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特開2024-176024情報処理装置及びオブジェクトの表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176024
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及びオブジェクトの表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0485 20220101AFI20241212BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20241212BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241212BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241212BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241212BHJP
   G09G 5/34 20060101ALI20241212BHJP
   G09G 5/22 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G06F3/0485
G06F3/0488
H04N1/00 350
H04N1/00 E
B41J29/42 F
G09G5/00 550C
G09G5/34 Z
G09G5/22 680Z
G09G5/00 510P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094214
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】児玉 直樹
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC05
5C062AC34
5C062AF02
5C062AF06
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA12
5C182BA65
5C182BA66
5C182BA72
5C182CB13
5C182CC11
5C182CC14
5C182CC15
5C182CC16
5C182CC17
5C182FA61
5C182FA68
5E555AA04
5E555AA25
5E555BA09
5E555BA12
5E555BA27
5E555BB09
5E555BB12
5E555BB27
5E555BC08
5E555BC17
5E555BE12
5E555CA12
5E555CB16
5E555CB42
5E555CB55
5E555CC26
5E555DB16
5E555DB41
5E555DC02
5E555DC19
5E555DC53
5E555DC54
5E555DC55
5E555DD06
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】タッチパネルディスプレイで表示されたオブジェクトに対する操作性が優れた情報処理装置等を提供する。
【解決手段】複数のオブジェクトを表示領域内にリスト表示し、前記複数のオブジェクトのうち操作対象として選択された操作対象オブジェクトに対する操作を検知する表示部と、検知した操作に基づき前記操作対象オブジェクトの表示を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記操作対象オブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、前記操作対象オブジェクトをスクロール表示対象オブジェクトとし、前記操作対象オブジェクトのスクロール表示に伴い、前記操作対象オブジェクトと共に表示されている他のオブジェクトをスクロール表示する情報処理装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトを表示領域内にリスト表示し、前記複数のオブジェクトのうち操作対象として選択された操作対象オブジェクトに対する操作を検知する表示部と、
検知した操作に基づき前記操作対象オブジェクトの表示を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記操作対象オブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、前記操作対象オブジェクトをスクロール表示対象オブジェクトとし、前記操作対象オブジェクトのスクロール表示に伴い、前記操作対象オブジェクトと共に表示されている他のオブジェクトをスクロール表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示部は、
前記複数のオブジェクトが文字列を表示する文字列オブジェクトである場合、前記文字列オブジェクトを前記表示領域内にリスト表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記文字列オブジェクトが前記スクロール表示対象オブジェクトである場合に、リスト表示した前記文字列オブジェクトの前記文字列をスクロール表示することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記文字列の文字数が、前記表示部が一度にリスト表示可能な文字数を超えるとき、前記文字列オブジェクトが前記スクロール表示対象オブジェクトであるとすることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記スクロール表示対象オブジェクトについて、前記表示部が一度にリスト表示不可な非表示文字列をスワイプ方向に応じてスクロール表示することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記スクロール表示対象オブジェクトについて、前記非表示文字列の表示が完了した時点でスクロール表示を終了することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記操作対象オブジェクトと共にスクロール表示する前記他のオブジェクトの選択を受付け、前記操作対象オブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、選択を受付けた前記他のオブジェクトの前記文字列をスクロール表示することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示部は、
前記複数のオブジェクトが画像を表示する画像オブジェクトである場合、前記操作対象オブジェクト内の画像に対するスワイプ操作を検知したことに伴って、前記操作対象オブジェクトと共に表示されている前記他のオブジェクト内の画像をスクロール表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数のオブジェクトを表示領域内にリスト表示し、前記複数のオブジェクトの中から操作対象として選択された操作対象オブジェクトに対する操作を検知し、
前記操作対象オブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、前記操作対象オブジェクトをスクロール表示対象オブジェクトとし、前記操作対象オブジェクトのスクロール表示に伴い、前記操作対象オブジェクトと共に表示されている他のオブジェクトをスクロール表示することを特徴とするオブジェクトの表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の情報処理装置には、タッチパネルディスプレイを備えるものがある。ユーザは、画面を介して操作対象のオブジェクトと接触し、例えば、スワイプやピンチアウト等の操作を行うことで、操作対象のオブジェクトに対するスクロール表示や拡大表示等を行うことができる。
【0003】
タッチパネルディスプレイの画面サイズには、装置設計や装置価格等の理由により制約が設けられる場合がある。画面サイズに制約がある場合、例えば、複数の項目が一覧として並ぶリスト表示画面では、項目を構成する文字列がリスト表示画面の画面サイズよりも長い場合、文字列が見切れてしまい、末尾に係る文字列を確認できない場合があった。
【0004】
このような状況を鑑みて、例えば、特許文献1には、リスト表示された複数の項目のうち、タッチされた項目内の文字列をスクロール表示する情報処理装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-125035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、タッチパネルディスプレイで表示されたオブジェクトに対する操作性が優れた情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る情報処理装置は、複数のオブジェクトを表示領域内にリスト表示し、前記複数のオブジェクトのうち操作対象として選択された操作対象オブジェクトに対する操作を検知する表示部と、検知した操作に基づき前記操作対象オブジェクトの表示を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記操作対象オブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、前記操作対象オブジェクトをスクロール表示対象オブジェクトとし、前記操作対象オブジェクトのスクロール表示に伴い、前記操作対象オブジェクトと共に表示されている他のオブジェクトをスクロール表示することを特徴としている。
【0008】
また、本開示に係るオブジェクトの表示方法は、複数のオブジェクトを表示領域内にリスト表示し、前記複数のオブジェクトの中から操作対象として選択された操作対象オブジェクトに対する操作を検知し、前記操作対象オブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、前記操作対象オブジェクトをスクロール表示対象オブジェクトとし、前記操作対象オブジェクトのスクロール表示に伴い、前記操作対象オブジェクトと共に表示されている他のオブジェクトをスクロール表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、タッチパネルディスプレイで表示されたオブジェクトに対する操作性が優れた情報処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る複合機の全体構成を説明する図である。
図2】第1実施形態に係る複合機の機能構成を説明する図である。
図3】第1実施形態に係る処理の流れ説明する図である。
図4】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図5】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図6】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図7】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図8】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図9】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図10】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
図11】第3実施形態に係る動作例を説明する図である。
図12】第3実施形態に係る動作例を説明する図である。
図13】第3実施形態に係る動作例を説明する図である。
図14】従来技術を説明する図である。
図15】従来技術を説明する図である。
図16】従来技術を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的内容は、以下の記載に限定されるものではない。
【0012】
タッチパネルディスプレイの画面サイズに制約がある場合、複数の項目が並べて表示される一覧表示画面(以下、リスト表示画面)では、項目を構成する文字列がリスト表示画面の画面サイズよりも長い場合、文字列が途切れてしまい、末尾に係る文字列を確認できない場合があった。
【0013】
例えば、図14で例示するアドレス帳には、“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”、“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”、“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”、及び“AAA社BBB事業所YYY様”の4名のアドレス(名前)が登録されており、当該アドレス帳を各人のアドレス毎にタッチパネルディスプレイにリスト表示する場合について考えてみる。
【0014】
ここで、タッチパネルディスプレイの1行当たりの表示可能な文字数が日本語全角で15文字であると仮定すると、“AAA社BBB事業所YYY様”以外の各アドレスは、一度のリスト表示で表示することができない文字列が含まれることになる(図14中点線枠)。すなわち、図15で示すように、“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”、“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”、及び“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”の“AAA社BBB事業所CCC部D”以降の右端側の文字列は非表示となる(以降、非表示文字列と称することがある)。
【0015】
とりわけ、“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”、“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”、及び“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”のアドレスは、“AAA社BBB事業所CCC部D”の文字列までは同一の文字列である。したがって、非表示文字列が表示されないと、これらのアドレスを識別することができない。
【0016】
例えば、図15で例示するリスト表示画面が、各人のアドレスに対するスワイプ操作により、スワイプ方向への文字列のスクロール表示が可能な構成である場合、各人のアドレスについての非表示文字列を表示させることができる。
【0017】
例えば、図16(a)は、リスト表示の最上段のアドレス“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”に係る“AAA社BBB事業所CCC部D”を図中矢印方向(左方向)にスワイプすることで、文字列をスクロール表示し、非表示文字列を表示したリスト表示画面の例示である。
【0018】
しかしながら、このような構成では、リスト表示の三段目のアドレス“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”のアドレスを識別するためには、少なくとも、1件目の“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”(図16(a))から順に、“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”(図16(b))、“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”(図16(c))に係る各アドレスをスワイプし、文字列をスクロール表示させなければならず、手間が掛かり必ずしも操作性が良いものではなかった。
【0019】
本開示では、タッチパネルディスプレイで表示されたオブジェクトに対する操作性が優れた情報処理装置を以下の実施形態で実現する。
【0020】
[1 第1実施形態]
第1実施形態は、操作対象のオブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、操作対象のオブジェクトのスクロール表示に伴い、操作対象のオブジェクトと共に表示されている他のオブジェクトをスクロール表示する形態である。ここで、オブジェクトとは、画面上における操作や処理の対象物であって、文字、数字、記号等からなる文字列や、サムネイルやアイコン等の画像である。第1実施形態では、当該オブジェクトが文字列から構成された文字列オブジェクトであり、当該文字列オブジェクトを画面上にリスト表示する場合の形態について説明する。
【0021】
[1.1 機能構成]
第1実施形態に係る情報処理装置としての複合機10の機能構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、複合機10の全体構成を概略的に説明する外観斜視図である。図2は、複合機10の機能構成図である。複合機10は、プリント、コピー、ファクス、イメージ送信等の各ジョブを一つの筐体で実現可能な画像形成装置でもある。なお、以降の説明では、情報処理装置の一形態として複合機10の例について説明するが、本開示に係る情報処理装置は、複合機10以外の、プリンタ、コピー機、ファクス装置等の特定の機能に特化した画像形成装置であってもかまわない。
【0022】
複合機10は、制御部11と、表示部13と、入力部15と、通信部17と、画像処理部19と、画像入力部21と、記憶部23とを備える。
【0023】
制御部11は、複合機10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit))等により構成される。制御部11は、記憶部23に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。
【0024】
表示部13は、オブジェクトを画面に表示し、画面上のオブジェクトに対するユーザの操作の検知が可能なタッチパネルディスプレイ等の表示装置で構成することができる。タッチパネルの入力方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった一般的な方式を採用することができる。
【0025】
表示部13は、ユーザの指やペン等による画面への操作(例えば、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、スワイプ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、マルチタップ)を検知することができる。例えば、ユーザの操作が画面上のオブジェクトに対しての操作等である場合、表示部13は、当該操作内容に基づく検知信号を出力することができる。また、表示部13は、オブジェクト以外の情報(例えば、装置状態に関する情報や、ユーザに対する通知情報、表示画面を構成する画面情報)を表示することができる。表示部13は、操作、処理の対象となるオブジェクトとオブジェクト以外の情報とを組み合わせて画面上に表示することにより、複合機10のUI(User Interface)として機能する。
【0026】
入力部15は、ユーザ等による情報の入力を受付ける入力装置である。入力部15は、例えば、テンキーや、スタートボタン等の各種入力装置により構成することができる。
【0027】
通信部17は、例えば、LAN(Local Area network)、WAN(Wide Area Network)、インタ―ネット、電話回線等を介して他の装置と通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。なお、通信部17は、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Irda、ワイヤレスUSB等の(近距離)無線通信技術に関するインタフェースを備えてもよい。
【0028】
画像処理部19は、画像データに基づく画像を用紙等に形成する画像形成部を含む。画像形成部は、給紙トレイ25から用紙を給紙し、用紙上に画像データに基づく画像を形成した後、排紙部27に排紙する。画像形成部は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。この場合、画像形成部は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した不図示のトナーカートリッジから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。なお、画像処理部19は、画像入力部21から入力された画像データに対して、例えば、シェーディング補正や、濃度補正等を施して、メール添付用や外部出力用の出力用画像データを生成する形態を含めてもよい。
【0029】
画像入力部21は、原稿を走査することにより、画像データを生成する。画像入力部21は、例えば、CCD(Charge coupled device)、CID(Contact image sensor)等のイメージセンサを備え、自動原稿送り装置(ADF:Automatic document feeder)や、原稿を載置して読取るためのフラットベット等を有するスキャナ装置として構成することができる。画像入力部21は、原稿画像からの反射光像をイメージセンサで読取ることで画像データを生成することが可能な構成であれば、その構成に特に制限はない。なお、画像入力部21は、例えば、USB(Universal serial bus)メモリ等の可搬性記憶媒体に記憶された画像データや、不図示の外部端末装置等から送信された画像データを取得可能なインタフェースとして構成することも可能である。
【0030】
記憶部23は、複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部23は、例えば、RAM(Random access memory)、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、ROM(Read only memory)等の記憶装置により構成することができる。
【0031】
第1実施形態において、記憶部23は、制御プログラム231と、表示制御プログラム233とを記憶し、オブジェクト記憶領域235を確保する。
【0032】
制御プログラム231は、複合機10を統括的に制御する際に制御部11が読み出すプログラムである。制御プログラム231を読み出した制御部11は、表示部13、入力部15、通信部17、画像処理部19、画像入力部21等の駆動を制御する。
【0033】
表示制御プログラム233は、表示部13での表示を制御する際に制御部11が読み出すプログラムである。表示制御プログラム233は、操作判定プログラム2331と、表示対象特定プログラム2333と、オブジェクト表示制御プログラム2335とを含む。
【0034】
操作判定プログラム2331は、ユーザの指やペン等を介した画面への操作を判定する際に制御部11が読み出すプログラムである。操作判定プログラム2331を読み出した制御部11は、表示部13から出力された、座標情報や、画面に対する接触状態等の検知信号を解析することにより、表示部13上で行われた操作を判定する。例えば、制御部11は、ユーザが操作を所望するオブジェクトに対するタップ操作や、操作対象のオブジェクトに対するスワイプ操作を検知することができる。
【0035】
表示対象特定プログラム2333は、表示部13で表示するオブジェクトについて、スクロール表示の対象とするオブジェクトを特定する際に制御部11が読み出すプログラムである。表示対象特定プログラム2333を読み出した制御部11は、操作対象のオブジェクトに対するスワイプ操作の検知に伴い、スクロール表示の際に追従してスクロール表示する他のオブジェクト(スクロール表示対象のオブジェクト)を特定する。例えば、表示部13で表示するオブジェクトが文字列オブジェクトであり、当該文字列オブジェクトの表示形態がリスト表示領域内でのリスト表示である場合、制御部11は、各リスト当たりに一度に表示が可能な文字数と、当該リストに表示されている文字列オブジェクトの文字列の文字数とを比較する。制御部11は、リスト表示されているオブジェクトの文字数が、各リスト当たりに一度に表示が可能な文字数を超える場合、当該オブジェクトをスクロール表示対象のオブジェクトであると判定する。
【0036】
オブジェクト表示制御プログラム2335は、オブジェクトを構成する文字列又は画像に対する表示制御を行う際に制御部11が読み出すプログラムである。オブジェクト表示制御プログラム2335を読み出した制御部11は、例えば、オブジェクトを構成する文字列又は画像に対するスクロール表示の開始、停止、表示スピード、スクロール方向、表示文字種(フォント、サイズ、色等)等の表示制御を行う。また、制御部11は、操作対象のオブジェクトに対してスワイプ操作が行われたと判定した場合、当該オブジェクトの文字列又は画像をスクロール表示する。このとき、制御部11は、操作対象のオブジェクトと共に表示部13に表示されているスクロール表示対象のオブジェクトの文字列又は画像のスクロール表示を行う。
【0037】
オブジェクト記憶領域235は、表示部13で表示することが可能なオブジェクトを記憶する記憶領域である。
【0038】
[1.2 処理の流れ]
次に、第1実施形態に係る処理の流れについて図3のフローチャートを用いて説明する。複合機10の制御部11は、制御プログラム231、表示制御プログラム233等を読み出すことにより図3のフローチャートで説明する処理を実行する。
【0039】
制御部11は、ユーザから図14等で例示したアドレス帳等の文字列オブジェクトの表示指示を受付けたか否かを判定する(ステップS100)。
【0040】
制御部11は、文字列オブジェクトの表示指示を受付けたと判定した場合、表示部13のリスト表示領域内に当該文字列オブジェクトをリスト表示する(ステップS100;Yes→ステップS110)。一方、文字列オブジェクトの表示指示を受付けていないと判定した場合、制御部11は文字列オブジェクトの表示指示を受付けるまで待機する(ステップS100;No)。
【0041】
制御部11は、表示した文字列オブジェクトのスクロール表示フラグを初期化する(ステップS120)。なお、スクロール表示フラグは、画面動作としてのスクロール表示を適用する文字列オブジェクトに対して付されるフラグである。ここでは、画面動作としてのスクロール表示が適用される文字列オブジェクトに対するフラグの値を“1”、スクロール表示が適用されない文字列オブジェクトに対するフラグの値を“0”として説明する。
【0042】
次いで、制御部11はリスト表示された文字列オブジェクトの中で操作対象とする文字列オブジェクトの選択を受付けたか否かを判定する(ステップS130)。この場合、制御部11は、文字列オブジェクトに対するタップ操作等を検知することで、操作対象の文字列オブジェクトの選択を受付けることができる。操作対象の文字列オブジェクトの選択を受付けたと判定した場合、制御部11は、選択された操作対象の文字列オブジェクトに係るスクロール表示フラグの値を“1”に設定する(ステップS130;Yes→ステップS140)。一方、操作対象の文字列オブジェクトの選択を受付けていないと判定した場合、制御部11は、当該選択を受付けるまで待機する(ステップS130;No)。
【0043】
そして、制御部11は、操作対象の文字列オブジェクトと共に表示部13に表示されている文字列オブジェクトにおいて、スクロール表示対象の文字列オブジェクトがあるか否かを判定する(ステップS150)。スクロール表示対象の文字列オブジェクトがあると判定した場合、制御部11は当該文字列オブジェクトに対するスクロール表示フラグの値を“1”に設定する(ステップS150;Yes→ステップS160)。一方、スクロール表示対象の文字列オブジェクトがないと判定した場合、制御部11はステップS160に係る処理を省略し、ステップS170に処理を移行する(ステップS150;No→ステップS170)。
【0044】
次いで、制御部11は、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ操作を検知したか否かを判定する(ステップS170)。操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ操作を検知したと判定した場合、制御部11は、操作対象の文字列オブジェクトの文字列をスクロール表示する。また、制御部11は、スクロール表示フラグの値が“1”に設定されている文字列オブジェクトの文字列を操作対象の文字列オブジェクトのスクロール表示に追従してスクロール表示する(ステップS180)。
【0045】
制御部11は、スクロール表示によって、非表示文字列の表示が完了した文字列オブジェクトが有るか否かを判定する(ステップS190)。非表示文字列の表示が完了した文字列オブジェクトが有ると判定した場合、制御部11は、当該文字列オブジェクトに係るスクロール表示フラグの値を“0”に設定する(ステップS190;Yes→ステップS200)。そして、制御部11は、当該文字列オブジェクトのスクロール表示を停止する。一方、非表示文字列の表示が完了した文字列オブジェクトが無いと判定した場合、制御部11はスクロール表示を継続する(ステップS190;No→ステップS180)。
【0046】
制御部11は、スクロール表示対象の文字列オブジェクトに係る全ての非表示文字列の表示が完了したか否かを判定する(ステップS210)。全ての非表示文字列の表示が完了したと判定した場合、制御部11はスクロール表示に係る処理を終了する(ステップS210;Yes→ステップS220)。一方、全ての非表示文字列の表示が完了していないと判定した場合、制御部11はスクロール表示を継続する(ステップS210;No→ステップS180)。
【0047】
[1.3 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。図4(a)は、第1実施形態に係るリスト表示画面W10Aの表示構成例を説明する図である。リスト表示画面W10Aは、図14で例示したアドレス帳をリスト表示したリスト表示画面W10Aの表示構成例であり、図15で例示したリスト表示画面と同一画面である。
【0048】
ここで、リスト表示画面W10Aは、リスト表示領域R10(図中太線枠)と、OKボタンB10とを含む。リスト表示領域R10は、図14で例示したアドレス帳に含まれる各アドレスを文字列オブジェクトとして表示する領域である。なお、表示文字の後方に記号「..」を付すことで当該オブジェクトが非表示文字列を含むことを表している。OKボタンB10は、例えば、各文字列オブジェクトの選択指示の確定等を受付けるボタンである。例えば、各アドレスに対応する文字列オブジェクトの何れかが選択され、OKボタンB10が選択されると、制御部11は選択された文字列アドレスを送信先とするメール送信やファクス送信を実行するためのジョブ設定画面に画面遷移することができる。
【0049】
ここで、図4(a)に係るリスト表示画面W10Aは、操作対象の文字列オブジェクトを図中点線枠で表し、スクロール表示対象の文字列オブジェクトとして選択された文字列オブジェクトを図中鎖線枠で表している。また、操作対象のオブジェクトに対するスワイプ方向を白抜き矢印で表している。
【0050】
図4(a)のリスト表示画面W10Aで表した状態から、操作対象のオブジェクトに対して白抜き矢印方向にスワイプ操作した場合の状態を表したのが図4(b)である。図4(b)では、操作対象のオブジェクトに対するスワイプ操作によって、操作対象の文字列オブジェクトの文字列は、スワイプ方向と同方向に図中左方向へスクロール表示され、非表示文字列が全て表示される(“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”)。操作対象の文字列オブジェクトに対するスクロール表示に伴い、図4(a)の鎖線枠で表した2つのスクロール表示対象の文字列オブジェクト“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”及び“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”の文字列も併せて図中矢印方向にスクロール表示される(図中一点鎖線枠)。このとき、スクロール表示対象の文字列オブジェクトについては、図3のステップS200に係る処理に基づき、全ての非表示文字列が表示された時点でスクロール表示を停止してもよいし、文字列オブジェクトを構成する全ての文字列の表示が終了するまで図中右方向から左方向へのスクロール表示を継続してもよい。また、図中左方向へのスクロール表示に伴い文字列オブジェクトを構成する左側の文字列が見切れて非表示となった場合は、図中右方向へのスクロール表示により見切れた文字列の再表示も可能である。なお、スクロール表示対象ではない文字列オブジェクト“AAA社BBB事業所YYY様”に関しては、全ての文字列が表示されているため、当該文字列オブジェクトはスクロール表示されない。
【0051】
ところで、スワイプ操作に伴う文字列のスクロール表示は、図4での例示のような図中左右方向だけではなく、図中上下方向に適用してもよい。
【0052】
例えば、図5は、図14と同一内容のアドレス帳であるが、““AAA社BBB事業所CCC部DDD様”、“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”、“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”、及び“AAA社BBB事業所YYY様”のアドレスの一部が図中右端側で折り返されたアドレス帳の例示である。
【0053】
図4のリスト表示画面W10Aと同様に、リスト表示領域R10の各リストが文字列1行分の表示領域しか有さない場合、図5で例示したアドレス帳は、図6で例示するリスト表示画面W10Cのように2行目の文字列が非表示となる。
【0054】
ここで、図7(a)に係るリスト表示画面W10Dは、操作対象の文字列オブジェクトを図中点線枠で表し、スクロール表示対象の文字列オブジェクトとして選択された文字列オブジェクトを図中鎖線枠で表している。また、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ方向を白抜き矢印で表している。
【0055】
図7(a)のリスト表示画面W10Dで表した状態から、操作対象の文字列オブジェクトに対して白抜き矢印方向にスワイプ操作した場合の状態を表したのが図7(b)である。図7(b)では、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ操作によって、操作対象の文字列オブジェクトの文字列は、スワイプ方向と同方向に図中上方向にスクロール表示され、非表示文字列が全て表示される(“CCC部DDD様”)。操作対象の文字列オブジェクトに対するスクロール表示に伴い、図7(a)の鎖線枠で表した3つのスクロール表示対象の文字列オブジェクト“AAA社BBB事業所”、“AAA社BBB事業所”、及び“AAA社BBB事業所”の文字列も併せて図中矢印方向(図中矢印方向)にスクロール表示され、文字列“CCC部DEE様”、“CCC部DFFFF様”、及び“YYY様”が表示される(図中一点鎖線枠)。
【0056】
さらに、スワイプ操作に伴うスクロール表示は、左右方向へのスクロール表示により端まで達した時点で、上下方向にも文字列が見切れていた(非表示)場合、上下方向へのスクロール表示に切り替えることも可能である。
【0057】
例えば、図8は、“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”、“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”、“AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”、及び“AAA社BBB事業所YYY様”のアドレスについて複数行に亘る項目が登録されたアドレス帳の例示である。
【0058】
図4のリスト表示画面W10Aと同様に、リスト表示領域R10の各リストが文字列1行分の表示領域しか有さない場合、図8で例示したアドレス帳は、図9(a)で例示するリスト表示画面W10Fのように文字列の右端が見切れ、2行目の文字列が非表示となる。
【0059】
ここで、図9(a)に係るリスト表示画面W10Fは、操作対象の文字列オブジェクトを図中点線枠で表し、スクロール表示対象の文字列オブジェクトとして選択されたオブジェクトを図中鎖線枠で表している。また、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ方向を白抜き矢印で表している。
【0060】
図9(a)のリスト表示画面W10Fで表した状態から、操作対象の文字列オブジェクトに対して白抜き矢印方向にスワイプ操作した場合の状態を表したのが図9(b)である。図9(b)では、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ操作によって、操作対象の文字列オブジェクトの文字列は、スワイプ方向と同方向に図中左方向にスクロール表示され、文字列“..B事業所CCC部DDD様”が表示される。操作対象の文字列オブジェクトに対するスクロール表示に伴い、図9(a)の鎖線枠で表した3つのスクロール表示対象のオブジェクト“AAA社BBB事業所CCC部D..”、“AAA社BBB事業所CCC部D..”、及び“AAA社BBB事業所YYY様”の文字列も併せて図中矢印方向(図中矢印方向)にスクロール表示され、“..B事業所CCC部DEE様”、“..B事業所CCC部DFFFF様”、及び“..B事業所YYY様”の文字列が表示される(図中一点鎖線枠)。図9(b)で表す右端まで文字列が表示された状態から、更に図中上方向(図中白抜き矢印方向)へスワイプ操作し、全てのオブジェクトの文字列が図中上方向(図中矢印方向)へスクロール表示された状態を表したのが図9(c)である。図9(c)で表す状態では、全てのオブジェクトに係る2行目の文字列(図中太点線枠)が表示される。
【0061】
以上の様に、第1実施形態によれば、操作対象のオブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、操作対象のオブジェクト(文字列)のスクロール表示に伴い、操作対象のオブジェクトと共に表示されている他のオブジェクト(文字列)を追従してスクロール表示する形態であるため、オブジェクトに非表示文字列が含まれる場合、当該非表示文字列を表示させるための労力を低減することができ、タッチパネルディスプレイで表示されたオブジェクトに対する操作性を高めることができる。
【0062】
[2 第2実施形態]
第1実施形態では、スクロール表示対象のオブジェクトを、各リスト当たりに一度に表示が可能な文字数と、当該リストに表示されている文字列オブジェクトの文字列の文字数とを比較することで自動的に選択する形態であった。第2実施形態は、ユーザによりスクロール表示対象のオブジェクトとして選択された文字列オブジェクトに対してスクロール表示を行う形態である。
【0063】
第2実施形態に係る複合機10の機能構成及び処理の流れについては、第1実施形態と同様に実施することができるため、ここでの説明は省略する。
【0064】
[2.1 動作例]
第2実施形態に係る動作例について説明する。図10(a)は、第2実施形態に係るリスト表示画面W10Iの表示構成例を説明する図である。リスト表示画面W10Iは、図4(a)で例示したリスト表示画面W10Aと同一構成とすることができるが、スクロール表示対象の文字列オブジェクトの選択方法が第1実施形態とは異なる。
【0065】
ここで、図10(a)に係るリスト表示画面W10Iは、操作対象の文字列オブジェクトを図中点線枠で表し、スクロール表示対象のオブジェクトとしてユーザにより選択された文字列オブジェクトを図中鎖線枠で表している。また、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ方向を白抜き矢印で表している。
【0066】
図10(a)のリスト表示画面W10Iで表した状態から、操作対象の文字列オブジェクトに対して白抜き矢印方向にスワイプ操作した場合の状態を表したのが図10(b)である。図10(b)では、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ操作によって、操作対象の文字列オブジェクトの文字列は、スワイプ方向と同方向に図中左方向へスクロール表示され、非表示文字列が全て表示される(“AAA社BBB事業所CCC部DDD様”)。操作対象の文字列オブジェクトに対するスクロール表示に伴い、図10(a)の鎖線枠で表した1つのスクロール表示対象の文字列オブジェクト“AAA社BBB事業所CCC部DEE様”の文字列も併せて図中矢印方向にスクロール表示される(図中一点鎖線枠)。このとき、文字列オブジェクト “AAA社BBB事業所CCC部DFFFF様”及びオブジェクト“AAA社BBB事業所YYY様”に関しては、スクロール表示対象の文字列オブジェクトとして選択されていないため、当該オブジェクトの文字列はスクロール表示されない。
【0067】
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ユーザにより選択された1つのスクロール表示対象の文字列オブジェクトは、操作対象の文字列オブジェクトに対するスワイプ操作に伴い、スクロール表示に追従してスクロール表示するものであった。しかしながら、第2実施形態では、操作対象の文字列オブジェクト又はスクロール表示対象の文字列オブジェクトとしてユーザにより選択された複数のオブジェクトに対するスワイプ操作に応じて、当該文字列オブジェクトの文字列のスクロール表示を行う形態であっても構わない。この場合、ユーザは、スクロール表示に係る文字列オブジェクトの選択を纏めて(一回で)行うことができるため、オブジェクト選択に係る操作性を高めることができる。
【0068】
以上の様に、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、操作対象の文字列オブジェクトに対するスクロール表示に追従させてスクロール表示させる文字列オブジェクトをユーザが選択することが可能であるため、文字列オブジェクトの選択に係る自由度を高めることができる。
【0069】
ところで、第1実施形態又は第2実施形態では、文字列オブジェクトを画面上にリスト表示し、操作対象の文字列オブジェクトの文字列のスクロール表示に追従して、スクロール表示対象のオブジェクトの文字列をスクロール表示することにより、複数オブジェクトのスクロール表示制御が可能であった。このような本開示に係る複数オブジェクトのスクロール表示制御と、従来技術に係る単数(単項目)オブジェクトのスクロール表示制御とは、例えば、システム設定や、ユーザ別のカスタマイズ設定に応じて適宜切り替えることができる。例えば、リスト表示の対象となる文字列オブジェクトが少ない場合や、非表示文字列を含む文字列オブジェクトが少ない場合は、単数(単項目)オブジェクトのスクロール制御を採用し、リスト表示の対象となる文字列オブジェクトが多い場合や、非表示文字列を含む文字列オブジェクトが多い場合、複数オブジェクトのスクロール表示制御を採用することができる。
【0070】
リスト表示の対象となる文字列オブジェクトの数や、文字列オブジェクトを構成する文字数、リスト表示画面で一度に表示可能な文字数に対する文字列オブジェクトの文字数の割合(非表示文字の割合)等を考慮し、適用するスクロール表示制御を予めシステム設定や、ユーザ別のカスタマイズ設定を介して設定しておくことで、ユーザは、文字列オブジェクトの数や文字数、非表示文字の割合等を考慮せずとも、最適なオブジェクトの表示制御を行うことができる。文字列オブジェクトの数を考慮した表示制御を設定する場合、例えば、リスト表示の項目としての文字列オブジェクトの数が3件といった特定の数以下である場合は、単数(単項目)オブジェクトのスクロール表示制御を採用し、文字列オブジェクトの数が3件を超える場合は、複数オブジェクトのスクロール表示制御を採用するといった運用が可能である。また、別の形態として、リスト表示が可能な項目(文字列オブジェクト)が画面内に表示できる場合は単数(単項目)オブジェクトのスクロール表示制御を採用し、全ての項目(文字列オブジェクト)を画面内に表示できない場合は、複数オブジェクトのスクロール表示制御を採用する運用も可能である。
【0071】
また、本開示に係る複数オブジェクトのスクロール表示制御と、従来技術に係る単数(単項目)オブジェクトのスクロール表示制御とは、ユーザ操作により切替えてもよい。例えば、操作対象の文字列オブジェクトに対するロングタップやダブルタップを検知した場合は、複数オブジェクトのスクロール表示制御を行い、操作対象の文字列オブジェクトに対する事前操作を検知しない場合は、単数(単項目)オブジェクトに対するスクロール表示制御を行う。この場合、複数オブジェクトのスクロール表示制御と単数(単項目)オブジェクトのスクロール表示制御とをユーザ操作に基づき容易に切替えることが可能であるため、操作性の高い文字列オブジェクトのスクロール表示制御を提供することができる。
【0072】
[3 第3実施形態]
第3実施形態は、オブジェクトがサムネイル画像である場合の形態である。
【0073】
[3.1 機能構成]
第3実施形態に係る複合機の機能構成は、第1実施形態に係る複合機10と同様の構成とすることができる。なお、第3実施形態の場合、表示対象特定プログラム2333は、操作対象のオブジェクトとして選択された画像オブジェクトと同一か又は類似するファイル形式の画像オブジェクトがリスト表示領域内に表示されている場合に、当該画像ファイルをスクロール表示対象のオブジェクトとして判定すればよい。
【0074】
第3実施形態に係る処理の流れは、第1実施形態に係る図3のステップS190を“画像の内容を確認したオブジェクト有り?”、ステップS210を“全てのオブジェクトの確認完了?”と変更する以外は、図3のフローチャートと同様に実施することができるため、ここでの説明は省略する。
【0075】
[3.2 動作例]
第3実施形態に係る動作例について説明する。第3実施形態では、例えば、図11で例示するジョブJ10(a)、ジョブJ12(b)、ジョブJ14(c)の3つのホールドプリントジョブが記憶部23に記憶されているものとして説明する。ホールドプリントとは、複合機10内に保存されているプリントデータをプリントする処理のことである。
【0076】
図12は、記憶されたホールドプリントジョブに基づくファイル選択画面W20の表示構成例を説明する図である。ファイル選択画面W20は、リスト表示領域R20と、OKボタンB12とを含む。
【0077】
リスト表示領域R20は、ジョブJ10に基づく画像オブジェクトとしてのサムネイル画像SG10、ジョブJ12に基づく画像オブジェクトとしてのサムネイル画像SG12、及びジョブJ14に基づく画像オブジェクトとしてのサムネイル画像SG14を表示する表示領域である。OKボタンB12は、例えば、各画像オブジェクトの選択指示の確定等を受付けるボタンである。例えば、サムネイル画像SG10、サムネイル画像SG12、又はサムネイル画像SG14の何れかのサムネイル画像が選択され、OKボタンB12が選択されると、制御部11は選択されたサムネイル画像に基づくプリントジョブを実行するためのジョブ設定画面に画面遷移することができる。
【0078】
ファイル選択画面W20のリスト表示領域R20に表示されたサムネイル画像について、画像の右端に配置された日付やページ数の文字を確認するために、ピンチアウト操作等により画像の拡大表示が行われることがある。例えば、図12において、操作対象の画像オブジェクトとしてサムネイル画像に対して図中白抜き矢印方向にピンチアウト操作が行われ、サムネイル画像の拡大表示を行ったとする。
【0079】
図13(a)は、ピンチアウト操作によるサムネイル画像の拡大表示後の状態を説明する図である。図13(a)での例示のように、サムネイル画像が拡大されると、画像右上部分の日付が非表示となり見切れてしまう。ここで、例えば、操作対象の画像オブジェクトとしてサムネイル画像SG10を図中白抜き矢印方向へスワイプ操作する。サムネイル画像SG10に対するスワイプ操作により内部の画像がスクロール表示され、画面右上部分の日付を確認することができる。そして、図13(b)に示すように、サムネイル画像SG10のスクロール表示に追従して他のサムネイル画像(サムネイル画像SG12及びサムネイル画像SG14)内の画像も併せて図中矢印方向にスクロール表示され、他のサムネイル画像に係る日付を併せて確認することができる。
【0080】
以上の様に、第3実施形態によれば、操作対象のオブジェクトに対するスワイプ操作を検知した場合、操作対象のオブジェクト(画像)のスクロール表示に伴い、操作対象のオブジェクトと共に表示されている他のオブジェクト(画像)を追従してスクロール表示する形態であるため、例えば、拡大処理等により内容が確認できなくなった画像部分を表示させるための労力を低減することができ、タッチパネルディスプレイで表示されたオブジェクトに対する操作性を高めることができる。
【0081】
本開示は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0082】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0083】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0084】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標)Disc等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0085】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0086】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、又は諸特徴は、電気回路、例えば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装、実行することも可能である。本明細書で述べた機能を実現するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトロンジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又はこれらを組み合わせたものを含んでもよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本開示の一以上の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0087】
10 複合機
11 制御部
13 表示部
15 入力部
17 通信部
19 画像処理部
21 画像入力部
23 記憶部
231 制御プログラム
233 表示制御プログラム
2331 操作判定プログラム
2333 表示対象特定プログラム
2335 オブジェクト表示制御プログラム
235 オブジェクト記憶領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16