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特開2024-176012情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176012
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241212BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241212BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241212BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241212BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241212BHJP
   B41J 2/525 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 317
G06F3/12 308
G06F3/12 324
G06F3/12 378
G06F3/12 385
G06F3/12 359
H04N1/00 002A
G03G21/00 396
G03G15/00 303
B41J29/393 107
B41J2/525
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094193
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】小川 達也
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB10
2C061CG02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061HH03
2C061HJ06
2C061HJ10
2C061HK03
2C061HK11
2C061KK12
2C061KK18
2C061KK22
2C061KK25
2H270KA59
2H270KA61
2H270LA19
2H270LA22
2H270MB11
2H270MB32
2H270MB35
2H270MB43
2H270MF08
2H270MF16
2H270MF19
2H270NC07
2H270NC20
2H270ND13
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H270ZD01
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC55
(57)【要約】
【課題】画像形成装置のダウンタイムを発生させず、ユーザーの意図する画質になるよう画質調整を行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置が、印刷開始後に印刷した画像の画像データに基づいて、画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成し、生成された画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成し、画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した印刷開始前に印刷した画像の画像データと生成された画質調整後における画像データとを送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置であって、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成手段と、
前記第1の生成手段により生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成手段と、
画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成手段により生成された画質調整後における画像データとを送信する通信手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の生成手段及び前記第2の生成手段は、仮想空間に再現した前記画像形成システムの仮想モデルを用いて、前記画質調整の設定値及び前記画質調整後における画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷開始前に印刷した画像の画像データ及び該画像を印刷したときの設定値を保存する保存手段を有し、
前記第1の生成手段は、前記保存手段に保存された画像データ及び設定値と、前記印刷開始後に印刷した画像の画像データとに基づいて、前記画質調整の設定値を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の生成手段は、印刷される画像の画質が前記印刷開始前に印刷した画像の画質となる前記画質調整の設定値を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記端末装置からの通知に応じて、生成された前記画質調整の設定値を前記画像形成システムに設定させる設定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の生成手段は、前記端末装置からの要求に応じて、前記画質調整の設定値を修正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置と、
画像データの表示を行う端末装置とを有し、
前記情報処理装置は、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成手段と、
前記第1の生成手段により生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成手段と、
予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成手段により生成された画質調整後における画像データとを前記端末装置に対して送信する通信手段とを有し、
前記端末装置は、前記情報処理装置から送信された前記印刷開始前に印刷した画像の画像データと前記画質調整後における画像データとを1つの画面に表示することを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成工程と、
前記第1の生成工程にて生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成工程と、
画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成工程にて生成された画質調整後における画像データとを送信する通信工程とを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置のコンピュータに、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成ステップと、
前記第1の生成ステップにて生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成ステップと、
画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成ステップにて生成された画質調整後における画像データとを送信する通信ステップとを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)の普及により、デジタルツインと呼ばれる、サーバー上に現実世界に実在するものと同環境の仮想モデルを構築する技術が普及してきている。例えば、風力発電等のエネルギーシステムの制御装置において、センシングデータ及び運用データ等のモニタリングデータを用いてデジタルツイン環境にて発電量が最大となるような設定値を導き出しシステムを制御する技術が知られている。
【0003】
また、画像形成システムでは高画質な印刷が要求されるようになってきている。画像形成システムにおける印刷画像の画質は、温度や湿度、エンジン特性、印刷紙の状態等により変動してしまう。そのため、ユーザーの意図した画質になるよう印刷前に画像形成システムの設定値を調整したとしても、印刷が進むにつれて環境等が変わり印刷される画像の画質が変化してしまうことがある。
【0004】
特許文献1には、印刷開始後、画像形成システムの画質調整時期を判断し所定の調整パターンを印刷させ、印刷した調整パターンをスキャナで読み取らせ読み取った調整パターンの画像データに基づき画質調整値を算出するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-277999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の画像形成システムの画質調整方法では、画質調整時期になると、所定の調整パターンを印刷させ、それを読み取った所定の調整パターンの画像データに基づいて画質調整値を算出することで、画質の調整を行う。しかしながら、この方法では、所定の調整パターンの印刷を行うことで、印刷開始後に画像形成システムが所望の画像の印刷に使用できないダウンタイムを発生させてしまう。また所定の調整パターンの画像データに基づいて画質調整値を算出することで、印刷される画像の調整後の画質をユーザーが事前に確認することができない。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、画像形成システムのダウンタイムを発生させず、ユーザーの意図する画質になるよう画質調整を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置であって、印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成手段と、前記第1の生成手段により生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成手段と、画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成手段により生成された画質調整後における画像データとを送信する通信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成システムのダウンタイムを発生させず、ユーザーの意図する画質になるよう画質調整を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】プリントシステムの構成例を示す図である。
図2】管理サーバーのハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバーのソフトウェア構成例を示す図である。
図4】VRヘッドセットのハードウェア構成例を示す図である。
図5】VRヘッドセットのソフトウェア構成例を示す図である。
図6】画像形成システムの構成例を示す図である。
図7】画像形成システムのコントローラの構成例を示す図である。
図8】メインコントローラの構成例を示す図である。
図9】画像形成システムに係る画質調整処理の流れを説明する図である。
図10】画像形成システムの操作パネルの表示例を説明する図である。
図11】VRヘッドセットでの画像比較時の表示例を説明する図である。
図12】VRヘッドセットでの設定値の変更確認時の表示例を説明する図である。
図13】設定値の変更確認処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における情報処理システムを適用したプリントシステムの構成例を示す図である。本実施形態におけるプリントシステムは、画像形成システム101と管理サーバー102とユーザー端末103とが、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク104に対して通信可能に接続される。
【0011】
画像形成システム101は、記録媒体であるシートに画像を形成する機能(印刷機能)を有するシステムであり、例えば画像形成装置を有するプリントオンデマンド(POD)システムである。なお、画像形成システム101は、シートに画像を形成する機能を有するシステムであれば、PODシステムに限定されない。ここで、シートは、画像が印刷される記録媒体であれば用紙に限定されず、用紙及び封筒等の紙、プラスチックフィルム、及び布等を含むものとする。このように、シートは、紙以外のシートを含むシート一般を指す。
【0012】
管理サーバー102は、プリントシステムの管理を行うサーバーである。管理サーバー102は、例えば、画像形成システム101により印刷される画像の画質調整に関する制御を行う。管理サーバー102は、画像形成システム101からの各種情報に基づいて画質調整するための設定値(画質調整値)を生成し画像形成システム101に送信したりする。また、管理サーバー102は、画質調整するための設定値(画質調整値)に基づいて画質調整後の画像データ(画質調整後に印刷される画像イメージ)を作成してユーザー端末103に送信したりする。管理サーバー102は、情報処理装置の一例である。
【0013】
ユーザー端末103は、仮想空間アプリケーションプログラム等を実行する情報処理装置である。ユーザー端末103は、例えば、仮想空間アプリケーションプログラムを実行可能なPC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。VRヘッドセット(VRゴーグル)105は、仮想オブジェクトを含む仮想空間の描画に対応した、例えばヘッドマウントディスプレイのようなハードウェアである。VRヘッドセット105は、Bluetooth(登録商標)や無線LAN等によって実現される通信ネットワーク106を介してユーザー端末103と接続される。ユーザーは、管理サーバー102で作成された画質調整後の画像データに基づいてVRヘッドセット105に表示される画像により画質調整後の画像イメージを確認したり、VRヘッドセット105の入力部等を介して各種の操作入力を行ったりすることができる。ユーザー端末103及びVRヘッドセット105は、端末装置の一例である。
【0014】
図2は、管理サーバー102のハードウェア構成例を示す図である。管理サーバー102は、CPU201、ROM202、RAM203、ネットワーク通信部204、ストレージ205、及びバス206を有する。CPU201、ROM202、RAM203、ネットワーク通信部204、及びストレージ205は、バス206を介して通信可能に接続されている。
【0015】
CPU(Central Processing Unit)201は、管理サーバー102の全体の制御を司る中央演算装置である。CPU201は、例えばバス206を介して接続される各部の動作を制御する。ROM(Read Only Memory)202は、システム起動に必要なブートプログラム等を記憶するための読み出し専用メモリである。RAM(Random Access Memory)203は、CPU201でプログラムを実行する際に必要とされる作業メモリの役割を果たす。
【0016】
ネットワーク通信部204は、インターネット等のネットワークと接続され、各種の通信を行う。ストレージ205は、CPU201で実行するプログラムや各種情報を記憶するための装置である。CPU201が、ROM202やストレージ205等に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することにより、図3に示す管理サーバー102の各構成部が実現される。
【0017】
図3は、管理サーバー102のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバー102は、制御部301、通信部302、演算処理部303、及びデータ保存部304を有する。図3には、管理サーバー102において画像の画質調整に関する制御に係る構成を示しており、管理サーバー102は図3に示す構成以外の他の構成を有してもよい。
【0018】
制御部301は、通信部302を介して取得したデータ等に基づいて、画質調整の設定値(画質調整値)を生成するよう演算処理部303を制御する。また、制御部301は、演算処理部303により生成された設定値(画質調整値)や画像データ等をユーザー端末103や画像形成システム101に送信するよう通信部302を制御する。通信部302は、ユーザー端末103や画像形成システム101(画像形成装置600)との通信を行い、各処理要求や各種データ等の送受信を行う。
【0019】
演算処理部303は、画像形成システム101(画像形成装置600)から送付された印刷開始前(プレ印刷時)の画像データ及び設定値と、印刷開始後の画質調整時期と判断した時点での画像データとに基づいて、画質調整の設定値(画質調整値)を生成する。また、演算処理部303は、生成した画質調整の設定値(画質調整値)に基づいて、画質調整後の画像データ(画質調整後の画像イメージ)を作成する。演算処理部303は、例えば、デジタルツイン技術を用いて、画質調整の設定値(画質調整値)や画質調整後の画像データ(画質調整後の画像イメージ)を生成する。すなわち、演算処理部303は、画像形成システム101に関するデータ等に基づいてデジタル空間(仮想空間)に再現した、現在の画像形成システム101を模した仮想モデルを用いて、設定値や画像データを生成する。演算処理部303は、第1の生成手段及び第2の生成手段の一例である。
【0020】
データ保存部304は、演算のためのプログラムや画像形成システム101(画像形成装置600)から送付されたデータ等を保存する。データ保存部304は、保存手段の一例である。
【0021】
図4は、VRヘッドセット105のハードウェア構成例を示す図である。VRヘッドセット105は、CPU401、GPU402、RAM403、ROM404、ストレージ405、無線通信部406、カメラ407、ディスプレイ408、入力部409、及びバス410を有する。CPU401、GPU402、RAM403、ROM404、ストレージ405、無線通信部406、カメラ407、ディスプレイ408、及び入力部409は、バス410を介して通信可能に接続されている。
【0022】
CPU401は装置全体の制御を行い、例えばバス410を介して接続される各部の動作を制御する。CPU401は、ストレージ405等に格納されているアプリケーションプログラム、OS等を実行し、RAM403にプログラムの実行に必要な情報やファイル等を一時的に格納する制御を行う。GPU(Graphics Processing Unit)402は、例えば、メタバース空間等の仮想空間をリアルタイムに描画するために必要な演算処理を行う。RAM403は、CPU401やGPU402の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM404は、基本I/Oプログラム等の各種データを記憶する。
【0023】
ストレージ405は、大容量メモリとして機能し、アプリケーションプログラム、OS等を格納している。ストレージ405は、例えば、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)やエンベデッド・マルチメディア・カード(eMMC)のようなフラッシュメモリで構成される。無線通信部406は、Bluetoothや無線LAN等の通信ネットワークを介してユーザー端末103と各種の通信を行う。なお、無線通信部406は、インターネット等のネットワークを介して各種の通信を行うようにしてもよい。カメラ407は、VRヘッドセット105において周囲の映像を撮影する。
【0024】
ディスプレイ408は、メタバース空間等の仮想空間や操作に必要な情報等を表示する。ディスプレイ408には図示しない左目用のディスプレイと右目用のディスプレイとを備える。仮想空間の表示については左目用ディスプレイの表示内容が左目で、右目用のディスプレイの表示内容が右目で知覚されユーザーの脳がそれらの表示内容を合成することで、ユーザーは表示内容を立体的に認識することができる。また、ディスプレイ408が備える図示しないハーフミラーに映像を投影し、ユーザーがハーフミラーの先にある仮想スクリーンを見ることによってもユーザーは立体的に認識することができる。また、ディスプレイ408が備える図示しないレーザー照射装置からのレーザーを網膜に投影することによってもユーザーは立体的に認識することができる。入力部409は、例えば、メタバース空間等の仮想空間での操作に用いるマイクや付属のコントローラ、位置や動きを扱う加速度センサ、タッチセンサ、赤外線カメラセンサを含む。
【0025】
図5は、VRヘッドセット105のソフトウェア構成例を示す図である。VRヘッドセット105は、通信部501、記憶部502、カメラ制御部503、表示部504、操作部505、アプリケーション部506、及び画像認識部507を有する。なお、VRヘッドセット105は、図5に示す構成以外の他の構成を有していてもよい。
【0026】
通信部501は、無線通信部406の制御を行い、ネットワークを介してユーザー端末103や管理サーバー102とデータの送受信を行う。また、通信部501は、周辺機器との間でのローカル通信により周辺機器情報を取得したり、周辺機器とのデータの送受信を行ったりする。通信部501は、アプリケーションから無線通信を行う場合にはアプリケーション部506と連携してデータの送受信を行う。
【0027】
記憶部502は、VRヘッドセット105で起動するOS、Webブラウザ、インストールされたアプリケーションのデータ等をROM404へ格納する制御を行う。カメラ制御部503は、カメラ407から取得された画像データを受け付け制御する。表示部504は、ディスプレイ408に対してOSやWebブラウザ、アプリケーションの結果を表示する。表示部504は、例えば、OS操作のためのメニュー等の表示を制御したり、画像形成システム101に関する画質調整において画像データに基づく画像や確認画面等の表示を制御したりする。
【0028】
操作部505は、入力部409を通じたVRヘッドセット105自体の操作やユーザーが行うジェスチャー、付属のコントローラ、マイク等での操作を受け付け制御する。例えば、操作部505は、VRヘッドセット105自体を物理的にダブルタップすることによりWebブラウザを表示することやアプリケーションを閉じる等の操作を受け付けて制御する。また、操作部505は、AR(Augmented Reality)といった技術によって、カメラ制御部503で取得された現実世界の画像に対してメニュー表示を投影し、投影されたメニューをユーザーの手でタップして開く等の操作を受け付け制御する。
【0029】
アプリケーション部506は、VRヘッドセット105のOS上にインストールされたアプリケーションを制御する。また、アプリケーション部506は、アプリケーションで扱うユーザー情報やデータを識別するコード情報等を記憶部502と連携してROM404に格納する。画像認識部507は、カメラ407で撮像した映像に関する認識処理を行う。画像認識部507は、例えば、カメラ407で撮像した映像内の画像形成システム101(画像形成装置600)形状、記載された文字列、QRコード(登録商標)及びバーコード等から画像形成システム101(画像形成装置600)の機体情報の認識を行う。
【0030】
図6は、画像形成システム101の構成例を示す図である。図6には、画像形成装置600と1つ以上の後処理装置とを有する画像形成システム101を一例として示している。図6に示す例では、画像形成装置600の後段に冷却装置610が連結されている。冷却装置610の後段には画像読取装置620が連結されている。画像読取装置620の後段にはフィニッシャ630が連結されている。
【0031】
画像形成装置600は、シートを給紙する給紙装置601と、シートを搬送する搬送装置602と、シートに画像を形成するプリンタ603とを有する。搬送装置602は、搬送路においてシートを搬送する複数の搬送ローラ対605と、搬送路におけるシートの位置及び通過タイミングを検知する複数のシートセンサ606とを有する。複数の搬送ローラ対605のうち、画像形成装置600の排出口に配置されている搬送ローラ対は排出ローラ607と呼ばれてもよい。画像形成装置600は、シートセンサ606により取得されたシートの通過タイミングに基づいてシートのジャムを検知できる。例えば、シートの先端がシートセンサ606に到着すべきタイミングが到来してもシートセンサ606がシートの先端を検知できない場合がある。この場合、画像形成装置600は、そのシートをジャムと判定する。同様に、シートの後端がシートセンサ606を抜けるべきタイミングが到来してもシートセンサ606がシートの後端を検知できない場合がある。この場合、画像形成装置600は、そのシートをジャムと判定する。プリンタ603は、テスト画像又はユーザー画像をシートに形成する。ユーザー画像とは、ユーザーによって用意された画像であり、例えば、イメージスキャナによって読み取られた原稿の画像又はホストコンピューターから送信された画像等である。テスト画像とは、カラーマネジメントのため、複数のテストパッチを含む。なお、テスト画像は、プリンタ603の画像形成条件(転写電圧、帯電電圧、現像電圧、その他)を調整するために利用されるテストパッチを含んでもよい。なお、テスト画像を形成されたシートはテストチャートと呼ばれてもよい。テストチャートの枚数は1枚であってもよいし、2枚以上であってもよい。また、図6に示した例では、電子写真方式のプリンタ603を示しているが、画像形成装置はインクジェット方式等の他の画像形成方式が採用されてもよい。プリンタ603は、感光ドラムを帯電させる帯電器、感光ドラムに対してレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光器、静電潜像をトナーで現像する現像器、トナー画像をシートに転写する転写装置、及びトナー画像をシートに定着させる定着装置を含む。転写装置は中間転写ベルトを含んでもよい。シートの第一面と第二面とに画像を形成するために、搬送装置602は、シートの表裏を反転させる反転機構(反転搬送路)を有してもよい。また、搬送装置602は、シートの画像形成面が鉛直方向(下方向)を向くように反転させてから、シートを排出してもよい(フェースダウン排出)。冷却ファン604は、画像を形成されたシートを冷却する冷却機構である。測色結果は温度依存性を有する。冷却ファン604がシートを冷却することで精度の高い測色結果が得られる。
【0032】
冷却装置610は、画像形成装置600により画像を形成されたシートを冷却する後処理装置である。冷却装置610は、画像形成装置600から排出されてきたシートを冷却する冷却ファン614を有する。冷却装置610は、シートを搬送する複数の搬送ローラ対615及びシートのジャムを検知するための1つ以上のシートセンサ616を有する。冷却装置610は、冷却処理の完了したシートを画像読取装置620へ排出する。
【0033】
画像読取装置620は、シートに形成された画像を測色する機能と、画像を読み取る機能とを有する後処理装置である。画像読取装置620は、画像形成装置600によりシート上に形成された画像を測色する測色センサ623と、シートに形成された画像を読み取る読取ユニット621とを有する。測色センサ623の測色結果はカラーマネジメント用のデバイスプロファイルを作成、補正又は更新するために利用される。読取ユニット621は、シートの第一面に形成された画像を読み取る画像センサ622aと、シートの第二面に形成された画像を読み取る画像センサ622bとを含む。画像センサ622a、622bの読取結果は、例えば、画質調整等の画像形成条件の補正やシートに形成された画像が所定の合格基準を満たしているかどうかを判定するために利用される。
【0034】
画像読取装置620は、前段の後処理装置から搬送されてきたシートを受け入れて搬送する搬送路P1と、搬送路P1に接続された搬送路P2、P3を有する。搬送路P1、P2、P3は、シートを搬送する複数の搬送ローラ対625及びシートのジャムを検知するための1つ以上のシートセンサ626を有する。搬送路P1には読取ユニット621が設けられている。搬送路P1を通過してきたシートは、フラッパF1によって、搬送路P2、P3のどちらかに誘導される。例えば、フラッパF1は、合格基準を満たしたユーザー画像を形成されたシートを搬送路P2に誘導する。フラッパF1は、合格基準を満たさないユーザー画像を形成されたシート、及び、テスト画像を形成されたシートを搬送路P3に誘導する。搬送路P3には測色センサ623が設けられている。搬送路P3の終端にはエスケープトレイと呼ばれることがある排出部629が設けられている。合格基準を満たさないユーザー画像を形成されたシート、及び、テスト画像を形成されたシートは排出部629に排出される。
【0035】
フィニッシャ630は、例えば、複数のシートをソートしたり、ステイプルしたりする後処理装置である。フィニッシャ630は、画像読取装置620から排出されてきたシートに対して所定の後処理(例:ソート、ステイプル、製本、穿孔、その他)を適用して、排紙トレイ639へ排出する1つ以上の後処理機構638を有する。フィニッシャ630は、シートを搬送する複数の搬送ローラ対635及びシートのジャムを検知するための1つ以上のシートセンサ636を有する。
【0036】
図7は、画像形成システム101のコントローラを示している。プリンタコントローラ700は、CPU701、ROM702、RAM703、及びASIC704を有する。CPU701は、ROM702に格納された制御プログラムを実行することで、ASIC704を介して、給紙装置601、搬送装置602、プリンタ603、及び冷却ファン604を制御するプロセッサ回路である。ASICは特定用途集積回路の略称である。ASIC704は、CPU701からの指示に従って給紙装置601、搬送装置602、プリンタ603、及び冷却ファン604を駆動する。CPU701は、メインコントローラ750の制御部751と通信する。制御部751は、操作部752に入力された指示をCPU701に送信したり、ホストコンピューター又はイメージスキャナから入力された印刷ジョブをCPU701に送信したりする。RAM703には、画像データ及び変数等が記憶される。通信インターフェース706は、画像形成システム101が有する後処理装置に搭載されたコントローラと通信する通信回路である。通信インターフェース706は、シリアル信号、及び電源リモート信号を送信するためのパラレル信号ラインに接続されてもよい。シリアル信号は、命令を含む送信信号と、命令に対応する応答を含む受信信号とに分かれていてもよい。電源リモート信号は、後処理装置を起動するための信号である。CPU701は、複数のシートセンサ606の検知結果に基づき、シートのジャムが発生したことと、搬送路のどこでジャムが発生したかを検知する。CPU701は、ジャムが発生すると、基本的には、プリンタ603と搬送装置602を停止させる。CPU701は、ジャム等のエラーを検知すると、エラーが発生したこと、及びエラーの種類を示す情報等を、通信インターフェース706を介して後処理装置に送信してもよい。
【0037】
冷却コントローラ710は、冷却装置610に搭載された制御基板であってもよい。冷却コントローラ710は、CPU711、ROM712、RAM713、及びASIC714を有する。CPU711は、ROM712に格納された制御プログラムを実行することで、ASIC714を介して、搬送ローラ対615及び冷却ファン614等の負荷を制御する。ASIC714は、CPU711からの命令に従って搬送ローラ対615及び冷却ファン614等を駆動する。通信インターフェース716は、プリンタコントローラ700及び他の後処理装置に搭載されたコントローラと通信する通信回路である。通信インターフェース716もパラレル信号ラインに接続されている。通信インターフェース716は、シートセンサ616の検知結果をプリンタコントローラ700に送信する。これにより、プリンタコントローラ700のCPU701は、冷却装置610においてシートのジャムが発生しているかどうかを判定できる。
【0038】
読取コントローラ720は、画像読取装置620に搭載された制御基板であってもよい。読取コントローラ720は、CPU721、ROM722、RAM723、及びASIC724を有する。CPU721は、ROM722に格納された制御プログラムを実行することでASIC724に命令を送信する。ASIC724は、CPU721からの命令に従って負荷(搬送ローラ対625、読取ユニット621、測色センサ623)を駆動する。通信インターフェース726は、プリンタコントローラ700及び他の後処理装置に搭載されたコントローラと通信する通信回路である。通信インターフェース726もパラレル信号ラインに接続されている。通信インターフェース726は、シートセンサ626の検知結果をプリンタコントローラ700に送信する。これにより、プリンタコントローラ700のCPU701は、画像読取装置620においてシートのジャムが発生しているかどうかを判定できる。通信インターフェース726は、読取ユニット621の読取結果と測色センサ623の測色結果をプリンタコントローラ700へ送信する。
【0039】
フィニッシャコントローラ730は、フィニッシャ630に搭載された制御基板である。フィニッシャコントローラ730は、CPU731、ROM732、RAM733、及びASIC734を有する。CPU731は、ROM732に格納された制御プログラムを実行し、ASIC734に命令を送信する。ASIC734は、この命令に従って、搬送ローラ対635及び後処理機構(ソート機構、パンチ機構、ステイプル機構、製本機構、その他)638を駆動する。通信インターフェース736は、プリンタコントローラ700及び他の後処理装置に搭載されたコントローラと通信する通信回路である。通信インターフェース736もパラレル信号ラインに接続されている。CPU231は、通信インターフェース736により、CPU701からの命令を受信したり、CPU701に対して応答を送信したりする。命令には、例えば、後処理の実行命令等が含まれる。応答には、シートセンサ636の検知結果及び後処理機構638の実行結果等が含まれる。
【0040】
図8は、画像形成装置600のメインコントローラ750の構成例を示す図である。メインコントローラ750は、画像形成装置600の動作を制御する制御部751と、ユーザインターフェースである操作パネル802と、原稿を読み取って画像データを生成する読取部803とを有する。また、メインコントローラ750は、画像データに基づき印刷処理を実行する印刷処理部804と、ユーザーの個人認証を行うためのカードを読み取るためのカードリーダ部805と、各種情報を記憶する記憶装置806とを有する。制御部751、操作パネル802、読取部803、印刷処理部804、カードリーダ部805、及び記憶装置806は、バス809を介して相互に通信可能に接続されている。また、メインコントローラ750は、有線ネットワークに接続し、外部装置と通信を行うためのLAN-I/F部807と、無線ネットワークに接続し、外部装置と通信を行うためのWLAN-I/F部808とを有する。
【0041】
制御部751は、CPU751aとメモリ751bとを備えており、各部の動作を制御する。CPU751aは、記憶装置806に記憶されているプログラムを読み出して実行する。このプログラムは、制御部751を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。メモリ751bは、CPU751aがプログラムを実行することに伴う一時的なデータ等を記憶する。操作パネル802は、ユーザーによる操作指示を入力する構成を備えている。すなわち、操作パネル802は、例えば、液晶パネル等で構成され各種情報を表示する表示部802aと、その表示部802aに対する操作を検知することでユーザーによる操作指示を入力する操作入力部802bとを有する。
【0042】
図9は、本実施形態におけるプリントシステムでの画像形成システム101(画像形成装置600)に係る画質調整処理の流れを説明するシーケンス図である。
【0043】
S901において、画像形成装置600は、ユーザー操作に従ってプレ印刷を実施する。このプレ印刷は、画像形成装置600での画質に関する設定値等を決定するための印刷処理である。画像形成装置600から印刷される画像の画質がユーザーの意図した画質になるよう印刷開始前にプレ印刷を繰り返し行い、画像形成装置600における設定値が決定される。
【0044】
S902において、画像形成装置600の制御部751は、ユーザー操作により画像形成装置600と管理サーバー102とをリンクさせる指示を受けると、画像形成装置600と管理サーバー102とのデータ通信に関するリンク設定を行う。リンク指示は、例えば、画像形成装置600が操作パネル802に図10(a)に示すような操作画面を表示し、リンクを指示するボタン(アイコン)1001をユーザーが押下、タッチ等して選択することによって指示される。
【0045】
S903において、画像形成装置600の制御部751は、ユーザー操作により初期設定値を送信する指示を受けると、画質に関する初期設定値としてプレ印刷での最終的な画質に関する設定値のデータを管理サーバー102へ送信する。また、画像形成装置600は、初期設定値とした設定値でのプレ印刷において印刷された画像を画像読取装置620の読取ユニット621で読み取って得られた画像データを管理サーバー102へ送信する。つまり、S903において、画像形成装置600の制御部751は、印刷開始前のプレ印刷での最終的な画質に関する設定値と、その設定値で印刷された画像の画像データとを管理サーバー102へ送信する。初期設定値の送信指示は、例えば、画像形成装置600が操作パネル802に図10(b)に示すような操作画面を表示し、OKボタン(アイコン)1011をユーザーが押下、タッチ等して選択することによって指示される。なお、例えばキャンセルボタン(アイコン)1012が選択された場合には処理は実施されない。
【0046】
S904において、管理サーバー102は、S903にて画像形成装置600から送信されたデータ(設定値及び画像データ)をストレージ205内に保存する。
S905において、画像形成装置600は、ユーザー操作に従って印刷を開始する。
【0047】
印刷開始後のS906において、画像形成装置600の制御部751は、画像形成システム101が画質調整時期であるか否かを判定する。画像形成装置600の制御部751は、画像形成装置600から印刷された画像(印刷物)を画像読取装置620の読取ユニット621で読み取って得られた画像データに基づいて画質調整時期であるか否かを判定する。なお、印刷開始や画質調整を行ってから一定間隔経過後や、トナー・印刷紙等の環境が変わるタイミングなどを画質調整時期とするようにしてもよい。
【0048】
画質調整時期であると判定すると、S907において、画像形成装置600の制御部751は、画質調整時期と判断した時点の印刷された画像を読取ユニット621で読み取って得られた画像データを管理サーバー102へ送信する。
【0049】
S908において、管理サーバー102の制御部301は、S907で取得した画像形成装置600からの画像データがS903で取得した画像形成装置600からの画像データとなるような設定値(画質調整値)を生成するよう演算処理部303へ指示する。また、制御部301は、生成した画質調整の設定値(画質調整値)に基づいて画質調整後の画像データ(画質調整後の画像イメージ)を作成するよう演算処理部303へ指示する。指示を受けた演算処理部303は、S903にて画像形成装置600から送信された画質に関する設定値及び画像データとS907にて画像形成装置600から送信された画像データとに基づいて演算を行い、画質調整の設定値(画質調整値)を生成する。また、演算処理部303は、生成した画質調整の設定値(画質調整値)に基づいて演算を行い、画質調整後の画像データを作成する。演算処理部303は、デジタル空間(仮想空間)に再現した、現在の画像形成システム101を模した仮想モデルを用いて、S903で取得した画像データとなるような画質調整の設定値(画質調整値)及び画質調整後の画像データを生成する。
【0050】
S909において、管理サーバー102の制御部301は、S908にて演算によって得られた画質調整後の画像データ(画質調整後の画像イメージ)とS903にて画像形成装置600から送信された画像データとをユーザー端末103に送信する。つまり、制御部301は、生成された画質調整の設定値(画質調整値)に基づいて作成された画質調整後における画像データと、印刷開始前に印刷した画像の画像データとをユーザー端末103に送信する。
【0051】
S910において、ユーザー端末103は、S909で管理サーバー102から送信された画像データをVRヘッドセット105内のアプリケーション部506に送付し、表示部504に図11に一例を示すように画像データを表示させる。図11は、VRヘッドセット105での画像比較時の表示例を説明する図である。図11に示す例では、1つの画面に、S903にて画像形成装置600から送信された画像データ1101が基画像として表示され、S909で管理サーバー102から送信された画像データ1102が調整後画像として表示されている。また、画像データ1101、1102とともに、ユーザーが画像データを確認した際に操作される確認アイコン1103が表示されている。
【0052】
S911において、表示部504に表示された画像データの確認がユーザーによって行われる。ユーザーは表示部504に表示された画像データ1101、1102を確認し、確認し終えたら表示部504に表示された確認アイコン1103を押し、画像確認を行う。
【0053】
S912において、VRヘッドセット105のアプリケーション部506は、ユーザー操作により確認アイコン1103が押されたことを確認したら、表示部504に図12に一例を示すような画面を表示し、設定値を変更するかの確認をユーザーに促す。図12は、VRヘッドセット105での設定値の変更確認時の表示例を説明する図であり、演算によって生成された画質調整の設定値(画質調整値)に変更するか否かの確認を行う。図12に示す例では、設定変更確認画面1201において、生成された画質調整の設定値(画質調整値)に変更するOKアイコン1202及び設定値を変更しないキャンセルアイコン1203が表示されている。この設定変更確認画面1201にて、変更する(OKアイコン1202)が選択された場合にはS913の処理が実行される。一方、変更しない(キャンセルアイコン1203)が選択された場合には、後述する図13に示すフローチャートの処理が実行される。
【0054】
S913において、VRヘッドセット105のアプリケーション部506は、ユーザー操作により表示部504に表示された設定値変更するOKアイコン1202が押されたことを受けて、ユーザー端末103に設定値(画質調整値)を変更することを通知する。
S914において、ユーザー端末103は、VRヘッドセット105からの通知を受けて、画像形成システム101における画質に関する設定値を生成された画質調整の設定値(画質調整値)に変更することを管理サーバー102の制御部301に通知する。
【0055】
S915において、管理サーバー102の制御部301は、ユーザー端末103からの通知を受けて、演算処理部303で生成された画質調整の設定値(画質調整値)を画像形成装置600の制御部751に送信する。
S916において、画像形成装置600の制御部751は、S915にて管理サーバー102から送信された画質調整の設定値(画質調整値)をCPU701、711、721、731に対して送信し、設定値を変更する。
印刷が終了されるまで、S916の処理後はS906に戻って前述した処理を繰り返す。
【0056】
図13は、図9に示した画質調整処理のS912での設定値の変更確認処理を説明するフローチャートである。図13に示すフローチャートの処理は、図9でのS911の処理の終了後に開始される。
【0057】
S1301において、VRヘッドセット105のアプリケーション部506は、画質調整の設定値(画質調整値)の変更を実施するか否かを判定する。画質調整の設定値(画質調整値)の変更を実施するとアプリケーション部506が判定した場合(YES)、図13に示すフローチャートの処理を終了し、図9に示したS913の処理が実行される。一方、画質調整の設定値(画質調整値)の変更を実施しないとアプリケーション部506が判定した場合(NO)、S1302の処理が実行される。S1302以降の処理により、ユーザーからの要求等に応じた画質調整の設定値(画質調整値)の修正が行われる。
【0058】
S1302において、VRヘッドセット105のアプリケーション部506は、ユーザーによる操作部505等を介した、修正内容(修正したい部分、濃淡、サイズ等)の入力を受け付ける。
S1303において、VRヘッドセット105のアプリケーション部506は、S1302にて入力された修正内容を、ユーザー端末103を介して管理サーバー102に送信する。
【0059】
S1304において、管理サーバー102の制御部301は、S1302にて入力された修正内容が反映されるよう演算処理部303にて画質調整の設定値(画質調整値)を生成する演算を実行させる。また、制御部301は、演算によって生成した画質調整の設定値(画質調整値)での画質調整後の画像データ(画質調整後の画像イメージ)を演算処理部303にて作成させる。
S1305において、管理サーバー102の制御部301は、S1304にて作成された画質調整後の画像データを、ユーザー端末103を介してVRヘッドセット105に送信する。
【0060】
S1306において、VRヘッドセット105のアプリケーション部506は、図9のS903にて送信された画像データとS1305にて送信された画像データとを表示部504に表示する。アプリケーション部506は、例えば、図11に示した例と同様にして、表示部504に画像データを表示させる。
S1307において、表示部504に表示された画像データの確認がユーザーによって行われる。ユーザーは表示部504に表示された画像データを確認し、確認し終えたら表示部504に表示された確認アイコンを押し、画像確認を行う。その後、S1301に戻り、前述したS1301以降の処理が実行される。
【0061】
本実施形態によれば、画像形成システム101の画質調整時期になると、管理サーバー102が、デジタル空間(仮想空間)に再現した画像形成システム101の仮想モデルを用いて、画質調整の設定値(画質調整値)及びその設定値での画像データを生成する。詳細には、管理サーバー102は、画質調整時期であると判断した時点の印刷された画像の画像データに基づいて、印刷開始時の画質となるような画質調整の設定値(画質調整値)を生成する。したがって、画像形成システム101のダウンタイムを発生させず、画像形成システム101の画質調整を行うことが可能となる。
【0062】
また、管理サーバー102は、生成した画質調整の設定値(画質調整値)に基づいて、画質調整後の画像データ(画質調整後の画像イメージ)を生成してユーザーに対して提供する。これにより、ユーザーは、表示された画像データを確認することで、画質調整後の画質を事前に確認することができる。したがって、ユーザーの意図する画質になるよう画像形成システム101の画質調整を行うことが可能となる。
【0063】
このように、管理サーバーとユーザー端末にて画質調整の設定値(画質調整値)の生成や画質調整後の画像データの確認作業を行うことで、画像形成システム101のダウンタイムを発生させず、ユーザーの意図する画質になるよう画質調整を行うことができる。
【0064】
(本発明の他の実施形態)
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0065】
なお、前述の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明は、その技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0066】
本実施形態の開示は、以下の構成及び方法等を含む。
(構成1)
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置であって、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成手段と、
前記第1の生成手段により生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成手段と、
画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成手段により生成された画質調整後における画像データとを送信する通信手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
(構成2)
前記第1の生成手段及び前記第2の生成手段は、仮想空間に再現した前記画像形成システムの仮想モデルを用いて、前記画質調整の設定値及び前記画質調整後における画像データを生成することを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
(構成3)
前記印刷開始前に印刷した画像の画像データ及び該画像を印刷したときの設定値を保存する保存手段を有し、
前記第1の生成手段は、前記保存手段に保存された画像データ及び設定値と、前記印刷開始後に印刷した画像の画像データとに基づいて、前記画質調整の設定値を生成することを特徴とする構成1又は2に記載の情報処理装置。
(構成4)
前記第1の生成手段は、印刷される画像の画質が前記印刷開始前に印刷した画像の画質となる前記画質調整の設定値を生成することを特徴とする構成1~3の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成5)
前記端末装置からの通知に応じて、生成された前記画質調整の設定値を前記画像形成システムに設定させる設定手段を有することを特徴とする構成1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成6)
前記第1の生成手段は、前記端末装置からの要求に応じて、前記画質調整の設定値を修正することを特徴とする構成1~5の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成7)
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置と、
画像データの表示を行う端末装置とを有し、
前記情報処理装置は、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成手段と、
前記第1の生成手段により生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成手段と、
予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成手段により生成された画質調整後における画像データとを前記端末装置に対して送信する通信手段とを有し、
前記端末装置は、前記情報処理装置から送信された前記印刷開始前に印刷した画像の画像データと前記画質調整後における画像データとを1つの画面に表示することを特徴とする情報処理システム。
(方法1)
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成工程と、
前記第1の生成工程にて生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成工程と、
画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成工程にて生成された画質調整後における画像データとを送信する通信工程とを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
(プログラム1)
印刷した画像を読み取る読取手段を有する画像形成システムと通信可能な情報処理装置のコンピュータに、
印刷開始後に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データに基づいて、前記画像形成システムに関する画質調整の設定値を生成する第1の生成ステップと、
前記第1の生成ステップにて生成された前記画質調整の設定値に基づいて、画質調整後における画像データを生成する第2の生成ステップと、
画像データの表示を行う端末装置に対して、予め保存した前記印刷開始前に印刷した画像を前記読取手段で読み取った画像データと、前記第2の生成ステップにて生成された画質調整後における画像データとを送信する通信ステップとを実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0067】
101:画像形成システム 102:管理サーバー 103:ユーザー端末 104:ネットワーク 105:VRヘッドセット 201:CPU 202:ROM 203:RAM 204:ネットワーク通信部 205:ストレージ 301:制御部 302:通信部 303:演算処理部 304:データ保存部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13