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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176077
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/34 20060101AFI20241212BHJP
   B65D 6/28 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65D6/34
B65D6/28 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094302
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】新海 達也
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB09
3E061CA23
3E061CA25
3E061DA03
3E061DB01
3E061DB11
(57)【要約】
【課題】容器を構成する部品点数を削減する。
【解決手段】側壁部11及び底壁部を備える容器本体10と、側壁部11の上端縁及び下端縁の少なくとも一方の端縁に沿って取り付けられたフレーム部材20と、フレーム部材20が取り付けられた端縁で、隣り合う一対の側壁部11に跨るように固定されたコーナー部材30とを備え、コーナー部材30には、フレーム部材20がコーナー部材30に対して上下方向へ移動することを規制する規制部36が一体に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁部及び底壁部を備える容器本体と、
前記側壁部の上端縁及び下端縁の少なくとも一方の端縁に沿って取り付けられたフレーム部材と、
前記フレーム部材が取り付けられた前記端縁で、隣り合う一対の前記側壁部に跨るように固定されたコーナー部材と
を備え、
前記コーナー部材には、前記フレーム部材が前記コーナー部材に対して上下方向へ移動することを規制する規制部が一体に設けられていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記容器本体は中空板状の中空構造体で形成され、
前記コーナー部材には、前記中空構造体の内部空間に入り込んだ第1余剰樹脂部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記規制部は、前記コーナー部材の上下方向において、前記フレーム部材より前記端縁側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記フレーム部材は、前記側壁部の主面に沿って延びる側壁を備え、
前記規制部には、前記側壁の外面に当接する樹脂溜まりが一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記コーナー部材には、前記側壁部と前記フレーム部材との間に入り込んだ第2余剰樹脂部が一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
工場で使用する部品を仕分けして収容したり、店舗で販売する製品を仕分けして収容したりするための容器が知られている。こうした容器の利便性を向上させるために、軽量かつ適度な強度を備えた中空板材を使用して形成する場合がある。
【0003】
特許文献1には、周壁の材料にプラスチック段ボール製シートを使用した容器に係る発明が記載されている。特許文献1に記載される容器は、所定の寸法に裁断したプラスチック段ボール製シートを、所定の位置に形成された線状の折り目で折り曲げて組み立てられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-14378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プラスチック段ボール製シートのような中空板材は、2層の層状シートと、その間を接続する支持部材によって構成されている。そのため、その裁断面には、2層の層状シートの間に形成された空隙が露出することになる。その結果、裁断面から空隙内にゴミや埃が入りやすい状態となる。
【0006】
特許文献1に記載される容器では、プラスチック段ボール製シートの裁断面にフレーム部材を取り付けている。裁断面を覆うように嵌合するフレーム部材によって、裁断面での空隙の露出が回避される。
【0007】
しかし、フレーム部材を固定するリベットが別途必要なために、その分、部品点数が増えることになる。部品点数が増えると、コストが上がったり、組立時の作業性がよくなかったりといった問題が生じる。
【0008】
なお、こうした問題は、中空板材からなる容器に限らず、補強の目的等でフレーム部材が取り付けられた中実板材からなる容器にも共通するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、側壁部及び底壁部を備える容器本体と、前記側壁部の上端縁及び下端縁の少なくとも一方の端縁に沿って取り付けられたフレーム部材と、前記フレーム部材が取り付けられた前記端縁で、隣り合う一対の前記側壁部に跨るように固定されたコーナー部材とを備え、前記コーナー部材には、前記フレーム部材が前記コーナー部材に対して上下方向へ移動することを規制する規制部が一体に設けられている。
【0010】
上記の構成において、前記容器本体は中空板状の中空構造体で形成され、前記コーナー部材には、前記中空構造体の内部空間に入り込んだ第1余剰樹脂部が一体に形成されていることが好ましい。
【0011】
上記の構成において、前記規制部は、前記コーナー部材の上下方向において、前記フレーム部材より前記端縁側に設けられていることが好ましい。
上記の構成において、前記フレーム部材は、前記側壁部の主面に沿って延びる側壁を備え、前記規制部には、前記側壁の外面に当接する樹脂溜まりが一体に形成されていることが好ましい。
【0012】
上記の構成において、前記コーナー部材には、前記側壁部と前記フレーム部材との間に入り込んだ第2余剰樹脂部が一体に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容器を構成する部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態の容器の斜視図である。
図2図2は、フレーム部材の斜視図である。
図3図3は、コーナー部材について説明する図であり、容器の上端部の部分斜視図である。
図4図4は、規制部について説明する図であり、図3の4-4線断面図である。
図5図5は、第2余剰樹脂部について説明する図であり、図4の5-5線断面図である。
図6図6は、底コーナー部材について説明する図であり、容器の下端部の部分斜視図である。
図7図7(a)~図7(c)は、容器本体を構成する中空構造体の構造について説明する図である。
図8図8(a)~図8(c)は、中空構造体の製造方法について説明する図である。
図9図9は、上下に段積みしたときの上下2つの容器の部分断面図である。
図10図10は、コーナー部材を射出成形する金型について説明する図である。
図11図11(a)~図11(d)は、コーナー部材の成形方法について説明する図である。
図12図12は、図11(d)の12-12線での部分断面図である。
図13図13は、射出成形時の金型内部に状態について説明する図である。
図14図14は、規制部の変更例について説明する図である。
図15図15は、規制部の変更例について説明する図である。
図16図16は、規制部の変更例について説明する図である。
図17図17は、規制部の変更例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態の容器について説明する。
図1に示すように、容器1は、容器本体10と、フレーム部材20と、コーナー部材30と、底コーナー部材40とを備えている。以下の説明では、容器1においてコーナー部材30が取り付けられた側を上方、底コーナー部材40が取り付けられた側を下方として説明する。
【0016】
容器本体10は、矩形状の4つの側壁部11と、下面を閉塞する矩形状の底壁部12を有する直方体形状に形成されている。容器1の上部には、上方に開口する開口部13が形成されている。フレーム部材20は、4つの側壁部11の上端縁14のそれぞれに取り付けられている。コーナー部材30は、隣り合う側壁部11に跨るように、容器本体10の開口部13側の角部で、側壁部11の上端縁14に取り付けられている。底コーナー部材40は、隣り合う側壁部11及び底壁部12に跨るように、容器本体10の底壁部12側の角部で、側壁部11の下端縁15及び底壁部12に取り付けられている。
【0017】
<容器本体10について>
容器本体10は、内部に複数のセルSが形成された中空板状の中空構造体50を折り曲げ加工することにより形成されている。
【0018】
まず、中空構造体50の構造について、図7に基づいて説明する。
図7(a)に示すように、本実施形態の中空構造体50は、内部に複数のセルSが並設されたコア層51と、コア層51の上面51aに接合されたスキン層52と、コア層51の下面51bに接合されたスキン層53を備えている。なお、ここでは、中空構造体50及びコア層51において、スキン層52が接合された側を上、スキン層53が接合された側を下として説明する。
【0019】
図7(b)及び(c)に示すように、コア層51は、熱可塑性樹脂製のシートを所定形状に成形した1枚のシート材を折り畳んで形成されている。コア層51は、上壁部54と下壁部55と、上壁部54及び下壁部55の間に立設されて六角筒状の壁部を構成する側壁部56とから構成されている。上壁部54、下壁部55、及び側壁部56によって、コア層51の内部に六角柱状のセルSが区画形成されている。以下で説明するように、コア層51の上壁部54及び下壁部55は、1層構造と2層構造とが混在した構造とされているが、図7(a)では、コア層51の上壁部54及び下壁部55を1層構造で示している。
【0020】
図7(b)及び(c)に示すように、コア層51の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図7(b)に示すように、第1セルS1においては、側壁部56の上部に2層構造の上壁部54が設けられている。この2層構造の上壁部54の各層は互いに接合されている。また、2層構造の上壁部54には、コア層51の成形時に熱可塑性樹脂が熱収縮することにより、図示しない開口部が形成されている。第1セルS1においては、側壁部56の下部に1層構造の下壁部55が設けられている。
【0021】
一方、図7(c)に示すように、第2セルS2においては、側壁部56の上部に1層構造の上壁部54が設けられている。また、第2セルS2においては、側壁部56の下部に2層構造の下壁部55が設けられている。この2層構造の下壁部55の各層は互いに接合されている。2層構造の下壁部55には、コア層51成形時の熱可塑性樹脂の熱収縮により、図示しない開口部が形成されている。
【0022】
また、図7(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側壁部56によって区画されている。この2層構造の側壁部56は、コア層51の厚み方向中央部に互いに熱溶着されていない部分を有する。したがって、コア層51の各セルSの内部空間は、2層構造の側壁部56の間を介して他のセルSの内部空間に連通している。
【0023】
図7(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列を成すように並設されている。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列を成すように並設されている。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層51は、全体としてハニカム構造をなしている。
【0024】
コア層51及びスキン層52、53を構成する熱可塑性樹脂は、従来周知の熱可塑性樹脂であればよく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。本実施形態のコア層51及びスキン層52、53は、ポリプロピレン樹脂製とされている。コア層51を構成する熱可塑性樹脂と、スキン層52、53を構成する熱可塑性樹脂は、同じ材質であることが好ましい。本実施形態では、スキン層52とスキン層53の厚みは同一とされている。
【0025】
次に、中空構造体50を製造する方法について説明する。
図8に示すように、中空構造体50は、一枚のシート材100からコア層51を形成するとともに、コア層51にスキン層52、53を接合して製造される。
【0026】
図8(a)に示すように、シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成されている。シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
【0027】
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
【0028】
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
【0029】
図8(a)及び(b)に示すように、上述のように構成されたシート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層51が形成される。具体的には、シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図8(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層51が形成される。
【0030】
上記のようにシート材100を圧縮するとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層51の上壁部54が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層51の下壁部55が形成される。なお、図8(c)に示すように、上壁部54における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁部55における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
【0031】
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁部56を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁部56を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす側壁部56となる。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
【0032】
続いて、コア層51の上面にスキン層52を重ね合わせ、コア層51の下面にスキン層53を重ね合わせる。スキン層52、53は、加熱処理して軟化させた状態にしておくことが好ましい。スキン層52、53が加熱処理されることで、スキン層52、53にコーティングされた熱可塑性樹脂の接着層は、一部熱溶融された状態となっている。そのため、コア層51に重ね合わされたスキン層52、53は、コア層51に仮接合された状態で位置決めされる。コア層51及びスキン層52、53の温度低下により接着層が固化し、コア層51にスキン層52、53が接合されて中空構造体50が形成される。
【0033】
<フレーム部材20について>
図1に示すように、フレーム部材20は、容器本体10の4つの側壁部11の上端縁14のそれぞれに取り付けられた長尺状の部材である。
【0034】
図2に示すように、フレーム部材20は、一対の側壁21と、一対の側壁21同士を連結する連結壁22とを有する断面コ字状に形成されている。フレーム部材20の内部空間23は、側壁部11の上端縁14側の端部を収容する収容空間となる。
【0035】
側壁21及び連結壁22の厚みは同程度である。また、フレーム部材20の厚みは、全体に亘ってほぼ均一である。
図2に示すように、側壁21の長手方向の両方の端部には、長手方向の端縁21cから切り欠かれた形状の凹部24が形成されている。凹部24は、側壁21の内面21aと外面21bとを貫通している。また、凹部24は、側壁21の上下方向の中央部分に形成されている。
【0036】
本実施形態の凹部24は、円形状の円弧部25と、円弧部25と端縁21cとを連通する軸部26とを有している。円弧部25は、その直径が、軸部26の上下方向の長さより大きくなるように形成されている。
【0037】
<コーナー部材30について>
図1に示すように、コーナー部材30は、隣り合う側壁部11に跨るように、容器本体10の開口部13側の角部で、側壁部11の上端縁14に取り付けられている。そのため、図4で示す点線に対して概ね線対称となる上面視L字状に形成されている。
【0038】
図3及び図4に示すように、コーナー部材30は、コーナー本体部31と、規制部36と、第1余剰樹脂部37と、第2余剰樹脂部38と、樹脂溜まり39とを備えている。コーナー本体部31、規制部36、第1余剰樹脂部37、第2余剰樹脂部38、及び樹脂溜まり39は、一体成形品として形成されている。コーナー部材30は、後に説明する容器1の製造方法において、射出成形により一体に成形される。
【0039】
図3に示すように、コーナー本体部31は、内側壁32及び外側壁33と、内側壁32及び外側壁33を連結する連結壁34と、連結壁34から水平方向に突出するとともに上下方向に延びる当接壁35とを備えている。内側壁32、外側壁33、及び連結壁34とで囲まれた空間は、容器本体10の側壁部11の上端縁14側の端部を収容する収容空間となる。
【0040】
図4に示すように、内側壁32の外面32bは、フレーム部材20の内側の側壁21の外面21bとほぼ面一となっている。外側壁33の外面33bは、フレーム部材20の外側の側壁21の外面21bとほぼ面一となっている。内側壁32の端縁32c及び外側壁33の端縁33cは、フレーム部材20の側壁21の端縁21cとほぼ隙間なく突き合わされた状態となっている。
【0041】
図3に示すように、連結壁34の外面34bは、フレーム部材20の連結壁22の外面22bとほぼ面一となっている。当接壁35は、その内面35aが外側壁33の外面33bより少し外方に位置するように形成されている(図5参照)。
【0042】
図3及び図4に示すように、規制部36は、内側壁32の端縁32c及び外側壁33の端縁33cから延びるように形成されている。規制部36は、フレーム部材20の凹部24の内部に充填された状態になっている。規制部36は、凹部24の円弧部25に充填された円弧部36aと、軸部26に充填された軸部36bを有している。規制部36は、その内面36cが容器本体10の側壁部11の主面11aに当接した状態で、主面11aに沿って延びている。
【0043】
図4及び図5に示すように、第2余剰樹脂部38は、コーナー本体部31から延びるように、コーナー本体部31と一体に形成されている。具体的には、コーナー本体部31の内側壁32の端縁32c、外側壁33の端縁33c、及び連結壁34の端縁(図示略)から延びるように形成されている。図5に示すように、第2余剰樹脂部38は、フレーム部材20の内面と容器本体10の側壁部11の外面との間に入り込んで、側壁部11の主面11aに沿って広がった状態となっている。第2余剰樹脂部38は、フレーム部材20の内面21a及び容器本体10の側壁部11の主面11aに当接している。
【0044】
なお、図5では、コーナー本体部31(連結壁34)と一体に形成された第2余剰樹脂部38の樹脂ハッチ線を省略している。これは、第2余剰樹脂部38が、側壁部11の主面11aに沿って広がった状態を解りやすく示すためである。
【0045】
図4及び図5に示すように、第1余剰樹脂部37は、コーナー本体部31の内側壁32、外側壁33、及び連結壁34や、コーナー本体部31から延びる第2余剰樹脂部38と一体に形成されている。第1余剰樹脂部37は、容器本体10の側壁部11を構成する中空構造体50のセルSの内部空間を充填するように形成されている。これは、後に説明する第1成形工程で、コーナー部材30を射出成形する際に、高温の溶融樹脂及びその射出圧によって、中空構造体50のコア層51の側壁部56を溶融樹脂が突き破るように流れて、溶融樹脂がセルS内に入り込むことによる。コーナー本体部31に一体に形成された第1余剰樹脂部37がセルSの内部空間に入り込んでいることで、コーナー部材30が容器本体10の側壁部11に抜け止め状態で強固に固定されている。
【0046】
図3及び図4に示すように、樹脂溜まり39は、規制部36の円弧部36aの位置で、フレーム部材20の側壁21の外面21b側に形成されている。本実施形態の容器1では、容器本体10にフレーム部材20が取り付けられた状態で、外側に位置する側壁21の外面21b側に形成されている。
【0047】
図3に示すように、樹脂溜まり39は正面視正方形状に形成されている。樹脂溜まり39の側辺の長さは、規制部36の円弧部36aの直径より長く、フレーム部材20の側壁21の凹部24の円弧部25の直径より長い。そのため、樹脂溜まり39によって、フレーム部材20の側壁21が、容器本体10の側壁部11から離れる方向に移動することが抑制されている。
【0048】
<底コーナー部材40について>
図6に示すように、底コーナー部材40は、隣り合う側壁部11及び底壁部12に跨るように、容器本体10の底壁部12側の角部で、側壁部11の下端縁15及び底壁部12に取り付けられている。底コーナー部材40は、後に説明する容器1の製造方法において、第2成形工程の射出成形により一体に成形される。
【0049】
図1及び図6に示すように、底コーナー部材40は、容器本体10の外面側と内面側の両面に設けられている。射出成形により一体に成形するため、コーナー部材30の第1余剰樹脂部37と同様の構成を有している(図示略)。これにより、底コーナー部材40は、容器本体10の側壁部11及び底壁部12に抜け止め状態で強固に固定されている。
【0050】
図6に示すように、底コーナー部材40の外面側は、一対の側壁41及び底壁42を有している。側壁41及び底壁42は三角形板状である。底壁42の外面(底面)には、側壁41の延びる方向に沿って延びる脚部43が形成されている。
【0051】
図9に示すように、底コーナー部材40の脚部43の外縁と、側壁41の外面との距離は、コーナー部材30の内側壁32の外面32bと当接壁35の内面35aとの距離より少し小さい。そのため、複数の容器1を段積みすると、上段の容器1の底コーナー部材40の底壁42が下段の容器1のコーナー部材30の連結壁34上に載置される。このとき、上段の容器1の底コーナー部材40の側壁41が、下段の容器1のコーナー部材30の当接壁35に当接するか、ほぼ当接する。また、上段の容器1の底コーナー部材40の脚部43が、下段の容器1のコーナー部材30の内側壁32の内面側に入り込む。コーナー部材30の当接壁35及び底コーナー部材40の脚部43により、段積み状態が安定する。
【0052】
<容器1の製造方法について>
次に容器1の製造方法について、容器1の作用とともに説明する。
容器1の製造方法は、容器本体10を形成する容器本体形成工程、フレーム部材20を取り付ける取り付け工程、コーナー部材30を射出成形する第1成形工程、底コーナー部材40を射出成形する第2成形工程を備えている。以下では、第1成形工程を中心に説明する。
【0053】
容器本体形成工程では、所定の形状に切り出した中空構造体50を折り曲げ加工することにより容器本体10を形成する。例えば、底壁部12の4つの側辺に、4つの側壁部11が連結された展開形状に切り出す。展開形状における4つの側壁部11には、容器本体10において側壁部11の上下方向に延びる側辺となる位置に、糊代となる余剰部分が形成された形状とする。展開形状に切り出した中空構造体50において、4つの側壁部11と底壁部12の境界部分で熱曲げするとともに、熱圧縮した余剰部分を隣接する側壁部11の側辺に熱溶着する。
【0054】
取り付け工程では、容器本体10の側壁部11の上端縁14のそれぞれにフレーム部材20を取り付ける。フレーム部材20は側壁部11の上端縁14より5mm程度短い長さとする。上端縁14において、側壁部11の両側縁から同じ長さ分偏倚した位置に、フレーム部材20を取り付ける。つまり、フレーム部材20が取り付けられた状態で、側壁部11の上端縁14では、両端縁に同じ長さ分、フレーム部材20が取り付けられていない領域が形成される。
【0055】
第1成形工程では、容器1においてコーナー部材30が設けられる位置に、射出成形用の金型を取り付けて射出成形する。
図10に示すように、金型は、内型61と外型62とからなる。内型61には、内側壁32、外側壁33、及び連結壁34を成形するためのキャビティを形成する凹部63が形成されている。また、当接壁35を成形するためのキャビティを形成する凸部64が形成されている。
【0056】
外型62には、内側壁32、外側壁33、及び連結壁34を成形するためのキャビティを形成する凹部65が形成されている。また、当接壁35を成形するためのキャビティを形成する凹部66が形成されている。さらに、凹部65には、樹脂溜まり39を成形するための凹部67が形成されている。そして、凹部66には、キャビティ内に樹脂を供給する樹脂ゲート68が形成されている。
【0057】
図11(a)に示すように、第1成形工程では、まず、内型61及び外型62を準備する。続いて、図11(b)に示すように、フレーム部材20が取り付けられた容器本体10を外型62にセットする。このとき、フレーム部材20が外型62の凹部65に嵌め込まれるように位置合わせする。位置合わせの後、内型61で型締めする。
【0058】
型締めした状態で、内型61の凹部63と外型62の凹部65の間におけるフレーム部材20が取り付けられた領域では、フレーム部材20と凹部63及び凹部65の内面とがほぼ隙間のない状態となる。そして、容器本体10においてフレーム部材20が取り付けられていない領域では、凹部63と凹部65の間に、コーナー部材30の内側壁32、外側壁33、及び連結壁34を成形するためのキャビティが形成される。また、凸部64と凹部66との間に、コーナー部材30の当接壁35を成形するためのキャビティが形成される。
【0059】
図11(c)及び図12に示すように、型締めした外型62の樹脂ゲート68から加熱して溶融状態となった溶融したポリプロピレン樹脂を供給する。ポリプロピレン樹脂の供給量は、キャビティの容積より少し多めの量とする。
【0060】
樹脂ゲート68から供給された溶融樹脂は、凹部63及び凹部65内に供給されて、フレーム部材20が取り付けられていない領域に充填される。一方、フレーム部材20が取り付けられている領域では、フレーム部材20と凹部63及び凹部65の内面とがほぼ隙間のない状態となっている。そのため、フレーム部材20の側壁21の端縁21cの位置、連結壁22の端縁22cの位置で溶融樹脂の流れが止まる。
【0061】
これに対して、フレーム部材20に形成された凹部24は、フレーム部材20の端縁21cから切り欠かれた形状に形成されていることから、キャビティからの溶融樹脂がフレーム部材20の凹部24に供給される。また、外型62には、コーナー部材30の樹脂溜まり39を形成するための凹部67が形成されていることから、フレーム部材20の凹部24に供給された溶融樹脂は、凹部67に供給される。
【0062】
溶融樹脂は、キャビティの容積より少し多めの量に設定されているため、供給圧により、フレーム部材20の側壁21の内面21a及び連結壁22の内面との隙間に入り込んでいく(図5参照)。また、溶融樹脂は、中空構造体50のスキン層52やコア層51の上壁部54、スキン層53やコア層51の下壁部55、及び側壁部56を突き破ってセルSの内部空間に入っていく。
【0063】
図11(d)に示すように、溶融樹脂を樹脂ゲート68から供給した後、金型を冷却する。冷却後型開きすると、側壁部11の上端部にコーナー部材30が取り付けられた状態となる。
【0064】
図13は、金型の内部の状態について示す図であり、内型61と一方のフレーム部材20を省略して示した図である。コーナー部材30を射出成形することにより、フレーム部材20の側壁21の端縁21c、連結壁22の端縁22cの位置まで隙間なくコーナー部材30が形成された状態となっている。また、溶融樹脂がフレーム部材20の凹部24に入り込むことで、コーナー部材30に規制部36が形成される。凹部24は、フレーム部材20の上下方向の中央部分に形成されているため、規制部36より下方には、フレーム部材20の側壁21が存在する。
【0065】
フレーム部材20の側壁21の内面21a及び連結壁22の内面との隙間に入り込んだ溶融樹脂は第2余剰樹脂部38となり、セルSの内部空間に入り込んだ溶融樹脂は第1余剰樹脂部37となる(図4参照)。
【0066】
続いて、第2成形工程では、容器1において底コーナー部材40が設けられる位置に、射出成形用の金型を取り付けて射出成形する。
以上の工程を経て、容器1を製造することができる。
【0067】
射出成形されたコーナー部材30では、規制部36より下方に、フレーム部材20の側壁21が存在する。つまり、コーナー部材30の上下方向において、フレーム部材20より容器本体10の側壁部11の上端縁14側に規制部36が設けられることになる。そのため、容器本体10に固定されたコーナー部材30の規制部36によって、フレーム部材20の上方への移動が規制された状態となる。コーナー部材30に形成された規制部36が、フレーム部材20の上下方向への移動を規制する作用を有する。
【0068】
また、外型62の凹部67で成形された樹脂溜まり39が、フレーム部材20の側壁21の外面21bからフレーム部材20を押さえる。そのため、フレーム部材20の移動がより規制される。
【0069】
さらに、セルS内に入り込んだ第1余剰樹脂部37がアンカー効果を発揮して、コーナー部材30が強固に容器本体10に固定される。そのため、フレーム部材20も、より強固に容器本体10に固定された状態となる。
【0070】
本実施形態の容器1及びその製造方法によれば以下の効果が得られる。
(1)容器1は、側壁部11及び底壁部12を備える容器本体10と、側壁部11の上端縁14に沿って取り付けられたフレーム部材20と、フレーム部材20が取り付けられた上端縁14で、隣り合う一対の側壁部11に跨るように固定されたコーナー部材30とを備えている。コーナー部材30には、フレーム部材20の上下方向への相対移動を規制する規制部36が一体に設けられている。
【0071】
そのため、フレーム部材20を固定するためのリベット等の固定部材が不要となる。部品点数を抑えることができる。コストの抑制と、組立時の作業性の向上を図ることができる。リサイクル性も良好になる。
【0072】
(2)容器本体10は中空板状の中空構造体50で形成されている。コーナー部材30には、容器本体10の側壁部11の内部空間に入り込んだ第1余剰樹脂部37が一体に形成されている。
【0073】
そのため、コーナー部材30が容器本体10に強固に固定される。コーナー部材30を固定するためのリベット等の固定部材が不要となる。部品点数をさらに抑えることができて、コストの抑制、及び組立時の作業性の向上を実現できる。リサイクル性も良好になる。
【0074】
(3)規制部36が設けられているフレーム部材20の凹部24は、フレーム部材20の上下方向の中央部分に形成されている。つまり、規制部36は、コーナー部材30の上下方向において、フレーム部材20より上端縁14側に設けられている。
【0075】
そのため、容器本体10に固定されたコーナー部材30の規制部36によって、フレーム部材20の上方への移動を規制することができる。簡単な構成でフレーム部材20の移動を規制することができる。
【0076】
(4)フレーム部材20は、容器本体10の側壁部11の主面11aに沿って延びる側壁21を備えている。規制部36には、側壁21の外面21bに当接する樹脂溜まり39が一体に形成されている。
【0077】
そのため、フレーム部材20の側壁21の外面21bが樹脂溜まり39によって押さえられた状態とる。フレーム部材20の側壁21が容器本体10の側壁部11から剥がれるような状況を抑制できる。フレーム部材20がより強固に移動規制される。
【0078】
(5)コーナー部材30には、容器本体10の側壁部11とフレーム部材20との間に入り込んだ第2余剰樹脂部38が一体に形成されている。
そのため、第2余剰樹脂部38でフレーム部材20が側壁部11に固定される。フレーム部材20がより強固に移動規制される。また、フレーム部材20と容器本体10との隙間が埋められる。フレーム部材20のガタつきが抑制されて、その取付状態が安定する。
【0079】
(6)コーナー部材30を射出成形で形成するとともに、キャビティの容積より少し多めの溶融樹脂を供給する。
そのため、フレーム部材20とコーナー部材30との間の隙間を極力減らすことができる。また、フレーム部材20の寸法を厳密に決めなくても、コーナー部材30を隙間なく形成することができる。また、フレーム部材20に寸法差があっても、フレーム部材20の寸法に合わせてコーナー部材30を射出成形することが可能である。
【0080】
上記実施形態は、次のように変更できる。なお、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて適用することができる。
・フレーム部材20及びコーナー部材30は、容器本体10の側壁部11の上端縁14に取り付けられているがこれに限定されない。下端縁15に取り付けられていてもよい。この場合、側壁部11の下端縁15が、底壁部12の下面より下方に突出した形状である場合が考えられる。
【0081】
・規制部36の形状は、上記実施形態のものに限定されない。
図14に示すように、フレーム部材20の側壁21が下方ほど長い形状であり、コーナー部材30のコーナー本体部31の内側壁32及び外側壁33が下方ほど短い形状に形成されている。この場合、コーナー部材30の水平方向端部が規制部36dとなる。規制部36dが、コーナー部材30の上下方向において、フレーム部材20より側壁部11の上端縁14側に設けられていることになり、フレーム部材20の上下方向への移動が規制される。
【0082】
図15に示すように、フレーム部材20の長手方向端部の下部が長手方向に突出する形状であり、コーナー部材30のコーナー本体部31の内側壁32及び外側壁33が水平方向端部の上部が突出する形状であってもよい。この場合も、コーナー部材30の突出部分が規制部36eとなる。
【0083】
・規制部36は、円弧部36aと軸部36bとから形成されていなくてもよい。図16に示す規制部36fのように、軸部36bがなくてもよい。また、規制部36fが半円状であってもよい。
【0084】
図17に示すように、直線切欠き状の規制部36gであってもよい。
・底コーナー部材40を省略してもよい。
・底コーナー部材40の脚部43を省略してもよい。
【0085】
・上記実施形態の底コーナー部材40は、隣り合う側壁部11及び底壁部12に跨るように、側壁部11の下端縁15及び底壁部12に取り付けられているが、これに限定されない。側壁部11に跨る態様ではなく、底壁部12のみに設けられていてもよい。この場合、底壁42に脚部43が形成されていれば、複数の容器1を段積みした際に、上側の容器1の脚部43が、下側の容器1のコーナー部材30に内嵌合可能となる。
【0086】
・コア層51は、凹凸シート材100を折り畳む折り畳み工程を経て形成されたものでなくてもよい。
・中空構造体50としては、従来公知の中空板材であれば使用することが可能である。
【0087】
・第1成形工程に先立って、中空構造体50においてコーナー部材30が射出成形される部分に孔を形成してもよい。この場合、射出成形時に孔内に溶融樹脂が入り込むことで、溶融樹脂がアンカーの作用を有する。このアンカー効果により、コーナー部材をより強固に取り付けることが可能である。
【0088】
・容器本体10は、中空構造体50で形成されているが、このような中空板材でなくてもよい。内部に中空状の空間が形成されない中実板材で形成してもよい。
・上記実施形態の容器1の製造方法では、容器本体形成工程で、展開形状に切り出した中空構造体50を折り曲げ加工することにより容器本体10を形成している。側壁部11の上下方向に延びる側辺となる部分では、余剰部分を押し潰した後、曲げて熱溶着しているため、コア層51のセルSの内部空間が余剰部分によって封止された状態となる。一方、容器本体10の上端縁14となる部分では、コア層51のセルSの内部空間が露出した状態になっている。この部分でのコア層51の露出を抑制するべく、例えば、展開形状に切り出した際に端面封止処理を行ってもよい。端面封止処理は、例えば、細いシートを上端縁14となる部分に貼り付けることによって行うことができる。
【0089】
・上記実施形態の中空構造体50では、コア層51の内部に六角柱状のセルSが区画形成されているが、セルSの形状はこれに限定されない。例えば、四角柱状、八角柱状等の多角柱状や円柱状としてもよい。
【0090】
・中空構造体50に接合されているスキン層52、53は1層構造ではなく、少なくともいずれかが多層構造であってもよい。例えば、低融点フィルム層、柄を印刷した装飾層、不織布層等を有する多層構造であってもよい。
【0091】
・スキン層52、53は金属面材でもよい。
・スキン層52、53の少なくともいずれかを省略してもよい。
・コア層51、及びスキン層52、53を構成する熱可塑性樹脂として、各種機能性樹脂を添加したものを使用してもよい。例えば、熱可塑性樹脂に難燃性の樹脂を添加することにより、難燃性を高めることが可能である。コア層51、及びスキン層52、53のすべてに対して各種機能性樹脂を添加したものを使用することも可能であり、また、コア層51、及びスキン層52、53の少なくともいずれかに対して使用することも可能である。
【0092】
・上記実施形態では、中空構造体50及びコーナー部材30はポリプロピレン樹脂製である。その材料はこれに限定されない。同じ樹脂材料であってもよく、異なる樹脂材料であってもよい。中空構造体50、フレーム部材20、コーナー部材30、底コーナー部材40は同じ材料で形成されていることが好ましい。
【0093】
・各部材の材料は適宜選択することができる。例えば、中空構造体50、コーナー部材30、底コーナー部材40を樹脂材料で形成し、フレーム部材20を金属材料で形成してもよい。
【0094】
上記実施形態及び各変更例から把握できる技術事項について以下に記載する。
(イ)側壁部及び底壁部を備える容器本体と、前記側壁部の上端縁及び下端縁の少なくとも一方の端縁に沿って取り付けられたフレーム部材と、前記フレーム部材が取り付けられた前記端縁で、隣り合う一対の前記側壁部に跨るように固定されたコーナー部材とを備え、前記コーナー部材には、前記フレーム部材の上下方向への自身の相対移動を規制する規制部が一体に設けられていることを特徴とする容器。
【0095】
(ロ)前記容器本体は中空板状の中空構造体で形成され、前記コーナー部材には、前記中空構造体の内部空間に入り込んだ第1余剰樹脂部が一体に形成されていることを特徴とする上記(イ)に記載の容器。
【0096】
(ハ)前記規制部は、前記コーナー部材の上下方向において、前記フレーム部材より前記端縁側に設けられていることを特徴とする上記(イ)又は(ロ)に記載の容器。
(ニ)前記フレーム部材は、前記側壁部の主面に沿って延びる側壁を備え、前記規制部には、前記側壁の外面に当接する樹脂溜まりが一体に形成されていることを特徴とする上記(イ)~(ハ)のいずれか一つに記載の容器。
【0097】
(ホ)前記コーナー部材には、前記側壁部と前記フレーム部材との間に入り込んだ第2余剰樹脂部が一体に形成されていることを特徴とする上記(イ)~(ニ)のいずれか一つに記載の容器。
【符号の説明】
【0098】
10…容器本体
11…側壁部
12…底壁部
14…上端縁
15…下端縁
20…フレーム部材
30…コーナー部材
36…規制部
37…第1余剰樹脂部
38…第2余剰樹脂部
50…中空構造体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17