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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176201
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】バッテリターミナル保持部品
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/543 20210101AFI20241212BHJP
【FI】
H01M50/543
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094564
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】田沼 賢一
(72)【発明者】
【氏名】小澤 匡義
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA17
5H043BA12
5H043DA04
5H043DA19
5H043DA20
5H043HA06D
5H043HA09D
5H043JA01D
5H043JA02D
5H043JA14D
(57)【要約】
【課題】体格の異なるバッテリ間での共用化。
【解決手段】バッテリターミナル501を保持し、バッテリ上面のバッテリポストPbtに接続されたバッテリターミナルを介してバッテリポストに組み付くターミナル保持部材10と、ターミナル保持部材に組み付け、係止部21をバッテリ側方の被係止部BTbに係止させることでターミナル保持部材におけるバッテリポストの軸周りの相対回転を抑止して、バッテリポストに対するバッテリターミナルの接続姿勢を保つ係止部材20と、を備え、係止部材には、バッテリポストの軸線と被係止部との間の最短距離が異なる異サイズバッテリ毎の係止部21を設け、係止部材は、複数の異サイズバッテリの中から選択された設置対象バッテリの前記最短距離に合わせ、設置対象バッテリに対応させた係止部を被係止部に係止させるように、ターミナル保持部材に対する配置を変えて、ターミナル保持部材に組み付けること。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリターミナルを保持し、バッテリ上面のバッテリポストに接続された前記バッテリターミナルを介して前記バッテリポストに組み付くターミナル保持部材と、
前記ターミナル保持部材に組み付け、係止部をバッテリ側方の被係止部に係止させることで前記ターミナル保持部材における前記バッテリポストの軸周りの相対回転を抑止して、前記バッテリポストに対する前記バッテリターミナルの接続姿勢を保つ係止部材と、
を備え、
前記係止部材には、前記バッテリポストの軸線と前記被係止部との間の最短距離が異なる異サイズバッテリ毎の前記係止部を設け、
前記係止部材は、複数の前記異サイズバッテリの中から選択された設置対象バッテリの前記最短距離に合わせ、前記設置対象バッテリに対応させた前記係止部を前記被係止部に係止させるように、前記ターミナル保持部材に対する配置を変えて、前記ターミナル保持部材に組み付けることを特徴としたバッテリターミナル保持部品。
【請求項2】
前記ターミナル保持部材と前記係止部材の間には、その相互間を前記異サイズバッテリ毎の組付け位置で組み付けて、設置対象バッテリの前記被係止部に当該設置対象バッテリ用の前記係止部を係止させることが可能な部材間接続構造を設けることを特徴とした請求項1に記載のバッテリターミナル保持部品。
【請求項3】
前記部材間接続構造は、前記ターミナル保持部材と前記係止部材の内の一方に設けた第1接続部及び位置決め軸と、前記ターミナル保持部材と前記係止部材の内の他方に設けた第2接続部及び前記異サイズバッテリ毎の嵌入位置決め部と、を備え、
前記第1接続部と前記第2接続部は、その内の一方が接続軸であり、かつ、その内の他方が前記接続軸を嵌め入れ且つ係止する嵌入接続部であり、
前記位置決め軸は、嵌合状態の前記接続軸及び前記嵌入接続部の軸線に対して平行に配置され、
前記嵌入位置決め部は、嵌合状態の前記接続軸及び前記嵌入接続部の前記軸線からの距離が等距離で且つ当該軸線の軸周りに前記異サイズバッテリ毎に配置され、前記位置決め軸を前記異サイズバッテリ毎に嵌め入れさせることを特徴とした請求項2に記載のバッテリターミナル保持部品。
【請求項4】
それぞれの前記係止部は、嵌合状態の前記接続軸及び前記嵌入接続部の前記軸線の軸周りで、その軸線と前記設置対象バッテリの前記被係止部との間の最小間隔に合わせた位置に前記異サイズバッテリ毎に配置されることを特徴とした請求項3に記載のバッテリターミナル保持部品。
【請求項5】
前記嵌入位置決め部を設けた前記ターミナル保持部材又は前記係止部材には、前記設置対象バッテリ用の前記嵌入位置決め部を識別する前記異サイズバッテリ毎の識別部を設けることを特徴とした請求項3又は4に記載のバッテリターミナル保持部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリターミナル保持部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリにおいては、バッテリターミナルを保持し、バッテリ上面のバッテリポストに接続されたバッテリターミナルを介してバッテリポストに組み付くターミナル保持部材によって、バッテリポストに対するバッテリターミナルの接続姿勢を保っている。そのバッテリターミナル保持部品は、バッテリの側壁に係止させることでバッテリポストの軸周りの相対回転を抑止して、自らが保持するバッテリターミナルの接続姿勢を保つ。斯様なバッテリターミナル保持部品については、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-160990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリは、その容量に応じて体格が異なり、その体格毎にバッテリポストの軸線とバッテリの側壁との間の最短距離が変わる。よって、従来は、体格の異なるバッテリ間でバッテリターミナルの共用化を図ったとしても、バッテリの体格毎に専用のバッテリターミナル保持部品を用意しなければならない。
【0005】
そこで、本発明は、体格の異なるバッテリ間での共用が可能なバッテリターミナル保持部品を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バッテリターミナルを保持し、バッテリ上面のバッテリポストに接続された前記バッテリターミナルを介して前記バッテリポストに組み付くターミナル保持部材と、前記ターミナル保持部材に組み付け、係止部をバッテリ側方の被係止部に係止させることで前記ターミナル保持部材における前記バッテリポストの軸周りの相対回転を抑止して、前記バッテリポストに対する前記バッテリターミナルの接続姿勢を保つ係止部材と、を備え、前記係止部材には、前記バッテリポストの軸線と前記被係止部との間の最短距離が異なる異サイズバッテリ毎の前記係止部を設け、前記係止部材は、複数の前記異サイズバッテリの中から選択された設置対象バッテリの前記最短距離に合わせ、前記設置対象バッテリに対応させた前記係止部を前記被係止部に係止させるように、前記ターミナル保持部材に対する配置を変えて、前記ターミナル保持部材に組み付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るバッテリターミナル保持部品は、ターミナル保持部材と係止部材の組付け位置を異サイズバッテリ毎に切り替えて、設置対象バッテリの被係止部に当該設置対象バッテリ用の係止部を係止させることができる。つまり、このバッテリターミナル保持部品は、ターミナル保持部材と係止部材の組付け位置を異サイズバッテリ毎に切り替えることによって、体格の異なるバッテリ間で共用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態のバッテリターミナル保持部品を示す分解斜視図である。
図2図2は、実施形態のバッテリターミナル保持部品のバッテリへの組付け状態を示す斜視図である。
図3図3は、ターミナル保持部材を示す斜視図である。
図4図4は、ターミナル保持部材を別角度から見た斜視図である。
図5図5は、係止部材を示す平面図である。
図6図6は、設置対象バッテリが第1バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を側方から見た平面図である。
図7図7は、設置対象バッテリが第1バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を上方から見た平面図である。
図8図8は、設置対象バッテリが第2バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を側方から見た平面図である。
図9図9は、設置対象バッテリが第2バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を上方から見た平面図である。
図10図10は、設置対象バッテリが第3バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を側方から見た平面図である。
図11図11は、設置対象バッテリが第3バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を上方から見た平面図である。
図12図12は、設置対象バッテリが第4バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を側方から見た平面図である。
図13図13は、設置対象バッテリが第4バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を上方から見た平面図である。
図14図14は、設置対象バッテリが第5バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を側方から見た平面図である。
図15図15は、設置対象バッテリが第5バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を上方から見た平面図である。
図16図16は、設置対象バッテリが第6バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を側方から見た平面図である。
図17図17は、設置対象バッテリが第6バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を上方から見た平面図である。
図18図18は、設置対象バッテリが第7バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を側方から見た平面図である。
図19図19は、設置対象バッテリが第7バッテリのときのバッテリターミナル保持部品の組付け状態を上方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るバッテリターミナル保持部品の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
本発明に係るバッテリターミナル保持部品の実施形態の1つを図1から図19に基づいて説明する。
【0011】
図1及び図2の符号1は、本実施形態のバッテリターミナル保持部品を示す。このバッテリターミナル保持部品1は、バッテリBTのバッテリポストPbtに取り付けられたバッテリターミナル501を保持し、このバッテリターミナル501のバッテリBTに対する接続姿勢を規定の姿勢に保つための部品である(図2)。
【0012】
ここで、バッテリターミナル501は、金属等の導電性材料で成形されたものであり、バッテリポストPbtに対して物理的且つ電気的に接続される。この例示のバッテリターミナル501は、金属板を母材にして成形されたものであり、雄ネジ部材511と雌ネジ部材512とが螺合状態で組み付けられている(図1)。バッテリターミナル501は、その雄ネジ部材511と雌ネジ部材512とを締め込んでいくことで円錐台形状のバッテリポストPbtに加締められ、これにより、このバッテリポストPbtに対して物理的且つ電気的に接続される(図2)。
【0013】
このバッテリターミナル501には、例えば、バッテリ用接続ユニットの電子部品(図示略)が物理的且つ電気的に接続される。そこで、このバッテリターミナル501には、その電子部品を螺子止めするための雄ネジ部材513が設けられている(図1)。
【0014】
バッテリターミナル保持部品1は、このバッテリターミナル501を保持するターミナル保持部材10と、このターミナル保持部材10に組み付けられ、かつ、バッテリBTに係止する係止部材20と、を備える(図1から図19)。このターミナル保持部材10と係止部材20は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
【0015】
ターミナル保持部材10は、板状の主体11と、この主体11から延在させた板状の延出部12と、を有する(図1図3及び図4)。バッテリターミナル501は、その主体11と延出部12のそれぞれの第1壁面11a,12aに対して向かい合わせに配置され、その第1壁面11a,12aから立ち上げた複数箇所の保持部13で保持される(図1及び図3)。その保持部13は、例えば、バッテリターミナル501に引っ掛けてバッテリターミナル501を保持する爪部等を有している。ターミナル保持部材10は、バッテリ上面BTaのバッテリポストPbtに接続されたバッテリターミナル501を介してバッテリポストPbtに組み付けられる(図2)。
【0016】
このターミナル保持部材10は、主体11の第2壁面11bをバッテリ上面BTaに向け、この主体11の貫通孔14にバッテリポストPbtを挿通させた状態で、そのバッテリポストPbtに接続されたバッテリターミナル501を保持している(図1から図4)。そして、このターミナル保持部材10は、その貫通孔14にバッテリポストPbtを挿通させた状態で、延出部12をバッテリBTの側壁よりも外側へと飛び出させる(図2)。
【0017】
係止部材20は、このターミナル保持部材10の延出部12の第2壁面12bに組み付け、係止部21をバッテリ側方の被係止部BTbに係止させる(図1図2図5図6図8図10図12図14図16及び図18)。この係止部材20は、ターミナル保持部材10がバッテリポストPbtに対して間接的に組み付けられた状態で、係止部21をバッテリ側方の被係止部BTbに係止させることによってターミナル保持部材10におけるバッテリポストPbtの軸周りの相対回転を抑止する。この係止部材20は、そのターミナル保持部材10の相対回転を抑止することによって、バッテリポストPbtに対するバッテリターミナル501の接続姿勢を保たせる。
【0018】
ここで示す被係止部BTbには、バッテリBTの側壁等における平面部分を用いる。そして、ここで示す係止部21は、その被係止部BTbに対向配置させる平面形状に形成される。この係止部21は、例えば、被係止部BTbに面接触させることによって、被係止部BTbに係止させる。
【0019】
ところで、バッテリBTは、その容量に応じて体格が異なり、その体格毎にバッテリポストPbtの軸線とバッテリ側方の被係止部BTbとの間の最短距離Dminが変わる(図6図8図10図12図14図16及び図18)。そこで、係止部材20には、その最短距離Dminが異なる異サイズバッテリ毎の係止部21を設ける(図5図6図8図10図12図14図16及び図18)。そして、この係止部材20は、複数の異サイズバッテリの中から選択された設置対象バッテリの最短距離Dminに合わせ、この設置対象バッテリに対応させた係止部21を被係止部BTbに係止させるように、ターミナル保持部材10に対する配置を変えて、このターミナル保持部材10に組み付ける(図6図8図10図12図14図16及び図18)。これにより、このバッテリターミナル保持部品1は、体格の異なる異サイズバッテリ間での共用が可能になる。
【0020】
係止部材20は、ターミナル保持部材10との組付け後に延出部12の第2壁面12bに対向配置させる対向壁面22を有する(図1)。ここで示す係止部材20は、この対向壁面22が設けられた対向壁体23と、この対向壁体23から立ち上げた異サイズバッテリ毎の立設壁体24と、を有する(図5)。立設壁体24は、異サイズバッテリ毎に係止部21を有する。この係止部材20においては、対向壁体23と立設壁体24が平板状に形成され、その対向壁体23から異サイズバッテリ毎の立設壁体24を垂設させている。
【0021】
ここでは、7つの異サイズバッテリ(第1から第7のバッテリBT1-BT7)に対応可能な係止部材20を例示している(図1図5から図19)。この係止部材20は、その異サイズバッテリ毎の係止部21として、第1から第7のバッテリBT1-BT7に各々対応させた第1から第7の係止部21A-21Gを有している(図1及び図5)。そして、この係止部材20は、その第1から第7の係止部21A-21G毎の第1から第7の立設壁体24A-24Gを有している(図5)。
【0022】
ターミナル保持部材10と係止部材20の間には、その相互間を異サイズバッテリ毎の組付け位置で組み付けて、設置対象バッテリの被係止部BTbに当該設置対象バッテリ用の係止部21を係止させることが可能な部材間接続構造30を設けている(図1及び図3から図5)。この部材間接続構造30は、ターミナル保持部材10と係止部材20の内の一方に設けた第1接続部31及び位置決め軸32と、ターミナル保持部材10と係止部材20の内の他方に設けた第2接続部33及び異サイズバッテリ毎の嵌入位置決め部34と、を備える(図1及び図3から図5)。
【0023】
第1接続部31と第2接続部33は、互いを係止し合うことによって保持し合い、ターミナル保持部材10と係止部材20を組付け状態に保たせる。この第1接続部31と第2接続部33は、その内の一方が接続軸であり、かつ、その内の他方が接続軸を嵌め入れ且つ係止する嵌入接続部である。
【0024】
この例示では、第1接続部31が嵌入接続部としてターミナル保持部材10の延出部12に形成され、第2接続部33を接続軸として係止部材20の対向壁面22から突出させる。
【0025】
第1接続部(嵌入接続部)31は、第2接続部(接続軸)33を延出部12の第2壁面12b側から第1壁面12a側に挿通させる貫通孔31aと、この貫通孔31aの周縁で第1壁面12aよりも突出させ、貫通孔31aに差し込んだ第2接続部(接続軸)33を係止する係止部(以下、「第1部材間係止部」という。)31bと、を有する(図3及び図4)。ここでは、円形の貫通孔31aが形成され、この貫通孔31aと同軸の円筒を軸周りで複数(この例示では、4つ)に分割したが如き可撓性を持つ弧状の複数の片部が第1部材間係止部31bとして形成されている。第2接続部(接続軸)33は、その貫通孔31aや円筒の内径よりも細く、先端を各第1部材間係止部31bの先端よりも突き出させる軸部33aと、この軸部33aの先端に設け、各第1部材間係止部31bの先端に係止させる係止部(以下、「第2部材間係止部」という。)33bと、を有する(図1及び図5)。ここでは、貫通孔31aや円筒の内径よりも軸径の細い円柱形状に軸部33aが形成され、この軸部33aの先端に、その円筒の内径よりも大きい半球形状の第2部材間係止部33bが形成されている。
【0026】
第2接続部(接続軸)33は、その先端の第2部材間係止部33bから貫通孔31aに差し込み、その第2部材間係止部33bで各第1部材間係止部31bを外側に押し広げながら、この第2部材間係止部33bを各第1部材間係止部31bの先端の先に突き出させ、元の形状に戻った各第1部材間係止部31bの先端に第2部材間係止部33bを係止させる。これにより、第1接続部(嵌入接続部)31と第2接続部(接続軸)33は、互い係止し合い、ターミナル保持部材10と係止部材20を組付け状態に保たせる。
【0027】
位置決め軸32は、設置対象バッテリ用の嵌入位置決め部34と組み合わせることによって、設置対象バッテリの被係止部BTbに当該設置対象バッテリ用の係止部21を係止させる。この位置決め軸32は、嵌合状態の第1接続部31及び第2接続部33の軸線に対して平行に配置される。嵌入位置決め部34は、嵌合状態の第1接続部31及び第2接続部33の軸線からの距離が等距離で且つ当該軸線の軸周りに異サイズバッテリ毎に配置される。この嵌入位置決め部34は、位置決め軸32を異サイズバッテリ毎に嵌め入れさせる。
【0028】
位置決め軸32は、嵌合状態の第1接続部(嵌入接続部)31及び第2接続部(接続軸)33の軸線から所定の距離を空けて突出させる(図4)。そして、嵌入位置決め部34は、係止部材20の対向壁面22にて、その軸線から所定の距離を空けた位置に異サイズバッテリ毎に形成される(図5)。つまり、ここでは、嵌合状態の第1接続部(嵌入接続部)31及び第2接続部(接続軸)33の軸線から位置決め軸32の軸線までの距離と、嵌合状態の第1接続部(嵌入接続部)31及び第2接続部(接続軸)33の軸線から嵌入位置決め部34の軸線までの距離と、を一致させる。
【0029】
この例示では、位置決め軸32をターミナル保持部材10の延出部12の第2壁面12bから突出させ、嵌入位置決め部34が異サイズバッテリ毎に係止部材20の対向壁面22に形成される。ここで示す位置決め軸32は、円柱形状の軸部として形成されている。また、ここで示す嵌入位置決め部34は、円柱形状の貫通孔として係止部材20の対向壁体23に形成されている。その対向壁体23には、第1から第7のバッテリBT1-BT7に各々対応させた第1から第7の嵌入位置決め部34A-34Gが形成されている(図5)。
【0030】
部材間接続構造30においては、第1接続部(嵌入接続部)31と第2接続部(接続軸)33の軸周りにターミナル保持部材10と係止部材20を相対回転させ、位置決め軸32を設置対象バッテリ用の嵌入位置決め部34に差し込ませる(図6から図26)。これにより、ターミナル保持部材10と係止部材20は、設置対象バッテリの被係止部BTbに当該設置対象バッテリ用の係止部21を係止させ得る位置で組み付けられる。
【0031】
ここで、そのそれぞれの係止部21(第1から第7の係止部21A-21G)は、嵌合状態の第1接続部(嵌入接続部)31及び第2接続部(接続軸)33の軸線の軸周りで、その軸線と設置対象バッテリの被係止部BTbとの間の最小間隔Sminに合わせた位置に異サイズバッテリ毎に配置されている(図5図7図9図11図13図15図17及び図19)。
【0032】
また、嵌入位置決め部34を設けたターミナル保持部材10又は係止部材20には、設置対象バッテリ用の嵌入位置決め部34を識別する異サイズバッテリ毎の識別部41を設けている(図5)。例えば、この識別部41は、嵌合状態の第1接続部(嵌入接続部)31及び第2接続部(接続軸)33の軸線の軸周りで、嵌入位置決め部34に隣設させて異サイズバッテリ毎に形成される。ここでは、異サイズバッテリ毎の識別部41(第1から第7の識別部41A-41G)として、設置対象バッテリ(第1から第7のバッテリBT1-BT7)を示す文字等の刻印が係止部材20の対向壁面22に形成されている(図5)。そして、ターミナル保持部材10の延出部12には、位置決め軸32が入り込んでいる設置対象バッテリ用の嵌入位置決め部34を識別するべく、この設置対象バッテリ用の識別部41のみを目視可能な貫通孔形状の覗き窓42が形成されている(図1図3図4図7図9図11図13図15図17及び図19)。
【0033】
図6及び図7は、設置対象バッテリが第1バッテリBT1のときのターミナル保持部材10と係止部材20の組付け状態を示しており、その第1バッテリBT1用の係止部21Aを第1バッテリBT1の被係止部BTbに係止させている。図8及び図9は、設置対象バッテリが第2バッテリBT2のときのターミナル保持部材10と係止部材20の組付け状態を示しており、その第2バッテリBT2用の係止部21Bを第2バッテリBT2の被係止部BTbに係止させている。図10及び図11は、設置対象バッテリが第3バッテリBT3のときのターミナル保持部材10と係止部材20の組付け状態を示しており、その第3バッテリBT3用の係止部21Cを第3バッテリBT3の被係止部BTbに係止させている。図12及び図13は、設置対象バッテリが第4バッテリBT4のときのターミナル保持部材10と係止部材20の組付け状態を示しており、その第4バッテリBT4用の係止部21Dを第4バッテリBT4の被係止部BTbに係止させている。図14及び図15は、設置対象バッテリが第5バッテリBT5のときのターミナル保持部材10と係止部材20の組付け状態を示しており、その第5バッテリBT5用の係止部21Eを第5バッテリBT5の被係止部BTbに係止させている。図16及び図17は、設置対象バッテリが第6バッテリBT6のときのターミナル保持部材10と係止部材20の組付け状態を示しており、その第6バッテリBT6用の係止部21Fを第6バッテリBT6の被係止部BTbに係止させている。図18及び図19は、設置対象バッテリが第7バッテリBT7のときのターミナル保持部材10と係止部材20の組付け状態を示しており、その第7バッテリBT7用の係止部21Gを第7バッテリBT7の被係止部BTbに係止させている。
【0034】
以上示したように、本実施形態のバッテリターミナル保持部品1は、ターミナル保持部材10と係止部材20の組付け位置を異サイズバッテリ毎に切り替えて、設置対象バッテリの被係止部BTbに当該設置対象バッテリ用の係止部21を係止させることができる。つまり、このバッテリターミナル保持部品1は、ターミナル保持部材10と係止部材20の組付け位置を異サイズバッテリ毎に切り替えることによって、体格の異なるバッテリ間で共用することができる。従って、このバッテリターミナル保持部品1は、異サイズバッテリ毎にバッテリポストPbtの軸周りの相対回転を抑止して、そのバッテリポストPbtに対するバッテリターミナル501の接続姿勢を保つことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 バッテリターミナル保持部品
10 ターミナル保持部材
20 係止部材
21 係止部
21A-21G 第1から第7の係止部
30 部材間接続構造
31 第1接続部
32 位置決め軸
33 第2接続部
34 嵌入位置決め部
34A-34G 第1から第7の嵌入位置決め部
41 識別部
41A-41G 第1から第7の識別部
501 バッテリターミナル
BT1-BT7 第1から第7のバッテリ
BTb 被係止部
Pbt バッテリポスト
図1
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