(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176238
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】感光性樹脂膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/26 20060101AFI20241212BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241212BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G03F7/26
G03F7/20 501
G02F1/1333 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094649
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若代 浩爾
【テーマコード(参考)】
2H190
2H196
2H197
【Fターム(参考)】
2H190HB13
2H196AA27
2H196BA09
2H196CA00
2H196HA01
2H196JA01
2H196JA04
2H197CA03
2H197CE10
2H197HA05
(57)【要約】
【課題】同一材料からなる感光性樹脂膜を安定的に厚膜化する。
【解決手段】感光性樹脂膜10の製造方法は、絶縁性基板20の上層側に感光性樹脂材料50を塗布し、前記感光性樹脂材料50を第1フォトマスク75で覆って、第1フォトマスク75を介して露光して現像し、現像後に、加熱によって硬化して第1感光性樹脂膜11を形成し、第1感光性樹脂膜11の上に、第1感光性樹脂膜11の原材料と同一の感光性樹脂材料50を塗布し、感光性樹脂材料50を第2フォトマスク76で覆って、第2フォトマスク76を介して露光して現像し、現像後に、加熱によって硬化して第2感光性樹脂膜12を形成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性基板の上層側に感光性樹脂材料を塗布する第1塗布工程と、
前記第1塗布工程によって塗布された前記感光性樹脂材料を第1フォトマスクで覆って、前記第1フォトマスクを介して露光して現像する第1露光現像工程と、
現像後に、加熱によって硬化して第1感光性樹脂膜を形成する第1加熱工程と、
加熱硬化された前記第1感光性樹脂膜の上に、前記第1感光性樹脂膜の原材料と同一の前記感光性樹脂材料を塗布する第2塗布工程と、
前記第2塗布工程によって塗布された前記感光性樹脂材料を第2フォトマスクで覆って、前記第2フォトマスクを介して露光して現像する第2露光現像工程と、
現像後に、加熱によって硬化して第2感光性樹脂膜を形成する第2加熱工程と、を含む感光性樹脂膜の製造方法。
【請求項2】
前記第1感光性樹脂膜の膜厚は、前記第2感光性樹脂膜の膜厚より小さい請求項1に記載の感光性樹脂膜の製造方法。
【請求項3】
前記第1フォトマスクは第1開口を含むパターンを有し、
前記第2フォトマスクは前記第1開口と平面視で重なる第2開口を含むパターンを有し、
前記第2開口の内径寸法は、前記第1開口の内径寸法の1.5倍以上である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂膜の製造方法。
【請求項4】
前記第2感光性樹脂膜の原材料となる前記感光性樹脂材料を露光する際の光の照射量は、前記第1感光性樹脂膜の原材料となる前記感光性樹脂材料を露光する際の光の照射量の2倍以上である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂膜の製造方法。
【請求項5】
前記感光性樹脂材料は、アクリル樹脂材料である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂膜の製造方法。
【請求項6】
前記感光性樹脂材料は、吐出口となるスリットを有する塗布装置を用いて塗布される請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂膜の製造方法。
【請求項7】
前記感光性樹脂膜は、第1導電膜と第2導電膜との間の層間絶縁膜である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂膜の製造方法。
【請求項8】
前記第1フォトマスクは第1開口を含むパターンを有し、
前記第2フォトマスクは前記第1開口と平面視で重なる第2開口を含むパターンを有し、
前記第1層間絶縁膜には、前記第1開口に倣う第1貫通孔が形成され、
前記第2層間絶縁膜には、前記第2開口に倣う第2貫通孔が形成され、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は前記第1導電膜と前記第2導電膜とを導通するためのコンタクトホールであってもよい請求項7に記載の感光性樹脂膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の技術は、感光性樹脂膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトリソグラフィーによって配線構造を形成する方法が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1には、液晶表示装置のスイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor, 薄膜トランジスタ)等が形成されており、TFTを構成するドレイン電極と画素電極とは、層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して接続されている。
【0003】
また特許文献1に記載の層間絶縁膜は、異なる光感度を有する2層構造の感光性樹脂膜からなることが開示されている。基板寄りの第1層間絶縁膜と、第1層間絶縁膜上に積層される第2層間絶縁膜とのUV感度が極端に異なることで、第2層間絶縁膜に凹凸形成パターンを露光するUV光によっては、第1層間絶縁膜はほとんど感光されないことが開示されている。これにより、現像時に第1層間絶縁膜がストップ層として働くことで、第2層間絶縁膜の凹凸形状の深さが規制できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば層間絶縁膜を挟む導電膜間に生じる寄生容量を低減し、層間絶縁膜の耐圧を確保するには、層間絶縁膜を厚膜化する(例えば6μm程度以上)ことが有効である。しかしながら、特許文献1のように異なる感光性樹脂材料を用いて複数層化して膜厚を増大すると、原材料の種類が増大したり、製造工程が複雑化して従来の製造装置がそのまま使用できなかったりする課題がある。一方、感光性樹脂膜を同一材料によって厚膜化すると、膜厚のバラつきが生じやすくなり、所望の膜厚を安定的に実現することが難しくなるのが実情である。
【0006】
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、同一材料からなる感光性樹脂膜を安定的に厚膜化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本願明細書に記載の技術に関わる感光性樹脂膜の製造方法は、絶縁性基板の上層側に感光性樹脂材料を塗布する第1塗布工程と、前記第1塗布工程によって塗布された前記感光性樹脂材料を第1フォトマスクで覆って、前記第1フォトマスクを介して露光して現像する第1露光現像工程と、現像後に、加熱によって硬化して第1感光性樹脂膜を形成する第1加熱工程と、加熱硬化された前記第1感光性樹脂膜の上に、前記第1感光性樹脂膜の原材料と同一の前記感光性樹脂材料を塗布する第2塗布工程と、前記第2塗布工程によって塗布された前記感光性樹脂材料を第2フォトマスクで覆って、前記第2フォトマスクを介して露光して現像する第2露光現像工程と、現像後に、加熱によって硬化して第2感光性樹脂膜を形成する第2加熱工程と、を含む。
【0008】
(2)また、上記(1)に加え、前記第1感光性樹脂膜の膜厚は、前記第2感光性樹脂膜の膜厚より小さくてもよい。
【0009】
(3)また、上記(1)又は(2)に加え、前記第1フォトマスクは第1開口を含むパターンを有し、前記第2フォトマスクは平面視で前記第1開口と重なる第2開口を含むパターンを有し、前記第2開口の内径寸法は、前記第1開口の内径寸法の1.5倍以上であってもよい。
【0010】
(4)また、上記(1)又は(2)に加え、前記第2感光性樹脂膜の原材料となる前記感光性樹脂材料を露光する際の光の照射量は、前記第1感光性樹脂膜の原材料となる前記感光性樹脂材料を露光する際の光の照射量の2倍以上であってもよい。
【0011】
(5)また、上記(1)又は(2)に加え、前記感光性樹脂材料は、アクリル樹脂材料であってもよい。
【0012】
(6)また、上記(1)又は(2)に加え、前記感光性樹脂材料は、吐出口となるスリットを有するスリットコーターによって塗布されてもよい。
【0013】
(7)また、上記(1)又は(2)に加え、前記感光性樹脂膜は、第1導電膜と第2導電膜との間の層間絶縁膜であってもよい。
【0014】
(8)また、上記(7)に加え、前記第1フォトマスクは第1開口を含むパターンを有し、前記第2フォトマスクは平面視で前記第1開口と重なる第2開口を含むパターンを有し、前記第1層間絶縁膜には、前記第1開口に倣う第1貫通孔が形成され、前記第2層間絶縁膜には、前記第2開口に倣う第2貫通孔が形成され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は前記第1導電膜と前記第2導電膜とを導通するためのコンタクトホールであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本願明細書に記載の技術によれば、同一材料からなる感光性樹脂膜を安定的に厚膜化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】他の実施形態に係る感光性樹脂膜を示す断面図
【
図10】評価実験1における感光性樹脂膜の断面顕微鏡写真
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
実施形態1に係る感光性樹脂膜10の製造方法について、
図1から
図10を参照して説明する。なお、一部の図面にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で共通する方向となるように描かれている。また、Z軸方向については、図の上側を上層側とし、下側を下層側とする。
【0018】
感光性樹脂膜10は、
図1に示すように、ガラス基板20(絶縁性基板の一例)の上層側に積層される第1感光性樹脂膜11と、第1感光性樹脂膜11上に積層される第2感光性樹脂膜12と、を有する。感光性樹脂膜10は、
図2に一例を示すように、ガラス基板20上ではなく、ガラス基板20の上層側の他の膜上(
図2では第1導電膜30上)に形成されていてもよい。以下では、
図1のようにガラス基板20上に感光性樹脂膜10を形成する方法について説明するが、他の層上に形成される場合であっても基本的な製造方法は同じである。
【0019】
まず
図3に示すように、ガラス基板20上に第1感光性樹脂膜11の原材料である感光性樹脂材料50を塗布する(第1塗布工程S1)。感光性樹脂材料50は、例えばアクリル系樹脂材料とされる。アクリル系樹脂材料は、汎用性があり、様々な製品の感光性樹脂膜に用いることができる。塗布は、例えば
図4に示すスリットコーター70(塗布装置の一例)を用いて行われる。スリットコーター70は、感光性樹脂材料50が吐出される吐出部71を備え、吐出部71には吐出口となるスリット71Aが形成されている。また、スリット71Aには、板状のスペーサ(シム板)が差し込み可能とされ、スペーサによって吐出口の大きさ(スリット幅)を調整可能とされる。
【0020】
塗布された感光性樹脂材料50は、第1フォトマスク75で覆われ、第1フォトマスク75を介して光照射によって露光される(
図3)。第1フォトマスク75は、第1開口75Aを有する。感光性樹脂材料50は、露光して現像することでパターン化される(
図5、第1露光現像工程S2)。現像後、パターン化された感光性樹脂材料50を加熱(焼結)して硬化すると、第1感光性樹脂膜11が形成される(
図6、第1加熱工程S3)。第1感光性樹脂膜11は、第1開口75Aに倣う第1貫通孔11Sを有するものとなる。加熱硬化後の第1感光性樹脂膜11の膜厚を符号T11で示す。
【0021】
次に、第1感光性樹脂膜11上に再び感光性樹脂材料50を塗布する(
図7、第2塗布工程S4)。感光性樹脂材料50は、組成及び感光性成分の含有量を含めて第1感光性樹脂膜11の原材料と同一であり、同一のスリットコーター70によって塗布される。スリットコーター70のスリット幅は、第1塗布工程S1と同じままで変更する必要はない。塗布された感光性樹脂材料50は、第2フォトマスク76で覆われ、第2フォトマスク76を介して光照射によって露光される。第2フォトマスク76は、第1フォトマスク75の第1開口75Aと平面視で重なる第2開口76Aを有する。感光性樹脂材料50は、露光して現像するとパターン化される(
図8、第2露光現像工程S5)。
【0022】
第2フォトマスク76の第2開口76Aの内径は、
図9に示すように、第1開口75Aに比べて大きく、第2開口76Aの内径寸法は第1開口75Aに比して1.5倍以上であることが好ましい。このようにすれば、第2露光現像工程S5において光を広範囲に照射することができる。より詳しくは、第2塗布工程S4(
図7)において感光性樹脂材料50は下層側の第1感光性樹脂膜11の第1貫通孔11Sに流入するが、第2開口76Aを大きくすることで第1貫通孔11S内の感光性樹脂材料50に対しても十分に光を照射できる。その結果、第1貫通孔11S内に膜残りが生じてしまう事態を抑制できる。
【0023】
第2露光現像工程S5における光の照射量は、第1露光現像工程S2における光の照射量の2倍以上であることが好ましい。これによっても、第1感光性樹脂膜11の第1貫通孔11S内の感光性樹脂材料50に対して十分に光を照射でき、第1貫通孔11S内の膜残りを削減できる。
【0024】
また第2開口76Aを大きくすることで、第2開口76Aが第1開口75Aと位置ずれしてしまった場合であっても、第1感光性樹脂膜11の第1貫通孔11Sと、第2感光性樹脂膜12の第2貫通孔12Sとの重なり部分の平面サイズが、第1貫通孔11Sより大幅に縮小してしまう事態を抑制できる。
【0025】
現像後、パターン化された感光性樹脂材料50を加熱(焼結)して硬化すると、第2感光性樹脂膜12が形成され、感光性樹脂膜10が形成される(
図1、第2加熱工程S6)。第2感光性樹脂膜12は、第2開口76Aに倣う第2貫通孔12Sを有するものとなる。加熱硬化後の第2感光性樹脂膜12の膜厚を符号T12で示す。なお、第1感光性樹脂膜11は、第2加熱工程S6によっても僅かに熱収縮するため、その膜厚T11は、第2加熱工程S6によっても僅かに減少する。
【0026】
第1感光性樹脂膜11の膜厚T11は、
図1に示すように、第2感光性樹脂膜12の膜厚T12より小さいことが好ましい。このようにすれば、第2塗布工程S4(
図7)において塗布される感光性樹脂材料50が下層側の第1感光性樹脂膜11の第1貫通孔11Sに流入する流入量を抑えることができ、均一な塗布を阻害する要因となる液溜まりを抑制しやすくなる。
【0027】
ところで、感光性樹脂材料50の塗布膜厚は、スリットコーター70の吐出口の大きさ(スリット幅)以外に、吐出圧力、塗布スピード、感光性樹脂材料50の粘度等によっても変化する。このため、上記した感光性樹脂材料50の塗布工程において、膜厚のバラつきを抑えて塗布膜厚を安定的に塗布するには、これらの各要素の設定値を最適化する必要がある。この最適値は所望の塗布膜厚によって異なるため、塗布膜厚の異なる多種類の製品に向けて共通のスリットコーター70を用いる場合、予め塗布膜厚に応じた最適値を割り出し、その上で最適値を設定変更する必要がある。
【0028】
その点、本実施形態に係る感光性樹脂膜10の製造方法は、既述したように同一材料の感光性樹脂材料50の塗布工程、露光現像工程、及び加熱工程を順に2回繰り返して行い、第1感光性樹脂膜11の上に第2感光性樹脂膜12を積層する。第1感光性樹脂膜11、及び第2感光性樹脂膜12の膜厚は、従来通りでよく、各々を厚膜化する必要はない。このため、塗布工程において、膜厚に応じて各要素の最適値を割り出したり、各最適値に設定変更したりする作業は不要となる。例えば、感光性樹脂膜10を従来の3μm程度から6μm程度に厚膜化する場合、第1感光性樹脂膜11、及び第2感光性樹脂膜12の厚さは3μm程度のままで済む。その結果、同一材料からなる感光性樹脂膜10を安定的に厚膜化できる。
【0029】
このように厚膜化された感光性樹脂膜10は、例えば
図2に示すように、第1導電膜30と第2導電膜40との間の層間絶縁膜として用いられる。このような層間絶縁膜は、例えば液晶パネルにおいて有機絶縁膜(いわゆるJAS膜)として広く適用されている。導電膜30、40間の層間絶縁膜を本技術によって厚膜化することで、寄生容量を低減し、層間絶縁膜が絶縁破壊されないように耐圧を確保できる。その結果、液晶パネルの表示品位を高めることができる。また感光性樹脂膜10を厚膜化した場合であっても、第1感光性樹脂膜11の第1貫通孔11Sと第2感光性樹脂膜12の第2貫通孔12Sとを上記したように形成することで、第1導電膜30と第2導電膜40とを導通させるためのコンタクトホール10Sを容易に形成できる。
【0030】
<評価実験1>
上記した作用及び効果を実証するため、評価実験1を行った。評価実験1では、下記の条件に基づき膜厚が6μmと大きい感光性樹脂膜10を形成し、その断面を走査電子顕微鏡で写真撮影した(
図10)。評価サンプルは、一般的な液晶パネルへの適用例(リソグラフィー法によって、ガラス基板20上に、ゲート金属膜、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース金属膜、層間絶縁膜(感光性樹脂膜)10、透明電極膜を順に積層形成)を想定した。
図10は、層間絶縁膜10を形成後、透明電極膜を形成する前の段階の断面写真である。断面写真によって、第1感光性樹脂膜11と第2感光性樹脂膜12の界面の状態、及び貫通孔11S、12Sの仕上がり状態を評価した。また、ピール試験を行い、第1感光性樹脂膜11と第2感光性樹脂膜12の界面の膜剥がれを評価した。
【0031】
<条件>
・感光性樹脂材料50:アクリル系樹脂材料
・第1フォトマスク75の第1開口75Aの内径寸法:8.0μm×5.0μm
・第2フォトマスク76の第2開口76Aの内径寸法:12.0μm×8.0μm
・第1露光現像工程S2における露光量:250mJ/cm2
・第2露光現像工程S5における露光量:500mJ/cm2
・第1加熱工程S3における加熱温度:210℃
・第2加熱工程S6における加熱温度:210℃
・第1加熱工程S3後の第1感光性樹脂膜11の膜厚T11:3.2μm
・第2加熱工程S6後の第2感光性樹脂膜12の膜厚T12:3.6μm
【0032】
<評価結果>
図10に示すように、走査電子顕微鏡によって、第1感光性樹脂膜11と第2感光性樹脂膜12の界面において境界線は確認されず、連続的に成膜できていることを確認できた。第1感光性樹脂膜11の第1貫通孔11Sと第2感光性樹脂膜12の第2貫通孔12Sは、開口縁において第1感光性樹脂膜11と第2感光性樹脂膜12との段差が視認されるものの、膜残りや残渣等の不良がないことを確認できた。また、ピール試験においても、膜剥がれは生じていないこと(JIS規格 レベル0判定)を確認できた。
【0033】
<他の実施形態>
本願明細書に記載の技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0034】
(1)本願明細書に記載の技術は、液晶パネルに限らず、感光性樹脂膜が使用される全てのデバイスに適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
10…感光性樹脂膜、10S…コンタクトホール、11…第1感光性樹脂膜、11S…第1貫通孔、12…第2感光性樹脂膜、12S…第2貫通孔、20…ガラス基板(絶縁性基板)、30…第1導電膜、40…第2導電膜、50…感光性樹脂材料、70…スリットコーター(塗布装置)、75…第1フォトマスク、75A…第1開口、76…第2フォトマスク、76A…第2開口