特開 2024-176131 スタック代替部品

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024176131

(43)【公開日】2024-12-19

(54)【発明の名称】スタック代替部品

(51)【国際特許分類】

   H01M 50/291 20210101AFI20241212BHJP

   H01M 10/613 20140101ALI20241212BHJP

   H01M 10/6567 20140101ALI20241212BHJP

   H01M 10/625 20140101ALI20241212BHJP

   H01M 10/647 20140101ALI20241212BHJP

   H01M 50/209 20210101ALI20241212BHJP

   H01M 50/204 20210101ALI20241212BHJP

   H01M 10/617 20140101ALI20241212BHJP

【ＦＩ】

H01M50/291

H01M10/613

H01M10/6567

H01M10/625

H01M10/647

H01M50/209

H01M50/204 401H

H01M10/617

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023094411

(22)【出願日】2023-06-07

(71)【出願人】

【識別番号】000119232

【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション

(74)【代理人】

【識別番号】100112472

【弁理士】

【氏名又は名称】松浦 弘

(74)【代理人】

【識別番号】100202223

【弁理士】

【氏名又は名称】軸見 可奈子

(72)【発明者】

【氏名】奥 信介

【テーマコード（参考）】

5H031

5H040

【Ｆターム（参考）】

5H031AA09

5H031KK08

5H040AA31

5H040AS07

5H040AT06

5H040AY04

5H040AY05

5H040AY06

(57)【要約】      （修正有）

【課題】バッテリケース内に空きスペースが生じ、そのスペースの空気に含まれる水蒸気によって結露が生じることを抑制するためのスタック代替部品を提供する。
【解決手段】スタック代替部品１０は、バッテリケース７１内に設けられる複数のスタック配置部のうちバッテリスタックが配置されずに空きとなる空きスタック配置部７４Ａに配置されるスタック代替部品１０であって、密閉された中空体である。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

バッテリケース内に設けられる複数のスタック配置部のうちバッテリスタックが配置されずに空きとなる空きスタック配置部に配置されるスタック代替部品であって、
密閉された中空体であるスタック代替部品。

【請求項2】

中空体である本体部と、
前記本体部を前記空きスタック配置部に固定する固定部と、を備える請求項１に記載のスタック代替部品。

【請求項3】

前記本体部は、ブロー成形品であり、
前記本体部の空気吹き込み用の孔を塞ぐカバー部を備える請求項２に記載のスタック代替部品。

【請求項4】

前記本体部の外面を形成する外殻壁に、内側に湾曲又は屈曲する凹部が設けられている請求項２又は３に記載のスタック代替部品。

【請求項5】

断熱性を有する面材で前記本体部の外面が覆われている請求項２又は３に記載のスタック代替部品。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、バッテリケース内に配置される部品に関する。

【背景技術】

【0002】

バッテリケースとして、バッテリスタックを配置するスタック配置部を複数備えているものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００６－１７９１９０（段落［００２１］～［００２３］、図３等）

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところで、仕様に応じて必要なバッテリスタックの数が異なることがある。そのため、バッテリケース内のスタック配置部全てにバッテリスタックが配置されていない場合、バッテリケース内に空きスペースが生じ、そのスペースの空気に含まれる水蒸気によって結露が生じ易くなる虞があった。

【課題を解決するための手段】

【0005】

発明の一態様は、バッテリケース内に設けられる複数のスタック配置部のうちバッテリスタックが配置されずに空きとなる空きスタック配置部に配置されるスタック代替部品であって、密閉された中空体であるスタック代替部品である。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1】第１実施形態に係るスタック代替部品が備えられたバッテリパックの斜視図

【図2】バッテリパックの断面図

【図3】図３Ａは、全てのスタック配置部にバッテリスタックが配置されているバッテリパックの正断面図、図３Ｂは、一部のスタック配置部にバッテリスタックが配置されていないバッテリパックの正断面図

【図4】スタック代替部品の側断面図

【図5】図５Ａは、ブロー成形された本体部の正断面図、図５Ｂは、本体部の貫通孔が閉塞されたスタック代替部品の正断面図

【図6】第２実施形態に係るスタック代替部品が備えられたバッテリパックの拡大断面図

【図7】図７Ａは、成形金型の成形面にセットされた面材の断面図、図７Ｂは、成形金型内でブロー成形されて面材と一体になった本体部の正断面図

【図8】ピンを有するスタック代替部品が備えられたバッテリパックの拡大断面図

【図9】図９Ａは、成形面にピンがセットされた成形金型の断面図、図７Ｂは、成形金型内でブロー成形されてピンと一体になった本体部の正断面図

【図10】ピンに突き刺されて本体部に取り付けられる面材の断面図

【発明を実施するための形態】

【0007】

［第１実施形態］
図１及び図２に示すように、第１実施形態のスタック代替部品１０は、バッテリパック７０に用いられ、バッテリケース７１内に配置されるものである。バッテリケース７１内には、複数のバッテリスタック７２が配置可能になっている。バッテリスタック７２には、互いに電気的に接続された複数のバッテリセルが一列に重ねて配置されている。なお、バッテリセルは、例えば、板状をなし、その厚さ方向に複数積層されている。本実施形態の例ではバッテリスタック７２は、平面視略長四角形の板状をなし、その長手方向がバッテリセルの積層方向になっている。なお、例えば、バッテリスタック７２には、複数のバッテリセルを収容するケースも備えられている。

【0008】

バッテリケース７１には、バッテリスタック７２が配置されるスタック配置部７４が、複数備えられている。バッテリスタック７２には、バッテリスタック７２をスタック配置部７４に固定するための固定部７２Ｋが設けられている。本実施形態の例では、バッテリスタック７２は、長四角形の板状をなし、その長手方向の両端部に固定部７２Ｋが設けられている。バッテリスタック７２の固定部７２Ｋは、例えば、ボルトやピン等の結合部材が挿通される挿通孔７２Ａを備え、その結合部材が、スタック配置部７４の取付孔に係合してバッテリスタック７２がバッテリケース７１に固定される。なお、例えば、バッテリケース７１には、バッテリスタック７２を冷却するための冷却機構（例えば、冷却水が流れる冷却路を有するもの）が隣接して配置されている（例えばバッテリスタック７２の厚さ方向の一方側から隣接して配置されている）。

【0009】

バッテリパック７０の用途は、特に限定されるものではない。例えば、バッテリパック７０は、車両（例えば、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車）等の乗り物用の電池（例えば、リチウムイオン電池、燃料電池等）に用いられてもよい。

【0010】

ところで、バッテリパック７０の仕様に応じて、必要なバッテリスタックの数が異なることがあり、バッテリケース７１内に設けられるバッテリスタック７２の数が異なることがある（図３Ａ及び図３Ｂ参照）。言い換えれば、バッテリケース７１は、収容するバッテリスタック７２の数が異なる複数の仕様に兼用することが可能である。そのため、バッテリケース７１内のスタック配置部７４全てにバッテリスタック７２が配置されていない場合では（図３Ｂ参照）、バッテリケース７１内に空きスペース、即ち、バッテリスタック７２が配置されずに空きとなるスタック配置部７４（以下、「空きスタック配置部７４Ａ」と適宜呼ぶ。）が生じる。この場合、その空きスペースの分だけ、バッテリケース７１内に空気が多く含まれることとなる。その結果、冷却機構で冷却されるバッテリパック７０では、バッテリケース７１内の空気に含まれる水蒸気等の水分により内部で結露が生じ易くなる虞があり、電気部品に不具合を生じさせる虞がある。そのため、その対策が求められている。

【0011】

これに対し、本実施形態のスタック代替部品１０は、バッテリスタック７２の代わりに、上記空きスタック配置部７４Ａに配置され、バッテリケース７１内の空きスペースを埋めることができる。これにより、空きスタック配置部７４Ａに何も配置されていない場合に比べて、バッテリケース７１内の空気（及び空気に含まれる水蒸気等の水分）を少なくすることが可能となり、バッテリケース７１内で結露が発生することを抑制可能となる。

【0012】

図４に示すように、本実施形態のスタック代替部品１０は、密閉された中空体である。スタック代替部品１０は、中空体である本体部２０と、本体部２０を空きスタック配置部７４Ａに固定する固定部２８と、を備えている。

【0013】

本体部２０には、貫通孔２１が形成されており、貫通孔２１は、カバー部４０により閉塞されている（図５Ｂ参照）。これにより、本体部２０が密閉され、本体部２０に水蒸気を含む空気が出入りできないようになっている。本実施形態の例では、本体部２０は、ブロー成形品であり、貫通孔２１は、ブロー成形の空気吹き込み用の孔である（図５Ａ参照）。なお、貫通孔２１は、貫通孔２１を覆う部材や、貫通孔２１の内側に詰められる部材によってシールされてもよいし、樹脂溶着によって塞がれてもよい。

【0014】

なお、本実施形態の例では、スタック代替部品１０のサイズが、バッテリスタック７２と略同じになっていて、本体部２０は、平面視略長四角形の板状をなしている。本実施形態の例では、本体部２０は、その厚さ方向で対向する１対の対向壁２２と、本体部２０の長手方向で対向する１対の端壁２３と、本体部２０の短手方向で対向する１対の側壁２４（図５Ａ参照）と、を本体部２０の外面を構成する外殻壁として備えている。上述の貫通孔２１は、例えば、一方の対向壁２２に設けられている（図５Ａ参照）。なお、スタック代替部品１０とバッテリスタック７２との外形やサイズが異なっていてもよい。

【0015】

図１に示すように、固定部２８は、本体部２０と一体になっていて、例えば、本体部２０と一体形成されている。本実施形態の例では、固定部２８は、１対の端壁２３からそれぞれ外側に張り出している。また、例えば、固定部２８は、結合部材（ボルトやピン等）が挿通される挿通孔２８Ａを有している。スタック代替部品１０は、バッテリスタック７２の固定に用いられるのと同じ結合部材（ボルトやピン等）で固定可能であることが好ましい。この場合、例えば、固定部２８の挿通孔２８Ａは、バッテリスタック７２の固定部７２Ｋの挿通孔７２Ａと同様の構成になっている。このような構成によれば、上記結合部材を、バッテリスタック７２を固定する場合にも、スタック代替部品１０を固定する場合にも、兼用（共通化）することができ、部品点数の増加を抑えることができる。また、本実施形態の例では、スタック代替部品１０を、バッテリスタック７２を固定するためにバッテリケース７１に設けられた取付孔（ボルト孔やピン孔等）を用いて固定可能であり、バッテリケース７１に専用の被結合構造を形成する必要がない。

【0016】

図４に示すように、スタック代替部品１０は、本体部２０の外殻壁に凹凸部２５を有している。本実施形態の例では、凹凸部２５は、本体部２０の１対の対向壁２２のうち一方の第１対向壁２２Ａに設けられていて、もう一方の第２対向壁２２Ｂには設けられていない。例えば、凹凸部２５は、凹部又は凸部が一定のパターンで繰り返される構成であってもよい。

【0017】

凹凸部２５は、本体部２０の外殻壁が湾曲又は屈曲することで形成されてもよい。例えば、凹凸部２５は、第１対向壁２２Ａが内側に張り出すように湾曲又は屈曲して形成される凹部２７を第１対向壁２２Ａの外面に有していてもよい。このような凹部２７は、複数設けられていてもよく、一列に並んでいてもよい。本実施形態の例では、複数の凹部２７は、本体部２０の長手方向に一列に並び、例えば等間隔に配置されている。また、本実施形態の例では、凹部２７は、本体部２０の短手方向に延びている。ここで、本実施形態の例では、凹凸部２５において、凹部２７が、本体部２０の外殻壁が内側に（本体部２０の内部空間Ｒ側に）張り出すように湾曲又は屈曲して形成されているので、外殻壁の内面における凹部２７の裏側には内部空間Ｒ側に突出する部分が設けられることになる。本実施形態の例では、その突出部分により、内部空間Ｒのうち第１対向壁２２側の領域が、複数の部屋３８に区切られている。なお、本実施形態の例では、本体部２０の内部空間Ｒのうち第２対向壁２２Ｂ側の部分は、区切られていない。

【0018】

本実施形態のスタック代替部品１０は、例えば以下のようにして製造される。まず、押出機からパリソンがブロー成形用の１対の成形金型８０（図５Ａ参照）の間に押し出される。そして、パリソンに空気が吹き込まれてパリソンが膨らみ、成形金型８０の内面に押し付けられて冷却される。これにより、本体部２０が成形されると共に、固定部２８が本体部２０と一体成形される。本実施形態の例では、ブロー成形の空気吹き込み用の孔が、本体部２０の上記貫通孔２１となる。なお、本体部２０の上記貫通孔２１として、ブロー成形の空気吹き込み用の孔以外の孔が設けられていてもよい。

【0019】

本体部２０が成形金型８０から取り外されると、カバー部４０で貫通孔２１が外側から塞がれ（図５Ｂ参照）、本体部２０が密閉される。以上により、スタック代替部品１０が得られる。

【0020】

上述のように、本実施形態では、空きスタック配置部７４Ａにスタック代替部品１０を配置することで、空きスタック配置部７４Ａにスタック代替部品１０が配置されていない場合に比べて、バッテリケース７１内の空気（及び空気に含まれる水蒸気等の水分）を少なくすることが可能となり、結露の発生を抑制可能となる。

【0021】

本実施形態では、本体部２０を、ブロー成形品とすることで、本体部２０を容易に製造可能となる。また、一般的に、ブロー成形品は、射出成形品に比べて高分子量の樹脂が使用することができるので、本体部２０を割れ難くすることが可能となる。また、例えば、ブロー成形では、射出成形よりも、本体部２０の製造コストの削減を図ることが可能となり（例えば、成形金型を安価にすることが可能となり）、スタック代替部品１０の生産性の向上を図ることが可能となる。

【0022】

本体部２０をブロー成形品とする場合、本体部２０にブロー成形の空気吹き込み用の貫通孔２１が形成されるが、この貫通孔２１をカバー部４０で塞ぐことで、本体部２０の内部空間Ｒの空気が、スタック代替部品１０の外側に放出されることによる結露の発生を抑制可能となる。

【0023】

本実施形態では、本体部２０に凹凸部２５が形成され、本体部２０の内部空間Ｒに複数の部屋３８が形成されている。これにより、本体部２０の内部空間Ｒでの空気温度分布による対流の発生を抑制可能となる。つまり、複数の部屋３８によりスタック代替部品１０の断熱性を高めることができ、スタック代替部品１０の表面における温度変化を抑制可能となり、結露の発生をさらに抑制可能となる。例えば、凹凸部２５は、本体部２０の外壁部のうち上述の冷却機構とは反対側に配置される部分に設けられてもよい。また、本体部２０の外壁部が湾曲又は屈折してなる凹凸部２５が形成されることで、本体部２０の強度アップを図ることが可能となる。

【0024】

［第２実施形態］
図６には、第２実施形態のスタック代替部品１０が示されている。本実施形態のスタック代替部品１０は、本体部２０の外面を覆う断熱性を有する面材３３を備えていて、それ以外の構成は、上記第１実施形態と同様である。本実施形態の例では、面材３３は、本体部２０の１対の対向壁２２を覆っている。面材３３は、本体部２０の外殻壁の一部のみを覆っていてもよいし、外殻壁の全体を覆っていてもよい。例えば、面材３３と本体部２０は、接着材又は溶着により一体化されていてもよいし、本体部２０が、面材３３と一体成形されてもよい。

【0025】

本実施形態のスタック代替部品１０は、例えば、以下のようにして製造される。まず、図７Ａに示す成形金型８０の成形面に、面材３３がセットされる。面材３３のうち成形金型８０の内側を向く面（成形金型８０の成形面とは反対側の面）には、接着材を付けておく。

【0026】

その後、押出機からパリソンがブロー成形用の１対の成形金型８０の間に押し出される。そして、パリソンに空気が吹き込まれてパリソンが膨らみ、成形金型８０の内面に（面材３３が設けられている部分では面材３３に）押し付けられ、冷却される（図７Ｂ参照）。これにより、本体部２０が成形されると共に、本体部２０は、面材３３と接着される。なお、例えば、上記接着材として、熱可塑性のものを用いると、パリソンの熱で接着材が溶融して、上記接着を、本体部２０の成形と同時に行うことができると共に、容易に行うことができる。

【0027】

上記第１実施形態と同様に、本体部２０が成形金型８０から取り外されると、カバー部４０で貫通孔２１が外側から塞がれ（図５Ｂ参照）、本体部２０が密閉される。以上により、スタック代替部品１０が得られる。

【0028】

なお、面材３３を本体部２０に固定する固定部材として、本体部２０から突出して面材３３に係合する（例えば突き刺さる）ものを、接着材に代えて又は加えて設けてもよい。図８には、このような固定部材として、ピン３６が設けられている。ピン３６は、本体部２０に固定されて本体部２０の外面から突出し、その突出先端が、面材３３に突き刺さる。ピン３６は、１つの面材３３に対して複数位置に設けられてもよい。

【0029】

例えば、ピン３６は、インサート部品として本体部２０に一体化したものであってもよい。本実施形態のスタック代替部品１０の製造方法では、図９Ａに示すように、ピン３６が、成形金型８０の成形面（例えば、対向壁２２を成形する部分）に取り付けられる。なお、このとき、ピン３６は、面材３３に突き刺さる先端側の部分が、成形金型８０の成形面に突き刺さるようにインサートされる。その後、上述したように、本体部２０がブロー成形されると、本体部２０の外面にピン３６が一体化される（図９Ｂ参照）。

【0030】

本体部２０が成形金型８０から取り外されると、本体部２０と一体化したピン３６も取り外される。そして、面材３３が、本体部２０の外殻壁のうちピン３６が設けられた部分（本実施形態の例では、１対の対向壁２２）に重ねられ、取り付けられる（図１０参照）。このとき、本体部２０から突出するピン３６が面材３３に突き刺されることで、面材３３が本体部２０に固定される。ピン３６は、面材３３を貫通する長さであってもよいし、面材３３を貫通しない長さの物であってもよい。

【0031】

以上説明した本実施形態のスタック代替部品１０によれば、断熱性を有する面材３３により、スタック代替部品１０の断熱性を高めることが可能となる。

【0032】

［他の実施形態］
上記実施形態において、固定部２８は、本体部２０と一体に形成されたものでなくてもよく、別体で形成されたものであってもよい。例えば、固定部２８が、本体部２０に取り付けられた部品であってもよい。

【0033】

本体部２０は、ブロー成形品でなくてもよい。また、本体部２０は、樹脂製でなくてもよい。

【0034】

上記実施形態では、バッテリケース７１内の空きスペースを埋める物品が、バッテリスタック７２の代わりに配置されるスタック代替部品１０であったが、このような物品として、空きスタック配置部７４Ａ以外に配置される物品がバッテリケース内に設けられてもよい。また、このような物品が、バッテリパック７０以外の用途において、空きスペースを埋めるために用いられてもよい。また、外形やサイズがバッテリスタック７２とは全く異なる物品を、空きスタック配置部７４Ａに配置してもよい。

【0035】

上記実施形態では、凹凸部２５において、複数の凹部２７が一列に並んでいたが、２次元的に並んでいてもよく、例えば、２次元的な繰り返しパターンで並んでいてもよい。また、複数の凹部２７が、整列していなくてもよく、ランダムに配置されていてもよい。

【0036】

上記実施形態において、凹凸部２５が、本体部２０の外殻壁のうち第１対向壁２２Ａ以外の部分（例えば、第２対向壁２２Ｂ）に設けられていてもよい。この場合、凹凸部２５が第１対向壁２２Ａに設けられていなくてもよい。なお、スタック代替部品１０を、凹凸部２５が本体部２０に設けられていない構成とすることもできる。

【0037】

上記実施形態において、凹凸部２５が、本体部２０の外殻壁が湾曲や屈曲してなるものでなくてもよい。例えば、凹凸部２５（例えば部屋３８のような部分を形成する凹凸部２５）が、本体部２０の外殻壁の外面と内面の一方にのみ設けられていてもよい。

【0038】

上記実施形態において、面材３３として、断熱性を有していないものを用いてもよい。例えば、面材３３は、補強材であってもよい。

【0039】

＜付記＞
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、これら特徴群は、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。

【0040】

例えば、本開示の以下の特徴群は、「バッテリケース内に配置される部品」に関し、「バッテリケースとして、バッテリスタックを配置するスタック配置部を複数備えているものが知られている（例えば、特開２００６－１７９１９０（段落［００２１］～［００２３］、図３等）参照）。」という背景技術について、「ところで、仕様に応じて必要なバッテリスタックの数が異なることがある。そのため、バッテリケース内のスタック配置部全てにバッテリスタックが配置されていない場合、バッテリケース内に空きスペースが生じ、そのスペースの空気に含まれる水蒸気によって結露が生じ易くなる虞があった。」という課題をもって想到されたものと考えることができる。

【0041】

［特徴１］
バッテリケース内に設けられる複数のスタック配置部のうちバッテリスタックが配置されずに空きとなる空きスタック配置部に配置されるスタック代替部品であって、
密閉された中空体であるスタック代替部品。

【0042】

特徴１によれば、空きスタック配置部にスタック代替部品を配置することで、空きスタック配置部にスタック代替部品が配置されていない場合に比べて、バッテリケース内の空気（及び空気に含まれる水蒸気等の水分）を少なくすることが可能となり、結露の発生を抑制可能となる。

【0043】

［特徴２］
中空体である本体部と、
前記本体部を前記空きスタック配置部に固定する固定部と、を備える特徴１に記載のスタック代替部品。

【0044】

［特徴３］
前記本体部は、ブロー成形品であり、
前記本体部の空気吹き込み用の孔（貫通孔２１）を塞ぐカバー部を備える特徴２に記載のスタック代替部品。

【0045】

本体部を、ブロー成形品とすることで、本体部を容易に製造可能となるとともに、射出成形品に比べて外殻体を割れ難くすることが可能となる。

【0046】

［特徴４］
前記本体部の外面を形成する外殻壁に、内側に湾曲又は屈曲する凹部が設けられている特徴２又は３に記載のスタック代替部品。

【0047】

［特徴５］
断熱性を有する面材で前記本体部の外面が覆われている特徴２から４の何れか１の特徴に記載のスタック代替部品。

【0048】

なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。

【符号の説明】

【0049】

１０ スタック代替部品
２０ 本体部
２５ 凹凸部
２７ 凹部
３３ 面材
４０ カバー部
７１ バッテリケース
７２ バッテリスタック
７４ スタック配置部
７４Ａ 空きスタック配置部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】