(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176038
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】信号処理装置、信号処理方法
(51)【国際特許分類】
G06V 10/82 20220101AFI20241212BHJP
H04N 25/10 20230101ALI20241212BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241212BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
G06V10/82
H04N25/10
G06T7/00 350C
H04N23/60 500
H04N23/60 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094237
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 凌平
【テーマコード(参考)】
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
5C122FF15
5C122FH01
5C122FH11
5C122FH14
5C122HA86
5C122HB01
5C122HB06
5L096AA02
5L096GA40
5L096HA11
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】
【課題】AIモデルを用いた画像解析処理についての処理精度向上を図る。
【解決手段】本技術に係る信号処理装置は、異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行うAI処理部を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の前記撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行うAI処理部を備えた
信号処理装置。
【請求項2】
前記画素アレイ部により得られる撮像画像についてデモザイク処理を行うデモザイク処理部と、
撮像対象シーンについてのシーン判定結果に基づき、前記AI処理部の入力データが、前記デモザイク処理部によるデモザイク処理後の画像であるデモザイク後画像と前記非デモザイク画像との間で切り替えられるように制御する制御部を備えた
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記デモザイク後画像が前記入力データとされる場合には前記AIモデルとして前記デモザイク後画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられ、前記非デモザイク画像が前記入力データとされる場合には前記AIモデルとして前記非デモザイク画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられるように制御する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記撮像対象シーンの判定は、暗シーンであるか否かの判定であり、
前記制御部は、
暗シーンと判定された場合に前記入力データとして前記非デモザイク画像を入力させる
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記デモザイク処理部を含み、前記撮像画像を対象とした画像信号処理を行う画像信号処理部を備え、
前記制御部は、
前記シーン判定結果に基づき、前記画像信号処理部の信号処理パラメータを変化させる
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記AIモデルは、CNNとしてのニューラルネットワークを有するAIモデルとされ、
各前記画素ユニットから、画素ユニット内位置が同じ画素ごとに画素値を収集して同一画像平面上のそれぞれ異なる領域に並べて形成される画像である色分離画像を生成する画像編成部を備え、
前記AI処理部は、前記色分離画像を入力データとして前記画像解析処理を行う
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記AI処理部は、シェーディング補正後の前記非デモザイク画像を入力データとして前記画像解析処理を行う
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項8】
前記非デモザイク画像を蓄積する蓄積部を備えた
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項9】
前記蓄積部に蓄積された前記非デモザイク画像を装置外部に送信する処理を行う送信処理部を備えた
請求項8に記載の信号処理装置。
【請求項10】
前記画素アレイ部を備えたセンサ装置として構成された
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項11】
異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の前記撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行う
信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、AIモデルを用いた画像解析処理を行う信号処理装置とその方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、CNN(Convolutional Neural Network)等のニューラルネットワークを有するAI(Artificial Intelligence:人工知能)モデルを用いて、撮像画像を対象とした物体検出処理や物体認識処理等の画像解析処理を行う技術が普及している。
かかる画像解析処理では、AIモデルの入力データとして、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3chの画像を用いることが一般的とされる(例えば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、人が画像を鑑賞する用途では、R、G、Bの3chの画像を用いることでフルカラー表現が可能となり望ましいが、AIモデルの性能面で考えると、R、G、Bの3chの画像を入力データとして用いることが最善であるとは限らない。
【0005】
本技術は上記事情に鑑み為されたものであり、AIモデルを用いた画像解析処理についての処理精度向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る信号処理装置は、異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の前記撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行うAI処理部を備えたものである。
デモザイク処理は空間的な補間処理を伴うものであるため、本来の画素値からの乖離が生じる傾向となり、AIモデルによる画像解析処理の入力データとしてデモザイク後の画像を用いた場合には、上記の画素値の乖離に起因して処理精度が低下する場合がある。上記のように非デモザイク画像を画像解析処理の入力データとすることで、そのようなデモザイク処理に起因した処理精度低下の防止を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第一実施形態としての信号処理装置を備えたカメラ装置の概略構成例を示したブロック図である。
【
図2】第一実施形態としての信号処理装置が備える画像信号処理部の内部構成例を説明するための図である。
【
図3】AI処理部の入力データの種類を変化させた場合の画像解析処理精度の変化特性について実験を行った結果を示した図である。
【
図4】実施形態における色分離画像の説明図である。
【
図5】デモザイク後画像を用いた場合に生じる解析処理精度低下の要因について考察するための図である。
【
図6】第一実施形態としての解析処理手法を実現するための具体的な処理手順例を示したフローチャートである。
【
図7】第二実施形態としてのカメラ装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図8】変形例としての解析処理手法を実現するための具体的な処理手順例を示したフローチャートである。
【
図9】AI処理部がセンサ装置外に設けられた構成例についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照し、本技術に係る信号処理装置の実施形態を次の順序で説明する。
<1.第一実施形態>
[1-1.カメラ装置の構成例]
[1-2.第一実施形態としての解析処理手法]
[1-3.処理手順]
<2.第二実施形態>
<3.変形例>
<4.実施形態のまとめ>
<5.本技術>
【0009】
<1.第一実施形態>
[1-1.カメラ装置の構成例]
図1は、本技術に係る第一実施形態としての信号処理装置を備えたカメラ装置10の概略構成例を示したブロック図である。
図示のようにカメラ装置10は、センサ部1と共に、光学系11、通信I/F(インタフェース)12、カメラ制御部13、センサ外メモリ部14、及び通信部15を備えている。
【0010】
カメラ装置10において、第一実施形態としての信号処理装置は、センサ部1が該当する。
センサ部1は、例えばCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等のイメージセンサとして構成される。
センサ部1は、撮像機能のみでなく、撮像画像についての画像解析処理として、AI(Artificial Intelligence:人工知能)モデルを用いた画像解析処理を行うことが可能に構成されている。
また、センサ部1は、受光素子を有する画素として、異なる波長帯の光を受光する複数の画素が形成されており、カラー画像としての撮像画像を得ることが可能に構成されている。
【0011】
カメラ装置10において、光学系11は、カバーレンズ、フォーカスレンズ等のレンズや絞り(アイリス)機構を備える。この光学系11により、被写体からの光(入射光)が導かれ、センサ部1の受光面に集光される。
【0012】
通信インタフェース(I/F)12は、センサ部1とカメラ制御部13との間でデータ通信を行うための通信インタフェースである。
【0013】
カメラ制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM( Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータを備えて構成され、CPUがROMに記憶されているプログラム、又はRAMにロードされたプログラムに従って各種の処理を実行することで、カメラ装置10の全体制御を行う。
カメラ制御部13は、通信インタフェース12を介して、センサ部1からの各種のデータの受信、及びセンサ部1に対する各種データの送信を行うことができる。
【0014】
カメラ制御部13には、センサ外メモリ部14が接続されている。センサ外メモリ部14は、例えばSSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリ装置等の不揮発性の記憶デバイスで構成され、カメラ制御部13が各種制御に用いる情報の記憶に用いられる。また、センサ外メモリ部14は、センサ部1による撮像画像データ等、センサ部1において得られた各種データの記憶に用いることもできる。
本実施形態のカメラ装置10では、センサ外メモリ部14には第一AIモデル設定データP1、及び第二AIモデル設定データP2が記憶されるが、これらについては後に改めて説明する。
【0015】
また、カメラ制御部13には、通信部15が接続されている。
通信部15は、外部装置との間で有線又は無線によるデータ通信を行うことが可能に構成されている。通信部15としては、ネットワーク通信機能を有するように構成することもでき、その場合、カメラ制御部13は、通信部15を介して、例えばインターネット等の所定のネットワーク上における所定装置(例えば、サーバ装置)との間でデータのやりとりを行うことが可能とされる。
【0016】
センサ部1は、図示のように画素アレイ部2、画像信号処理部3、前処理部4、AI処理部5、センサ内制御部6、センサ内メモリ部7、出力データ生成部8、及び通信インタフェース(I/F)9を有している。
【0017】
画素アレイ部2は、例えばフォトダイオード等の受光素子(光電変換素子)を有する画素が、水平方向及び垂直方向の二次元に複数配列されている。
具体的に、画素アレイ部2は、異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットPu(後述する
図4Aを参照)を有し、この画素ユニットPuが二次元に複数配列されて構成されている。
【0018】
本実施形態において、画素ユニットPuは、R(赤色)光を受光するR画素、G(緑色)光を受光するG画素、及びB(青色)光を受光するB画素の三種の画素が所定の配列パターンにより配列されて成る。具体的に、本例における画素ユニットPuは、R画素、G画素、及びB画素がベイヤー(bayer)配列されて成る。
【0019】
画素アレイ部2には、各画素の値(受光値)を読み出す読み出し回路や、アナログ信号としての画素値をデジタルサンプリングするためのADC(Analog to Digital Converter)等、デジタルデータとしての画像データを得るための構成も含まれる。
【0020】
画像信号処理部(ISP:Imaging Signal Processor)3は、画素アレイ部2により得られた画像データ(撮像画像データ)を入力し、各種の画像信号処理を施す。
なお、画像信号処理部3の内部構成については後に改めて説明する。
【0021】
前処理部4は、画像信号処理部3による画像信号処理後の画像データを入力し、AI処理部5による画像解析処理にとっての前処理としての画像信号処理を施す。具体的に、本例における前処理部4は、少なくとも画像のリサイズ処理を行うことが可能に構成されている。
【0022】
AI処理部5は、前処理部4より出力される画像データを入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行う。
AI処理部5は、例えばDSP(Digital Signal Processor)により構成され、処理パラメータの切り替えによって、画像解析処理に用いるAIモデルの切り替えが可能とされている。
本例のAI処理部5は、例えばCNN(Convolutional Neural Network)等のニューラルネットワークを有するAIモデルを用いた画像解析処理を行うことが可能に構成されている。
【0023】
ここで、一例として、本例におけるカメラ装置10は、スーパーマーケットやデパート等の商業施設に配置されて、顧客としての人を対象被写体とした画像解析処理を行うものとする。具体的には、人を対象被写体とした物体検出処理を行うものであるとする。
この場合において、AI処理部5におけるAIモデルとしては、人を対象被写体とした物体検出処理を行うように機械学習されたAIモデルを用いる。ここで、物体検出処理は、いわゆるバウンディングボックスとしての、対象被写体が存在する領域を特定する処理を含むものである。
【0024】
センサ内制御部6は、例えばCPU、ROM、及びRAM等を有して構成されたマイクロコンピュータを備えて構成され、センサ部1の動作を統括的に制御する。
例えば、センサ内制御部6は、画素アレイ部2の動作制御を行う。具体的には、動作の開始/停止の制御等を行う。
また、センサ内制御部6は、画像信号処理部3、前処理部4、及びAI処理部5の動作制御も行う。画像信号処理部3、前処理部4の動作制御については、センサ内制御部6は、各種処理の処理パラメータの制御を行うことが可能とされる。
また、AI処理部5の制御として、センサ内制御部6は、AIモデルの切り替え制御を行うことが可能とされる。
【0025】
センサ内制御部6には、センサ内メモリ部7が接続されている。センサ内メモリ部7は、例えばフラッシュメモリ装置等の不揮発性の記憶デバイスで構成され、センサ内制御部6が各種制御に用いる情報の記憶に用いられる。
【0026】
出力データ生成部8は、AI処理部5による解析処理結果と、画像信号処理部3より出力される画像データとを入力し、センサ部1の外部に出力する出力データを生成する。出力データ生成部8は、センサ内制御部6の指示に基づき出力データを生成する。例えば、AI処理部5による解析処理結果と画像データの双方を出力データとするか、或いは、AI処理部5による解析処理結果のみを出力データとするかの切り替えをセンサ内制御部6の指示に基づき行うことが考えられる。
【0027】
通信インタフェース9は、センサ部1内からセンサ部1外へのデータ出力、及びセンサ部1外からセンサ部1内へのデータ入力を可能とするための通信インタフェースであり、前述した通信インタフェース12との間で、所定の通信データフォーマットに従ったデータ通信を行う。
この通信インタフェース9を介して、上述した出力データをセンサ部1の外部(本例ではカメラ制御部13)に対して出力することができる。
また、センサ内制御部6は、通信インタフェース9を介して、カメラ制御部13との間でデータ通信を行うことが可能とされている。
【0028】
図2は、画像信号処理部3の内部構成例を説明するための図である。
なお、
図2では、画像信号処理部3の内部構成例と共に、
図1に示した前処理部4、AI処理部5、及びセンサ内制御部6を併せて示している。
【0029】
画像信号処理部3には、
図1に示した画素アレイ部2より、RAWデータとしての画像データが入力される。ここで言うRAWデータとは、各画素の値をラスタ順で読み出して得られる画像データ、つまり本例ではベイヤー配列による画素配列を維持した状態の画像データを意味するものである。
【0030】
図示のように画像信号処理部3は、黒レベル補正部31、ゲイン調整部33、デモザイク処理部34、色補正部35、ガンマ補正部36、及びデワープ処理部37を有しており、画素アレイ部2より入力されるRAWデータとしての画像データに対し、シェーディング補正処理、ゲイン調整処理、デモザイク処理、色補正処理、ガンマ補正処理、及びデワープ処理を順に施すことが可能とされている。
【0031】
ここで、ゲイン調整部33によるゲイン調整処理としては、画素の色を問わずに画像全体の輝度分布を調整するための全体ゲイン調整と、色ごとのゲイン調整処理であるAWB(Auto White Balance)処理とを含む。
【0032】
また、デモザイク処理部34によるデモザイク処理は、ベイヤー配列状態の入力画像データからR、G、Bの色ごとに空間的な補間処理を行うことによって入力画像データと同画素数によるR画像、G画像、B画像としての各画像データを生成する処理である。
【0033】
色補正部35においては、デモザイク処理後の画像データについてリニアマトリクス処理による色補正処理を行う。
また、デワープ処理部37においては、デワープ処理として、少なくともレンズ歪み補正処理を行う。
【0034】
ここで、本実施形態における画像信号処理部3は、画像編成部38、及びセレクタ39も備えているが、これらについては後に改めて説明する。
【0035】
[1-2.第一実施形態としての解析処理手法]
前述もしたように、人が画像を鑑賞する用途では、R、G、Bの3chの画像を用いることはフルカラー表現が可能となり望ましいものとなるが、AIモデルを用いた画像解析処理にとって、入力データとしてR、G、Bの3chの画像を用いることは、解析処理精度の面で必ずしも最善であるとは言えない。
【0036】
この点に鑑み、本実施形態では、AI処理部5の入力データとして、デモザイク処理されていない状態の撮像画像である非デモザイク画像を用いるという手法を提案する。
デモザイク処理は空間的な補間処理を伴うものであるため、本来の画素値からの乖離が生じる傾向となり、AIモデルによる画像解析処理の入力データとしてデモザイク後の画像を用いた場合には、上記の画素値の乖離に起因して、画像解析処理の精度が低下する場合がある。
これに対し、上記のように非デモザイク画像をAI処理部5の入力データとすることで、そのようなデモザイク処理に起因した処理精度低下の防止を図ることが可能となり、AIモデルを用いた画像解析処理についての処理精度向上を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態では、撮像対象シーンについてのシーン判定結果に基づき、AI処理部5の入力データが、デモザイク処理部34によるデモザイク処理後の画像であるデモザイク後画像と非デモザイク画像との間で切り替えられるようにする。
【0038】
ここで、本実施形態のようにセンサ装置内でAIモデルを用いた画像解析処理を行う場合は、画像解析処理に割くことのできるリソース(メモリ量や演算能力)が不足する傾向となる。
例えば、物体検出処理等、AIモデルを用いた画像解析処理は、実用上、カメラで捉えられるシーンに或る程度の変化が生じても精度維持が図られるようにすることが要請される。例えば、昼夜等の明/暗シーンや、人等の解析対象の被写体が比較的遠くに存在しているシーンや近くに存在しているシーン等、カメラで捉えられるシーンは経時的に変化し得るものであるが、そのようなシーンの変化に対しても解析処理精度が一定以上に維持されることが望ましい。
【0039】
シーン変化に対する精度維持を図るためには、AIモデルの学習として、対応したい各シーンの撮像画像を学習用入力データに用いた機械学習を行って、シーンの差を吸収可能なAIモデルを作成することが考えられる。
【0040】
しかしながら、このようにシーンの差を吸収可能とするためには、AIモデルとして比較的多くのフィルタ係数、ネットワーク階層数を要するものとなり、AIモデル実現に要するリソースが増大してしまう。
このため、シーンの変化をAIモデルにおいて吸収するという手法は、画像解析処理の実行主体が比較的リソースの豊富なコンピュータ装置、具体的には、カメラ装置10外部のコンピュータ装置で行う場合には適用可能であるが、画像解析処理をリソースが限られるカメラ装置10内で行う場合、特には、センサ装置(センサ部1)内で行う場合には適用が困難となる。
【0041】
このため、本実施形態では、上記のようにシーン判定結果に基づいてAI処理部5の入力データをデモザイク後画像と非デモザイク画像との間で切り替えるという手法を採る。
【0042】
図3は、AI処理部5の入力データの種類を変化させた場合の画像解析処理精度の変化特性について実験を行った結果を示している。
具体的に、
図3の実験結果は、AIモデルを用いた画像解析処理として人の体を対象被写体とした物体検出処理を行った場合の結果を示すものであり、暗シーンと明シーンの各シーンごとに、
図2の<1>から<6>で示す各取り出し位置の画像データを入力データとして用いた場合の画像解析処理精度の評価値の測定結果を示している。
ここでの評価値は、人の体を対象被写体とした物体検出処理を複数回行った場合における、90%以上の人を正確に検出できた割合を求めたものである。
【0043】
ここで、暗シーンとは、対象被写体が暗く写るシーンを意味するものであり、例えば、対象被写体の輝度値が一定値以下となるシーンと定義することができるものである。明シーンは、逆に対象被写体が明るく写るシーンを意味するものであり、例えば、対象被写体の輝度値が上記の一定値を超えるシーンと定義することができる。
【0044】
図2を参照して分かるように、<1>の取り出し位置は、画像信号処理部3への入力直前の位置であり、<2>の取り出し位置は、シェーディング補正部32とゲイン調整部33との間の位置である。また、<3>の取り出し位置は、ゲイン調整部33とデモザイク処理部34との間の位置である。
これら<1>から<3>の取り出し位置は、共にデモザイク前の位置となるが、実験では、これら<1>から<3>の取り出し位置の画像データとしては、AIモデルとしてCNNを有するAIモデルを用いることに対応して、以下で説明する色分離画像としての画像データを用いるものとしている。
【0045】
図4は、実施形態における色分離画像の説明図である。
図4Aは、画素アレイ部2における画素配列(本例ではベイヤー配列)を示している。図示のように本例では、画素ユニットPuは、R、G、G、Bの四つの画素がベイヤーフォーマットに従った所定の配列パターンで配列されて成る。
【0046】
ここで言う色分離画像とは、各画素ユニットPuから、画素ユニット内位置が同じ画素ごとに画素値を収集して同一画像平面上のそれぞれ異なる領域に並べて形成される画像を意味する。
図4Bは、ベイヤー配列の場合に生成される色分離画像を例示している。図示のようにベイヤー配列の場合には、各画素ユニットPuにおけるR画素、G画素、G画素、B画素について、画素ユニット内位置が同じ画素の画素値同士を収集して同一画像平面上のそれぞれ異なる領域に並べることで、各画素ユニットPuにおけるR画素の画素値が配列された画像領域と、各画素ユニットPuにおける一方のG画素の画素値が配列された画像領域と、各画素ユニットPuにおける他方のG画素の画素値が配列された画像領域と、各画素ユニットPuにおけるB画素の画素値が配列された画像領域とを有する色分離画像を生成する。
【0047】
上記のような色分離画像をAI処理部5の入力データとして用いることで、AI処理部に対する入力データの形式が、CNNの構成に適した入力データ形式となり、画像解析処理の精度向上を図ることができる。
【0048】
説明を
図3に戻す。
<4>から<6>の取り出し位置は、デモザイク後の取り出し位置であり、<4>はデモザイク処理部34と色補正部35との間の位置、<5>は色補正部35とガンマ補正部36との間の位置、<6>はガンマ補正部36とデワープ処理部37との間の位置である。
【0049】
図3の結果によると、明シーンにおいては、入力データを<1>から<6>の何れのデータ種類とした場合であっても評価値は90%以上となっている。この点より、明シーンの場合には、物体検出処理の精度がデータ種類の違いに依存しない傾向となることが分かる。
【0050】
一方、暗シーンの場合には、<4>の取り出し位置以降において、評価値の顕著な低下が確認できる。すなわち、デモザイク後画像を入力データとした場合に、処理精度の顕著な低下が生じるものである。
実験によると、<1>から<3>のデモザイク前のデータ種類とした場合、評価値は60%以上を維持しているのに対し、デモザイク後の<4><5>のデータ種類では評価値が60%を大きく下回るものとなっている。<6>のデータ種類、すなわちガンマ補正後のデモザイク後画像を用いる場合には、評価値の若干の上昇は確認できるが、60%には満たないものとなっている。
暗シーンでは、<2>のデータ種類、すなわちシェーディング補正後且つゲイン調整前の画像を用いる場合が最も評価値が高く、評価値=75%程度となる結果が得られている。
【0051】
上記の実験結果のように、デモザイク後画像を用いた場合に画像解析処理の精度低下が生じるのは、デモザイク処理としての空間的な補間処理を行うことに伴う本来画素値との乖離が暗シーンにおいて顕著化することに依るものと考えられる。
【0052】
また、リソースが限られた下では、AI処理部5への入力データ量が削減されるように、AI処理部5への入力データを前処理部4において所定サイズにリサイズ(例えば間引き)するようにされるが、この点に起因しても、デモザイク後画像を用いた場合の処理精度低下が生じると考えられる。
【0053】
具体例として、例えば、AI処理部5の入力データ量を1280×960画素のデータ量に制限する前提において、
図5に示すように非デモザイク画像を用いる場合は1280×960画素の解像度(情報密度)による画像を入力データとすることができるが、デモザイク後画像を用いる場合は、AI処理部5の入力データとなるR画像、B画像、G画像それぞれの解像度は739×554画素に縮小化されてしまう。
このように解像度が低下する点も、入力データにデモザイク後画像を用いた場合における処理精度低下の一因となると考えられる。
【0054】
上記の点を踏まえ、本実施形態では、撮像対象シーンの判定として、暗シーンであるか否かの判定を行い、暗シーンと判定された場合にAI処理部5の入力データとして非デモザイク画像を入力させるという手法を採る。
これにより、リソースの問題からシーンの差を吸収可能なAIモデルを用いることができない場合において、暗シーンにおける画像解析処理精度の低下抑制を図ることができ、シーンに依存した画像解析処理精度低下の抑制を図ることができる。
【0055】
本例において、暗シーンにおける入力データとしては、<2>と示したシェーディング補正後の非デモザイク画像を用いる。具体的には、シェーディング補正部32とゲイン調整部33との間で得られる非デモザイク画像についての色分離画像を暗シーンにおける入力データとする。
【0056】
このために、本実施形態のカメラ装置10においては、画像信号処理部3において、画像編成部38を設けるものとしている。
図2に示すように画像編成部38は、シェーディング補正部32より出力されるシェーディング補正後の非デモザイク画像を入力し、先の
図3で説明した手法により画素値の並べ替えを行うことで、シェーディング補正後の非デモザイク画像についての色分離画像を生成する。
【0057】
また、本実施形態では、暗シーンか否かの判定の結果、暗シーンではないと判定された場合は、AI処理部5の入力データとしてデモザイク後画像が入力されるようにする。
具体的に本例において、暗シーンではないと判定された場合は、デワープ処理部37より出力されるデモザイク後画像がAI処理部5の入力データとして与えられるようにする。
【0058】
このような暗シーン/明シーンに応じた入力データ切り替えを可能とするべく、画像信号処理部3にはセレクタ39が設けられる。
セレクタ39は、画像編成部38において色分離画像とされた非デモザイク画像と、デワープ処理部37より出力されるデモザイク後画像とを入力し、センサ内制御部6により指示された方の画像を前処理部4に対して出力する。
【0059】
本例において、暗シーンか否かの判定は、センサ内制御部6がデモザイク後画像に基づいて行う。具体的に、本例におけるセンサ内制御部6は、デワープ処理部37が出力するデモザイク後画像に基づいて暗シーンか否かの判定を行う。
そして、センサ内制御部6は、暗シーンか否かの判定を行った結果、暗シーンでないと判定した場合にはセレクタ39にデモザイク後画像を出力させ(選択させ)、暗シーンであると判定した場合にはセレクタ39に非デモザイク画像を出力させる(選択させる)。
【0060】
また、本実施形態において、センサ内制御部6は、デモザイク後画像がAI処理部5の入力データとされる場合にはAIモデルとしてデモザイク後画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられ、非デモザイク画像がAI処理部5の入力データとされる場合にはAIモデルとして非デモザイク画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられるように制御する。
【0061】
本例では、前者のAIモデル、すなわちデモザイク後画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルを実現するためのAI処理部5の設定データが、
図1に示したセンサ外メモリ部14において、第一AIモデル設定データP1として記憶され、また、後者のAIモデル、すなわち非デモザイク画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルを実現するためのAI処理部5の設定データが、センサ外メモリ部14において第二AIモデル設定データP2として記憶されている。
ここで、第一AIモデル設定データP1、第二AIモデル設定データP2には、CNNにおける畳み込み処理等のフィルタ処理で用いるフィルタ係数としてのパラメータや、ニューラルネットワークの構造に係る各種パラメータを含むデータとされる。
【0062】
センサ内制御部6は、暗シーンではないと判定した場合には、通信インタフェース9を介してカメラ制御部13に対する指示を行って、センサ外メモリ部14から第一AIモデル設定データP1を読み出させ、自身に対して転送させる。そして、転送された第一AIモデル設定データP1に従ってAI処理部5のパラメータ設定を行うことで、AI処理部5がデモザイク後画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルによる画像解析処理を実行可能な状態とする。
また、センサ内制御部6は、暗シーンであると判定した場合には、通信インタフェース9を介してカメラ制御部13に対する指示を行ってセンサ外メモリ部14から第二AIモデル設定データP2を読み出させ、自身に対して転送させると共に、転送された第二AIモデル設定データP2に従ってAI処理部5のパラメータ設定を行うことで、AI処理部5が非デモザイク画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルによる画像解析処理を実行可能な状態とする。
【0063】
[1-3.処理手順]
図6のフローチャートを参照し、上記により説明した第一実施形態としての解析処理手法を実現するためにセンサ内制御部6が実行すべき具体的な処理手順例について説明する。
なお、
図6に示す処理は、センサ内制御部6におけるCPUが、センサ内制御部6のROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに基づき実行する。ただし、以下では説明上、処理の実行主体はセンサ内制御部6であると表現する。
本例において、センサ内制御部6は、
図6に示す処理を起動に応じて開始する。
【0064】
先ず、センサ内制御部6はステップS101で、シーン判定実行条件が成立したか否かを判定する。すなわち、後述するステップS103のシーン判定処理(本例では暗シーンか否かの判定処理)を実行すべきとして予め定められた所定条件が成立したか否かを判定する。
ステップS103のシーン判定処理は、例えば、所定の時間間隔で周期的に行うことが考えられる。その場合、シーン判定条件としては、一定時間の経過を条件とすればよい。
なお、シーン判定実行条件は、外部からの指示が行われたことや、照度センサ等を用いた簡易的な明るさ検出の結果、明るさに所定量以上の変化があったこと等とすることも考えられ、特定の条件に限定されるものではない。
【0065】
ステップS101において、シーン判定実行条件が成立していないと判定した場合、センサ内制御部6はステップS102に進み、処理終了であるか否か、すなわち、例えば電源断等、
図6に示す一連の処理を終了すべきとして予め定められた所定条件が成立したか否かを判定する。
ステップS102において、処理終了でないと判定した場合、センサ内制御部6はステップS101に戻る。
すなわち、ステップS101及びS102の処理によっては、シーン判定実行条件の成立、処理終了条件の成立の何れかを待機するループ処理が形成される。
【0066】
ステップS101において、シーン判定実行条件が成立したと判定した場合、センサ内制御部6はステップS103に進み、シーン判定処理を実行する。すなわち、本例では、デワープ処理部37より出力されるデモザイク後画像に基づいて暗シーンか否かの判定を行う。具体的には、対象被写体の領域の平均輝度値が所定輝度値以下であるか否かの判定を行う。このとき、対象被写体の領域は、例えば、AI処理部5による物体検出処理の結果として得られる対象被写体の領域情報に基づき特定することが考えられる。なお、AI処理部5による物体検出処理が開始されていない状態では、例えばフレーム間の差分検出処理等による動体検出処理によって検出された動体の領域を対象被写体の領域として特定すること等が考えられる。
【0067】
ステップS103に続くステップS104でセンサ内制御部6は、暗シーンであるか否かの判定を行う。すなわち、ステップS103の判定処理の結果、暗シーンであるとの判定結果が得られたか否かを判定する。
【0068】
ステップS104において、暗シーンではないと判定した場合、センサ内制御部6はステップS105に進み、デモザイク後画像の選択指示を行う。すなわち、セレクタ39に対し、デワープ処理部37より入力されるデモザイク後画像を選択出力する指示を行う。
【0069】
そして、ステップS105に続くステップS106でセンサ内制御部6は、第一AIモデルの設定処理を行う。すなわち、通信インタフェース9を介してカメラ制御部13に対する指示を行ってセンサ外メモリ部14から第一AIモデル設定データP1を読み出させ、自身に対して転送させると共に、転送された第一AIモデル設定データP1に従ってAI処理部5のパラメータ設定を行う。
これにより、暗シーンではないと判定された場合は、AI処理部5において、デモザイク後画像を入力データとし、デモザイク後画像を学習用入力データとして学習が行われたAIモデルを用いた画像解析処理が行われる。
【0070】
センサ内制御部6は、ステップS106の設定処理を実行したことに応じてステップS101に戻る。
【0071】
また、先のステップS104において、暗シーンであると判定した場合、センサ内制御部6はステップS107に進み、非デモザイク画像の選択指示、すなわち、セレクタ39に対し画像編成部38より入力される色分離画像による非デモザイク画像を選択出力する指示を行う。
【0072】
さらに、ステップS107に続くステップS108でセンサ内制御部6は、第二AIモデルの設定処理を行う。すなわち、通信インタフェース9を介してカメラ制御部13に対する指示を行ってセンサ外メモリ部14から第二AIモデル設定データP2を読み出させ、自身に対して転送させると共に、転送された第二AIモデル設定データP2に従ってAI処理部5のパラメータ設定を行う。
これにより、暗シーンであると判定された場合は、AI処理部5において、色分離画像による非デモザイク画像を入力データとし、色分離画像による非デモザイク画像を学習用入力データとして学習が行われたAIモデルを用いた画像解析処理が行われる。
【0073】
センサ内制御部6は、ステップS108の設定処理を実行したことに応じてステップS101に戻る。
【0074】
また、センサ内制御部6は、先のステップS102で処理終了であると判定した場合は、
図6に示す一連の処理を終える。
【0075】
なお、シーン判定処理について、暗シーンであるか否かの判定は、AI処理部5におけるAIモデルの一部機能として暗シーンであるか否かの判定機能を持たせることにより、AI処理部5において実行させることも考えられる。その場合、センサ内制御部6は、このようにAI処理部5で行われる暗シーンか否かの判定処理の結果に基づき、セレクタ39の制御(及びAIモデルの切り替え制御)を行う。
【0076】
<2.第二実施形態>
続いて、第二実施形態について説明する。
第二実施形態は、AI処理部5で用いるAIモデルを再学習することを想定して、非デモザイク画像を蓄積するものである。
【0077】
図7は、非デモザイク画像の蓄積機能を有する第二実施形態としてのカメラ装置10Aの構成例を説明するためのブロック図である。
なお、
図7では図示の都合から、光学系11の図示と、画素アレイ部2、センサ内メモリ部7及び出力データ生成部8の図示を省略しているが、第二実施形態のカメラ装置10Aとしてもこれら光学系11、画素アレイ部2、センサ内メモリ部7及び出力データ生成部8をカメラ装置10の場合と同様に備えるものである。また、センサ外メモリ部14において第一AIモデル設定データP1と第二AIモデル設定データP2の図示を省略しているが、カメラ装置10Aにおいてもこれら第一AIモデル設定データP1と第二AIモデル設定データP2はカメラ装置10の場合と同様にセンサ外メモリ部14に記憶されている。
【0078】
以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
カメラ装置10Aにおいて、
図1に示したカメラ装置10との相違点は、センサ部1に代えてセンサ部1Aが設けられた点である。
センサ部1Aは、センサ部1と比較して、センサ内制御部6に代えてセンサ内制御部6Aが設けられた点が異なる。
【0080】
センサ内制御部6Aは、非デモザイク画像をカメラ装置10A内のメモリ、具体的に本例ではセンサ外メモリ部14に蓄積させるための処理を行う点がセンサ内制御部6と異なる。
図示のようにセンサ部1Aにおいては、画像編成部38により生成される色分離画像による非デモザイク画像が、セレクタ39のみでなく通信インタフェース9に入力可能とされている。
センサ内制御部6Aは、通信インタフェース9を介して色分離画像による非デモザイク画像をカメラ制御部13に送信させると共に、通信インタフェース9を介して、カメラ制御部13に対して該非デモザイク画像をセンサ外メモリ部14に記憶させる指示を行う。
これにより、センサ外メモリ部14に対して、カメラ装置10Aの実使用環境下で得られ得る非デモザイク画像による撮像画像を蓄積させることができる。
【0081】
また、センサ内制御部6Aは、センサ外メモリ部14に蓄積された非デモザイク画像を、カメラ装置10A外部に送信する処理を行う。具体的に、センサ内制御部6Aは、カメラ装置10Aの外部装置(例えば、サーバ装置等)から行われた指示に基づき、センサ外メモリ部14に蓄積された非デモザイク画像を該外部装置に送信する処理の実行をカメラ制御部13に指示する。
これにより、AI処理部5で用いるAIモデルの再学習を外部装置で行う場合に対応して、再学習に用いるべき非デモザイク画像を外部装置に対して送信することが可能となる。
【0082】
なお、上記では蓄積された非デモザイク画像についての送信処理の実行をセンサ内制御部6Aがカメラ制御部13に指示する構成を例示したが、蓄積された非デモザイク画像の送信処理は、カメラ制御部13が外部からの指示に基づいて行うことも考えられる。
【0083】
また、上記では、非デモザイク画像を蓄積する蓄積部がセンサ外メモリ部14とされた例を挙げたが、該蓄積部は、センサ内メモリ部7等、センサ部1A内のメモリとすることも考えられる。
ここで、センサ部1Aがカメラ装置10Aの外部装置と直接的に通信可能な通信部を有する場合には、蓄積された非デモザイク画像の送信処理の実行主体がセンサ内制御部6Aとなることも有り得る。
【0084】
<3.変形例>
なお、実施形態としては上記した具体例に限定されるものでなく、多様な変形例としての構成を採り得る。
例えば、シーン判定結果に基づき、画像信号処理部3の信号処理パラメータを変化させる構成とすることも考えられる。一例として、暗シーンか否かの判定結果に基づき、ゲイン調整部33による前述した全体ゲイン調整としてのゲイン調整処理のパラメータや、ガンマ補正部36によるガンマ補正処理のパラメータを変化させることが考えられる。具体的には、暗シーンとしての、対象被写体が暗いシーンのときは、黒つぶれ防止傾向とするパラメータによりガンマ補正や全体ゲイン調整を行い、明シーン(暗シーンでない場合)としての、対象被写体が明るいシーンのときは白飛び防止傾向とするパラメータによりガンマ補正や全体ゲイン調整を行うことが考えられる。
【0085】
ここで、上記のような暗シーン/明シーンに応じたパラメータ調整は、AIモデルを用いた画像解析処理として、物体検出処理を行う場合に有効な手法となる。
AIモデルを用いた画像解析処理としてセマンティックセグメンテーション等のセグメンテーション処理を行う場合には、該セグメンテーション処理では、画素ごと等のブロックごとにクラス識別を行うことになるので、ガンマ補正や全体ゲイン調整を行うと、明るい部分や暗い部分のブロックでの処理精度の悪化を招く虞がある。
そのため、AIモデルを用いた画像解析処理としてセグメンテーション処理を行う場合には、ガンマ補正や全体ゲイン調整を未実施の状態の撮像画像を入力データとすることが考えられる。
【0086】
図8は、上記のようにシーン判定結果に基づき画像信号処理部3の信号処理パラメータを変化させる変形例としての解析処理手法を実現するための具体的な処理手順例を示したフローチャートである。
ここで、
図8に示す処理は、センサ内制御部6、センサ内制御部6Aの何れが行ってもよいが、ここでは、センサ内制御部6が実行するものとして説明する。
【0087】
図8に示す処理について、先の
図6に示した処理との相違点は、図中のステップS110及びS111の処理が追加された点である。
具体的に、この場合のセンサ内制御部6は、ステップS106で第一AIモデルの設定処理を実行したことに応じ、ステップS110の信号処理パラメータ調整処理を行う。本例において、このステップS110の信号処理パラメータ調整処理としては、暗シーンではないと判定された場合に対応して、上記した白飛び防止傾向とするパラメータがゲイン調整部33やガンマ補正部36に設定されるように制御する処理を行う。
また、この場合のセンサ内制御部6は、ステップS108で第二AIモデルの設定処理を実行したことに応じ、ステップS111の信号処理パラメータ調整処理を行う。具体的に、本例におけるステップS111の信号処理パラメータ調整処理としては、暗シーンであると判定された場合に対応して、上記した黒つぶれ防止傾向とするパラメータがゲイン調整部33やガンマ補正部36に設定されるように制御する処理を行う。
【0088】
この場合のセンサ内制御部6は、ステップS110、S111の何れの信号処理パラメータ調整処理を行った場合も処理をステップS101に戻す。
【0089】
なお、上記ではシーン判定結果に基づき全体ゲイン調整やガンマ補正に係るパラメータを変化させる例を挙げたが、シーン判定結果に基づき変化させるパラメータとしては、例えばAWBのパラメータ等、他パラメータとすることも考えられる。
【0090】
また、上記では、AI処理部5がセンサ装置内に設けられた構成を例示したが、
図9に示すカメラ装置10Bのように、AI処理部5がセンサ装置外に設けられた構成とすることも考えられる。
具体的に、カメラ装置10Bにおいては、センサ部1(又はセンサ部1A)に代えて、画素アレイ部2と通信インタフェース9のみを有するセンサ部1Bが設けられる。この場合、画像信号処理部3、前処理部4、及びAI処理部5はセンサ部1B外部に設けられる。また、カメラ装置10Bにおいては、カメラ制御部13に代えてカメラ制御部13Bが設けられる。
【0091】
図示のようにカメラ装置10Bにおいては、画素アレイ部2により得られるRAWデータとしての撮像画像が通信インタフェース9及び通信インタフェース12を介して、画像信号処理部3に入力される。そして、画像信号処理部3のセレクタ39により選択された画像データが、前処理部4を介してAI処理部5に入力される。
【0092】
カメラ制御部13Bは、センサ内制御部6と同様に、シーン判定結果に基づくセレクタ39の制御を行う。また、カメラ制御部13Bは、センサ外メモリ部14に記憶された第一AIモデル設定データP1、第二AIモデル設定データP2に基づき、センサ内制御部6と同様にAI処理部5のAIモデル設定処理を行う。
また、第二実施形態で説明した非デモザイク画像の蓄積を実現する場合には、カメラ制御部13Bは、画像信号処理部3で得られる非デモザイク画像をセンサ外メモリ部14等のカメラ装置10B内のメモリに記憶させる処理を行う。またこの場合、カメラ制御部13Bは、蓄積された非デモザイク画像を外部装置に送信する処理を行うこともできる。
【0093】
また、上記では、AI処理部5に入力する非デモザイク画像として色分離画像を用いる例を挙げたが、色分離画像以外のデータ形式による非デモザイク画像をAI処理部5の入力データとして与えることもできる。
【0094】
また、上記では、AI処理部5の入力データ切り替えについて、暗シーンか否かの判定結果に基づいてデモザイク後画像/非デモザイク画像の切り替えを行う例としたが、暗シーンか否かの判定結果以外の他の基準に基づいてデモザイク後画像/非デモザイク画像の切り替えを行うことも考えられる。
例えば、対象被写体が小さく写っていて解像度が要求される場合には入力データを非デモザイク画像に切り替え、対象被写体が大きく写っているシーンでは入力データをデモザイク後画像に切り替えること等が考えられる。
【0095】
また、シーン判定として、3以上のシーンを判定するものとし、シーンごとに、AI処理部5の入力データの取り出し位置を変化させるという構成を採ることも考えられる。例えば、第一のシーンでは入力データをシェーディング補正後の非デモザイク画像とし、第二のシーンでは入力データをAWB処理後の非デモザイク画像とし、第三のシーンでは入力データをデモザイク後画像とする等が考えられる。
【0096】
また、上記では、画素アレイ部2がR、G、Bの3波長のみを受光し分ける構成とされる場合を例示したが、本技術は、例えばマルチスペクトラムカメラにおける画素アレイ部のように、4以上の波長帯の光を受光し分けることが可能に構成された画素アレイ部が用いられる場合にも好適に適用することができる。
【0097】
また、AI処理部5において、解析タスクが異なる複数のAIモデルを切り替えて使用することが前提とされる場合には、AI処理部5が使用するAIモデルの種類(つまり解析タスクの種類)によって、AI処理部5の入力データを非デモザイク画像とするか否かの決定を行うことも考えられる。
【0098】
<5.実施形態のまとめ>
以上で説明したように実施形態としての信号処理装置(センサ部1,1A,カメラ装置10B)は、異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部(同2)により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行うAI処理部(同5)を備えたものである。
デモザイク処理は空間的な補間処理を伴うものであるため、本来の画素値からの乖離が生じる傾向となり、AIモデルによる画像解析処理の入力データとしてデモザイク後の画像を用いた場合には、上記の画素値の乖離に起因して処理精度が低下する場合がある。上記のように非デモザイク画像を画像解析処理の入力データとすることで、そのようなデモザイク処理に起因した処理精度低下の防止を図ることが可能となる。
従って、AIモデルを用いた画像解析処理についての処理精度向上を図ることができる。
【0099】
また、実施形態としての信号処理装置においては、画素アレイ部により得られる撮像画像についてデモザイク処理を行うデモザイク処理部(同34)と、撮像対象シーンについてのシーン判定結果に基づき、AI処理部の入力データが、デモザイク処理部によるデモザイク処理後の画像であるデモザイク後画像と非デモザイク画像との間で切り替えられるように制御する制御部(センサ内制御部6,6A,カメラ制御部13B)を備えている。
図3を参照して説明したように、シーンによっては、デモザイク後画像ではなく、非デモザイク画像を用いた方が画像解析処理の精度向上が図られる場合があることが実験により確認されている。すなわち、AIモデルとしてシーンの差を吸収する機能を有さないモデルを用いても、或るシーンにおいては、デモザイク後画像ではなく非デモザイク画像を用いるという手法を採ることで、画像解析処理の精度向上が図られる場合がある。
上記のようにシーン判定結果に基づきAI処理部の入力データをデモザイク後画像と非デモザイク画像との間で切り替えるようにすることで、非デモザイク画像を入力データとした場合に画像解析処理精度の向上が図られる特定のシーンにおいて、非デモザイク画像を入力データとすることが可能となる。
従って、リソースの問題からシーンの差を吸収可能なAIモデルを用いることができない場合であっても、シーンに依存した画像解析処理精度低下の抑制を図ることができる。
【0100】
さらに、実施形態としての信号処理装置においては、制御部は、デモザイク後画像が入力データとされる場合にはAIモデルとしてデモザイク後画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられ、非デモザイク画像が入力データとされる場合にはAIモデルとして非デモザイク画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられるように制御している。
これにより、AIモデルを用いた画像解析処理として、シーンに応じた適切な画像解析処理を実行することができる。
【0101】
さらにまた、実施形態としての信号処理装置においては、撮像対象シーンの判定は、暗シーンであるか否かの判定であり、制御部は、暗シーンと判定された場合に入力データとして非デモザイク画像を入力させている。
図3を参照して説明したように、暗シーンにおいては、デモザイク後画像ではなく、非デモザイク画像を用いた方が画像解析処理の精度向上が図られる場合があることが確認されている。
従って、上記構成によれば、リソースの問題からシーンの差を吸収可能なAIモデルを用いることができない場合であっても、シーンに依存した画像解析処理精度低下の抑制を図ることができる。
【0102】
また、実施形態としての信号処理装置においては、デモザイク処理部を含み、撮像画像を対象とした画像信号処理を行う画像信号処理部(同3)を備え、制御部は、シーン判定結果に基づき、画像信号処理部の信号処理パラメータを変化させている(
図8参照)。
これにより、特定のシーンであると判定されて非デモザイク画像を入力データとした画像解析処理が行われる場合には、非デモザイク画像に適した画像信号処理が行われるようにし、特定のシーンではないと判定されてデモザイク後画像を入力データとした画像解析処理が行われる場合には、デモザイク後画像に適した画像信号処理が行われるようにすることが可能となる。
従って、画像解析処理の精度向上を図ることができる。
【0103】
さらに、実施形態としての信号処理装置においては、AIモデルは、CNNとしてのニューラルネットワークを有するAIモデルとされ、各画素ユニットから、画素ユニット内位置が同じ画素ごとに画素値を収集して同一画像平面上のそれぞれ異なる領域に並べて形成される画像である色分離画像を生成する画像編成部(同38)を備え、AI処理部は、色分離画像を入力データとして画像解析処理を行っている。
これにより、AI処理部に対する入力データの形式が、CNNの構成に適した入力データ形式となる。
従って、画像解析処理の精度向上を図ることができる。
【0104】
さらにまた、実施形態としての信号処理装置においては、AI処理部は、シェーディング補正後の非デモザイク画像を入力データとして画像解析処理を行っている。
図3を参照して説明したように、非デモザイク画像を入力データに用いるべきシーンでは、シェーディング補正後の非デモザイク画像を用いた方がシェーディング補正前の非デモザイク画像を用いる場合よりも解析処理精度の向上を図ることが可能である。
従って、上記構成によれば、暗シーン等の特定シーンに対応して解析処理精度の向上を図ることができる。
【0105】
また、実施形態としての信号処理装置(センサ部1A,カメラ装置10B)においては、非デモザイク画像を蓄積する蓄積部(センサ内メモリ部7,センサ外メモリ部14)を備えている。
蓄積部に蓄積された非デモザイク画像は、AI処理部で用いるAIモデルの再学習に用いることが可能である。
AIモデルの再学習が可能となることで、AI処理部による画像解析処理の精度向上を図ることができる。
【0106】
さらに、実施形態としての信号処理装置においては、蓄積部に蓄積された非デモザイク画像を装置外部に送信する処理を行う送信処理部(カメラ制御部13,センサ内制御部6A,カメラ制御部13B)を備えている。
これにより、AIモデルの再学習を信号処理装置の外部装置で行う場合に対応して、再学習に用いるべき非デモザイク画像を外部装置に対して送信することが可能となる。
従って、AIモデルの再学習が適切に行われるように図ることができる。
【0107】
さらにまた、実施形態としての信号処理装置(センサ部1,1A)は、画素アレイ部を備えたセンサ装置として構成されている。
これにより、AIモデルを用いた画像解析処理を実行可能に構成されたセンサ装置について、画像解析処理の精度向上を図ることができる。
【0108】
また、実施形態としての信号処理方法は、異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行う信号処理方法である。
このような信号処理方法によっても、上記した実施形態としての信号処理装置と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0109】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0110】
<6.本技術>
本技術は以下のような構成を採ることもできる。
(1)
異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の前記撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行うAI処理部を備えた
信号処理装置。
(2)
前記画素アレイ部により得られる撮像画像についてデモザイク処理を行うデモザイク処理部と、
撮像対象シーンについてのシーン判定結果に基づき、前記AI処理部の入力データが、前記デモザイク処理部によるデモザイク処理後の画像であるデモザイク後画像と前記非デモザイク画像との間で切り替えられるように制御する制御部を備えた
前記(1)に記載の信号処理装置。
(3)
前記制御部は、
前記デモザイク後画像が前記入力データとされる場合には前記AIモデルとして前記デモザイク後画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられ、前記非デモザイク画像が前記入力データとされる場合には前記AIモデルとして前記非デモザイク画像を学習用入力データとして学習されたAIモデルが用いられるように制御する
前記(2)に記載の信号処理装置。
(4)
前記撮像対象シーンの判定は、暗シーンであるか否かの判定であり、
前記制御部は、
暗シーンと判定された場合に前記入力データとして前記非デモザイク画像を入力させる
前記(2)又は(3)に記載の信号処理装置。
(5)
前記デモザイク処理部を含み、前記撮像画像を対象とした画像信号処理を行う画像信号処理部を備え、
前記制御部は、
前記シーン判定結果に基づき、前記画像信号処理部の信号処理パラメータを変化させる
前記(2)から(4)の何れかに記載の信号処理装置。
(6)
前記AIモデルは、CNNとしてのニューラルネットワークを有するAIモデルとされ、
各前記画素ユニットから、画素ユニット内位置が同じ画素ごとに画素値を収集して同一画像平面上のそれぞれ異なる領域に並べて形成される画像である色分離画像を生成する画像編成部を備え、
前記AI処理部は、前記色分離画像を入力データとして前記画像解析処理を行う
前記(1)から(5)の何れかに記載の信号処理装置。
(7)
前記AI処理部は、シェーディング補正後の前記非デモザイク画像を入力データとして前記画像解析処理を行う
前記(1)から(6)の何れかに記載の信号処理装置。
(8)
前記非デモザイク画像を蓄積する蓄積部を備えた
前記(1)から(7)の何れかに記載の信号処理装置。
(9)
前記蓄積部に蓄積された前記非デモザイク画像を装置外部に送信する処理を行う送信処理部を備えた
前記(8)に記載の信号処理装置。
(10)
前記画素アレイ部を備えたセンサ装置として構成された
前記(1)から(9)に何れかに記載の信号処理装置。
(11)
異なる波長帯の光を受光する複数の画素が所定パターンで二次元配列されて成る画素ユニットが二次元に複数配列されて構成された画素アレイ部により得られる撮像画像について、デモザイク処理されていない状態の前記撮像画像である非デモザイク画像を入力データとして、AIモデルを用いた画像解析処理を行う
信号処理方法。
【符号の説明】
【0111】
10,10A,10B カメラ装置
1,1A,1B センサ部
2 画素アレイ部
3 画像信号処理部
4 前処理部
5 AI処理部
6,6A センサ内制御部
7 センサ内メモリ部
8 出力データ生成部
9 通信インタフェース(I/F)
11 光学系
12 通信インタフェース(I/F)
13,13B カメラ制御部
14 センサ外メモリ部
15 通信部
P1 第一AIモデル設定データ
P2 第二AIモデル設定データ
31 黒レベル補正部
32 シェーディング補正部
33 ゲイン調整部
34 デモザイク処理部
35 色補正部
36 ガンマ補正部
37 デワープ処理部
38 画像編成部
39 セレクタ
Pu 画素ユニット