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<図1>
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図1
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図2
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図3
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図4
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  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図6
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  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図10
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図11
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図12
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図13
  • 特開-収納棚における物品転倒防止具 図14
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176093
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】収納棚における物品転倒防止具
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A47B96/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094338
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】523211383
【氏名又は名称】株式会社エーアイエス
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】浅野 弘直
(72)【発明者】
【氏名】片山 健一
(57)【要約】
【課題】従来の収納棚における物品転倒防止具の改良であって、簡易な構造により、動作に不具合等が生じることなく、確実に物品の落下を防止することができる収納棚における物品転倒防止具。
【解決手段】収納棚1における物品転倒防止具10は、転倒防止バー40と、収納棚1に固定され、転倒防止バー40の端部41,41を支持する一対の支持パネル20とを備える。支持パネル20は、転倒防止バー40を案内する案内溝50を有し、案内溝50は、上下方向Yへ延びる縦断部分51aと後方へ延びる横断部分51bとを有する第1溝52と、横断部分51bの後端から下方へ延びる第2溝52とを含む。第2溝52は、転倒防止バー40が係止される係止部52aを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向と前後方向とを有する収納棚における物品転倒防止具であって、
転倒防止バーと、前記収納棚に固定され、前記転倒防止バーの両端部を支持する一対の支持パネルとを備え、
前記支持パネルは、前記転倒防止バーを案内する案内溝を有し、
前記案内溝は、前記上下方向へ延びる縦断部分と後方へ延びる横断部分とを有する第1溝と、前記横断部分の後端から下方へ延びる第2溝とを含み、
前記第2溝は、前記転倒防止バーが係止される係止部を有することを特徴とする収納棚における物品転倒防止具。
【請求項2】
前記第1溝の前記縦断部分の下端は、前記支持パネルの下端縁に延びている請求項1に記載の収納棚における物品転倒防止具。
【請求項3】
前記第2溝は、屈曲しながら下方へ延びている請求項1又は2に記載の収納棚における物品転倒防止具。
【請求項4】
前記第1溝は、複数の前記横断部分を有し、前記横断部分それぞれの後端から前記第2溝が下方へ延びている請求項1又は2に記載の収納棚における物品転倒防止具。
【請求項5】
前記支持パネルは、前記収容棚に固定される取付部と、前記収納棚から前方へ突出する支持部とを有し、前記案内溝は前記支持部に形成されている請求項1又は2記載の収納棚における物品転倒防止具。
【請求項6】
前記支持パネルに旋回可能に取り付けられたロックレバーをさらに有し、前記ロックレバーは、その先端部が前記第2溝と重なるように付勢されている請求項1又は2に記載の収納棚における物品転倒防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酒瓶やワインボトル等の物品を収納した収納棚における物品転倒防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収納棚における物品転倒防止具は公知である。例えば、特許文献1に開示された物品転倒防止具においては、物品の収納棚の棚板からの落下を防止する水平部材が固着された形動部材を、棚側目に設けた感震振り子に係合させることで上方に支持し、振り子が振動により振幅すると係合が外れて、水平部材が自重により所定箇所まで落下され、物品の棚板からの落下が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-173170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の収納棚における物品転倒防止具においては、収納棚の各棚板に係合装置と感震手段とがそれぞれ設けられているために、構造が煩雑になり、動作に不具合が生じやすくなるばかりか、部品点数が増加することにより製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、従来の収納棚における物品転倒防止具の改良であって、簡易な構造により、動作に不具合等が生じることなく、確実に収納物品の落下を防止することができる収納棚における物品転倒防止具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上下方向と前後方向とを有する収納棚における物品転倒防止具に関する。
【0007】
本発明に係る収納棚における物品転倒防止具は、転倒防止バーと、前記収納棚に固定され、前記転倒防止バーの両端部を支持する一対の支持パネルとを備え、前記支持パネルは、前記転倒防止バーを案内する案内溝を有し、前記案内溝は、前記上下方向へ延びる縦断部分と後方へ延びる横断部分とを有する第1溝と、前記横断部分の後端から下方へ延びる第2溝とを含み、前記第2溝は、前記転倒防止バーが係止される係止部を有することを特徴とする。
【0008】
本願発明に係る収納棚における物品転倒防止具は、以下の実施態様を含む。
(1)前記第1溝の前記縦断部分の下端は、前記支持パネルの下端縁に延びている。
(2)前記第2溝は、屈曲しながら下方へ延びている。
(3)前記第1溝は、複数の前記横断部分を有し、前記横断部分それぞれの後端から前記第2溝が下方へ延びている。
(4)前記支持パネルは、前記収容棚に固定される取付部と、前記収納棚から前方へ突出する支持部とを有し、前記案内溝は前記支持部に形成されている。
(5)前記支持パネルに旋回可能に取り付けられたロックレバーをさらに有し、前記ロックレバーは、その先端部が前記第2溝と重なるように付勢されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る一つ以上の実施態様の収納棚における物品転倒防止具では、一対の支持パネルが転倒防止バーを案内する案内溝を有し、転倒防止バーによって収納物品の転倒を防止することができるとともに、転倒防止バーを下げて収納物品を収納棚から容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本開示に係る収納棚における物品転倒防止具の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】使用状態における、本発明に係る物品転倒防止具の斜視図。
図2】物品転倒防止具の一部拡大図。
図3】物品転倒防止具の斜視図。
図4】(A)支持パネルの平面図。(B)支持パネルの側面図。
図5】転倒防止バーを下げた状態における、図2と同様の図。
図6】第1実施例における物品転倒防止具の平面図。
図7】第2実施例における物品転倒防止具の平面図。
図8】第3実施例における物品転倒防止具の平面図。
図9】第4実施例における物品転倒防止具の平面図。
図10】第5実施例における物品転倒防止具の平面図。
図11】第6実施例における物品転倒防止具の平面図。
図12】第7実施例における物品転倒防止具の平面図。
図13】(A)第8実施例の支持パネルの平面図、(B)支持パネルを上方から視た平面図。
図14】ロックレバーによるロックを解除する様子を示す、図13(A)と同様の図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照して、本発明に係る収納棚1における物品転倒防止具10の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0012】
図1図3に示すように、本発明に係る収納棚1における物品転倒防止具10は、収納棚1に収納されたワインボトル、日本酒や洋酒の酒瓶等の収納物品5の転倒、落下を防止するためのものであって、上下方向Yと横方向X及び前後方向Zとを有し、左右一対の支持パネル20,20と、円棒状の転倒防止バー40とを備える。
【0013】
収納棚1は、業務用又は家庭用の一般的な収納棚であって、棚板2と、棚板2を支持する側板3とを有する。物品転倒防止具10の一対の支持パネル20,20は、転倒防止バー40の両端部41,41を支持した状態において、収納棚1の側板3に固定されている。
【0014】
収納棚1に収納される収納物品5は、図示したような、飲食店やバー等で陳列されるワインボトル、日本酒や洋酒の酒瓶等のほかに、アパレル店で陳列される洋服や履物等のアパレル製品、小売店に陳列される菓子、生鮮食品、玩具、生花等の様々なジャンルのものが含まれる。
【0015】
支持パネル20及び転倒防止バー40は、好ましくは、金属又はプラスチックから形成されるものであって、プラスチック製の場合には、材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、EVA樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドを用いることができる。また、金属やプラスチックのほかに、木材、陶磁器等の各種公知の材料から形成することもできる。
【0016】
一対の支持パネル20は同形同大であるから、説明の省略のために、以下において、一方の支持パネル20についてのみ説明するが、他方の支持パネル20も同様の構成を有することを理解されたい。
【0017】
図4を参照すると、支持パネル20は、略矩形状であって、前後方向Zへ延びる上下端縁20a,20bと、互いに前後方向Zにおいて対向し、上下方向Yへ延びる前後側縁20c,20dと、転倒防止バー40の端部41が係止される案内溝50を有する。また、支持パネル20は、収納棚1の側板3の固定孔にビス8を介して固定するための透孔21,22をさらに有する。
【0018】
案内溝50は、L字形であって、第1溝51と第2溝52とを有する。第1溝51は、前側縁20cに沿って上下方向Yへ延びる縦断部分51aと、上端縁20aに沿って後方へ延びる横断部分51bとを有する。第2溝52は、第1溝51の横断部分51bの後端から下方へ延びている。第1溝51の下端51cは、支持パネル20の下端縁20bに延びていて、下端縁20bの一部は開放されている。
【0019】
案内溝50の第2溝52は、その下端において、転倒防止バー40の端部41が係止される係止部52aを有する。係止部52aは転倒防止バー40の外形に沿う凸曲状であって、その幅寸法(前後方向Zの寸法)は、転倒防止バー40の直径よりも大きく、転倒防止バー40の端部41が係止部52aに位置する場合には、転倒防止バー40の前後方向Zにおける移動が規制される。
【0020】
ここで、支持パネル20の外形寸法は、収納棚1の大きさに依存するものであるが、例えば、前後方向の寸法(幅寸法)W1が100~120mm、上下方向Yの寸法(縦寸法)L1が150~190mm、下端縁20bから案内溝50の係止部52aの下端縁までの距離L2は、70~110mmである。案内溝50は、その幅寸法W2が等しくなるように形成されていて、幅寸法W2は、支持される転倒防止バー40の直径に依存するものであるが、例えば、5~10mmである。
【0021】
図1を参照すると、物品転倒防止具10の使用状態において、転倒防止バー40の端部41は、案内溝50の係止部52aに位置していて、転倒防止バー40は収納物品5の前方において横方向Xへ延びている。転倒防止バー40は、一対の支持パネル20によって前後方向Zの移動が規制され、安定して支持された状態となっていることから、収納棚1が地震や外部衝撃によって振動を受けた場合であっても、収納物品5が転倒したり、収納棚1から飛び出して、落下したりするおそれはない。
【0022】
図5を参照すると、使用者が収納棚1から収納物品5を取り出す際には、転倒防止バー40を把持して案内溝50に沿うように、転倒防止バー40の端部41を第2溝52の係止部52aから上方へ移動させ、さらに第1溝51の横断部分51bから縦断部分51aへ向かって移動させ、棚板2に当接させる。第1溝51の縦断部分51aに移動したときに、使用者が転倒防止バー40から手を離すことによって、転倒防止バー40を自重によって棚板2に落下させることもできる。
【0023】
このように、転倒防止バー40が下げられた状態となることによって、使用者は、収納棚1の前方から収納物品5を容易に取り出すことができる。収納物品5を取り出した後に、使用者が転倒防止バー40を把持して案内溝50に沿うように、第1溝51から第2溝52へ移動させて、第2溝52の係止部52aに端部41を係止させることによって、転倒防止バー40が収納物品5の前方に位置し、再度、物品転倒防止具10によって、収納物品5の転倒、落下を防止しうる。
【0024】
本発明に係る物品転倒防止具10によれば、転倒防止バー40を案内溝50に沿って移動させることによって、収納物品5の転倒、落下防止を容易に行うことができ、かつ、収納物品5の取り出しも簡易に行うことができる。また、物品転倒防止具10は、一対の支持パネル20と転倒防止バー40とのみから構成されたものであるから、電気部品を用いた物品転倒防止具に比べて、構成が簡易であって、安価に製造することができる。
【0025】
<第1実施例>
図6は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例である第1実施例の支持パネル20の平面図である。支持パネル20の案内溝50の第2溝52は、第1溝51の横断部分51bの後端から、斜め前方へ延びている。案内溝50がかかる形状を有することによって、転倒防止バー40を第1溝51に移動させるためには、第2溝52に沿って斜め後方に移動させる必要がある。
【0026】
転倒防止バー40にそれを上方へ移動させるような力が不意に加えられた場合であっても、転倒防止バー40が第2溝52を形成する周壁部に当接されて、その上方への移動が阻止される。したがって、転倒防止バー40が意図せずに、第1溝51の横断部分51bを通過して縦断部分51aへ移動することはなく、落下防止効果を維持することができる。
【0027】
<第2実施例>
図7は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例である第2実施例の支持パネル20の平面図である。支持パネル20の案内溝50の第2溝52は、下方へ直線状に延びた後に、屈曲部分52bにおいて屈曲して前方へ斜めに延び、さらに、屈曲部分52cにおいて屈曲して下方へ直線状に延びた形状を有している。
【0028】
このように、案内溝50の第2溝52が、下方へ屈曲しながら延びる形状を有することによって、転倒防止バー40の端部41が係止部52aに係止された状態において、転倒防止バー40に対してそれを上方へ移動させるような力が不意に加えられた場合であっても、屈曲部分52b,52cによって転倒防止バー40の上方への移動が阻止される。
【0029】
<第3実施例>
図8は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例である第3実施例の支持パネル20の平面図である。支持パネル20の案内溝60の第1溝61は、前側縁20cに沿って上下方向Yへ延びる縦断部分61aと、下端縁20bに位置する下端61cと、上端縁20aに沿って後方へ直線状に延びる上横断部分61bと、支持パネル20の上下方向Yの中央部分において後方へ延びる下横断部分61dとを有する。
【0030】
案内溝60の第2溝62,63は、第1溝61の上下横断部分61b,61dの後端から前方へ斜めに直線状に延びていて、それぞれ、転倒防止バー40の端部41を係止するための係止部62a,63aを有する。
【0031】
案内溝60がかかる形状を有することによって、転倒防止バー40による落下防止手段が上下2段式となり、上下方向Yに並んだ2本の転倒防止バー40によって収納物品5の落下を防止することができる。使用方法として、より安全に使用するために、上下の第2溝62,63の係止部62a,63aの両方に転倒防止バー40を係止して使用してもよいし、いずれか一方にのみ転倒防止バー40を係止させて使用してもよい。
【0032】
例えば、収納物品5が比較的に背の短い酒瓶等の場合には、下方に位置する第2溝63に転倒防止バー40を係止し、収納物品が比較的に背の高いワインボトル等の場合には、上方に位置する第2溝62を使用する等して、収納物品5の種類によって、使い分けて使用することもできる。
【0033】
<第4実施例>
図9は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例である第4実施例の支持パネル20の平面図である。本実施例において、支持パネル20の案内溝60の第1溝61は、前側縁20cに沿って上下方向Yへ延びる縦断部分61aと、下端縁20b側に位置する下端61cと、上端縁20aに沿って後方へ直線状に延びる上横断部分61bと、支持パネル20の上下方向Yの中央部分において後方へ延びる下横断部分61dとを有する。
【0034】
案内溝90の第2溝62,63は、第1溝61の上下横断部分61b,61dの後端から屈曲しながら下方へ延びていて、それぞれ、転倒防止バー40の端部41を係止するための係止部62a,63aを有する。
【0035】
第1溝61の下端61cは、支持パネル20の下端縁20bから離間して位置し、閉鎖縁となっている。このように、下端61cが閉じられていることによって、使用によって金属製の支持パネル20が収容棚1の長さ方向に反り返るのを防止するとともに、転倒防止バー40が棚板3に当たって傷付くのを避けることができる。
【0036】
また、案内溝60の第1溝61において、上下横断部分61b,61dの両側に位置する角部は、曲状を有している。角部が先鋭状の場合には、円棒状の転倒防止バー40が角部に突っかかってスムーズな移動がし難くなることがあるが、角部が曲状であることによって、転倒防止バー40を案内溝60に沿ってスムーズに移動させることができる。
【0037】
<第5実施例>
図10は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例である第5実施例の支持パネル20の平面図である。本実施例に係る案内溝60の形状は、第3及び第4実施例とほぼ同じであるから基本的な形状についての説明は省略するが、下横断部分61dが直線状であるのに対し、上横断部分61bが上方へ凸となる湾曲状を有している。また、第2溝62,63は、第2実施例と同様に、下方へ屈曲しながら延びている。
【0038】
本実施例においては、第1溝61の上横断部分61bが上方へ凸なる湾曲状を有することによって、円棒状の転倒防止バー40を案内溝60に沿ってスムーズに移動させることができる。特に、上横断部分61bの曲率Rは15~18であり、比較的に緩やかなカーブを描くものであるから、急なカーブに比べて、よりスムーズな移動が実現できるといえる。
【0039】
<第6実施例>
図11は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例における支持パネル20の平面図である。支持パネル20の案内溝70の第1溝71は、上下方向Yへ延びる縦断部分71aと、下端縁20bに位置する下端71cと、上端縁20aに沿って後方へ直線状に延びる上横断部分71bと、上横断部分71bの下方に位置する中間横断部分71d、中間横断部分71dの下方に位置する下横断部分71eとを有する。
【0040】
案内溝70の第2溝72,73,74は、第1溝71の上下横断部分71b,71d及び中間横断部分71eの後端から前方へ斜めに直線状に延びていて、それぞれ、転倒防止バー40の端部41を係止するための係止部72a,73a,74aを有する。
【0041】
案内溝70がかかる形状を有することによって、転倒防止バー40による落下防止手段が上下3段式となり、上下方向Yに並んだ3本の転倒防止バー40によって収納物品5の落下を防止することができる。使用方法として、用途に応じて、上下3段のすべて、または、上下2段ないしいずれか1段に転倒防止バー40を係止して使用することができる。
【0042】
<第7実施例>
図12は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例における第7実施例の支持パネル20の平面図である。
【0043】
本実施例において、支持パネル20は、収納棚1の側板3に固定される取付部25Aと、案内溝80が位置する支持部25Bとを有する。取付部25Aには、支持パネル20を側板3にビスを介して固定するための透孔21,22が位置している。
【0044】
案内溝80の第1溝81は、支持パネル20の下端20bから離間して位置する閉鎖端である下端80cと、上下方向Yに延びる縦断部分81aと、縦断部分81aから後方へ延びる横断部分81bとを有する。横断部分81bは、上方へ凸なる湾曲状を有している。また、第2溝82は、横断部分81bから下方へ屈曲ながら延びていて、その下端には転倒防止バー40の端部41を係止可能な係止部82aが位置している。
【0045】
本実施例における支持パネル20は、取付部25Aを介して側板3に固定され、案内溝80は収納棚1から前方へ突出する支持部25Bに位置することから、転倒防止バー40は収納棚1の棚板2から前方へ離れて位置する。
【0046】
例えば、収納棚1内に転倒防止バー40が位置する場合、比較的に大きな外形寸法を有する収納物品5であって、その一部が収納棚1の棚板2から僅かに前方へ突出するときには、物品転倒防止具10を使用することができない。本実施例のように、転倒防止バー40が収納棚1の棚板2から前方へ離れて位置することによって、収納物品5の一部が棚板2から前方へ突出する場合であっても、転倒防止バー40を収納物品5の前方に位置することになり、物品転倒防止具10を適正に使用することができる。
【0047】
第1溝81の下端81cは支持パネル20の下端縁20bから離間していて閉鎖端であるから、転倒防止バー40を第1溝81に移動させて収納物品5を収納棚1から取り出す際に、転倒防止バー40が床面に落下することはない。なお、第1溝81の下端81cは、第2溝82の係止部82aと同様に、円棒状の転倒防止バー40の外形に沿う曲状を有している。
【0048】
<第8実施例>
図13(A)は、本発明に係る物品転倒防止具10の実施例の一例である第8実施例の支持パネル20の平面図、図13(B)は、支持パネル20を上方から視た平面図、図14は、ロックレバー95によるロックを解除する様子を示す、図13(A)と同様の図である。
【0049】
本実施例の支持パネル20は、図9に示す第4実施例と同様に2段式であって、支持パネル20の案内溝90の第1溝91は、前側縁20cに沿って上下方向Yへ延びる縦断部分91aと、下端縁20bに位置する下端91cと、上端縁20aに沿って後方へ直線状に延びる上横断部分91bと、支持パネル20の上下方向Yの中央部分において後方へ延びる下横断部分91dとを有する。
【0050】
案内溝90の第2溝92,93は、第1溝91の上下横断部分91b,91dの後端から屈曲しながら下方へ延びていて、それぞれ、転倒防止バー40の端部41を係止するための係止部92a,93aを有する。
【0051】
支持パネル20の前側縁20cと後側縁20dとが交差する角部には、回転軸94を介して旋回可能に固定されたロックレバー95と、ロックレバー95の旋回を規制するためのストッパー96とが位置している。ロックレバー95は、L字形状であって、回転軸94を介して支持パネル20に固定された基端部95Aと、転倒防止バー40と当接される傾斜面を有する先端部95Bとを有する。
【0052】
図13(B)に示すように、回転軸94には、付勢ばね(付勢手段)97が配置されていて、ロックレバー95は、付勢ばね97によって、その先端部95Bが案内溝90の第2溝92と重なって位置するように付勢されている。
【0053】
ロックレバー95が第2溝92と重なることによって、第2溝92の係止部92aに位置する転倒防止バー40の端部41は上方への移動が規制される。したがって、地震等によって、不意に転倒防止バー40にそれを上方へ移動させようとする力が加えられた場合であっても、転倒防止バー40が不用意に上方へ移動することを防止することができる。
【0054】
転倒防止バー40を第1溝91から第2溝92へ移動させる場合には、使用者が転倒防止バー40を先端部95Bの傾斜面に当接させながらそれを押し下げようとする力を加えることによって、図13(A)において仮想線で示すように、付勢ばね97の付勢に抗して、ロックレバー95が回転軸94を介して矢印Pの方向へ旋回する。ロックレバー95は、その先端部95Bが第2溝92から外れたときに、基端部95Aがストッパー96に当接されて、旋回が規制される。
【0055】
図14を参照すると、転倒防止バー40を第2溝92の係止部92aから第1溝91へ移動させる場合には、使用者が指でロックレバー95を矢印Pの方向へ旋回させて、先端部95Bが第2溝92から外した状態として、転倒防止バー40を把持して上方へ移動させる。
【0056】
なお、図示例では、ロックレバー95は、第2溝92に対してのみ配置されているが、その下方に位置する第2溝93に対しても配置されていてよい。また、回転軸94に付勢ばね97を配置せずに、ロックレバー95は自重のみで先端部95Bが第2溝92と重なるにように配置されていてもよい。
【0057】
本発明に係る収納棚1における物品転倒防止具10を構成する各構成材料には、特に記述がない場合を除き、この種の分野において通常用いられる、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 収納棚
5 収納物品
10 収納棚における物品転倒防止具(物品転倒防止具)
20 支持パネル
25A 取付部
25B 支持部
40 転倒防止バー
50 案内溝
51 第1溝
51a 縦断部分
51b 横断部分
51c 第1溝の下端
52 第2溝
52a 係止部
60 案内溝
61 第1溝
61a 縦断部分
61b 横断部分
62,63 第2溝
70 案内溝
71 第1溝
71a 縦断部分
71b 横断部分
72 第2溝
80 案内溝
81 第1溝
81a 縦断部分
81b 横断部分
82 第2溝
90 案内溝
91 第1溝
91a 縦断部分
91b 上横断部分
92 第2溝
95 ロックレバー
95B ロックレバーの先端部
Y 上下方向
Z 前後方向
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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