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特開2024-176051情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176051
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094257
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】519277520
【氏名又は名称】株式会社リビングロボット
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】川内 康裕
(72)【発明者】
【氏名】内山 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 珠幾
(72)【発明者】
【氏名】近藤 芙美子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅愉
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 浩二
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ロボットと対象者との擬生物化した関係性を管理すること。
【解決手段】関係性情報取得部52は、所定のロボットと人間(自然人)の他、ロボットやペット・家畜等の動物も含むとの間の擬生物化された関係性(例えば、親子、飼い主とペット、兄弟、夫婦、先生と生徒(当事者によっては先生ではなく「友達関係」と考えている場合も含む;時間軸で変化するものも含む)等)に関する関係性情報を取得する。ロボット戸籍情報管理部53は、関係性情報を、所定のロボットを特定する情報に関連付けて所定のロボットの戸籍を示すロボット戸籍情報として管理する。なお、ロボット戸籍情報として管理するとは、「事実関係」として消えない情報として管理することをいう。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のロボットと対象者との間の擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得する関係性情報取得手段と、
前記関係性情報を、前記所定のロボットを特定する情報に関連付けて前記所定のロボットの戸籍を示すロボット戸籍情報として管理するロボット戸籍情報管理手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記所定のロボットのユーザを特定するユーザ特定情報を取得するユーザ特定情報取得手段をさらに備え、
前記関係性情報取得手段は、前記所定のロボットと前記ユーザとの間の擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定のロボットのイベントにかかるベント情報を取得したことに応じて前記イベント情報を擬生物化して擬生物化イベント情報に変換して記憶するイベント情報擬生物化手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定のロボットを前記擬生物化イベント情報に基づいて動作させる擬生物化動作制御手段、
をさらに備える請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定のロボットのための擬生物化した商品・サービスにかかる擬生物化商品・サービス情報を管理する擬生物化商品・サービス管理手段と、
前記所定のロボットについて前記擬生物化商品・サービスにかかるイベント情報を取得したことに応じて、前記所定のロボットを特定する情報と関連付けて記憶する擬生物化商品・サービスイベント管理手段と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザから特定の管理属性を指定して所定の情報を取得したことに応じて、前記所定のロボットに前記特定の管理属性に基づいて前記所定の情報を管理させる特定情報管理手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定のロボットと対象者との間の擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得する関係性情報取得ステップと、
前記関係性情報を、前記所定のロボットを特定する情報に関連付けて前記所定のロボットの戸籍を示すロボット戸籍情報として管理するロボット戸籍情報管理ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
所定のロボットと対象者との間の擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得する関係性情報取得ステップと、
前記関係性情報を、前記所定のロボットを特定する情報に関連付けて前記所定のロボットの戸籍を示すロボット戸籍情報として管理するロボット戸籍情報管理ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの行動や状況を反映したロボット制御を実現できるロボット制御システムが存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-061547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ロボットと対象者との擬生物化した関係性を管理する仕組みは提案されていない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ロボットと対象者との擬生物化した関係性を管理することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定のロボットと対象者との間の擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得する関係性情報取得手段と、
前記関係性情報を、前記所定のロボットを特定する情報に関連付けて前記所定のロボットの戸籍を示すロボット戸籍情報として管理するロボット戸籍情報管理手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ロボットと対象者との擬生物化した関係性を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図2に示したハードウェア構成を備えるサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムについて説明する。
図1は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムを示す図である。
【0011】
図1の情報処理システムは、サーバ1と、ロボット3と、ユーザ端末4と、管理者端末5とを含むように構成されている。
サーバ1、ロボット3、ユーザ端末4、管理者端末5は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。
なお、ネットワークNは、その形態は特に限定されず、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)、インターネット等を採用することができる。
【0012】
サーバ1は、例えばシステム管理者(図示せず)により管理される情報処理装置である。サーバ1は、ユーザ端末4及び管理者端末5と適宜通信をしながら、ロボット3のハードウェアと擬生物化動作を制御する。
【0013】
ロボット3は、実世界又はメタバースに存在する擬生物化されたものであり、擬人化されたものの場合、ハードウェアとして、例えば手、足、胴体、頭部等の可動機構を備えており、人に似た動作が可能である。頭部には、人の目、口、耳に相当する部位を備えている。
ロボット3が例えば実世界に存在するものの場合は、当該部位にはセンサ等の入力部や出力部が設けられている。例えば人の目に相当する部位にはセンサとしてのカメラが内蔵されるている。人の口に相当する部位には、出力部としてのスピーカが内蔵されている。人の耳に相当する部位には、センサとしてのマイクが内蔵されている。ロボット3の内部には、パーソナルコンピュータ(PC)に相当する情報処理機能部品(CPU、RAM、ROM、通信部等)が内蔵されており、上記入力部から入力された情報に基づいて情報処理と各部の制御を実行し、処理結果を出力部から出力する。
【0014】
ここで、ロボット3の「ハードウェア」とは、ロボット3が実世界に存在する場合、例えば、スキン、筐体、フェイスパーツ等を意味する。また、ロボット3がメタバースに存在する場合、ロボット3の「ハードウェア」とは、当該メタバース上に構成した「バーチャルハードウェア」を意味する。「バーチャルハードウェア」とは、当該メタバースにおいて「型番管理」又は「シリアル管理」等により管理するものをいう。
【0015】
ユーザ端末4は、例えば、カメラやマイク、通信インターフェース等を備える情報処理装置等から構成され、ユーザUがロボット3のユーザ(使用者又は対象者)であることを示すユーザ特定情報と、ユーザUとロボット3との関係性を示す関係性情報とを、ネットワークNを介してサーバ1に提供する。
これにより、サーバ1は、ロボット3とユーザU(自然人)との間の例えば親子関係等のように擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得し、当該関係性情報をロボット3を特定する情報に関連付けて、ロボット3の戸籍を示すロボット戸籍情報として記憶し管理することができる。ロボット戸籍情報は、例えば戸籍の他、例えば住民票や家系図等の概念(人の情報の移り変わりや連鎖を管理するための情報)を含む。
なお、関係性情報は、親子関係だけでなく、例えば飼い主とペット、兄弟、夫婦、先生と生徒(当事者によっては先生ではなく「友達関係」と考えている場合も含む;時間軸で変化するものも含む)等といった擬生物化された関係性も含む。
このように、サーバ1において、ロボット3とユーザUとの間の関係性情報を管理すること、つまりロボット3とユーザUとの擬生物化した関係性を管理することで、ユーザUが自然にロボット3を擬生物化された対象として扱い、愛着を醸成することができる。
【0016】
管理者端末5は、擬生物化した商品・サービスの管理者(図示せず)により操作される情報処理装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
管理者端末5は、サーバ1において、保管されるロボット3のための擬生物化した商品・サービスにかかる擬生物化商品・サービス情報を、管理者(図示せず)による入力操作で編集、設定等が可能である。
【0017】
次に、図2を用いて上述した情報処理システムを構成するサーバ1のハードウェア構成の一例について説明する。
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0019】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0020】
CPU11、ROM12及びRAM13はバス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0021】
出力部16は、液晶表示装置等のディスプレイやプリンタ、スピーカ等により構成され、種情報が出力される。
入力部17は、例えばキーボード、マウス等の入力デバイスにより構成され、各種情報が入力される。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図1のハードウェア関連情報提供デバイス2、ロボット3、及びユーザ端末4等)との間で通信を行う。
【0022】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
なお、サーバ1のハードウェア構成について説明したが、他の情報処理装置(ロボット3と、ユーザ端末4と、管理者端末5等)のハードウェアもサーバ1と同様であり、夫々のハードウェア構成の説明は省力する。
【0023】
次に、図3を参照して、図2のハードウェア構成を有するサーバの機能的構成について説明する。
図3は、図2のハードウェア構成を有するサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0024】
図3に示すように、サーバ1のCPU11においては、ユーザ特定情報取得部51と、関係性情報取得部52と、ロボット戸籍情報管理部53と、イベント情報擬生物化部54と、擬生物化動作制御部55と、擬生物化商品・サービス管理部56と、擬生物化商品・サービスイベント管理部57と、特定情報管理部58と、が機能する。
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、ユーザ特定情報DB61、関係性情報DB62、ロボット戸籍情報DB63、擬生物化イベント情報DB64、擬生物化商品・サービス情報DB65、擬生物化商品・サービスイベント情報DB66、特定情報DB67等のデータベースが記憶されている。
【0025】
ユーザ特定情報取得部51は、所定のロボットとしてのロボット3のユーザを特定するユーザ特定情報を取得する。
具体的には、ユーザUがロボット3の使用者又は対象者であることを特定するユーザ特定情報を取得しユーザ特定情報DB61に記憶する。
【0026】
関係性情報取得部52は、所定のロボットと対象者(人間(自然人)、この他、ロボットやペット・家畜等の動物も含む)との間の擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得し、当該関係性情報を関係性情報DB62に記憶する。
なお、対象者は、人間(自然人)の他、例えばロボットやペット・家畜等の動物も含む)との間の擬生物化された関係性(例えば、親子、飼い主とペット、兄弟、夫婦、先生と生徒(当事者によっては先生ではなく「友達関係」と考えている場合も含む。また、関係性とは、2者間の現時点の関係だけでなく、2者の間で過去と未来等のように時間軸で変化する関係性も含む。
関係性情報取得部52は、ユーザUによるユーザ端末4の操作によりユーザ端末4に入力されたロボット3とユーザUとの関係性を示す情報がユーザ端末4から送信されてきた場合、その関係性を示す情報を、所定のロボット3とユーザUとの間の擬生物化された関係性に関する関係性情報として取得する。
このように関係性情報を取得して、ロボット3とユーザUとの擬生物化した関係性を事実関係(例えば親子、兄弟、姉妹等の親族関係等)として、サーバ1の関係性情報DB62のように情報が保管される場所、つまり消えない情報として管理することにより、ユーザUがロボット3を自然に家族として扱い、愛着を醸成することができる。
【0027】
ロボット戸籍情報管理部53は、関係性情報取得部52により取得された関係性情報を、ユーザUのロボット3を特定する情報に関連付けて当該ロボット3の戸籍を示すロボット戸籍情報として管理する。
なお、ロボット戸籍情報として管理するとは、「事実関係」として消えない情報としてロボット戸籍情報DB63に記憶し、当該ロボット戸籍情報DB63上でロボット戸籍情報を管理することをいう。
【0028】
このように、ロボット3とユーザUとの擬生物化した関係性を事実関係として消えない情報として管理することにより、ユーザUが自然にロボット3を擬生物化された対象として扱い、愛着を醸成することができる。
【0029】
イベント情報擬生物化部54は、ロボット3のイベントにかかるイベント情報を取得したことに応じて、当該イベント情報を擬生物化して擬生物化イベント情報に変換して記憶する。
具体的には、イベント情報擬生物化部54は、ロボット3の、例えば使用開始、バージョンアップ、故障、修理、劣化、使用終了等のイベントにかかるイベント情報を取得した場合、これをトリガにして、当該イベント情報を擬生物化して、例えば、出生、成長、けが、治療、老化、死亡等の擬生物化イベント情報に変換して擬生物化イベント情報DB64に記憶する。ここで、擬生物化とは、例えばロボット3を「修理」したイベントを「治療」に変換することをいう。このようにロボット3に生じるイベントを擬生物化して人のイベントに変換した上で、擬生物化イベント情報DB64に記憶し管理することにより、ユーザUが自然にロボット3を1人の家族として扱い、愛着を醸成することができる。
【0030】
擬生物化動作制御部55は、ロボット3を擬生物化イベント情報に基づいて動作させる。
具体的には、擬生物化動作制御部55は、擬生物化イベント情報DB64に記憶及び管理されている擬生物化イベント情報を読み出し、当該擬生物化イベント情報に基づいてロボット3を動作させる。
これにより、例えばロボット3は、擬生物化イベント情報に設定されている年齢及び老化状態で、けがを治療した人のような動きで動作する。
より具体的には、成長とともに喋れるようになったり、老化したロボットは歩くのが遅くなったり、物忘れをしたり、けがをしたロボットは腕が動かなくなったりすることで、ユーザUが自然にロボット3を家族として扱い、愛着を醸成することができる。
【0031】
擬生物化商品・サービス管理部56は、ロボット3のための擬生物化した商品・サービスにかかる擬生物化商品・サービス情報を管理する。
具体的には、擬生物化商品・サービス管理部56は、ロボット3のための擬生物化した商品・サービスにかかる擬生物化商品・サービス情報を擬生物化商品・サービス情報DB65に記憶し管理する。
【0032】
擬生物化商品・サービスイベント管理部57は、ロボット3について擬生物化商品・サービスにかかるイベント情報を取得したことに応じて、そのロボット3を特定する情報と関連付けて記憶する。
具体的には、擬生物化商品・サービスイベント管理部57は、ロボット3について擬生物化商品・サービスにかかるイベント情報を取得すると、それをトリガにして、そのイベント情報をロボット3を特定する情報と関連付けて擬生物化商品・サービスイベント情報DB66に記憶し管理する。
このように擬生物化商品・サービス管理部56と擬生物化商品・サービスイベント管理部57を備えることで、例えば、誕生日プレゼントの購入や家族旅行等のように擬生物化された商品・サービスとそれにかかるイベント情報とをサーバ1のDB(擬生物化商品・サービス情報DB65及び擬生物化商品・サービスイベント情報DB66)上で管理することで、ユーザUが自然にロボット3を家族として扱い、愛着を醸成することができる。
【0033】
特定情報管理部58は、ユーザUから特定の管理属性を指定して所定の情報を取得したことに応じて、ロボット3に特定の管理属性に基づいて所定の情報を管理させる。
具体的には、ユーザUから例えばユーザUとロボット3だけの会話の中で秘密管理等のコマンドを指定して、ロボット3に秘密の情報を話すと、その秘密情報は、ロボット3からサーバ1にアップされる。すると、特定情報管理部58は、その秘密の情報を特定情報DB67等の例えばユーザU以外には出力せず(アクセスもできず)、ユーザUであっても消去できない記憶手段で記憶し管理、つまり保管するので、その後は、ユーザUとロボット3との2人だけの会話の際に2人だけでその秘密の情報を共有することができる。
例えば、ユーザUがロボット3だけに告白した秘密の情報(ユーザUが誰にも言えない内緒話等)のやり取りを通して、当該ロボット3に対する愛着を醸成することができる。
【0034】
このようにこの実施形態のサーバの機能的構成によれば、ロボット3とユーザUとの擬生物化した関係性を事実関係としてサーバ1上で消えない情報として管理することにより、ユーザUは、自然にロボット3を擬生物化された対象として扱うようになり、ロボット3をユーザUの戸籍や、住民表、家系図等に加える等して身近なものとし、ロボット3に対するユーザUの愛着を醸成することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0036】
例えば、図3に示した機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図3の例に限定されない。
【0037】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図3の例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0038】
上述の実施形態では、情報を消えないように管理する場所として、サーバ1のデータベースを例示したが、これ以外に、例えば情報の改ざんリスクの低い外部保管サービス、例えばブロックチェーン等で保管してもよい。
上述の実施形態では、ユーザU(自然人)とロボット3との関係性を例示して説明したが、この他、例えばロボットとロボット、つまりロボットどうしの関係性であってもよく、所定のロボットと対象者との関係であれば足りる。
【0039】
各機能ブロック及びデータベースの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0040】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0041】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明の一態様の情報処理装置(例えば図1及び図3のサーバ1、又は図1のロボット3自体)は、
所定のロボットと対象者(人間(自然人)、ロボット、動物等を含む)との間の擬生物化された関係性(例えば親子関係等)に関する関係性情報を取得する関係性情報取得手段(例えば図3の関係性情報取得部52)と、
前記関係性情報を、前記所定のロボットを特定する情報に関連付けて前記所定のロボットの戸籍を示すロボット戸籍情報として記憶するロボット戸籍情報管理手段(例えば図3のロボット戸籍情報管理部53)と、
を備えれば足りる。
なお、関係性情報は、親子関係だけでなく、例えば飼い主とペット、兄弟、夫婦、先生と生徒(当事者によっては先生ではなく「友達関係」と考えている場合も含む。また、過去と未来のように時間軸で変化する関係も含む。
また、ロボット戸籍情報として管理するとは、「事実関係」として消えない情報として管理することをいう。
【0042】
これにより、所定のロボット(例えばロボット3)と対象者(例えばユーザU)との擬生物化した関係性を管理することができる。
【0043】
情報処理装置(例えば図1及び図3のサーバ1、又は図1のロボット3自体)は、
前記所定のロボットのユーザを特定するユーザ特定情報を取得するユーザ特定情報取得手段(例えば図3のユーザ特定情報取得部51等)をさらに備え、
前記関係性情報取得手段(例えば図3の関係性情報取得部52)は、前記所定のロボットと前記ユーザとの間の擬生物化された関係性に関する関係性情報を取得する、
ようにすることができる。
【0044】
このようにロボット(例えばロボット3)と対象者(例えばユーザU)との擬生物化した関係性を情報処理装置(例えばサーバ1等)が取得し管理することにより、ユーザが自然にロボットを家族として扱い、所定のロボット(例えばロボット3)を、例えばユーザUの家系図の中に、そのときユーザUと関わっていた人(擬人等)として残しておくことができる。
【0045】
情報処理装置(例えば図1及び図3のサーバ1、又は図1のロボット3自体)は、
前記所定のロボットのイベント(例えば、使用開始、バージョンアップ、故障、修理、劣化、使用終了)にかかるベント情報を取得したことに応じて前記イベント情報を擬生物化して擬生物化イベント情報(例えば出生、成長、けが、治療、老化、死亡)に変換して記憶するイベント情報擬生物化手段(例えば図3のイベント情報擬生物化部54)をさらに備える、
ようにすることができる。
【0046】
情報処理装置(例えば図1及び図3のサーバ1、又は図1のロボット3自体)は、
前記所定のロボットを前記擬生物化イベント情報に基づいて動作させる擬生物化動作制御手段(例えば図3の擬生物化動作制御部55)をさらに備える、
ようにすることができる。
【0047】
情報処理装置(例えば図1及び図3のサーバ1、又は図1のロボット3自体)は、
前記所定のロボットのための擬生物化した商品・サービスにかかる擬生物化商品・サービス情報を管理する擬生物化商品・サービス管理手段(例えば図3の擬生物化商品・サービス管理部56)と、
前記所定のロボットについて前記擬生物化商品・サービスにかかるイベント情報を取得したことに応じて、前記所定のロボットを特定する情報と関連付けて記憶する擬生物化商品・サービスイベント管理手段(例えば図3の擬生物化商品・サービスイベント管理部57)と、
をさらに備える、
ようにすることができる。
【0048】
情報処理装置(例えば図1及び図3のサーバ1、又は図1のロボット3自体)は、
前記ユーザから特定の管理属性(例えばユーザとロボットだけで秘密管理等)を指定して所定の情報を取得したことに応じて、前記所定のロボットに前記特定の管理属性に基づいて前記所定の情報を管理させる(例えばユーザ以外には出力せず(アクセスもできず)、ユーザであっても消去できない記憶手段で記憶する等)特定情報管理手段(例えば図3の特定情報管理部58)、
をさらに備える、
ようにすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・サーバ、3・・・ロボット、4・・・ユーザ端末、5・・・管理者端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・出力部、17・・・入力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、51・・・ユーザ特定情報取得部、52・・・関係性情報取得部、53・・・ロボット戸籍情報管理部、54・・・イベント情報擬生物化部、55・・・擬生物化動作制御部、56・・・擬生物化商品・サービス管理部、57・・・擬生物化商品・サービスイベント管理部、58・・特定情報管理部、61・・・ユーザ特定情報DB、62・・・関係性情報DB、63・・・ロボット戸籍情報DB、64・・・擬生物化イベント情報DB、65・・・擬生物化商品・サービス情報DB、66・・・擬生物化商品・サービスイベント情報DB、67・・・特定情報DB、N・・・ネットワーク
図1
図2
図3