(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176220
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/02 20060101AFI20241212BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241212BHJP
B41J 11/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65H5/02 F
B41J2/01 305
B41J2/01 125
B41J11/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094607
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝平
(72)【発明者】
【氏名】小林 敬弘
(72)【発明者】
【氏名】原 義明
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 秀太郎
(72)【発明者】
【氏名】小久保 洋
(72)【発明者】
【氏名】川北 純
(72)【発明者】
【氏名】貞光 雄志
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
3F049
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056FA03
2C056FA04
2C056FA13
2C056HA29
2C056HA30
2C056HA32
2C056HA42
2C056HA46
2C056HA47
2C056HA58
2C058AB06
2C058AC07
2C058AD01
2C058AE02
2C058AF27
3F049AA03
3F049DA02
3F049DB03
3F049LA07
3F049LB03
(57)【要約】
【課題】メンテナンス時の作業性を向上する。
【解決手段】上ベルトユニット410を収納可能な上扉ユニット43と、上ベルトユニット410を、上扉ユニット43に収納された収納位置と、上扉ユニット43から突出したメンテナンス位置とに上扉ユニット43に対して変位する第1変位部441とを備える。上扉ユニット43及び上ベルトユニット410は、上扉ユニット43が閉位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410が収納位置に位置して、上ベルトによりシートが搬送される第1状態と、上扉ユニット43が開位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410が収納位置に位置して、シートの搬送路が開放される第2状態と、上扉ユニット43が開位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410がメンテナンス位置に位置して、上ベルトユニット410に対する上ベルトの着脱が許容される第3状態と、に変位する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するシート搬送装置であって、
筐体と、
シートを搬送する搬送ベルトを着脱可能に有するベルトユニットと、
前記ベルトユニットを収納可能であり、かつ、前記筐体に対して回動により閉位置と開位置とに変位可能な収納部と、
前記ベルトユニットを、前記収納部に収納された第1位置と、前記収納部から突出した第2位置と、に前記収納部に対して変位する変位部と、
前記収納部が前記閉位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第1位置に位置するときに前記ベルトユニットに対向して配置され、前記搬送ベルトと共にシートを挟持して搬送する回転体と、を備え、
前記収納部及び前記ベルトユニットは、
前記収納部が前記閉位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第1位置に位置して、前記搬送ベルトによりシートが搬送される第1状態と、
前記収納部が前記開位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第1位置に位置して、シートの搬送路が開放される第2状態と、
前記収納部が前記開位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第2位置に位置して、前記ベルトユニットに対する前記搬送ベルトの着脱が許容される第3状態と、に変位可能である、
ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記ベルトユニットは、前記回転体に対して鉛直方向上方に配置され、
前記収納部は、上方に開放可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
シート搬送方向に交差するシート幅方向に関して前記筐体の背面側に設けられ、かつ、前記シート搬送方向に沿った第1回動軸を備え、
前記収納部は、前記第1回動軸を中心に前記筐体に対して回動可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトは、前記第3状態において、前記シート幅方向に関して前記筐体の手前側に引出可能である、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記変位部は、
前記シート幅方向に関して前記閉位置に位置するときの前記収納部の背面側に設けられ、かつ、前記シート搬送方向に沿った第2回動軸と、
前記収納部が前記開位置に位置するときに前記ベルトユニットを前記第2位置に保持する保持部と、を有し、
前記ベルトユニットは、前記第2回動軸を中心に回動可能に設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記変位部は、前記開位置に位置する前記収納部に対して前記ベルトユニットを前記第1位置に向けて付勢する第1付勢部を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記ベルトユニットを前記収納部に対して前記第1位置に固定するロック状態と、前記ロック状態を解除して前記ベルトユニットの前記第1位置から前記第2位置への回動を許容する解除状態と、に切り替わるロック機構を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記収納部を前記開位置に向けて付勢する第2付勢部を備え、
前記第2付勢部は、
前記収納部の開放角度が水平方向に対して第1角度以下である場合は、前記収納部及び前記ベルトユニットの自重により前記閉位置に回動する付勢力を有し、かつ、
前記収納部の開放角度が水平方向に対して第2角度以上である場合は、前記収納部を前記開位置に回動する付勢力を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記搬送ベルトは、第1搬送ベルトであり、
前記ベルトユニットは、第1ベルトユニットであり、
前記変位部は、第1変位部であり、
前記回転体は、第2搬送ベルトであり、
前記第2搬送ベルトを有する第2ベルトユニットと、
前記第2ベルトユニットを、前記筐体に収納された第3位置と、シート搬送方向に交差するシート幅方向に関して前記筐体から手前側に突出して前記第2ベルトユニットに対する前記第2搬送ベルトの着脱が許容される第4位置と、に前記筐体に対して変位する第2変位部と、を備え、
前記第2ベルトユニットは、前記収納部が前記開位置に位置するときに、前記第3位置から前記第4位置への移動を許容される、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項10】
シートにインクを吐出して画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成されたシートを搬送するシート搬送装置と、を備え、
前記シート搬送装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート搬送装置である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記シート搬送装置は、前記ベルトユニットに加熱部を有し、かつ、前記画像が形成されたシートを前記搬送ベルトと前記回転体との間で加熱して前記画像をシートに定着する定着装置である、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置と、これを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対のベルトによりシートを挟持搬送しつつ、このシートをヒータにより加熱する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、定着機能部の構成では、ジャム発生時のシート除去作業性向上のため、装置正面からシート除去作業を行える構成が要求される。例えば、シート搬送経路が略水平に配置され、左右に別装置が連結される場合には、定着機能部の上ベルトユニットと下ベルトユニットとを離間可能な構成にすることが望ましい。この場合、例えば、上ベルトユニットのベルト交換などを行う場合は、外装カバーや内カバーを取り外し、上扉の上側からアクセスするか、上扉自体を装置本体から取り外して作業する必要がある。
【0005】
しかしながら、上述したようにベルトユニットのベルトを交換する作業は、ベルトにアクセスするための分解作業が煩雑であったり、あるいは高所作業及び重量物作業が必要になって作業性が悪い。
【0006】
本発明は、ベルト交換時などのメンテナンス時の作業性を向上可能なシート搬送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシート搬送装置は、シートを搬送するシート搬送装置であって、筐体と、シートを搬送する搬送ベルトを着脱可能に有するベルトユニットと、前記ベルトユニットを収納可能であり、かつ、前記筐体に対して回動により閉位置と開位置とに変位可能な収納部と、前記ベルトユニットを、前記収納部に収納された第1位置と、前記収納部から突出した第2位置と、に前記収納部に対して変位する変位部と、前記収納部が前記閉位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第1位置に位置するときに前記ベルトユニットに対向して配置され、前記搬送ベルトと共にシートを挟持して搬送する回転体と、を備え、前記収納部及び前記ベルトユニットは、前記収納部が前記閉位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第1位置に位置して、前記搬送ベルトによりシートが搬送される第1状態と、前記収納部が前記開位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第1位置に位置して、シートの搬送路が開放される第2状態と、前記収納部が前記開位置に位置し、かつ、前記ベルトユニットが前記第2位置に位置して、前記ベルトユニットに対する前記搬送ベルトの着脱が許容される第3状態と、に変位可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明の画像形成装置は、シートにインクを吐出して画像を形成する画像形成部と、前記画像が形成されたシートを搬送するシート搬送装置と、を備え、前記シート搬送装置は、上記のシート搬送装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ベルト交換時などのメンテナンス時の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る画像形成システムを示す概略構成断面図である。
【
図2】実施形態に係る定着モジュールを示す概略構成断面図である。
【
図3】実施形態に係る定着モジュールの上扉ユニットを閉位置に位置させた第1状態を示す斜視図である。
【
図4】実施形態に係る定着モジュールの上扉ユニットを開位置に位置させ、かつ、上ベルトユニットを上収納位置に位置させた第2状態を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係る定着モジュールの上扉ユニットを閉位置に位置させた状態におけるガススプリングを示す斜視図である。
【
図6】実施形態に係る定着モジュールの上扉ユニットを開位置に位置させ、かつ、上ベルトユニットをメンテナンス位置に位置させた第3状態を示す斜視図である。
【
図7】実施形態に係る定着モジュールのロック機構を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【
図8】実施形態に係る定着モジュールの第3状態を示す側面から見た断面図である。
【
図9】実施形態に係る定着モジュールが第3状態であるときに下ベルトユニットを引出位置に位置させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態について、図を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成システムの概略構成について、
図1を用いて説明する。
【0012】
[画像形成システム]
本実施形態のインクジェット記録システム100は、インクを吐出してシートに画像を形成するインクジェット記録方式を用いており、反応液とインクとの2液を用いてシートにインク像を形成する所謂枚葉式のインクジェット記録装置である。シートは、例えば普通紙や厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布など、インクを受容可能な記録材であればよい。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録システム100は、画像形成装置の一例であり、給送モジュール1000、プリントモジュール2000、乾燥モジュール3000を備える。更に、インクジェット記録システム100は、定着モジュール4000、冷却モジュール5000、反転モジュール6000、積載モジュール7000を備える。給送モジュール1000から供給されるシートSは、各モジュール内を搬送経路に沿って搬送される際に各種処理が行われ、最終的に積載モジュール7000に排出される。
【0014】
なお、給送モジュール1000から積載モジュール7000まで、それぞれが別々の筐体を有し、それら筐体が連結されてインクジェット記録システム100を構成してよい。あるいは、1つの筐体に給送モジュール1000、プリントモジュール2000、乾燥モジュール3000、定着モジュール4000、冷却モジュール5000、反転モジュール6000、積載モジュール7000が配置されていてもよい。
【0015】
給送モジュール1000は、シートSを収容する収納庫1500a、1500b、1500cを有し、収納庫1500a~1500cはシートSを収容するために装置正面側へ引き出し可能に設けられている。シートSは、各収納庫1500a~1500cにおいて分離ベルト及び搬送ローラにより1枚ずつ給送されて、プリントモジュール2000へ搬送される。なお、収納庫1500a~1500cは3つであることに限定されず、1つや2つあるいは4つ以上を有していてよい。
【0016】
画像形成部の一例であるプリントモジュール2000は、作像前レジ補正部(不図示)、プリントベルトユニット2010、記録部2020を有し、シートSにインクを吐出して画像を形成する。給送モジュール1000から搬送されたシートSは、作像前レジ補正部により傾きや位置が補正されてプリントベルトユニット2010へ搬送される。搬送経路に対し、記録部2020はプリントベルトユニット2010と対向する位置に配置されている。記録部2020は、搬送されるシートSに対して上方から記録ヘッドによりシートS上にインクを吐出することにより画像を形成するインクジェット記録部である。インクを吐出する記録ヘッドは、搬送方向に沿って複数並べられている。本実施形態では、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の4色に加えて、反応液に対応した合計で5つのライン型記録ヘッドを有する。シートSは、プリントベルトユニット2010により吸着搬送されることにより、記録ヘッドとのクリアランスが確保されている。
【0017】
なお、インクの色数及び記録ヘッドの数は、上記した5つに限定されない。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンク(不図示)からそれぞれインクチューブを介して記録ヘッドに供給される。インクはインク全質量を基準として、「0.1質量%~20.0質量%」の樹脂成分と水及び水溶性有機溶剤、色材、ワックス、添加剤等を含有するものである。
【0018】
記録部2020により画像形成されたシートSは、プリントベルトユニット2010により搬送される際に、シートSの搬送方向において記録部2020の下流側に配置されたインラインスキャナ(不図示)により検知される。ここでは、シートSに形成された画像のズレや色濃度が検知され、この画像のズレや色濃度に基づき、シートSに形成する画像や濃度等の補正が行われる。
【0019】
乾燥モジュール3000は、乾燥装置の一例であり、インクを吐出して画像が形成されたシートSに温風を吹き付けてシートSを乾燥させる。
図2に示すように、乾燥モジュール3000は、デカップリング部40、乾燥ベルトユニット5、温風吹付ユニット8を有する。乾燥モジュール3000は、後続の定着モジュール4000によるシートSへのインクの定着性を高めるために、シートSに塗布されたインク及び反応液の液体分を減少させる。画像形成されたシートSは、乾燥モジュール3000内に配置されたデカップリング部40に搬送される。デカップリング部40では、上方から吹き付けられる風の風圧によりシートSとベルトとの間に摩擦力を生じさせ、ベルトによりシートSを搬送させている。こうして、ベルト上に載置されたシートSを摩擦力により搬送させることで、シートSがプリントベルトユニット2010とデカップリング部40に亘って搬送される際のシートSのズレを防ぐようにしている。デカップリング部40から搬送されたシートSは、乾燥ベルトユニット5にて吸着搬送されて、ベルト上方に配置された温風吹付ユニット8から熱風が吹き付けられることにより、シートSに塗布されたインク及び反応液を乾燥させる。
【0020】
こうして、乾燥モジュール3000によりシートSに塗布されたインク及び反応液が加熱され水分の蒸発が促進されることで、シートSにインクが飛び散って周囲に縁取りのような線ができる所謂コックリングが生じるのを抑制できる。なお、空気を加熱するヒータとしては、例えば電熱線、赤外線ヒータによる加熱が安全性やエネルギ効率の点から好ましい。また、乾燥方式は、熱風を付与する方式に加えて、電磁波(紫外線や赤外線など)をシートS表面に照射する方式や、発熱体の接触による伝導伝熱方式を組み合わせて構成してもよい。
【0021】
図1に示すように、定着モジュール4000は、定着ベルトユニット4100を有する。定着ベルトユニット4100は、乾燥モジュール3000から搬送された画像が形成されたシートSを、加熱した上ベルトユニットと下ベルトユニットの間を通過させることによりインクをシートSに定着させる。定着ベルトユニット4100については、詳細な説明を後述する。
【0022】
冷却モジュール5000は冷却部5001を複数有し、冷却部5001により定着モジュール4000から搬送された高温のシートSを冷却する。冷却部5001は、例えば外気をファンで冷却ボックス内に取り込んで冷却ボックス内の圧力を高め、冷却ボックスから圧力によりノズルを介して噴き出す風をシートSに当ててシートSを冷却する。冷却部5001は、シートSの搬送経路に対し両側に配置され、シートSの両面を冷却する。
【0023】
冷却モジュール5000には、搬送経路切換え部5002が設けられている。搬送経路切換え部5002は、反転モジュール6000にシートSを搬送する場合と、シートSの両面に画像形成する両面印刷のために両面搬送経路にシートSを搬送する場合とに応じて、シートSの搬送経路を切り換える。
【0024】
反転モジュール6000は、反転部6400を有する。反転部6400は搬送されるシートSの表裏を反転させて、積載モジュール7000に排出する際のシートSの表裏向きを変更する。積載モジュール7000は、トップトレイ7200と積載部7500を有し、反転モジュール6000から搬送されたシートSを積載する。
【0025】
両面印刷時、シートSは搬送経路切換え部5002により冷却モジュール5000の下方の搬送経路に搬送される。その後、シートSは定着モジュール4000、乾燥モジュール3000、プリントモジュール2000、給送モジュール1000の両面搬送経路を通って、プリントモジュール2000へ戻される。定着モジュール4000の両面搬送部には、シートSの表裏を反転させる反転部4200が設けられている。プリントモジュール2000へ戻されたシートSは、画像形成されていない他方の面にもインクにより画像が形成され、乾燥モジュール3000から反転モジュール6000を経て積載モジュール7000に排出される。
【0026】
[定着モジュール]
次に、定着モジュール4000について、
図2~
図9を用いて詳細に説明する。本実施形態では、定着モジュール4000は、シートを搬送するシート搬送装置の一例である。
図2は、定着モジュール4000を示す概略図である。定着モジュール4000の上部には、定着ベルトユニット4100が設けられている。定着ベルトユニット4100は、乾燥モジュール3000から排出されたシートSを受け取り、定着を行なってから、冷却モジュール5000にシートSを受渡すための略直線的なシート搬送経路1を有している。尚、各図中、インクジェット記録システム100の手前側を前方向F、背面側を後方向B、向かって右側を右方向R、向かって左側を左方向L、上側を上方向U、下側を下方向Dと表記する。また、インクジェット記録システム100の手前側には、操作者が操作する操作部(不図示)が設けられている。
【0027】
定着ベルトユニット4100は、上ベルトユニット410と、下ベルトユニット420とを有している。上ベルトユニット410は、下ベルトユニット420に対して鉛直方向上方に配置されている。上ベルトユニット410は、定着ベルト及び搬送ベルト(第1搬送ベルト)の一例である上ベルト411と、上ベルト411に張力を与える張架ローラ412とを有している。即ち、上ベルトユニット410は、ベルトユニット(第1ベルトユニット)の一例であり、シートSを搬送する上ベルト411を着脱可能に有する。下ベルトユニット420は、第2ベルトユニットの一例であり、下ベルト421と、下ベルト421に張力を与える張架ローラ422と、円弧状の曲面を有するパッド423とを有している。パッド423は、下ベルト421を介して上ベルト411とニップを形成するように配置されている。
【0028】
シートSは、上ベルトユニット410と下ベルトユニット420とのニップで挟持されて搬送される。即ち、下ベルト421は、回転体及び第2搬送ベルトの一例であり、上扉ユニット43が閉位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410が上収納位置に位置するときに上ベルトユニット410に対向して配置され(
図2参照)る。また、このとき、上ベルト411と共にシートSを挟持して搬送する。ニップの圧力は、上ベルト411の張力と厚み、パッド423の曲率によって定まる。ニップの圧力が高すぎると、上ベルトユニット410にシートSのインクが付着し、シートSからインクが剥がれてしまう現象が発生する虞があるため、圧力は1Pa~2000Paであることが好ましく、より好ましくは1Pa~200Paである。
【0029】
パッド423の曲率が大きくなると、シートSの表裏での搬送経路差が大きくなり、シートSとベルトと間で擦れが発生する虞がある。パッド423の曲率が大きくなると、シートS自身が曲面形状を記憶してカールしてしまう現象が生じる虞があるために、パッド423の曲率半径は50mm以上であることが望ましい。また、パッド423の曲率は、製造精度の観点から曲率半径100000mm以下であることが望ましい。これらの制約から、本実施形態では、上ベルト411の張力を200N、厚みを0.3mm、パッド423の曲率を30000mmとして、ニップの圧力を約16Paとしている。
【0030】
このような構成を採用することで、広いニップでも均一な加圧が可能となる。これにより、上ベルトユニット410の温度をワックス融点や水の沸点温度にした状態でも、シートSと上ベルトユニット410との接触時間を増やすことでシートSへの熱伝達を十分に行うことができる。但し、熱が十分に伝達された後にニップを形成し続けるとインクが上ベルト411に付着してシートSから剥がれてしまう現象や、上ベルト411とシートSとが擦れて画像が乱れてしまう現象が発生するので、長すぎる接触時間は好ましくない。そのため、シートSの先端がニップの入口に入ってからニップの出口から出てくるまでにかかる時間は0.5s~4sが望ましい。本実施形態では、パッド423としてシート搬送方向の長さが900mmのものを使用し、700mm/sでシートSを搬送し、シートSの先端がニップの入口に入ってからニップの出口を抜け切るまでに要する時間を約1.3sにしている。尚、シートS内へインクが浸透する際に水分は必要なので、シートが高温になった際に、シートSの表面から蒸発した水分が接触する上ベルト411又は下ベルト421を通して逃げないように、上ベルト411及び下ベルト421は水分を通さないものが良い。
【0031】
このように、本実施形態では、定着モジュール4000は、定着装置の一例であり、上ベルトユニット410にヒータ413を有し、かつ、画像が形成されたシートSを上ベルト411と下ベルト421との間で加熱及び加圧して画像をシートSに定着する。
【0032】
[ジャム処理]
シート搬送経路1にてシート詰まり(ジャム)や搬送スリップが生じ、所定の搬送タイミングから外れた場合、装置はジャムを検知する。この場合、シート搬送経路1内に残留しているシートSをパージトレイへ自動排出を行うが、残留シートをパージトレイへ排出ができない場合、ユーザが残留シートを取り除く必要がある。シートSは上ベルトユニット410と下ベルトユニット420のニップで挟持されて搬送されるが、ジャム発生時にニップ部にシートSが残留した場合、ユーザはニップ部を開放し、残留シートを取り除くことになる。
【0033】
図3~
図5に示すように、定着モジュール4000は上方向Uに開放可能な上扉ユニット43を有している。定着ベルトユニット4100の上ベルトユニット410は、上扉ユニット43の内部に配置されており、上扉ユニット43は上ベルトユニット410と一体的に上方向Uに開放可能な構成になっている。上扉ユニット43は、筐体の一例である装置本体400の後方向B側に設けられた支持軸44(
図5参照)により、装置本体400に対し回動可能に連結されている。支持軸44は、第1回動軸の一例であり、シート搬送方向に交差するシート幅方向(前後方向)に関して装置本体400の背面側に設けられ、かつ、シート搬送方向に沿って設けられている。上扉ユニット43は、支持軸44を中心に装置本体400に対して回動可能に設けられている。
【0034】
上扉ユニット43は、装置本体400の前方向F側に持ち手431を有し、上方向Uへ持ち手431を引き上げることで回動し開放される。上扉ユニット43は、収納部の一例であり、上ベルトユニット410とは別体に設けられ、上ベルトユニット410を収納可能であり、かつ、装置本体400に対して回動により閉位置(
図3参照)と開位置(
図4,6参照)とに変位可能である。また、本実施形態では、上扉ユニット43は、天板や側板により構成され、装置本体400の上カバーとしての機能を有する。尚、上扉ユニット43は、カバーのみの機能を有するものには限られず、例えば表示部や操作部などが一体化されたものであってもよい。
【0035】
ジャムが発生した場合、ユーザは上扉ユニット43の持ち手431を引き上げることで、上扉ユニット43を上方に開放し、装置本体400の内部に残留したシートSを装置正面から除去することが可能となる。本実施形態では、ユーザによる上扉ユニット43の開閉時の操作性を向上させるため、ガススプリング45を設けている。ガススプリング45は、第2付勢部の一例である、上扉ユニット43を開位置に向けて付勢する。
【0036】
本実施形態では、上扉ユニット43は、水平な閉位置と、水平から30度傾斜した開位置との間で回動可能に設けられている。ガススプリング45は、上扉ユニット43の開放角度が水平方向に対して第1角度以下である場合は、上扉ユニット43及び上ベルトユニット410の自重により閉位置に回動する付勢力を有する。ここでの第1角度は、例えば5度である。また、ガススプリング45は、上扉ユニット43の開放角度が水平方向に対して第2角度以上である場合は、上扉ユニット43を開位置に回動する付勢力を有する。ここでの第2角度は、例えば20度である。これにより、ガススプリング45を設けることで、上扉ユニット43の開放角が5度以下の場合は自動で閉まり、20度以上の場合は自動で開くようにでき、操作性が向上する。
【0037】
[上ベルトユニットの部品交換作業]
定着ベルトユニット4100の上ベルトユニット410には、上ベルト411、複数の張架ローラ412、ローラ駆動部(不図示)、加熱部の一例であるヒータ413、センサ(不図示)などの部品が設けられている。これらの部品は製品寿命の間に故障するリスクを有しており、定期的な交換や、偶発的な故障による交換に対応するため、市場において交換可能であることが求められる。商業印刷市場において、製品稼働率はユーザにとって最も重要視されることから、交換作業は速やかにかつ確実に行われることが望まれる。
【0038】
そこで、本実施形態では、上扉ユニット43を上方に開放した状態で上ベルトユニット410の部品交換を可能とする構成を採用しており、
図6~
図8を用いて説明する。部品交換や清掃、注油等の作業を行う場合、上扉ユニット43の前方向F側に配置された持ち手431を上方向Uへ引き上げ、上扉ユニット43を上方へ回動させ、シート搬送経路1を開放する。上扉ユニット43は、保持部材(不図示)により開放した開位置に保持される(
図4参照)。
【0039】
図8に示すように、定着モジュール4000は、変位部としての第1変位部441を有している。第1変位部441は、上ベルトユニット410を上扉ユニット43に対して、上扉ユニット43に収納された上収納位置(
図4参照)と、上扉ユニット43から突出したメンテナンス位置(
図6,8参照)と、に変位するように設けられている。ここでの上収納位置は第1位置の一例であり、メンテナンス位置は第2位置の一例である。第1変位部441は、第2回動軸の一例である回動軸46と、保持部の一例であるストッパ51と、第1付勢部の一例であるガススプリング47とを有している。
【0040】
回動軸46は、シート幅方向(前後方向)に関して閉位置に位置するときの上扉ユニット43の背面側に設けられ、かつ、シート搬送方向に沿って配置されている。上ベルトユニット410は、回動軸46を中心に回動可能に設けられている。上扉ユニット43の内部に配置される上ベルトユニット410は、上扉ユニット43の後方向B側に設けた回動軸46により上扉ユニット43に対し回動可能に支持されている。上ベルトユニット410は、上扉ユニット43に対し、上扉ユニット43の手前側に配置されたロック機構50(
図7参照)で固定されている。
【0041】
ロック機構50の構成について説明する。ロック機構50は、ロックレバー28と、回動軸29と、ロック部材30と、ロック穴31とを有している。ロックレバー28は、回動軸29を中心に所定の角度内で回転可能に設けられており、回動軸29にロック部材30が固定されている。ロックレバー28の回転に伴って、回動軸29はロック部材30を、ロック位置からロック解除位置へ回動可能である。上扉ユニット43側には回動軸29が挿入されるロック穴31が形成されている。ロック穴31はロック解除の角度に位置するロック部材30が通過する形状になっており、この位置においてロックを解除することが可能となる。
【0042】
上扉ユニット43を上方向Uに開放した状態で、ロック機構50のロックレバー28を回しロックを解除すると、上ベルトユニット410は、回動軸46を中心に回動し、上ベルトユニット410の自重により手前側が下方に回動する。このように、ロック機構50は、上ベルトユニット410を上扉ユニット43に対して上収納位置に固定するロック状態と、ロック状態を解除して上ベルトユニット410の上収納位置からメンテナンス位置への回動を許容する解除状態と、に切り替わる。
【0043】
上ベルトユニット410は、上扉ユニット43に設けたストッパ51に突き当たり、メンテナンス位置で回動停止する。即ち、ストッパ51は、上扉ユニット43が開位置に位置するときに上ベルトユニット410をメンテナンス位置に保持する。上ベルト411は、上扉ユニット43が開位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410がメンテナンス位置に位置する状態において、シート幅方向に関して装置本体400の手前側に引出可能である。この状態で、作業者は上ベルト411の交換やメンテナンスを行うことができる。
【0044】
メンテナンス位置に位置する上ベルトユニット410は、略水平位置が好ましいが、若干傾斜していてもよい。但し、上ベルトユニット410が、水平に対して例えば10度を超えて上方向U側に傾斜すると、部品交換が高所での作業となり作業性が悪い。一方、上ベルトユニット410が、水平に対して例えば10度を超えて下方向D側に傾斜すると、部品交換の際、取り外した上ベルト411等の部品が手前側に落下しないように注意する必要があり作業性が悪い。したがって、上ベルトユニット410は、手前側が水平面に対して傾斜する角度が±10度以内であることが好ましい。
【0045】
図8に示すように、上扉ユニット43と上ベルトユニット410との間には、ガススプリング47が設けられている。ガススプリング47は、第1付勢部材の一例であり、開位置に位置する上扉ユニット43に対して上ベルトユニット410を上収納位置に向けて付勢する。特に、上ベルトユニット410の重量が重い場合、ガススプリング47を設けることで操作性を向上させることができる。
【0046】
本実施形態では、ガススプリング47は上ベルトユニット410の上部に配置され、上扉ユニット43内の固定部材48と、上ベルトユニット410内の固定部材49とに締結され、上ベルトユニット410の開閉動作を補助する。本実施形態では、ガススプリング47を上ベルトユニット410の上部に配置しているので、上ベルトユニット410を開放した状態で部品交換をする際、交換作業の邪魔にならない。また、部品を取外した際の重量変化により、上ベルトユニット410が勝手に持ち上がらないようにガススプリング47の付勢力を設定する。また、上ベルトユニット410を開放した姿勢で上扉ユニット43が閉まらないように、保持部材(不図示)により保持(ロック)されている。
【0047】
上述した上扉ユニット43及び上ベルトユニット410は、以下の第1状態と、第2状態と、第3状態とに変位可能である。第1状態は、上扉ユニット43が閉位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410が上収納位置に位置して、上ベルト411によりシートSが搬送される状態である(
図3参照)。第2状態は、上扉ユニット43が開位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410が上収納位置に位置して、シートSの搬送路が開放される状態である(
図4参照)。第3状態は、上扉ユニット43が開位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410がメンテナンス位置に位置して、上ベルトユニット410に対する上ベルト411の着脱が許容される状態である。
【0048】
上述したように、第3状態において上ベルトユニット410が略水平の位置で保持され、この状態で上ベルト411や張架ローラ412、ヒータ413やセンサ等の部品の交換や、清掃や注油作業を行うことが可能となる。これにより、上扉の取外しや外装カバーの取外しなどが不要となり、メンテナンス性が著しく向上する。
【0049】
[下ベルトユニットの部品交換作業]
次に、下ベルトユニット420の部品交換、メンテナンスについて、
図9を用いて説明する。上扉ユニット43を開位置に位置させ、定着モジュール4000の正面側にある観音開きの前扉401,402を開放する。下ベルトユニット420を固定する固定部材(不図示)を取り外し、下ベルトユニット420を手前側へ引き出す。これにより、前後方向を長手方向とするスライドレール432,433で支持されている下ベルトユニット420が引き出される。この引き出した状態で、下ベルトユニット420の部品交換や清掃、注油等の作業を行うことができる。
【0050】
本実施形態では、スライドレール432,433は第2変位部の一例であり、下ベルトユニット420を、装置本体400に収納された下収納位置と、装置本体400から突出した引出位置とに装置本体400に対して変位させる。ここで、引出位置は、シート幅方向に関して装置本体400から前方向F側に突出して、下ベルトユニット420に対する下ベルト421の着脱が許容される位置である。下ベルトユニット420は、上扉ユニット43が開位置に位置するときに、下収納位置から引出位置への移動を許容される。
【0051】
上述したように、本実施形態の定着モジュール4000によれば、上扉ユニット43及び上ベルトユニット410は、上扉ユニット43が開位置に位置し、かつ、上ベルトユニット410がメンテナンス位置に位置する第3状態に変位することができる。これにより、上ベルトユニット410に対する上ベルト411の着脱が許容される。この状態で上ベルト411や張架ローラ412、ヒータ413やセンサ等の部品の交換や、清掃や注油作業を行うことが可能となり、上扉の取外しや外装カバーの取外しなどが不要となり、メンテナンス性が著しく向上する。よって、ベルト交換時などのメンテナンス時の作業性を向上することができる。また、本実施形態の定着モジュール4000によれば、第3状態において上ベルトユニット410が略水平の位置で保持されるので、作業性を更に向上することができる。
【0052】
また、本実施形態の定着モジュール4000によれば、下ベルトユニット420を手前側に引き出すことで、下ベルトユニット420に対する下ベルト421の着脱が許容される。これにより、ベルト交換時などのメンテナンス時の作業性を向上することができる。
【0053】
尚、上述した実施形態では、下ベルトユニット420を水平姿勢のまま手前側に引出可能に設けた場合について説明したが、これには限られない。例えば、下ベルトユニット420を収容するケース状の下扉ユニットを装置本体400の内部に回動可能に設け、この下扉ユニットの手前側を下方に傾斜させ、下ベルトユニット420を水平姿勢に引き上げる構成としてもよい。即ち、シートの搬送面を挟んで、上扉ユニット43及び上ベルトユニット410と、下扉ユニット及び下ベルトユニット420とを略対称となるように配置してもよい。
【0054】
この構成について、詳細に説明する。下扉ユニットは装置本体400に対し背面側が回動可能に支持されている。下ベルトユニット420の部品交換や清掃、注油等の作業を行う場合、下扉ユニットの正面側に配置された持ち手を下方へ引き下げ、下扉ユニットを下方へ回動させ、シート搬送経路を開放する。下扉ユニットの内部に配置される下ベルトユニット420は、下扉ユニットの背面側に設けた回動軸により下扉ユニットに対し回動可能に支持される。下ベルトユニット420を下扉ユニットに固定するロック部材のロックを解除し、下ベルトユニット420を手で引き上げることで、下ベルトユニット420の手前側が上方に回動する。下ベルトユニット420は、下扉ユニットに設けたストッパに突き当たり、回動停止する。この時、下ベルトユニットは、略水平位置もしくは手前側が水平面より±10度程度傾く姿勢で保持され、この状態で下ベルト421や張架ローラ、ヒータやセンサ等の部品の交換や、清掃や注油作業を行うことが可能となる。
【0055】
また、上述した実施形態では、シート搬送装置として定着モジュール4000に適用した場合について説明したが、これには限られず、シートの搬送面を挟む両側に搬送ベルトと回転体とを有する装置に適用できる。例えば、冷却モジュール5000(冷却装置)にも適用することができる。
【0056】
また、上述した実施形態では、画像形成装置としてインクジェット記録システム100に適用した場合について説明したが、これには限られない。例えば、トナーを使用した電子写真方式の画像形成装置などにも適用することができ、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0057】
43…上扉ユニット(収納部)、44…支持軸(第1回動軸)、45…ガススプリング(第2付勢部)、46…回動軸(第2回動軸)、47…ガススプリング(第1付勢部)、50…ロック機構、51…ストッパ(保持部)、100…インクジェット記録システム(画像形成装置)、400…装置本体(筐体)、410…上ベルトユニット(ベルトユニット、第1ベルトユニット)、411…上ベルト(搬送ベルト、第1搬送ベルト)、413…ヒータ(加熱部)、420…下ベルトユニット(第2ベルトユニット)、421…下ベルト(回転体、第2搬送ベルト)、432,433…スライドレール(第2変位部)、441…第1変位部(変位部)、2000…プリントモジュール(画像形成部)、4000…定着モジュール(シート搬送装置、定着装置)