(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176055
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】架台
(51)【国際特許分類】
B63C 9/22 20060101AFI20241212BHJP
B63B 23/62 20060101ALI20241212BHJP
B63B 23/32 20060101ALI20241212BHJP
B63B 23/28 20060101ALI20241212BHJP
B63C 9/28 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B63C9/22
B63B23/62
B63B23/32
B63B23/28
B63C9/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094264
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005175
【氏名又は名称】藤倉コンポジット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】荒川 武久
(72)【発明者】
【氏名】上田 恭平
(57)【要約】
【課題】船外で展開した浮体への移動を容易にする。
【解決手段】架台10は、船体100に取り付けられ且つ浮体2を収容した収容体5を保持する。架台10は、ベース部材20と、第1位置P1から第2位置P2に揺動可能にベース部材20に接続した揺動部材40と、を含んでいる。揺動部材40は、第1位置P1において、ベース部材20から上方に延び、収容体5をベース部材20とともに支持する。揺動部材40の少なくとも一部分は、第2位置P2において、船外OBに位置し且つベース部材20から船外OBに向けて延び下がる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体に取り付け可能且つ浮体を収容した収容体を保持する架台であって、
ベース部材と、
第1位置から第2位置へ揺動可能に前記ベース部材に接続した揺動部材と、を備え、
前記揺動部材は、前記第1位置において、前記ベース部材から延び上がり、前記収容体を前記ベース部材とともに支持し、
前記揺動部材の少なくとも一部分は、前記第2位置において、船外に位置し且つ前記ベース部材から前記船外に向けて延び下がる、架台。
【請求項2】
前記揺動部材は、前記第2位置において、前記収容体を前記ベース部材から船外へ誘導し、且つ前記船外で展開した前記浮体へ移動する人の移動経路となる、請求項1に記載の架台。
【請求項3】
前記ベース部材は、前記人が座る座面を含む、請求項2に記載の架台。
【請求項4】
前記座面は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材に沿って延び下がる部分を含む、請求項3に記載の架台。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部と、前記第1側部及び前記第2側部を連結する連結部と、を含み、
前記連結部は、前記第1側部及び前記第2側部から取り外し可能であり、
前記連結部を取り外した状態において、前記第2位置に揺動した前記揺動部材に通じる前記人の移動経路が、前記第1側部及び前記第2側部の間に形成される、請求項2に記載の架台。
【請求項6】
前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部を含み、
前記第1位置に位置する前記揺動部材は、前記第1側部の上端よりも高く延び上がり、かつ前記第2側部の上端よりも高く延び上がる、請求項1に記載の架台。
【請求項7】
前記第2位置に揺動した前記揺動部材は、前記ベース部材が取り付けられた前記船体の取付面よりも上方に延び下がる、請求項1に記載の架台。
【請求項8】
前記ベース部材は、前記船体に取り付けられた下方ベース部と、前記下方ベース部に接続した上方ベース部と、を含み、
前記下方ベース部は、前記人の移動経路となる昇降手段を含む、請求項2に記載の架台。
【請求項9】
前記下方ベース部及び前記上方ベース部は、互いに着脱可能である、請求項8に記載の架台。
【請求項10】
前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部と、前記第1側部及び前記第2側部の間に位置する昇降手段と、を含み、
前記昇降手段は、前記人の移動経路となる、請求項2に記載の架台。
【請求項11】
前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部を含み、
前記収容体は、少なくとも外周に設けられた一対の拡幅部を含み、
前記第1側部及び前記第2側部の外間隔は、前記一対の拡幅部の内間隔よりも小さく、
前記第1側部及び前記第2側部の外間隔と、前記一対の拡幅部の内間隔と、の差は、一つの拡幅部よりも小さい、請求項1に記載の架台。
【請求項12】
前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部を含み、
前記収容体は、少なくとも外周に設けられた一対の拡幅部を含み、
前記第1側部及び前記第2側部の内間隔は、前記一対の拡幅部の外間隔よりも大きく、
前記一対の拡幅部の外間隔と、前記第1側部及び前記第2側部の内間隔と、の差は、一つの拡幅部よりも小さい、請求項1に記載の架台。
【請求項13】
前記第1側部及び前記第2側部は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材へ前記収容体を誘導する誘導路を形成する、請求項10~12のいずれか一項に記載の架台。
【請求項14】
前記収容体は、少なくとも外周に設けられた一対の拡幅部を含み、
前記揺動部材は一対の溝部を含み、
前記収容体と対面する前記揺動部材において、前記一対の溝部の各々は、前記一対の拡幅部の一方を収容可能である、請求項1に記載の架台。
【請求項15】
前記揺動部材が前記第2位置へ揺動したとき、前記一対の溝部の各々は、前記一対の拡幅部の各々を収容することによって、前記収容体を船外へ誘導する、請求項14に記載の架台。
【請求項16】
前記揺動部材は、前記ベース部材から延び出した複数のガイドレール部と、前記複数のガイドレール部の間に位置する中間部と、を含み、
前記揺動部材が前記第2位置に揺動した状態において、前記複数のガイドレール部は、前記中間部の両側縁部から延び上がっている、請求項2に記載の架台。
【請求項17】
前記中間部は板状であり、前記中間部上を滑ることによって前記揺動部材上を前記人は移動可能である、請求項16に記載の架台。
【請求項18】
前記第2位置において、前記複数のガイドレール部は、前記収容体を誘導する誘導路を形成する、請求項16に記載の架台。
【請求項19】
前記ガイドレール部は、前記中間部を挟んで互いに対面するよう一対設けられ、
前記収容体は、少なくとも外周に設置された一対の拡幅部を含み、
前記一対のガイドレール部の外間隔は、前記一対の拡幅部の内間隔よりも小さい、又は前記一対のガイドレール部の内間隔は、前記一対の拡幅部の外間隔よりも大きい、請求項18に記載の架台。
【請求項20】
前記ベース部材に対する前記揺動部材の揺動を規制する規制部材をさらに備える、請求項1に記載の架台。
【請求項21】
前記ベース部材は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材へ前記収容体を誘導する第1誘導路を形成し、
前記揺動部材は、前記第2位置へ揺動したときに、前記船外へ前記収容体を誘導する第2誘導路を形成し、
前記第2誘導路は、前記第1誘導路の延長上に位置する部分を含む、請求項1に記載の架台。
【請求項22】
前記ベース部材は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材へ前記収容体を誘導する第1誘導路を形成し、
前記揺動部材は、前記第2位置へ揺動したときに、前記船外へ前記収容体を誘導する第2誘導路を形成し、
前記揺動部材は、前記ベース部材に取り付けられた第1揺動部材と、前記第1揺動部材に取り付けられた第2揺動部材と、を含み、
前記第2揺動部材は、前記ベース部材の延長上に位置し、
前記第1揺動部材は、前記第2揺動部材及び前記ベース部材と略平行に延びる、請求項1に記載の架台。
【請求項23】
前記揺動部材は、前記ベース部材に取り付けられた第1揺動部材と、前記第1揺動部材に取り付けられた第2揺動部材と、を含み、
前記揺動部材が前記第1位置に位置するとき、前記収容体は、前記第1揺動部材及び前記ベース部材によって下方から支持される、請求項1に記載の架台。
【請求項24】
前記ベース部材に対する前記第1揺動部材の揺動を規制する第1規制部材と、
前記第1揺動部材に対する前記第2揺動部材の揺動を規制する第2規制部材と、をさらに備える、請求項22に記載の架台。
【請求項25】
前記揺動部材は、前記第2位置へ揺動したときに前記船外に向けて伸長する、請求項1に記載の架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、浮体を収容した収容体を保持する架台が知られている。収容体は、船の非常時に架台から放出される。収容体内の浮体は、船外で展開する。展開した浮体は、船から脱出した人を収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
浮体は、船から離れた位置で展開する。船外で展開した浮体へ船から移動することは容易でない。本発明は、船外で展開した浮体への移動を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施の形態による架台は、
船体に取り付け可能且つ浮体を収容した収容体を保持する架台であって、
ベース部材と、
第1位置から第2位置へ揺動可能に前記ベース部材に接続した揺動部材と、を備え、
前記揺動部材は、前記第1位置において、前記ベース部材から延び上がり、前記収容体を前記ベース部材とともに支持し、
前記揺動部材の少なくとも一部分は、前記第2位置において、船外に位置し且つ前記ベース部材から前記船外に向けて延び下がる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、船外で展開した浮体へ容易に移動できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施の形態を説明するための図であって、架台を含む船の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1位置の揺動部材を含む架台の側面図である。
【
図3】
図3は、第2位置の揺動部材を含む架台、浮体を示す側面図である。
【
図5】
図5は、架台の一変形例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、架台の他の変形例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、架台のさらに他の変形例を示す側面図であって、第1位置の揺動部材を含む架台の側面図である。
【
図8】
図8は、第2位置の揺動部材を含む、
図7の架台の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施の形態は、次の[1]~[25]に関する。
【0009】
[1] 船体に取り付け可能且つ浮体を収容した収容体を保持する架台であって、
ベース部材と、
第1位置から第2位置へ揺動可能に前記ベース部材に接続した揺動部材と、を備え、
前記揺動部材は、前記第1位置において、前記ベース部材から延び上がり、前記収容体を前記ベース部材とともに支持し、
前記揺動部材の少なくとも一部分は、前記第2位置において、船外に位置し且つ前記ベース部材から前記船外に向けて延び下がる、架台。
【0010】
[2] 前記揺動部材は、前記第2位置において、前記収容体を前記ベース部材から船外へ誘導し、且つ前記船外で展開した前記浮体へ移動する人の移動経路となる、[1]の架台。
【0011】
[3] 前記ベース部材は、前記人が座る座面を含む、[2]の架台。
【0012】
[4] 前記座面は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材に沿って延び下がる部分を含む、[3]の架台。
【0013】
[5] 前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部と、前記第1側部及び前記第2側部を連結する連結部と、を含み、
前記連結部は、前記第1側部及び前記第2側部から取り外し可能であり、
前記連結部を取り外した状態において、前記第2位置に揺動した前記揺動部材に通じる前記人の移動経路が、前記第1側部及び前記第2側部の間に形成される、[2]~[4]のいずれかの架台。
【0014】
[6] 前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部を含み、
前記第1位置に位置する前記揺動部材は、前記第1側部の上端よりも高く延び上がり、かつ前記第2側部の上端よりも高く延び上がる、[1]~[5]のいずれかの架台。
【0015】
[7] 前記第2位置に揺動した前記揺動部材は、前記ベース部材が取り付けられた前記船体の取付面よりも上方に延び下がる、[1]~[6]のいずれかの架台。
【0016】
[8] 前記ベース部材は、前記船体に取り付けられた下方ベース部と、前記下方ベース部に接続した上方ベース部と、を含み、
前記下方ベース部は、前記人の移動経路となる昇降手段を含む、[2]~[5]のいずれかの架台。
【0017】
[9] 前記下方ベース部及び前記上方ベース部は、互いに着脱可能である、[8]の架台。
【0018】
[10] 前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部と、前記第1側部及び前記第2側部の間に位置する昇降手段と、を含み、
前記昇降手段は、前記人の移動経路となる、[2]~[5]、[8]、[9]のいずれかの架台。
【0019】
[11] 前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部を含み、
前記収容体は、少なくとも外周に設けられた一対の拡幅部を含み、
前記第1側部及び前記第2側部の外間隔は、前記一対の拡幅部の内間隔よりも小さく、
前記第1側部及び前記第2側部の外間隔と、前記一対の拡幅部の内間隔と、の差は、一つの拡幅部よりも小さい、[1]~[10]のいずれかの架台。
【0020】
[12] 前記ベース部材は、前記船体から延び上がる第1側部及び第2側部を含み、
前記収容体は、少なくとも外周に設けられた一対の拡幅部を含み、
前記第1側部及び前記第2側部の内間隔は、前記一対の拡幅部の外間隔よりも大きく、
前記一対の拡幅部の外間隔と、前記第1側部及び前記第2側部の内間隔と、の差は、一つの拡幅部よりも小さい、[1]~[11]のいずれかの架台。
【0021】
[13] 前記第1側部及び前記第2側部は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材へ前記収容体を誘導する誘導路を形成する、[10]~[12]のいずれかの架台。
【0022】
[14] 前記収容体は、少なくとも外周に設けられた一対の拡幅部を含み、
前記揺動部材は一対の溝部を含み、
前記収容体と対面する前記揺動部材において、前記一対の溝部の各々は、前記一対の拡幅部の一方を収容可能である、[1]~[13]のいずれかの架台。
【0023】
[15] 前記揺動部材が前記第2位置へ揺動したとき、前記一対の溝部の各々は、前記一対の拡幅部の各々を収容することによって、前記収容体を船外へ誘導する、[14]の架台。
【0024】
[16] 前記揺動部材は、前記ベース部材から延び出した複数のガイドレール部と、前記複数のガイドレール部の間に位置する中間部と、を含み、
前記揺動部材が前記第2位置に揺動した状態において、前記複数のガイドレール部は、前記中間部の両側縁部から延び上がっている、[2]~[5]、[8]~[10]のいずれかの架台。
【0025】
[17] 前記中間部は板状であり、前記中間部上を滑ることによって前記揺動部材上を前記人は移動可能である、[16]の架台。
【0026】
[18] 前記第2位置において、前記複数のガイドレール部は、前記収容体を誘導する誘導路を形成する、[16]又は[17]の架台。
【0027】
[19] 前記ガイドレール部は、前記中間部を挟んで互いに対面するよう一対設けられ、
前記収容体は、少なくとも外周に設置された一対の拡幅部を含み、
前記一対のガイドレール部の外間隔は、前記一対の拡幅部の内間隔よりも小さい、又は前記一対のガイドレール部の内間隔は、前記一対の拡幅部の外間隔よりも大きい、[16]~[18]のいずれかの架台。
【0028】
[20] 前記ベース部材に対する前記揺動部材の揺動を規制する規制部材をさらに備える、[1]~[19]のいずれかの架台。
【0029】
[21] 前記ベース部材は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材へ前記収容体を誘導する第1誘導路を形成し、
前記揺動部材は、前記第2位置へ揺動したときに、前記船外へ前記収容体を誘導する第2誘導路を形成し、
前記第2誘導路は、前記第1誘導路の延長上に位置する部分を含む、[1]~[20]のいずれかの架台。
【0030】
[22] 前記ベース部材は、前記第2位置へ揺動した前記揺動部材へ前記収容体を誘導する第1誘導路を形成し、
前記揺動部材は、前記第2位置へ揺動したときに、前記船外へ前記収容体を誘導する第2誘導路を形成し、
前記揺動部材は、前記ベース部材に取り付けられた第1揺動部材と、前記第1揺動部材に取り付けられた第2揺動部材と、を含み、
前記第2揺動部材は、前記ベース部材の延長上に位置し、
前記第1揺動部材は、前記第2揺動部材及び前記ベース部材と略平行に延びる、[1]~[21]のいずれかの架台。
【0031】
[23] 前記揺動部材は、前記ベース部材に取り付けられた第1揺動部材と、前記第1揺動部材に取り付けられた第2揺動部材と、を含み、
前記揺動部材が前記第1位置に位置するとき、前記収容体は、前記第1揺動部材及び前記ベース部材によって下方から支持される、[1]~[22]のいずれかの架台。
【0032】
[24] 前記ベース部材に対する前記第1揺動部材の揺動を規制する第1規制部材と、
前記第1揺動部材に対する前記第2揺動部材の揺動を規制する第2規制部材と、をさらに備える、[22]又は[23]の架台。
【0033】
[25] 前記揺動部材は、前記第2位置へ揺動したときに前記船外に向けて伸長する、[1]~[24]のいずれかの架台。
【0034】
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。一部の図において示された構成等が、他の図において省略されていることもある。
【0035】
いくつかの図面では、図面間で共通する方向が矢印によって示されている。各方向において、矢印の先端側が第1側となる。各方向において、第1側と反対側、すなわち矢印の基端側が第2側となる。いくつかの図面では、紙面に直交する方向に紙の表から裏へ向かう矢印が、例えば
図2に示すように、円の中にXを付した記号によって示されている。
【0036】
図1~
図4は一実施の形態を説明する図である。
図1は、架台10を含む船1の斜視図である。船1は、水に浮かんでいる。船1は、海や湖等に浮かんでもよい。船1は、船体100と、船体100に取り付けられた架台10と、架台10に保持された収容体5と、を含んでいる。収容体5は、浮体2を収容している。収容体5は、浮体2を収容した状態で船外OBへ放出され得る。収容体5が船外OBへ放出された状態において、船1は、収容体5及び浮体2を含まなくてもよい。
【0037】
船1及び船体100に対して使用する「前後方向」及び「上下方向」は、水に浮かんだ状態における通常の進行方向を基準とする。船1及び船体100に対して使用する「前」あるいは「前方」は、前後方向において船首に向かう向きを意味する。船1及び船体100に対して使用する「後」あるいは「後方」は、前後方向において船尾に向かう向きを意味する。船1及び船体100に対して使用する「上方」は、船1及び船体100の上下方向における船底から離れる向きを意味する。船1及び船体100に対して使用する「下方」は、船1及び船体100の上下方向における船底に近づく向きを意味する。また、「船外OB」とは、平面視(上方からの観察)における船体100の輪郭外となる部分を意味する。
【0038】
架台10に対して使用する「上下方向VD」は、船体100の架台10が取り付けられる取付面PLに直交する方向を意味する。架台10及び架台10の構成要素に対して使用する「上」あるいは「上方」は、上下方向VDにおいて船体100の船底から離れる向きを意味する。架台10の構成要素に対して使用する「上端」は、上下方向VDにおいて当該構成要素の最も上方に位置する部分を意味する。架台10の構成要素に対して使用する「延び上がる」は、上下方向VDにおける上方に延びることを意味する。架台10及び架台10の構成要素に対して使用する「下」あるいは「下方」は、上下方向VDにおいて船体100の船底に近づく向きを意味する。
図1~
図4では、上下方向VDを示す矢印の先端側が、下あるいは下方を示す。架台10の構成要素に対して使用する「延び下がる」は、上下方向VDにおける下方に延びることを意味する。
【0039】
図1~
図4に示す例において、上下方向VDは、鉛直方向と平行となっている。上下方向VDは、水平な水面に直交する方向となっている。上下方向VDは、船1の水平面に対する傾斜に合わせて、鉛直方向に対して傾斜してもよい。
図4に示す例において、船1及び船体100の上下方向と、架台10の上下方向VDとは、互いに平行となっている。
【0040】
図3に示す例において、浮体2は、袋状の部材である。浮体2は、火災、沈没等の種々の要因によって船1から脱出する必要が生じたとき、船外OBで展開する。浮体2は、救命機能を有している。浮体2は、内部に気体を充填することによって展開してもよい。展開した浮体2は、船1から脱出した人を収容する。浮体2は、ゴム製でもよい。布材の両面をゴムによって挟んだゴム布を含んでもよい。
【0041】
浮体2は、内部に充填された気体によって膨張した結果として、展開してもよい。
図2に示す例において、浮体2は、未展開の状態で収容体5に収容されている。浮体2は、収容体5とともに船外OBに放出された際に、展開する。
図3に示す例において、浮体2は、船1よりも後方で展開している。浮体2の内部に充填される気体は、二酸化炭素、窒素、またはそれらの混合物でもよい。浮体2に充填される気体は、圧縮された状態でボンベに収容されてもよい。ボンベは、収容体5に収容されてもよい。収容体5に収容されたボンベは、収容体5が船外OBに放出されたときに、浮体2内へ気体を供給してもよい。
【0042】
図4に示された例において、船外OBで展開された浮体2の水面からの高さは、船体100における取付面PLの水面からの高さよりも小さくなっている。すなわち、船外OBで展開された浮体2は、船体100の取付面PLよりも下方に位置している。
【0043】
図1に示す例において、船体100は、甲板101と、甲板101の周囲を取り囲むブルワーク102と、を含んでいる。ブルワーク102は、甲板101から延び上がっている。
図1では、架台10を示すために、ブルワーク102が部分的に省略されている。
【0044】
図1及び
図2に示された例において、収容体5は、第1部分5A及び第2部分5Bを含む部材である。収容体5は、
図2では、架台10に保持されている。収容体5は、
図1では、架台10上を船外OBに向けて移動している。
図1に示すように、収容体5は、架台10上を回転しながら移動してもよい。収容体5は、架台10上をスライドしながら移動してもよい。収容体5の形状は特に限定されることはないが、架台10上を回転可能な形状を有してもよい。図示された例では、収容体5は、軸線AXCを中心とした回転体形状を有している。収容体5は、中心軸線AXCを中心として回転可能である。
【0045】
収容体5は、材料として樹脂を含んでもよい。収容体5の材料は、繊維強化プラスチック、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂の一以上を含んでもよい。収容体5の材料は、ポリビニルアルコール樹脂と塩化ビニル樹脂との混合物のように、上述の材料の混合物でもよい。収容体5の材料として、上述した材料以外の樹脂を適宜用いてもよい。
【0046】
図1及び
図2に示す例において、収容体5は、一対の拡幅部5Xを含む。拡幅部5Xは、収容体5の外周に設けられている。収容体5の幅は、拡幅部5Xにおいて広くなっている。図示された例では、拡幅部5Xは、収容体5の外周に周状に連続して設けられている。一対の拡幅部5Xは、共通する軸線AXLの周りを周状に延びている。軸線AXLに直交する任意の方向に沿った収容体5の幅は、拡幅部5Xにおいて、拡幅部5Xに隣接する部分よりも大きい。各拡幅部5Xは、
図2に示すように、軸線AXLを中心として、円周状に延びてもよい。一対の拡幅部5Xは、互い同一に構成されてもよい。円周状に延びる拡幅部5Xでの幅は、軸線AXLに直交するいずれの方向においても同一となる。
【0047】
図示された例において、収容体5は回転体形状を有している。回転体の中心軸線AXCの周りを、拡幅部5Xが周状に延びてもよい。回転体の中心軸線AXCを中心として、拡幅部5Xが円周状に延びてもよい。図示された例では、回転体の中心軸線AXCは、一対の拡幅部5Xの共通する軸線AXLと重なっている。中心軸線AXCに沿った収容体5の断面において、拡幅部5Xの形状は、三角形形状でもよく、四角形形状でもよく、半円形状でもよく、楕円形状でもよい。
【0048】
図示された例において、収容体5は、円筒状部5Rと、一対の半球状部5Sと、を含む。各半球状部5Sは、円筒状部5Rの開口を閉鎖するように円筒状部5Rに接続している。一対の拡幅部5Xは、円筒状部5Rの外周面上に位置している。軸線AXLに直交する任意の方向に沿った拡幅部5Xでの幅は、軸線AXLに直交する方向に沿った円筒状部5Rの幅よりも大きい。
【0049】
図4に示す例において、一対の拡幅部5Xの各々は、軸線AXLに沿った軸方向長さCWを有している。一対の拡幅部5Xは、外間隔COを空けて軸方向に互いから離れている。外間隔COは、一対の拡幅部5X間の軸方向における最大距離となっている。一対の拡幅部5Xは、内間隔CIを空けて軸方向に互いから離れている。内間隔CIは、一対の拡幅部5X間の軸方向における最小距離となっている。
【0050】
図1に示す例において、架台10は、船体100の取付面PLに取り付けられている。取付面PLは、平坦でもよい。取付面PLは、甲板101でもよい。架台10は、収容体5を保持する。収容体5は、
図2に示す状態では、浮体2を収容している。
【0051】
図1~
図4に示す例において、架台10は、船体100の後方端部に設置されている。架台10は、ベース部材20と、ベース部材20に接続した揺動部材40と、を含んでいる。揺動部材40は、ベース部材20に揺動可能に接続している。架台10は、金属製の複数の部材によって構成されてもよい。
【0052】
図1~
図4に示す例において、揺動部材40は、第1端部401と、第1端部401とは反対の第2端部402と、を含んでいる。揺動部材40は、第1端部401と第2端部402との間を延びている。揺動部材40は、第1端部401の近くでベース部材20に取り付けられている。第2端部402は、第1端部401よりもベース部材20との接続部分から離れている。第1端部401は、揺動部材40の基端部を形成している。第2端部402は、揺動部材40の先端部を形成している。
【0053】
図1~
図4に示す例において、揺動部材40は、ベース部材20に取り付けられた第1揺動部材41と、第1揺動部材41に取り付けられた第2揺動部材42と、を含んでいる。第1揺動部材41は、第1ピンPN1によってベース部材20に取り付けられている。第2揺動部材42は、第2ピンPN2によって第1揺動部材41に取り付けられている。図示された例では、揺動部材40の第1端部401は、第1揺動部材41によって形成されている。揺動部材40の第2端部402は、第2揺動部材42によって形成されている。
【0054】
揺動部材40は、ベース部材20に対して第1位置P1から第2位置P2に揺動可能である。図示された例において、第1揺動部材41は、軸線AX1を中心として、ベース部材20に対して揺動可能である。第2揺動部材42は、軸線AX2を中心として、第1揺動部材41に対して揺動可能である。図示された揺動部材40は、
図2において、第1位置P1に位置している。図示された揺動部材40は、
図1、
図3及び
図4において、第2位置P2に揺動している。
【0055】
揺動部材40は、第1位置P1において、ベース部材20から延び上がっている。揺動部材40がベース部材20から延び上がるとき、揺動部材40の第2端部402は、上下方向VDにおいて、ベース部材20と揺動部材40との接続部分よりも上方に位置している。
【0056】
図2に示すように、第1位置P1に位置する揺動部材40は、綱RPによって、ベース部材20に対する揺動を規制されてもよい。綱RPは、揺動部材40のベース部材20に対する揺動を規制することによって、収容体5の船外OBへの放出を規制してもよい。図示された例では、綱RPは、ベース部材20と第2揺動部材42との間に延びている。綱RPは、一方の端部において、放出装置RSを介してベース部材20に取り付けられている。綱RPは、他方の端部において、第2揺動部材42に取り付けられている。綱RPは、一方の端部と他方の端部との間において、第2連結部212上及び収容体5上を通過している。
【0057】
図1、
図3及び
図4に示す例において、第2位置P2に揺動した揺動部材40の少なくとも一部分は、船外OBに位置している。第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第1揺動部材41の少なくとも一部分が船外OBに位置してもよい。第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第2揺動部材42の少なくとも一部分が船外OBに位置してもよい。第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第2端部402が、船外OBに位置してもよい。
【0058】
図1、
図3及び
図4に示す例において、第2位置P2に揺動した揺動部材40の少なくとも一部分は、ベース部材20から船外OBに向けて延び下がっている。揺動部材40の少なくとも一部分が「ベース部材20から船外OBに向けて延び下がっている」とは、揺動部材40の少なくとも一部分が、ベース部材20と揺動部材40との接続部分よりも船外OBに近づき、且つ当該接続部分よりも下方に位置する部分を含むことを意味する。
【0059】
第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第1揺動部材41が、ベース部材20から船外OBに向けて延び下がっていてもよい。第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第2揺動部材42が、ベース部材20から船外OBに向けて延び下がっていてもよい。第1揺動部材41に対して揺動した第2揺動部材42は、第1揺動部材41よりも船外OBに向けて延び下がってもよい。
【0060】
第2位置P2に揺動した揺動部材40において、揺動部材40の先端部は、揺動部材40の基端部よりも下方に位置してもよい。
図1、
図3及び
図4に示す例では、第2端部402は、第1端部401よりも下方に位置している。
【0061】
図3及び
図4に示す例において、第2位置P2に揺動した揺動部材40は、船体100の取付面PLよりも上方に延び下がっている。第2位置P2に揺動した揺動部材40の先端部は、船体100の取付面PLよりも上方に位置している。第2位置P2に揺動した揺動部材40の先端部は、浮体2上に位置することが可能となる。
【0062】
図1~
図4に示す例において、架台10は、第1軸線AX1及び第2軸線AX2の延びる方向として、第1方向D1を有している。図示された例では、第1方向D1は、上下方向VDに直交する方向である。第1方向D1は、船体100の幅方向と平行である。第1揺動部材41は、第1方向D1に延びる第1ピンPN1によって、ベース部材20に揺動可能に接続されている。第2揺動部材42は、第1方向D1に延びる第2ピンPN2によって、第1揺動部材41に揺動可能に接続されている。揺動部材40は、第1方向D1と平行な幅方向を有してもよい。第1揺動部材41は、第1方向D1と平行な幅方向を有してもよい。第2揺動部材42は、第1方向D1と平行な幅方向を有してもよい。架台10は、上下方向VD及び第1方向D1の両方向に直交する方向として、第2方向D2を有している。図示された例では、第2方向D2は、船体100の前後方向と平行である。
【0063】
図1に示す例において、架台10は、揺動部材40が第2位置P2へと揺動したとき、収容体5を船外OBへ誘導する誘導路GPを形成している。誘導路GPは、第1誘導路GP1と、第1誘導路GP1に通じる第2誘導路GP2と、を含んでいる。
図1では、第1誘導路GP1は、ベース部材20によって形成されている。第2誘導路GP2は、揺動部材40によって形成されている。収容体5は、船外OBへ放出されるとき、第1誘導路GP1、第2誘導路GP2の順で通過する。
図1及び
図3に示すように、第2誘導路GP2は、第1誘導路GP1の延長上に位置してもよい。
図1では、収容体5は、第1誘導路GP1を通過している。収容体5は、第2誘導路GP2上を移動している。収容体5は、第2誘導路GP2上を転がっている。収容体5は、船外OBに位置している。
【0064】
図1、
図3及び
図4に示す例において、第2誘導路GP2は、第1揺動部材41によって形成された基端側第2誘導路GP21と、第2揺動部材42によって形成された先端側第2誘導路GP22と、を含んでいる。収容体5は、船外OBへ放出されるとき、基端側第2誘導路GP21、先端側第2誘導路GP22の順で通過する。
【0065】
図1、
図3及び
図4に示すように、第1誘導路GP1と、第2誘導路GP2とは、収容体5の移動方向において互いに重複してもよい。すなわち、収容体5は、第1誘導路GP1によって誘導され、且つ第2誘導路GP2によって誘導されてもよい。
【0066】
図1、
図3及び
図4に示すように、基端側第2誘導路GP21と、先端側第2誘導路GP22とは、収容体5の移動方向において互いに重複してもよい。すなわち、収容体5は、基端側第2誘導路GP21によって誘導され、且つ先端側第2誘導路GP22によって誘導されてもよい。図示された例において、収容体5は、基端側第2誘導路GP21上、及び先端側第2誘導路GP22上を転がっている。
【0067】
図1,
図3及び
図4に示す例において、架台10は、揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、船1から浮体2へ移動する人Mの移動経路RTを形成している。
図3では、人M1,M2,M3が、移動経路RTを通行している。人M1,M2,M3は、後方に移動している。人M1,M2,M3は、船1の後方から船外OBへ脱出しようとしている。
【0068】
図1,
図3及び
図4に示す例において、移動経路RTは、船体100に通じる第1移動経路RT1と、第1移動経路RT1に通じる第2移動経路RT2と、を含んでいる。第2移動経路RT2は、浮体2に通じてもよい。図示された例では、船外OBへと脱出しようとする人は、船体100、第1移動経路RT1、第2移動経路RT2、浮体2の順で移動する。
図3において、人M1は、第1移動経路RT1を通行している。人M2は、第1移動経路RT1から第2移動経路RT2へと移動しようとしている。人M3は、第2移動経路RT2を通行している。
【0069】
図1,
図3及び
図4に示す例において、移動経路RTは、ベース部材20及び揺動部材40によって形成されている。第1移動経路RT1は、ベース部材20によって形成されている。第2移動経路RT2は、第2揺動部材42によって形成されている。
【0070】
図1~
図3に示すように、ベース部材20は、船体100に取り付けられた下方ベース部22と、下方ベース部22に接続された上方ベース部23と、を含んでもよい。下方ベース部22及び上方ベース部23は、互いに着脱可能でもよい。図示された例において、下方ベース部22及び上方ベース部23は、複数のボルトによって互いにボルト止めされている。下方ベース部22及び上方ベース部23は、この複数のボルトの取り付け及び取り外しによって、互いに着脱可能である。
【0071】
図1~
図4に示す例において、ベース部材20は、船体100から延び上がる第1側部30A及び第2側部30Bを含んでいる。第1側部30A及び第2側部30Bは、第1方向D1に互いから離れている。
図1に示すように、第1側部30A及び第2側部30Bの間には、移動経路RT(第1移動経路RT1)が形成される。
【0072】
第1側部30A及び第2側部30Bは、互いに対称でもよい。図示された例では、第1側部30A及び第2側部30Bは、架台10の第1方向D1における中心に位置し、上下方向VD及び第2方向D2に広がる面を介して、互いに対称となっている。
【0073】
図4に示す例において、第1側部30A及び第2側部30Bは、外間隔BOを空けて第1方向D1に互いから離れている。外間隔BOは、第1方向D1における第1側部30Aと第2側部30Bとの間の最大距離となっている。図示された例において、第1側部30A及び第2側部30Bの外間隔BOは、一対の拡幅部5Xの内間隔CIよりも小さくなっている。第1側部30A及び第2側部30Bの外間隔BOと、一対の拡幅部5Xの内間隔CIと、の差は、拡幅部5Xの軸方向長さCWより小さくてもよい。
【0074】
図4に示す例において、第1側部30A及び第2側部30Bは、内間隔BIを空けて第1方向D1に違いから離れている。内間隔BIは、第1方向D1における第1側部30Aと第2側部30Bとの間の最小距離となっている。
【0075】
図1~
図3に示す例において、第1側部30A及び第2側部30Bは、船体100から延び上がる第1柱部31及び第2柱部32と、第1柱部31及び第2柱部32を接続する接続部33と、第1柱部31及び第2柱部32を接続する支持部35と、第2柱部32及び支持部35に接続した板状部36と、を有している。第1柱部31及び第2柱部32は、第2方向D2に互いから離れている。第2柱部32は、第2方向D2において第1柱部31よりも船体100の外(船外OB)に近づいている。接続部33及び支持部35は、第2方向D2に延びている。
【0076】
図1~
図3に示すように、第1柱部31は、第2柱部32より高く延び上がってもよい。図示された例において、第1柱部31は、第1側部30A及び第2側部30Bの上端を形成している。
図1に示すように、第1柱部31の上端部には、後述の連結部21(第2連結部212)を収容する収容部31Rが形成されてもよい。収容部31Rは、上方に開口している。収容部31Rは、第1方向D1における内方に、すなわち架台10の第1方向D1における中心線に近づく向きに開口している。
【0077】
図2に示す例において、第1柱部31は、揺動部材40が第1位置P1に位置するときに、船外OBとは反対側から収容体5に接触している。第1柱部31は、船外OBとは反対側から収容体5に接触することによって、収容体5の船体100内への移動、すなわち船体100の重心に向けた移動を規制してもよい。
【0078】
第1側部30A及び第2側部30Bは、下方ベース部22を構成する部分と、上方ベース部23を構成する部分と、を含んでもよい。
図1~
図3に示す例において、第1側部30A及び第2側部30Bは、下方ベース部22を構成する部分として、下方第1柱部311と、下方第2柱部321と、下方接続部331と、を含んでいる。第1側部30A及び第2側部30Bは、上方ベース部23を構成する部分として、上方第1柱部312と、上方第2柱部322と、上方接続部332と、支持部35と、板状部36と、を含んでいる。
【0079】
図1~
図3に示す例において、支持部35は、第1端部351と、第1端部351とは反対の第2端部352と、の間に延びている。支持部35は、第2方向D2に延びている。支持部35において、第2端部352は、第1端部351よりも船外OBに近づいている。支持部35は、第1端部351において第1柱部31(上方第1柱部312)と接続している。支持部35は、第1端部351と第2端部352との間の部分において、第2柱部32(上方第2柱部322)と接続している。
【0080】
図1~
図3に示す例において、支持部35は、第1方向D1に延びる軸線を中心として、船外OBに向けて下方に傾斜している。傾斜した支持部35において、第2端部352は、第1端部351よりも下方に位置している。支持部35は、船外OBに向けて延び下がっている。図示された支持部35には、第1端部351と、第2柱部32(上方第2柱部322)と接続した部分と、の間に、揺動部材40が取り付けられている。
【0081】
図1~
図3に示す例において、支持部35は、収容体5を支持する支持面35aを有している。支持面35aは、上方を向いている。支持部35は、
図2に示すように、揺動部材40が第1位置P1に位置するときに、支持面35aにおいて収容体5に接触し得る。ベース部材20(第1側部30Aあるいは第2側部30B)は、揺動部材40が第1位置P1に位置するとき、支持部35において収容体5を支持し得る。図示された例において、支持部35は、揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、第1誘導路GP1を形成している。
【0082】
図1~
図3に示す例において、板状部36は、第2柱部32(上方第2柱部322)及び支持部35に接続されている。板状部36は、第1方向D1を向いている。第1側部30Aの板状部36と、第2側部30Bの板状部36と、は、第1方向D1において互いに対向している。板状部36には、種々の部材が取り付けられてもよい。図示された例では、板状部36には、座面26及び規制部材50が取り付けられている。座面26及び規制部材50については、後述する。
【0083】
図1に示す例において、ベース部材20は、第1側部30A及び第2側部30Bを連結する連結部21を含んでいる。連結部21は、第1方向D1に延びている。ベース部材20は、図示された例では、下方において第1側部30A及び第2側部30Bを連結する二つの第1連結部211と、上方において第1側部30A及び第2側部30Bを連結する一つの第2連結部212と、を含んでいる。
【0084】
ベース部材20は、連結部21において船体100に取り付けられてもよい。図示された例において、ベース部材20は、第1連結部211を貫通する複数のボルトによって、取付面PLである甲板101に取り付けられている。
【0085】
連結部21は、第1側部30A及び第2側部30Bと接合してもよい。図示された例において、第1連結部211は、第1側部30A及び第2側部30Bと接合されている。連結部21は、溶接によって第1側部30A及び第2側部30Bと接合されてもよい。
【0086】
連結部21は、第1側部30A及び第2側部30Bから取り外し可能でもよい。
図1~
図3に示された例において、第2連結部212は、第1側部30A及び第2側部30Bから取り外し可能である。第1側部30A及び第2側部30Bの間には、第2連結部212を取り外した状態において、第1移動経路RT1が形成される。第2連結部212は、第1柱部31(上方第1柱部312)の上端に設けられた収容部31Rに収容できる。第1側部30A及び第2側部30Bは、第2連結部212が収容部31Rに収容された状態において、互いに対する第1方向D1及び第2方向D2への移動を規制される。
【0087】
図2~
図4に示すように、ベース部材20は、移動経路RTとなる昇降手段25を含んでもよい。図示された例では、昇降手段25は、第1側部30A及び第2側部30Bの間に位置している。昇降手段25は、下方ベース部22に設けられている。言い換えると、下方ベース部22は、昇降手段25を含んでいる。昇降手段25は、
図2~
図4に示すように、階段でもよい。昇降手段25は、これに限られず、スロープでもよく、梯子でもよい。昇降手段25は、第1移動経路RT1を形成している。
図3に示す例において、人M1は、昇降手段25を上り、第2位置P2に揺動した揺動部材40へ向かっている。図示された例とは異なり、昇降手段25は、下方ベース部22及び上方ベース部23の両方に設けられてもよい。昇降手段25は、溶接等によってベース部材20に接合されてもよい。昇降手段25は、ベース部材20から着脱可能でもよい。昇降手段25は、ベース部材20が移動経路RT(第1移動経路RT1)を形成するときに、ベース部材20に取り付けられてもよい。
【0088】
図1~
図3に示す例において、昇降手段25は、階段として、複数の踏板部251と、複数の踏板部251が取り付けられた側板部252と、を含んでいる。図示された例では、昇降手段25は、3つの踏板部251を含んでいる。側板部252は、下方第1柱部311、下方第2柱部321及び下方接続部331に接続している。
【0089】
図1~
図4に示すように、ベース部材20は、船1から浮体2へ移動する人が座る座面26を含んでいる。
図3に示す例では、人M2は、座面26上に座っている。人M2は、足(靴)において、第2位置P2に揺動した揺動部材40に接触している。人M2は、揺動部材40を通行している人M3が揺動部材40上を離れるまで、座面26上に待機してもよい。
【0090】
図1~
図4に示す例において、座面26は、第1側部30A及び第2側部30Bの間に延びている。座面26は、第1側部30Aの板状部36、及び第2側部30Bの板状部36と接続されている。座面26は、第2方向D2において、第1端部261と、第1端部261とは反対の第2端部262と、を有している。第1端部261及び第2端部262は、第1方向D1に延びている。第1端部261及び第2端部262は、第2方向D2に互いに離れている。
【0091】
図1、
図3及び
図4に示す例において、座面26は、第2端部262において、第2位置P2に揺動した揺動部材40の後述する中間部48の上端に近接している。
図4に示す例では、座面26は、架台10を平面視(上方から観察)したとき、第2端部262において、中間部48の上端と第2方向D2に対面している。
【0092】
図1~
図4に示す例において、座面26は、第1部分26Aと、第1部分26Aに接続し船外OBに向けて延び下がる第2部分26Bと、を有している。第2部分26Bは、船外OBに向けて延び下がる第2揺動部材42に沿っている。第1部分26A及び第2部分26Bは、互いに接合されてもよい。一例として、第1部分26A及び第2部分26Bは、互いに溶接されてもよい。
【0093】
図2及び
図3に示す例において、ベース部材20は、ブルワーク102と上下方向VDに重なる部分を含んでいる。ベース部材20のブルワーク102と上下方向VDに重なる部分は、ブルワーク102よりも上方に位置している。ベース部材20は、ブルワーク102よりも上方において、揺動部材40と接続している。
【0094】
図1~
図4に示す例において、架台10は、ベース部材20に対する揺動部材40の揺動を規制する規制部材50を含んでいる。規制部材50は、第1側部30A及び第2側部30Bの各々から、第1方向D1における外方、すなわち架台10の第1方向D1における中心線から離れる向きに突出した部分を含んでいる。規制部材50は、第1側部30A及び第2側部30Bの間に延びてもよい。規制部材50は、第1側部30A及び第2側部30Bを貫通してもよい。図示された架台10は、規制部材50として、ベース部材20に対する第1揺動部材41に揺動を規制する第1規制部材51を有している。
【0095】
規制部材50は、座面26の少なくとも一部分を形成してもよい。
図1~
図4に示す例では、規制部材50の第1側部30A及び第2側部30Bの間に延びる部分によって、座面26の第2部分26Bが形成されている。
【0096】
次に、主に
図1~
図4を参照して、揺動部材40について説明する。以下では、第1揺動部材41、第2揺動部材42の順に説明する。
【0097】
第1揺動部材41は、一方の端部において、ベース部材20に揺動可能に取り付けられている。第1揺動部材41は、一対の第1ピンPN1によって、第1軸線AX1を中心としてベース部材20に対して揺動可能となっている。第1揺動部材41の第1軸線AX1よりも他方の端部寄りの部分には、第2揺動部材42が取り付けられている。第2揺動部材42は、一対の第2ピンPN2によって、第2軸線AX2を中心として第1揺動部材41に対して揺動可能に取り付けられている。
【0098】
第1揺動部材41は、第1方向D1における第2側からの観察において、ベース部材20に対して、
図2に示された状態から
図3に示された状態へと時計回りに揺動している。第2揺動部材42は、第1方向D1における第2側からの観察において、第1揺動部材41に対して、
図2に示された状態から
図3に示された状態へと時計回りに揺動している。
【0099】
図1~
図4に示す例において、第1揺動部材41は、ベース部材20から延び出した一対の溝部45を含んでいる。一対の溝部45は、第1方向D1に互いに間隔を空けている。一対の溝部45は、ベース部材20よりも第1方向D1における外方に位置している。一対の溝部45は、第2揺動部材42よりも第1方向D1における外方に位置している。第1揺動部材41は、ベース部材20よりも第1方向D1における内方に位置してもよい。第1揺動部材41は、第2揺動部材42よりも第1方向D1における内方に位置してもよい。第1揺動部材41は、第1方向D1においてベース部材20と第2揺動部材42との間に配置されてもよい。
【0100】
図1~
図4に示す例において、溝部45は、底部451と、底部451から延び上がる一対の側部452と、を含んでいる。一対の側部452は、第1方向D1に互いに間隔を空けて延びている。
図1及び
図3に示すように揺動部材40が第2位置P2に揺動した状態において、一対の側部452は、底部451から延び上がっている。
【0101】
図2に示すように、揺動部材40が第1位置P1に位置するとき、第1揺動部材41は、ベース部材20とともに収容体5を下方から支持してもよい。揺動部材40が第1位置P1に位置するとき、第1揺動部材41は、下方から収容体5と対面してもよい。揺動部材40が第1位置P1に位置するとき、第1揺動部材41は、溝部45から収容体5に接触してもよい。図示された例では、溝部45は、一対の側部452において、収容体5の円筒状部5Rに接触している。
【0102】
図1に示すように、揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、第1揺動部材41は、船外OBに向けて移動する収容体5と対面してもよい。揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、第1揺動部材41は、溝部45から収容体5に接触してもよい。図示された例では、溝部45は、一対の側部452において、収容体5の円筒状部5Rに接触している。
【0103】
図1及び
図2に示すように、収容体5と対面する第1揺動部材41において、一対の溝部45の各々は、一対の拡幅部5Xの一方を収容可能でもよい。
図2に示すように、第1位置P1に位置する揺動部材40において、一対の溝部45の各々は、一対の拡幅部5Xの一方を収容可能でもよい。
【0104】
図1に示すように、第2位置P2に揺動した揺動部材40において、一対の溝部45の各々は、一対の拡幅部5Xの一方を収容可能でもよい。収容体5は、拡幅部5Xが一対の溝部45に収容された状態で、第1揺動部材41上を移動してもよい。第1揺動部材41は、一対の溝部45によって基端側第2誘導路GP21を形成している。収容体5は、拡幅部5Xが一対の溝部45に収容された状態で、中心軸線AXCを中心として、第1揺動部材41(溝部45)上を転がってもよい。
【0105】
図1及び
図2に示す例において、一対の拡幅部5Xの各々は、溝部45の一対の側部452の間に位置している。溝部45は、一対の側部452の間に拡幅部5Xを配置することによって、拡幅部5Xを収容してもよい。
図4に示すように、一対の側部452の間隔SWと、拡幅部5Xの軸方向長さCWと、の差は、拡幅部5Xの軸方向長さCWより小さくてもよい。各拡幅部5Xが一方の側部452と接触することによって、収容体5の架台10に対する第1方向D1への相対移動が規制されてもよい。
【0106】
図1~
図4に示す例において、第1揺動部材41は、一対の溝部45を接続する接続部材46を含んでいる。接続部材46は、第1方向D1に延びている。接続部材46によって互いに接続された一対の溝部45は、互いに連動してベース部材20に対して揺動してもよい。接続部材46は、第1揺動部材41に対する第2揺動部材42の揺動を規制する第2規制部材52でもよい。
【0107】
図1~
図4に示す例において、第2揺動部材42は、複数のガイドレール部47と、複数のガイドレール部47の間に位置する中間部48と、を含んでいる。ガイドレール部47は、中間部48を挟んで第1方向D1に互いに対面するよう一対設けられている。第2揺動部材42は、第1方向D1における内方から、第1揺動部材41に取り付けられている。第2揺動部材42は、一対のガイドレール部47を貫通する一対の第2ピンPN2によって、第1揺動部材41に揺動可能に取り付けられている。
【0108】
図4に示す例において、一対のガイドレール部47は、外間隔GOを空けて第1方向D1に互いから離れている。外間隔GOは、一対のガイドレール部47間の第1方向D1における最大距離となっている。図示された例において、一対のガイドレール部47の外間隔GOは、一対の拡幅部5Xの内間隔CIよりも小さくなっている。一対のガイドレール部47の外間隔GOと、一対の拡幅部5Xの内間隔CIと、の差は、拡幅部5Xの軸方向長さCWより小さくてもよい。
【0109】
図4に示す例において、一対のガイドレール部47は、内間隔GIを空けて第1方向D1に互いから離れている。内間隔GIは、一対のガイドレール部47間の第1方向D1における最小距離となっている。
【0110】
図1に示す例において、一対のガイドレール部47は、収容体5の第2誘導路GP2を形成している。収容体5は、ガイドレール部47上を転がりながら、ガイドレール部47の延びる方向に移動している。ガイドレール部47は、ガイド面47aを含んでいる。
図1、
図3及び
図4に示すように、第2位置P2に揺動した揺動部材40において、ガイド面47aは、上方を向いてもよい。ガイド面47aには、
図1に示すように、第2誘導路GP2を移動する収容体5の円筒状部5Rが接触してもよい。
【0111】
図1~
図4に示す例において、中間部48は、第1縁部481と、第1縁部481とは反対の第2縁部482と、の間に延びている。第1縁部481及び第2縁部482は、それぞれ、第1方向D1に延びている。第2縁部482は、揺動部材40の第2端部402を形成している。第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第1縁部481は、中間部48の上端を形成してもよい。第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第2縁部482は、中間部48の下端を形成してもよい。第2位置P2に揺動した揺動部材40において、第2縁部482は、第1縁部481よりも船体100から離れてもよい。
【0112】
図1~
図4に示す例において、中間部48は板状である。
図1、
図3及び
図4に示すように、第2位置P2に揺動した揺動部材40において、板状の中間部48が、第2軸線AX2を中心として、船外OBに向けて下方に傾斜してもよい。
図4に示すように、第2移動経路RT2を通行する人は、船外OBに向けて下方に傾斜した中間部48上を滑ることによって、第2位置P2に揺動した揺動部材40上を移動してもよい。
【0113】
図3及び
図4に示すように、座面26は、第2位置P2に揺動した揺動部材40の中間部48の上端に通じてもよい。すなわち、座面26と中間部48の上端とは、揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、座面26に座った人が、体の少なくとも一部分を中間部48に接触させることができる程度に、上下方向VD及び第2方向D2において互いに近接してもよい。図示された例において、中間部48は、第1縁部481において、座面26と上下方向VDに最も近づいている。座面26は、第2端部262において、中間部48の第1縁部481と第2方向D2に最も近づいている。また、
図3に示す例において、人M2は、座面26に座った状態で足(靴)を中間部48に接触させている。
【0114】
図2に示すように、第1位置P1に位置する揺動部材40において、第2揺動部材42は、船外OB側から収容体5に接触してもよい。図示されているように、第2揺動部材42は、ガイドレール部47において、収容体5に接触してもよい。第2揺動部材42は、揺動部材40が第1位置P1に位置するとき、ベース部材20及び第1揺動部材41とともに、収容体5を支持してもよい。第2揺動部材42は、揺動部材40が第1位置P1に位置するとき、ガイドレール部47において船外OB側から接触することによって、収容体5の船外OBへの移動を規制してもよい。
【0115】
図1及び
図2に示すように、第2揺動部材42は、揺動部材40の揺動を規制する綱RPが取り付けられる一対の取付部49を有してもよい。一対の取付部49の各々は、一対のガイドレール部47の各々から第1方向D1における外方に突出している。
図2に示すように、一対の取付部49には、綱RPの端部が引っ掛けられてもよい。
【0116】
図示された架台10の作用について説明する。
【0117】
架台10が船体100の取付面PLに設置された状態で、収容体5を架台10上に配置する。収容体5の内部には、浮体2が収容されている。収容体5は、第2方向D2において、第1側部30A及び第2側部30Bの各第1柱部31と、第1揺動部材41の溝部45と、の間に挟まれる。収容体5は、第2方向D2において、第1側部30A及び第2側部30Bの各第1柱部31と、第2揺動部材42のガイドレール部47と、の間に挟まれる。収容体5は、下方から、第1側部30A及び第2側部30Bの各支持部35及び第1揺動部材41の溝部45によって支持される。収容体5を架台10上に配置するとき、揺動部材40は、第1位置P1へ揺動され得る。
【0118】
収容体5が架台10上に配置された状態において、揺動部材40は、第1位置P1にて固定される。第1位置P1にて固定された揺動部材40は、ベース部材20に対する揺動を規制される。図示された例では、揺動部材40は、ベース部材20と第2揺動部材42との間に延びる綱RPによって、ベース部材20に対して固定されている。図示された収容体5は、架台10上に配置されたとき、一対の拡幅部5Xにおいてベース部材20と接触することによって、第1方向D1への移動を規制されてもよい。収容体5は、架台10上に配置されたとき、一対の拡幅部5Xにおいて第1揺動部材41と接触することによって、第1方向D1への移動を規制されてもよい。
【0119】
図2に示す例において、第1位置P1に位置する揺動部材40は、第1側部30Aよりも高く延び上がっている。第1位置P1に位置する揺動部材40は、第2側部30Bよりも高く延び上がっている。第1位置P1に位置する揺動部材40は、第1側部30Aの第1柱部31(上方第1柱部312)の上端よりも上方に位置する部分を含んでいる。第1位置P1に位置する揺動部材40は、第2側部30Bの第1柱部31(上方第1柱部312)の上端よりも上方に位置する部分を含んでいる。この具体例によれば、揺動部材40は、第1位置P1に位置するときに、収容体5が船外OBへ移動することを効果的に抑制できる。このような架台10は、揺動部材40が第1位置P1に位置するときに収容体5を安定して保持できる。とりわけ、このような架台10は、揺動部材40が第1位置P1に位置する状態、すなわち浮体2を使用しない状態において、収容体5が船外OBへ落下することを抑制できる。
【0120】
第1位置P1に位置する揺動部材40において、第1揺動部材41は、ベース部材20とともに下方から収容体5を支持している。第1揺動部材41は、溝部45の一対の側部452において、下方から収容体5に接触している。複数の部材によって収容体5を下方から支持することによって、収容体5を安定してベース部材20上に支持できる。
【0121】
第1位置P1に位置する揺動部材40において、第1揺動部材41は、収容体5と対面している。第1揺動部材41の一対の溝部45は、収容体5の拡幅部5Xを収容している。拡幅部5Xは、一対の側部452の間に配置されている。拡幅部5Xが一対の側部452の間に配置されることによって、第1揺動部材41に対する収容体5の第1方向D1における両側への移動が規制される。これにより、揺動部材40が第1位置P1に位置するとき、第1揺動部材41は、架台10に対する収容体5の第1方向D1への移動を効果的に抑制できる。
【0122】
浮体2を展開する必要が生じた場合、ベース部材20に対する揺動部材40の固定が解除される。
図2に示す例では、綱RPの一方の端部に取り付けられた放出装置RSを操作することによって、綱RPが解放される。綱RPを解放することによって、ベース部材20に対する揺動部材40の固定が解除されてもよい。
【0123】
ベース部材20に対する固定が解除された揺動部材40は、第1位置P1から第2位置P2に揺動する。図示された例では、第1揺動部材41は、第1軸線AX1を中心として、ベース部材20に対して揺動する。第2揺動部材42は、第1揺動部材41に対して、第2軸線AX2を中心として、第1揺動部材41に対して揺動する。第2位置P2に揺動することによって、揺動部材40の少なくとも一部分が船外OBに位置し且つベース部材20から船外OBに向けて延び下がる。
【0124】
第1位置P1から第2位置P2に揺動する揺動部材40において、第1揺動部材41は、規制部材50(第1規制部材51)と接触する。第1揺動部材41は、規制部材50のベース部材20よりも第1方向D1における外方に突出した部分に接触する。
図3及び
図4に示す例では、第1揺動部材41の一対の溝部45が、底部451において規制部材50に接触している。第1揺動部材41と規制部材50とがこのように接触することによって、第1軸線AX1を中心とした第1揺動部材41の更なる揺動が規制される。
【0125】
第1位置P1から第2位置P2に揺動する揺動部材40において、第2揺動部材42は、第2規制部材52と接触する。
図3及び
図4に示す例では、第2揺動部材42の一対のガイドレール部47が、それぞれ、上方から第2規制部材52と接触する。第2揺動部材42と第2規制部材52とが接触することによって、第2軸線AX2を中心とした第2揺動部材42の更なる揺動が規制される。
【0126】
揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、架台10は、誘導路GPを形成する。
図1に示す例では、ベース部材20は、第1誘導路GP1を形成している。揺動部材40は、第2誘導路GP2を形成している。船外OBへ移動する収容体5は、第1誘導路GP1、基端側第2誘導路GP21、先端側第2誘導路GP22の順で通過する。図示された例では、誘導路GPは、収容体5を船1よりも後方へと誘導する。
【0127】
収容体5を船外OBへ放出する。収容体5は、まず、ベース部材20上を第1誘導路GP1に沿って誘導される。第1誘導路GP1に沿って誘導されるとき、収容体5は、船外OBへ向けて下方に傾斜した支持面35a上を転がる。
【0128】
収容体5は、次に、第1揺動部材41上を基端側第2誘導路GP21に沿って誘導される。基端側第2誘導路GP21に沿って誘導されるとき、収容体5は、一対の拡幅部5Xの各々を一対の溝部45の一方に収容された状態で、溝部45上を転がる。
【0129】
収容体5は、次に、第2揺動部材42上を先端側第2誘導路GP22に沿って誘導される。先端側第2誘導路GP22に沿って誘導されるとき、収容体5は、ガイドレール部47のガイド面47a上を転がる。第2誘導路GP2を通過した収容体5は、架台10から落下し、着水する。このようにして、収容体5が船外OBへ放出される。図示された例では、収容体5は、船外OBへ後ろ向きに放出される。
【0130】
図4に示す例において、第1側部30A及び第2側部30Bの外間隔BOは、一対の拡幅部5Xの内間隔CIよりも小さくなっている。第1側部30A及び第2側部30Bの外間隔BOと、一対の拡幅部5Xの内間隔CIと、の差は、拡幅部5Xの軸方向長さCWより小さくなっている。この具体例によれば、第1側部30A及び第2側部30Bは、一対の拡幅部5Xの間に配置される。第1側部30A及び第2側部30Bは、それぞれ、第1方向D1における内方から、拡幅部5Xに接触し得る。第1側部30Aと拡幅部5Xとの接触、及び第2側部30Bと拡幅部5Xとの接触により、第1誘導路GP1における収容体5の第1方向D1への移動が規制される。これにより、第1誘導路GP1を形成するベース部材20は、収容体5を安定して第2誘導路GP2へ誘導できる。
【0131】
図1、
図3及び
図4に示す例において、第1揺動部材41は、一対の溝部45を含んでいる。第1揺動部材41は、一対の溝部45によって基端側第2誘導路GP21を形成している。溝部45の各々は、一対の拡幅部5Xの各々を収容することによって、収容体5を船外OBへ誘導している。この具体例によれば、溝部45の一対の側部452の間に拡幅部5Xが配置された状態において、収容体5は、第1方向D1における両側への移動を規制される。これにより、基端側第2誘導路GP21を形成する第1揺動部材41は、収容体5を安定して船外OBへ誘導できる。
【0132】
図4に示す例において、第2揺動部材42の一対のガイドレール部47は、第1方向D1に外間隔GOを空けて、互いに離れている。一対のガイドレール部47の外間隔GOは、一対の拡幅部5Xの内間隔CIよりも小さくなっている。この具体例によれば、一対のガイドレール部47は、一対の拡幅部5Xの間に配置される。ガイドレール部47は、第1方向D1における内方から、第2揺動部材42上を移動する拡幅部5Xに接触する。ガイドレール部47と拡幅部5Xとが接触することによって、第2誘導路GP2における収容体5の第1方向D1への移動が規制される。これにより、第2誘導路GP2を形成する揺動部材40は、収容体5を安定して船外OBへ誘導できる。
【0133】
図1及び
図3に示す例において、第2位置P2に揺動した揺動部材40(第2揺動部材42)によって形成された第2誘導路GP2は、ベース部材20によって形成された第1誘導路GP1の延長上に位置する部分を含んでいる。支持部35の支持面35aは、ガイドレール部47のガイド面47aの延長上に位置している。この具体例によれば、第2誘導路GP2と第1誘導路GP1との間に段差が生じることを抑制できる。これにより、誘導路GPに沿って誘導される収容体5は、第1誘導路GP1から安定した状態で第2誘導路GP2へ移動できる。したがって、収容体5をベース部材20上から船外OBへ安定して誘導できる。
【0134】
また、
図1及び
図3に示す例において、第1揺動部材41は、ベース部材20及び第2揺動部材42よりも第1方向D1における外方に位置している。第1揺動部材41は、ベース部材20及び第2揺動部材42と略平行に延びている。
図1及び
図4に示すように、誘導路GPは、第1誘導路GP1と基端側第2誘導路GP21とが重複する区間、及び基端側第2誘導路GP21と先端側第2誘導路GP22とが重複する区間を含む。誘導路GPが重複する区間を含むことによって、収容体5をより安定して誘導できる。また、第1揺動部材41がベース部材20及び第2揺動部材42と略平行に延びることによって、第1誘導路GP1から基端側第2誘導路GP21への移動、及び基端側第2誘導路GP21から先端側第2誘導路GP22への移動の際に誘導路GPに段差が生じることを抑制できる。これにより、収容体5を安定して船外OBに誘導できる。
【0135】
収容体5は、船外OBに放出されたときに、第1部分5Aと第2部分5Bとに分かれる。第1部分5Aと第2部分5Bとが分かれることによって、収容体5に収容された浮体2が船外OBに放出される。
【0136】
着水した収容体5から浮体2が展開される。収容体5が船外OBへ放出された時点で、収容体5内において、ボンベから浮体2内への気体の充填が始まる。浮体2は、ボンベから供給された気体によって、収容体5内において膨張する。収容体5は、内部で膨張する浮体2によって、第1部分5A及び第2部分5Bに分かれる。収容体5外に放出された浮体2は、ボンベから供給される気体によってさらに膨張し、展開する。
【0137】
ところで、浮体は、船から離れた位置で展開する。船外で展開した浮体へ船から移動することは容易でない。
【0138】
これに対して、本実施の形態による架台10は、船体100に取り付け可能且つ浮体2を収容した収容体5を保持する。架台10は、ベース部材20と、第1位置P1から第2位置P2に揺動可能にベース部材20に接続した揺動部材40と、を含んでいる。揺動部材40は、第1位置P1において、ベース部材20から延び上がり、収容体5をベース部材20とともに支持する。揺動部材40の少なくとも一部分は、第2位置P2において、船外OBに位置し且つベース部材20から延び下がる。
【0139】
本実施の形態によれば、第2位置P2に揺動した揺動部材40によって、ベース部材20上から収容体5を船外OBへ誘導できる。収容体5を船外OBへ誘導することによって、収容体5を容易かつ迅速に船外OBに投入し、浮体2を安定して船外OBにおいて展開できる。
【0140】
また、本実施の形態によれば、第2位置P2に揺動した揺動部材40は、船外OBで展開した浮体2へ移動する人Mの移動経路RT(第2移動経路RT2)とすることができる。揺動部材40を浮体2への移動経路RT(第2移動経路RT2)として用いることによって、水面に接近するように下方に傾斜して船外OBに延び出した揺動部材40を通行して浮体2に移動できる。したがって、船体100から浮体2へ容易かつ迅速に移動できる。また、水面上に延び出した揺動部材40の近傍に浮体2を引き寄せておくことによって、船1から浮体2への移動中に水中に落下してしまうことを抑制できる。これにより、船1から浮体2への移動に要する時間を大幅に短縮できる。
【0141】
以上の結果として、本実施の形態によれば、船外OBに展開した浮体2へ容易に移動できる。
【0142】
図3に示す例において、ベース部材20は、第2位置P2に揺動した揺動部材40に通じる座面26を含んでいる。人Mは、揺動部材40上を移動する前に、座面26に座ることができる。すなわち、
図3に示された人M2のように、第2移動経路RT2を通行する前に、第1移動経路RT1にて待機できる。また、人Mは、座面26の第2端部262及び中間部48の第1縁部481において互いに近接したベース部材20から揺動部材40(第2揺動部材42)へ円滑に移動できる。これらにより、人Mは、船外OBに展開された浮体2へ容易に移動できる。
【0143】
また、
図3に示す例において、座面26は、第2部分26Bとして、第2位置P2へ揺動した揺動部材40(第2揺動部材42)に沿って延び下がる部分を含んでいる。この具体例によれば、人Mは、第1移動経路RT1から第2移動経路RT2へと円滑に移動できる。これにより、人Mは、船外OBに展開された浮体2へ容易に移動できる。
【0144】
図4に示す例において、ベース部材20は、船体100の取付面PLに取り付けられている。第2位置P2に揺動した揺動部材40は、船体100の取付面PLよりも上方に延び下がっている。この具体例によれば、第2位置P2に揺動した揺動部材40を、上下方向VDにおいて水面から離すことができる。これにより、
図3に示すように、揺動部材40の下端部と水面との間に浮体2を容易に配置できる。また、この具体例によれば、第2位置P2に揺動した揺動部材40が、少なくとも部分的に水中に沈むことを抑制できる。したがって、船外OBで展開した浮体2へ容易に移動できる。
【0145】
図1~
図4に示す例において、ベース部材20は、船体100から延び上がる第1側部30A及び第2側部30Bと、第1側部30Aと第2側部30Bとを連結する連結部21を含んでいる。連結部21は、第1側部30A及び第2側部30Bから取り外し可能な第2連結部212を含んでいる。第1側部30Aと第2側部30Bとの間には、第2連結部212を取り外した状態において、第2位置P2に揺動した揺動部材40に通じる人Mの移動経路RT(第1移動経路RT1)が形成される。この具体例によれば、第2連結部212が取り付けられた状態では、残留応力や炎天下での温度変化等に起因して、第1側部30Aと第2側部30Bとの間に歪みが生じることを抑制できる。第2連結部212が取り外された状態では、人Mがベース部材20に形成された第1移動経路RT1を通行することを可能にする。したがって、この具体例によれば、ベース部材20によって収容体5を安定して支持し、且つ、第2位置P2に揺動した揺動部材40へ容易に移動できる。
【0146】
図1~
図4に示す例において、ベース部材20は、船体100から上方に延びる第1側部30A及び第2側部30Bを含んでいる。揺動部材40は、
図2に示すように、第1位置P1に位置するときに第1側部30Aの上端よりも高く延び上がり、且つ第2側部30Bの上端よりも高く延び上がっている。この具体例によれば、第1側部30A及び第2側部30Bの上端よりも船外OB側に位置する揺動部材40によって、収容体5が船外OBへ意図せず落下することを抑制できる。これにより、架台10は、揺動部材40が第1位置P1に位置するときに収容体5を安定して保持できる。
【0147】
図1~
図4に示す例において、ベース部材20は、船体100から上方に延びる第1側部30A及び第2側部30Bと、第1側部30A及び第2側部30Bの間に位置する昇降手段25と、を含んでいる。昇降手段25は、第2位置P2に揺動した揺動部材40への人Mの移動経路RT(第1移動経路RT1)を形成している。この具体例によれば、人Mは、昇降手段25を見ることによって、第1側部30Aと第2側部30Bとの間に移動経路RTが形成されていることを容易に認識できる。
図3に示すように、第2位置P2に揺動した揺動部材40をブルワーク102よりも上方に配置できる。これらにより、人Mは、昇降手段25を上ることによって船体100の外へ容易に移動できる。
【0148】
図1~
図4に示す例において、ベース部材20は、船体100に取り付けられた下方ベース部22と、下方ベース部22に接続した上方ベース部23と、を含んでいる。下方ベース部22は、昇降手段25を含んでいる。この具体例によれば、人Mは、船体100の取付面PLから昇降手段25へ容易に移動できる。
【0149】
図1~
図4に示す例において、ベース部材20は、昇降手段25を含み船体100に取り付け可能な下方ベース部22と、下方ベース部22に接続し船体100に取り付け可能な上方ベース部23と、を含んでいる。下方ベース部22及び上方ベース部23は、互いに着脱可能である。この具体例によれば、ベース部材20を取り付ける船体100に応じて、ベース部材20として、下方ベース部22及び上方ベース部23を含む構成と、下方ベース部22及び上方ベース部23のいずれか一方を含む構成と、から選択できる。一例として、船体100の取付面PLからのブルワーク102の突出高さに応じて、ベース部材20について、上述した構成から選択できる。これにより、架台10の設置環境に応じて、架台10の自由度を向上できる。
【0150】
図1~
図4に示す例において、中間部48は、一対のガイドレール部47と接続する一対の側縁部483を有している。一対の側縁部483の一方は、一対のガイドレール部47の一方と接続している。一対の側縁部483の他方は、一対のガイドレール部47の他方と接続している。揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、一対のガイドレール部47は、両側縁部483から上方に延び出している。この具体例によれば、一対のガイドレール部47によって、人Mが、中間部48の両側縁部483よりも揺動部材40の幅方向における外方へ移動することを抑制できる。これにより、第2移動経路RT2を通行する人Mは、中間部48上を容易に移動できる。
【0151】
図3に示す例において、中間部48は板状である。人Mは、中間部48上を滑ることによって揺動部材40上を移動可能である。
図3に示す例では、人M3が、中間部48上を滑ることによって、第2移動経路RT2を通行している。この具体例によれば、第2移動経路RT2を通行する人は、浮体2へスムーズに移動できる。また、この具体例によれば、
図3に示された人M3のように、揺動部材40上において姿勢を維持したまま浮体2へ移動できる。これらにより、人Mは、船体100から浮体2へ容易に移動できる。
【0152】
図3に示す例において、揺動部材40が第2位置P2に揺動したとき、架台10のブルワーク102と上下方向VDに重なる部分は、ブルワーク102よりも上方に位置している。すなわち、第2位置P2に揺動した揺動部材40は、ブルワーク102上を通過している。第2移動経路RT2は、ブルワーク102上を通過している。この具体例によれば、第2移動経路RT2を通行する人Mは、
図3に示すように、ブルワーク102上を通過する。人Mは、
図3及び
図4に示すように、第2移動経路RT2を通行しているときに、ブルワーク102上を通過する。これにより、人Mは、容易に船体100の外へ移動できる。
【0153】
以上に説明してきた一実施の形態において、架台10は、船体100に取り付け可能且つ浮体2を収容した収容体5を保持する。架台10は、ベース部材20と、第1位置P1から第2位置P2に揺動可能にベース部材20に接続した揺動部材40と、を含んでいる。揺動部材40は、第1位置P1において、ベース部材20から延び上がり、収容体5をベース部材20とともに支持する。揺動部材40の少なくとも一部分は、第2位置P2において、船外OBに位置し且つベース部材20から船外OBに向けて延び下がる。本実施の形態によれば、第2位置P2へ揺動した揺動部材40は、収容体5を船外OBへ安定して誘導する誘導路GPとして用いることができる。第2位置P2へ揺動した揺動部材40は、船外OBで展開した浮体2へ移動する人Mの移動経路RTとして用いることもできる。これらにより、人Mは、船外OBで展開された浮体2へ容易に移動できる。
【0154】
具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述の具体例が一実施の形態を限定しない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施でき、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【0155】
図1~
図4に示した架台10の一具体例において、第1側部30A及び第2側部30Bは、ベース部材20上に支持された収容体5の一対の拡幅部5Xの間に配置されていた。第1側部30A及び第2側部30Bの外間隔BOは、一対の拡幅部5Xの内間隔CIよりも小さくなっていた。これとは逆に、ベース部材20上に支持された収容体5の拡幅部5Xが、第1側部30A及び第2側部30Bの間に配置されてもよい。第1側部30A及び第2側部30Bの内間隔BIは、一対の拡幅部5Xの外間隔COよりも大きくてもよい。一対の拡幅部5Xの外間隔COと、第1側部30A及び第2側部30Bの内間隔BIと、の差は、一対の拡幅部5Xの軸方向長さCWより小さくてもよい。この具体例によれば、拡幅部5Xは、第1方向D1における内方から第1側部30A及び第2側部30Bに接触する。拡幅部5Xと第1側部30Aとの接触、及び拡幅部5Xと第2側部30Bとの接触によって、ベース部材20上における収容体5の第1方向D1への移動が規制される。したがって、収容体5をベース部材20上に安定して支持できる。また、ベース部材20が第1誘導路GP1を形成するときには、収容体5を安定して揺動部材40へ誘導できる。
【0156】
図1~
図4に示した架台10の一具体例において、一対のガイドレール部47は、揺動部材40上を移動する一対の拡幅部5Xの間に配置されていた。一対のガイドレール部47の外間隔GOは、一対の拡幅部5Xの内間隔CIよりも小さくなっていた。これとは逆に、
図5に示すように、揺動部材40上を移動する一対の拡幅部5Xが、一対のガイドレール部47の間に配置されてもよい。一対のガイドレール部47の内間隔GIは、一対の拡幅部5Xの外間隔COよりも大きくてもよい。一対のガイドレール部47の内間隔GIと、一対の拡幅部5Xの外間隔COと、の差は、拡幅部5Xの軸方向長さCWより小さくてもよい。この具体例によれば、拡幅部5Xは、第1方向D1における内方からガイドレール部47に接触する。ガイドレール部47と拡幅部5Xとが接触することによって、第2誘導路GP2における収容体5の第1方向D1への移動が規制される。したがって、この例によっても、収容体5を安定して船外OBへ誘導できる。
【0157】
図1~
図4に示した架台10の一具体例において、揺動部材40は、ベース部材20に取り付けられた第1揺動部材41と、第1揺動部材41に取り付けられた第2揺動部材42と、を含んでいた。揺動部材40は、複数の部材によって構成されていた。これに限られず、揺動部材40は、
図5及び
図6に示すように、単一の部材によって構成されてもよい。図示された例において、揺動部材40は、ピンPNによってベース部材20に取り付けられている。揺動部材40は、軸線AXを中心としてベース部材20に対して揺動可能である。
【0158】
図1~
図4に示した架台10の一具体例において、座面26は、第1部分26Aと、第1部分26Aに接続し船外OBに向けて延び下がる第2部分26Bと、を含んでいた。第2部分26Bは、規制部材50によって形成されていた。これに限られず、座面26は、
図5及び
図6に示すように、一枚の板材によって形成されてもよい。規制部材50は、座面26を構成する板材とは別部材でもよい。
【0159】
図1~
図4に示した架台10の一具体例において、揺動部材40は、ベース部材20から延び出した一対のガイドレール部47と、一対のガイドレール部47の間に位置する中間部48と、を含んでいた。人Mは、中間部48上を滑ることによって揺動部材40上を移動可能であった。これに限られず、揺動部材40は、
図6に示すように、ベース部材20から延び出した一対のガイドレール部47と、一対のガイドレール部47を接続する複数の踏板43と、を含んでもよい。人Mは、踏板43を把持した状態で、揺動部材40上を移動可能でもよい。人Mは、一方の足を踏板43に掛けた状態で、揺動部材40上を移動可能でもよい。
【0160】
図1~
図4に示した架台10の一具体例において、揺動部材40は、第1揺動部材41及び第2揺動部材42を含んでいた。第1揺動部材41は、ベース部材20に対して揺動することによって、ベース部材20から船外OBに向けて延び下がっていた。第2揺動部材42は、第1揺動部材41に対して揺動することによって、第1揺動部材41から船外OBに向けて延び下がっていた。これに限られず、揺動部材40は、第2位置P2において伸長することによって、ベース部材20から船外OBに向けて延び下がる部分を含んでもよい。
図7及び
図8に示す例において、揺動部材40は、第2位置P2においてスライド可能なスライド部材44を含んでいる。図示された例において、スライド部材44は、第1方向D1及び第2方向D2に広がる板状の部材である。
【0161】
図7に示す例では、揺動部材40は、第1位置P1に位置している。第1位置P1において、スライド部材44は、一対のガイドレール部47の間に配置されている。スライド部材44は、一対のガイドレール部47に配置されたストッパ475によって、ガイドレール部47に対する下方への移動を規制されている。スライド部材44を一対のガイドレール部47内に収容することによって、第1位置P1において、揺動部材40の上方への突出を抑制できる。これにより、上下方向VDにおいて架台10を小型化できる。
【0162】
図8に示す例では、揺動部材40は、第2位置P2へ揺動している。スライド部材44は、スライド部材44に含まれる車輪441が回転することによって、一対のガイドレール部47に沿って移動する。スライド部材44は、一対のガイドレール部47に対してスライド移動している。スライド移動したスライド部材44は、揺動部材40から船外OBに向けて延び下がっている。
【0163】
スライド部材44は、ガイドレール部47から船外OBに向けて延び下がった状態において、上述の先端側第2誘導路GP22を形成してもよい。スライド部材44は、ガイドレール部47から船外OBに向けて延び下がった状態において、上述の第2移動経路RT2を形成してもよい。
【0164】
図1~
図4に示した架台10の一具体例において、架台10は、揺動部材40(第1揺動部材41)のベース部材20に対する揺動を規制する規制部材50(第1規制部材51)を含んでいた。揺動部材40は、規制部材50のベース部材20よりも第1方向D1における外方に突出した部分に接触することによって、更なる揺動を抑制されていた。これに限られず、揺動部材40は、規制部材50のベース部材20よりも第1方向D1における内方に位置する部分に接触してもよい。すなわち、揺動部材40は、規制部材50の第1側部30Aと第2側部30Bとの間に位置する部分に接触することによって、更なる揺動を規制されてもよい。
【0165】
上述した架台10の一具体例において、架台10は、船体100の後方端部に設置されていた。架台10は、揺動部材40が第2位置P2に揺動したときに、船1の後方から船外OBへ脱出しようとする人Mの移動経路RTを形成していた。これに限られず、架台10は、船体100の側端部、すなわち船体100の左右方向における端部に設置されてもよい。このような架台10は、揺動部材40が第2位置P2に揺動したときに、船1の側方から船外OBへ脱出しようとする人Mの移動経路RTを形成してもよい。
【符号の説明】
【0166】
1:船、2:浮体、5:収容体、5X:拡幅部、10:架台、20:ベース部材、21:連結部、22:下方ベース部、23:上方ベース部、25:昇降手段、26:座面、30A:第1側部、30B:第2側部、40:揺動部材、41:第1揺動部材、42:第2揺動部材、45:溝部、47:ガイドレール部、48:中間部、50:規制部材、100:船体、102:ブルワーク、GP:誘導路、M:人、OB:船外、P1:第1位置、P2:第2位置、PL:取付面、RT:移動経路