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特開2024-176179プログラム、情報処理方法および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176179
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20241212BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20241212BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/58
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094519
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】森次 正樹
(72)【発明者】
【氏名】黒野 遥
(72)【発明者】
【氏名】平間 章裕
(57)【要約】
【課題】プレイヤに、より趣向性の高いゲームシステムを提供する。
【解決手段】スキル発動管理手段80は、ゲームにかかる幻オブジェクトに関する入力操作を受け付ける。関連付け管理手段82は、スキル発動管理手段80で受け付けられた入力操作の内容に基づいて、ゲーム内の所定のキャラクタの所定の部位と幻オブジェクトとの関連付けの選択を受け付け、管理する。特殊オブジェクト生成手段84は、スキル発動管理手段80で受け付けられた入力操作の内容に基づいて、関連付け管理手段82で管理されている所定のキャラクタの所定の部位に、幻オブジェクトを設置する。攻撃対象決定手段66は、特に特殊オブジェクト生成手段84により幻オブジェクトが設置された場合、敵のNPCに対して、幻オブジェクトと関連付けられているキャラクタおよびそのキャラクタの部位を優先的な攻撃対象として決定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにかかるコンピュータを、
ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する設置手段と、
所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する決定手段と、
として機能させ、
前記決定手段は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
プログラム。
【請求項2】
前記設置手段は、前記特殊オブジェクトを、前記第1キャラクタの所定の部位と関連付けて設置することが可能であり、
前記決定手段は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタの所定の部位と関連付けて設置された場合、前記第1キャラクタの前記特殊オブジェクトが関連付けられた部位を、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記設置手段は、前記特殊オブジェクトを設置する場所または部位に応じて、前記特殊オブジェクトの形状を変更する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記設置手段は、前記特殊オブジェクトが機能し得る指標の表示を含む前記特殊オブジェクトを配置する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特殊オブジェクトが前記ゲームのプレイヤキャラクタに関連付けられて設置されている場合、前記特殊オブジェクトの前記体力を回復する回復手段としてさらに機能させる、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記設置手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタの形状に応じて、前記特殊オブジェクトの形状を変更する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
ゲームにかかるコンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する設置ステップと、
所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する決定ステップと、
を含み、
前記決定ステップは、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
情報処理方法。
【請求項8】
ユーザの入力操作に応じて、ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する設置手段と、
所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する決定手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、仮想空間を利用したゲームでは、ゲームの面白さを向上させることなどを目的に様々な仕様が試みられてきた。
そのうちの一つの方法として、対戦型のゲームにおいて幻覚となるオブジェクトを設置する手法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-103526
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1のオブジェクトは、あくまでも他のユーザを視覚的に惑わすために設置されるオブジェクトであり、ゲームにおける当たり判定(攻撃判定)の対象ともなっていない。これは、ゲームとしての仕様の一つとしては有用であるものの、ゲームの面白さを向上させるために必ずしも十分とは言えない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、プレイヤに、より趣向性の高いゲームシステムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の側面は、
ゲームにかかるコンピュータを、
ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する設置手段と、
所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する決定手段と、
として機能させ、
前記決定手段は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
プログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記設置手段は、前記特殊オブジェクトを、前記第1キャラクタの所定の部位と関連付けて設置することが可能であってもよく、
前記決定手段は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタの所定の部位と関連付けて設置された場合、前記第1キャラクタの前記特殊オブジェクトが関連付けられた部位を、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定することができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記設置手段は、前記特殊オブジェクトを設置する場所または部位に応じて、前記特殊オブジェクトの形状を変更することができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記設置手段は、前記特殊オブジェクトが機能し得る指標の表示を含む前記特殊オブジェクトを配置することができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記特殊オブジェクトが前記ゲームのプレイヤキャラクタに関連付けられて設置されている場合、前記特殊オブジェクトの前記体力を回復する回復手段としてさらに機能させることができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記設置手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタの形状に応じて、前記特殊オブジェクトの形状を変更することができる。
【0012】
また、本発明の第2の側面は、
ゲームにかかるコンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する設置ステップと、
所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する決定ステップと、
を含み、
前記決定ステップは、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
情報処理方法である。
【0013】
また、本発明の第3の側面は、
ユーザの入力操作に応じて、ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する設置手段と、
所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する決定手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
情報処理装置である。
【0014】
本発明の一態様の情報処理方法および情報処理装置も、本発明の一態様のプログラムに対応する情報処理方法または情報処理装置として提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プレイヤに、より趣向性の高いゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末およびサーバの機能的構成の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末に表示されるゲーム画像の一例を示す図であり、図4の例とは異なる例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末で実行される処理の流れの一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末に表示されるゲーム画像の一例を示す図であり、図4および図5とは異なる例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末に表示されるゲーム画像の一例を示す図であり、図4図5および図7とは異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
まず、本発明の実施形態を説明するに先立ち、本発明の一実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本システム」と呼ぶ)の適用対象となるゲーム(以下、「本ゲーム」と呼ぶ)について簡単に説明する。
本ゲームは、例えば、アクションRPG(Role Playing Game)と呼ばれる種別のゲームである。本ゲームでは、ゲームの仮想空間内で設定されたイベントや敵のNPC(Non Player Character)との戦闘などを繰り返し、自身の操作するキャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」と呼ぶ)を成長させて、最終的なゲームのクリアを目指していく。特に本ゲームでは、仮想空間内に配置された敵キャラクタと武器や魔法(スキル)を駆使して戦い、勝利することで、ゲームを進行する。
【0018】
また、本ゲームにおいて、プレイヤは、ゲーム内のプレイヤキャラクタの性能や性質などを規定するための職業を選択することができる。そのうちの一つが、「幻術士」である。幻術士は、敵のNPCを直接的に攻撃する手段を多く有さないものの、様々なスキルを利用することで敵のNPCの行動を変更することができる。プレイヤはこのような幻術士の性能をうまく活用することで、敵のNPCを倒し、ゲームを進行することができる。本実施形態では、プレイヤが、この幻術士の職業を選択した場合に、ゲーム内で行うことができる機能や特性、スキルなどを中心に説明する。
【0019】
<概要の説明>
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、本システムは、ゲーム端末1と、サーバ2とを含み構成される。ゲーム端末1と、サーバ2とは、インターネットなどの所定のネットワークNを介して相互に接続されている。ただし、ネットワークNは必須の構成要素ではなく、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、LAN(Local Area Network)などが利用されてもよい。なお、以下、単に「画像」と呼ぶ場合には、「動画像」と「静止画画像」などの任意の形式の画像を含むものとする。
【0021】
ゲーム端末1は、本ゲームのプレイを希望するプレイヤにより使用される。ゲーム端末1は、汎用的な家庭用ゲーム機、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレットなどで構成される。ゲーム端末1は、本ゲームの進行に必要となる各種処理を実行する。
【0022】
サーバ2は、本システムの管理者などにより管理される。サーバ2は、汎用的なPCなどで構成される。ゲーム端末1などと通信を行いながら、本ゲームの進行に必要となる各種情報の保存や管理を実行する。
【0023】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0024】
図2に示すように、ゲーム端末1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0025】
制御部11は、CPU、GPU、半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等により構成される。制御部11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上で必要な情報等も適宜記憶される。
【0026】
制御部11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0027】
出力部16は、ディスプレイまたはスピーカなどに対して、画像情報または音声情報などを出力する。出力部16が出力した画像情報や音声情報は、ディスプレイやスピーカなどから、画像や音声として人が認識可能な状態で出力される。
【0028】
入力部17は、例えば、センサ機能などが備えられたゲーム用のコントローラであり、プレイヤの入力操作に応じて、各種情報を入力する。
【0029】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種情報を記憶する。例えば、記憶部18には、ゲームの進行に必要となる各種ゲームプログラム、セーブデータ、アカウント情報等が格納されている。
【0030】
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して、他のハードウェア等との間で相互に行う通信等を制御する。
【0031】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。リムーバブルメディア31には、ゲームを実行するための各種プログラム等が格納される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種情報も、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0032】
ここで、サーバ2のハードウェア構成は、ゲーム端末1のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるため、説明を省略する。このような各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、ゲーム端末1およびサーバ2における各種処理の実行が可能となる。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末およびサーバの機能的構成の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すように、ゲーム端末1の制御部11は、各種プログラムなどを実行することにより、ゲーム処理実行手段60と、入力操作受付手段62と、特殊オブジェクト管理手段64と、攻撃対象決定手段66として機能する。
【0035】
ゲーム処理実行手段60は、ゲームに関する各種処理を実行する。
具体的にゲーム処理実行手段60は、プレイヤなどの各種入力操作に従い、ゲーム情報に含まれる仮想のゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどを図示せぬ記憶部から読み出すなどして、ゲームプログラムを実行しつつ、ゲームに関する2次元または3次元の画像や音声などを生成する。すなわち、ゲーム処理実行手段60は、プレイヤによる操作指示の結果を生成し、管理することで、ゲームの進行を制御する。
また、ゲーム処理実行手段60は、適宜、ゲームに関する各種情報をサーバ2に送信する。
【0036】
入力操作受付手段62は、プレイヤからのゲームに関する入力操作を受け付ける。
なお、入力操作受付手段62が受け付ける入力操作には、入力操作が行われたボタンやアナログスティックなどの種別に関する情報や押下された回数に関する情報などが含まれる。
【0037】
特殊オブジェクト管理手段64は、本ゲーム特有の特殊オブジェクトである「幻オブジェクト」に関する各種処理および管理を実行する。ここで、特殊オブジェクトとは、自身の代わりに敵のNPCなどの攻撃を引き付けるなどの各種機能を有する、本ゲーム特有のオブジェクトである。
そして特殊オブジェクト管理手段64には、スキル発動管理手段80と、関連付け管理手段82と、特殊オブジェクト生成手段84と設けられている。
スキル発動管理手段80は、入力操作受付手段62で受け付けられた入力操作のうち、幻オブジェクトに関する入力操作を受け付ける。
関連付け管理手段82は、入力操作受付手段62で受け付けられたプレイヤからの入力操作の内容に基づいて、ゲーム内の所定のキャラクタの所定の部位と幻オブジェクトとの関連付けの選択を受け付け、管理する。
特殊オブジェクト生成手段84は、ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する。
具体的に特殊オブジェクト生成手段84は、スキル発動管理手段80で受け付けられた入力操作の内容に基づいて、関連付け管理手段82で管理されている所定のキャラクタの所定の部位に、幻オブジェクトを設置する。なお、実際に設置される幻オブジェクトの具体的な状況やイメージは、図4および図5を参照しながら説明する。
【0038】
攻撃対象決定手段66は、所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する。また、攻撃対象決定手段66は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する。
具体的に攻撃対象決定手段66は、特に特殊オブジェクト生成手段84により幻オブジェクトが設置された場合、敵のNPCに対して、幻オブジェクトと関連付けられているキャラクタおよびそのキャラクタの部位を優先的な攻撃対象として決定する。
【0039】
図3に示すように、サーバ2の制御部100は、各種プログラムなどを実行することにより、ゲーム情報管理手段120が機能する。
【0040】
サーバ2のゲーム情報管理手段120は、ゲーム端末1によるゲームの進行に必要となる各種情報を管理し、各種処理を実行する。具体的に例えば、ゲーム情報管理手段120は、ゲーム端末1から送信されてきたアカウント情報に対する認証、ゲーム端末1からの各種ゲーム情報のダウンロード要求に対するゲーム情報の配信などを実行する。
【0041】
続いて、図4および図5を参照しながら、幻オブジェクトを設置した場合のゲーム画像の変化の一例を説明する。
図4および図5は、いずれも本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
【0042】
図4の例は、ゲーム内で、キャラクタUC(プレイヤキャラクタ)が、3体の敵キャラクタ(キャラクタUT,キャラクタUS1,キャラクタUS2)と遭遇し、戦闘を強いられてしまった直後の状況を示している。図4の状況において、キャラクタUCは、すでに敵キャラクタの攻撃対象として認識をされており、キャラクタUCが何らかのアクションを行わなければ、敵キャラクタから攻撃を行われてしまうという状況である。
これに対して、図5の例において、キャラクタUCは、自身のスキルを発動し、自身の身代わりとして機能する幻オブジェクトをキャラクタUTの腹部へと設置した。上述の通り、本ゲームにおいて幻オブジェクトが設置された場合、一定の期間、優先する攻撃対象が幻オブジェクトへと切り替わる。そのため、図5の例においても、キャラクタUS1とキャラクタUS2の攻撃対象はキャラクタUTの腹部へと切り替わる。また、図5の例では、例えば、キャラクタUTは自身の腹部を攻撃対象とすることはできないため攻撃対象を失っている状態である。これにより、キャラクタUCは、幻オブジェクトが設置されている間に、キャラクタUT,キャラクタUS1,キャラクタUS2からの攻撃を受けることなく他の行動(他の攻撃行動や逃げるなど)を行うことができる。
なお、本実施形態では、このように幻オブジェクトを敵キャラクタの特定の部位と関連付けて設置することができるため、例えば、敵キャラクタの弱点部位(例えば、キャラクタUTの腹部)に、うまく幻オブジェクトを設置することで、他の敵キャラクタなどに対象となる敵キャラクタの弱点を狙って攻撃させるなどの利用も可能である。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するゲーム端末で実行される処理の流れの一例を示す図である。
【0044】
ステップS1において、ゲーム端末1のスキル発動管理手段80は、入力操作受付手段62で受け付けられた入力操作のうち、ゲームにかかる幻オブジェクトに関する入力操作を受け付ける。
【0045】
ステップS2において、関連付け管理手段82は、スキル発動管理手段80で受け付けられた入力操作の内容に基づいて、ゲーム内の所定のキャラクタの所定の部位と幻オブジェクトとの関連付けの選択を受け付け、管理する。
【0046】
ステップS3において、特殊オブジェクト生成手段84は、スキル発動管理手段80で受け付けられた入力操作の内容に基づいて、関連付け管理手段82で管理されている所定のキャラクタの所定の部位に、幻オブジェクトを設置する。
【0047】
ステップS4において、攻撃対象決定手段66は、特に特殊オブジェクト生成手段84により幻オブジェクトが設置された場合、敵のNPCに対して、幻オブジェクトと関連付けられているキャラクタおよびそのキャラクタの部位を優先的な攻撃対象として決定する。これにより、幻オブジェクト設置処理は終了する。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
【0049】
[他の実施形態]
ここで、図7および図8を参照しながら、本システムにかかる幻オブジェクトに関してさらに詳細に説明する。なお、図7および図8のオブジェクトUOは、キャラクタUCにより設置された特定のキャラクタと関連付けされていない幻オブジェクトである。
【0050】
例えば、本システムにかかる幻オブジェクトは、オブジェクトが有効であるか無効であるかを明確にするための表示を行う機能を備えていてもよい。例えば、図7の例では、キャラクタUCとキャラクタUCにより設置された幻オブジェクト(オブジェクトUO)との間に、関係性を示す薄い煙のようなエフェクトが表示されている。例えば、このように、ゲーム中に幻オブジェクトが有効に機能している場合には幻オブジェクトとの関係性を示す表示を行い、幻オブジェクトが消滅した場合にはこのようなエフェクトを表示しないことで、ゲーム中の幻オブジェクト状況をプレイヤに明確に認識させることができる。
【0051】
また上述の実施形態において、本システムは、敵のNPCは、単に幻オブジェクトと関連付けられているキャラクタ(または部位)を優先的に攻撃する点のみを説明したが、限定されない。
敵のNPCは、例えば、ヘイト値と呼ばれるパラメータにしたがって、自身の攻撃する対象を決定してもよい。ヘイト値とは、敵のNPCの攻撃対象を決定するために算出されるパラメータであり、例えば、敵のNPCへの攻撃動作、敵のNPCとの距離、各キャラクタの装備している武器などに応じて増減する。
例えば、敵のNPCは、上述の幻オブジェクトが存在しない場合には、敵のNPCに最も近いキャラクタを攻撃対象として決定してもよいし、最もヘイト値の高いキャラクタを攻撃対象として決定してもよい。そして、例えば、敵のNPCは、上述の幻オブジェクトが存在する場合には、他のキャラクタの距離やヘイト値に関わらず、幻オブジェクトと関連付けられているキャラクタ(または部位)を優先的に攻撃対象に決定してもよい。
【0052】
また例えば、本システムにかかる幻オブジェクトは、幻オブジェクトが機能し得る指標(以下、「体力」と呼ぶ)の表示を行う機能を備えていてもよい。なお、この体力は、例えば、幻オブジェクトが他のNPCの攻撃を受けたり、プレイヤキャラクタが所定のアクションを起こすことなどにより減少していき、所定の基準以下になった場合に、幻オブジェクトが消滅する。
そして、具体的に図8の(A)のように残りの体力が高い場合、図8の(B)のように残りの体力が中程度の場合、図8の(C)のように残りの体力が低い場合というように視覚的に表示することで、幻オブジェクトの状況を明確にプレイヤに認識させることができる。本システムは、このような要素を取り入れることで、プレイヤにより選択の幅を持たせ、ゲーム性の高いゲームシステムを提供することができる。
【0053】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、所定の条件が満たされた場合に、幻オブジェクトの効果を解除する仕様を備えていてもよい。具体的に本システムは、例えば、以下のような条件が満たされた場合、幻オブジェクトの効果が解除される仕様を備えていてもよい。
(1)例えば、本システムは、設置した幻オブジェクトの体力が0以下になった場合に、幻オブジェクトが消滅する仕様を備えていてもよい。
(2)例えば、本システムは、幻オブジェクトを設置したプレイヤキャラクタが攻撃などを受けた場合に、幻オブジェクトが消滅する仕様を備えていてもよい。
(3)例えば、本システムは、幻オブジェクトを生成したプレイヤキャラクタが、幻オブジェクトから一定距離以上離れた場合に、幻オブジェクトが消滅する仕様を備えていてもよい。
(4)例えば、本システムは、幻オブジェクトが生成されて一定の時間が経過した場合、自動的に幻オブジェクトが消滅する仕様を備えていてもよい。
【0054】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、幻オブジェクトを再設置できる機能を備えていてもよい。例えば、本システムは、幻オブジェクトが再設置された場合、幻オブジェクトの減少した体力を回復させるなどの仕様を備えていてもよい。
なお、「体力」という表現は、例示であり、限定されない。ゲームの内容や世界観などに応じて、例えば、耐久値、活動時間(10秒など)などの任意の表現により上述の機能または類似する機能が実装されてもよい。
【0055】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、例えば、時間の経過に応じて、幻オブジェクトの体力が減少する機能を備えていてもよい。
【0056】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、設置した幻オブジェクトを、他の場所に移動させることができる機能を備えていてもよい。
【0057】
また、上述の実施形態において、本システムは、幻オブジェクトを設置するに際して、敵NPCの所定の部位と関連付けて幻オブジェクトを設置する例を説明したが、限定されない。本システムは、例えば、味方キャラクタや既存のオブジェクトなどと関連付けて幻オブジェクトを設置してもよいし、例えば、所定のキャラクタと関連付けず単に幻オブジェクトをゲーム空間に設置してもよい(例えば、図7図8の実施形態)。
また、本システムは、幻オブジェクトをキャラクタのみと関連付けて、キャラクタの部位と関連付けずに幻オブジェクトを設置してもよい。
【0058】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、他の敵キャラクタに対する攻撃機能を有する幻オブジェクト(例えば、巨大モンスターの幻など)を設置できる仕様を備えていてもよい。
【0059】
また、上述の実施形態において、幻オブジェクトは、単に敵のNPCの索敵行動の対象となった場合に、身代わりとしてその敵のNPCの攻撃対象となるものとして説明したが、限定されない。本システムは、例えば、設置した幻オブジェクトに周囲の敵の攻撃対象として強制的に認識されるような機能を付加してもよい。
さらに言えば、本システムは、例えば、設置した幻オブジェクトに対して、通常は攻撃対象として認識されないような遠くの敵に対しても攻撃対象として認識されるような機能を付加してもよい。
【0060】
また、上述の実施形態において、プレイヤキャラクタは、付近に存在するNPCと関連付けて幻オブジェクトを設置する例を説明したが、限定されない。本システムは、例えば、プレイヤキャラクタが、一定程度離れたNPCに対して幻オブジェクトを設置できる機能を備えていてもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、プレイヤキャラクタに対して、周囲の味方キャラクタの性能を強化できる機能を付加してもよい。
【0062】
また、上述の実施形態において、幻オブジェクトには通常の生存したNPCが関連付けられるものとして説明したが、限定されない。本システムは、例えば、死亡したNPCなどと関連付けて幻オブジェクトを設置できる仕様を備えていてもよい。
【0063】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、プレイヤに対して、敵のNPCなどに探知されることなく幻オブジェクトの設置のみ(攻撃動作などは行うことができない)を行うことができる操作モードを提供してもよい。プレイヤは、このような操作モードをうまく活用して幻オブジェクトを設置することで、より優位にゲームを進行することができる。
【0064】
さらに言えば、幻オブジェクトは、プレイヤキャラクタ自身と関連付けを行う(プレイヤキャラクタ自身に幻オブジェクトを設置する)ことができてもよい。この場合、敵のNPCの攻撃対象は、幻オブジェクトを設置していない場合と同様に攻撃対象がプレイヤキャラクタ自身となる。そして、本システムは、例えば、プレイヤキャラクタ自身に幻オブジェクトを設置した場合には、幻オブジェクトの体力が一定の割合で回復するなどの仕様を設けることができる。このような仕様を組み合わせることで、本システムは、プレイヤの選択の幅をさらに広げ、高いゲーム性のゲームシステムを提供することができる。
【0065】
また、上述の実施形態において、本システムは、幻オブジェクト生成時に位置および時間を設定するものとして説明したが、限定されない。本システムは、例えば、生成するオブジェクトの個数,大きさなどを合わせて設定してもよい。
また、本システムは、生成できる幻オブジェクトの個数を設定し、生成した幻オブジェクトが上限値に達した場合、古い幻オブジェクトを消滅させる仕様を備えていてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、NPCなどの部位と関連付けて幻オブジェクトが設置される場合、関連付けられる部位に応じて、設置される幻オブジェクトの形状を変更できる機能を備えていてもよい。
具体的に例えば、幻オブジェクトは、腹部に設置された場合には腹部にしがみついたような姿勢の形状となってもよいし、頭部に設置された場合には頭の上に乗っかったような姿勢の形状になってもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、プレイヤキャラクタの外見や性能(職業などを含む)に応じて、幻オブジェクトの形状を変更できる機能を備えていてもよい。
具体的に例えば、幻オブジェクトの形状は、幻オブジェクトを設置したプレイヤキャラクタ、他の味方のNPC、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタなどを模した形状であってもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本ゲームは、例えば、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用のゲーム機、業務用に設計された各種ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器などである任意のハードウェア(例えば、ゲーム端末1など)により実行されてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムにかかるゲームの内容は限定されない。本システムは、例えば、FPS(First Person Shooter)、TPS(Third Person Shooter)、RPG(Role Playing Game)、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、スポーツゲーム、カードゲーム、バトルロワイヤル(対称型、非対称型)、MOBA(Multiplayer online battle arena)、音楽ゲーム、格闘ゲーム、クイズゲームなどのあらゆるゲームに適用されてもよい。
【0070】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3などの機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは図3などの例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3などの例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成されてもよいし、ソフトウェア単体で構成されてもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0071】
また、本システムを構成する各種ハードウェアの数や使用者は任意であるし、他のハードウェアなどを含み構成されてもよい。
【0072】
また、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0073】
また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
すなわち、例えば、上述の実施形態における各種ハードウェアには、任意のコンピュータ、任意のスマートフォンなどの携帯端末、任意のゲーム機などが自由に採用されてもよい。さらに言えば、各種入力部や各種出力部などの種別や内容についても任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0074】
また、このようなプログラムを含む記録媒体は、プレイヤなどにプログラムを提供するために装置本体とは別に提供される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でプレイヤに提供される記録媒体などで構成されてもよい。
【0075】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味している。
【0076】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0077】
以上をまとめると、本発明適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
ゲームにかかるコンピュータを、
ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間内の所定の位置に、前記ゲームの第1キャラクタと関連付けし得る特殊オブジェクトを設置する設置手段(例えば、特殊オブジェクト生成手段84)と、
所定の優先順位に基づいて、前記ゲームの第2キャラクタの攻撃対象を決定する決定手段(例えば、攻撃対象決定手段66)と、
として機能させ、
前記決定手段は、前記特殊オブジェクトが前記第1キャラクタと関連付けて設置された場合に、前記特殊オブジェクトが関連付けられた前記第1キャラクタを、前記第2キャラクタの優先的な攻撃対象として決定する、
プログラムであれば足りる。
【0078】
すなわち、スキル発動管理手段80は、設置手段として機能する。
攻撃対象決定手段66は、決定手段として機能する。
【0079】
<効果>
これにより、プレイヤは、より遊びの自由度が高く、ゲーム性の高いゲームを楽しむことができる。
【符号の説明】
【0080】
1 ゲーム端末
11 制御部
60 ゲーム処理実行手段
62 入力操作受付手段
64 特殊オブジェクト管理手段
80 スキル発動管理手段
82 関連付け管理手段
84 特殊オブジェクト生成手段
66 攻撃対象決定手段
2 サーバ
100 制御部
120 ゲーム情報管理手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8