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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176053
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】飲料ボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 1/02 20060101AFI20241212BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20241212BHJP
A47J 43/27 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65D1/02 230
B65D23/00 A
A47J43/27
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094261
(22)【出願日】2023-06-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】514222662
【氏名又は名称】馬場 直弘
(71)【出願人】
【識別番号】522483024
【氏名又は名称】馬場 直幸
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】馬場 直弘
(72)【発明者】
【氏名】馬場 直幸
【テーマコード(参考)】
3E033
3E062
4B053
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA18
3E033CA20
3E033DA02
3E033DB01
3E033DD20
3E033DE20
3E033GA01
3E033GA02
3E062AA09
3E062AB02
3E062AC02
3E062BA20
3E062BB06
3E062BB09
4B053AA03
4B053CA30
(57)【要約】
【課題】食用液体と食用固形物とを混合した状態で食用固形物を破砕して、破砕された食用固形物を混合した食用液体を手軽に需要者が作成することができるペットボトルを提供する。
【解決手段】ペットボトルは、胴部、肩部、底部により形成される内部空間に食用液体及び食用固形物を収納できるペットボトル本体と、口部を水密に閉止できるキャップとを備え、ペットボトル本体の内側面部から内部空間に突出配置され、食用液体及び食用固形物が収納され、キャップが口部に装着されることにより口部を水密に閉止した状態でペットボトル本体を揺振させることにより食用固形物を破砕し、食用液体及び食用固形物を攪拌する攪拌部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体合成樹脂製であって、胴部と、胴部の上端部に形成された肩部と、前記肩部上方に突出形成された口部と、前記胴部の下端部に形成された底部を有し、前記胴部、前記肩部、前記底部により形成される内部空間に食用液体及び食用固形物を収納できるペットボトル本体と、前記口部に着脱可能に装着することにより前記口部を水密に閉止できるキャップとを備えるペットボトルであって、
前記ペットボトル本体の内側面部から前記内部空間に突出配置され、前記食用液体及び前記食用固形物が収納され、前記キャップが前記口部に装着されることにより前記口部を水密に閉止した状態で前記ペットボトル本体を揺振させることにより前記食用固形物を破砕し、前記食用液体及び前記食用固形物を攪拌する攪拌部を有することを特徴とするペットボトル。
【請求項2】
前記攪拌部は、前記肩部、前記胴部、前記キャップ又は前記底部のいずれかの内側面部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のペットボトル。
【請求項3】
前記攪拌部は、前記底部から前記内部空間へ突出する攪拌片部により形成されることを特徴とする請求項2記載のペットボトル。
【請求項4】
前記攪拌片部は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片により形成されることを特徴とする請求項3記載のペットボトル。
【請求項5】
前記攪拌片部は、前記底部の内側面部に一体成形されていることを特徴とする請求項4記載のペットボトル。
【請求項6】
前記ペットボトル本体は全体円筒形状に形成されると共に、前記底部には、前記底部内方へ突出する複数の突出部を有するペタロイド部が形成され、前記攪拌片は前記突出部が内方へ延伸されて形成されていることを特徴とする請求項5記載のペットボトル。
【請求項7】
前記攪拌片部は、前記ペットボトル本体とは別個に構成され、前記底部に固定されていることを特徴とする請求項4記載のペットボトル。
【請求項8】
前記攪拌片は、金属製であることを特徴とする請求項7記載のペットボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が手で把持して揺振することにより食用液体と共に収納された食用固形物を破砕して攪拌し、破砕された食用固形物を混合した食用液体を作ることができるペットボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ジュース等の各種飲料が製品として製造、販売されているが、果実の果肉を粒状に破砕したものや、細切りした果実を果汁に加えて飲料にしたものは、食感があることから単なる液体のみのジュースよりも需要者に好まれる傾向にある。
従って、このような果実の果肉を粒状に破砕してジュース等の液体飲料に混合した状態でペットボトルや紙パックに収納した製品が飲料水メーカーから広く製造、販売されている。
【0003】
液体飲料と固形物とを攪拌して上記のような飲料を製造する技術として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、液体飲料水と果実とを攪拌して製造した果実入り飲料に関しては、より果実の食感や手作り感が求められており、この種の果実入りジュース等の飲料を需要者が簡易に製造できることが可能になれば、一般の需要者にとって非常に好ましい。
【0006】
即ち、各種ジュース、牛乳等の液体飲料に、新鮮な果物を小片に切断して液体飲料に入れ、ジューサー、ミキサーを使用した場合のように果物を破砕して液体飲料と混合させて小粒の果実入りのジュースや各種シェークを、ジューサーやミキサーを使用することなく簡易に、一般の需要者が手作りで作成できれば便利である。また、この種の手作りの果実入り飲料を、アウトドアでも手軽に楽しみたい、という要請もある。
また、需要者が飲料ボトルを手に取った際に、多数の果実の小片が飲料ボトルの外部から視認された場合には非常に新鮮な感覚が得られることから、ボトル入り飲料としての商品価値を高めることにつながる。
さらに、上記飲料の他、液体と固形物とを攪拌してなる調味料やドレッシングを簡易に製造することができれば需要者にとって便利である。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、食用液体と食用固形物とを混合した状態で食用固形物を破砕して、破砕された食用固形物を混合した食用液体を手軽に需要者が作成することができるペットボトルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明にあっては、全体合成樹脂製であって、胴部と、胴部の上端部に形成された肩部と、前記肩部上方に突出形成された口部と、前記胴部の下端部に形成された底部を有し、前記胴部、前記肩部、前記底部により形成される内部空間に食用液体及び食用固形物を収納できるペットボトル本体と、前記口部に着脱可能に装着することにより前記口部を水密に閉止できるキャップとを備えるペットボトルであって、前記ペットボトル本体の内側面部から前記内部空間に突出配置され、前記食用液体及び前記食用固形物が収納され、前記キャップが前記口部に装着されることにより前記口部を水密に閉止した状態で前記ペットボトル本体を揺振させることにより前記食用固形物を破砕し、前記食用液体及び前記食用固形物を攪拌する攪拌部を有することを特徴とする。
【0009】
(2)また、本発明にあっては、前記攪拌部は、前記肩部、前記胴部、前記キャップ又は前記底部のいずれかの内側面部に設けられていることを特徴とする。
【0010】
(3)また、本発明にあっては、前記攪拌部は、前記底部から前記内部空間へ突出する攪拌片部により形成されることを特徴とする。
【0011】
(4)また、本発明にあっては、前記攪拌片部は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片により形成されることを特徴とする。
【0012】
(5)また、本発明にあっては、前記攪拌片部は、前記底部の内側面部に一体成形されていることを特徴とする。
【0013】
(6)また、本発明にあっては、前記ペットボトル本体は全体円筒形状に形成されると共に、前記底部には、前記底部内方へ突出する複数の突出部を有するペタロイド部が形成され、前記攪拌片は前記突出部が内方へ延伸されて形成されていることを特徴とする。
【0014】
(7)また、本発明にあっては、前記攪拌片部は、前記ペットボトル本体とは別個に構成され、前記底部に固定されていることを特徴とする。
【0015】
(8)また、本発明にあっては、前記攪拌片は、金属製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記(1)のような特徴を有する本発明によれば、ペットボトル本体の内側面部から内部空間に突出配置された攪拌部を有することから、食用液体及び食用固形物が収納され、キャップが口部に装着されることにより口部を水密に閉止した状態でペットボトル本体を揺振させることにより食用固形物を破砕し、食用液体及び食用固形物を攪拌することが可能となる。
その結果、食用液体と食用固形物とを混合した状態で食用固形物を破砕して、破砕された食用固形物を混合した食用液体を、ジューサーやミキサーを使用することなく、手軽に需要者が作成することが可能となる。
また、需要者が飲料ボトルを手に取った際に、攪拌部により破砕された果実の小片が飲料ボトルの外部から視認された場合には非常に新鮮な感覚が得られることから、ボトル入り飲料としての商品価値を高めることができる。
さらに、果実片入りのジュースやシェークの場合、商品陳列時には、飲料ボトル内にイチゴやブルーベリー等の小果実が丸ごと収納された状態で陳列できることから、需要者に対して商品としてのボトル入りジュース、各種シェークに従来にない新鮮な感覚を与えることができ、購買意欲を増進させ、需要を喚起することが可能となる。
また、本発明品を購入した需要者は、自分で果実を破砕して、果実の小片が入ったジュース、各種シェーク等を作成する、という楽しみを得られる上に、自分の好みに合わせて破砕の度合いをコントロールでき、味の変化を楽しむことができる。その結果、ボトル入り飲料としての商品価値をさらに高めることが出来る。
【0017】
また、上記(2)のような特徴を有する本発明によれば、攪拌部が、肩部、胴部、キャップ又は底部のいずれかの内側面部に設けられていることから、より一層食用固形物を破砕し、食用液体及び食用固形物を攪拌することが容易となる。
【0018】
また、上記(3)のような特徴を有する本発明によれば、攪拌部は、底部から内部空間へ突出する攪拌片部により形成されることから、ペットボトル本体を揺振させることにより食用固形物が破砕され、食用液体及び食用固形物を攪拌することが容易となる。
【0019】
また、上記(4)のような特徴を有する本発明によれば、攪拌片部は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片により形成されることから、食用固形物の破砕や、食用液体及び食用固形物の攪拌にムラが生じ難くなり、均一に、かつ効率よく破砕及び攪拌することが可能となる。
【0020】
また、上記(5)のような特徴を有する本発明によれば、攪拌片部は、底部の内側面部に一体成形されていることから、ペットボトル本体の素材を利用して攪拌片部を形成することが可能となり、攪拌片部を形成し易くなる。
【0021】
また、上記(6)のような特徴を有する本発明によれば、攪拌片は、ペタロイド部における底部内方へ突出する複数の突出部が内方へ延伸されて形成されることから、ペットボトルの製造過程において、ペットボトル本体の一部を利用して攪拌片を形成することが可能となり、攪拌片を形成し易くなる。
【0022】
また、上記(7)のような特徴を有する本発明によれば、攪拌片部が、ペットボトル本体とは別個に構成され、底部に固定されていることから、攪拌片部がペットボトルの製造過程において一体成型される場合とは異なり、より所望の形状、構造の攪拌片部を設けることが可能となる。
【0023】
また、上記(8)のような特徴を有する本発明によれば、攪拌片は、金属製であることから、より一層食用固形物の破砕し、食用液体及び食用固形物の攪拌をし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの変形例1を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの変形例2を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの変形例3を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの他の変形例を示す図であり、(a)乃至(f)は、それぞれ、変形例4乃至9を示す側面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの製造方法を説明するための図であり、(a)はペットボトル本体を金型成形する前の状態を示す図、(b)はペットボトル本体が金型成形された状態を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係るペットボトルを示す側面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態における攪拌部の変形例を示す図を示す図であり、(a)乃至(c)は、それぞれ、攪拌部の変形例1乃至3を示す側面図、(d)、(e)は、それぞれ、攪拌部の変形例4、5を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、
図1乃至6を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るペットボトルについて、また、
図7及び
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係るペットボトルについて、それぞれ説明する。
【実施例0026】
以下、
図1乃至6を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に図示する本実施形態に係るペットボトル10は、全体合成樹脂製であって、全体円筒形状に形成されるペットボトル本体11と、ペットボトル本体11に着脱可能なキャップ12とを備えている。
【0027】
ペットボトル本体11は、胴部13と、胴部13の上端部に連続して形成された肩部14と、肩部14の上方に突出形成され上面が開口する口部15と、胴部13の下端部に連続して形成された底部16を有し、胴部13、肩部14、及び底部16により形成される内部空間17に食用液体及び食用固形物を収納可能に形成されている。キャップ12は、口部15に着脱可能に装着することにより口部15を水密に閉止可能に形成されている。
【0028】
ペットボトル本体11は、この内側面部18に設けられ内側面部18から内部空間17に突出するように配置される攪拌部19を有している。攪拌部19は、内部空間17に食用液体及び食用固形物が収納され、キャップ12が口部15に装着されることにより口部15を水密に閉止した状態で、ペットボトル本体11を揺振させることにより食用固形物を破砕し、食用液体及び食用固形物を攪拌可能に形成されている。なお、上記「揺振」は、本明細書では適宜「シェイク」と言い替えてもよいものとする。
【0029】
攪拌部19は、キャップ12、胴部13、肩部14、又は底部16のいずれかの内側面部18に設けられていてもよいが、本実施形態における攪拌部19は、底部16から内部空間17へ突出する攪拌片部20により形成されている。なお、上記「攪拌部」は、本実施形態における構成に限らず、後述する他の構成を採用してもよいものとする。
【0030】
攪拌片部20は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数(本実施形態では5つ)の攪拌片21により形成される。本実施形態における攪拌片部20は、底部16の内側面部18に一体成形されている。
【0031】
本実施形態におけるペットボトル本体11は、底部16には、内部空間17の内方へ向かって、上下方向において斜めであって、互いに中心方向に向かって突出する複数(本実施形態では5つ)の突出部23を有するペタロイド部22が形成されており、攪拌片21は、突出部23が内方へ延伸されて形成されている。
【0032】
本実施形態は、上記構成を備えているが、これに限らず、以下に説明する変形例1乃至9のような構成を備えるものであってもよいものとする(
図2乃至5参照)。なお、本実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
変形例1に係るペットボトル30(
図2参照)は、攪拌部19として、本実施形態における攪拌片部20(
図1参照)に代えて、攪拌片部31を備える点を除いて、本実施形態と構成及び構造において同一である。
【0034】
変形例1における攪拌片部31は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数(本実施形態では5つ)の攪拌片32により形成される。攪拌片32は、前記実施の形態の場合と同様に、上下方向において斜めであって、互いに中心方向に向かって突出形成されており、
図2に図示するように、多数の歯部33が形成された鋸状の形状を有している。
【0035】
変形例2に係るペットボトル34(
図3参照)、及び変形例3に係るペットボトル39(
図4参照)は、底部35中央部において底部35の内方へ突出する、
図1及び
図2における実施の形態の場合よりも小径なペタロイド部36が形成されている点、攪拌部19として、攪拌片部37(
図3参照)、攪拌片部40(
図4参照)を備える点を除いて、本実施形態と基本的な構成及び構造において同一である。
【0036】
攪拌片部37(
図3参照)、攪拌片部40(
図4参照)は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、内部空間17において上下方向に沿って突出する複数(変形例2、3では6つ)の、側方略三角形状の、攪拌片38(
図3参照)、攪拌片41(
図4参照)により形成されている。
【0037】
その他、変形例2、3に代えて、ペットボトル43(変形例4)、ペットボトル44(変形例5)、ペットボトル45(変形例6)、ペットボトル46(変形例7)、ペットボトル47(変形例8)、ペットボトル48(変形例9)を採用してもよいものとする(
図5参照)。
ペットボトル43乃至48は、攪拌部19として、それぞれ、攪拌片部49乃至54(
図5参照)を備える点を除いて、変形例2、3と基本的な構成及び構造において同一である。
【0038】
攪拌片部49乃至54は、それぞれ、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、上下方向に沿って突出する複数の攪拌片55乃至60と、ペタロイド部36の中央部から上下方向に沿って突出し外面に多数の歯部67乃至72を有する攪拌片61乃至66により形成されている(
図5参照)。
攪拌片55乃至66は、ペタロイド部36の内方へ複数突出形成される突出部(図示せず)が内方へ延伸されて形成されている。
【0039】
つぎに、本実施形態に係るペットボトル10の製造方法について説明する。
まず、予め成形したプリフォーム80(ペットボトル本体11の原型)を加熱し、一対の金型81内にセットする(
図6(a)参照)。金型81の内面82には、ペタロイド部22の突出部23を形成すると共に攪拌片部20を形成可能な攪拌片部形成部83が形成されている。
【0040】
しかる後、プリフォーム80内にノズル84を挿入し(
図6(a)参照)、ノズル84にて高圧空気を注入することにより、プリフォーム80を膨張させる(
図6(b)の多数の矢印A参照)。プリフォーム80を膨張させるとペットボトル本体11として成形され、攪拌片部形成部83にて攪拌片部20が形成される(
図6(b)参照)。
【0041】
しかる後、ペットボトル本体11を冷却させ、金型81を矢印B方向に開き(
図6(b)参照)、ペットボトル本体11を取り出す。なお、キャップ12は別工程にて成形されるものとする。以上により、ペットボトル10の製造が完了する。
【0042】
以上の構成を有する本実施形態によれば、ペットボトル本体11の底部16、35において内側面部18から内部空間17に突出配置された攪拌部19を有することから、食用液体及び食用固形物が収納され、キャップ12が口部15に装着されることにより口部15を水密に閉止した状態でペットボトル本体11を揺振させることにより食用固形物を破砕し、食用液体及び食用固形物を攪拌することが可能となる。その結果、食用液体(例えば、ジュース又はオリーブオイル等)と食用固形物(各種果物又はハーブ等)とを混合した状態で食用固形物を破砕して、破砕された食用固形物を混合した食用液体を、ジューサー又はミキサ―を使用することなく、手軽に、屋外であっても、需要者自身が作成することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態によれば、攪拌部19が、底部16、35の内側面部18に設けられていることから、需要者がペットボトル本体11の胴部を把持して、ペットボトル本体11の軸方向又は径方向に振るってシェークすることにより、食用固形物を破砕し、食用液体及び食用固形物を攪拌することが容易となる。
なお、本実施の形態にあっては、攪拌部19が底部16、35に設けられた場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、肩部14、胴部13、又はキャップ12の内側面部側に設けられていてもよい。
キャップ12の内側面部側に設ける場合には、キャップの製造工程において攪拌部19を一体成型又は別個の部品により装着することが可能となるため、より複雑な形状、構成の攪拌部を形成することも可能となる。
【0044】
また、本実施形態によれば、攪拌部19は、底部16、35から内部空間17へ突出する攪拌片部20、31、37、40、49乃至54により形成されることから、ペットボトル本体11を揺振させることにより食用固形物が破砕され易くなり、食用液体及び食用固形物を攪拌することが、より一層容易となる。
【0045】
また、本実施形態によれば、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片21、32、38、41、55乃至66により形成されることから、食用固形物の破砕や、食用液体及び食用固形物の攪拌にムラが生じ難くなり、均一に破砕及び攪拌することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態本発明によれば、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54は、底部16、35の内側面部18に一体成形されていることから、ペットボトル本体11の素材を利用して攪拌片部20、31、37、40、49乃至54を形成することが可能となり、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54を形成し易くなる。
【0047】
また、本実施形態によれば、攪拌片21、32、38、41、55乃至66は、ペタロイド部22、36における底部16内方へ突出する複数の突出部23が内方へ延伸されて形成されることから、ペットボトル本体11の一部を利用して攪拌片21、32、38、41、55乃至66を形成することが可能となり、攪拌片21、32、38、41、55乃至66を形成し易くなる。
【実施例0048】
本発明に係るペットボトルは、第1の実施形態の他、下記の第2の実施形態を採用してもよいものとする。
以下、
図7及び
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0049】
図7に図示する本実施形態に係るペットボトル90は、第1の実施形態における攪拌部19(
図1参照)に代えて、攪拌部91を備える点を除いて、第1の実施形態と基本的な構成及び構造において同一である。
【0050】
攪拌部91は、ペットボトル本体11とは別個に構成され、底部16の内側面部18に固定されている。なお、
図7に図示するペットボトル本体11の底部16はペタロイド部が省略されているが、これに限られず、ペタロイド部に設けられていてもよい。
【0051】
攪拌部91は、底部16に固定される基部92と、基部92の上端部に連続する攪拌片部93とを備えている。攪拌片部93は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の略垂直上下方向に沿ってそれぞれ突出する、側方略鋭角の2本の三角形状を有する金属製の攪拌片94により形成されている。
【0052】
本実施形態における攪拌部91は、上記構成を備えているが、これに限らず、以下に説明する変形例1乃至5のような構成を備えるものであってもよいものとする(
図8参照)。なお、本実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
変形例1乃至5に係る攪拌部95乃至99は、攪拌片部93(
図7参照)に代えて、攪拌片105乃至111にて形成される攪拌片部100乃至104を備える点を除いて、本実施形態と構成及び構造において同一である。
【0054】
変形例1における攪拌片部100は、斜め上方向に沿って突出する攪拌片105と斜め下方向に沿って突出する攪拌片105とが同様の形状に形成されているが(
図8(a)参照)、変形例2、3における攪拌片部101、102のように、上方向に沿って突出する攪拌片106、108と、下方向に沿って突出する攪拌片107、109とが異なる形状に形成されていてもよいものとする(
図8(b)、(c)参照)。
また、変形例4、5における攪拌片部103、104のように、所望の攪拌片110、111に多数の歯部112、113を適宜設けるような構成であってもよいものとする(
図8(d)、(e)参照)。
このように多数の歯部112、113が設けられた攪拌片110、111が設けられていた場合には、使用される果実、野菜等を破砕しやすくなり、より効率的にジュース、オリーブオイル、ドレッシング及び、牛乳、豆乳等の乳飲料と攪拌混合することが可能となる。
【0055】
なお、攪拌部100乃至104の底部16への固定は、図示を省略するが、例えば、金型を用いたペットボトル本体11の成形時に口部15から攪拌部100乃至104を挿入し、ペットボトル本体11の底部16に後付けにより固定することにより行われる。
【0056】
以上の構成を有する本実施形態によれば、第1の実施形態同様、食用液体と食用固形物とを混合した状態で食用固形物を破砕して、破砕された食用固形物を混合した食用液体を手軽に需要者が作成することが可能となる他、下記のような効果を奏する。
【0057】
すなわち、本実施形態によれば、攪拌片部93、100乃至104が、ペットボトル本体11とは別個に構成され、底部16に固定されていることから、より所望の形状、構造の攪拌片部93、100乃至104を設けることが可能となる。
【0058】
また、本実施形態によれば、攪拌片94、105乃至111は、金属製であることから、より一層食用固形物の破砕し、食用液体及び食用固形物の攪拌をし易くなる。
なお、上記実施の形態にあっては、攪拌片94、105乃至111は、金属製である場合を例に説明したがこれに限定されず、金属と同様の硬度を有する素材、例えば、セラミックス等であってもよい。
【0059】
なお、上記実施形態に記載した構成に関しては、本発明の範囲内において適宜の変更が可能であり、上記各実施形態の構成には限定されない。
【符号の説明】
【0060】
10、30、34、39、43乃至48、90…ペットボトル
11…ペットボトル本体
12…キャップ
13…胴部
14…肩部
15…口部
16、35…底部
17…内部空間
18、42…内側面部
19、91、95乃至99…攪拌部
20、31、37、40、49乃至54、93、100乃至104…攪拌片部
21、32、38、41、55乃至66、94、105乃至111…攪拌片
22、36…ペタロイド部
23…突出部
33、67乃至72、112、113…歯部
80…プリフォーム
81…金型
82…内面
83…攪拌片部形成部
84…ノズル
92…基部
【手続補正書】
【提出日】2023-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体合成樹脂製であって、胴部と、胴部の上端部に形成された肩部と、前記肩部上方に突出形成された口部と、前記胴部の下端部に形成された底部を有し、前記胴部、前記肩部、前記底部により形成される内部空間に食用液体及び食用果実を収納できるペットボトル本体と、前記口部に着脱可能に装着することにより前記口部を水密に閉止できるキャップとを備えるペットボトルであって、
前記ペットボトル本体の前記底部から前記内部空間に突出配置され、前記食用液体及び前記食用果実が収納され、前記キャップが前記口部に装着されることにより前記口部を水密に閉止した状態で前記ペットボトル本体を揺振させることにより前記食用果実を破砕し、前記食用液体及び前記食用果実を攪拌する攪拌部を有し、
前記攪拌部は、前記底部から、ペットボトル本体上方又は内方へ向けて突出するように、互いに所定間隔を置いて立設された複数の攪拌片部を備え、ペットボトル本体が揺振されることにより前記攪拌片部が記食用果実を破砕すると共に食用液体と混合され、破砕された食用果実と混合された食用液体を飲むことができるように構成されたことを特徴とするペットボトル。
【請求項2】
前記攪拌片部は、前記底部の内側面部に一体成形されていることを特徴とする請求項1記載のペットボトル。
【請求項3】
前記ペットボトル本体は全体円筒形状に形成されると共に、前記底部には、前記底部内方へ突出する複数の突出部を有するペタロイド部が形成され、前記攪拌片は前記突出部が内方へ延伸されて形成されていることを特徴とする請求項1記載のペットボトル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が手で把持して揺振することにより食用液体と共に収納された食用果実を破砕して攪拌し、破砕された食用果実を混合した食用液体を作ることができるペットボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ジュース等の各種飲料が製品として製造、販売されているが、果実の果肉を粒状に破砕したものや、細切りした果実を果汁に加えて飲料にしたものは、食感があることから単なる液体のみのジュースよりも需要者に好まれる傾向にある。
従って、このような果実の果肉を粒状に破砕してジュース等の液体飲料に混合した状態でペットボトルや紙パックに収納した製品が飲料水メーカーから広く製造、販売されている。
【0003】
液体飲料と固形物とを攪拌して上記のような飲料を製造する技術として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、液体飲料水と果実とを攪拌して製造した果実入り飲料に関しては、より果実の食感や手作り感が求められており、この種の果実入りジュース等の飲料を需要者が簡易に製造できることが可能になれば、一般の需要者にとって非常に好ましい。
【0006】
即ち、各種ジュース、牛乳等の液体飲料に、新鮮な果物を小片に切断して液体飲料に入れ、ジューサー、ミキサーを使用した場合のように果物を破砕して液体飲料と混合させて小粒の果実入りのジュースや各種シェークを、ジューサーやミキサーを使用することなく簡易に、一般の需要者が手作りで作成できれば便利である。また、この種の手作りの果実入り飲料を、アウトドアでも手軽に楽しみたい、という要請もある。
また、需要者が飲料ボトルを手に取った際に、多数の果実の小片が飲料ボトルの外部から視認された場合には非常に新鮮な感覚が得られることから、ボトル入り飲料としての商品価値を高めることにつながる。
さらに、上記飲料の他、液体と固形物とを攪拌してなる調味料やドレッシングを簡易に製造することができれば需要者にとって便利である。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、食用液体と食用果実とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を手軽に需要者が作成することができるペットボトルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明にあっては、全体合成樹脂製であって、胴部と、胴部の上端部に形成された肩部と、前記肩部上方に突出形成された口部と、前記胴部の下端部に形成された底部を有し、前記胴部、前記肩部、前記底部により形成される内部空間に食用液体及び食用果実を収納できるペットボトル本体と、前記口部に着脱可能に装着することにより前記口部を水密に閉止できるキャップとを備えるペットボトルであって、前記ペットボトル本体の前記底部から前記内部空間に突出配置され、前記食用液体及び前記食用果実が収納され、前記キャップが前記口部に装着されることにより前記口部を水密に閉止した状態で前記ペットボトル本体を揺振させることにより前記食用果実を破砕し、前記食用液体及び前記食用果実を攪拌する攪拌部を有し、前記攪拌部は、前記底部から、ペットボトル本体上方又は内方へ向けて突出するように、互いに所定間隔を置いて立設された複数の攪拌片を備え、ペットボトル本体が揺振されることにより前記攪拌片部が記食用果実を破砕すると共に食用液体と混合され、破砕された食用果実と混合された食用液体を飲むことができるように構成されたことを特徴とするペットボトルである。
【0009】
請求項2記載の発明にあっては、前記攪拌片部は、前記底部の内側面部に一体成形されていることを特徴とする請求項1記載のペットボトルである。
【0010】
請求項3記載の発明にあっては、前記ペットボトル本体は全体円筒形状に形成されると共に、前記底部には、前記底部内方へ突出する複数の突出部を有するペタロイド部が形成され、前記攪拌片は前記突出部が内方へ延伸されて形成されていることを特徴とする請求項1記載のペットボトルである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の本発明によれば、ペットボトル本体の内側面部から内部空間に突出配置された攪拌部を有することから、食用液体及び食用果実が収納され、キャップが口部に装着されることにより口部を水密に閉止した状態でペットボトル本体を揺振させることにより食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが可能となる。
その結果、食用液体と食用果実とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を、ジューサーやミキサーを使用することなく、手軽に需要者が作成することが可能となる。
また、需要者が飲料ボトルを手に取った際に、攪拌部により破砕された果実の小片が飲料ボトルの外部から視認された場合には非常に新鮮な感覚が得られることから、ボトル入り飲料としての商品価値を高めることができる。
さらに、果実片入りのジュースやシェークの場合、商品陳列時には、飲料ボトル内にイチゴやブルーベリー等の小果実が丸ごと収納された状態で陳列できることから、需要者に対して商品としてのボトル入りジュース、各種シェークに従来にない新鮮な感覚を与えることができ、購買意欲を増進させ、需要を喚起することが可能となる。
また、本発明品を購入した需要者は、自分で果実を破砕して、果実の小片が入ったジュース、各種シェーク等を作成する、という楽しみを得られる上に、自分の好みに合わせて破砕の度合いをコントロールでき、味の変化を楽しむことができる。その結果、ボトル入り飲料としての商品価値をさらに高めることが出来る。
【0012】
また、本発明によれば、攪拌部が、底部の内側面部に設けられていることから、より一層食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが容易となる。
【0013】
また、本発明によれば、攪拌部は、前記底部から、ペットボトル本体上方又は内方へ向けて突出するように、互いに所定間隔を置いて立設された複数の攪拌片部により形成されることから、ペットボトル本体を揺振させることにより食用果実が破砕され、食用液体及び食用果実を攪拌することが容易となる。
【0014】
また、本発明によれば、攪拌片部は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片により形成されることから、食用果実の破砕や、食用液体及び食用果実の攪拌にムラが生じ難くなり、均一に、かつ効率よく破砕及び攪拌することが可能となる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、攪拌片部は、底部の内側面部に一体成形されていることから、ペットボトル本体の素材を利用して攪拌片部を形成することが可能となり、攪拌片部を形成し易くなる。
【0016】
また、請求項3記載の発明によれば、攪拌片は、ペタロイド部における底部内方へ突出する複数の突出部が内方へ延伸されて形成されることから、ペットボトルの製造過程において、ペットボトル本体の一部を利用して攪拌片を形成することが可能となり、攪拌片を形成し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの変形例1を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの変形例2を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの変形例3を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの他の変形例を示す図であり、(a)乃至(f)は、それぞれ、変形例4乃至9を示す側面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るペットボトルの製造方法を説明するための図であり、(a)はペットボトル本体を金型成形する前の状態を示す図、(b)はペットボトル本体が金型成形された状態を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係るペットボトルを示す側面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態における攪拌部の変形例を示す図を示す図であり、(a)乃至(c)は、それぞれ、攪拌部の変形例1乃至3を示す側面図、(d)、(e)は、それぞれ、攪拌部の変形例4、5を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1乃至6を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るペットボトルについて、また、
図7及び
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係るペットボトルについて、それぞれ説明する。
【実施例0019】
以下、
図1乃至6を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に図示する本実施形態に係るペットボトル10は、全体合成樹脂製であって、全体円筒形状に形成されるペットボトル本体11と、ペットボトル本体11に着脱可能なキャップ12とを備えている。
【0020】
ペットボトル本体11は、胴部13と、胴部13の上端部に連続して形成された肩部14と、肩部14の上方に突出形成され上面が開口する口部15と、胴部13の下端部に連続して形成された底部16を有し、胴部13、肩部14、及び底部16により形成される内部空間17に食用液体及び食用果実を収納可能に形成されている。キャップ12は、口部15に着脱可能に装着することにより口部15を水密に閉止可能に形成されている。
【0021】
ペットボトル本体11は、この内側面部18に設けられ内側面部18から内部空間17に突出するように配置される攪拌部19を有している。攪拌部19は、内部空間17に食用液体及び食用果実が収納され、キャップ12が口部15に装着されることにより口部15を水密に閉止した状態で、ペットボトル本体11を揺振させることにより食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌可能に形成されている。なお、上記「揺振」は、本明細書では適宜「シェイク」と言い替えてもよいものとする。
【0022】
攪拌部19は、キャップ12、胴部13、肩部14、又は底部16のいずれかの内側面部18に設けられていてもよいが、本実施形態における攪拌部19は、底部16から内部空間17へ突出する攪拌片部20により形成されている。なお、上記「攪拌部」は、本実施形態における構成に限らず、後述する他の構成を採用してもよいものとする。
【0023】
攪拌片部20は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数(本実施形態では5つ)の攪拌片21により形成される。本実施形態における攪拌片部20は、底部16の内側面部18に一体成形されている。
【0024】
本実施形態におけるペットボトル本体11は、底部16には、内部空間17の内方へ向かって、上下方向において斜めであって、互いに中心方向に向かって突出する複数(本実施形態では5つ)の突出部23を有するペタロイド部22が形成されており、攪拌片21は、突出部23が内方へ延伸されて形成されている。
【0025】
本実施形態は、上記構成を備えているが、これに限らず、以下に説明する変形例1乃至9のような構成を備えるものであってもよいものとする(
図2乃至5参照)。なお、本実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】
変形例1に係るペットボトル30(
図2参照)は、攪拌部19として、本実施形態における攪拌片部20(
図1参照)に代えて、攪拌片部31を備える点を除いて、本実施形態と構成及び構造において同一である。
【0027】
変形例1における攪拌片部31は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数(本実施形態では5つ)の攪拌片32により形成される。攪拌片32は、前記実施の形態の場合と同様に、上下方向において斜めであって、互いに中心方向に向かって突出形成されており、
図2に図示するように、多数の歯部33が形成された鋸状の形状を有している。
【0028】
変形例2に係るペットボトル34(
図3参照)、及び変形例3に係るペットボトル39(
図4参照)は、底部35中央部において底部35の内方へ突出する、
図1及び
図2における実施の形態の場合よりも小径なペタロイド部36が形成されている点、攪拌部19として、攪拌片部37(
図3参照)、攪拌片部40(
図4参照)を備える点を除いて、本実施形態と基本的な構成及び構造において同一である。
【0029】
攪拌片部37(
図3参照)、攪拌片部40(
図4参照)は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、内部空間17において上下方向に沿って突出する複数(変形例2、3では6つ)の、側方略三角形状の、攪拌片38(
図3参照)、攪拌片41(
図4参照)により形成されている。
【0030】
その他、変形例2、3に代えて、ペットボトル43(変形例4)、ペットボトル44(変形例5)、ペットボトル45(変形例6)、ペットボトル46(変形例7)、ペットボトル47(変形例8)、ペットボトル48(変形例9)を採用してもよいものとする(
図5参照)。
ペットボトル43乃至48は、攪拌部19として、それぞれ、攪拌片部49乃至54(
図5参照)を備える点を除いて、変形例2、3と基本的な構成及び構造において同一である。
【0031】
攪拌片部49乃至54は、それぞれ、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、上下方向に沿って突出する複数の攪拌片55乃至60と、ペタロイド部36の中央部から上下方向に沿って突出し外面に多数の歯部67乃至72を有する攪拌片61乃至66により形成されている(
図5参照)。
攪拌片55乃至66は、ペタロイド部36の内方へ複数突出形成される突出部(図示せず)が内方へ延伸されて形成されている。
【0032】
つぎに、本実施形態に係るペットボトル10の製造方法について説明する。
まず、予め成形したプリフォーム80(ペットボトル本体11の原型)を加熱し、一対の金型81内にセットする(
図6(a)参照)。金型81の内面82には、ペタロイド部22の突出部23を形成すると共に攪拌片部20を形成可能な攪拌片部形成部83が形成されている。
【0033】
しかる後、プリフォーム80内にノズル84を挿入し(
図6(a)参照)、ノズル84にて高圧空気を注入することにより、プリフォーム80を膨張させる(
図6(b)の多数の矢印A参照)。プリフォーム80を膨張させるとペットボトル本体11として成形され、攪拌片部形成部83にて攪拌片部20が形成される(
図6(b)参照)。
【0034】
しかる後、ペットボトル本体11を冷却させ、金型81を矢印B方向に開き(
図6(b)参照)、ペットボトル本体11を取り出す。なお、キャップ12は別工程にて成形されるものとする。以上により、ペットボトル10の製造が完了する。
【0035】
以上の構成を有する本実施形態によれば、ペットボトル本体11の底部16、35において内側面部18から内部空間17に突出配置された攪拌部19を有することから、食用液体及び食用果実が収納され、キャップ12が口部15に装着されることにより口部15を水密に閉止した状態でペットボトル本体11を揺振させることにより食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが可能となる。その結果、食用液体(例えば、ジュース又はオリーブオイル等)と食用果実(各種果物又はハーブ等)とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を、ジューサー又はミキサ―を使用することなく、手軽に、屋外であっても、需要者自身が作成することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態によれば、攪拌部19が、底部16、35の内側面部18に設けられていることから、需要者がペットボトル本体11の胴部を把持して、ペットボトル本体11の軸方向又は径方向に振るってシェークすることにより、食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが容易となる。
なお、本実施の形態にあっては、攪拌部19が底部16、35に設けられた場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、肩部14、胴部13、又はキャップ12の内側面部側に設けられていてもよい。
キャップ12の内側面部側に設ける場合には、キャップの製造工程において攪拌部19を一体成型又は別個の部品により装着することが可能となるため、より複雑な形状、構成の攪拌部を形成することも可能となる。
【0037】
また、本実施形態によれば、攪拌部19は、底部16、35から内部空間17へ突出する攪拌片部20、31、37、40、49乃至54により形成されることから、ペットボトル本体11を揺振させることにより食用果実が破砕され易くなり、食用液体及び食用果実を攪拌することが、より一層容易となる。
【0038】
また、本実施形態によれば、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片21、32、38、41、55乃至66により形成されることから、食用果実の破砕や、食用液体及び食用果実の攪拌にムラが生じ難くなり、均一に破砕及び攪拌することが可能となる。
【0039】
また、本実施形態本発明によれば、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54は、底部16、35の内側面部18に一体成形されていることから、ペットボトル本体11の素材を利用して攪拌片部20、31、37、40、49乃至54を形成することが可能となり、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54を形成し易くなる。
【0040】
また、本実施形態によれば、攪拌片21、32、38、41、55乃至66は、ペタロイド部22、36における底部16内方へ突出する複数の突出部23が内方へ延伸されて形成されることから、ペットボトル本体11の一部を利用して攪拌片21、32、38、41、55乃至66を形成することが可能となり、攪拌片21、32、38、41、55乃至66を形成し易くなる。
【実施例0041】
本発明に係るペットボトルは、第1の実施形態の他、下記の第2の実施形態を採用してもよいものとする。
以下、
図7及び
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0042】
図7に図示する本実施形態に係るペットボトル90は、第1の実施形態における攪拌部19(
図1参照)に代えて、攪拌部91を備える点を除いて、第1の実施形態と基本的な構成及び構造において同一である。
【0043】
攪拌部91は、ペットボトル本体11とは別個に構成され、底部16の内側面部18に固定されている。なお、
図7に図示するペットボトル本体11の底部16はペタロイド部が省略されているが、これに限られず、ペタロイド部に設けられていてもよい。
【0044】
攪拌部91は、底部16に固定される基部92と、基部92の上端部に連続する攪拌片部93とを備えている。攪拌片部93は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の略垂直上下方向に沿ってそれぞれ突出する、側方略鋭角の2本の三角形状を有する金属製の攪拌片94により形成されている。
【0045】
本実施形態における攪拌部91は、上記構成を備えているが、これに限らず、以下に説明する変形例1乃至5のような構成を備えるものであってもよいものとする(
図8参照)。なお、本実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】
変形例1乃至5に係る攪拌部95乃至99は、攪拌片部93(
図7参照)に代えて、攪拌片105乃至111にて形成される攪拌片部100乃至104を備える点を除いて、本実施形態と構成及び構造において同一である。
【0047】
変形例1における攪拌片部100は、斜め上方向に沿って突出する攪拌片105と斜め下方向に沿って突出する攪拌片105とが同様の形状に形成されているが(
図8(a)参照)、変形例2、3における攪拌片部101、102のように、上方向に沿って突出する攪拌片106、108と、下方向に沿って突出する攪拌片107、109とが異なる形状に形成されていてもよいものとする(
図8(b)、(c)参照)。
また、変形例4、5における攪拌片部103、104のように、所望の攪拌片110、111に多数の歯部112、113を適宜設けるような構成であってもよいものとする(
図8(d)、(e)参照)。
このように多数の歯部112、113が設けられた攪拌片110、111が設けられていた場合には、使用される果実、野菜等を破砕しやすくなり、より効率的にジュース、オリーブオイル、ドレッシング及び、牛乳、豆乳等の乳飲料と攪拌混合することが可能となる。
【0048】
なお、攪拌部100乃至104の底部16への固定は、図示を省略するが、例えば、金型を用いたペットボトル本体11の成形時に口部15から攪拌部100乃至104を挿入し、ペットボトル本体11の底部16に後付けにより固定することにより行われる。
【0049】
以上の構成を有する本実施形態によれば、第1の実施形態同様、食用液体と食用果実とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を手軽に需要者が作成することが可能となる他、下記のような効果を奏する。
【0050】
すなわち、本実施形態によれば、攪拌片部93、100乃至104が、ペットボトル本体11とは別個に構成され、底部16に固定されていることから、より所望の形状、構造の攪拌片部93、100乃至104を設けることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態によれば、攪拌片94、105乃至111は、金属製であることから、より一層食用果実の破砕し、食用液体及び食用果実の攪拌をし易くなる。
なお、上記実施の形態にあっては、攪拌片94、105乃至111は、金属製である場合を例に説明したがこれに限定されず、金属と同様の硬度を有する素材、例えば、セラミックス等であってもよい。
【0052】
なお、上記実施形態に記載した構成に関しては、本発明の範囲内において適宜の変更が可能であり、上記各実施形態の構成には限定されない。
【符号の説明】
【0053】
10、30、34、39、43乃至48、90…ペットボトル
11…ペットボトル本体
12…キャップ
13…胴部
14…肩部
15…口部
16、35…底部
17…内部空間
18、42…内側面部
19、91、95乃至99…攪拌部
20、31、37、40、49乃至54、93、100乃至104…攪拌片部
21、32、38、41、55乃至66、94、105乃至111…攪拌片
22、36…ペタロイド部
23…突出部
33、67乃至72、112、113…歯部
80…プリフォーム
81…金型
82…内面
83…攪拌片部形成部
84…ノズル
92…基部
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体合成樹脂製であって、胴部と、胴部の上端部に形成された肩部と、前記肩部上方に突出形成された口部と、前記胴部の下端部に形成された底部を有し、前記胴部、前記肩部、前記底部により形成される内部空間に食用液体及び食用果実を収納できるペットボトル本体と、前記口部に着脱可能に装着することにより前記口部を水密に閉止できるキャップとを備えるペットボトルからなる飲料ボトルであって、
前記ペットボトル本体の前記底部から前記内部空間に突出配置され、前記食用液体及び前記食用果実が収納され、前記キャップが前記口部に装着されることにより前記口部を水密に閉止した状態で前記ペットボトル本体を揺振させることにより前記食用果実を破砕し、前記食用液体及び前記食用果実を攪拌する攪拌部を有し、
前記攪拌部は、前記底部から、ペットボトル本体上方又は内方へ向けて突出するように、互いに所定間隔を置いて立設された複数の攪拌片部を備え、
前記ペットボトル本体は全体円筒状に形成されると共に、前記底部には、前記底部内方へ突出する複数の突出部を有するペタロイド部が形成され、前記攪拌片部は前記突出部が内方へ延伸して形成され、
前記攪拌片部は、前記ペットボトル本体の下部に設けられ、前記底部の円周方向に沿って互いに離間して所定間隔を置いて配置された複数の突出部を有し、前記突出部は互いに中心方向に向かって突出して配置され、先端に至るに従って先細り状に形成され、
ペットボトル本体が揺振されることにより前記攪拌片部が記食用果実を破砕すると共に食用液体と混合され、破砕された食用果実と混合された食用液体を飲むことができるように構成されたことを特徴とするペットボトルからなる飲料ボトル。
【請求項2】
前記攪拌片部は、前記底部の内側面部に一体成形されていることを特徴とする請求項1記載のペットボトルからなる飲料ボトル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が手で把持して揺振することにより食用液体と共に収納された食用果実を破砕して攪拌し、破砕された食用果実を混合した食用液体を作ることができるペットボトルからなる飲料ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ジュース等の各種飲料が製品として製造、販売されているが、果実の果肉を粒状に破砕したものや、細切りした果実を果汁に加えて飲料にしたものは、食感があることから単なる液体のみのジュースよりも需要者に好まれる傾向にある。
従って、このような果実の果肉を粒状に破砕してジュース等の液体飲料に混合した状態でペットボトルや紙パックに収納した製品が飲料水メーカーから広く製造、販売されている。
【0003】
液体飲料と固形物とを攪拌して上記のような飲料を製造する技術として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、液体飲料水と果実とを攪拌して製造した果実入り飲料に関しては、より果実の食感や手作り感が求められており、この種の果実入りジュース等の飲料を需要者が簡易に製造できることが可能になれば、一般の需要者にとって非常に好ましい。
【0006】
即ち、各種ジュース、牛乳等の液体飲料に、新鮮な果物を小片に切断して液体飲料に入れ、ジューサー、ミキサーを使用した場合のように果物を破砕して液体飲料と混合させて小粒の果実入りのジュースや各種シェークを、ジューサーやミキサーを使用することなく簡易に、一般の需要者が手作りで作成できれば便利である。また、この種の手作りの果実入り飲料を、アウトドアでも手軽に楽しみたい、という要請もある。
また、需要者が飲料ボトルを手に取った際に、多数の果実の小片が飲料ボトルの外部から視認された場合には非常に新鮮な感覚が得られることから、ボトル入り飲料としての商品価値を高めることにつながる。
さらに、上記飲料の他、液体と固形物とを攪拌してなる調味料やドレッシングを簡易に製造することができれば需要者にとって便利である。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、食用液体と食用果実とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を手軽に需要者が作成することができる飲料ボトルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明にあっては、全体合成樹脂製であって、胴部と、胴部の上端部に形成された肩部と、前記肩部上方に突出形成された口部と、前記胴部の下端部に形成された底部を有し、前記胴部、前記肩部、前記底部により形成される内部空間に食用液体及び食用果実を収納できるペットボトル本体と、前記口部に着脱可能に装着することにより前記口部を水密に閉止できるキャップとを備えるペットボトルからなる飲料ボトルであって、前記ペットボトル本体の前記底部から前記内部空間に突出配置され、前記食用液体及び前記食用果実が収納され、前記キャップが前記口部に装着されることにより前記口部を水密に閉止した状態で前記ペットボトル本体を揺振させることにより前記食用果実を破砕し、前記食用液体及び前記食用果実を攪拌する攪拌部を有し、前記攪拌部は、前記底部から、ペットボトル本体上方又は内方へ向けて突出するように、互いに所定間隔を置いて立設された複数の攪拌片部を備え、前記ペットボトル本体は全体円筒状に形成されると共に、前記底部には、前記底部内方へ突出する複数の突出部を有するペタロイド部が形成され、前記攪拌片部は前記突出部が内方へ延伸して形成され、前記攪拌片部は、前記ペットボトル本体の下部に設けられ、前記底部の円周方向に沿って互いに離間して所定間隔を置いて配置された複数の突出部を有し、前記突出部は互いに中心方向に向かって突出して配置され、先端に至るに従って先細り状に形成され、ペットボトル本体が揺振されることにより前記攪拌片部が記食用果実を破砕すると共に食用液体と混合され、破砕された食用果実と混合された食用液体を飲むことができるように構成されたことを特徴とするペットボトルからなる飲料ボトルである。
【0009】
請求項2記載の発明にあっては、前記攪拌片部は、前記底部の内側面部に一体成形されていることを特徴とする請求項1記載のペットボトルからなる飲料ボトルである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明によれば、ペットボトル本体の内側面部から内部空間に突出配置された攪拌部を有することから、食用液体及び食用果実が収納され、キャップが口部に装着されることにより口部を水密に閉止した状態でペットボトル本体を揺振させることにより食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが可能となる。
その結果、食用液体と食用果実とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を、ジューサーやミキサーを使用することなく、手軽に需要者が作成することが可能となる。
【0011】
また、需要者が飲料ボトルを手に取った際に、攪拌部により破砕された果実の小片が飲料ボトルの外部から視認された場合には非常に新鮮な感覚が得られることから、ボトル入り飲料としての商品価値を高めることができる。
さらに、果実片入りのジュースやシェークの場合、商品陳列時には、飲料ボトル内にイチゴやブルーベリー等の小果実が丸ごと収納された状態で陳列できることから、需要者に対して商品としてのボトル入りジュース、各種シェークに従来にない新鮮な感覚を与えることができ、購買意欲を増進させ、需要を喚起することが可能となる。
また、本発明品を購入した需要者は、自分で果実を破砕して、果実の小片が入ったジュース、各種シェーク等を作成する、という楽しみを得られる上に、自分の好みに合わせて破砕の度合いをコントロールでき、味の変化を楽しむことができる。その結果、ボトル入り飲料としての商品価値をさらに高めることが出来る。
【0012】
また、本発明によれば、攪拌部が、底部の内側面部に設けられていることから、より一層食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが容易となる。
【0013】
また、本発明によれば、攪拌部は、前記底部から、ペットボトル本体上方又は内方へ向けて突出するように、互いに所定間隔を置いて立設された複数の攪拌片部により形成されることから、ペットボトル本体を揺振させることにより食用果実が破砕され、食用液体及び食用果実を攪拌することが容易となる。
【0014】
また、本発明によれば、攪拌片部は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片により形成されることから、食用果実の破砕や、食用液体及び食用果実の攪拌にムラが生じ難くなり、均一に、かつ効率よく破砕及び攪拌することが可能となる。
また、請求項1記載の発明によれば、攪拌片は、ペタロイド部における底部内方へ突出する複数の突出部が内方へ延伸されて形成されることから、ペットボトルの製造過程において、ペットボトル本体の一部を利用して攪拌片を形成することが可能となり、攪拌片を形成し易くなる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、攪拌片部は、底部の内側面部に一体成形されていることから、ペットボトル本体の素材を利用して攪拌片部を形成することが可能となり、攪拌片部を形成し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルの変形例1を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルの変形例2を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルの変形例3を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルの他の変形例を示す図であり、(a)乃至(f)は、それぞれ、変形例4乃至9を示す側面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルの製造方法を説明するための図であり、(a)はペットボトル本体を金型成形する前の状態を示す図、(b)はペットボトル本体が金型成形された状態を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルを示す側面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態における攪拌部の変形例を示す図を示す図であり、(a)乃至(c)は、それぞれ、攪拌部の変形例1乃至3を示す側面図、(d)、(e)は、それぞれ、攪拌部の変形例4、5を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1乃至6を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトルについて、また、
図7及び
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係るペットボトルについて、それぞれ説明する。
【実施例0018】
以下、
図1乃至6を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に図示する本実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトル10は、全体合成樹脂製であって、全体円筒形状に形成されるペットボトル本体11と、ペットボトル本体11に着脱可能なキャップ12とを備えている。
【0019】
ペットボトル本体11は、胴部13と、胴部13の上端部に連続して形成された肩部14と、肩部14の上方に突出形成され上面が開口する口部15と、胴部13の下端部に連続して形成された底部16を有し、胴部13、肩部14、及び底部16により形成される内部空間17に食用液体及び食用果実を収納可能に形成されている。キャップ12は、口部15に着脱可能に装着することにより口部15を水密に閉止可能に形成されている。
【0020】
ペットボトル本体11は、この内側面部18に設けられ内側面部18から内部空間17に突出するように配置される攪拌部19を有している。攪拌部19は、内部空間17に食用液体及び食用果実が収納され、キャップ12が口部15に装着されることにより口部15を水密に閉止した状態で、ペットボトル本体11を揺振させることにより食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌可能に形成されている。なお、上記「揺振」は、本明細書では適宜「シェイク」と言い替えてもよいものとする。
【0021】
攪拌部19は、キャップ12、胴部13、肩部14、又は底部16のいずれかの内側面部18に設けられていてもよいが、本実施形態における攪拌部19は、底部16から内部空間17へ突出する攪拌片部20により形成されている。なお、上記「攪拌部」は、本実施形態における構成に限らず、後述する他の構成を採用してもよいものとする。
【0022】
攪拌片部20は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数(本実施形態では5つ)の攪拌片21により形成される。本実施形態における攪拌片部20は、底部16の内側面部18に一体成形されている。
【0023】
本実施形態におけるペットボトル本体11は、底部16には、内部空間17の内方へ向かって、上下方向において斜めであって、互いに中心方向に向かって突出する複数(本実施形態では5つ)の突出部23を有するペタロイド部22が形成されており、攪拌片21は、突出部23が内方へ延伸されて形成されている。
【0024】
本実施形態は、上記構成を備えているが、これに限らず、以下に説明する変形例1乃至9のような構成を備えるものであってもよいものとする(
図2乃至5参照)。なお、本実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0025】
変形例1に係るペットボトル
からなる飲料ボトル30(
図2参照)は、攪拌部19として、本実施形態における攪拌片部20(
図1参照)に代えて、攪拌片部31を備える点を除いて、本実施形態と構成及び構造において同一である。
【0026】
変形例1における攪拌片部31は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数(本実施形態では5つ)の攪拌片32により形成される。攪拌片32は、前記実施の形態の場合と同様に、上下方向において斜めであって、互いに中心方向に向かって突出形成されており、
図2に図示するように、多数の歯部33が形成された鋸状の形状を有している。
【0027】
変形例2に係るペットボトル
からなる飲料ボトル34(
図3参照)、及び変形例3に係るペットボトル
からなる飲料ボトル39(
図4参照)は、底部35中央部において底部35の内方へ突出する、
図1及び
図2における実施の形態の場合よりも小径なペタロイド部36が形成されている点、攪拌部19として、攪拌片部37(
図3参照)、攪拌片部40(
図4参照)を備える点を除いて、本実施形態と基本的な構成及び構造において同一である。
【0028】
攪拌片部37(
図3参照)、攪拌片部40(
図4参照)は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、内部空間17において上下方向に沿って突出する複数(変形例2、3では6つ)の、側方略三角形状の、攪拌片38(
図3参照)、攪拌片41(
図4参照)により形成されている。
【0029】
その他、変形例2、3に代えて、ペットボトル43(変形例4)、ペットボトル44(変形例5)、ペットボトル45(変形例6)、ペットボトル46(変形例7)、ペットボトル47(変形例8)、ペットボトル48(変形例9)を採用してもよいものとする(
図5参照)。
ペットボトル43乃至48は、攪拌部19として、それぞれ、攪拌片部49乃至54(
図5参照)を備える点を除いて、変形例2、3と基本的な構成及び構造において同一である。
【0030】
攪拌片部49乃至54は、それぞれ、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、上下方向に沿って突出する複数の攪拌片55乃至60と、ペタロイド部36の中央部から上下方向に沿って突出し外面に多数の歯部67乃至72を有する攪拌片61乃至66により形成されている(
図5参照)。
攪拌片55乃至66は、ペタロイド部36の内方へ複数突出形成される突出部(図示せず)が内方へ延伸されて形成されている。
【0031】
つぎに、本実施形態に係るペットボトル10の製造方法について説明する。
まず、予め成形したプリフォーム80(ペットボトル本体11の原型)を加熱し、一対の金型81内にセットする(
図6(a)参照)。金型81の内面82には、ペタロイド部22の突出部23を形成すると共に攪拌片部20を形成可能な攪拌片部形成部83が形成されている。
【0032】
しかる後、プリフォーム80内にノズル84を挿入し(
図6(a)参照)、ノズル84にて高圧空気を注入することにより、プリフォーム80を膨張させる(
図6(b)の多数の矢印A参照)。プリフォーム80を膨張させるとペットボトル本体11として成形され、攪拌片部形成部83にて攪拌片部20が形成される(
図6(b)参照)。
【0033】
しかる後、ペットボトル本体11を冷却させ、金型81を矢印B方向に開き(
図6(b)参照)、ペットボトル本体11を取り出す。なお、キャップ12は別工程にて成形されるものとする。以上により、ペットボトル10の製造が完了する。
【0034】
以上の構成を有する本実施形態によれば、ペットボトル本体11の底部16、35において内側面部18から内部空間17に突出配置された攪拌部19を有することから、食用液体及び食用果実が収納され、キャップ12が口部15に装着されることにより口部15を水密に閉止した状態でペットボトル本体11を揺振させることにより食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが可能となる。その結果、食用液体(例えば、ジュース又はオリーブオイル等)と食用果実(各種果物又はハーブ等)とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を、ジューサー又はミキサ―を使用することなく、手軽に、屋外であっても、需要者自身が作成することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態によれば、攪拌部19が、底部16、35の内側面部18に設けられていることから、需要者がペットボトル本体11の胴部を把持して、ペットボトル本体11の軸方向又は径方向に振るってシェークすることにより、食用果実を破砕し、食用液体及び食用果実を攪拌することが容易となる。
なお、本実施の形態にあっては、攪拌部19が底部16、35に設けられた場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、肩部14、胴部13、又はキャップ12の内側面部側に設けられていてもよい。
キャップ12の内側面部側に設ける場合には、キャップの製造工程において攪拌部19を一体成型又は別個の部品により装着することが可能となるため、より複雑な形状、構成の攪拌部を形成することも可能となる。
【0036】
また、本実施形態によれば、攪拌部19は、底部16、35から内部空間17へ突出する攪拌片部20、31、37、40、49乃至54により形成されることから、ペットボトル本体11を揺振させることにより食用果実が破砕され易くなり、食用液体及び食用果実を攪拌することが、より一層容易となる。
【0037】
また、本実施形態によれば、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の上下方向に沿って突出する複数の攪拌片21、32、38、41、55乃至66により形成されることから、食用果実の破砕や、食用液体及び食用果実の攪拌にムラが生じ難くなり、均一に破砕及び攪拌することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態本発明によれば、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54は、底部16、35の内側面部18に一体成形されていることから、ペットボトル本体11の素材を利用して攪拌片部20、31、37、40、49乃至54を形成することが可能となり、攪拌片部20、31、37、40、49乃至54を形成し易くなる。
【0039】
また、本実施形態によれば、攪拌片21、32、38、41、55乃至66は、ペタロイド部22、36における底部16内方へ突出する複数の突出部23が内方へ延伸されて形成されることから、ペットボトル本体11の一部を利用して攪拌片21、32、38、41、55乃至66を形成することが可能となり、攪拌片21、32、38、41、55乃至66を形成し易くなる。
【実施例0040】
本発明に係るペットボトルは、第1の実施形態の他、下記の第2の実施形態を採用してもよいものとする。
以下、
図7及び
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
図7に図示する本実施形態に係るペットボトル
からなる飲料ボトル90は、第1の実施形態における攪拌部19(
図1参照)に代えて、攪拌部91を備える点を除いて、第1の実施形態と基本的な構成及び構造において同一である。
【0042】
攪拌部91は、ペットボトル本体11とは別個に構成され、底部16の内側面部18に固定されている。なお、
図7に図示するペットボトル本体11の底部16はペタロイド部が省略されているが、これに限られず、ペタロイド部に設けられていてもよい。
【0043】
攪拌部91は、底部16に固定される基部92と、基部92の上端部に連続する攪拌片部93とを備えている。攪拌片部93は、互いに所定間隔をおいて配置されると共に、ペットボトル本体11の略垂直上下方向に沿ってそれぞれ突出する、側方略鋭角の2本の三角形状を有する金属製の攪拌片94により形成されている。
【0044】
本実施形態における攪拌部91は、上記構成を備えているが、これに限らず、以下に説明する変形例1乃至5のような構成を備えるものであってもよいものとする(
図8参照)。なお、本実施形態と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0045】
変形例1乃至5に係る攪拌部95乃至99は、攪拌片部93(
図7参照)に代えて、攪拌片105乃至111にて形成される攪拌片部100乃至104を備える点を除いて、本実施形態と構成及び構造において同一である。
【0046】
変形例1における攪拌片部100は、斜め上方向に沿って突出する攪拌片105と斜め下方向に沿って突出する攪拌片105とが同様の形状に形成されているが(
図8(a)参照)、変形例2、3における攪拌片部101、102のように、上方向に沿って突出する攪拌片106、108と、下方向に沿って突出する攪拌片107、109とが異なる形状に形成されていてもよいものとする(
図8(b)、(c)参照)。
また、変形例4、5における攪拌片部103、104のように、所望の攪拌片110、111に多数の歯部112、113を適宜設けるような構成であってもよいものとする(
図8(d)、(e)参照)。
このように多数の歯部112、113が設けられた攪拌片110、111が設けられていた場合には、使用される果実、野菜等を破砕しやすくなり、より効率的にジュース、オリーブオイル、ドレッシング及び、牛乳、豆乳等の乳飲料と攪拌混合することが可能となる。
【0047】
なお、攪拌部100乃至104の底部16への固定は、図示を省略するが、例えば、金型を用いたペットボトル本体11の成形時に口部15から攪拌部100乃至104を挿入し、ペットボトル本体11の底部16に後付けにより固定することにより行われる。
【0048】
以上の構成を有する本実施形態によれば、第1の実施形態同様、食用液体と食用果実とを混合した状態で食用果実を破砕して、破砕された食用果実を混合した食用液体を手軽に需要者が作成することが可能となる他、下記のような効果を奏する。
【0049】
すなわち、本実施形態によれば、攪拌片部93、100乃至104が、ペットボトル本体11とは別個に構成され、底部16に固定されていることから、より所望の形状、構造の攪拌片部93、100乃至104を設けることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態によれば、攪拌片94、105乃至111は、金属製であることから、より一層食用果実の破砕し、食用液体及び食用果実の攪拌をし易くなる。
なお、上記実施の形態にあっては、攪拌片94、105乃至111は、金属製である場合を例に説明したがこれに限定されず、金属と同様の硬度を有する素材、例えば、セラミックス等であってもよい。
【0051】
なお、上記実施形態に記載した構成に関しては、本発明の範囲内において適宜の変更が可能であり、上記各実施形態の構成には限定されない。
【符号の説明】
【0052】
10、30、34、39、43乃至48、90…飲料ボトル
11…ペットボトル本体
12…キャップ
13…胴部
14…肩部
15…口部
16、35…底部
17…内部空間
18、42…内側面部
19、91、95乃至99…攪拌部
20、31、37、40、49乃至54、93、100乃至104…攪拌片部
21、32、38、41、55乃至66、94、105乃至111…攪拌片
22、36…ペタロイド部
23…突出部
33、67乃至72、112、113…歯部
80…プリフォーム
81…金型
82…内面
83…攪拌片部形成部
84…ノズル
92…基部
8