220は、上記検証に代えて/加えて、空気調和機100の運転開始時の温度(初期室温T)について、あらゆる初期室温のパターンで検証を行う。例えば、条件評価部220は、空気調和機100の運転開始時の温度(初期室温T)を0.1℃刻みで初期室温Tを高くするパターンと、0.1℃刻みで初期室温Tを低くするパターンとで空気調和機100の制御内容(運転開始時の運転内容)がどのようになるかを検証する。その結果、暖かいのに暖房運転が開示されたり、寒いのに冷房運転が開始されたりするなど、不可解な挙動の可能性があれば検出することができる。初期室温Tについて変化させる意図としては、室温と運転状態とは1対1で対応するものとは限らず、温度が上がるときと下がるときとで挙動が異なる場合や、運転開始時の温度で挙動に変化をつけることも想定すべきであるためである。これら検証を温度以外で利用する別の状態条件(湿度、時期、または人の有無)についても行う。例えば、温度、湿度、時期、人の有無である4つの要素について、互いに組み合わせた状態について各要素を変化させて空気調和機100の制御内容を検証する。
【0073】
<4.3 対応処理部>
対応処理部230は、上記設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が上記所定の評価条件を満たさないと条件評価部220により判定された場合、所定の報知を行う、または設定受付部210が上記設定内容を受け付けることを抑制する。本出願で「設定内容を受け付けることを抑制する」とは、例えば設定内容を受け付けないことであるが、これに限定されず、確認画面を表示してユーザUの承諾を得られた場合に限り(例えば、ユーザUの本人認証が取れた上で、2回以上の確認画面を表示してユーザUの承諾を得られた場合など厳重な管理が行われた場合に限り)上記設定内容を受け付ける場合なども含み得る。
【0074】
<4.3.1 1段階の評価条件による評価が行われる場合>
(ユーザに対して注意喚起の報知が行われる場合)
対応処理部230は、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が上記所定の評価条件を満たさないと条件評価部220により判定された場合、所定の報知を行う。所定の報知は、設定内容に妥当性が低い内容が含まれることをユーザUに知らせるための報知である。
【0075】
所定の報知は、例えば、設定内容を変更せずに設定受付部210が設定内容を受け付けることを許容する状態において、ユーザUに注意喚起を促すための報知である。なお、所定の報知は、上記例に代えて、設定受付部210が設定内容を受け付けることを抑制した状態(例えば設定内容を受け付けない状態)において、ユーザUに対して設定内容の変更を要求する報知でもよい。
【0076】
図11は、所定の報知の出力画面D2の一例を示す図である。本実施形態では、対応処理部230は、上記所定の報知を表示するための通知N1を端末装置300に送信することで、通知N1を出力画面D2に表示させ、これによりユーザUに対して上記所定の報知を出力させる。通知N1の内容は、例えば、「現在の設定内容では室温が24℃を超えている場合でも暖房運転になる場合があります。設定してもよろしいですか?」である。
【0077】
本実施形態では、対応処理部230は、通知N1を端末装置300に送信する場合、所定の制御信号を端末装置300に送信することで、複数の操作部B1を出力画面D2に表示させる。複数の操作部B1は、現在の内容のまま設定内容を登録させるための操作部B1aと、現在の内容のまま設定内容を登録させることを取りやめ、設定内容を変更するための操作部B1bとを含む。操作部B1に対するユーザUの操作は、操作受付部330により受け付けられる。そして、ユーザUの操作内容を示す情報は、情報送信部340によりサーバ200に送信される。
【0078】
(ユーザに対して設定内容の変更を要求する場合)
なお上記処理に代えて、対応処理部230は、条件評価部220により所定の評価条件が満たされないと判定された場合、設定受付部210が上記設定内容を受け付けることを抑制し、ユーザUの設定内容の変更を要求する報知を行ってもよい。例えば、対応処理部230は、条件評価部220により所定の評価条件が満たされないと判定された場合、上記設定内容を受け付けることを抑制するための所定の信号を設定受付部210に出力することで、設定受付部210が上記設定内容を受け付けることを抑制してもよい。
【0079】
図12は、設定内容の変更を要求する出力画面D3の一例を示す図である。本実施形態では、対応処理部230は、ユーザUに対して設定内容の変更を要求する通知N2を端末装置300に送信することで、通知N2を出力画面D2に表示させ、これによりユーザUに対して設定内容の変更を要求する。通知N2の内容は、例えば、「現在の設定では室温が24℃を超えている場合でも暖房運転になる場合があります暖房運転は室温24℃以下の場合に設定ができます。設定を変更してください」である。
【0080】
本実施形態では、対応処理部230は、通知N2を端末装置300に送信する場合、所定の制御信号を端末装置300に送信することで、複数の操作部B2を出力画面D3に表示させる。複数の操作部B2は、設定内容の変更を行う画面(画面D1または画面D2)に遷移させるための操作部B2aと、設定を中止するための操作部B2bとを含む。操作部B2に対するユーザUの操作は、操作受付部330により受け付けられる。そして、ユーザUの操作内容を示す情報は、情報送信部340によりサーバ200に送信される。
【0081】
<4.3.2 2段階の評価条件による評価が行われる場合>
次に、上述した2段階の評価条件(第1評価条件および第2評価条件)を用いて評価が行われる場合について説明する。
【0082】
対応処理部230は、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が第1評価条件を満たさないと条件評価部220により判定された場合、注意喚起を促すための第1報知を行うとともに、設定内容を変更せずに設定受付部210が設定内容を受け付けることを許容する。例えば、対応処理部230は、第1評価条件を満たさない場合、
図11に示す例と同様に、通知N1および所定の制御信号を端末装置300に送信することで、通知N1および複数の操作部B1を出力画面D2に表示させる。
【0083】
一方で、対応処理部230は、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が第2評価条件を満たさないと条件評価部220により判定された場合、設定受付部210が設定内容を受け付けることを抑制し、設定内容の変更を要求する第2報知を行う。例えば、対応処理部230は、第2評価条件を満たさない場合、
図12に示す例と同様に、通知N2および所定の制御信号を端末装置300に送信することで、通知N2および複数の操作部B2を出力画面D3に表示させる。
【0084】
<4.3.3 評価条件を満たすための変更案の提案>
本実施形態では、対応処理部230は、条件評価部220により所定の評価条件が満たされないと判定された場合、所定の報知の一部として、上記所定の評価条件を満たすための設定内容の変更案を出力する。この内容は、上述した1段階の評価条件による評価が行われる場合と、上述した2段階の評価条件による評価が行われる場合とのいずれにも適用可能である。
【0085】
例えば、対応処理部230は、所定の評価条件を満たすための設定内容の変更案の出力の一例として、温度、湿度、時期、または人の有無に関するどの要素をどのように変更すればよいかを提案する。例えば、
図12に示す例では、「暖房運転は室温24℃以下の場合に設定ができます」との報知は、上記変更案の提案の一例である。
【0086】
対応処理部230は、上記変更案として、例えば、評価条件を満たすための変更が最小となるような変更案を提案する。例えば、暖房運転が24℃以下で可能になる場合は、暖房運転の開始に対応付ける温度を24℃とする変更案を提案する。
【0087】
これに代えて、対応処理部230は、上記変更案として、ユーザUによって設定された条件は変更せず、追加の条件を加えることを変更案として提案してもよい。例えば、温度の条件だけでは評価条件が満たされないが、湿度、時期、または人の有無など別の状態条件を加えることで評価条件が満たされる場合、別の状態条件を加える変更案を提案する。
【0088】
<4.4 情報送信部>
情報送信部240は、設定受付部210により受け付けられ、設定内容情報291として新しい設定内容(すなわち状態条件と空気調和機100の制御内容との対応関係)が登録された場合、新しく登録された設定内容を空気調和機100に送信する。この場合、空気調和機100の制御部130は、受信した設定内容を制御用情報191の一部として記憶する。そして、空気調和機100の制御部130は、センサ部120により検出された状態条件と、設定内容情報291に含まれる状態条件とが一致する場合、当該状態条件に対応付けられた制御内容に基づき、空気調和機100を制御する。
【0089】
記憶部290は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、またはSSDなどの組み合わせにより実現される。記憶部290は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部290は、設定内容情報291と、評価条件情報292とを記憶する。
【0090】
<5.処理の流れ>
次に、処理の流れについて説明する。
図13は、処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13は、例えば、上述した2段階の評価条件を用いた評価が行われる場合の例である。ユーザUは、端末装置300の家電管理アプリAPを用いて画面D1または画面D2を表示させ、温度、湿度、時期、または人に関する状態条件と、当該状態条件が満たされた場合に実行される空気調和機100の制御内容とを対応付ける設定内容を登録するための設定操作を行う。ユーザUの設定内容を示す情報は、端末装置300の操作受付部330により受け付けられ(S101)、サーバ200に送信される。
【0091】
次に、条件評価部220は、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と空気調和機100の制御内容と対応関係が第1評価基準を満たすか否かを判定する(S102)。そして、状態条件と制御内容と対応関係が第1評価基準を満たすと判定された場合(S102:YES)、設定受付部210は、ユーザUの設定内容を、設定内容情報291の一部として登録する(S103)。設定内容情報291に登録されたユーザUの設定内容は、情報送信部240により空気調和機100に送信され、空気調和機100での自動制御に用いられる。
【0092】
一方で、状態条件と制御内容と対応関係が第1評価基準を満たさないと判定された場合(S102:NO)、条件評価部220は、状態条件と制御内容と対応関係が第2評価基準を満たすか否かを判定する(S104)。そして、状態条件と制御内容と対応関係が第2評価基準を満たすと判定された場合(S104:YES)、対応処理部230は、注意喚起を促すための第1報知を行う(S105)。
【0093】
本実施形態では、S105の処理が行われる場合、対応処理部230は、注意喚起のための報知の一部として、第1評価条件が満たされなかった対応関係についてユーザUに変更の意思があるか否かを問い合わせる表示を端末装置300の表示画面301aに表示させる(S106)。そして、対応処理部230は、端末装置300の表示画面301aに対するユーザUの操作(操作受付部330により受け付けられるユーザUの操作)に基づき、上記問い合わせに対するユーザUの回答を取得する。操作受付部330により取得されたユーザUの回答は、サーバ200に送信される。対応処理部230は、端末装置300から受信するユーザUの回答に基づき、変更の意思があるか否かを示すユーザUの回答を取得する。
【0094】
上記問い合わせに対してユーザUの変更の意思がないと対応処理部230により判定される場合(S106:NO)、設定受付部210は、ユーザUの設定内容を、設定内容情報291の一部として登録する(S103)。設定内容情報291に登録されたユーザUの設定内容は、情報送信部240により空気調和機100に送信され、空気調和機100での自動制御に用いられる。一方で、上記問い合わせに対してユーザUの変更の意思があると対応処理部230により判定される場合(S106:YES)、S101の処理に戻る。
【0095】
また、状態条件と制御内容と対応関係が第2評価条件を満たさないと判定された場合(S104:NO)、対応処理部230は、設定受付部210が記設定内容を受け付けることを抑制し、ユーザUに対して設定内容の変更を要求する報知を行う(S107)。この場合、処理のフローは、S101の処理に戻る。
【0096】
<6.利点>
比較例として、空気調和機の特定の運転の開始温度よび停止温度をユーザの設定操作に基づき登録可能なシステムについて考える。このようなシステムでは、ユーザUが設定した制御が適切なものでない場合に不適切な動作をしてしまう可能性がある。
【0097】
そこで本実施形態では、空気調和システムは、設定受付部210、条件評価部220、および対応処理部230を有する。設定受付部210は、複数の運転態様を実行可能な空気調和機100に関して、各運転態様での運転開始の条件と運転停止の条件とが個別に設定可能であるとともに、運転開始の条件または運転停止の条件としての温度、湿度、時期、または人に関する状態条件と、当該状態条件が満たされた場合に実行される空気調和機100の制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザUの設定操作を受け付け可能である。条件評価部220は、上記設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定する。対応処理部230は、上記設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たさないと条件評価部220により判定された場合、所定の報知を行う、または設定受付部210が設定内容を受け付けることを抑制する。
【0098】
このような構成によれば、ユーザUにより適切でない設定操作が行われた場合、その設定操作に応じた登録がそのまま行われて空気調和機100が不適切な運転を行うことを抑制することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0099】
本実施形態では、設定受付部210は、上記設定操作として、温度、湿度、時期、または人のうち2つ以上の要素の組み合わせにより規定される状態条件と、当該状態条件が満たされた場合に実行される制御内容とを対応付けた設定内容を登録する設定操作を受け付け可能である。条件評価部220は、上記2つ以上の要素の組み合わせにより規定される条件と制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすか否かを判定する。このような構成によれば、温度、湿度、時期、または人のうち2つ以上の要素が組み合わされることで複雑になった状態条件に関しても、条件評価部220により評価が行われるため、不適切な設定内容がそのまま登録されて空気調和機100が不適切な運転を行うことを抑制することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0100】
本実施形態では、上記所定の評価条件は、運転開始時または運転終了時の温度と空気調和機100の制御内容との整合性に関する第1評価項目と、空気調和機100の運転中における部屋の温度変化と、当該温度変化に応じた空気調和機100の制御内容の変更との整合性に関する第2評価項目とを含む。このような構成によれば、複数の観点でユーザUの設定内容を評価することができ、適切でない設定操作をより確実に検出することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0101】
本実施形態では、対応処理部230は、条件評価部220により所定の評価条件が満たされないと判定された場合、設定内容の変更を要求する報知を行う。このような構成によれば、設定内容が不適切な場合、空気調和機100が不適切な運転を行うことをより確実に抑制することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる場合がある。
【0102】
本実施形態では、所定の評価条件は、第1評価条件と、第1評価条件と比べて回避の重要度が高い第2評価条件とを含む。対応処理部230は、状態条件と制御内容との対応関係が第1評価条件を満たさないが第2評価条件は満たすと条件評価部220により判定された場合、注意喚起を促すための第1報知を行うとともに、設定受付部210が設定内容を受け付けることを許容する。一方で、対応処理部230は、状態条件と制御内容との対応関係が第2評価条件を満たさないと条件評価部220により判定された場合、設定受付部210が設定内容を受け付けることを抑制し、設定内容の変更を要求する第2報知を行う。このような構成によれば、ユーザUにとって不利益が大きい運転について確実に抑制することができるとともに、ユーザUにとって不利益が小さい運転については、ユーザUの意思に沿って柔軟に実行することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる場合がある。
【0103】
本実施形態では、第1評価条件は、温度または湿度である所定要素に関する数値が基準値から所定範囲内である場合である。第2評価条件は、上記所定要素に関する数値が上記基準値から前記所定範囲外である場合である。このような構成によれば、同じ指標に関しても、ユーザUにとって不利益が大きい状態での運転について確実に抑制することができるとともに、ユーザUにとって不利益が小さい状態での運転については、ユーザUの意思に沿って柔軟に実行することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる場合がある。
【0104】
本実施形態では、対応処理部230は、条件評価部220により所定の評価条件が満たされないと判定された場合、所定の報知の一部として、所定の評価条件を満たすための設定内容の変更案を出力する。このような構成によれば、ユーザUは、評価条件が満たされない場合に、どのように変更すれば評価条件を満たすことができるか容易に知ることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる場合がある。
【0105】
本実施形態では、設定受付部210は、温度、湿度、時期、または人に関する条件の入力と、当該条件と対応付けられる制御内容の入力として、自然言語による音声または文章での入力を受け付ける。このような構成によれば、温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される空気調和機100の制御内容とを対応付けた設定内容を登録する作業を容易に行うことができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる場合がある。
【0106】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ユーザUに関する情報に基づいて使用する評価条件を変更する点で、第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態の構成と同じである。
【0107】
図14は、第2実施形態のサーバ200の機能構成を示すブロック図である。本実施形態では、サーバ200は、情報取得部250を有する。
【0108】
(情報取得部)
情報取得部250は、ユーザUに関する情報(以下では説明の便宜上「ユーザ情報」と称する)を取得する。「ユーザ情報」とは、例えば、ユーザUの居住地域(高温多湿な地域または寒冷な地域に住んでいるかなど)、ペットの有無、楽器またはカメラなど湿度管理が必要な機器を所有するかなどである。本実施形態では、情報取得部250は、ユーザ情報を取得するための質問を、端末装置300を通じて出力させ、ユーザUの回答に基づいてユーザ情報を取得する。
【0109】
図15は、ユーザU情報を取得するため入力画面D4を示す図である。情報取得部250は、所定の制御信号を端末装置300に送信することで、端末装置300の表示画面301aに入力画面D4を表示させる。入力画面D4は、ユーザ情報を取得するための質問と、当該質問に対する入力部C1とを含む。入力部C1に入力されたユーザUの回答は、操作受付部330により取得され、情報送信部340によりサーバ200に送信される。これにより、情報取得部250は、ユーザ情報を取得する。
【0110】
また、情報取得部250は、上記例に代えて/加えて、入力画面D4に表示させる質問として、ユーザUによる空気調和機100の利用目的を尋ねる質問を表示させ、ユーザUの回答に基づき、ユーザUによる空気調和機100の利用目的を示す情報を取得してもよい。「空気調和機100の利用目的」は、例えば、快適な生活のため、または楽器やカメラなどの機器用の湿度管理のためなどである。
【0111】
また、情報取得部250は、上記例に代えて/加えて、空気調和機100に搭載された位置センサ(例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用したセンサ)の検出結果に基づきユーザUの住居がある地域を示す情報を取得してもよいし、空気調和機100に搭載されたカメラなどの撮像結果に基づき、ペットの存在、楽器またはカメラなど湿度管理が必要な機器の存在を示す情報を取得してもよい。
【0112】
(条件評価部)
本実施形態では、条件評価部220は、情報取得部250により取得されたユーザ情報に基づき、使用する上記所定の評価条件を変更する。
【0113】
例えば、条件評価部220は、ユーザUの居住地域を示す情報に基づき、ユーザUの居住地域に適した評価条件を選択する。例えば、条件評価部220は、ユーザUの居住地域が高温多湿な地域(京都など)である場合、湿度を低下させることを評価項目として追加した評価条件を使用する。例えば、条件評価部220は、ユーザUの居住地域が寒冷な地域である場合、暖房運転時に寒冷地であることを考慮した評価項目(例えば霜取り運転などの項目)を追加した評価条件を使用する。
【0114】
例えば、条件評価部220は、ユーザUの部屋にペットがいることを示す情報に基づき、ペットがいる場合に適した評価条件を選択する。例えば、条件評価部220は、ユーザUの部屋にペットがいる場合、空気清浄に関する評価項目を追加した評価条件を使用する。
【0115】
例えば、条件評価部220は、ユーザUの部屋に楽器があることを示す情報に基づき、楽器がある場合に適した評価条件を選択する。例えば、条件評価部220は、ユーザUの部屋に楽器がある場合、湿度が閾値以上に上昇しないこと、および所定基準以上の急激な温度変化がないことを評価項目として追加した評価条件を使用する。
【0116】
例えば、条件評価部220は、ユーザUの部屋にカメラまたはレンズなど(以下「防湿対象部品」と称する)があることを示す情報に基づき、防湿対象部品などがある場合に適した評価条件を選択する。例えば、条件評価部220は、ユーザUの部屋に防湿対象部品がある場合、湿度が閾値以上に上昇しないことを評価項目として追加した評価条件を使用する。
【0117】
例えば、条件評価部220は、ユーザUによる空気調和機100の利用目的が「快適な生活」である場合、標準的な評価条件(例えば、温度および湿度の評価項目を含む評価条件)を使用する。一方で、条件評価部220は、ユーザUによる空気調和機100の利用目的が楽器または防湿対象部品の湿度管理である場合、例えば、温度の評価項目を含まず、湿度の評価項目を含む評価条件を使用する。
【0118】
このような構成によれば、ユーザUの属性に応じて適切な評価条件を適用することができ、より実態に合った評価を行うことができる。その結果、効率的、且つ、ユーザUの意図に沿った運転を行うことができる。例えば、湿度管理をしたいだけなのに快適な設定にしないと不適切判定が出されてしまい、電気代が必要以上に上がることなどを避けることができる。
【0119】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、ユーザUの設定操作時に条件評価部220により所定の評価条件を満たすと判定されて空気調和機100が運転された後、条件評価部220により再評価が行われる点で、第2実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第2実施形態の構成と同じである。
【0120】
図16は、第3実施形態のサーバ200の機能構成を示すブロック図である。本実施形態では、サーバ200は、情報収集部260を有する。
【0121】
(情報収集部)
情報収集部260は、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が所定の評価条件を満たすと条件評価部220により判定され、空気調和機100の運転が行われる場合に、空気調和機100の1回以上(例えば複数回以上)の運転を含む期間に所定の情報を収集する。「所定の情報」は、例えば、空気調和機100の運転実績を示す情報、ユーザ情報が入力または変更された場合における最新のユーザ情報、または環境の変化を示す情報のうち少なくとも1つを含む。
【0122】
「空気調和機100の運転実績を示す情報」は、空気調和機100の記憶部190に運転実績情報192として蓄積される情報である。情報収集部260は、運転実績情報192を送信させる送信要求を空気調和機100に通知することで、空気調和機100から運転実績情報192を取得する。
【0123】
「最新のユーザ情報」とは、家族構成や居住地域などの入力や変更があった場合、または空気調和機100の利用目的の入力や変更があった場合における最新のユーザ情報である。情報収集部260は、端末装置300を操作することでユーザUが入力または変更したユーザ情報を端末装置300から受信することで取得する。
【0124】
「環境の変化を示す情報」とは、平均気温や平均湿度の変化、電気料金の変化などを示す情報である。情報収集部260は、例えば、気象関連のウェブサーバまたは電力会社のウェブサーバから平均気温や湿度の変化、電気料金などを示す情報を取得する。これに代えて、情報収集部260は、空気調和機100から受信する運転実績情報192に基づき、平均気温または湿度を示す情報を取得してもよい。
【0125】
(条件評価部)
条件評価部220は、情報収集部260により上記所定の情報が収集された場合、上記所定の情報に基づき、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が、再判定用の評価条件を満たすか否かを判定する。これに代えて/加えて、条件評価部220は、情報収集部260により上記所定の情報が収集された場合、上記所定の情報に基づき、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が、所定の評価条件(例えばユーザUの設定操作時と同じ評価条件)を満たすか否かを再判定してもよい。
【0126】
例えば、条件評価部220は、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係で空気調和機100を運転した場合(以下では単に「ユーザUの設定内容で運転した場合」と称する)に、部屋の温度または湿度が十分に変化するか否か(閾値を超えて変化するか否か)を判定する。例えば、条件評価部220は、「32℃を超えると冷房弱運転で運転開始」との設定内容に基づいて空気調和機100を行う場合に、設定内容に基づく運転を一定時間(例えば2時間)以上行っても室温が30℃を下回らないことが所定の閾値回数以上である場合、設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が、再判定用の評価条件を満たさないと判定する。
【0127】
例えば、条件評価部220は、ユーザUの設定内容で運転した場合に、電気料金の改善が見込めるか否かを判定する。例えば、条件評価部220は、「32℃以上になると冷房強運転で運転開始、25℃以下になると停止」との設定内容に基づいて運転を行う場合に、その環境においては「30℃以上になると冷房弱運転で運転開始、25℃以下になると停止」との設定内容に基づいて運転を行うと電気料金が安くなると推定される場合、設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が、再判定用の評価条件を満たさないと判定する。
【0128】
また、条件評価部220は、最新のユーザ情報、または最新の平均温度や平均湿度に基づく場合、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が、所定の評価条件(例えばユーザUの設定操作時と同じ評価条件)を満たすか否かを再判定する。
【0129】
(対応処理部)
対応処理部230は、情報収集部260により収集された上記所定の情報に基づいて条件評価部220による再判定が行われ、ユーザUの設定内容に含まれる状態条件と制御内容との対応関係が所定の評価条件(再判定用の評価条件またはユーザUの設定操作時と同じ評価条件)を満たさないと判定された場合、所定の報知を行う。所定の報知は、ユーザUに対して、お試しとして設定内容の一時的な変更の提案を含んでもよい。
【0130】
図17は、所定の報知の出力画面D5の一例を示す図である。本実施形態では、対応処理部230は、上記所定の報知を表示するための通知を端末装置300に送信することで、表示A1、表示A2、および複数の操作部B3を表示画面301aに表示させる。表示A1は、再判定により所定の評価条件を満たさないと判定されたユーザUの現在の設定内容を示す表示である。表示A2は、所定の評価条件を満たすための変更案の提案を示す表示である。表示A1と表示A2は、見比べて比較しやすいように、例えば1つの画面D5において並んで表示される。
【0131】
図17中の(a)は、「32℃を超えると冷房弱運転で運転開始」との設定内容に基づいて空気調和機100を行う場合に、設定内容に基づいて運転を一定時間(例えば2時間)以上行っても室温が30℃を下回らないことが所定の閾値回数以上である場合の例を示す。この場合、表示A2には、冷房運転の強さを高める提案が表示される。
【0132】
図17中の(b)は、「32℃以上になると冷房強運転で運転開始、25℃以下になると停止」との設定内容に基づいて運転を行う場合の例を示す。この場合、表示A2には、電気料金を改善する変更案の提案として、「30℃以上になると冷房弱運転で運転開始、25℃以下になると停止」という設定内容の提案が表示される。
【0133】
複数の操作部B3は、表示A2で提案された変更案を一時的な設定として試してみるための操作部B3aと、設定内容を変更しないためのB3bとを含む。操作部B3に対するユーザUの操作は、操作受付部330により受け付けられる。そして、ユーザUの操作内容を示す情報は、情報送信部340によりサーバ200に送信される。
【0134】
このような構成によれば、最初の設定時の評価では問題は検出されなかったが、実際の運転時のセンサ値などを利用した、設定時には評価できなかった評価条件を使用して再評価を行うことで、より実態に合った評価を行うことができる。
【0135】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、ユーザUの設定内容が所定の評価基準を満たさない場合に、当該設定内容に応じた空気調和機100の運転内容を示す図が表示される点で、第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態の構成と同じである。
【0136】
本実施形態では、対応処理部230は、条件評価部220により所定の評価条件が満たされないと判定された場合、上記所定の報知の一部として、ユーザUの設定内容に応じて推定される時系列上の空気調和機100の制御内容の変化または時系列上の温度変化を示す図を端末装置300の表示画面301aに表示させる。これにより、評価条件を満たさず、報知や変更要求がなされても文章では分かり辛い場合でも、グラフなどで示されることでユーザUが理解しやすくなる。
【0137】
図18は、所定の報知の出力画面D6の一例を示す図である。出力画面D6は、例えば、表示A3aと、表示A3bとを含む。表示A3aは、横軸を時間、縦軸を温度とした場合の推定される時系列上の空気調和機100の制御内容の変化および時系列上の温度変化を示す。表示A3bは、具体的な問題点を示す。ここで
図16は、「暖房系運転(暖房運転)と冷房系運転(冷房運転または除湿運転)とが切り替わらない」という評価項目が満たされない場合の例を示す。
図16に示すように、ユーザUの現在の設定内容では、期間Tにおいて、除湿運転と暖房運転とが交互に繰り返されることが分かる。「暖房系運転と冷房系運転とが切り替わらない」という評価条件は、不慣れなユーザUはイメージがしにくいが、このように図示すればイメージがわきやすく、ユーザUの対応が容易になる。
【0138】
図19は、所定の報知の出力画面D6の別の一例を示す図である。
図19での表示A3aは、横軸を温度、縦軸を熱交換装置110のパワーとした場合の温度に応じた空気調和機100の制御内容の変化(例えば運転態様の変化および熱交換装置110のパワーの変化)を示す。
図19は、「冷房運転中、熱交換装置110のパワーは室温に対して単調増加であること」という評価項目が満たされない場合の例を示す。
図19に示すように、ユーザUの現在の設定内容では、「室温35℃のときに比べ室温40℃のときのほうが冷房は弱くなる」という設定が行われており、期間Tにおいて、冷房運転中、熱交換装置110のパワーは室温に対して単調増加しないことが分かる。「冷房運転中、熱交換装置110のパワーは室温に対して単調増加であること」という評価条件は、不慣れなユーザUはイメージがしにくいが、このように図示すればイメージがわきやすく、ユーザUの対応が容易になる。
【0139】
以上、いくつかの実施形態について説明した。ただし、実施形態は、上述した例に限定されない。また上述したいくつかの実施形態は、互いに組み合わせて実現可能である。例えば、上述した実施形態では、ユーザUの設定内容が所定の評価条件を満たさない場合、ユーザUに対して所定の報知を行う。ただし、実施形態は本例に限定されない。例えば、空気調和システムは、ユーザUに対して所定の報知を行うことなく、ユーザUの設定内容を受け付けることを抑制する(例えば、所定の評価条件を満たさないユーザUの設定操作を受け付けず設定画面が反応しない)などの対応が行われてもよい。
【0140】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、空気調和システムは、設定受付部と、条件評価部と、対応処理部とを備える。上記設定受付部は、空気調和機の運転開始の条件または運転停止の条件として、温度、湿度、時期、または人に関する条件と、当該条件が満たされた場合に実行される制御内容とを対応付けた設定内容を登録するユーザの設定操作を受け付け可能である。上記条件評価部は、上記設定内容が所定の評価条件を満たすか否かを判定する。上記対応処理部は、上記所定の評価条件を満たさないと判定された場合、所定の報知を行う、または上記設定受付部が受け付けることを抑制する。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0142】
100…空気調和機、200…サーバ、210…設定受付部、220…条件評価部、230…対応処理部、240…情報送信部、250…情報取得部、260…情報収集部、300…端末装置。