(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176138
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/577 20140101AFI20241212BHJP
A63F 13/525 20140101ALI20241212BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20241212BHJP
【FI】
A63F13/577
A63F13/525
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094422
(22)【出願日】2023-06-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月8日 https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000038434.htmlにて公開 令和4年6月24日 https://store-jp.nintendo.com/list/software/HAC_P_A3JMA_JPN.htmlにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶原 久和
(72)【発明者】
【氏名】安永 琢也
(57)【要約】
【課題】本開示は、衝突した位置で衝突に起因する演出が一律に実行される場合に比べて、当該演出が実行されたことを把握しやすくすることを目的とする。
【解決手段】ゲームプログラムは、仮想空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であるコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じて前記仮想空間に配置し、前記仮想空間においてゲームオブジェクトが進入できない領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、処理を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
仮想空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であるコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じて前記仮想空間に配置し、
前記仮想空間においてゲームオブジェクトが進入できない領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、
処理を実行させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
ゲームオブジェクトである第1オブジェクトとの衝突を判定可能な要素である前記コリジョンオブジェクトが、前記第1オブジェクトが進入できない前記領域に進入する場合、前記所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する
処理を実行させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
ゲームオブジェクトであるフィールドとの衝突を判定可能な要素である前記コリジョンオブジェクトが前記領域に進入する場合に、ユーザの入力操作に応じてアクションを実行するゲームオブジェクトである第2オブジェクトが配置される前記フィールドの高さと前記コリジョンオブジェクトが衝突する前記フィールドの高さとが異なるとき、前記所定演出を実行する高さを前記コリジョンオブジェクトが衝突する前記フィールドの高さから前記第2オブジェクトが配置される前記フィールドの高さに近付ける、
処理を実行させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
ユーザの入力操作に応じてアクションを実行するゲームオブジェクトである第2オブジェクト又は当該第2オブジェクトの位置又は向きに応じて移動するゲームオブジェクトである仮想カメラが進入できない前記領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、
処理を実行させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第2オブジェクト又は前記仮想カメラが前記領域に進入する場合、当該仮想カメラは、撮影する方向が制限される、
請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
ユーザの入力操作に応じてアクションを実行するゲームオブジェクトである第2オブジェクトの位置と前記コリジョンオブジェクトが進入する前記領域の位置との距離が予め定めた値を超える場合、前記所定演出を実行する位置を前記領域の位置から前記第2オブジェクトの位置に近付ける、
処理を実行させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
前記領域又は前記コリジョンオブジェクトが衝突する地点が前記仮想空間を表示する表示部内に表示されていない場合、前記表示部内に前記所定演出を表示する、
処理を実行させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
前記コリジョンオブジェクトが前記領域に進入した後、前記コリジョンオブジェクトが前記フィールドに衝突するまでの間に、前記所定演出を実行する、
処理を実行させるための請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、
前記コリジョンオブジェクトが、前記第2オブジェクトが配置される前記フィールドの高さに到達したタイミングで、前記所定演出を実行する、
処理を実行させるための請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
仮想空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であるコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じて前記仮想空間に配置し、
前記仮想空間においてゲームオブジェクトが進入できない領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、
処理をコンピュータが実行するゲーム処理方法。
【請求項11】
仮想空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であるコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じて前記仮想空間に配置し、前記仮想空間においてゲームオブジェクトが進入できない領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する制御部を備えるゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本来的に複数のプレイヤが一緒に行うべきゲーム中のイベントを一部のプレイヤだけで行わせない技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されているようなゲームでは、ユーザの入力操作に応じて仮想空間に配置されたコリジョンオブジェクトがゲームオブジェクトに衝突した場合に当該コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する演出が実行されることがある。このとき、コリジョンオブジェクトの衝突する位置によっては、上記演出を十分に確認できないことがあり、ユーザに違和感を与えることがあった。
【0005】
そこで、本開示は、衝突した位置で衝突に起因する演出が一律に実行される場合に比べて、当該演出が実行されたことを把握しやすいゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様のゲームプログラムは、コンピュータに、仮想空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であるコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じて前記仮想空間に配置し、前記仮想空間においてゲームオブジェクトが進入できない領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、処理を実行させる。
【0007】
第2の態様のゲームプログラムは、第1の態様のゲームプログラムであって、前記コンピュータに、ゲームオブジェクトである第1オブジェクトとの衝突を判定可能な要素である前記コリジョンオブジェクトが、前記第1オブジェクトが進入できない前記領域に進入する場合、前記所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、処理を実行させる。
【0008】
第3の態様のゲームプログラムは、第1又は第2の態様のゲームプログラムであって、前記コンピュータに、ゲームオブジェクトであるフィールドとの衝突を判定可能な要素である前記コリジョンオブジェクトが前記領域に進入する場合に、ユーザの入力操作に応じてアクションを実行するゲームオブジェクトである第2オブジェクトが配置される前記フィールドの高さと前記コリジョンオブジェクトが衝突する前記フィールドの高さとが異なるとき、前記所定演出を実行する高さを前記コリジョンオブジェクトが衝突する前記フィールドの高さから前記第2オブジェクトが配置される前記フィールドの高さに近付ける、処理を実行させる。
【0009】
第4の態様のゲームプログラムは、第1から第3の態様の何れか1つのゲームプログラムであって、ユーザの入力操作に応じてアクションを実行するゲームオブジェクトである第2オブジェクト又は当該第2オブジェクトの位置又は向きに応じて移動するゲームオブジェクトである仮想カメラが進入できない前記領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、処理を実行させる。
【0010】
第5の態様のゲームプログラムは、第4の態様のゲームプログラムであって、前記第2オブジェクト又は前記仮想カメラが前記領域に進入する場合、当該仮想カメラは、撮影する方向が制限される。
【0011】
第6の態様のゲームプログラムは、第1から第5の態様の何れか1つのゲームプログラムであって、前記コンピュータに、ユーザの入力操作に応じてアクションを実行するゲームオブジェクトである第2オブジェクトの位置と前記コリジョンオブジェクトが進入する前記領域の位置との距離が予め定めた値を超える場合、前記所定演出を実行する位置を前記領域の位置から前記第2オブジェクトの位置に近付ける、処理を実行させる。
【0012】
第7の態様のゲームプログラムは、第1から第6の態様の何れか1つのゲームプログラムであって、前記コンピュータに、前記領域又は前記コリジョンオブジェクトが衝突する地点が前記仮想空間を表示する表示部内に表示されていない場合、前記表示部内に前記所定演出を表示する、処理を実行させる。
【0013】
第8の態様のゲームプログラムは、第3の態様のゲームプログラムであって、前記コンピュータに、前記コリジョンオブジェクトが前記領域に進入した後、前記コリジョンオブジェクトが前記フィールドに衝突するまでの間に、前記所定演出を実行する、処理を実行させる。
【0014】
第9の態様のゲームプログラムは、第8の態様のゲームプログラムであって、前記コンピュータに、前記コリジョンオブジェクトが、前記第2オブジェクトが配置される前記フィールドの高さに到達したタイミングで、前記所定演出を実行する、処理を実行させる。
【0015】
第10の態様のゲーム処理方法は、仮想空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であるコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じて前記仮想空間に配置し、前記仮想空間においてゲームオブジェクトが進入できない領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する、処理をコンピュータが実行する。
【0016】
第11の態様のゲーム装置は、仮想空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であるコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じて前記仮想空間に配置し、前記仮想空間においてゲームオブジェクトが進入できない領域に前記コリジョンオブジェクトが進入する場合、前記コリジョンオブジェクトの衝突判定に起因する所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する制御部を備える。
【発明の効果】
【0017】
本開示に係るゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置では、衝突した位置で衝突に起因する演出が一律に実行される場合に比べて、当該演出が実行されたことを把握しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】ゲーム装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図3】制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】ゲーム装置のディスプレイに表示される第1の表示例である。
【
図5】ゲーム装置のディスプレイに表示される第2の表示例である。
【
図6】ゲーム装置のディスプレイに表示される第3の表示例である。
【
図7】ゲーム装置のディスプレイに表示される第4の表示例である。
【
図8】ゲーム装置のディスプレイに表示される第5の表示例である。
【
図9】ゲーム装置のディスプレイに表示される第6の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施形態に係るゲーム装置10について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係るゲーム装置10の第1の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、ゲーム装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲーム装置10は、例えば、家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、スマートフォン、タブレット端末、及びパーソナルコンピュータ等である。本実施形態は、一例として、ゲーム装置10を「家庭用ゲーム機」とする。ゲーム装置10は「コンピュータ」の一例である。
【0021】
図1に示すように、ゲーム装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、ディスプレイ15、スピーカ16、外部I/F(InterFace)17、通信I/F18、及び入力I/F19を備えている。各構成は、バス20を介して相互に通信可能に接続されている。
【0022】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。
【0023】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0024】
ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。
【0025】
ディスプレイ15は、一例として、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。本実施形態では、ディスプレイ15はゲーム装置10と一体である。しかし、これに限らず、ディスプレイ15はゲーム装置10と別体であってもよい。また、本実施形態では、ディスプレイ15はタッチパネルを有していない。しかし、これに限らず、ディスプレイ15はタッチパネルを一体的に有していてもよい。スピーカ16は、各種の音を出力する。ディスプレイ15は「表示部」の一例である。
【0026】
外部I/F17は、外部機器をゲーム装置10に接続するためのインターフェースである。当該外部機器は、一例として、記録媒体30である。
【0027】
記録媒体30は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、又はSDメモリカード等が用いられる。記録媒体30には、ゲーム装置10で所定のゲームを実行するためのゲームプログラム30Aが格納されている。CPU11は、外部I/F17を介して記録媒体30からゲームプログラム30Aを読み出し、RAM13を作業領域としてゲームプログラム30Aを実行する。なお、ゲームプログラム30Aは、記録媒体30に格納されていることに限定されず、ゲーム装置10のストレージ14に予め記憶されていてもよいし、ネットワークを介してゲーム装置10にダウンロード可能であってもよい。ゲームプログラム30Aは「ゲームプログラム」の一例である。
【0028】
通信I/F18は、ゲーム装置10をネットワークに接続するためのインターフェースである。通信I/F18には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0029】
入力I/F19は、入力装置40に接続するためのインターフェースである。入力装置40は、操作ボタン及び方向キー等を有するコントローラ、マウス、及びキーボード等であり、各種の入力を行うために使用される。ユーザは、入力装置40を用いてゲームの操作を行う。ユーザが入力装置40を用いて行った入力操作の内容を示す操作情報は、RAM13に格納される。本実施形態では、入力装置40はゲーム装置10と別体である。しかし、これに限らず、入力装置40はゲーム装置10と一体であってもよい。また、入力装置40は、ゲーム装置10から着脱可能であってもよい。また、入力装置40の数は1つ又は複数でもよい。
【0030】
次に、ゲーム装置10の機能構成について説明する。
図2は、ゲーム装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、ゲーム装置10のCPU11は、機能構成として、受付部11A、制御部11B、及び補正部11Cを有する。各機能構成は、CPU11が記録媒体30に格納されたゲームプログラム30Aを読み出し、実行することにより実現される。
受付部11Aは、ユーザからの入力装置40を用いた入力操作を受け付ける。
【0032】
制御部11Bは、受付部11Aが受け付けたユーザの入力操作及びゲームプログラム30Aに定義された情報等に基づいて、ゲームの進行及びゲーム空間の表示態様を制御する。ゲーム空間は、ゲーム装置10のディスプレイ15に表示される空間であって、「仮想空間」の一例である。
【0033】
本実施形態では、制御部11Bは、ゲーム空間に配置されるゲームオブジェクトとの衝突を判定可能な要素であって、ゲーム空間を移動可能なコリジョンオブジェクトを、ユーザの入力操作に応じてゲーム空間に配置する。制御部11Bは、例えば、ユーザが操作する所定のゲームオブジェクトのアクションに応じてコリジョンオブジェクトをゲーム空間に配置する。ゲームオブジェクトは、キャラクター、道具、フィールド、仮想カメラ、及びギミック等のゲームに登場する物体である。一例として、本実施形態は、上記の所定のゲームオブジェクトを、ユーザからの入力操作に応じてアクションを実行するキャラクター(以下、「自キャラクター50(
図4及び
図5等参照)」)として説明する。自キャラクター50は、ゲームに登場する人間、動物、ロボット、機械又は架空の生物等であり、その種類は特に限定されない。自キャラクター50は「第2オブジェクト」の一例である。
【0034】
例えば、自キャラクター50は、上記のアクションとして、自キャラクター50の敵となるキャラクター、いわゆる敵キャラクター52(
図4及び
図5等参照)にダメージを与えるための攻撃アクションを実行可能である。敵キャラクター52は「第1オブジェクト」の一例である。
【0035】
以下、自キャラクター50の攻撃アクションに応じてゲーム空間に配置されるコリジョンオブジェクトを「攻撃コリジョンC(
図4及び
図6等参照)」とする。攻撃コリジョンCは、ゲームオブジェクトであるフィールドとの衝突を判定可能な要素であって、ゲーム空間を移動可能とされている。一例として、攻撃コリジョンCは、当該攻撃アクションに応じてゲーム空間に描画されるエフェクト(図示せず)に追従してエフェクトとともにゲーム空間を移動する。攻撃コリジョンCは、ゲーム空間に配置はされるが描画はされない要素であるため、ユーザが視認することはできない。詳細は後述するが、制御部11Bは、攻撃コリジョンCがフィールドに衝突して衝突判定が得られると、当該衝突判定に起因する攻撃演出を実行する。攻撃コリジョンCは「コリジョンオブジェクト」の一例である。
【0036】
上記の自キャラクター50の攻撃アクションに基づく攻撃は、攻撃コリジョンCの衝突判定に起因して実行した攻撃演出で示される攻撃範囲に含まれる敵キャラクター52にダメージを与える特殊攻撃である。特殊攻撃は、当該攻撃演出が実行されない、打撃、斬撃、及び弓撃等の物理攻撃とは異なる攻撃であって、攻撃コリジョンCの衝突判定が得られたことによって所定の効果が発生する攻撃である。例えば、特殊攻撃には、魔法を用いて攻撃する魔法攻撃及び攻撃演出が実行される物理攻撃が含まれる。攻撃演出は「所定演出」の一例である。また、攻撃演出は、ゲームオブジェクトのパラメータに影響を与えても良いし、与えなくても良い。
【0037】
上記のフィールドは、陸地及び海を含む。フィールドには、当該フィールドに定義された地表面及び海水面等の表面部分が設けられている。また、当該地表面は、陸地の表面に存在する湖沼及び河川等の水面と、当該水面以外の陸地の表面とを含む。以下では、フィールドの表面部分のうち、攻撃コリジョンCが衝突して衝突判定が得られる面を「衝突面」と称する。
【0038】
ここで、制御部11Bは、自キャラクター50の攻撃アクションに応じて起点に配置された攻撃コリジョンCがエフェクトとともにゲーム空間を移動して終点となる衝突面に衝突すると、当該攻撃コリジョンCの衝突判定を得る。そして、制御部11Bは、当該衝突判定が得られた衝突面の位置に攻撃演出を実行する。
【0039】
補正部11Cは、ゲーム空間においてキャラクターが進入できない領域に攻撃コリジョンCが進入する場合に、自キャラクター50が配置されるフィールドの高さと攻撃コリジョンCが衝突するフィールド、すなわち、衝突面の高さとが異なるとき、攻撃演出を実行する高さを補正する。本実施形態では、補正部11Cは、当該補正として、攻撃演出を実行する高さを衝突面の高さから自キャラクター50が配置されるフィールドの高さに近付け、攻撃演出を実行する高さを自キャラクター50が配置されるフィールドの高さとする。上記の「領域に攻撃コリジョンCが進入する場合」は、「領域に進入したら」との領域に進入する前の概念と、「領域に進入すると」との領域に進入した後の概念とを含む。当該領域は、ゲームオブジェクトが進入できない領域であってもよい。すなわち、当該領域は、敵キャラクター52、自キャラクター50、及び仮想カメラ等が進入できない領域であってもよい。
【0040】
ここで、ゲーム空間には、ゲーム空間における位置を定義するための座標系であるワールド座標系が設定されている。当該ワールド座標系は、ゲーム空間におけるフィールドと平行なX軸及びZ軸と、X軸及びZ軸と垂直なY軸とからなる。例えば、自キャラクター50及び攻撃コリジョンCの位置等は、ワールド座標系上で特定することができる。
【0041】
上記の「攻撃コリジョンCが衝突する衝突面の高さ」は、攻撃コリジョンCが衝突して衝突判定が得られるフィールドの高さである。また、上記の「自キャラクター50が配置されるフィールドの高さ」は、ワールド座標系におけるフィールドの3次元座標値を構成するY軸方向の座標値で特定される。当該Y軸方向の座標値は、ワールド座標系における自キャラクター50の3次元座標値を構成するXZ平面の座標値から垂直な位置にあるフィールドの表面部分のY軸方向の座標値が設定される。
【0042】
また、本実施形態では、上記の「キャラクターが進入できない領域」は、自キャラクター50及び敵キャラクター52は進入できないが、攻撃コリジョンCは進入できる領域である。以下では、当該領域を「キャラクター進入不可領域」と記載する。
【0043】
攻撃演出を実行する高さを補正する場合、まず、補正部11Cは、攻撃アクションを実行した際のワールド座標系における自キャラクター50の3次元座標値を取得する。次に、補正部11Cは、当該3次元座標値を構成するXZ平面の座標値から垂直な位置にあるフィールドの表面部分のY軸方向の座標値を取得する。そして、補正部11Cは、攻撃演出を実行する高さを、当該Y軸方向の座標値が示す高さに補正する。なお、補正後の攻撃演出を実行するワールド座標系におけるXZ平面の座標値は、攻撃コリジョンCのXZ平面の座標値に基づいて設定される。
【0044】
また、制御部11Bは、補正部11Cにより攻撃演出を実行する高さが補正されたことに基づいて、攻撃演出をユーザが視認可能な位置で実行する。この場合、制御部11Bは、攻撃演出を自キャラクター50が配置されるフィールドの高さにおいて実行して、ディスプレイ15内に攻撃演出を表示する。
【0045】
また、制御部11Bは、補正部11Cにより攻撃演出を実行する高さが補正された場合、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入した後、衝突面に衝突するまでの間に、攻撃演出を実行する。具体的には、制御部11Bは、攻撃コリジョンCが、自キャラクター50が配置されるフィールドの高さに到達したタイミングで、攻撃演出を実行する。
【0046】
図3は、ゲーム装置10が攻撃演出を実行する高さを補正するか否かを決定する決定処理の流れを示すフローチャートである。CPU11が記録媒体30からゲームプログラム30Aを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、決定処理が行われる。一例として、
図3に示す決定処理は、自キャラクター50が攻撃アクションを実行した場合に実行される。
【0047】
図3に示すステップS10において、CPU11は、自キャラクター50が実行した攻撃アクションに基づく攻撃は特殊攻撃であるか否かを判定する。ここで、CPU11は、当該攻撃は特殊攻撃であると判定した場合(ステップS10:YES)、ステップS11に進む。一方、CPU11は、当該攻撃は特殊攻撃であると判定しない場合(ステップS10:NO)、決定処理を終了する。一例として、CPU11は、ユーザが入力装置40を用いて行った入力操作の内容を示す操作情報に基づいて、当該攻撃は特殊攻撃であるか否かを判定する。
【0048】
ステップS11において、CPU11は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入するか否かを判定する。ここで、CPU11は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入すると判定した場合(ステップS11:YES)、ステップS12に進む。一方、CPU11は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入すると判定しない場合(ステップS11:NO)、ステップS13に進む。一例として、CPU11は、ワールド座標系における攻撃コリジョンCの3次元座標値に基づいて、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入するか否かを判定する。
【0049】
ステップS12において、CPU11は、衝突面の高さが、自キャラクター50が配置されるフィールドの高さと異なるか否かを判定する。ここで、CPU11は、衝突面の高さが当該フィールドの高さと異なると判定した場合(ステップS12:YES)、ステップS14に進む。一方、CPU11は、衝突面の高さが当該フィールドの高さと異なると判定しない場合(ステップS12:NO)、ステップS13に進む。一例として、CPU11は、攻撃コリジョンCが当該フィールドの高さに到達した場合、衝突面は当該フィールドより低い位置にあるとして、衝突面の高さが当該フィールドの高さと異なると判定する。また、CPU11は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入してから衝突面に衝突することなく所定時間が経過した場合、衝突面は当該フィールドより高い位置にあるとして、衝突面の高さが当該フィールドの高さと異なると判定する。
【0050】
ステップS13において、CPU11は、自キャラクター50が実行した攻撃アクションに基づく攻撃演出を衝突面の位置に実行する。詳しくは、CPU11は、攻撃コリジョンCが衝突して衝突判定が得られたフィールドの表面部分のワールド座標系における3次元座標値に当該攻撃演出を実行する。そして、CPU11は、決定処理を終了する。
【0051】
ステップS14において、CPU11は、攻撃アクションを実行した際のワールド座標系における自キャラクター50の3次元座標値を取得する。次に、CPU11は、当該3次元座標値を構成するXZ平面の座標値から垂直な位置にあるフィールドの表面部分のY軸方向の座標値を取得し、攻撃演出を実行する高さを、当該Y軸方向の座標値が示す高さに補正する。また、CPU11は、ステップS12においてYESと判定した際のワールド座標系における攻撃コリジョンCのXZ平面の座標値を取得する。そして、CPU11は、当該Y軸方向の座標値及び当該XZ平面の座標値で構成された3次元座標値を実行位置として、当該実行位置に当該攻撃演出を実行する。そして、CPU11は、決定処理を終了する。
【0052】
次に、
図3に示す決定処理に基づく表示例について説明する。
まず、攻撃コリジョンCが衝突して衝突判定が得られた衝突面の位置に攻撃演出を実行する場合について、
図4及び
図5を用いて説明する。
【0053】
図4は、ゲーム空間の第1の表示例である。一例として、
図4は、ゲーム空間として、自キャラクター50及び敵キャラクター52がバトルを行うバトル空間V1を示している。
【0054】
図4に示すバトル空間V1には、自キャラクター50及び敵キャラクター52が存在している。自キャラクター50及び敵キャラクター52は、バトル空間V1のフィールドに定義された表面部分である地面G1上でバトルを行っている。
【0055】
自キャラクター50は、ユーザからの入力操作に応じたアクションを実行可能なキャラクターである。
敵キャラクター52は、自キャラクター50の敵となるキャラクターである。一例として、自キャラクター50及び敵キャラクター52は、人間のキャラクターである。
【0056】
ここで、
図4において、自キャラクター50は攻撃アクションを実行しており、当該攻撃アクションに応じた攻撃コリジョンCがバトル空間V1に配置されている。一例として、当該攻撃アクションに基づく攻撃は、攻撃コリジョンCの衝突判定に起因して実行した攻撃演出で示される攻撃範囲に含まれる敵キャラクター52にダメージを与える魔法攻撃である。
【0057】
攻撃コリジョンCは、ワールド座標系300における攻撃演出の実行位置を決定するために、魔法攻撃に応じてバトル空間V1に描画されるエフェクト(図示せず)に追従してエフェクトとともにバトル空間V1を移動する。具体的には、攻撃コリジョンCは自キャラクター50の手を起点として、曲線の軌跡T1を描いて地面G1上まで移動する。上記のように、攻撃コリジョンCは、バトル空間V1に配置はされるが描画はされない要素であるため、ユーザが視認することはできない。一例として、攻撃コリジョンCの形状は球体である。しかし、攻撃コリジョンCの形状は球体に限定されず、箱形等の他の形状であってもよい。
【0058】
また、
図4は、バトル空間V1に設定された座標系として、ワールド座標系300を示している。ワールド座標系300は、上記のように、バトル空間V1における位置を定義するための座標系である。ワールド座標系300は、バトル空間V1における地面G1と平行なX軸及びZ軸と、X軸及びZ軸と垂直なY軸とからなる。自キャラクター50、敵キャラクター52、及び攻撃コリジョンCの位置は、ワールド座標系300上で特定することができる。
【0059】
図5は、ゲーム空間の第2の表示例である。具体的には、
図5は、攻撃アクションに基づく攻撃演出を実行した後のバトル空間V1を示している。
【0060】
図5に示すバトル空間V1は、攻撃コリジョンCが衝突して衝突判定が得られた地面G1の位置に攻撃アクションに基づく攻撃演出である演出E1が発生している。この場合、衝突判定が得られた地面G1が「衝突面」となる。一例として、自キャラクター50による魔法攻撃は、攻撃コリジョンCの衝突判定が得られたことによって所定の効果として、爆発が発生し、当該爆発の範囲内に存在する敵キャラクター52にダメージを与えることができる。そのため、
図5では、演出E1として衝突面となった地面G1の位置を中心に爆発が発生し、半球状の当該魔法攻撃の攻撃範囲に含まれる敵キャラクター52にダメージが与えられる。
【0061】
次に、攻撃アクションに基づく攻撃演出を実行する高さを補正する場合について、
図6、
図7、
図8、及び
図9を用いて説明する。また、
図6、
図7、
図8、及び
図9に示す表示例についても
図4及び
図5に示す表示例と同様にワールド座標系300が設定されている。当該ワールド座標系300の内容は
図4及び
図5と共通のため、以下では説明を省略している。
【0062】
図6は、ゲーム空間の第3の表示例である。具体的には、
図6は、ゲーム空間として、バトル空間V1とは異なるバトル空間V2を示している。
【0063】
図6に示すバトル空間V2には、自キャラクター50及び敵キャラクター52が存在している。自キャラクター50及び敵キャラクター52は、バトル空間V2のフィールドに定義された表面部分である地面G2上でバトルを行っている。また、当該バトル空間V2には、当該フィールドであって、地面G2の下方に位置する谷底G3が設けられている。谷底G3は、キャラクター進入不可領域に設けられており、ユーザが視認することはできない。換言すると、谷底G3は、ゲーム装置10のディスプレイ15に表示されない。一例として、バトル空間V2では、敵キャラクター52が存在する地面G2の右端部より右方の領域がキャラクター進入不可領域に設定されている。
【0064】
ここで、
図6において、自キャラクター50は攻撃アクションを実行しており、当該攻撃アクションに応じた攻撃コリジョンCがバトル空間V2に配置されている。一例として、当該攻撃アクションに基づく攻撃は、
図4及び
図5と同様の魔法攻撃である。攻撃コリジョンCは自キャラクター50の手を起点として、曲線の軌跡T2を描いてキャラクター進入不可領域に進入した後、谷底G3上まで移動する。
【0065】
図7は、ゲーム空間の第4の表示例である。具体的には、
図7は、攻撃アクションに基づく攻撃演出が発生した後のバトル空間V2を示している。
【0066】
図7に示すバトル空間V2は、自キャラクター50が配置されるフィールドの高さである地面G2の延長線上に攻撃アクションに基づく攻撃演出である演出E2を実行している。このとき、演出E2を実行する高さ、すなわち、ワールド座標系300におけるY軸方向の座標値は、ワールド座標系300における地面G2のY軸方向の座標値となる。また、ワールド座標系300における演出E2のXZ平面の座標値は、攻撃コリジョンCが地面G2のY軸方向の座標値に到達した際の攻撃コリジョンCのXZ平面の座標値となる。このとき、CPU11は、攻撃コリジョンCが地面G2のY軸方向の座標値に到達した際に攻撃コリジョンCの衝突判定が得られたとみなして、魔法攻撃の所定の効果を発生させる。一例として、
図7では、演出E2として攻撃コリジョンCが地面G2のY軸方向の座標値に到達した際の攻撃コリジョンCのXZ平面の座標値を中心に爆発が発生し、半球状の当該魔法攻撃の攻撃範囲に含まれる敵キャラクター52にダメージが与えられる。
【0067】
ここで、仮にバトル空間V2において、攻撃コリジョンCが衝突して衝突判定が得られた谷底G3、すなわち、衝突面の位置に攻撃演出を実行した場合は、谷底G3がディスプレイ15に表示されないため、当該攻撃演出をユーザが視認できない。
【0068】
図8は、ゲーム空間の第5の表示例である。具体的には、
図8は、ゲーム空間として、バトル空間V1及びバトル空間V2とは異なるバトル空間V3を示している。
【0069】
図8に示すバトル空間V3には、自キャラクター50及び敵キャラクター52が存在している。自キャラクター50及び敵キャラクター52は、バトル空間V3のフィールドに定義された表面部分である地面G4上でバトルを行っている。また、当該バトル空間V3には、当該フィールドであって、地面G4の上方に位置する高台G5が設けられている。高台G5は、キャラクター進入不可領域に設けられており、ユーザが視認することはできない。換言すると、高台G5は、ディスプレイ15に表示されない。一例として、バトル空間V3では、敵キャラクター52が存在する地面G4の右端部より右方の領域がキャラクター進入不可領域に設定されている。
【0070】
ここで、
図8において、自キャラクター50は攻撃アクションを実行しており、当該攻撃アクションに応じた攻撃コリジョンCがバトル空間V3に配置されている。一例として、当該攻撃アクションに基づく攻撃は、
図4及び
図5と同様の魔法攻撃である。攻撃コリジョンCは自キャラクター50の手を起点として、曲線の軌跡T3を描いてキャラクター進入不可領域に進入した後、高台G5上まで移動する。
【0071】
図9は、ゲーム空間の第6の表示例である。具体的には、
図9は、攻撃アクションに基づく攻撃演出が発生した後のバトル空間V3を示している。
【0072】
図9に示すバトル空間V3は、自キャラクター50が配置されるフィールドの高さである地面G4の延長線上に攻撃アクションに基づく攻撃演出である演出E3を実行している。このとき、演出E3を実行する高さ、すなわち、ワールド座標系300におけるY軸方向の座標値は、ワールド座標系300における地面G4のY軸方向の座標値となる。また、ワールド座標系300における演出E3のXZ平面の座標値は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入してから衝突することなく所定時間が経過した際の攻撃コリジョンCのXZ平面の座標値となる。このとき、CPU11は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入してから衝突することなく所定時間が経過した際に攻撃コリジョンCの衝突判定が得られたとみなして、魔法攻撃の所定の効果を発生させる。一例として、
図9では、演出E3として攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入してから衝突することなく所定時間が経過した際の攻撃コリジョンCのXZ平面の座標値を中心に爆発が発生し、半球状の当該魔法攻撃の攻撃範囲に含まれる敵キャラクター52にダメージが与えられる。
【0073】
ここで、仮にバトル空間V3において、攻撃コリジョンCが到達して衝突判定が得られた高台G5、すなわち、衝突面の位置に攻撃演出を実行した場合は、高台G5がディスプレイ15に表示されないため、当該攻撃演出をユーザが視認できない。
【0074】
以上説明したように、キャラクター進入不可領域に衝突面が存在する場合は、一部のキャラクター(例:自キャラクター50)の視点からでは実行された攻撃演出を十分に確認できず、ユーザに違和感を与えるおそれがある。なお、上記の「一部のキャラクター」を「自キャラクター50」とした場合、上記の「自キャラクター50の視点」は、自キャラクター50を撮影する仮想カメラの視点ということもできる。
【0075】
これに対し、ゲーム装置10では、CPU11は、攻撃コリジョンCをユーザが操作する所定のゲームオブジェクトのアクションに応じてゲーム空間に配置する。そして、CPU11は、キャラクター進入不可領域に攻撃コリジョンCが進入する場合、攻撃コリジョンCの衝突判定に起因する攻撃演出をユーザが視認可能な位置で実行する。これにより、ゲーム装置10によれば、上記の場合にユーザが視認可能な位置で攻撃演出が実行されるため、攻撃コリジョンCが衝突した位置、例えば、キャラクター進入不可領域に設けられた衝突面で攻撃演出が一律に実行される場合に比べて、攻撃演出が実行されたことを把握しやすい。
【0076】
ここで、本実施形態では、上記の所定のゲームオブジェクトは、ユーザからの入力操作に応じてアクションを実行する自キャラクター50である。また、本実施形態では、当該アクションは、自キャラクター50の敵となる敵キャラクター52にダメージを与えるための攻撃アクションである。これにより、ゲーム装置10によれば、ユーザからの入力操作に応じて攻撃コリジョンCの衝突判定に起因する攻撃演出が実行される場合に、自身の入力操作に応じて実行される攻撃演出を確認できないといった不都合を防止できる。
【0077】
また、ゲーム装置10では、攻撃アクションに基づく攻撃は、実行した攻撃演出で示される攻撃範囲に含まれる敵キャラクター52にダメージを与える特殊攻撃である。これにより、ゲーム装置10によれば、ユーザからの入力操作に応じて自キャラクター50がキャラクター進入不可領域に対して攻撃アクションを実行しても、敵キャラクター52にダメージを与えることが可能となる。
【0078】
また、ゲーム装置10では、CPU11は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入する場合に、自キャラクター50が配置されるフィールドの高さと攻撃コリジョンCの衝突面の高さとが異なるとき、攻撃演出を実行する高さを衝突面の高さから自キャラクター50の高さに近付ける。これにより、ゲーム装置10によれば、キャラクター進入不可領域に設けられた衝突面の高さで攻撃演出を実行して、実行した攻撃演出がディスプレイ15に表示されないといった不都合を防止できる。
【0079】
また、ゲーム装置10では、CPU11は、攻撃演出を実行する高さを補正する場合、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入した後、攻撃コリジョンCが衝突面に衝突するまでの間に、攻撃演出を実行する。これにより、ゲーム装置10によれば、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に設けられた衝突面に衝突して衝突判定が得られてから攻撃演出が発生する場合に比べて、攻撃演出の発生タイミングに関してユーザが感じる違和感を軽減できる。
【0080】
また、ゲーム装置10では、CPU11は、攻撃演出を実行する高さを補正する場合、攻撃コリジョンCが、自キャラクター50が配置されるフィールドの高さに到達したタイミングで、攻撃演出を実行する。これにより、ゲーム装置10によれば、攻撃演出を実行する高さを補正する場合に、攻撃演出を実行する高さとタイミングとを同期することができる。
【0081】
(第2の実施形態)
次に、本実施形態に係るゲーム装置10の第2の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0082】
第2の実施形態では、CPU11は、キャラクター進入不可領域に攻撃コリジョンCが進入する場合に、自キャラクター50の位置と攻撃コリジョンCが進入するキャラクター進入不可領域の位置との距離が予め定めた値を超えるとき、攻撃演出を実行する位置を補正する。
【0083】
一例として、上記の「自キャラクター50の位置」は、自キャラクター50が配置されるフィールド(例:地面G2)のワールド座標系における3次元座標値とする。また、上記の「キャラクター進入不可領域の位置」は、一例として、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入する進入地点(換言すると、キャラクター進入不可領域と別の領域との境界)のワールド座標系における3次元座標値とする。さらに、上記の「距離」は、一例として、上記2つの3次元座標値を直線で結ぶ線分の長さとする。
【0084】
そして、CPU11は、上記の補正として、攻撃演出を実行する位置をキャラクター進入不可領域の位置から自キャラクター50の位置に近付ける。例えば、CPU11は、攻撃演出を自キャラクター50が配置されるフィールドの高さにおいて実行して、攻撃演出を実行する位置をキャラクター進入不可領域の位置から自キャラクター50の位置に近付けてもよい。また、CPU11は、攻撃演出の実行位置を示すワールド座標系300におけるX軸方向及びZ軸方向の少なくとも一方の座標値を自キャラクター50側に近付くよう所定量変更して、攻撃演出を実行する位置をキャラクター進入不可領域の位置から自キャラクター50の位置に近付けてもよい。
【0085】
上記構成により、ゲーム装置10によれば、自キャラクター50の位置と攻撃コリジョンCが進入するキャラクター進入不可領域の位置との距離がある程度離れている場合に限って、攻撃演出を実行する位置を補正することができる。
【0086】
なお、第2の実施形態における「自キャラクター50の位置」は、自キャラクター50が配置されるフィールドのワールド座標系における3次元座標値には限定されない。例えば、当該「自キャラクター50の位置」は、ワールド座標系における自キャラクター50の3次元座標値としてもよい。また、第2の実施形態における「キャラクター進入不可領域の位置」は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入する進入地点のワールド座標系における3次元座標値には限定されない。例えば、当該「キャラクター進入不可領域の位置」は、キャラクター進入不可領域内のワールド座標系における任意の地点の3次元座標値としてもよい。また、第2の実施形態における「距離」は、自キャラクター50が配置されるフィールドのワールド座標系における3次元座標値と攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入する進入地点のワールド座標系における3次元座標値とを直線で結ぶ線分の長さには限定されない。例えば、当該「キャラクター進入不可領域の位置」は、自キャラクター50が配置されるフィールドのワールド座標系における3次元座標値からキャラクター進入不可領域までの最短距離としてもよい。
【0087】
(第3の実施形態)
次に、本実施形態に係るゲーム装置10の第3の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0088】
第3の実施形態では、CPU11は、キャラクター進入不可領域に攻撃コリジョンCが進入する場合に、キャラクター進入不可領域又は衝突面がディスプレイ15内に表示されていないとき、ディスプレイ15内に攻撃演出を表示する。例えば、キャラクター進入不可領域又は衝突面がディスプレイ15内に表示されていないことは、ゲーム空間を撮影する仮想カメラのカメラワーク等の関係で起こり得る。
【0089】
上記の場合、CPU11は、ディスプレイ15内に攻撃演出が表示されるように、攻撃演出の実行位置を示すワールド座標系300におけるX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の少なくとも一つの座標値を補正する。これにより、補正後の実行位置で攻撃演出が実行されると、ディスプレイ15内に当該攻撃演出が表示される。
【0090】
上記構成により、ゲーム装置10によれば、攻撃コリジョンCが進入するキャラクター進入不可領域がディスプレイ15内に表示されていない場合に限って、攻撃演出を実行する位置を補正することができる。また、ゲーム装置10によれば、攻撃コリジョンCが衝突する地点、すなわち、衝突面がディスプレイ15内に表示されていない場合に限って、攻撃演出を実行する位置を補正することができる。
【0091】
(その他)
上記実施形態では、攻撃演出を実行する高さを補正するゲームオブジェクトをキャラクター、具体的には、自キャラクター50とした。しかし、当該ゲームオブジェクトは自キャラクター50に限定されない。例えば、当該ゲームオブジェクトは、敵キャラクター52等の自キャラクター50とは別のキャラクターでもよいし、キャラクターではなくギミック等の別のゲームオブジェクトでもよい。
【0092】
上記実施形態では、キャラクター進入不可領域は、自キャラクター50及び敵キャラクター52が進入できない領域とした。しかし、キャラクター進入不可領域は自キャラクター50及び敵キャラクター52の全てが進入できないことには限定されない。例えば、キャラクター進入不可領域は、一部の種類の自キャラクター50又は敵キャラクター52が進入可能で、それ以外のキャラクターが進入できない領域であってもよい。
【0093】
上記実施形態では、攻撃演出である演出E1、演出E2、及び演出E3は、攻撃範囲を半球状とした。しかし、各演出で示される攻撃範囲の形状は、半球状に限定されない。例えば、各演出で示される攻撃範囲は、円柱状又は角柱状等の他の形状であってもよい。
【0094】
上記実施形態では、CPU11は、攻撃演出を実行する高さを自キャラクター50が配置されるフィールドの高さに補正した。つまり、CPU11は、攻撃演出の実行位置を示すワールド座標系300におけるY軸方向の座標値を補正した。しかし、補正対象となるワールド座標系300における座標値はこれに限定されない。例えば、当該Y軸方向の座標値に加えて、X軸方向及びZ軸方向の少なくとも一方の座標値を補正対象としてもよい。
【0095】
上記実施形態では、CPU11は、攻撃コリジョンCのワールド座標系における3次元座標値の変化に基づいて、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入するか否かを判定していた。しかし、これに限らず、CPU11は、攻撃コリジョンCが移動する軌跡を予測して、自キャラクター50の攻撃アクションの実行時に攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入するか否かを判定してもよい。一例として、CPU11は、攻撃アクションを実行した際の自キャラクター50の3次元座標値、当該攻撃アクションに基づく攻撃の方向及び射程に関する情報、並びにキャラクター進入不可領域の進入地点の3次元座標値等を取得し、取得した情報に基づいて攻撃コリジョンCが移動する軌跡を予測する。この場合、CPU11は、攻撃コリジョンCの位置と攻撃コリジョンCが進入するキャラクター進入不可領域の位置との距離が予め定めた値以下となったタイミングで、攻撃演出を実行してもよい。これにより、ゲーム装置10によれば、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に設けられた衝突面に衝突して衝突判定が得られてから攻撃演出が発生する場合に比べて、攻撃演出の発生タイミングに関してユーザが感じる違和感を軽減できる。
【0096】
上記実施形態において、CPU11は、攻撃コリジョンCがキャラクター進入不可領域に進入する場合、他の条件を考慮することなく、攻撃演出をユーザが視認可能な位置で実行してもよい。
【0097】
上記実施形態において、CPU11は、コンピュータに、仮想空間において第1オブジェクトが進入できない領域にコリジョンオブジェクトが進入する場合に、所定演出の実行に基づき第1オブジェクト及び第2オブジェクトの少なくとも一方のパラメータに影響を与える所定範囲と当該領域とが重ならないとき、所定演出をユーザが視認可能な位置で実行する処理を実行させてもよい。上記の「パラメータ」は、ヒットポイント、マジックポイント、及びステータス等を含む概念である。そのため、「パラメータに影響を与える」は、ヒットポイントを減少させる攻撃、ヒットポイントを回復させる回復、マジックポイントを減少させる攻撃、マジックポイントを回復させる回復、ステータスに良い影響を与えるステータス向上、及びステータスに悪い影響を与えるステータス異常等を含む。上記構成により、当該領域にコリジョンオブジェクトが進入する場合に、所定範囲と当該領域とが重ならないときに限って、所定演出をユーザが視認可能な位置で実行することができる。
【0098】
制御部11Bは、第2オブジェクトの位置又は向きに応じて仮想カメラを移動させてもよい。また、制御部11Bは、第2オブジェクト又は仮想カメラが当該領域に進入する場合、仮想カメラが撮影する方向を制限してもよい。すなわち、仮想カメラは、第2オブジェクトの位置又は向きに応じて移動する。仮想カメラは、TPS(Third-person Shooter)における仮想カメラであってもよい。また、仮想カメラは、第2オブジェクト又は仮想カメラが当該領域に進入する場合、撮影する方向が制限される。すなわち、仮想カメラは、第2オブジェクト又は仮想カメラが当該領域に位置する場合、撮影する方向が当該領域に位置しない場合に比べて制限される。制御部11Bは、第2オブジェクト又は仮想カメラが進入できない領域にコリジョンオブジェクトが進入する場合、所定演出をユーザが視認可能な位置で実行してもよい。仮想カメラの撮影する方向が制限される場合とは、例えば、仮想カメラの回転できる角度が制限される場合、仮想カメラの向きが固定される場合、又は仮想カメラの向きをユーザが変更できなくなる場合等である。例えば、制御部11Bは、自キャラクター50が進入できない領域に仮想カメラが進入する場合、当該仮想カメラの撮影する方向を自キャラクター50の方向に制限する。また、例えば、制御部11Bは、仮想カメラが進入できない領域に自キャラクター50が進入する場合、具体的には、当該領域である崖から自キャラクター50が落下する場合、当該仮想カメラの撮影する方向を自キャラクター50が落下する前の位置に固定する。
【0099】
なお、上記実施形態でCPU11がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した決定処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、決定処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【符号の説明】
【0100】
10 ゲーム装置(コンピュータの一例)
15 ディスプレイ(表示部の一例)
30A ゲームプログラム(ゲームプログラムの一例)
50 自キャラクター(第2オブジェクトの一例)
52 敵キャラクター(第1オブジェクトの一例)
C 攻撃コリジョン(コリジョンオブジェクトの一例)