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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017625
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】部品選別装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
G01N21/956 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120387
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大地
(72)【発明者】
【氏名】小久貫 太一
(72)【発明者】
【氏名】山本 良巳
(72)【発明者】
【氏名】香川 啓太
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA61
2G051AB02
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA08
2G051DA13
2G051EA16
2G051EB01
(57)【要約】
【課題】部品選別の精度を向上する部品選別装置を提供する。
【解決手段】部品選別装置1は、部品を搬送しながら検査し、良品を選別する部品選別装置であって、部品を回転搬送するターンテーブル30と、ターンテーブル30上の部品における複数の外面をそれぞれ撮像する複数の撮像デバイス40と、複数の撮像デバイス40からの撮像結果に基づいて部品の外観検査を行い、外観検査の結果に基づいて良品を選別する検査選別コントローラ70と、検査選別コントローラ70によって選別された良品を、ターンテーブル30から排出する排出機構50と、ターンテーブル30上に配置され、ターンテーブル30上において回転搬送される部品を覆うカバーとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を搬送しながら検査し、良品を選別する部品選別装置であって、
前記部品を回転搬送するターンテーブルと、
前記ターンテーブル上の前記部品における複数の外面をそれぞれ撮像する複数の撮像デバイスと、
前記複数の撮像デバイスからの撮像結果に基づいて前記部品の外観検査を行い、前記外観検査の結果に基づいて前記良品を選別する検査選別コントローラと、
前記検査選別コントローラによって選別された前記良品を、前記ターンテーブルから排出する排出機構と、
前記ターンテーブル上に配置され、前記ターンテーブル上において回転搬送される前記部品を覆うカバーと、
を備える、部品選別装置。
【請求項2】
前記カバーは光透過性を有する、請求項1に記載の部品選別装置。
【請求項3】
前記カバーと前記ターンテーブルとは離間しており、
前記カバーと前記ターンテーブルとの離間距離は、前記部品の長さ、幅および厚さのうちの最も小さい寸法よりも小さい、
請求項1に記載の部品選別装置。
【請求項4】
前記カバーは、前記ターンテーブル上の前記部品の回転搬送経路を覆うように配置されており、
前記複数の撮像デバイスの各々は、前記カバーを介して前記部品を撮像する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の部品選別装置。
【請求項5】
前記カバーは、前記ターンテーブル上の前記回転搬送経路に沿った円弧形状を有する、請求項4に記載の部品選別装置。
【請求項6】
前記カバーは、前記複数の撮像デバイスの各々の視線に対して垂直な面を有する、請求項4に記載の部品選別装置。
【請求項7】
前記ターンテーブル上の前記回転搬送経路に交差する前記カバーの断面形状は、円弧形状である、請求項6に記載の部品選別装置。
【請求項8】
前記カバーは、前記ターンテーブル上の前記回転搬送経路に沿う方向に傾斜する面を有する、請求項6に記載の部品選別装置。
【請求項9】
前記カバーにおける前記複数の撮像デバイスの各々の視線に対して垂直な面は、前記カバーにおける他の面よりも薄い、請求項6に記載の部品選別装置。
【請求項10】
前記カバーは、偏光性を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品選別装置。
【請求項11】
前記カバーは、有色である、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサ等の表面実装型の電子部品(チップ部品ともいう。)の良品および不良品を選別する装置がある。特許文献1には、このような部品選別装置として外観検査装置が開示されている。特許文献1に開示の外観検査装置は、電子部品を搬送するリニアフィーダと、リニアフィーダによって搬送された電子部品を回転搬送するターンテーブルと、ターンテーブル上の電子部品の6面を撮像する複数の撮像デバイスとを備え、電子部品を搬送しながら電子部品の6面の外観検査を行う。これにより、良品および不良品を選別して排出することができる。
【0003】
特許文献1に開示の外観検査装置は、リニアフィーダにおいて、振動により電子部品を搬送することによって、電子部品を帯電させ、ターンテーブルにおいて、静電気により電子部品を静電吸着して回転搬送する。ターンテーブルの搬送速度は、リニアフィーダの搬送速度よりも速い。これにより、ターンテーブルにおいて電子部品の間隔を空けることができ、電子部品の搬送方向の端面の外観検査が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-44579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような部品選別装置では、製造ロットごとに異なる種類の電子部品の検査および選別を行うことがある。例えば、表面実装型の電子部品には、同一サイズであっても特性が異なる部品がある。より具体的には、積層セラミックコンデンサには、同一サイズであっても容量が異なる部品がある。
【0006】
また、このような部品検査装置では、ターンテーブル上の電子部品を撮像デバイスで撮像するため、一般にターンテーブル上は開放状態であり、ターンテーブル上に種類が異なる電子部品が混入してしまう可能性がある。このように同サイズ/異特性の電子部品が混入してしまうと、例え外観検査の精度が高くとも、選別の精度が低下してしまう。
【0007】
本発明は、部品選別の精度を向上する部品選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る部品選別装置は、部品を搬送しながら検査し、良品を選別する部品選別装置であって、前記部品を回転搬送するターンテーブルと、前記ターンテーブル上の前記部品における複数の外面をそれぞれ撮像する複数の撮像デバイスと、前記複数の撮像デバイスからの撮像結果に基づいて前記部品の外観検査を行い、前記外観検査の結果に基づいて前記良品を選別する検査選別コントローラと、前記検査選別コントローラによって選別された前記良品を、前記ターンテーブルから排出する排出機構と、前記ターンテーブル上に配置され、前記ターンテーブル上において回転搬送される前記部品を覆うカバーと、を備える。
【0009】
(2) (1)に記載の部品選別装置において、前記カバーは光透過性を有していてもよい。
【0010】
(3) (1)または(2)に記載の部品選別装置において、前記カバーと前記ターンテーブルとは離間していてもよく、前記カバーと前記ターンテーブルとの離間距離は、前記部品の長さ、幅および厚さのうちの最も小さい寸法よりも小さくてもよい。
【0011】
(4) (1)から(3)のいずれか1つに記載の部品選別装置において、前記カバーは、前記ターンテーブル上の前記部品の回転搬送経路を覆うように配置されていてもよく、前記複数の撮像デバイスの各々は、前記カバーを介して前記部品を撮像してもよい。
【0012】
(5) (4)に記載の部品選別装置において、前記カバーは、前記ターンテーブル上の前記回転搬送経路に沿った円弧形状を有していてもよい。
【0013】
(6) (4)または(5)に記載の部品選別装置において、前記カバーは、前記複数の撮像デバイスの各々の視線に対して垂直な面を有していてもよい。
【0014】
(7) (6)に記載の部品選別装置において、前記ターンテーブル上の前記回転搬送経路に交差する前記カバーの断面形状は、円弧形状であってもよい。
【0015】
(8) (6)に記載の部品選別装置において、前記カバーは、前記ターンテーブル上の前記回転搬送経路に沿う方向に傾斜する面を有していてもよい。
【0016】
(9) (6)から(8)のいずれか1つに記載の部品選別装置において、前記カバーにおける前記複数の撮像デバイスの各々の視線に対して垂直な面は、前記カバーにおける他の面よりも薄くてもよい。
【0017】
(10) (1)から(9)のいずれか1つに記載の部品選別装置において、前記カバーは、偏光性を有していてもよい。
【0018】
(11) (1)から(9)のいずれか1つに記載の部品選別装置において、前記カバーは、有色であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、部品選別装置における部品選別の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る部品選別装置の一例を上方からみた概略平面図である。
図2図1に示す部品選別装置におけるII部分を拡大した概略平面図である。
図3図1に示す部品選別装置を側方からみた概略側面図であって、II部分を拡大した概略側面図である。
図4A図1に示す部品選別装置のIV-IV線断面図である。
図4B】変形例に係る部品選別装置の断面図であって、図1に示す部品選別装置のIV-IV線相当の断面図である。
図4C】変形例に係る部品選別装置の断面図であって、図1に示す部品選別装置のIV-IV線相当の断面図である。
図5図1に示す部品選別装置のV-V線断面図である。
図6図1に示す部品選別装置のVI-VI線断面図である。
図7】本実施形態の変形例に係る部品選別装置の一例を上方からみた概略平面図である。
図8】部品の外観の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0022】
図1は、本実施形態に係る部品選別装置の一例を上方からみた概略平面図であり、図2は、図1に示す部品選別装置におけるII部分を拡大した概略平面図であり、図3は、図1に示す部品選別装置を側方からみた概略側面図であって、II部分を拡大した概略側面図である。なお、図1図3には、XY直交座標系が示されている。
【0023】
図1図3に示す部品選別装置1は、複数の電子部品3を順次に搬送しながら検査し、良品を選別する装置である。部品選別装置1は、ボールフィーダ10と、リニアフィーダ20と、ターンテーブル30と、カバー36と、複数の撮像デバイス40と、排出機構50と、検査選別コントローラ70とを備える。
【0024】
電子部品3は、積層セラミックコンデンサ等の表面実装型の電子部品(チップ部品ともいう。)である。電子部品3は、例えば図8に示すように、セラミック材料からなる複数の誘電体層と1または複数の導体層とが積層された積層体3aと、積層体3aの2つの端面の各々に配置された2つの外部電極3bとを備える。積層体3a、すなわち電子部品3は、直方体形状であり、積層方向に相対する2つの主面TS1およびTS2と、積層方向に交差する幅方向に相対する2つの側面WS1およびWS2と、積層方向および幅方向に交差する長さ方向に相対する2つの端面LS1およびLS2とを有する。
【0025】
電子部品3の寸法は特に限定されないが、例えば、長さ方向の寸法が3.2mm以上0.1mm以下であり、幅方向の寸法が1.6mm以上0.05mm以下であり、積層方向の寸法が1.6mm以上0.05mm以下であってもよい。なお、これらの寸法は、交差により変動し得る。
【0026】
電子部品3は、上述した誘電体セラミックを用いた積層セラミックコンデンサに限定されず、圧電体セラミックを用いた圧電部品、半導体セラミックを用いたサーミスタ、磁性体セラミックを用いたインダクタ等の種々の電子部品であってもよい。
【0027】
図1図3に示すように、ボールフィーダ10は、例えばホッパーによって供給された複数の電子部品3を整列させて搬送する。ホッパーは、ボールフィーダ10内の電子部品3の数の不足を検知して、ボールフィーダ10に電子部品3を自動的に補充し、ボールフィーダ10内の電子部品3の数を一定量に保つ装置である。
【0028】
ボールフィーダ10には、ボールフィーダ10に振動を供給する振動機構12が設けられている。振動機構12としては、例えば電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子が挙げられる。ボールフィーダ10の外形形状は円形状である。ボールフィーダ10は、振動により、円形状の中央部から外側へ向けて、電子部品3を円運動させながら、スパイラル状に整列させて搬送する。
【0029】
リニアフィーダ20は、ボールフィーダ10によって整列搬送された複数の電子部品3を順次に直線的に搬送する。リニアフィーダ20には、リニアフィーダ20に振動を供給する振動機構22が設けられている。振動機構22としては、例えば電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子が挙げられる。リニアフィーダ20は水平面に対して傾斜していると好ましい。リニアフィーダ20は、振動により、電子部品3を搬送する。
【0030】
リニアフィーダ20は、SUS等の材料からなると好ましい。これにより、リニアフィーダ20において、振動によって電子部品3を搬送する際に、電子部品3を帯電させることができる。
【0031】
ターンテーブル30は、リニアフィーダ20によって搬送された複数の電子部品3を順次に回転搬送する。図1および図2に示すように、ターンテーブル30は、上流側にガイド機構32を有し、ガイド機構32によって、リニアフィーダ20からの電子部品3を、回転搬送経路(回転搬送軌跡)31に導く。ターンテーブル30は、回転搬送経路31に沿って電子部品3を搬送する。
【0032】
図3に示すように、ターンテーブル30の下側には、静電吸着機構34が設けられていると好ましい。これにより、リニアフィーダ20において帯電した電子部品3を静電吸着して搬送することができる。
【0033】
ターンテーブル30の搬送速度は、リニアフィーダ20の搬送速度よりも速い。これにより、図2および図3に示すように、電子部品3の間隔を空けることができ、電子部品3の端面側の外観検査が可能となる。
【0034】
ターンテーブル30は、ガラスまたは樹脂等の材料からなり、透明性を有する。これにより、電子部品3の裏面側の外観検査が可能となる。
【0035】
図1に示すように、ターンテーブル30上には、電子部品3を覆うためのカバー36が配置されている。カバー36の詳細は後述する。
【0036】
図1に示すように、撮像デバイス40は、例えばカメラまたはイメージセンサである。なお、図示しないがカメラ近傍に光源を備えている。ターンテーブル30の回転搬送経路31に沿って、6個の撮像デバイス40が設けられている。6個の撮像デバイス40は、ターンテーブル30上の電子部品3の6個の外面、すなわち2つの主面TS1およびTS2、2つの側面WS1およびWS2、および2つの端面LS1およびLS2、をそれぞれ撮像する。撮像デバイス40の各々には、電子部品3の撮像面を照らす、リング照明またはドーム照明等の照明デバイスが設けられてもよい。
【0037】
図1に示すように、排出機構50は、後述する検査選別コントローラ70によって外観検査の結果に基づいて選別された良品を、ターンテーブル30から排出してケース等に収容する。排出機構50による良品の排出方法は、特に限定されないが、エアー吹付、エアー吸引、物理的接触押出、等が挙げられる。例えば、排出機構50は、良品が搬送されてきた場合、検査選別コントローラ70からの指令に従って、ターンテーブル30上の良品にエアーを吹き付けることにより、良品をターンテーブル30から排出してケース等に収容する。
【0038】
検査選別コントローラ70は、部品選別装置1全体を制御する。具体的には、検査選別コントローラ70は、撮像デバイス40からの撮像結果に基づいて、ターンテーブル30上の電子部品3の外観検査を行い、外観検査の結果に基づいて良品および不良品を選別する。
【0039】
また、検査選別コントローラ70は、排出機構50による良品の排出を制御する。例えば、検査選別コントローラ70は、ターンテーブル30の搬送速度(或いは、回転速度、および、回転搬送経路長さまたは半径)、ターンテーブル30における撮像デバイス40の位置等の情報から、良品を排出機構50から排出するタイミングを算出して、排出機構50に指令する。
【0040】
検査選別コントローラ70は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサで構成される。検査選別コントローラ70の各種機能は、例えば記憶部に格納された所定のソフトウェア(プログラム)を実行することで実現される。検査選別コントローラ70の各種機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
【0041】
検査選別コントローラ70における記憶部は、例えばEEPROM等の書き換え可能なメモリである。記憶部は、選別コントローラの各種機能を実行するための所定のソフトウェア(プログラム)を格納する。また、記憶部は、例えば外部から入力された各種設定値を格納する。各種設定値は、リニアフィーダ20の搬送速度、ターンテーブル30の搬送速度(或いは、回転速度、および、回転搬送経路長さまたは半径)、撮像デバイス40の位置、および排出機構50の位置に関する情報、および良品/不良品の判定基準、等を含む。
【0042】
以下では、カバー36について詳細に説明する。図1に示すように、カバー36は、ターンテーブル30上に配置されており、ターンテーブル30上において回転搬送される電子部品3を覆う。より具体的には、カバー36は、ターンテーブル30上の電子部品3の回転搬送経路31を覆うように配置されている。カバー36は、ターンテーブル30上の回転搬送経路31に沿った円弧形状を有する。
【0043】
図4Aは、図1に示す部品選別装置のIV-IV線断面図であり、図5は、図1に示す部品選別装置のV-V線断面図である。図4Aおよび図5に示すように、ターンテーブル30上の回転搬送経路31に交差するカバー36の断面形状は、円弧形状である。これにより、図4Aに示すように、カバー36は、例えば電子部品3の主面を撮像する撮像デバイス40の視線に対して垂直な面を有することができる。また、図5に示すように、カバー36は、例えば電子部品3の側面を撮像する撮像デバイス40の視線に対して垂直な面を有することができる。このように、カバー36の面が撮像デバイス40の視線に対して垂直であると、カバー36による屈折を低減でき、電子部品3の主面および側面を正確に撮像することができる。なお、円弧形状に限られず、撮像デバイス40の視線に対して垂直な面を持つ形状を含むものとする。また、カバーの一部をレンズ状にして拡大機能を持たせてもよい。
【0044】
図4Aおよび図5において、カバー36における撮像デバイス40の視線に対して垂直な面は、カバー36における他の面よりも薄くてもよい。これによれば、カバー36による屈折をより低減でき、電子部品3の主面および側面をより正確に撮像することができる。
【0045】
図6は、図1に示す部品選別装置のVI-VI線断面図である。図6に示すように、カバー36は、ターンテーブル30上の回転搬送経路31に沿う方向に傾斜する面を有する。これにより、カバー36は、例えば電子部品3の端面を撮像する撮像デバイス40の視線に対して垂直な面を有することができる。このように、カバー36の面が撮像デバイス40の視線に対して垂直であると、カバー36による屈折を低減でき、電子部品3の端面を正確に撮像することができる。
【0046】
図6において、カバー36における撮像デバイス40の視線に対して垂直な面は、カバー36における他の面よりも薄くてもよい。これによれば、カバー36による屈折をより低減でき、電子部品3の端面をより正確に撮像することができる。
【0047】
また、図4Aおよび図5に示すように、カバー36とターンテーブル30とは離間している。例えば、図1および図4Aに示すように、カバー36は、固定部材(図示省略)に固定された支持柱等を含むカバー支持部材47であって、等間隔に並んだ複数のカバー支持部材47によって、吊るされて支持されていてもよい。或いは、図4Bに示すように、カバー36は、撮像デバイス40の各々に固定された支持柱等を含む複数のカバー支持部材47によって、吊るされて支持されていてもよい。或いは、図4Cに示すように、カバー36は、カバー36とターンテーブル30との間に設けられた車輪等を含むカバー支持部材47であって、等間隔に並んだ複数のカバー支持部材47によって、支持されていてもよい。これにより、ターンテーブル30は、カバー36と干渉することなく、回転することができる。カバー36とターンテーブル30との離間距離は、電子部品3の長さ、幅および厚さのうちの最も小さい寸法よりも小さい。これにより、カバー36内に、すなわちターンテーブル30上の回転搬送経路31に、種類が異なる電子部品が混入することを防止することができる。また、カバー36の外に、すなわちターンテーブル30上の回転搬送経路31の外に、搬送中の電子部品3が外れることを防止することができる。
【0048】
カバー36は、ガラスまたは樹脂等の材料からなり、光透過性(例えば、透明性)を有する。これにより、撮像デバイス40は、カバー36を介して電子部品3を撮像することができる。
【0049】
なお、カバー36は、有色(例えば、長波長変調(赤色)または短波長変調(青色)させる色等)であってもよい。これにより、光を変調させ、透明光では検出できない部品の表面状態を検出することができる。或いは、カバー36は、偏光性を有していてもよい。これにより、透明光では検出できない部品の表面状態を検出することができる。なお、光の変調はカバーに限られず、光源の光を変調させてもいい。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の部品選別装置1によれば、電子部品3を回転搬送する透明なターンテーブル30と、ターンテーブル30上の電子部品3の6つの外面をそれぞれ撮像する6つの撮像デバイス40と、撮像デバイス40からの撮像結果に基づいて電子部品3の外観検査を行い、外観検査の結果に基づいて良品を選別する検査選別コントローラ70と、検査選別コントローラ70によって選別された良品を、ターンテーブル30から排出する排出機構50とを備える。これにより、複数の電子部品3を搬送しながら外観検査し、良品を選別することができる。
【0051】
ここで、このような部品選別装置では、製造ロットごとに異なる種類の電子部品の検査および選別を行うことがある。例えば、表面実装型の電子部品には、同一サイズであっても特性が異なる部品がある。より具体的には、積層セラミックコンデンサには、同一サイズであっても容量が異なる部品がある。
【0052】
また、従来の部品選別装置では、ターンテーブル上の電子部品を撮像デバイスで撮像するため、ターンテーブル上は開放状態であった。そのため、ターンテーブル上の回転搬送経路31に、種類が異なる電子部品が混入してしまう可能性がある。このように同サイズ/異特性の電子部品が混入してしい、良品として排出されてしまうと、部品の混入が生じてしまう。
【0053】
この点に関し、本実施形態の部品選別装置1によれば、ターンテーブル30上に、ターンテーブル30上において回転搬送される電子部品3を覆うカバー36が配置されている。これにより、カバー36内に、すなわちターンテーブル上の回転搬送経路31に、種類が異なる電子部品が混入することを防止することができる。そのため、部品選別の精度を向上することができる。
【0054】
また、ターンテーブル上が開放状態である従来の部品選別装置では、搬送中の電子部品が、回転搬送経路の外に外れてしまい、前回ロットの電子部品がターンテーブル上に残ってしまうことがある。このような場合に、今回ロットの電子部品の種類が前回ロットの電子部品の種類と異なると、今回ロットの電子部品に、種類が異なる前回ロットの電子部品が混入してしまう可能性がある。このように同サイズ/異特性の電子部品が混入してしまうと、例え外観検査の精度が高くとも、選別の精度が低下してしまう。
【0055】
この点に関し、本実施形態の部品選別装置によれば、カバー36は、ターンテーブル30上の電子部品3の回転搬送経路31を覆うように配置されている。これにより、カバー36の外に、すなわちターンテーブル30上の回転搬送経路31の外に、搬送中の電子部品3が外れることを防止することができる。そのため、部品選別の精度を向上することができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。上述した実施形態では、ターンテーブル30上の電子部品3の回転搬送経路31に沿って連続する1つのカバー36を備える部品選別装置1を例示した(図1)。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、部品選別装置1は、ターンテーブル30上の電子部品3の回転搬送経路31に沿って分割された複数のカバー36を備える形態であってもよい(図7、なお図7では上述したカバー支持部材37を省略)。この場合、隣り合うカバー36の離間間隔は、電子部品3の長さ、幅および厚さのうちの最も小さい寸法よりも小さいことが好ましい。例えば、0.02mm以下が好ましい。
【0057】
また、上述した実施形態では、ターンテーブル30上の電子部品3の回転搬送経路31を覆うように、ターンテーブル30上の回転搬送経路31に沿った円弧形状を有するカバー36を備える部品選別装置1を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、部品選別装置1は、ターンテーブル30の全体を覆うカバー36を備える形態であってもよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、カバー36がターンテーブル30と撮像デバイス40との間に介在する部品選別装置1を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、部品選別装置1は、カバー36が撮像デバイス40をも覆う形態であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 部品選別装置
3 電子部品
10 ボールフィーダ
12 振動機構
20 リニアフィーダ
22 振動機構
30 ターンテーブル
31 回転搬送経路(回転搬送軌跡)
32 ガイド機構
34 静電吸着機構
36 カバー
37 カバー支持部材
40 撮像デバイス
50 排出機構
70 検査選別コントローラ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8