(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176211
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 107
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094591
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】亀井 宏行
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EC03
2C056EC06
2C056EC38
2C056FA10
2C056FA11
2C056HA06
2C056HA37
(57)【要約】
【課題】媒体から異物を適切に除去できる液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、搬送領域A1を搬送される媒体99に対して第1方向D1及び第2方向D2に往復移動しながら液体を吐出する吐出部21と、搬送領域に対して第1方向に位置する回収部と、制御部43と、を備え、吐出部は、液体を吐出するノズル23が開口するノズル面24を有するヘッド22と、ヘッドに対して第1方向に位置し、電圧が印加される除去電極と、を有し、制御部は、吐出部が第1方向に移動する場合に、除去電極が媒体と対向するときと回収部と対向するときとで除去電極に印加する電圧の極性を切り換える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送領域を搬送される媒体に対して第1方向及び第2方向に往復移動しながら液体を吐出する吐出部と、
前記搬送領域に対して前記第1方向に位置する回収部と、
制御部と、を備え、
前記吐出部は、
液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有するヘッドと、
前記ヘッドに対して前記第1方向に位置し、電圧が印加される除去電極と、を有し、
前記制御部は、前記吐出部が前記第1方向に移動する場合に、前記除去電極が媒体と対向するときと前記回収部と対向するときとで前記除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記回収部は、回収電極を有し、
前記制御部は、前記除去電極が前記回収部と対向するときに前記除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記回収電極に印加することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記回収部は、第1回収部であり、
前記除去電極は、第1除去電極であり、
前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、
前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、
前記制御部は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記回収部は、第1回収部であり、
前記除去電極は、第1除去電極であり、
前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、
前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、
前記制御部は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記第2回収部は、回収電極を有し、
前記制御部は、前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記回収電極に印加することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記回収電極は、第1回収電極であり、
前記第2回収部は、第2回収電極を有し、
前記制御部は、前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記第2回収電極に印加することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記第1除去電極が媒体と対向するときに前記第1除去電極に印加される電圧の極性と、前記第2除去電極が媒体と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なり、
前記第1回収電極に印加される電圧の極性と、前記第2回収電極に印加される電圧の極性とは異なることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記吐出部を収容する筐体と、
前記筐体に対して開閉するように取り付けられ、前記筐体に対して開くことによって前記吐出部を露出させる開閉体と、
前記開閉体が開いたことを検知する検知部と、を備え、
前記制御部は、前記開閉体が開いたことを前記検知部が検知した場合に、電圧の印加を停止することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
搬送領域を搬送される媒体に対して第1方向及び第2方向に往復移動しながら液体を吐出する吐出部と、
前記搬送領域に対して前記第1方向に位置する回収部と、を備え、
前記吐出部は、
液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有するヘッドと、
前記ヘッドに対して前記第1方向に位置し、電圧が印加される除去電極と、を有する液体吐出装置の制御方法であって、
前記吐出部が前記第1方向に移動する場合に、前記除去電極が媒体と対向するときと前記回収部と対向するときとで前記除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを含むことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
【請求項10】
前記除去電極が前記回収部と対向するときに前記除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記回収部が有する回収電極に印加することを含むことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項11】
前記回収部は、第1回収部であり、
前記除去電極は、第1除去電極であり、
前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、
前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、
前記液体吐出装置の制御方法は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを含むことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項12】
前記回収部は、第1回収部であり、
前記除去電極は、第1除去電極であり、
前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、
前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、
前記液体吐出装置の制御方法は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを含むことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項13】
前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記第2回収部が有する回収電極に印加することを含むことを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項14】
前記回収電極は、第1回収電極であり、
前記液体吐出装置の制御方法は、前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記第2回収部が有する第2回収電極に印加することを含むことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項15】
前記第1除去電極が媒体と対向するときに、前記第2除去電極が媒体と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性と異なる極性の電圧を前記第1除去電極に印加することと、
前記第2回収電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を前記第1回収電極に印加することと、を含むことを特徴とする請求項14に記載の液体吐出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、媒体に液体を吐出するヘッドと、媒体に空気を吹き付けることによって媒体から紙粉、塵埃などの異物を除去する除去機構を備える液体吐出装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした液体吐出装置においては、媒体に空気を吹き付けることによって媒体から異物が舞い上がるおそれがある。この場合、舞い上がった異物がヘッドに付着するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体吐出装置は、搬送領域を搬送される媒体に対して第1方向及び第2方向に往復移動しながら液体を吐出する吐出部と、前記搬送領域に対して前記第1方向に位置する回収部と、制御部と、を備え、前記吐出部は、液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有するヘッドと、前記ヘッドに対して前記第1方向に位置し、電圧が印加される除去電極と、を有し、前記制御部は、前記吐出部が前記第1方向に移動する場合に、前記除去電極が媒体と対向するときと前記回収部と対向するときとで前記除去電極に印加する電圧の極性を切り換える。
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置の制御方法は、搬送領域を搬送される媒体に対して第1方向及び第2方向に往復移動しながら液体を吐出する吐出部と、前記搬送領域に対して前記第1方向に位置する回収部と、を備え、前記吐出部は、液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有するヘッドと、前記ヘッドに対して前記第1方向に位置し、電圧が印加される除去電極と、を有する液体吐出装置の制御方法であって、前記吐出部が前記第1方向に移動する場合に、前記除去電極が媒体と対向するときと前記回収部と対向するときとで前記除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、液体吐出装置の一実施例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、液体吐出装置の内部を示す正面図である。
【
図3】
図3は、第1除去電極が異物を除去するときの正面図である。
【
図4】
図4は、第1回収部が異物を回収するときの正面図である。
【
図5】
図5は、第2除去電極が異物を除去するときの正面図である。
【
図6】
図6は、第2回収部が異物を回収するときの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、液体吐出装置の一実施例について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。詳しくは、液体吐出装置は、シリアルプリンターである。
【0009】
<液体吐出装置>
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12を備える。筐体12には、供給口13と、排出口14とが開口する。供給口13を通じて、媒体99が筐体12内に供給される。詳しくは、印刷前の媒体99が供給口13から供給される。一例では、供給口13は、筐体12の後面に開口する。排出口14を通じて、媒体99が筐体12内から排出される。詳しくは、印刷済みの媒体99が排出口14から排出される。一例では、排出口14は、筐体12の前面に開口する。
【0010】
液体吐出装置11は、供給トレイ15を備えてもよい。供給トレイ15には、1以上の媒体99が積載される。供給トレイ15は、供給口13から延びる。一例では、供給トレイ15は、筐体12内から斜め上方に向かって延びる。そのため、媒体99は、供給トレイ15上において、筐体12内に向かって滑り落ちるように移動しやすい。供給トレイ15は、筐体12内に収容可能に構成されてもよい。
【0011】
液体吐出装置11は、排出トレイ16を備えてもよい。排出トレイ16は、排出口14から排出される媒体99を受けるトレイである。排出トレイ16は、排出口14から延びる。排出トレイ16は、筐体12に収容可能に構成されてもよい。
【0012】
液体吐出装置11は、開閉体17を備えてもよい。開閉体17は、筐体12に取り付けられる。開閉体17は、筐体12に対して開閉する。
図1に示す開閉体17は、筐体12に対して閉じている。開閉体17は、筐体12の上部に位置する。開閉体17は、例えば、カバーである。開閉体17は、例えば、画像を読み取るスキャナーであってもよい。開閉体17が開くと、筐体12内が露出される。詳しくは、開閉体17が開くことによって、後述する吐出部21が露出する。ユーザーは、開閉体17を開くことによって、吐出部21にアクセスできる。ユーザーは、吐出部21にアクセスすることによって、吐出部21をメンテナンスできる。
【0013】
液体吐出装置11は、操作パネル18を備えてもよい。操作パネル18は、液体吐出装置11を操作するためのパネルである。操作パネル18は、例えば、筐体12に取り付けられる。一例では、操作パネル18は、筐体12の前面に位置する。操作パネル18は、ボタン、スイッチ、レバー、ディスプレイなどを有してもよい。操作パネル18を通じて、ユーザーは、液体吐出装置11を操作する。
【0014】
図2に示すように、媒体99は、筐体12内において、搬送方向Y1に搬送される。搬送方向Y1は、筐体12の後面から筐体12の前面に向かう方向である。媒体99は、筐体12内において、搬送領域A1を搬送方向Y1に搬送される。搬送領域A1は、筐体12内において媒体99が通過する領域である。詳しくは、搬送領域A1は、液体吐出装置11を正面から見た場合に、媒体99が通過する領域を示す。一例では、搬送領域A1は、後述する支持部31が位置する領域である。
【0015】
液体吐出装置11は、吐出部21を備える。吐出部21は、筐体12に収容される。吐出部21は、媒体99に液体を吐出するように構成される。吐出部21は、媒体99に液体を吐出することによって、媒体99に画像を印刷する。
【0016】
吐出部21は、搬送領域A1を搬送される媒体99に液体を吐出する。吐出部21は、媒体99に対して第1方向D1及び第2方向D2に往復移動しながら液体を吐出する。第1方向D1は、搬送方向Y1と異なる方向である。第2方向D2は、第1方向D1と反対の方向である。吐出部21は、第1方向D1及び第2方向D2に往復移動することによって、媒体99に対して走査する。吐出部21は、第1方向D1及び第2方向D2に移動することによって、搬送領域A1を横断する。このとき、吐出部21は、搬送領域A1と搬送領域A1外とを移動する。
【0017】
吐出部21は、ヘッド22を有する。ヘッド22は、1以上のノズル23が開口するノズル面24を有する。ノズル面24は、媒体99と対向する。ヘッド22は、ノズル23から液体を吐出する。
【0018】
吐出部21は、キャリッジ25を有する。キャリッジ25は、ヘッド22を搭載する。キャリッジ25は、第1方向D1及び第2方向D2に移動するように構成される。キャリッジ25が移動することによって、ヘッド22が移動する。
【0019】
吐出部21は、媒体99上を往復移動する場合に、往路及び復路を移動する。吐出部21は、媒体99上を往復移動する場合に、第1方向D1に移動した後に第2方向D2に移動する。したがって、吐出部21は、往路を第1方向D1に移動する。吐出部21は、復路を第2方向D2に移動する。
【0020】
吐出部21は、単方向印刷を実施してもよいし、双方向印刷を実施してもよい。単方向印刷では、吐出部21は、往路又は復路において媒体99に液体を吐出する。双方向印刷では、往路及び復路の双方において媒体99に液体を吐出する。
【0021】
吐出部21は、1以上の除去電極を有する。一例では、吐出部21は、第1除去電極26と、第2除去電極27とを有する。除去電極は、キャリッジ25に搭載される。除去電極は、媒体99と対向する。除去電極は、第1方向D1及び第2方向D2においてヘッド22と並ぶ。除去電極は、ヘッド22に対して第1方向D1に位置してもよいし、ヘッド22に対して第2方向D2に位置してもよい。すなわち、除去電極は、ヘッド22から第1方向D1にずれた位置に位置してもよいし、ヘッド22から第2方向D2にずれた位置に位置してもよい。第1除去電極26は、ヘッド22に対して第1方向D1に位置する。第2除去電極27は、ヘッド22に対して第2方向D2に位置する。
【0022】
除去電極は、吐出部21が往復移動する場合に、往路又は復路においてヘッド22に対して先行する。例えば、吐出部21が第1方向D1に移動する場合には、第1除去電極26は、ヘッド22に対して先行する。すなわち、吐出部21が往路を移動する場合に、第1除去電極26は、ヘッド22に対して先行する。吐出部21が第2方向D2に移動する場合には、第2除去電極27は、ヘッド22に対して先行する。すなわち、吐出部21が復路を移動する場合に、第2除去電極27がヘッド22に対して先行する。
【0023】
除去電極には、電圧が印加される。これにより、除去電極は、正極又は負極になる。除去電極は、正の電圧が印加されることによって正極になり、負の電圧が印加されることによって負極になる。除去電極は、クーロン力によって媒体99から異物を除去する。異物は、媒体99に付着する紙粉、塵埃などである。異物は、正又は負に帯電していることがある。除去電極に正の電圧が印加されることによって、負に帯電する異物が除去電極に吸着される。除去電極に負の電圧が印加されることによって、正に帯電する異物が除去電極に吸着される。
【0024】
除去電極は、印刷中において媒体99から異物を除去する。すなわち、ヘッド22が媒体99に液体を吐出する一方で、除去電極が媒体99から異物を除去する。ヘッド22に対して先行する除去電極によって異物が除去された媒体99にヘッド22が液体を吐出することによって、印刷品質が向上する。
【0025】
除去電極に印加される電圧の極性は、適宜切り換えられる。除去電極が搬送領域A1に位置する場合と搬送領域A1外に位置する場合とで、除去電極に印加される電圧の極性が切り換えられる。除去電極に印加される電圧の極性が切り換えられると、除去電極に吸着されていた異物が除去電極と反発する。これにより、除去電極は、搬送領域A1において異物を吸着し、搬送領域A1外において異物を落下させる。したがって、除去電極は、異物を搬送領域A1外に案内する。除去電極に印加される電圧の極性については、後で説明する。
【0026】
液体吐出装置11は、支持部31を備える。支持部31は、媒体99を支持する。支持部31は、吐出部21と対向するように位置する。支持部31は、吐出部21によって印刷される媒体99を支持する。支持部31は、搬送領域A1を搬送される媒体99を支持する。一例では、支持部31は、搬送領域A1を規定する。
【0027】
液体吐出装置11は、1以上の回収部を備える。一例では、液体吐出装置11は、第1回収部32と、第2回収部33とを備える。回収部は、除去電極に吸着される異物を回収するように構成される。
【0028】
回収部は、搬送領域A1外に位置する。回収部は、搬送領域A1に対して第1方向D1又は第2方向D2に位置する。すなわち、回収部は、搬送領域A1に対して第1方向D1にずれた位置に位置してもよいし、搬送領域A1に対して第2方向D2にずれた位置に位置してもよい。第1回収部32は、搬送領域A1に対して第1方向D1に位置する。第2回収部33は、搬送領域A1に対して第2方向D2に位置する。回収部は、第1方向D1及び第2方向D2において支持部31と並ぶ。詳しくは、第1回収部32は、支持部31に対して第1方向D1に位置する。第2回収部33は、支持部31に対して第2方向D2に位置する。
【0029】
回収部は、搬送領域A1外に位置する除去電極と対向する。詳しくは、回収部は、ヘッド22に対して先行する除去電極と対向する。第1回収部32は、第1除去電極26と対向する。第1回収部32は、第1方向D1に移動することによって搬送領域A1から搬送領域A1外に変位した第1除去電極26と対向する。このとき、第1回収部32は、第1除去電極26から異物を回収する。第2回収部33は、第2除去電極27と対向する。第2回収部33は、第2方向D2に移動することによって搬送領域A1から搬送領域A1外に変位した第2除去電極27と対向する。このとき、第2回収部33は、第2除去電極27から異物を回収する。
【0030】
回収部は、回収体を有する。第1回収部32は、第1回収体34を有する。第2回収部33は、第2回収体35を有する。回収体は、除去電極から落下する異物を受ける。回収体は、例えば、上部が開口する容器である。第1回収体34は、第1除去電極26から落下する異物を受ける。第2回収体35は、第2除去電極27から落下する異物を受ける。詳しくは、第1回収体34は、第1除去電極26に印加される電圧の極性が切り換わることによって、第1除去電極26と反発する異物を受ける。第2回収体35は、第2除去電極27に印加される電圧の極性が切り換わることによって、第2除去電極27と反発する異物を受ける。
【0031】
回収体は、底面を有する。第1回収体34は、第1底面36を有する。第2回収体35は、第2底面37を有する。底面は、除去電極から落下する異物を受ける面である。第1底面36は、第1除去電極26から落下する異物を受ける。第2底面37は、第2除去電極27から落下する異物を受ける。
【0032】
回収部は、回収電極を有してもよい。一例では、第1回収部32は、第1回収電極38を有する。第2回収部33は、第2回収電極39を有する。回収電極は、回収体に取り付けられる。一例では、回収電極は、底面に位置する。第1回収電極38は、第1底面36に位置する。第2回収電極39は、第2底面37に位置する。
【0033】
回収電極には、電圧が印加される。これにより、回収電極は、正極又は負極になる。回収電極は、正の電圧が印加されることによって正極になり、負の電圧が印加されることによって負極になる。回収電極は、クーロン力によって除去電極から異物を回収する。回収電極によって、除去電極から回収体に異物が進入しやすくなる。回収電極は、正の電圧が印加されることによって、負に帯電する異物を回収体に案内する。回収電極は、負の電圧が印加されることによって、正に帯電する異物を回収体に案内する。
【0034】
回収電極に印加される電圧の極性は、不変である。すなわち、第1回収電極38には、正の電圧又は負の電圧が印加される。第2回収電極39には、正の電圧又は負の電圧が印加される。回収電極に印加される電圧の極性については、後で説明する。
【0035】
第1回収電極38に印加される電圧と、第2回収電極39に印加される電圧とは、同じ極性でもよいし、異なる極性でもよい。例えば、第1回収電極38及び第2回収電極39の双方に正の電圧が印加される場合には、第1回収部32及び第2回収部33は、負に帯電する異物を回収できる。一例では、第1回収電極38に印加される電圧と、第2回収電極39に印加される電圧とは、異なる極性である。これにより、正に帯電する異物と負に帯電する異物との双方が第1回収部32及び第2回収部33によって回収される。
【0036】
液体吐出装置11は、電源回路41を備える。電源回路41は、除去電極に電圧を印加する回路である。電源回路41は、除去電極と接続される。一例では、電源回路41は、第1除去電極26及び第2除去電極27と接続される。電源回路41は、正の電圧及び負の電圧を除去電極に印加するように構成される。電源回路41は、第1除去電極26に印加される電圧の極性を切り換える。電源回路41は、第2除去電極27に印加される電圧の極性を切り換える。電源回路41は、液体吐出装置11の電源がONの間、除去電極に電圧を印加するようにしてもよいし、液体吐出装置11が印刷を行っている間のみ、除去電極に電圧を印加するようにしてもよい。
【0037】
電源回路41は、回収電極に電圧を印加してもよい。電源回路41は、回収電極と接続されてもよい。一例では、電源回路41は、第1回収電極38及び第2回収電極39と接続される。電源回路41は、正の電圧又は負の電圧を回収電極に印加するように構成される。電源回路41は、正の電圧又は負の電圧を第1回収電極38に印加する。電源回路41は、正の電圧又は負の電圧を第2回収電極39に印加する。電源回路41は、液体吐出装置11の電源がONの間、回収電極に電圧を印加するようにしてもよいし、液体吐出装置11が印刷を行っている間のみ、除去電極に電圧を印加するようにしてもよい。
【0038】
液体吐出装置11は、電源回路41を複数備えてもよい。例えば、液体吐出装置11は、除去電極に電圧を印加する除去電源回路と、回収電極に電圧を印加する回収電源回路とを備える。
【0039】
液体吐出装置11は、検知部42を備える。検知部42は、開閉体17の開閉を検知する。詳しくは、検知部42は、開閉体17が開いたことを検知する。検知部42は、圧力センサーでもよいし、光学式センサーでもよい。検知部42は、筐体12又は開閉体17に取り付けられる。
【0040】
液体吐出装置11は、制御部43を備える。制御部43は、コンピュータープログラムにしたがって各種処理を実行する1つ以上のプロセッサーで構成されてもよい。制御部43は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路などの1つ以上の専用のハードウェア回路で構成されてもよい。制御部43は、プロセッサー及びハードウェア回路の組み合わせを含む回路として構成されてもよい。プロセッサーは、CPU、並びに、RAM及びROMなどのメモリーを含む。メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は、指令を格納している。メモリー、すなわちコンピューター可読媒体は、汎用又は専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0041】
制御部43は、電源回路41を制御する。これにより、制御部43は、除去電極に印加される電圧を制御する。詳しくは、制御部43は、除去電極に印加される電圧の極性を切り換える。制御部43は、回収電極に印加される電圧を制御する。制御部43は、電源回路41の他に、吐出部21を制御してもよい。一例では、制御部43は、液体吐出装置11を統括的に制御する。
【0042】
制御部43は、検知部42の検知結果に基づいて、電源回路41を制御する。詳しくは、制御部43は、開閉体17が開いたことを検知部42が検知した場合に、電圧の印加を停止する。制御部43は、電源回路41による除去電極及び回収電極への電圧印加を停止する。このとき、制御部43は、回収電極への電圧供給も停止する。すなわち、液体吐出装置11の電源がONであっても、開閉体17が開く場合には、除去電極及び回収電極への電圧供給が停止される。開閉体17が開く場合、ユーザーが筐体12内に手を差し入れることがある。すなわち、ユーザーが除去電極、及び回収電極に触れるおそれがある。電極に対する電圧の供給を停止することによって、筐体12内にユーザーが安全にアクセスできる。
【0043】
<印加電圧の制御>
次に、制御部43による印加電圧の制御について説明する。制御部43は、除去電極及び回収電極に対する印加電圧を制御する。
【0044】
制御部43は、除去電極が媒体99と対向するときと、除去電極が回収部と対向するときとで、除去電極に印加される電圧の極性を切り換える。詳しくは、制御部43は、吐出部21が往路又は復路を移動する場合に、ヘッド22に対して先行する除去電極が媒体99と対向するときと回収部と対向するときとで、その除去電極に印加する電圧の極性を切り換える。
【0045】
図3及び
図4に示すように、制御部43は、吐出部21が第1方向D1に移動する場合に、第1除去電極26が媒体99と対向するときと第1回収部32と対向するときとで、第1除去電極26に印加する電圧の極性を切り換える。一例では、吐出部21が第1方向D1に移動する場合において、制御部43は、第1除去電極26が搬送領域A1に位置するとき、第1除去電極26に負の電圧を印加する。これにより、正に帯電する異物が媒体99から除去される。吐出部21が第1方向D1に移動する場合において、制御部43は、第1除去電極26が第1回収部32と対向するとき、第1除去電極26に正の電圧を印加する。すなわち、制御部43は、吐出部21が第1方向D1に移動する過程において、第1除去電極26に印加する電圧の極性を切り換える。異物は、第1除去電極26と反発することによって落下する。吐出部21が第2方向D2に移動する場合においては、制御部43は、第1除去電極26に正の電圧を印加したままでもよいし、第1除去電極26に負の電圧を印加してもよい。吐出部21が第2方向D2に移動する場合において、制御部43は、第1除去電極26が媒体99と対向するときに第1除去電極26に負の電圧を印加することによって、復路においても第1除去電極26によって異物を除去できる。
【0046】
制御部43は、第1除去電極26が第1回収部32と対向するときに第1除去電極26に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、第1回収電極38に印加する。一例では、制御部43は、負の電圧を第1回収電極38に印加する。これにより、第1回収部32は、第1除去電極26と反発した異物を効果的に回収する。
【0047】
制御部43は、第1除去電極26が媒体99と対向するときに、第1除去電極26に正の電圧を印加してもよい。この場合、制御部43は、第1除去電極26が第1回収部32と対向するときに、第1除去電極26に負の電圧を印加する。さらに、制御部43は、第1回収電極38に正の電圧を印加する。
【0048】
図5及び
図6に示すように、制御部43は、吐出部21が第2方向D2に移動する場合に、第2除去電極27が媒体99と対向するときと第2回収部33と対向するときとで、第2除去電極27に印加する電圧の極性を切り換える。一例では、吐出部21が第2方向D2に移動する場合において、制御部43は、第2除去電極27が搬送領域A1に位置するとき、第2除去電極27に正の電圧を印加する。これにより、負に帯電する異物が媒体99から除去される。吐出部21が第2方向D2に移動する場合において、制御部43は、第2除去電極27が第2回収部33と対向するとき、第2除去電極27に負の電圧を印加する。すなわち、制御部43は、吐出部21が第2方向D2に移動する過程において、第2除去電極27に印加する電圧の極性を切り換える。異物は、第2除去電極27と反発することによって落下する。吐出部21が第1方向D1に移動する場合においては、制御部43は、第2除去電極27に負の電圧を印加したままでもよいし、第2除去電極27に正の電圧を印加してもよい。吐出部21が第1方向D1に移動する場合において、制御部43は、第2除去電極27が媒体99と対向するときに第2除去電極27に正の電圧を印加することによって、往路においても第2除去電極27によって異物を除去できる。
【0049】
制御部43は、第2除去電極27が第2回収部33と対向するときに第2除去電極27に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、第2回収電極39に印加する。一例では、制御部43は、正の電圧を第2回収電極39に印加する。これにより、第2回収部33は、第2除去電極27と反発した異物を効果的に回収する。
【0050】
制御部43は、第2除去電極27が媒体99と対向するときに、第2除去電極27に負の電圧を印加してもよい。この場合、制御部43は、第2除去電極27が第2回収部33と対向するときに、第2除去電極27に正の電圧を印加する。さらに、制御部43は、第2回収電極39に負の電圧を印加する。
【0051】
制御部43は、第1除去電極26が媒体99と対向するときに第1除去電極26に印加する電圧の極性と第2除去電極27が媒体99と対向するときに第2除去電極27に電圧の極性とが異なるように、電源回路41を制御するとよい。すなわち、第1除去電極26が媒体99と対向するときに第1除去電極26に印加される電圧の極性と、第2除去電極27が媒体99と対向するときに第2除去電極27に印加される電圧の極性とは、異なるとよい。詳しくは、吐出部21が第1方向D1に移動する場合において第1除去電極26が媒体99と対向するときに第1除去電極26に印加される電圧の極性と、吐出部21が第2方向D2に移動する場合において第2除去電極27が媒体99と対向するときに第2除去電極27に印加される電圧の極性とは、異なる。これにより、第1除去電極26及び第2除去電極27によって、正に帯電する異物及び負に帯電する異物の双方が除去される。また、この場合には、第1回収電極38に印加される電圧の極性と、第2回収電極39に印加される電圧の極性とは、異なる。
【0052】
<作用及び効果>
次に、上記実施例の作用及び効果について説明する。
(1)制御部43は、吐出部21が第1方向D1に移動する場合に、第1除去電極26が媒体99と対向するときと第1回収部32と対向するときとで第1除去電極26に印加する電圧の極性を切り換える。上記構成によれば、第1除去電極26は、媒体99と対向する場合に、クーロン力によって媒体99から異物を除去する。第1除去電極26に印加される電圧の極性が切り換わると、第1除去電極26と異物とが反発する。そのため、第1除去電極26は、第1回収部32と対向する場合に、異物を第1回収部32に向けて落下させる。第1回収部32が異物を回収することによって、異物がヘッド22に付着するおそれが低減される。したがって、媒体99から異物を適切に除去できる。
【0053】
(2)制御部43は、第1除去電極26が第1回収部32と対向するときに第1除去電極26に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、第1回収電極38に印加する。上記構成によれば、第1除去電極26と反発する異物が第1回収電極38に吸着される。すなわち、第1回収部32が異物を回収しやすくなる。
【0054】
(3)制御部43は、吐出部21が第2方向D2に移動する場合に、第2除去電極27が媒体99と対向するときと第2回収部33と対向するときとで第2除去電極27に印加する電圧の極性を切り換える。上記構成によれば、吐出部21が第2方向D2に移動する場合に、第2除去電極27が媒体99から異物を除去できる。
【0055】
(4)制御部43は、第2除去電極27が第2回収部33と対向するときに第2除去電極27に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、第2回収電極39に印加する。上記構成によれば、第2除去電極27と反発する異物が第2回収電極39に吸着される。すなわち、第2回収部33が異物を回収しやすくなる。
【0056】
(5)第1除去電極26が媒体99と対向するときに第1除去電極26に印加される電圧の極性と、第2除去電極27が媒体99と対向するときに第2除去電極27に印加される電圧の極性とは異なる。第1回収電極38に印加される電圧の極性と、第2回収電極39に印加される電圧の極性とは異なる。上記構成によれば、正に帯電する異物、及び、負に帯電する異物の双方を第1回収部32及び第2回収部33が回収できる。
【0057】
(6)制御部43は、開閉体17が開いたことを検知部42が検知した場合に、電圧の印加を停止する。上記構成によれば、電圧が印加された電極にユーザーが触れるおそれが低減される。
【0058】
<変更例>
上記実施例は、以下のように変更して実施できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0059】
・吐出部21は、往路を移動する場合に、第2方向D2に移動してもよい。すなわち、吐出部21は、復路を移動する場合に、第1方向D1に移動してもよい。
・回収電極は、回収体に埋め込まれていてもよい。
【0060】
・吐出部21が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、吐出部21が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材又は画素材料などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を吐出してもよい。
【0061】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0062】
(A)液体吐出装置は、搬送領域を搬送される媒体に対して第1方向及び第2方向に往復移動しながら液体を吐出する吐出部と、前記搬送領域に対して前記第1方向に位置する回収部と、制御部と、を備え、前記吐出部は、液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有するヘッドと、前記ヘッドに対して前記第1方向に位置し、電圧が印加される除去電極と、を有し、前記制御部は、前記吐出部が前記第1方向に移動する場合に、前記除去電極が媒体と対向するときと前記回収部と対向するときとで前記除去電極に印加する電圧の極性を切り換える。
【0063】
上記構成によれば、除去電極は、媒体と対向する場合に、クーロン力によって媒体から異物を除去する。除去電極に印加される電圧の極性が切り換わると、除去電極と異物とが反発する。そのため、除去電極は、回収部と対向する場合に、異物を回収部に向けて落下させる。回収部が異物を回収することによって、異物がヘッドに付着するおそれが低減される。したがって、媒体から異物を適切に除去できる。
【0064】
(B)上記液体吐出装置において、前記回収部は、回収電極を有し、前記制御部は、前記除去電極が前記回収部と対向するときに前記除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記回収電極に印加してもよい。上記構成によれば、除去電極と反発する異物が回収電極に吸着される。すなわち、回収部が異物を回収しやすくなる。
【0065】
(C)上記液体吐出装置において、前記回収部は、第1回収部であり、前記除去電極は、第1除去電極であり、前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、前記制御部は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えてもよい。上記構成によれば、吐出部が第2方向に移動する場合に、第2除去電極が媒体から異物を除去できる。
【0066】
(D)上記液体吐出装置において、前記回収部は、第1回収部であり、前記除去電極は、第1除去電極であり、前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、前記制御部は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えてもよい。上記構成によれば、吐出部が第2方向に移動する場合に、第2除去電極が媒体から異物を除去できる。
【0067】
(E)上記液体吐出装置において、前記第2回収部は、回収電極を有し、前記制御部は、前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記回収電極に印加してもよい。上記構成によれば、第2除去電極と反発する異物が回収電極に吸着される。すなわち、第2回収部が異物を回収しやすくなる。
【0068】
(F)上記液体吐出装置において、前記回収電極は、第1回収電極であり、前記第2回収部は、第2回収電極を有し、前記制御部は、前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記第2回収電極に印加してもよい。上記構成によれば、第2除去電極と反発する異物が第2回収電極に吸着される。すなわち、第2回収部が異物を回収しやすくなる。
【0069】
(G)上記液体吐出装置において、前記第1除去電極が媒体と対向するときに前記第1除去電極に印加される電圧の極性と、前記第2除去電極が媒体と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なり、前記第1回収電極に印加される電圧の極性と、前記第2回収電極に印加される電圧の極性とは異なってもよい。上記構成によれば、正に帯電する異物、及び、負に帯電する異物の双方を回収できる。
【0070】
(H)上記液体吐出装置は、前記吐出部を収容する筐体と、前記筐体に対して開閉するように取り付けられ、前記筐体に対して開くことによって前記吐出部を露出させる開閉体と、前記開閉体が開いたことを検知する検知部と、を備え、前記制御部は、前記開閉体が開いたことを前記検知部が検知した場合に、電圧の印加を停止してもよい。上記構成によれば、電圧が印加された電極にユーザーが触れるおそれが低減される。
【0071】
(I)液体吐出装置の制御方法は、搬送領域を搬送される媒体に対して第1方向及び第2方向に往復移動しながら液体を吐出する吐出部と、前記搬送領域に対して前記第1方向に位置する回収部と、を備え、前記吐出部は、液体を吐出するノズルが開口するノズル面を有するヘッドと、前記ヘッドに対して前記第1方向に位置し、電圧が印加される除去電極と、を有する液体吐出装置の制御方法であって、前記吐出部が前記第1方向に移動する場合に、前記除去電極が媒体と対向するときと前記回収部と対向するときとで前記除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを含む。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0072】
(J)上記液体吐出装置の制御方法は、前記除去電極が前記回収部と対向するときに前記除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記回収部が有する回収電極に印加することを含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0073】
(K)上記液体吐出装置の制御方法において、前記回収部は、第1回収部であり、前記除去電極は、第1除去電極であり、前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、前記液体吐出装置の制御方法は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えることを含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0074】
(L)上記液体吐出装置の制御方法において、前記回収部は、第1回収部であり、前記除去電極は、第1除去電極であり、前記液体吐出装置は、前記搬送領域に対して前記第2方向に位置する第2回収部を備え、前記吐出部は、前記ヘッドに対して前記第2方向に位置する第2除去電極を有し、前記液体吐出装置の制御方法は、前記吐出部が前記第2方向に移動する場合に、前記第2除去電極が媒体と対向するときと前記第2回収部と対向するときとで前記第2除去電極に印加する電圧の極性を切り換えてもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0075】
(M)上記液体吐出装置の制御方法は、前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記第2回収部が有する回収電極に印加することを含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0076】
(N)上記液体吐出装置の制御方法において、前記回収電極は、第1回収電極であり、前記液体吐出装置の制御方法は、前記第2除去電極が前記第2回収部と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を、前記第2回収部が有する第2回収電極に印加することを含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0077】
(O)上記液体吐出装置の制御方法は、前記第1除去電極が媒体と対向するときに、前記第2除去電極が媒体と対向するときに前記第2除去電極に印加される電圧の極性と異なる極性の電圧を前記第1除去電極に印加することと、前記第2回収電極に印加される電圧の極性とは異なる極性の電圧を前記第1回収電極に印加することと、を含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0078】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…供給口、14…排出口、15…供給トレイ、16…排出トレイ、17…開閉体、18…操作パネル、21…吐出部、22…ヘッド、23…ノズル、24…ノズル面、25…キャリッジ、26…第1除去電極、27…第2除去電極、31…支持部、32…第1回収部、33…第2回収部、34…第1回収体、35…第2回収体、36…第1底面、37…第2底面、38…第1回収電極、39…第2回収電極、41…電源回路、42…検知部、43…制御部、99…媒体、A1…搬送領域、D1…第1方向、D2…第2方向、Y1…搬送方向。