(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176139
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/30 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
G06F11/30 140A
G06F11/30 155
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094424
(22)【出願日】2023-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】依田 善之
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042JJ08
5B042JJ17
(57)【要約】
【課題】管理対象の情報処理装置において異常が発生した場合に、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信が行われる前であっても、その情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得する。
【解決手段】管理制御部33は、管理対象の画像形成装置20の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータをデバイス状態管理DB34に記憶する。管理制御部33は、画像形成装置20から非同期通信により異常が発生した旨のトラップ通知を受信すると、画像形成装置20との間で通信可能な携帯端末装置40に対して画像形成装置20に異常が発生した旨を通知する。管理制御部33は、携帯端末装置40から画像形成装置20の最新の状態に関する情報を受信すると、受信した情報によりデバイス状態管理DB34に記憶されているデータの内容を更新する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと記憶部とを備え、
前記プロセッサは、
管理対象である情報処理装置の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータを前記記憶部に記憶し、
前記情報処理装置から非同期通信により異常が発生した旨の通知を受信すると、前記情報処理装置との間で通信可能な端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知し、
前記端末装置から前記情報処理装置の状態に関する情報を受信すると、受信した情報により前記記憶部に記憶されているデータの内容を更新する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置との間で、予め設定された時間毎に定期的に同期を取ったデータを取得して前記記憶部に記憶する設定となっている場合、
前記プロセッサは、前記情報処理装置から異常が発生した旨の通知を受信した時刻が、前記情報処理装置から定期同期によりデータを取得する時刻よりも予め設定された所定時間以内の場合、前記端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知しない、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記情報処理装置から受信した異常が発生した旨の通知の内容に応じて、前記所定時間を変化させる請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置から取得して前記記憶部に記憶する情報が、前記情報処理装置の設定状態に関する情報、動作状態に関する情報、及び、動作履歴に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報を含む請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置が、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であり、
前記画像形成装置の動作状態に関する情報には、異常が発生した部位の情報、発生した異常の内容に関する情報、及び消耗品の残量に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報が含まれる請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記情報処理装置との間の定期的な同期により当該情報処理装置の最新の状態に関する情報が取得済みであるか否かを示す情報を前記記憶部に記憶しておき、
前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置から前記情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得しようとする旨の情報を受信した場合、前記情報処理装置の最新の状態に関する情報が取得済みである場合には、前記端末装置に対して前記情報処理装置の最新の状態に関する情報の取得が不要である旨を通知する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置以外の端末装置から、前記情報処理装置の状態に関する情報の要求を受信した場合であって、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置から、当該情報処理装置の最新の状態に関する情報が送信されてきていない場合、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置に対して、前記情報処理装置に異常が発生した旨を再度通知する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項8】
管理対象である情報処理装置の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータを記憶部に記憶するステップと、
前記情報処理装置から非同期通信により異常が発生した旨の通知を受信すると、前記情報処理装置との間で通信可能な端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知するステップと、
前記端末装置から前記情報処理装置の状態に関する情報を受信すると、受信した情報により前記記憶部に記憶されているデータの内容を更新するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネットワークを介して接続されるデバイスを監視する監視装置と管理サーバとが通信可能なデバイス監視システムにおいて、監視装置から管理サーバに対して更新実行コマンドが保存されているか否かを問い合わせ、監視装置では、更新実行コマンドが保存されている旨の応答を受信すると、管理サーバからリストを取得して、記憶しているリストの内容を更新するようにすることが開示されている。
【0003】
特許文献2には、情報処理装置がファイアウォールの外部のコンピュータに実行させるためのプログラムにファイアウォールを介して接続し、ファイアウォールの内部の機器から収集したデータが設定された条件を満たす場合、コンピュータへの問い合わせ頻度を高くすることによりファイアウォール外部からの機器制御のリアルタイム性を確保するようにした情報処理システムが開示されている。
【0004】
特許文献3には、電化製品、家庭用オブジェクト等の被調整デバイスを、デバイスシャドウを用いることによりリモート管理するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-108195号公報
【特許文献2】特開2018-156493号公報
【特許文献3】特表2020-502643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信によって管理対象の情報処理装置の状態との間で定期的に同期が取られるデータを管理装置において記憶して管理する際に、その情報処理装置において異常が発生した場合に、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信が行われる前であっても、その情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得することが可能な情報処理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様の情報処理システムは、プロセッサと記憶部とを備え、
前記プロセッサは、
管理対象である情報処理装置の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータを前記記憶部に記憶し、
前記情報処理装置から非同期通信により異常が発生した旨の通知を受信すると、前記情報処理装置との間で通信可能な端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知し、
前記端末装置から前記情報処理装置の状態に関する情報を受信すると、受信した情報により前記記憶部に記憶されているデータの内容を更新する。
【0008】
第2態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置との間で、予め設定された時間毎に定期的に同期を取ったデータを取得して前記記憶部に記憶する設定となっている場合、
前記プロセッサは、前記情報処理装置から異常が発生した旨の通知を受信した時刻が、前記情報処理装置から定期同期によりデータを取得する時刻よりも予め設定された所定時間以内の場合、前記端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知しない。
【0009】
第3態様の情報処理システムは、第2態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記情報処理装置から受信した異常が発生した旨の通知の内容に応じて、前記所定時間を変化させる。
【0010】
第4態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置から取得して前記記憶部に記憶する情報が、前記情報処理装置の設定状態に関する情報、動作状態に関する情報、及び、動作履歴に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報を含む。
【0011】
第5態様の情報処理システムは、第4態様の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置が、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であり、
前記画像形成装置の動作状態に関する情報には、異常が発生した部位の情報、発生した異常の内容に関する情報、及び消耗品の残量に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報が含まれる。
【0012】
第6態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記情報処理装置との間の定期的な同期により当該情報処理装置の最新の状態に関する情報が取得済みであるか否かを示す情報を前記記憶部に記憶しておき、
前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置から前記情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得しようとする旨の情報を受信した場合、前記情報処理装置の最新の状態に関する情報が取得済みである場合には、前記端末装置に対して前記情報処理装置の最新の状態に関する情報の取得が不要である旨を通知する。
【0013】
第7態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置以外の端末装置から、前記情報処理装置の状態に関する情報の要求を受信した場合であって、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置から、当該情報処理装置の最新の状態に関する情報が送信されてきていない場合、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置に対して、前記情報処理装置に異常が発生した旨を再度通知する。
【0014】
第8態様のプログラムは、管理対象である情報処理装置の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータを記憶部に記憶するステップと、
前記情報処理装置から非同期通信により異常が発生した旨の通知を受信すると、前記情報処理装置との間で通信可能な端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知するステップと、
前記端末装置から前記情報処理装置の状態に関する情報を受信すると、受信した情報により前記記憶部に記憶されているデータの内容を更新するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
第1態様の情報処理システムによれば、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信によって管理対象の情報処理装置の状態との間で定期的に同期が取られるデータを管理装置において記憶して管理する際に、その情報処理装置において異常が発生した場合に、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信が行われる前であっても、その情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得することが可能となる。
【0016】
第2態様の情報処理システムによれば、定期同期までの時間が予め設定された時間以内の場合には、情報処理装置との間で通信可能な端末装置が情報処理装置の状態に関する情報を取得する手間を省くことができる。
【0017】
第3態様の情報処理システムによれば、情報処理装置からの通知内容に応じて、定期同期が行われる時刻まで待つか、端末装置に対して情報処理装置の状態に関する情報を取得させるかを切り替えることができる。
【0018】
第4態様の情報処理システムによれば、記憶部に記憶されているデータ内容を参照することにより情報処理装置の現在の情報を把握することが可能となる。
【0019】
第5態様の情報処理システムによれば、情報処理装置に何等かの異常が発生した場合に、記憶部に記憶されているデータ内容を参照することにより情報処理装置に発生した異常の原因を推定することが可能となる。
【0020】
第6態様の情報処理システムによれば、既に情報処理装置と管理装置において管理されているデータとの間で定期的な同期が取られたことにより情報処理装置の最新の情報に関する情報が取得済みである場合には、端末装置が情報処理装置から最新の状態に関する情報を取得する無駄な処理の発生を防ぐことができる。
【0021】
第7態様の情報処理システムによれば、情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置に対して、情報処理装置から最新の状態に関する情報を取得して送信するように促すことができる。
【0022】
第8態様のプログラムによれば、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信によって管理対象の情報処理装置の状態との間で定期的に同期が取られるデータを管理装置において記憶して管理する際に、その情報処理装置において異常が発生した場合に、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信が行われる前であっても、その情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の一実施形態のデバイス管理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態のデバイス管理システムにおける通常時の動作を説明するための図である。
【
図3】画像形成装置20から管理サーバ10に対して非同期通信により送信されるトラップ通知を説明するための図である。
【
図4】本開示の一実施形態における管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の一実施形態における管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】管理サーバ10が画像形成装置20からのトラップ通知を受信した際の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】管理サーバ10が画像形成装置20からのトラップ通知を受信した際の動作の流れを示す図である。
【
図8】管理サーバ10からの更新通知を受信した携帯端末装置40の表示装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は本開示の一実施形態のデバイス管理システムのシステム構成を示す図である。
【0026】
本開示の一実施形態のデバイス管理システムは、画像形成装置20を管理対象の装置として管理サーバ10により管理するためのシステムである。そして、本実施形態のデバイス管理システムは、
図1に示されるように、管理サーバ10と、管理対象の画像形成装置20と、クラウドサーバ30と、管理者Aが保持する携帯端末装置40と、管理者Bが操作する端末装置50とから構成されている。
【0027】
なお、画像形成装置20は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。また、携帯端末装置40は例えばスマートフォン等の携帯電話装置であり公衆移動通信回線網60を介してインターネット71と接続可能に構成されている。
【0028】
管理者A、Bは、それぞれ、携帯端末装置40及び端末装置50から管理サーバ10にアクセスして、画像形成装置20の動作状態、設定状態等の各種状態を管理している。
【0029】
ここで、ネットワーク上の装置をSNMP(Simple Network Management Protocol)により管理するための方法の1つとして、URI(Uniform Resource Identifiers)でMIB(Management Information Base)ツリーを指定してHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)でMIB値をやり取りするRFC5017等の通信規格を用いる方法がある。
【0030】
しかし、
図1に示した画像形成装置20のようにある企業の拠点に設置され、企業内ネットワーク72に接続された装置に対しては管理サーバ10が直接アクセスできない場合がある。
【0031】
そのため、本実施形態のデバイス管理システムでは、クラウドサーバ30を用いることにより画像形成装置20の設定情報、トナー残量等の消耗品情報、動作状態情報、印刷枚数等の動作履歴情報等の各種の状態情報を管理する。
【0032】
クラウドサーバ30は、インターネット71により接続された物理デバイス内に格納されている設定情報等の各種情報をデータとして、物理デバイスとの間で同期して保持するデジタルシャドウと呼ばれるサービスを提供している。つまり、このデジタルシャドウでは、物理デバイスである画像形成装置20の設定状態及び動作状態等をデジタル的に複製した写像のデータがクラウドサーバ30内に記憶されることになる。
【0033】
そして、本実施形態においては、クラウドサーバ30は、画像形成装置20の設定情報、動作状態情報、動作履歴情報等の各種データを、画像形成装置20との間で同期処理を行いつつ記憶している。
【0034】
本実施形態のデバイス管理システムにおける通常時の動作について
図2を参照して説明する。
図2を参照すると、ある拠点の企業内ネットワーク72に接続された画像形成装置20はファイアウォールを介してインターネット71に接続されているのが分かる。そのため、管理サーバ10は画像形成装置20に対して直接アクセスして設定情報等の各種情報を取得することはできない。
【0035】
しかし、管理サーバ10は、
図2に示すように、画像形成装置20に直接アクセスせずにクラウドサーバ30内に格納された画像形成装置20の設定情報及び動作状態等と同期したデータを取得することにより画像形成装置20の設定状態及び動作状態を把握することができる。
【0036】
そして、管理者A、Bは、それぞれ、携帯端末装置40、端末装置50を用いて管理サーバ10にアクセスすることにより画像形成装置20の状態を知ることができる。
【0037】
ここで、クラウドサーバ30に記憶されている画像形成装置20の設定情報及び各種状態情報と、実際の画像形成装置20の設定状態及び各種状態との間の同期処理は、予め設定された期間毎に定期的に実行される。画像形成装置20とクラウドサーバ30内のデータとの同期頻度を多くすれば、画像形成装置20の実際の状態がクラウドサーバ30内のデータにリアルタイムに近いタイミングにより反映されることになる。しかし、同期頻度をあまり多くするとクラウドサーバ30と画像形成装置20との間の通信コストが増大するため、同期頻度を多くするのにも制限がある。そのため、クラウドサーバ30と画像形成装置20との間の同期処理は、例えば、1時間毎又は数時間毎のような設定された時間毎に実行される。
【0038】
さらに、画像形成装置20に搭載されたSNMPの機能として、装置側において発生した状態変化を予め設定された宛先の装置に通知する機能であるSNMPトラップ機能がある。このSNMPトラップ機能を用いることにより、
図3に示すように、画像形成装置20において紙詰まり、消耗品切れ、障害の発生等の何等かの状態変化をトリガとして管理サーバ10に対してトラップ通知を送信することが可能となっている。このトラップ通知は画像形成装置20から管理サーバ10に対して非同期通信により送信される。
【0039】
管理サーバ10では、画像形成装置20からトラップ通知を受信した場合、クラウドサーバ30にアクセスして画像形成装置20のデジタルシャドウデータを確認することにより画像形成装置20において発生した障害の内容等を把握する。
【0040】
しかし、画像形成装置20とクラウドサーバ30内のデータとの間では定期的な同期処理を行って画像形成装置20の状態変化をクラウドサーバ30内のデータに反映することが前提となっている。そのため、管理サーバ10が画像形成装置20からトラップ通知を受信したタイミングでクラウドサーバ30内のデータを取得して画像形成装置20の状態を確認したとしても、画像形成装置20の最新の状態変化がクラウドサーバ30内のデータに反映されていない状態が発生し得る。
【0041】
管理サーバ10が画像形成装置20からトラップ通知を受信したタイミングで、クラウドサーバ30と画像形成装置20との間の同期処理を実行して、クラウドサーバ30内のデータを更新すればこのような問題の発生を防ぐことができる。しかし、そのためにはクラウドサーバ30と画像形成装置20との間で定期更新以外の非定期の同期処理を実行しなければならず、クラウドサーバ30と画像形成装置20との間の通信回数及び通信量が増加してしまい、クラウドサーバ30により提供されているデジタルシャドウサービスの利用料金が増加してしまうという問題が発生する。
【0042】
そこで、本実施形態のデバイス管理システムでは、以下において説明するような処理を行うことにより、管理対象の画像形成装置20とクラウドサーバ30との間の同期通信によって管理対象の画像形成装置20の状態との間で定期的に同期が取られるデータをクラウドサーバ30において記憶して管理する際に、その画像形成装置20において異常が発生した場合に、管理対象の画像形成装置20とクラウドサーバ30との間の同期通信が行われる前であっても、その画像形成装置20の最新の状態に関する情報を取得することができるようにする。
【0043】
本実施形態のデバイス管理システムでは、画像形成装置20には、用紙切れ、紙詰まり等の状態変化時にトラップ通知の通知先として管理サーバ10のアドレス情報が予め設定されている。そのため、画像形成装置20において、用紙切れ、紙つまり等の何らかの異常が発生すると、画像形成装置20から管理サーバ10に対して画像形成装置20において異常が発生した旨がトラップ通知により通知される。
【0044】
また、画像形成装置20は、予め設定されている更新周期でクラウドサーバ30との間で定期更新を行って、自装置の最新の設定状態、動作状態等に関する情報をクラウドサーバ30に送信する。
【0045】
次に、本実施形態のデバイス管理システムにおける管理サーバ10のハードウェア構成を
図4に示す。
【0046】
管理サーバ10は、
図4に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、インターネット71を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、ユーザインタフェース(UIと略す。)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0047】
CPU11は、メモリ12又は記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、管理サーバ10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12又は記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信インタフェース14に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0048】
図5は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0049】
本実施形態の管理サーバ10は、
図5に示されるように、表示制御部31と、データ送受信部32と、管理制御部33と、デバイス状態管理DB(データベース)34とを備えている。
【0050】
データ送受信部32は、インターネット71を経由してクラウドサーバ30、携帯端末装置40、及び端末装置50等の外部の装置との間でデータの送受信を行う。
【0051】
管理制御部33は、データ送受信部34を介してクラウドサーバ30から受信した画像形成装置20の装置状態に関する各種情報のデータをデバイス状態管理DB34に格納する。つまり、管理制御部33は、管理対象である画像形成装置20の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータをデバイス状態管理DB34に記憶する。
【0052】
そして、表示制御部31は、管理者Aの携帯端末装置40、又は管理者Bの端末装置50から画像形成装置20の現在の状態についての問い合わせを受信すると、デバイス状態管理DB34に格納されているデータに基づいて、問い合わせを受信した携帯端末装置40又は端末装置50に画像形成装置20の現在の状態に関する情報を表示させる。
【0053】
また、管理制御部33は、画像形成装置20から非同期通信により異常が発生した旨のトラップ通知を受信すると、画像形成装置20との間で通信可能な携帯端末装置40に対して画像形成装置20に異常が発生した旨を通知する。
【0054】
そして、管理制御部33は、携帯端末装置40から画像形成装置20の最新の状態に関する情報を受信すると、受信した情報によりデバイス状態管理DB34に記憶されているデータの内容を更新する。そして、表示制御部31は、管理者Aの携帯端末装置40に対して、画像形成装置20の最新の状態に関する情報を表示させるための画面情報を送信する。なお、管理者Bの端末装置50から画像形成装置20の現在の状態を表示する要求を受信した場合にも、管理者Bの端末装置50に対して、画像形成装置20の最新の状態に関する情報を表示させるための画面情報を送信する。
【0055】
なお、管理制御部33は、携帯端末装置40から画像形成装置20の最新状態の情報を取得できない旨が通知された場合には、デバイス状態管理DB34の更新は行わない。
【0056】
なお、上述したように画像形成装置20とクラウドサーバ30との間で、予め設定された時間毎に定期的に同期を取ったデータを取得して記憶する同期処理を実行するような設定となっている。例えば、毎時0分0秒に同期処理を実行するような設定となっている。
【0057】
このような場合に、管理制御部33は、画像形成装置20から異常が発生した旨のトラップ通知を受信した時刻が、画像形成装置20から定期同期によりデータを取得する時刻よりも予め設定された所定時間以内の場合、携帯端末装置40に対して画像形成装置20に異常が発生した旨を通知しないようにしても良い。
【0058】
例えば、管理制御部33は、画像形成装置20から異常が発生した旨のトラップ通知を受信した時刻が、ある時間の59分のように定期同期処理によりデータを取得する時刻よりも5分以内の場合には、携帯端末装置40に対して画像形成装置20に異常が発生した旨を通知しない。つまり、このような場合には、あと1分待てば定期同期処理が行われて画像形成装置20の最新の状態の情報が取得されるため、携帯端末装置40に画像形成装置20の最新の状態に関する情報を取得してもらう必要がないためである。
【0059】
また、管理制御部33は、上記のような処理を行う場合に、画像形成装置20から受信した異常が発生した旨のトラップ通知の内容に応じて、携帯端末装置40に通知を行うか否かを決定するための所定時間を変化させるようにしても良い。
【0060】
例えば、トラップ通知により通知された異常の内容が用紙切れ等のようにあまり重大な内容ではない場合には、クラウドサーバ30内のデータが最新の状態に更新されるまでに多少時間がかかっても問題ないため所定時間を10分とする。そして、トラップ通知により通知された異常の内容が異常発熱等のように急を要する重大な内容の場合には、クラウドサーバ30内のデータを直ちに最新の状態に更新する必要があるため、所定時間を1分とする。
【0061】
ここで、画像形成装置20とクラウドサーバ30との間で同期処理が行われることにより画像形成装置20から取得してクラウドサーバ30、及びデバイス状態管理DB34内に記憶される情報は、画像形成装置20の設定状態に関する情報、動作状態に関する情報、及び、動作履歴に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報を含むものである。
【0062】
そして、本実施形態では、管理対象の情報処理装置が、用紙等の記録媒体上に画像を形成する画像形成装置20であるため、画像形成装置20の動作状態に関する情報には、異常が発生した部位の情報、発生した異常の内容に関する情報、及び消耗品の残量に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報が含まれる。
【0063】
なお、携帯端末装置40では管理サーバ10からの通知を受信して、管理者Aが管理アプリケーションプログラム(以降、管理アプリと略す。)を起動することにより、画像形成装置20から最新の状態に関する情報を取得する。携帯端末装置40は、画像形成装置20との間で、例えば、WiFi(登録商標)等の無線LAN、又はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により接続して、画像形成装置20の最新の状態に関する情報を取得する。
【0064】
ここで、携帯端末装置40は、管理サーバ10から画像形成装置20において異常発生等の状態の変化が発生した旨の通知を受信した場合には、先ず、状態変化が発生した画像形成装置20との間で通信が可能か否かを確認して、その確認結果を管理サーバ10に報告する。そして、携帯端末装置40は、管理対象の画像形成装置20との間の通信が可能である場合には、画像形成装置20から、どのトレイで用紙切れが発生したのか、どの印刷ジョブが停止しているのか等の最新の状態に関する情報を取得して管理サーバ10に通知する。また、携帯端末装置40は、管理対象の画像形成装置20との間の通信が不可能である場合には、最新状態の情報を画像形成装置20から取得することができない旨を管理サーバ10に通知する。
【0065】
そして、携帯端末装置40は、管理サーバ10に画像形成装置20の最新の状態に関する情報を送信した後に、管理サーバ10からデバイス状態管理DB34内のデータを取得して、管理者向けの表示画面に画像形成装置20の最新の状態を表示する。このようにすることにより、管理者Aには、画像形成装置20の最新の状態が表示される。また、管理者Bが端末装置50から管理サーバ10にアクセスしてきた場合にも、管理者Bにも画像形成装置20の最新の状態が表示される。
【0066】
ここで、携帯端末装置40が画像形成装置20から取得した最新の状態に関する情報を管理サーバ10に送信した後に、管理サーバ10からこの情報を取得して表示することにより、発生した異常状態に応じた対処処理手順等を管理者Aに提示することができる。
【0067】
なお、携帯端末装置40が管理サーバ10からの通知を受信した後に、管理者Aが直ぐに管理アプリを起動するとは限らない。そのため、管理者Aが管理アプリを起動して携帯端末装置40が画像形成装置20から最新の状態を取得しようとするタイミングにおいて、既にクラウドサーバ30と画像形成装置20との間の定期同期処理が行われているという場合があり得る。このような場合には、携帯端末装置40が画像形成装置20の最新の状態に関する情報をわざわざ取得する意味はない。
【0068】
そのため、管理制御部33は、画像形成装置20との間の定期的な同期により画像形成装置20の最新の状態に関する情報が取得済みであるか否かを示す情報を記憶しておく。そして、管理制御部33は、画像形成装置20に異常が発生した旨を通知した携帯端末装置40から画像形成装置20の最新の状態に関する情報を取得しようとする旨の情報を受信した場合、画像形成装置20の最新の状態に関する情報が取得済みである場合には、携帯端末装置40に対して画像形成装置20の最新の状態に関する情報の取得が不要である旨を通知する。その結果、携帯端末装置40は画像形成装置20から取得済みの最新の状態に関する情報を再度取得するという無駄な処理を行わないですむ。
【0069】
また、管理制御部33は、画像形成装置20に異常が発生した旨を通知した携帯端末装置40以外の端末装置50から、画像形成装置20の状態に関する情報の要求を受信する場合もある。このような場合であっても、画像形成装置20に異常が発生した旨を通知した携帯端末装置40から、画像形成装置20の最新の状態に関する情報が送信されてきておらず、定期同期処理も実行されていないと端末装置50に画像形成装置20の最新の状態を通知することできない。そのため、このような場合には、管理制御部33は、画像形成装置20に異常が発生した旨を通知した携帯端末装置40に対して、画像形成装置20に異常が発生した旨を再度通知して、画像形成装置20の最新の状態に関する情報を取得するよう督促を行うようにしても良い。
【0070】
次に、管理サーバ10が画像形成装置20からのトラップ通知を受信した際の動作について
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0071】
管理サーバ10は、ステップS101において画像形成装置20からのトラップ通知を受信すると、ステップS102において管理者Aの携帯端末装置40に対して画像形成装置20の最新の状態を取得するよう依頼する通知を送信する。
【0072】
そして、管理サーバ10は、ステップS103において、携帯端末装置40から画像形成装置20との間で通信を行って最新の状態を取得可能であるか否かの確認結果を受信して、画像形成装置20の最新の状態が取得可能か否かを判定する。
【0073】
そして、ステップS103において、携帯端末装置40からの確認結果が画像形成装置20の最新の状態を取得可能である場合、管理サーバ10は、ステップS104において、画像形成装置20から収集された最新状態に関する情報を携帯端末装置40から受信する。なお、ステップS103において、携帯端末装置40からの確認結果が画像形成装置20の最新の状態を取得可能である場合、管理サーバ10は、ステップS101の処理に戻る。
【0074】
その後、管理サーバ10では、ステップS105において、携帯端末装置40から受信した画像形成装置20の最新状態に関する情報がデバイス状態管理DB34に反映される。
【0075】
そして、管理サーバ10は、ステップS106において、携帯端末装置40に対して画像形成装置20の最新状態の情報を管理者Aに見せるための表示画面を送信して表示させる。
【0076】
上記で説明したような処理により、管理サーバ10が画像形成装置20からのトラップ通知を受信した際の動作の流れを
図7に示す。
【0077】
(1)まず、画像形成装置20において何らかの異常状態が発生したことにより、画像形成装置20から管理サーバ10に対してトラップ通知が非同期通信により送信される。
【0078】
(2)すると、管理サーバ10は、画像形成装置20と同一拠点内にいる管理者Aの携帯端末装置40に対して、画像形成装置20において異常が発生したため画像形成装置20の最新の状態を取得するよう依頼する更新通知を送信する。
【0079】
(3)次に、管理サーバ10からの更新通知を受信した携帯端末装置40では、管理サーバ10から画像形成装置20の最新の状態を取得するような通知が管理者Aに行われる。このような場合に携帯端末装置40の表示装置に表示される表示画面の一例を
図8に示す。
図8に示した表示画面例では、画像形成装置20において紙詰まりが発生した旨とともに画像形成装置20の最新の状態を取得することを依頼する旨が表示されているのが分かる。そして、このような表示を確認した管理者Aが「複合機管理アプリ」という名称の管理アプリを起動すると、携帯端末装置40から画像形成装置20に対して最新状態の情報を要求する通信が行われる。なお、携帯端末装置40では、まず画像形成装置20との間で通信が可能であるか否かを確認して、その確認結果を管理サーバ10に送信するが、ここでは画像形成装置20との間の通信が可能な状態であるものとして説明する。
【0080】
(4)そして、携帯端末装置40からの要求に応じて画像形成装置20から最新の状態に関する情報が携帯端末装置40に送信される。例えば、画像形成装置20のどの部位において紙詰まりが発生したのか等の異常状態に関するより詳細な情報が携帯端末装置40に送信される。
【0081】
(5)最後に、携帯端末装置40では、画像形成装置20から取得した最新の状態に関する情報を管理サーバ10に転送する。
【0082】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0083】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0084】
本実施形態における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの及び単一の装置によって構成されたものの両方を含む。
【0085】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置20を管理対象の装置として管理する場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、画像形成装置20以外の自動販売機、自動券売機等の情報処理装置を管理対象の装置として管理する場合でも本開示を同様に適用することができるものである。
【0086】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0087】
(((1)))
プロセッサと記憶部とを備え、
前記プロセッサは、
管理対象である情報処理装置の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータを前記記憶部に記憶し、
前記情報処理装置から非同期通信により異常が発生した旨の通知を受信すると、前記情報処理装置との間で通信可能な端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知し、
前記端末装置から前記情報処理装置の状態に関する情報を受信すると、受信した情報により前記記憶部に記憶されているデータの内容を更新する、
情報処理システム。
【0088】
(((2)))
前記情報処理装置との間で、予め設定された時間毎に定期的に同期を取ったデータを取得して前記記憶部に記憶する設定となっている場合、
前記プロセッサは、前記情報処理装置から異常が発生した旨の通知を受信した時刻が、前記情報処理装置から定期同期によりデータを取得する時刻よりも予め設定された所定時間以内の場合、前記端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知しない、
(((1)))に記載の情報処理システム。
【0089】
(((3)))
前記プロセッサは、前記情報処理装置から受信した異常が発生した旨の通知の内容に応じて、前記所定時間を変化させる(((2)))に記載の情報処理システム。
【0090】
(((4)))
前記情報処理装置から取得して前記記憶部に記憶する情報が、前記情報処理装置の設定状態に関する情報、動作状態に関する情報、及び、動作履歴に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報を含む(((1)))から(((3)))のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0091】
(((5)))
前記情報処理装置が、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であり、
前記画像形成装置の動作状態に関する情報には、異常が発生した部位の情報、発生した異常の内容に関する情報、及び消耗品の残量に関する情報のうちのいずれか1つ又は複数の情報が含まれる(((4)))に記載の情報処理システム。
【0092】
(((6)))
前記プロセッサは、前記情報処理装置との間の定期的な同期により当該情報処理装置の最新の状態に関する情報が取得済みであるか否かを示す情報を前記記憶部に記憶しておき、
前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置から前記情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得しようとする旨の情報を受信した場合、前記情報処理装置の最新の状態に関する情報が取得済みである場合には、前記端末装置に対して前記情報処理装置の最新の状態に関する情報の取得が不要である旨を通知する、
(((1)))に記載の情報処理システム。
【0093】
(((7)))
前記プロセッサは、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置以外の端末装置から、前記情報処理装置の状態に関する情報の要求を受信した場合であって、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置から、当該情報処理装置の最新の状態に関する情報が送信されてきていない場合、前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置に対して、前記情報処理装置に異常が発生した旨を再度通知する、
(((1)))に記載の情報処理システム。
【0094】
(((8)))
管理対象である情報処理装置の状態との間で同期通信を行うことにより定期的に同期が取られるデータを記憶部に記憶するステップと、
前記情報処理装置から非同期通信により異常が発生した旨の通知を受信すると、前記情報処理装置との間で通信可能な端末装置に対して前記情報処理装置に異常が発生した旨を通知するステップと、
前記端末装置から前記情報処理装置の状態に関する情報を受信すると、受信した情報により前記記憶部に記憶されているデータの内容を更新するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0095】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0096】
(((1)))の情報処理システムによれば、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信によって管理対象の情報処理装置の状態との間で定期的に同期が取られるデータを管理装置において記憶して管理する際に、その情報処理装置において異常が発生した場合に、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信が行われる前であっても、その情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得することが可能となる。
【0097】
(((2)))の情報処理システムによれば、定期同期までの時間が予め設定された時間以内の場合には、情報処理装置との間で通信可能な端末装置が情報処理装置の状態に関する情報を取得する手間を省くことができる。
【0098】
(((3)))の情報処理システムによれば、情報処理装置からの通知内容に応じて、定期同期が行われる時刻まで待つか、端末装置に対して情報処理装置の状態に関する情報を取得させるかを切り替えることができる。
【0099】
(((4)))の情報処理システムによれば、記憶部に記憶されているデータ内容を参照することにより情報処理装置の現在の情報を把握することが可能となる。
【0100】
(((5)))の情報処理システムによれば、情報処理装置に何等かの異常が発生した場合に、記憶部に記憶されているデータ内容を参照することにより情報処理装置に発生した異常の原因を推定することが可能となる。
【0101】
(((6)))の情報処理システムによれば、既に情報処理装置と管理装置において管理されているデータとの間で定期的な同期が取られたことにより情報処理装置の最新の情報に関する情報が取得済みである場合には、端末装置が情報処理装置から最新の状態に関する情報を取得する無駄な処理の発生を防ぐことができる。
【0102】
(((7)))の情報処理システムによれば、情報処理装置に異常が発生した旨を通知した端末装置に対して、情報処理装置から最新の状態に関する情報を取得して送信するように促すことができる。
【0103】
(((8)))のプログラムによれば、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信によって管理対象の情報処理装置の状態との間で定期的に同期が取られるデータを管理装置において記憶して管理する際に、その情報処理装置において異常が発生した場合に、管理対象の情報処理装置と管理装置との間の同期通信が行われる前であっても、その情報処理装置の最新の状態に関する情報を取得することが可能となる。
【符号の説明】
【0104】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 制御バス
20 画像形成装置
30 クラウドサーバ
31 表示制御部
32 データ送受信部
33 管理制御部
34 デバイス状態管理DB(データベース)
40 携帯端末装置
50 端末装置
60 公衆移動通信回線網
71 インターネット
72 企業内ネットワーク