(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176052
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63H 29/00 20060101AFI20241212BHJP
A63H 11/00 20060101ALI20241212BHJP
G10L 13/00 20060101ALN20241212BHJP
B25J 5/00 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
A63H29/00 Z
A63H11/00 Z
G10L13/00 100A
B25J5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094258
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】519277520
【氏名又は名称】株式会社リビングロボット
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】川内 康裕
(72)【発明者】
【氏名】内山 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 珠幾
(72)【発明者】
【氏名】近藤 芙美子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅愉
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 浩二
【テーマコード(参考)】
2C150
3C707
【Fターム(参考)】
2C150CA01
2C150DA23
2C150DF02
2C150ED42
2C150ED56
2C150ED59
2C150EF16
2C150EF33
3C707AS34
3C707AS36
3C707JT10
3C707LW03
3C707MT14
3C707WA03
3C707WL05
3C707WL10
3C707WL14
(57)【要約】
【課題】ハードウェアを含むロボットの癖を管理すること。
【解決手段】サーバ1は、動作情報取得部51特徴動作情報特定部52とを備える。動作情報取得部51は、ロボット3の動きの情報(動作情報)を取得する。特徴動作情報特定部52は、複数のロボット3の動作情報に基づいて、ロボット毎に所定の条件(規定の範囲の動き)を超える特徴的な動作をロボットの癖(特徴動作情報)として特定する。なお、ロボット3は、現実世界の機械的な機構(ハードウェア)で構成されるロボットの他、仮想現実世界のオブジェクト、つまりメタバース上のバーチャルハードウェアとして動作する電子化ロボットも含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のロボットの動作にかかる動作情報を取得する動作情報取得手段と、
複数の前記所定のロボットの前記動作情報に基づいて、前記所定のロボット毎に所定の条件を超える特徴的な動作を特徴動作情報として特定する特徴動作情報特定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記動作情報に基づいて、特定の禁止動作に当たると判断した場合に前記所定のロボットの動作を制限する禁止動作管理手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定のロボットのユーザから、前記特徴的な動作の矯正の依頼を受け付けたことに応じて、前記特徴的な動作を矯正するための矯正情報を出力する動作矯正情報出力手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定のロボットのユーザから、前記特徴的な動作の再現の依頼を受け付けたことに応じて、前記特徴動作情報に基づいて、前記所定のロボットとは別のロボットに、前記特徴的な動作の少なくとも一部を再現するための動作再現情報を出力する動作再現情報出力手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定のロボットを構成するハードウェアに関するハードウェア関連情報を取得するハードウェア関連情報取得手段をさらに備え、
前記動作再現情報出力手段は、前記ハードウェア関連情報により特定された特定のハードウェアが前記所定のロボットから別のロボットに移植されることに応じて前記動作再現情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定のロボットの動作にかかる動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
複数の前記所定のロボットの前記動作情報に基づいて、前記所定のロボット毎に所定の条件を超える特徴的な動作を特徴動作情報として特定する特徴動作情報特定ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
所定のロボットの動作にかかる動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
複数の前記所定のロボットの前記動作情報に基づいて、前記所定のロボット毎に所定の条件を超える特徴的な動作を特徴動作情報として特定する特徴動作情報特定ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、憑依させる人の口調の癖を表現させるシステムが存在する(例えば特許文献1参照)。
また、或る人間の癖動作に他の人間の癖動作を合成したものをロボットに実行させる技術も存在する(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6637000号公報
【特許文献2】特許第4798581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ハードウェアを含むロボットの癖(ロボット固有の動き)を管理する仕組みは提案されていない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ハードウェアを含むロボットの癖を管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定のロボットの動作にかかる動作情報を取得する動作情報取得手段と、
複数の前記所定のロボットの前記動作情報に基づいて、前記所定のロボット毎に所定の条件を超える特徴的な動作を特徴動作情報として特定する特徴動作情報特定手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハードウェアを含むロボットの癖を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2に示したハードウェア構成を備えるサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムについて説明する。
図1は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムを示す図である。
【0011】
図1の情報処理システムは、サーバ1と、ハードウェア関連情報提供デバイス2と、ロボット3と、ユーザ端末4とを含むように構成されている。
サーバ1、ハードウェア関連情報提供デバイス2、ロボット3、及びユーザ端末4は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。
なお、ネットワークNは、その形態は特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)、インターネット等を採用することができる。
【0012】
サーバ1は、例えばシステム管理者(図示せず)により管理される情報処理装置である。サーバ1は、ハードウェア関連情報提供デバイス2及びユーザ端末4と適宜通信をしながら、ロボット3のハードウェアと、それに憑依する癖とを関連付けて管理するための各種処理を実行する。
【0013】
ここで、ロボット3の「ハードウェア」とは、ロボット3が実世界に存在する場合、例えば、スキン、筐体、フェイスパーツ等を意味する。また、ロボット3がメタバースに存在する場合、ロボット3の「ハードウェア」とは、当該メタバース上に構成した「バーチャルハードウェア」を意味する。「バーチャルハードウェア」とは、当該メタバースにおいて「型番管理」又は「シリアル管理」等により管理するものをいう。
即ち、ロボットのハードウェアには、現実世界の機械機構で構成されるハードウェアの他、仮想現実世界のバーチャルハードウェア、つまりメタバース上に再現した電子化ロボットのハードウェアも含まれる。
【0014】
ハードウェア関連情報提供デバイス2は、例えば、RFIDリーダー、コードリーダ、カメラ、接触センサ、振動センサ、メタバース上の関連付け管理システム等から構成される。
ハードウェア関連情報提供デバイス2は、ロボット3を構成するハードウェアに関する情報を、ハードウェア関連情報として取得して、ネットワークNを介してサーバ1に提供する。具体的には例えば、スキンの識別子、筐体の識別子、フェイスパーツの識別子、筐体の回転・振動、メタバース上のバーチャルハードウェア識別子等が、ハードウェア関連情報としてハードウェア関連情報提供デバイス2からサーバ1に提供される。
【0015】
これにより、サーバ1は、ハードウェア関連情報に基づいて、ロボット3の癖を設定し、ロボット3のハードウェアと癖とを関連付けて管理することができるようになる。例えばサーバ1は、ボディパーツの動き範囲を制限したり、発音を変えたりすることで、ロボット3に癖を設定することができる。その結果として、ロボット3について外形から認識できるハードウェアの特徴と癖とが一致することで、ユーザUは、自身のロボット3であると認識してロボット3と安心して対話して愛着を醸成することができる。
【0016】
ここで、ハードウェア関連情報提供デバイス2は、1つに限定されず、複数存在する場合もある。換言すると、ハードウェア関連情報提供デバイス2からサーバ1に提供されるハードウェア関連情報は、1つに限定されず、複数の場合もある。
この場合、サーバ1は、複数のハードウェア関連情報の組み合わせによるロボット3の癖を生成することができる。即ち、サーバ1は、複数のハードウェア関連情報を取得したことに応じて、当該複数のハードウェア関連情報の組み合わせに基づいて、ロボット3の癖を設定することができる。
例えば、サーバ1は、特定の動きに夫々関連付けられた複数のハードウェア関連情報を取得した場合に、当該特定の動きを設定したものを、ロボット3の癖として設定することができる。これにより、ハードウェア関連情報の組み合わせの数だけロボット3の癖として設定して癖を管理することができる。
【0017】
ユーザ端末4は、例えば、ネットワーク通信機能を搭載するカメラや撮像機能やネットワーク通信機能を搭載する携帯情報端末等の情報処理装置から構成されている。具体的には、スマートフォン、タブレット端末、カメラが内蔵又は外部接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等である。
ユーザ端末4は、ユーザUの操作により特徴動作情報として入力されたロボット3の癖がネットワークNを介してサーバ1に提供する。
【0018】
これにより、サーバ1は、ハードウェア関連情報に関連付けて特徴動作情報をロボット3に設定することで、ロボット3に味のある動作(癖)をさせることができると共に、ロボット3の特徴動作情報(癖)を管理することができる。
その結果、ロボット3のオーナたるユーザUが好きだった対象(例えば亡くなった旦那様やペット等)の癖をロボット3に設定して、旦那様やペットと同じ癖でロボット3を動作させることは勿論、癖を他のロボット3に引き継がせる等といった癖の管理ができるようになる。
【0019】
例えば、(識別子は異なるが)同じ種類のハードウェアで構成される複数のロボット3が存在する場合であっても、特定のユーザUがオーナである特定のロボット3については、当該特定のユーザUとの間で分かる癖を管理することができ、当該特定のロボット3に対する特定のユーザUの愛着を喚起する。
具体的には、例えば親の第1のロボット3とその子の第2のロボット3が存在する場合であって、親の第1のロボット3に設定されている癖を子供の第2のロボット3に引き継がせることができる。
また、子の第2のロボット3に引き継がせた親の第1のロボット3の癖をユーザUが矯正して直すことで、ユーザUが喜びや生きがいを感じられるようになる。
このように、サーバ1は、ユーザ端末4から提供されるユーザ特定情報を取得することで、ロボット個体に癖を設定することにとどまらず、第1のロボット3の癖を第2のロボット3へ引き継がせる等の癖の管理をすることができる。
【0020】
矯正業者端末5は、矯正業者により操作される情報処理装置であり、ロボット3の癖の矯正が可能である。矯正業者端末5は、ロボット3の例えば転び癖等の矯正の依頼(ユーザUからの依頼)をサーバ1を介して受け付け、矯正業者がその依頼に含まれる矯正情報に基づいて当該転び癖を矯正することができる。
【0021】
再現業者端末6は、再生業者により操作される情報処理装置であり、ロボット3の癖を再生することが可能である。再現業者端末6は、ロボットの例えば転び癖の再現の依頼(ユーザUからの依頼)をサーバ1を介して受け付け、再現業者がその依頼に含まれるロボット3の癖を別のロボット3で再現することができる。具体的には、例えば、親のロボット3の癖を子供のロボット3に引き継がせることができる。また、ハードウェアとして親の腕パーツを子供のロボットに付け替える(移植)による癖のコピー・再現を行うことができる。
【0022】
次に、
図2を用いて上述した情報処理システムを構成するサーバ1のハードウェア構成の一例について説明する。
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0023】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0024】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0025】
CPU11、ROM12及びRAM13はバス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0026】
出力部16は、液晶表示装置等のディスプレイやプリンタ、スピーカ等により構成され、各種情報が出力される。
入力部17は、例えばキーボード、マウス等の入力デバイスにより構成され、各種情報が入力される。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図1のハードウェア関連情報提供デバイス2、ロボット3、ユーザ端末4、矯正業者端末5、再現業者端末6等)との間で通信を行う。
【0027】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
なお、サーバ1のハードウェア構成について説明したが、他の情報処理装置(ハードウェア関連情報提供デバイス2、ロボット3、ユーザ端末4、矯正業者端末5、再現業者端末6等)のハードウェアもサーバ1と同様であり、夫々のハードウェア構成の説明は省力する。
【0028】
次に、
図3を参照して、
図2のハードウェア構成を有するサーバの機能的構成について説明する。
図3は、
図2のハードウェア構成を有するサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0029】
図3に示すように、サーバ1のCPU11においては、動作情報取得部51と、特徴動作情報特定部52と、禁止動作管理部53と、動作矯正情報出力部54と、動作再現情報出力部55と、ハードウェア関連情報取得部56と、が機能する。
サーバ1の記憶部18の一領域には、動作情報DB61、特徴動作情報DB62、禁止動作情報DB63、動作矯正情報DB64、動作再現情報DB65、ハードウェア関連情報DB66等のデータベースが設けられている。
【0030】
動作情報取得部51は、所定のロボット3の動作にかかる動作情報(ロボット3の動きの情報)を取得する。
動作情報取得部51は、ユーザ端末4又はロボット3からネットワークNを介して受信されるロボット3の動作にかかる動作情報を取得し、動作情報DB61に記憶する。
【0031】
特徴動作情報特定部52は、複数のロボット3の動作情報(ロボット3の動きの情報)に基づいて、ロボット3毎に所定の条件(例えばあるロボット3の膝の関節を曲げる角度が規定の角度Xを含む±XX度の範囲以内である等)を超える特徴的な動作を特徴動作情報(ロボットの癖)として特定する。
具体的には、特徴動作情報特定部52は、動作情報DB61に記憶されている複数のロボット3を読み出し、当該動作情報(ロボット3の動き)に基づいて、ロボット3毎に所定の条件(例えば既定の角度X度を含む±XX度の範囲の膝の関節の曲げ動作)を超える特徴的な動作(膝の関節の曲げ角が角度X1度乃至X2度の範囲)を特徴動作情報(そのロボット3固有の癖)として特定し、当該特徴動作情報を特徴動作情報DB62に記憶する。
ここで示す角度X1度乃至X2度の範囲は、ロボット3が正常に動作しているものと許容される許容範囲(既定の角度X度を含む±XX度の範囲よりも広い範囲)であり、この許容範囲を外れる角度でのロボット3の挙動は、異常(危険又は禁止)として判定される。
なお、癖とは、ロボット3の個体夫々に偏った行動として設定される個性的な動き、又は個々のロボットの製造当初からの動き(性能)のばらつき(個性)である。
【0032】
禁止動作管理部53は、動作情報に基づいて、特定の危険な動作(特定の禁止動作)に当たると判断した場合にロボット3の動作を制限する。
具体的には、禁止動作管理部53は、動作情報DB61に記憶されている動作情報(ロボット3の動きの情報)を読み出し、当該動作情報と予め設定されている特定の禁止動作(例えば膝の関節の曲げ動作の角度が角度X2度を超える動き等)を照合し、特定の危険な動作(特定の禁止動作)に当たると判断した場合にロボット3の動作を制限(例えば膝の関節の曲げ動作の角度を角度X2度以内に制限したり、膝を動かさせない等)する。
なお、禁止動作を判断するにあたり、動作そのものだけでなく、禁止動作の条件を設定し、ロボット3の動作が禁止動作の条件に該当するか否かによって、特定の危険な動作(特定の禁止動作)に当たるか否かを判断してもよい。
このように、ロボットの個性として捉える範囲を超えて特定の危険な動作を行うことがないように管理することで、ユーザが安心してロボットとふれあい、ユーザの愛着を醸成することができる。
【0033】
動作矯正情報出力部54は、ロボット3のユーザUから、特徴的な動作の矯正の依頼を受け付けたことに応じて、特徴的な動作を矯正するための矯正情報を出力する。
具体的には、動作矯正情報出力部54は、ユーザ端末4からのユーザUの、ロボット3に対する特徴的な動作(例えば膝の曲げ角度が大きすぎる等)の矯正依頼を受け付けた場合、当該矯正依頼を受け付けたことをトリガにして、特徴的な動作を矯正(例えば膝の曲げ角度を角度X1度乃至X2度の範囲内にするように調整等)するための矯正情報を出力する。
【0034】
動作再現情報出力部55は、ロボット3のユーザUから、特徴的な動作の再現の依頼を受け付けたことに応じて、特徴動作情報に基づいて、ロボット3とは別のロボットに、特徴的な動作の少なくとも一部を再現するための動作再現情報を出力する。
具体的には、動作再現情報出力部55は、ユーザ端末4からのユーザUの、ロボット3に対する特徴的な動作(例えば腕の曲げ角度が一般のロボットよりも大きい癖等)の動作再現依頼を受け付けた場合、当該動作再現依頼を受け付けたことをトリガにして、特徴動作情報(親のロボット3の癖)に基づいて、例えば親のロボット3の腕パーツを子供のロボット3に移植するための動作再現情報(親のロボット3の腕パーツの動きの癖を子供ロボット3に移植するための情報)を出力する。
これにより、例えば転び癖の再現の依頼を受け付けて、親のロボット3の癖を子供のロボット3で再現することができる。具体的には、例えば、親のロボット3の癖を子供のロボット3に引き継がせることができる。
【0035】
ハードウェア関連情報取得部56は、例えば、RFIDリーダー、コードリーダー、カメラ、接触センサー、メタバース上の関連付け管理システム等であり、ロボット3を構成するハードウェアに関するハードウェア関連情報を取得する。
具体的には、ロボット3を構成するハードウェアに関するハードウェア関連情報を、ハードウェア関連情報提供デバイス2から取得して、ハードウェア関連情報DB66に格納する。
ハードウェア関連情報は、例えばロボット3のボディのスキンの識別子、ボディの識別子、フェイスパーツの識別子、メタバース上のバーチャルハードウェア識別子等を含む。
これにより、ハードウェアとして親の腕パーツを子供に付け替えるような移植による癖のコピー・再現をすることができる。
この場合、動作再現情報出力部55は、ハードウェア関連情報取得部56により取得されたハードウェア関連情報により特定された特定のハードウェアがロボット3から別のロボットに移植されたことに応じて動作再現情報を出力する。
これにより、特定のハードウェアが別のロボットに移植されたことに応じて所定のロボットの癖を別のロボットで再現することができる。
【0036】
このようにこの実施形態のサーバ1の機能的構成によれば、ロボット3の動作にかかる動作情報(ロボット3の動きの情報)を取得し、ロボット3の動きの情報に基づいて、ロボット3毎に所定の条件(例えば膝の関節を曲げる角度が既定の角度X度を含む±XX度の範囲以内である等)を超える特徴的な動作を特徴動作情報(ロボット3の癖の範囲)として特定し、特定したロボット3の癖の範囲に基づいて、ロボット3毎に所定の条件(例えば既定の角度X度を含む±XX度の範囲)を超える特徴的な動作を特徴動作情報(そのロボット3の固有の癖)として特定することで、ハードウェアを含むロボットの癖を管理することができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0038】
例えば、
図3に示した機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図3の例に限定されない。
【0039】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図3の例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0040】
例えば上述の実施形態では、ロボットとしては、現実世界のロボット3、つまりハードウェアとして説明したが、ロボットは、メタバース上のバーチャルハードウェアであってもよく、メタバース上に再現した電子化ロボットもロボットに含まれる。
【0041】
上述の実施形態では、癖の移植を、親のロボットの腕パーツを子供のロボットに付け替える例をあげて説明したが、ここに示した例は一例であり、他のパーツであってもよく、また、パーツだけでなく、発声や動きの癖をプログラムの単位で移植してもよい。
【0042】
各機能ブロック及びデータベースの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0043】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0044】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明の一態様の情報処理装置(例えば
図1及び
図3のサーバ1、又は
図1のロボット3自体)は、
所定のロボット(例えば
図3のロボット3)の動作にかかる動作情報(ロボット3の動きの情報)を取得する動作情報取得手段(例えば
図3の動作情報取得部51)と、
複数の前記所定のロボット(例えば
図3のロボット3)の前記動作情報(ロボット3の動きの情報)に基づいて、前記所定のロボット(例えば
図3のロボット3)毎に所定の条件(通常の動き)を超える特徴的な動作(ロボット3の癖)を特徴動作情報として特定する特徴動作情報特定手段(例えば
図3の特徴動作情報特定部52)と、
を備えれば足りる。
【0045】
これにより、情報処理装置は、所定のロボット(例えば
図3のロボット3)の動作にかかる動作情報(ロボット3の動きの情報)を取得し、当該動作情報(ロボット3の動きの情報)に基づいて、所定のロボット毎に所定の条件を超える特徴的な動作(ロボットの癖)を特徴動作情報として特定することで、ハードウェア(メタバース上の「バーチャルハードウェア」を含む)を含むロボット(メタバース上に再現した「電子化ロボット」も含む)の癖を管理することができ、ユーザUは、癖のあるロボットとの行動や会話等でロボットに愛着を醸成することができる。
【0046】
ここで、前記動作情報(ロボット3の動きの情報)に基づいて、特定の禁止動作に当たると判断した場合に前記所定のロボット(例えば
図3のロボット3)の動作を制限する禁止動作管理手段(例えば
図3の禁止動作管理部53)、
をさらに備える、
ようにすることができる。
【0047】
前記所定のロボット(例えば
図3のロボット3)のユーザ(例えば
図3のユーザU)から、前記特徴的な動作(ロボットの癖)の矯正の依頼を受け付けたことに応じて、前記特徴的な動作(ロボットの癖)を矯正するための矯正情報を出力する動作矯正情報出力手段(例えば
図3の動作矯正情報部54)、
をさらに備える、
ようにすることができる。
【0048】
前記所定のロボット(例えば
図3のロボット3)のユーザ(例えば
図3のユーザU)から、前記特徴的な動作の再現の依頼を受け付けたことに応じて、前記特徴動作情報に基づいて、前記所定のロボット(例えば親のロボット3)とは別のロボット(例えば子供のロボット3)に、前記特徴的な動作の少なくとも一部を再現(引き継ぎ)するための動作再現情報を出力する動作再現情報出力手段(例えば
図3の動作再現情報出力部55)、
をさらに備える、
ようにすることができる。
【0049】
前記所定のロボット(例えば
図3のロボット3)を構成するハードウェアに関するハードウェア関連情報を取得するハードウェア関連情報取得手段(例えば
図3のハードウェア関連情報取得部56)をさらに備え、
前記動作再現情報出力手段(例えば
図3の動作再現情報出力部55)は、前記ハードウェア関連情報により特定された特定のハードウェアが前記所定のロボット(例えば親のロボット3)から別のロボット(例えば子供のロボット3)に移植されることに応じて前記動作再現情報を出力する、
ようにすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1・・・サーバ、2・・・ハードウェア関連情報提供デバイス、3・・・ロボット、4・・・ユーザ特定情報提供デバイス、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・出力部、17・・・入力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、51・・・動作情報取得部、52・・・特徴動作情報特定部、53・・・禁止動作管理部、54・・・動作矯正情報出力部、55・・・動作再現情報出力部、56・・・ハードウェア関連情報取得部、61・・・動作情報DB、62・・・特徴動作情報DB、63・・・禁止動作情報DB、64・・・動作矯正情報DB、65・・・動作再現情報DB、66・・・ハードウェア関連情報DB、N・・・ネットワーク