(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176064
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】提示システム、提示方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094281
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】具 利晟
(72)【発明者】
【氏名】馬場 朗
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料を提示することができる提示システムを提供する。
【解決手段】提示システム10は、太陽光発電設備が設置された第1施設を利用する第1利用者の電気料金の実績に関する第1電気料金データを学習データとして構築された機械学習モデルと、太陽光発電設備が設置されていない第2施設を利用する第2利用者の電気料金の実績に関する第2電気料金データとに基づいて、第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する予測部32eと、予測された電気料金の削減量を提示する提示部32fとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電設備が設置された第1施設を利用する第1利用者の電気料金の実績に関する第1電気料金データが複数記憶された記憶部と、
太陽光発電設備が設置されていない第2施設を利用する第2利用者の電気料金の実績に関する第2電気料金データを取得する取得部と、
取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データを学習データとして構築された機械学習モデルとに基づいて、前記第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する予測部と、
取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データのそれぞれとの類似度を算出する類似度算出部と、
算出された前記類似度に基づいて、複数の前記第1利用者と前記第2利用者とをグループ分けするグルーピング処理部と、
予測された前記電気料金の削減量と、前記第2利用者と同一のグループに所属する前記第1利用者の前記第1電気料金データに基づいて定まる、予測の根拠とを提示する提示部とを備える
提示システム。
【請求項2】
前記提示部は、前記予測の根拠として、前記第2利用者と同一のグループに所属する前記第1利用者の、太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の実績と、当該第1利用者の前記第1電気料金データの少なくとも一部とを提示する
請求項1に記載の提示システム。
【請求項3】
前記提示部は、前記予測の根拠として、前記第2利用者と同一のグループに所属する前記第1利用者の、太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の実績の分布を示すグラフを提示する
請求項1または2に記載の提示システム。
【請求項4】
前記グラフにおいては、前記第2利用者と同一のグループに所属する前記第1利用者の、太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の平均値が示されている
請求項3に記載の提示システム。
【請求項5】
前記グラフが提示されているときに、前記グラフに対する区間が指定されると、指定された区間の長さに応じて、指定された区間内の電気料金の削減量が得られる確率が提示される
請求項4に記載の提示システム。
【請求項6】
前記提示部は、予測された前記電気料金の削減量に相当する金銭価値を有する商品を提示する
請求項1または2に記載の提示システム。
【請求項7】
前記提示部は、予測された前記電気料金の削減量の年次変化を提示する
請求項1または2に記載の提示システム。
【請求項8】
前記予測部は、前記第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の発電量を予測し、
前記提示部は、予測された前記発電量の年次変化を提示する
請求項7に記載の提示システム。
【請求項9】
前記提示部は、平均気温、最高気温、及び、最低気温の年次変化を提示する
請求項7に記載の提示システム。
【請求項10】
前記提示部は、石炭、LNG(Liquefied Natural Gas)、及び、原油の燃料単価の年次変化を提示する
請求項7に記載の提示システム。
【請求項11】
さらに、複数の前記第1電気料金データのそれぞれに対して特徴量を算出する特徴量算出部を備え、
前記予測部は、算出された前記特徴量を前記機械学習モデルに入力することにより、前記電気料金の削減量を予測する
請求項1または2に記載の提示システム。
【請求項12】
前記第1電気料金データには、前記第1利用者の属性情報、契約電力情報、使用電力統計量情報、前記第1施設に設けられた設備の設備諸元情報、前記第1施設の属性情報、及び、電気料金削減量情報が含まれる
請求項1または2に記載の提示システム。
【請求項13】
コンピュータによって実行される提示方法であって、
前記コンピュータは、太陽光発電設備が設置された第1施設を利用する第1利用者の電気料金の実績に関する第1電気料金データが複数記憶された記憶部にアクセス可能であり、
前記提示方法は、
太陽光発電設備が設置されていない第2施設を利用する第2利用者の電気料金の実績に関する第2電気料金データを取得する取得ステップと、
取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データを学習データとして構築された機械学習モデルとに基づいて、前記第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する予測ステップと、
取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データのそれぞれとの類似度を算出する類似度算出ステップと、
算出された前記類似度に基づいて、複数の前記第1利用者と前記第2利用者とをグループ分けするグルーピングステップと、
予測された前記電気料金の削減量と、前記第2利用者と同一のグループに所属する前記第1利用者の前記第1電気料金データに基づいて定まる、予測の根拠とを提示する提示ステップとを含む
提示方法。
【請求項14】
請求項13に記載の提示方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提示システム、提示方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハイブリッドシステムの構成仕様を提供する方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料を提示することができる提示システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る提示システムは、太陽光発電設備が設置された第1施設を利用する第1利用者の電気料金の実績に関する第1電気料金データが複数記憶された記憶部と、太陽光発電設備が設置されていない第2施設を利用する第2利用者の電気料金の実績に関する第2電気料金データを取得する取得部と、取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データを学習データとして構築された機械学習モデルとに基づいて、前記第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する予測部と、取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データのそれぞれとの類似度を算出する類似度算出部と、算出された前記類似度に基づいて、複数の前記第1利用者と前記第2利用者とをグループ分けするグルーピング処理部と、予測された前記電気料金の削減量と、前記第2利用者と同一のグループに所属する前記第1利用者の前記第1電気料金データに基づいて定まる、予測の根拠とを提示する提示部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る提示方法は、コンピュータによって実行される提示方法であって、前記コンピュータは、太陽光発電設備が設置された第1施設を利用する第1利用者の電気料金の実績に関する第1電気料金データが複数記憶された記憶部にアクセス可能であり、前記提示方法は、太陽光発電設備が設置されていない第2施設を利用する第2利用者の電気料金の実績に関する第2電気料金データを取得する取得ステップと、取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データを学習データとして構築された機械学習モデルとに基づいて、前記第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する予測ステップと、取得された前記第2電気料金データと、複数の前記第1電気料金データのそれぞれとの類似度を算出する類似度算出ステップと、算出された前記類似度に基づいて、複数の前記第1利用者と前記第2利用者とをグループ分けするグルーピングステップと、予測された前記電気料金の削減量と、前記第2利用者と同一のグループに所属する前記第1利用者の前記第1電気料金データに基づいて定まる、予測の根拠とを提示する提示ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記提示方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の提示システム等は、太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る提示システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1電気料金データに含まれる情報の詳細を示す図である。
【
図3】
図3は、機械学習モデルを構築するための動作のフローチャートである。
【
図4】
図4は、電気料金の削減量の予測動作のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、電気料金の削減量の予測結果の表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、確率が表示された、電気料金の削減量の予測結果の表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、電気料金の削減量の予測結果の表示画面の変形例1を示す図である。
【
図8】
図8は、電気料金の削減量の予測結果の表示画面の変形例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る提示システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る提示システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
提示システム10は、太陽光発電設備が設置されていない住宅に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測し、予測した電気料金の削減量を、当該住宅の居住者に対して提示することができるシステムである。住宅は、施設の一例である。
【0014】
住宅に太陽光発電設備を設置した場合の電気料金の削減量(削減効果)は、当該住宅、及び、当該住宅の周辺環境などに応じて差があることから、居住者は、太陽光発電設備の設置を決断できないことが多い。例えば、太陽光発電設備を試しに住宅に設置し、実際の電気料金の削減量が算出されれば、算出された電気料金の削減量は、太陽光発電設備を設置するか否かの判断に有用であると考えられるが、現実的ではない。
【0015】
これに対し、提示システム10は、太陽光発電設備が設置されていない住宅に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測し、予測した電気料金の削減量を予測の根拠とともに提示することができる。提示システム10は、情報端末20と、削減量予測装置30とを備える。
【0016】
情報端末20は、提示システム10におけるユーザインターフェース装置であり、例えば、太陽光発電設備が設置されていない住宅の居住者、または、当該居住者に太陽光発電設備の設置を推奨する者(例えば、太陽光発電設備を販売する事業者の従業員(営業マン))などのシステム利用者によって使用される。情報端末20は、具体的には、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、または、タブレット端末などである。情報端末20は、操作受付部21と、表示部22と、通信部23と、情報処理部24と、記憶部25とを備える。
【0017】
操作受付部21は、システム利用者の操作を受け付ける。操作受付部21は、具体的には、キーボード、マウス、または、タッチパネルなどによって実現される。
【0018】
表示部22は、電気料金の削減量の予測に必要な情報の入力画面、及び、電気料金の削減量の予測結果の表示画面などを表示する。表示部22は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0019】
通信部23は、情報端末20が削減量予測装置30と通信を行うための通信回路である。通信部23によって行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0020】
情報処理部24は、電気料金の削減量の予測に必要な情報を削減量予測装置30へ送信する処理、及び、電気料金の削減量の予測結果を表示部22に表示する処理などの情報処理を行う。情報処理部24は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部24の機能は、情報処理部24を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部25に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0021】
記憶部25は、情報処理部24が実行するコンピュータプログラム等の初期設定動作に関する情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部25は、例えば、半導体メモリによって実現されるが、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されてもよい。
【0022】
削減量予測装置30は、太陽光発電設備が設置されていない住宅に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する。削減量予測装置30は、具体的には、サーバ装置(クラウドコンピュータ)などである。削減量予測装置30は、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33とを備える。
【0023】
通信部31は、削減量予測装置30が情報端末20と通信するための通信モジュール(通信回路)である。通信部31によって行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0024】
情報処理部32は、電気料金の削減量を予測するための情報処理を行う。情報処理部32は、具体的には、プロセッサまたはマイクロコンピュータによって実現される。情報処理部32は、具体的には、取得部32aと、特徴量算出部32bと、類似度算出部32cと、グルーピング処理部32dと、予測部32eと、提示部32fとを備える。取得部32a、特徴量算出部32b、類似度算出部32c、グルーピング処理部32d、予測部32e、及び、提示部32fの機能は、情報処理部32を構成するプロセッサまたはマイクロコンピュータが記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。取得部32a、特徴量算出部32b、類似度算出部32c、グルーピング処理部32d、予測部32e、及び、提示部32fの機能の詳細については後述される。
【0025】
記憶部33は、情報処理部32が実行するコンピュータプログラムなど、電気料金の削減量を予測するための各種情報が記憶される記憶装置である。記憶部33は、具体的には、HDDまたは半導体メモリなどによって実現される。
【0026】
[電気料金データ]
削減量予測装置30の記憶部33には、太陽光発電設備が既に設置されている住宅の居住者(以下、第1居住者または第1利用者とも記載される)の電気料金の実績に関する第1電気料金データが多数(多人数分)記憶され、コンピュータによってアクセス可能にデータベース化されている。第1電気料金データには、第1居住者の識別情報と、月ごとの電気料金を示す情報(例えば、2022年10月の電気料金9000円、というような月ごとの区別ができる情報)とが含まれる。
【0027】
また、第1電気料金データには、これらの情報に加えて、利用者属性情報、契約電力情報、使用電力統計量情報、設備諸元情報、住宅属性情報、及び、電気料金削減量情報などが含まれる。
図2は、第1電気料金データに含まれる情報の詳細を示す図である。
【0028】
利用者属性情報は、住所、世帯人数、建物種別、及び、利用エネルギーなどを示す情報である。なお、利用エネルギーは、電気のみが使用されているか、電気及びガスが併用されているかということを意味する。
【0029】
契約電力情報は、電気料金プランを示す情報である。
【0030】
使用電力統計量情報は、昼間の平均電力使用量、1日あたりの平均電力使用量、1月当りの平均電力使用量、年間使用電力量、昼夜電力使用比率、及び、夏冬電力使用比率などを示す情報である。
【0031】
設備諸元情報は、太陽光発電設備の機器構成、太陽光発電設備のパネル容量、及び、太陽光発電設備の定格値などを示す情報である。設備諸元情報には、太陽光発電設備以外の設備の機器構成及び定格値が含まれてもよい。太陽光発電設備以外の機器は、例えば、ヒートポンプ式給湯器、蓄電池システム、EV(Electric Vehicle)充電器、または、燃料電池発電システムなどである。
【0032】
住宅属性情報は、間取り、延床面積、外皮面積、及び、外皮断熱仕様などを示す情報である。
【0033】
電気料金削減量情報は、太陽光発電設備が既に設置されている住宅において、太陽光発電設備が設置されて発電を行うことによってどれだけの電気料金が削減されているかを示す情報である。以下では、電気料金の削減量は、1年あたりの電気料金の削減量として説明されるが、1月あたりなど単位期間あたりの電気料金の削減量であればよい。
【0034】
なお、以上説明した情報のうち、利用者属性情報、契約電力情報、使用電力統計量情報、設備諸元情報、及び、住宅属性情報は、第1居住者へのアンケートなどによって取得される。
【0035】
また、電気料金削減量情報は、削減量予測装置30の情報処理部32によって算出される。情報処理部32は、例えば、記憶部33に記憶された、太陽光発電設備の発電量、発電量における自家消費、及び、売電の割合などの情報から、仮に太陽光発電設備が設置されていなかったとすると電気料金がどれだけ増大するかを算出することができる。電気料金がどれだけ増大するかは、太陽光発電設備が設置されたことによる電気料金の削減量に相当する。
【0036】
なお、第1電気料金データに、利用者属性情報、契約電力情報、使用電力統計量情報、設備諸元情報、住宅属性情報、及び、電気料金削減量情報の全てが含まれることは必須ではない。第1電気料金データには、利用者属性情報、契約電力情報、使用電力統計量情報、設備諸元情報、住宅属性情報、及び、電気料金削減量情報のうち必要に応じた少なくとも一部の情報が含まれればよい。
【0037】
[機械学習モデルを構築するための動作]
削減量予測装置30の情報処理部32は、太陽光発電設備が設置されていない住宅に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測するための機械学習モデルを構築し、記憶部33に記憶する。以下、機械学習モデルを構築するための動作について説明する。
図3は、機械学習モデルを構築するための動作のフローチャートである。
【0038】
削減量予測装置30の取得部32aは、第1電気料金データを記憶部33から取得する(S11)。特徴量算出部32bは、第1電気料金データに含まれる電気料金削減量情報以外の情報を加工することで特徴量を算出する(S12)。情報処理部32は、電気料金削減量情報以外の情報が特徴量に加工された第1電気料金データを機械学習モデルに学習させる(S13)。
【0039】
以上のステップS11~S13の処理が第1電気料金データの数だけ繰り返されることで、機械学習モデルが構築される。この機械学習モデルは、第1電気料金データのうち電気料金削減量情報以外の情報を入力データとして、電気料金の削減量を出力することができる。つまり、機械学習モデルは、太陽光発電設備が設置されていない住宅に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測することができる。
【0040】
なお、ステップS12の特徴量の算出処理は必須ではなく、必要に応じて行われればよい。情報処理部32は、複数(多数)の第1電気料金データを機械学習モデルに学習させればよい。
【0041】
[電気料金の削減量の予測動作]
次に、電気料金の削減量の予測動作について説明する。
図4は、電気料金の削減量の予測動作のシーケンス図である。
【0042】
情報端末20の操作受付部21は、第2電気料金データの入力操作をシステム利用者から受け付ける(S21)。第2電気料金データは、太陽光発電設備が設置されていない住宅の居住者(以下、第2居住者、または、第2利用者とも記載される)の電気料金データであり、電気料金削減量情報が含まれていない点を除いて、第1電気料金データと同様のデータである。
【0043】
なお、第1電気料金データにおける設備諸元情報は、設置済みの太陽光発電設備の設備諸元情報であるが、第2電気料金データにおける設備諸元情報は、これから設置する予定の太陽光発電設備の設備諸元情報である。
【0044】
情報端末20の情報処理部24は、入力された第2電気料金データを、通信部23を用いて削減量予測装置30へ送信する(S22)。
【0045】
削減量予測装置30の通信部31は、第2電気料金データを受信する。取得部32aは、受信された第2電気料金データを取得する(S23)。特徴量算出部32bは、第2電気料金データに含まれる情報を加工することで特徴量を算出する(S24)。なお、ステップS24の特徴量の算出処理は必須ではなく、必要に応じて行われればよい。予測部32eは、情報が特徴量に加工された第2電気料金データを機械学習モデルに入力することで、電気料金の削減量を予測する(S25)。
【0046】
次に、特徴量算出部32bは、記憶部33に記憶されている複数の第1電気料金データのそれぞれに対して、当該第1電気料金データに含まれる電気料金削減量情報以外の情報を加工することで特徴量を算出する(S26)。なお、ステップS26の特徴量の算出処理は必須ではなく、必要に応じて行われればよい。また、第1電気料金データが特徴量を含む形式で記憶部33に記憶されているような場合も、ステップS26の特徴量の算出処理は省略可能である。
【0047】
類似度算出部32cは、情報が特徴量に加工された第2電気料金データと、情報が特徴量に加工された複数の第1電気料金データのそれぞれとの類似度を算出する(S27)。類似度算出部32cは、例えば、第2電気料金データに含まれる特徴量を要素とするベクトルと、第1電気料金データに含まれる特徴量を要素とするベクトルとのコサイン類似度を算出する。なお、類似度の算出には、既存のどのような方法が用いられてもよい。
【0048】
グルーピング処理部32dは、算出された類似度に基づいて、第2電気料金データに対応する第2居住者と、複数の第1電気料金データに対応する複数の第1居住者とをグループ分けする(S28)。グルーピング処理部32dは、例えば、類似度が所定値以上の(つまり、類似度が比較的高い)第1居住者を第2居住者と同一のグループに決定する。なお、グループ分け(グルーピング、クラスタリング)には、既存のどのような方法が用いられてもよい。
【0049】
提示部32fは、ステップS25において予測された電気料金の削減量を提示(可視化)するための提示情報を生成し、通信部31を用いて情報端末20へ送信する(S29)。提示情報には、予測された電気料金の削減量の、予測の根拠を示す根拠情報など、
図5(後述)の表示画面を表示するために必要な情報が含まれる。根拠情報は、第2利用者と同一のグループに所属する第1利用者の第1電気料金データ(より詳細には、電気料金の削減量の実績など)に基づいて定まる情報である。
【0050】
情報端末20の通信部23は、提示情報を受信する。情報処理部24は、受信された提示情報に基づいて、電気料金の削減量の予測結果を表示部22に表示する(S30)。
図5は、電気料金の削減量の予測結果の表示画面の一例を示す図である。
【0051】
図5に示される表示画面においては、第2利用者と同一のグループに所属する第1利用者の電気料金の削減量の実績の分布がグラフ化されており、グラフ(分布)には、電気料金の削減量の平均値が示されている。グラフ、及び、平均値は、予測の根拠(可視化された根拠情報)の一例である。
【0052】
また、グラフにおいては、第2居住者の電気料金の削減量(予測された電気料金の削減量)が、分布の中でどこに位置するか(
図5の「あなた」に相当)とともに、予測された電気料金の削減量(金額)が表示されている。また、グラフにおいては、第2居住者に対する類似度が最も高かった第1居住者の電気料金の削減量の実績が分布の中でどこに位置するか(
図5の「Aさん」に相当)とともに、電気料金の削減量の実績(金額)が表示されている。第2居住者と最も類似度が高かった第1居住者の電気料金の削減量の実績は、予測の根拠(可視化された根拠情報)の別の一例である。
【0053】
また、グラフにおいては、第2居住者に対する類似度が最も高かった第1居住者の第1電気料金データの少なくとも一部も表示される。
図5の例では、太陽光発電設備の発電容量、及び、電気料金プランが表示されている。なお、
図5の例では、第2居住者が設置を希望する太陽光発電設備の発電容量、及び、電気料金プランも表示されている。
【0054】
このように、提示システム10(削減量予測装置30)は、複数の第1電気料金データを用いて、電気料金の削減量の予測、及び、予測の根拠の提示を行うことができる。言い換えれば、提示システム10は、機械学習モデルを用いた電気料金の削減量の予測、及び、予測の根拠の提示の両方を、同じ複数の第1電気料金データを用いて実現することができる。
【0055】
また、第2居住者の電気料金の削減量の予測値を、第2居住者と類似する第1居住者の電気料金の削減量の実績(予測の根拠となった電気料金の削減量)と比較可能な態様で提示することで、第2居住者の電気料金の削減量の予測についての納得性の向上を図ることができる。
【0056】
なお、システム利用者は、情報端末20の操作受付部21への操作により、
図5のグラフにおいて区間(電気料金の削減量の上限値及び下限値)を指定することができ、このような指定が行われると、その区間の電気料金の削減量を得ることができる確率が表示部22に表示される。
図6は、確率が表示された、電気料金の削減量の予測結果の表示画面の一例を示す図である。情報端末20の操作受付部21への操作により、区間の上限値(
図6のZ1円)及び下限値(
図6のY1円)が変更されると、表示される確率も変更される。この場合、取得部32aは、グラフに対して区間を指定する情報を情報端末20から取得し、提示部32fは、指定された区間の長さに応じて、指定された区間内の電気料金の削減量が得られる確率を提示する。
【0057】
これにより、システム利用者は、リスク(確率)とリターン(電気料金の削減量)とを定量的に把握することができる。
【0058】
[予測結果の表示画面の変形例1]
削減量予測装置30の提示部32fは、予測結果の提示画面に、予測された電気料金の削減量の金額に代えて、または、金額に加えて、予測された電気料金の削減量に相当する金銭価値を有する商品を提示してもよい。
図7は、このような予測結果の表示画面の変形例1を示す図である。
【0059】
このように、太陽光発電設備を設置した場合に得られる金銭価値が商品価値化されて提示されれば、システム利用者は、太陽光発電設備を設置した場合に得られるメリットをよりリアルに想像できる。
【0060】
なお、商品の提示を行うために、記憶部33には、電気料金の削減量と当該電気料金の削減量に相当する商品とを対応付けた情報があらかじめ記憶される。提示部32fは、このような情報を参照することで、予測された電気料金の削減量に相当する金銭価値を有する商品を提示することができる。
【0061】
[予測結果の表示画面の変形例2]
削減量予測装置30の提示部32fは、予測された電気料金の削減量の年次変化を提示してもよい。
図8は、このような予測結果の表示画面の変形例2を示す図である。
【0062】
図8に示されるように、2020年に太陽光発電設備を設置していたと仮定した場合の2020年の1年間における電気料金の削減量の予測値、2021年に太陽光発電設備を設置していたと仮定した場合の2021年の1年間における電気料金の削減量予測値・・というように、提示部32fは、予測された電気料金の削減量の年次変化を提示する。これにより、システム利用者は、日射量の年次変化、及び、電気料金の年次変化などの、電気料金の削減量への影響を把握することができる。
【0063】
なお、この場合、特定の年における電気料金の削減量を予測する方法としては、例えば、当該特定の年における電気料金に関する複数の第1電気料金データを学習データとして学習モデルを構築する方法が考えられる。
【0064】
また、
図8の表示画面においては、第2居住者と最も類似度が高かった第1居住者の電気料金の削減量の実績の年次変化も合わせて表示されている。このように、提示システム10は、第2居住者の電気料金の削減量の予測値を、第2居住者と類似する第1居住者の電気料金の削減量の実績(予測の根拠となった電気料金の削減量)と比較可能な態様で提示することで、第2居住者の電気料金の削減量の予測についての納得性の向上を図ることができる。
【0065】
また、
図8の表示画面、または、これとは別の表示画面において、提示部32fは、太陽光発電設備を設置したと仮定した場合の発電量の予測値(1年間の総発電量)の年次変化を提示してもよい。この場合、予測部32eは、例えば、電気料金の削減量の予測値と、第2電気料金データ(電気料金プランを示す情報等)とを用いて、発電量の予測値を算出(逆算)する。
【0066】
また、予測部32eは、上記特定の年における電気料金の削減量を予測するための機械学習モデルを用いて、発電量を予測してもよい。つまり、上記特定の年における電気料金の削減量を予測するための機械学習モデルは、電気料金の削減量の予測値に加えて、発電量の予測値を出力してもよく、この場合、当該機械学習モデルを構築するための第1電気料金データには、発電量情報が含まれる。また、予測部32eは、発電量を予測するための別の機械学習モデルを用いて発電量を予測してもよい。
【0067】
この場合も、第2居住者と最も類似度が高かった第1居住者の発電量の実績の年次変化が合わせて表示されてもよい。このように、提示システム10は、第2居住者が居住する住宅に太陽光発電設備を設置したと仮定した場合の発電量の予測値を、第2居住者と類似する第1居住者が保有する太陽光発電設備の発電量の実績(予測の根拠となった発電量)と比較可能な態様で提示することで、第2居住者の発電量の予測についての納得性の向上を図ることができる。
【0068】
また、
図8の表示画面、または、これとは別の表示画面において、提示部32fは、平均気温、最高気温、及び、最低気温の年次変化を提示してもよい。例えば、提示部32fは、気象情報管理サーバ(図示せず)から削減量予測装置30へ提供される気温情報に基づいて、平均気温、最高気温、及び、最低気温の年次変化を提示することができる。
【0069】
このように、気温の年次変化が提示されれば、システム利用者は、気温の年次変化の電気料金の削減量への影響を容易に把握することができる。
【0070】
また、
図8の表示画面、または、これとは別の表示画面において、提示部32fは、石炭、LNG(Liquefied Natural Gas)、及び、原油の燃料単価の年次変化を提示してもよい。例えば、提示部32fは、燃料単価情報管理サーバ(図示せず)から削減量予測装置30へ提供される燃料単価情報に基づいて、石炭、LNG、及び、原油の燃料単価の年次変化を提示することができる。
【0071】
このように、燃料単価の年次変化が提示されれば、システム利用者は、燃料単価の年次変化の電気料金の削減量への影響を容易に把握することができる。
【0072】
[効果等]
本明細書の開示内容から導き出される発明は、例えば以下のような発明である。以下、本明細書の開示内容から導き出される発明について、当該発明によって得られる効果等と合わせて説明する。
【0073】
発明1は、太陽光発電設備が設置された第1施設を利用する第1利用者の電気料金の実績に関する第1電気料金データが複数記憶された記憶部33と、太陽光発電設備が設置されていない第2施設を利用する第2利用者の電気料金の実績に関する第2電気料金データを取得する取得部32aと、取得された第2電気料金データと、複数の第1電気料金データを学習データとして構築された機械学習モデルとに基づいて、第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する予測部32eと、取得された第2電気料金データと、複数の第1電気料金データのそれぞれとの類似度を算出する類似度算出部32cと、算出された類似度に基づいて、複数の第1利用者と第2利用者とをグループ分けするグルーピング処理部32dと、予測された電気料金の削減量と、第2利用者と同一のグループに所属する第1利用者の第1電気料金データに基づいて定まる、予測の根拠とを提示する提示部32fとを備える、提示システム10である。
【0074】
このような提示システム10は、太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料として、太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量の予測値を提示することができる。また、提示システム10は、予測の根拠を合わせて提示することで、電気料金の削減量の予測値に対するシステム利用者の納得感の向上を図ることができる。
【0075】
発明2は、提示部32fは、予測の根拠として、第2利用者と同一のグループに所属する第1利用者の、太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の実績と、当該第1利用者の第1電気料金データの少なくとも一部とを提示する、発明1の提示システム10である。
【0076】
このような提示システム10は、第2利用者と類似する第1利用者の太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の実績を提示することで、電気料金の削減量の予測値に対するシステム利用者の納得感の向上を図ることができる。
【0077】
発明3は、提示部32fは、予測の根拠として、第2利用者と同一のグループに所属する第1利用者の、太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の実績の分布を示すグラフを提示する、発明1または2の提示システム10である。
【0078】
このような提示システム10は、第2利用者と類似する第1利用者の太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の実績の分布をグラフ化して提示することで、電気料金の削減量の予測値に対するシステム利用者の納得感の向上を図ることができる。
【0079】
発明4は、グラフにおいては、第2利用者と同一のグループに所属する第1利用者の、太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の平均値が示されている、発明3の提示システム10である。
【0080】
このような提示システム10は、第2利用者と類似する第1利用者の太陽光発電設備の設置による電気料金の削減量の実績の平均値を提示することで、電気料金の削減量の予測値に対するシステム利用者の納得感の向上を図ることができる。
【0081】
発明5は、グラフが提示されているときに、グラフに対する区間が指定されると、指定された区間の長さに応じて、指定された区間内の電気料金の削減量が得られる確率が提示される、発明3または4に記載の提示システム10である。
【0082】
このような提示システム10は、リスク(確率)とリターン(電気料金の削減量)とを定量的に提示することができる。
【0083】
発明6は、提示部32fは、予測された電気料金の削減量に相当する金銭価値を有する商品を提示する、発明1~5のいずれかの提示システム10である。
【0084】
このような提示システム10は、太陽光発電設備を設置した場合に得られる金銭価値を商品価値化して提示することができる。
【0085】
発明7は、提示部32fは、予測された電気料金の削減量の年次変化を提示する、発明1~6のいずれかの提示システム10である。
【0086】
このように、予測された電気料金の削減量の年次変化が提示されれば、システム利用者は、日射量の年次変化、及び、電気料金の年次変化などの、電気料金の削減量への影響を把握することができる。
【0087】
発明8は、予測部32eは、取得された第2電気料金データと、機械学習モデルと同一または異なる機械学習モデルに基づいて、第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の発電量を予測し、提示部23fは、予測された発電量の年次変化を提示する、発明7の提示システムである。
【0088】
このように、予測された発電量の年次変化が提示されれば、システム利用者は、発電量の年次変化の、電気料金の削減量への影響を容易に把握することができる。
【0089】
発明9は、提示部32fは、平均気温、最高気温、及び、最低気温の年次変化を提示する、発明7または8の提示システム10である。
【0090】
このように、気温の年次変化が提示されれば、システム利用者は、気温の年次変化の電気料金の削減量への影響を容易に把握することができる。
【0091】
発明10は、提示部32fは、石炭、LNG、及び、原油の燃料単価の年次変化を提示する、発明7~9のいずれかの提示システム10である。
【0092】
このように、燃料単価の年次変化が提示されれば、システム利用者は、燃料単価の年次変化の電気料金の削減量への影響を容易に把握することができる。
【0093】
発明11は、さらに、複数の第1電気料金データのそれぞれに対して特徴量を算出する特徴量算出部32bを備え、予測部32eは、算出された特徴量を機械学習モデルに入力することにより、電気料金の削減量を予測する、発明1~10のいずれかの提示システム10である。
【0094】
このような提示システム10は、算出された特徴量を機械学習モデルに入力することにより、電気料金の削減量を予測することができる。
【0095】
発明12は、第1電気料金データには、第1利用者の属性情報、契約電力情報、使用電力統計量情報、第1施設に設けられた設備の設備諸元情報、第1施設の属性情報、及び、電気料金削減量情報が含まれる、発明1~11のいずれかの提示システム10である。
【0096】
このような提示システム10は、第1利用者の属性情報、契約電力情報、使用電力統計量情報、第1施設に設けられた設備の設備諸元情報、第1施設の属性情報、及び、電気料金削減量情報を含む第1電気料金データに基づいて、機械学習モデルを構築することができる。
【0097】
発明13は、提示システム10(削減量予測装置30)などのコンピュータによって実行される提示方法であって、コンピュータは、太陽光発電設備が設置された第1施設を利用する第1利用者の電気料金の実績に関する第1電気料金データが複数記憶された記憶部33にアクセス可能であり、提示方法は、太陽光発電設備が設置されていない第2施設を利用する第2利用者の電気料金の実績に関する第2電気料金データを取得する取得ステップS23と、取得された第2電気料金データと、複数の第1電気料金データを学習データとして構築された機械学習モデルとに基づいて、第2施設に太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量を予測する予測ステップS25と、取得された第2電気料金データと、複数の第1電気料金データのそれぞれとの類似度を算出する類似度算出ステップS27と、算出された類似度に基づいて、複数の第1利用者と第2利用者とをグループ分けするグルーピングステップS28と、予測された電気料金の削減量と、第2利用者と同一のグループに所属する第1利用者の第1電気料金データに基づいて定まる、予測の根拠とを提示する提示ステップS29、S30とを含む、提示方法である。
【0098】
このような提示方法は、太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料として、太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量の予測値を提示することができる。また、提示方法は、予測の根拠を合わせて提示することで、電気料金の削減量の予測値に対するシステム利用者の納得感の向上を図ることができる。
【0099】
発明14は、発明13の提示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0100】
このようなプログラムによれば、コンピュータは、太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料として、太陽光発電設備が設置されたと仮定した場合の電気料金の削減量の予測値を提示することができる。また、コンピュータは、予測の根拠を合わせて提示することで、電気料金の削減量の予測値に対するシステム利用者の納得感の向上を図ることができる。
【0101】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る提示システム、及び、判定方法について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0102】
例えば、上記実施の形態では、住宅に太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料として、電気料金の削減量が予測されたが、住宅以外の施設に太陽光発電設備を設置するか否かの判断材料として、電気料金の削減量が予測されてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態では、提示システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、提示システムは、削減量予測装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。提示システムが複数の装置によって実現される場合、提示システムが備える各構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、削減量予測装置が備える機能的な構成要素の一部は、情報端末によって備えられてもよい。つまり、削減量予測装置によって実行されると説明された処理の一部は、情報端末によって実行されてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0106】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0107】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、提示システムなどのコンピュータによって実行される提示方法として実現されてもよい。また、本発明は、提示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記憶された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0108】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
10 提示システム
20 情報端末
21 操作受付部
22 表示部
23、31 通信部
24、32 情報処理部
25、33 記憶部
30 削減量予測装置
32a 取得部
32b 特徴量算出部
32c 類似度算出部
32d グルーピング処理部
32e 予測部
32f 提示部