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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176198
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電子基板ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/03 20060101AFI20241212BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H05K5/03 G
H02G3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094557
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮太
【テーマコード(参考)】
4E360
5G361
【Fターム(参考)】
4E360AB13
4E360BA03
4E360BC06
4E360BD05
4E360CA02
4E360ED12
4E360ED28
4E360GA52
4E360GB92
5G361BA01
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】基板における部品を実装できる面積が小さくなることを抑えつつ、組付け易さを確保すること。
【解決手段】電子部品22を含む複数の実装部品21が実装される基板20と、基板20における実装部品21が実装される側の面を覆う上側カバー31と、基板20における上側カバー31が覆う側の面の反対側の面を覆う下側カバー41と、上側カバー31と下側カバー41とのうちの他方が位置する側に延びて当該他方に係合する第1ガイドレール51と、上側カバー31と下側カバー41とのうちの一方に配置され、上側カバー31と下側カバー41とのうちの他方が位置する側に延びて当該他方に係合すると共に、延在方向における長さが第1ガイドレール51よりも長い第2ガイドレール61と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を含む複数の実装部品が実装される基板と、
前記基板における前記実装部品が実装される側の面を覆う上側カバーと、
前記基板における前記上側カバーが覆う側の面の反対側の面を覆う下側カバーと、
前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの一方に配置され、前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの他方が位置する側に延びて当該他方に係合する第1ガイドレールと、
前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの前記一方に配置され、前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの前記他方が位置する側に延びて当該他方に係合すると共に、延在方向における長さが前記第1ガイドレールよりも長い第2ガイドレールと、
を備えることを特徴とする電子基板ユニット。
【請求項2】
前記実装部品はピンヘッダを含み、
前記基板には、前記第2ガイドレール寄りの位置よりも、前記第1ガイドレール寄りの位置の方が多くの前記ピンヘッダが実装され、
前記上側カバーには、前記ピンヘッダに対応する位置に前記ピンヘッダが入り込む端子孔が形成される請求項1に記載の電子基板ユニット。
【請求項3】
前記上側カバーと前記下側カバーとは、前記基板を覆う方向に見た場合における形状が矩形状に形成され、
前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとは、互いに前記矩形の対角となる位置に配置される請求項1または2に記載の電子基板ユニット。
【請求項4】
前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとは、それぞれ前記矩形における1つの辺の方向に沿って延びる縦方向ガイド部と、前記辺に対して直交する辺の方向に沿って延びる横方向ガイド部とを有する請求項3に記載の電子基板ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電子基板ユニットは、電子部品が実装される基板と、基板を覆うカバーとを有しており、これらが組み合わされることにより構成されている。また、このような従来の電子基板ユニットの組み立ては、基板とカバーの位置合わせのためのパイロットピンが設けられた治具を使用し、基板とカバーとの位置合わせを行いながら組み立てを行っている。例えば、特許文献1では、組立台に立設されるガイドピンを、メインカバーと配線板組立体に形成される位置決め孔に挿通させて位置決めを行いながら、配線板組立体とメインカバーとの組付けを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-65421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パイロットピン用の孔を基板に形成する場合、基板における電子部品を実装する面積を小さく必要がある。この場合、1つの基板で実装できる部品の数が少なくなってしまう。このため、基板における部品を実装できる面積が小さくなることを抑えることと、基板とカバーとの組付け易さを確保することとを両立するのは困難なものとなっている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、基板における部品を実装できる面積が小さくなることを抑えつつ、組付け易さを確保することのできる電子基板ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子基板ユニットは、電子部品を含む複数の実装部品が実装される基板と、前記基板における前記実装部品が実装される側の面を覆う上側カバーと、前記基板における前記上側カバーが覆う側の面の反対側の面を覆う下側カバーと、前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの一方に配置され、前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの他方が位置する側に延びて当該他方に係合する第1ガイドレールと、前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの前記一方に配置され、前記上側カバーと前記下側カバーとのうちの前記他方が位置する側に延びて当該他方に係合すると共に、延在方向における長さが前記第1ガイドレールよりも長い第2ガイドレールと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電子基板ユニットは、基板を上側カバーと下側カバーとで覆うと共に、下側カバーには、上側カバーに係合する第1ガイドレールと第2ガイドレールとが配置されている。これにより、電子基板ユニットの組付け時の位置合わせに用いるパイロットピンを上側カバーや下側カバーに設けることなく、第1ガイドレールと第2ガイドレールとで上側カバーのガイドを行いながら、上側カバーと下側カバーとを組付けることができる。また、パイロットピンを上側カバーや下側カバーに設ける必要がないため、パイロットピン用の孔を基板に形成する必要もなくなり、基板における実装部品を実装できる面積が小さくなることを抑制できる。また、下側カバーに配置されて上側カバーに係合する第1ガイドレールと第2ガイドレールとは、第2ガイドレールの高さが第1ガイドレールの高さよりも高くなっている。このため、上側カバーと下側カバーとの間に基板を配置させて第1ガイドレール及び第2ガイドレールと上側カバーと係合させる際に、第1ガイドレールと第2ガイドレールとを、上側カバーに対して順番に係合させることができる。即ち、下側カバーに上側カバーを組付ける際に、高さが低い第1ガイドレール寄りの位置から組付け、その後、高さが高い第2ガイドレール寄りの位置を組付けることができる。これにより、第1ガイドレール寄りの位置で基板に対する上側カバーの位置合わせを行いながら、上側カバーを徐々に下側カバーに近付けて下側カバーに組み付けることができる。従って、特に第1ガイドレール寄りの位置での基板と上側カバーとの組付け精度が要求される場合でも、組付け精度を確保しつつ、上側カバーと下側カバーとを容易に組付けて基板を覆うことができる。これらの結果、基板における実装部品を実装できる面積が小さくなることを抑えつつ、組付け易さを確保することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電子基板ユニットの斜視図である。
図2図2は、図1に示す電子基板ユニットの分解斜視図である。
図3図3は、図1に示す電子基板ユニットを第1ガイドレールが配置される側から見た分解斜視図である。
図4図4は、図2のA部詳細図であり、第2ガイドレールの詳細図である。
図5図5は、図3のB部詳細図であり、第1ガイドレールの詳細図である。
図6図6は、図2に示す下側カバーのC-C矢視図である。
図7図7は、基板とカバーとの組付けについて説明するための説明図である。
図8図8は、下側カバーと上側カバーとを係合した状態を示す斜視図であり、第1ガイドレールが位置する側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る電子基板ユニット10の斜視図である。図2は、図1に示す電子基板ユニット10の分解斜視図である。図3は、図1に示す電子基板ユニット10を第1ガイドレール51が配置される側から見た分解斜視図である。実施形態に係る電子基板ユニット10は、複数の実装部品21が実装される基板20と、基板20を覆うカバー30とを有しており、基板20の両面をカバー30で覆うことにより構成されている。基板20に実装される実装部品21は、電子部品22と、外部の装置(図示省略)との間で信号のやり取りを行うための端子であるピンヘッダ23と、電子基板ユニット10へ電力を供給するコネクタ(図示省略)が接続される水平コネクタ24とを含んでいる。本実施形態では、電子部品22とピンヘッダ23と水平コネクタ24とは、それぞれ複数が、基板20における一方の面に実装されている。
【0011】
ピンヘッダ23は、複数のピンを有しており、ピンが延びる方向が基板20の厚み方向となる向きで、ピンヘッダ23は基板20に配置されている。水平コネクタ24は、外部のコネクタを水平コネクタ24に対して着脱する方向が、基板20の平面に沿った方向となる向きで配置されている。
【0012】
基板20は、基板20の厚み方向に見た場合における形状が略矩形状になっており、水平コネクタ24は、基板20における矩形の1つの辺の位置に配置されている。水平コネクタ24は、基板20における水平コネクタ24が配置される辺の延在方向に向かって、2つが並んで配置されている。
【0013】
基板20に配置される複数のピンヘッダ23は、基板20の形状である矩形における、水平コネクタ24が配置されている辺に対する対辺の近傍に、多く配置されている。即ち、基板20は、水平コネクタ24が配置されている辺に対する対辺の近傍に、ピンヘッダ23が多く配置される領域を有しており、基板20に実装される複数のピンヘッダ23は、主にこの領域に配置されている。
【0014】
基板20に複数実装される電子部品22は、基板20の形状である矩形における、水平コネクタ24が配置される辺と、多くのピンヘッダ23が配置される辺との間の位置に主に配置されている。つまり、略矩形状に形成される基板20における、2つの水平コネクタ24が並ぶ方向を矩形の横方向とし、横方向に直交する方向を矩形の縦方向とする場合に、電子部品22は、縦方向における、水平コネクタ24が配置される位置と多くのピンヘッダ23が配置される領域との間に主に配置されている。
【0015】
ピンヘッダ23が配置される領域について換言すると、基板20の縦方向における中間の位置を境界として基板20を2つの領域に分けた場合に、水平コネクタ24が配置される側の領域よりも、水平コネクタ24が配置されていない側の領域の方が、多くのピンヘッダ23が配置されている。このため、本実施形態では、基板20を縦方向に2つの領域に分けた場合は、水平コネクタ24が配置されていない側の領域が、多くのピンヘッダ23が配置される側の領域になっている。
【0016】
なお、本実施形態の説明では、基板20における矩形の横方向を、カバー30においても横方向と呼び、基板20における矩形の縦方向を、カバー30においても縦方向と呼ぶ。
【0017】
カバー30は、基板20における実装部品21が実装される側の面を覆う上側カバー31と、基板20における上側カバー31が覆う側の面の反対側の面を覆う下側カバー41とを有している。これらの上側カバー31と下側カバー41とは、基板20を覆う方向に見た場合における形状が、略矩形状に形成されている。つまり、上側カバー31と下側カバー41とは、基板20を覆うことができるように基板20に沿った形状になっているが、基板20は、厚み方向に見た場合における形状が略矩形状になっている。このため、基板20に沿った形状で形成される上側カバー31と下側カバー41も、基板20を覆う方向、即ち、基板20の厚み方向に見た場合における形状が、基板20と同様に略矩形状に形成されている。
【0018】
上側カバー31は、基板20と略矩形状に形成されると共に基板20に沿った向きに配置される上面部32と、上面部32の外周部分に立設され下側カバー41が位置する側に向かって延びる側壁33とを有している。即ち、上側カバー31の側壁33は、略矩形状に形成される上面部32の4つの辺にそれぞれ形成されている。上面部32は、基板20に実装される実装部品21に応じて凹凸を有していてもよい。本実施形態では、上面部32は、基板20に実装される電子部品22の位置に対応する位置が、下側カバー41が位置する側の反対側に向かって突出して形成されている。
【0019】
下側カバー41は、基板20と略矩形状に形成されると共に基板20に沿った向きに配置される下面部42と、下面部42の外周部分に立設され上側カバー31が位置する側に向かって延びる側壁43とを有している。即ち、下側カバー41の側壁43は、略矩形状に形成される下面部42の4つの辺にそれぞれ形成されている。
【0020】
基板20における上側カバー31が位置する側の反対側から基板20を覆う下側カバー41は、側壁43で囲われた部分の大きさが、基板20の大きさによりも大きくなっている。このため、下側カバー41には、側壁43の内側に基板20を入り込ませて下面部42上に基板20を配置することが可能になっている。
【0021】
基板20における下側カバー41が位置する側の反対側から基板20を覆う上側カバー31は、側壁33で囲われた部分の大きさが、基板20の大きさによりも大きくなっている。このため、上側カバー31には、側壁33の内側に基板20を入り込ませて基板20を覆うことが可能になっている。さらに、上側カバー31における側壁33で囲われた部分の大きさ、即ち、上側カバー31の側壁33の内周面の大きさは、下側カバー41の側壁43の外周面の大きさよりも大きくなっている。
【0022】
このため、基板20の両面側から上側カバー31と下側カバー41とで基板20を覆う際には、下面部42上に基板20が配置される下側カバー41の側壁43を上側カバー31の側壁33の内側に入り込ませる。これにより、上側カバー31と下側カバー41との内部空間に基板20を位置させる。
【0023】
このように基板20を覆う上側カバー31の側壁33には、基板20に実装される水平コネクタ24に対応する位置に、水平コネクタ24をカバー30の外側に露出させるための開口部37が形成されている。側壁33に形成される開口部37は、側壁33に対して切欠き状に形成されている。同様に、基板20を覆う下側カバー41の側壁43には、基板20に実装される水平コネクタ24に対応する位置に、水平コネクタ24をカバー30の外側に露出させるための開口部47が形成されている。側壁43に形成される開口部47は、側壁43に対して切欠き状に形成されている。
【0024】
基板20に実装される水平コネクタ24は、基板20が上側カバー31と下側カバー41とにより覆われた状態では、上側カバー31の開口部37と下側カバー41の開口部47との位置に配置される。このため、水平コネクタ24は、基板20がカバー30に覆われた状態において、カバー30の内側の空間からカバー30の外側に露出する状態になり、外部のコネクタを接続することが可能になる。
【0025】
また、上側カバー31には、基板20に実装されるピンヘッダ23に対応する位置に、ピンヘッダ23が入り込む端子孔36が形成されている。端子孔36は、上側カバー31の上面部32を、基板20の厚み方向に貫通する孔になっている。端子孔36は、上側カバー31の上面部32における、上側カバー31で基板20を覆った際のピンヘッダ23に対応する位置に形成されている。
【0026】
基板20に実装されるピンヘッダ23は、略矩形状に形成される基板20における、水平コネクタ24が配置されている辺に対する対辺の近傍に多く配置されている。このため、上側カバー31に形成される端子孔36は、略矩形状に形成される上側カバー31の上面部32における、開口部37が形成される側壁33が位置する辺に対する対辺の近傍に、多く配置されている。
【0027】
基板20に実装されるピンヘッダ23は、カバー30で基板20を覆った状態において、端子孔36にピンヘッダ23が有する複数のピンが入り込むことにより、ピンヘッダ23が有するピンはカバー30の内側の空間からカバー30の外側に露出する状態になる。これにより、ピンヘッダ23は、カバー30により基板20が覆われた状態において、ピンヘッダ23が有する複数のピンに対して外部のコネクタを接続することが可能になる。
【0028】
これらのように基板20を覆うカバー30は、上側カバー31と下側カバー41との組付けに用いる第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とを有している。第1ガイドレール51は、上側カバー31と下側カバー41とのうちの一方のカバー30に配置され、他方のカバー30が位置する側に延びて他方のカバー30に係合する。第2ガイドレール61は、上側カバー31と下側カバー41とのうち第1ガイドレール51が配置されるカバー30に配置され、他方のカバー30が位置する側に延びて他方のカバー30に係合すると共に、延在方向における長さが第1ガイドレール51よりも長くなっている。
【0029】
本実施形態では、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61は、いずれも下側カバー41に配置されており、下側カバー41から上側カバー31が位置する側に延びて上側カバー31に係合する。詳しくは、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61は、基板20の厚み方向に下側カバー41を見た場合に略矩形状に形成される下側カバー41における、矩形の角部にそれぞれ配置され、上側カバー31が位置する側に延びている。また、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61は、略矩形状に形成される下側カバー41における、互いに矩形の対角となる位置に配置されている。
【0030】
このうち、第2ガイドレール61は、下側カバー41における、開口部47が形成される側壁43が配置される辺の端部に位置する角部に配置されている。第1ガイドレール51は、下側カバー41における、開口部47が形成される側壁43が配置される辺に対向する辺の端部に位置し、第2ガイドレール61が配置される角部に対して対角となる角部に配置されている。つまり、第1ガイドレール51は、下側カバー41の下面部42に基板20を配置した状態において、多くのピンヘッダ23が配置される領域の近傍に位置して横方向に延びる下側カバー41の辺の端部に位置する角部に配置されている。このため、下側カバー41の下面部42に基板20が配置される状態においては、基板20には、第2ガイドレール61寄りの位置よりも、第1ガイドレール51寄りの位置の方が多くのピンヘッダ23が実装される状態となる。
【0031】
図4は、図2のA部詳細図であり、第2ガイドレール61の詳細図である。第2ガイドレール61は、下側カバー41の形状である矩形における1つの辺の方向に沿って延びる縦方向ガイド部62と、縦方向ガイド部62が延びる辺に対して直交する辺の方向に沿って延びる横方向ガイド部63とを有している。
【0032】
詳しくは、横方向ガイド部63は、下側カバー41において開口部47が形成される側壁43に沿った方向が幅方向となり、当該側壁43における下面部42が位置する側の反対側の端部から、下面部42が位置する側の反対側に向かって延びる板状の部材になっている。縦方向ガイド部62は、下側カバー41において開口部47が形成される側壁43に直交する側壁43に沿った方向が幅方向となり、当該側壁43における下面部42が位置する側の反対側の端部から、下面部42が位置する側の反対側に向かって延びる板状の部材になっている。
【0033】
このようにそれぞれ板状に形成される第2ガイドレール61の横方向ガイド部63と縦方向ガイド部62とは、他方寄りの端部が互いに接続されている。これにより、第2ガイドレール61は、下側カバー41の下面部42に配置される基板20の厚み方向に第2ガイドレール61を見た場合に、L字状となって形成されている。このように形成される第2ガイドレール61は、上側カバー31と下側カバー41とで基板20を覆う状態では、第2ガイドレール61は、下側カバー41の側壁43と同様に、上側カバー31の側壁33の内側に入り込む。
【0034】
また、第2ガイドレール61は、上側カバー31と係合する係合凸部64を有している。係合凸部64は、第2ガイドレール61における横方向ガイド部63に形成されている。係合凸部64は、第2ガイドレール61の横方向ガイド部63における、下側カバー41の側壁43の外周面と同じ側に位置する面に形成されており、横方向ガイド部63の表面から突出して形成されている。
【0035】
上側カバー31には、第2ガイドレール61が上側カバー31の側壁33の内側に入り込んだ際に、係合凸部64が係合する第2係合孔35(図2参照)が形成されている。第2係合孔35は、第2ガイドレール61が上側カバー31の側壁33の内側に入り込んだ際に、第2ガイドレール61の横方向ガイド部63の外側で横方向ガイド部63に重なる側壁33に形成されており、側壁33を貫通する孔になっている。第2ガイドレール61に形成される係合凸部64は、第2ガイドレール61が上側カバー31の側壁33の内側に入り込んだ際に、上側カバー31の側壁33に形成される第2係合孔35に入り込むことにより(図1参照)、第2係合孔35に係合し、上側カバー31と係合する。
【0036】
図5は、図3のB部詳細図であり、第1ガイドレール51の詳細図である。第1ガイドレール51は、下側カバー41の形状である矩形における1つの辺の方向に沿って延びる縦方向ガイド部52と、縦方向ガイド部52が延びる辺に対して直交する辺の方向に沿って延びる横方向ガイド部53とを有している。
【0037】
横方向ガイド部53は、下側カバー41において開口部47が形成される側壁43に対向する側壁43に沿った方向が幅方向となり、当該側壁43における下面部42が位置する側の反対側の端部から、下面部42が位置する側の反対側に向かって延びる板状の部材になっている。縦方向ガイド部52は、下側カバー41において、第1ガイドレール51の横方向ガイド部53が配置される側壁43に直交する側壁43に沿った方向が幅方向となり、当該側壁43における下面部42が位置する側の反対側の端部から、下面部42が位置する側の反対側に向かって延びる板状の部材になっている。
【0038】
このようにそれぞれ板状に形成される第1ガイドレール51の横方向ガイド部53と縦方向ガイド部52とは、他方寄りの端部が互いに接続されている。これにより、第1ガイドレール51は、下側カバー41の下面部42に配置される基板20の厚み方向に第1ガイドレール51を見た場合に、L字状となって形成されている。このように形成される第1ガイドレール51は、上側カバー31と下側カバー41とで基板20を覆う状態では、第1ガイドレール51は、下側カバー41の側壁43と同様に、上側カバー31の側壁33の内側に入り込む。
【0039】
また、第1ガイドレール51は、上側カバー31と係合する係合凸部54を有している。係合凸部54は、第1ガイドレール51における横方向ガイド部53に形成されている。係合凸部54は、第1ガイドレール51の横方向ガイド部53における、下側カバー41の側壁43の外周面と同じ側に位置する面に形成されており、横方向ガイド部53の表面から突出して形成されている。
【0040】
上側カバー31には、第1ガイドレール51が上側カバー31の側壁33の内側に入り込んだ際に、係合凸部54が係合する第1係合孔34(図3参照)が形成されている。第1係合孔34は、第1ガイドレール51が上側カバー31の側壁33の内側に入り込んだ際に、第1ガイドレール51の横方向ガイド部53の外側で横方向ガイド部53に重なる側壁33に形成されており、側壁33を貫通する孔になっている。第1ガイドレール51に形成される係合凸部54は、第1ガイドレール51が上側カバー31の側壁33の内側に入り込んだ際に、上側カバー31の側壁33に形成される第1係合孔34に入り込むことにより(図8参照)、第1係合孔34に係合し、上側カバー31と係合する。
【0041】
図6は、図2に示す下側カバー41のC-C矢視図である。下側カバー41に形成される第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは、カバー30で基板20を覆う際における下側カバー41に対して、上側カバー31が位置する側への延在方向における長さが、第1ガイドレール51よりも第2ガイドレール61の方が長くなっている。つまり、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは、基板20の厚み方向における高さが、第1ガイドレール51の高さH1よりも、第2ガイドレール61の高さH2の方が高くなっている。
【0042】
次に、実施形態に係る電子基板ユニット10における基板20とカバー30との組付けについて説明する。図7は、基板20とカバー30との組付けについて説明するための説明図である。基板20とカバー30とを組付ける際には、まず、下側カバー41が有する下面部42上に基板20に配置する。基板20は、下側カバー41における側壁43の内側に入り込ませ、下側カバー41の下面部42における、側壁43が形成される側の面上に配置する。その際に、基板20は、実装部品21が配置される側の面の反対側の面が下側カバー41の下面部42に対向し、実装部品21が配置される側の面が、下面部42が位置する側の反対側を向く向きで配置する。また、基板20は、基板20に実装される水平コネクタ24が、下側カバー41の側壁43に形成される開口部47の位置に配置され、多くのピンヘッダ23が配置される領域が、第1ガイドレール51の近傍に配置される向きで配置する。
【0043】
上側カバー31は、このように下側カバー41に配置される基板20を、実装部品21が実装される側の面から覆い、下側カバー41と係合させて組付ける。下側カバー41に対して上側カバー31を組付ける際には、上側カバー31は、上面部32における側壁33が配置される側の面が、下側カバー41が位置する側に向く向きで組付ける。また、上側カバー31は、開口部37が形成される側壁33が、下側カバー41に配置される基板20における水平コネクタ24が位置する側に位置し、多くの端子孔36が形成される側の部分が、基板20における多くのピンヘッダ23が配置される領域が位置する側に位置する向きで組付ける。
【0044】
その際に、上側カバー31は、第2係合孔35が形成される側壁33が位置する側よりも、第1係合孔34が形成される側壁33が位置する側の方が下側カバー41との距離が近づく向きで、下側カバー41に対して上側カバー31を傾斜させながら下側カバー41に近づける。つまり、上側カバー31は、開口部37が形成される側壁33が位置する側よりも、端子孔36が多く形成されている側の方が下側カバー41との距離が近づく向きで、下側カバー41に対して上側カバー31を傾斜させながら下側カバー41に近づける。これにより、まず、下側カバー41に形成される第1ガイドレール51を、上側カバー31に形成される側壁33の内側に入り込ませる。
【0045】
下側カバー41における第1ガイドレール51の近傍には、基板20に実装されるピンヘッダ23が多く配置されているため、上側カバー31を第1ガイドレール51でガイドしながら、ピンヘッダ23のピンを、上側カバー31の上面部32に形成される端子孔36に入り込ませる。第1ガイドレール51寄りに多く位置するピンヘッダ23のピンを、上側カバー31の上面部32に形成される端子孔36に入り込ませたら、下側カバー41に形成される第2ガイドレール61を、上側カバー31に形成される側壁33の内側に入り込ませる。
【0046】
図8は、下側カバー41と上側カバー31とを係合した状態を示す斜視図であり、第1ガイドレール51が位置する側から見た斜視図である。第1ガイドレール51寄りに多く位置するピンヘッダ23のピンが上側カバー31の上面部32に形成される端子孔36に入り込み、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61が上側カバー31の側壁33の内側に入り込んだら、そのまま上側カバー31を下側カバー41にさらに近づける。即ち、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とで上側カバー31をガイドしながら、上側カバー31を下側カバー41に近づける。
【0047】
これにより、第1ガイドレール51に形成される係合凸部54を上側カバー31の第1係合孔34に入り込ませて第1係合孔34に係合させ、第2ガイドレール61に形成される係合凸部64を上側カバー31の第2係合孔35に入り込ませて第2係合孔35に係合させる(図1参照)。カバー30は、このように上側カバー31と下側カバー41との内側に基板20を配置し、下側カバー41の第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とを上側カバー31に係合させることにより、上側カバー31と下側カバー41とで基板20を覆う。
【0048】
電子基板ユニット10は、カバー30で基板20を覆った状態においても、ピンヘッダ23のピンは上側カバー31に形成される端子孔36の内側に位置するため、ピンヘッダ23のピンに対して端子孔36から外部のコネクタを接続することができる。また、水平コネクタ24も、上側カバー31の側壁33に形成される開口部37と下側カバー41の側壁43に形成される開口部47とからカバー30の外側に露出するため、カバー30の外側から水平コネクタ24に対して外部のコネクタを接続することができる。
【0049】
以上の実施形態に係る電子基板ユニット10は、基板20を上側カバー31と下側カバー41とで覆うと共に、下側カバー41には、上側カバー31に係合する第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とが配置されている。これにより、電子基板ユニット10の組付け時の位置合わせに用いるパイロットピンをカバー30に設けることなく、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とで上側カバー31のガイドを行いながら、上側カバー31と下側カバー41とを組付けることができる。また、パイロットピンをカバー30に設ける必要がないため、パイロットピン用の孔を基板20に形成する必要もなくなり、基板20における実装部品21を実装できる面積が小さくなることを抑制できる。
【0050】
また、下側カバー41に配置されて上側カバー31に係合する第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは、第2ガイドレール61の高さH2が第1ガイドレール51の高さH1よりも高くなっている。このため、上側カバー31と下側カバー41との間に基板20を配置させて第1ガイドレール51及び第2ガイドレール61と上側カバー31と係合させる際に、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とを、上側カバー31に対して順番に係合させることができる。即ち、下側カバー41に上側カバー31を組付ける際に、高さH1が低い第1ガイドレール51寄りの位置から組付け、その後、高さH2が高い第2ガイドレール61寄りの位置を組付けることができる。
【0051】
これにより、第1ガイドレール51寄りの位置で基板20に対する上側カバー31の位置合わせを行いながら、上側カバー31を徐々に下側カバー41に近付けて下側カバー41に組み付けることができる。従って、特に第1ガイドレール51寄りの位置での基板20とカバー30との組付け精度が要求される場合でも、組付け精度を確保しつつ、上側カバー31と下側カバー41とを容易に組付けて基板20を覆うことができる。これらの結果、基板20における実装部品21を実装できる面積が小さくなることを抑えつつ、組付け易さを確保することができる。
【0052】
また、基板20には、第2ガイドレール61寄りの位置よりも、第1ガイドレール51寄りの位置の方が多くのピンヘッダ23が実装され、上側カバー31には、ピンヘッダ23に対応する位置にピンヘッダ23が入り込む端子孔36が形成されている。このため、上側カバー31を組付ける際に、高さH1が低い第1ガイドレール51寄りの位置で基板20に対する上側カバー31の位置合わせを行うことができ、第1ガイドレール51寄りに位置する多くのピンヘッダ23を、上側カバー31の端子孔36に容易に入り込ませることができる。従って、組付け時の精度が要求される、基板20に実装されるピンヘッダ23と、上側カバー31の上面部32に形成される端子孔36との組付けを、容易に行うことができる。この結果、組付け易さを確保することができる。
【0053】
また、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは、基板20を覆う方向に上側カバー31や下側カバー41を見た場合における形状である矩形の対角となる位置に配置されるため、上側カバー31と下側カバー41とを容易に組付けることができる。つまり、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61は、互いに対角となる位置に配置されるため、上側カバー31と下側カバー41とにおける矩形の4つの辺の位置合わせを第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とで行いながら、上側カバー31と下側カバー41とを組付けることができる。この結果、組付け易さを確保することができる。
【0054】
また、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは、矩形の対角となる2箇所に配置することで上側カバー31と下側カバー41との組付け易さを確保することができるため、ガイドレールを矩形の全ての角部に配置する場合と比較して、ガイドレールの数を低減することができる。これにより、カバー30の材料となる樹脂量を低減することができる。この結果、製造コストを低減することができる。
【0055】
また、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは、それぞれ縦方向ガイド部52、62と横方向ガイド部53、63とを有するため、上側カバー31と下側カバー41とを容易に組付けることができる。つまり、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61は、縦方向ガイド部52、62と横方向ガイド部53、63とを有するため、上側カバー31と下側カバー41の縦方向と横方向の相対位置を第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とで規制しながら、上側カバー31と下側カバー41とを組付けることができる。この結果、組付け易さを確保することができる。
【0056】
[変形例]
なお、上述した実施形態では、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは、下側カバー41に配置されているが、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは上側カバー31に配置されていてもよい。つまり、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61とは上側カバー31に配置され、第1ガイドレール51に形成される係合凸部54が係合する第1係合孔34と、第2ガイドレール61に形成される係合凸部64が係合する第2係合孔35とが、下側カバー41に形成されていてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、上側カバー31と下側カバー41との組付けのガイドを行うガイドレールとして、第1ガイドレール51と第2ガイドレール61との2つが用いられているが、ガイドレールは2つ以外であってもよい。ガイドレールは、例えば、基板20を覆う方向に上側カバー31や下側カバー41を見た場合における形状である矩形の4つの角部に全てに配置されていてもよい。4つの角部にガイドレールを配置する場合は、例えば、ピンヘッダ23が多く配置される領域の近傍に位置する辺の両端の角部に配置される2つのガイドレールを第1ガイドレール51とし、この辺に対向する辺の両端の角部に配置される2つのガイドレールを第2ガイドレール61としてもよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、基板20とカバー30とにおいて、高い精度で組み付ける部材の一例としてピンヘッダ23と端子孔36とを挙げているが、高い精度で組み付ける部材は、これ以外であってもよい。第2ガイドレール61に対して相対的な高さが低い第1ガイドレール51は、基板20とカバー30とにおいて、高い組付け精度が要求される部材の近傍に配置されるのが好ましい。
【0059】
また、上述した本発明の実施形態、変形例に係る電子基板ユニットは、上述した実施形態、変形例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態、変形例に係る電子基板ユニットは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 電子基板ユニット
20 基板
21 実装部品
22 電子部品
23 ピンヘッダ
24 水平コネクタ
30 カバー
31 上側カバー
32 上面部
33、43 側壁
34 第1係合孔
35 第2係合孔
36 端子孔
37、47 開口部
41 下側カバー
42 下面部
51 第1ガイドレール
52、62 縦方向ガイド部
53、63 横方向ガイド部
54、64 係合凸部
61 第2ガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8