(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017627
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】配線部材の配置構造
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20240201BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20240201BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H02G3/30
H02G3/04
B60R16/02 620A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120390
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】米盛 樹生
(72)【発明者】
【氏名】曽根 康介
(72)【発明者】
【氏名】志田 友香
【テーマコード(参考)】
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD14
5G357DE08
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA11
5G363DB11
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】車両のフロアへ配線部材を簡易に追加できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】配線部材の配置構造20は、車両10におけるフロアパネル12よりも室内側に配置されるフロアカーペット30と、前記フロアカーペットよりも室内側に配置され、前記フロアカーペットを部分的に覆う保持部材40と、前記保持部材に保持された配線部材70と、を備える。前記保持部材は、室内に露出する上面を有する天板部41と、平面視において互いに交差する方向である第1方向及び第2方向のそれぞれに並ぶように前記天板部の下方に設けられた複数の柱部42とを含む。前記天板部の下方であって前記複数の柱部の間に配置空間が形成される。前記配線部材は、前記配置空間に配置される。前記保持部材は、前記天板部が乗員に踏まれたときに前記配置空間を維持可能な剛性を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両におけるフロアパネルよりも室内側に配置されるフロアカーペットと、
前記フロアカーペットよりも室内側に配置され、前記フロアカーペットを部分的に覆う保持部材と、
前記保持部材に保持された配線部材と、
を備え、
前記保持部材は、室内に露出する上面を有する天板部と、平面視において互いに交差する方向である第1方向及び第2方向のそれぞれに並ぶように前記天板部の下方に設けられた複数の柱部とを含み、
前記天板部の下方であって前記複数の柱部の間に配置空間が形成され、
前記配線部材は、前記配置空間に配置され、
前記保持部材は、前記天板部が乗員に踏まれたときに前記配置空間を維持可能な剛性を有する、配線部材の配置構造。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材の配置構造であって、
前記複数の柱部それぞれの高さが、前記配線部材の上方又は下方に空隙を形成可能な高さである、配線部材の配置構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材の配置構造であって、
前記配置空間における複数の経路を特定するマークが設けられている、配線部材の配置構造。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材の配置構造であって、
前記配線部材は、前記保持部材における互いに異なる地点である第1地点及び第2地点を通り、
前記配線部材のうち前記第1地点と前記第2地点との間の部分は、前記第1地点と前記第2地点とを結ぶ最短経路よりも長い経路となっている、配線部材の配置構造。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材の配置構造であって、
前記複数の柱部のそれぞれは円柱状である、配線部材の配置構造。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材の配置構造であって、
前記保持部材は、前記天板部と前記天板部から突出する複数の第1凸部とを有する第1ベースシートと、ベース板部と前記ベース板部から突出する複数の第2凸部とを有する第2ベースシートとを含み、
前記複数の第1凸部の先端面と前記複数の第2凸部の先端面とが接触するように、前記第1ベースシート及び前記第2ベースシートが互いに逆向きに重なり、
前記複数の第1凸部と前記複数の第2凸部とが合わさって前記複数の柱部とされる、配線部材の配置構造。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材の配置構造であって、
前記保持部材は、前記天板部と前記天板部から突出する前記複数の柱部とを含むベースシートと、前記複数の柱部に対応する複数の凹部が形成された保持板部を有する保持シートとを含み、
前記複数の凹部に前記複数の柱部の先端が嵌るように前記ベースシートと前記保持シートとが取付けられている、配線部材の配置構造。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材の配置構造であって、
前記保持部材は、前記天板部と、前記天板部から突出する前記複数の柱部と、前記複数の柱部それぞれの基端よりも先端に設けられた抜止片とを含む、配線部材の配置構造。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の配線部材の配置構造であって、
前記保持部材は、ベースシートと固定部材とを含み、
前記ベースシートは、前記天板部と、前記天板部から突出する前記複数の柱部とを有し、
前記固定部材は、前記配線部材に取付けられた配線取付部と、前記柱部が嵌る孔が形成されて前記複数の柱部のうちいずれかの柱部に取付けられた柱部取付部とを有する、配線部材の配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線部材の配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両のフロアにおいて、フロアカーペットの下にワイヤーハーネスを配置する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、フロアカーペットが車体に取付けられた後にフロア用の配線部材を追加する場合、フロアカーペットを車体から取外す必要があり、手間がかかる。
【0005】
そこで、車両のフロアへ配線部材を簡易に追加できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線部材の配置構造は、車両におけるフロアパネルよりも室内側に配置されるフロアカーペットと、前記フロアカーペットよりも室内側に配置され、前記フロアカーペットを部分的に覆う保持部材と、前記保持部材に保持された配線部材と、を備え、前記保持部材は、室内に露出する上面を有する天板部と、平面視において互いに交差する方向である第1方向及び第2方向のそれぞれに並ぶように前記天板部の下方に設けられた複数の柱部とを含み、前記天板部の下方であって前記複数の柱部の間に配置空間が形成され、前記配線部材は、前記配置空間に配置され、前記保持部材は、前記天板部が乗員に踏まれたときに前記配置空間を維持可能な剛性を有する、配線部材の配置構造である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両のフロアへ配線部材を簡易に追加できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態1にかかる配線部材の配置構造を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は配線部材付きの保持部材を示す斜視図である。
【
図5】
図5は保持部材に配線部材を保持させる様子を示す説明図である。
【
図6】
図6は配線保持構造の第4変形例を示す正面図である。
【
図7】
図7は第4変形例にかかる配線保持構造を示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は配線保持構造の第2変形例を示す断面図である。
【
図9】
図9は第2変形例にかかる配線保持構造を製造する様子を示す説明図である。
【
図10】
図10は配線保持構造の第3変形例を示す正面図である。
【
図11】
図11は第3変形例にかかる配線保持構造を示す分解斜視図である。
【
図12】
図12は配線保持構造の第4変形例を示す説明図である。
【
図13】
図13は配線保持構造の第5変形例を示す説明図である。
【
図14】
図14は配線保持構造の第6変形例を示す正面図である。
【
図15】
図15は第6変形例にかかる配線保持構造を製造する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の配線部材の配置構造は、次の通りである。
【0011】
(1)車両におけるフロアパネルよりも室内側に配置されるフロアカーペットと、前記フロアカーペットよりも室内側に配置され、前記フロアカーペットを部分的に覆う保持部材と、前記保持部材に保持された配線部材と、を備え、前記保持部材は、室内に露出する上面を有する天板部と、平面視において互いに交差する方向である第1方向及び第2方向のそれぞれに並ぶように前記天板部の下方に設けられた複数の柱部とを含み、前記天板部の下方であって前記複数の柱部の間に配置空間が形成され、前記配線部材は、前記配置空間に配置され、前記保持部材は、前記天板部が乗員に踏まれたときに前記配置空間を維持可能な剛性を有する、配線部材の配置構造である。
【0012】
(1)の配線部材の配置構造によると、保持部材を用いてフロアカーペットよりも室内側に配線部材を追加できる。保持部材は、室内に露出する部材であると共に、フロアカーペットを部分的に覆う部材であるため、保持部材への配線部材の追加は、フロアカーペットを取外してフロアカーペットの下に配線部材を追加するよりも簡易となる。これにより、車両のフロアへ配線部材を簡易に追加できる。さらに、保持部材は、乗員の足元などに配置されて、乗員に踏まれうる。この場合でも、保持部材は、天板部が乗員に踏まれたときに配置空間を維持可能な剛性を有するため、乗員に踏まれたときの荷重が配線部材にかかりにくい。また、天板部の上面が室内に露出するため、乗員が天板部を踏んだときに違和感を抱きにくい。
【0013】
(2)(1)の配線部材の配置構造において、前記複数の柱部それぞれの高さが、前記配線部材の上方又は下方に空隙を形成可能な高さであってもよい。これにより、配線部材と天板部との間に、又は、配線部材とフロアカーペットとの間に空隙が形成され、乗員に踏まれたときの荷重が配線部材にかかりにくい。
【0014】
(3)(1)又は(2)の配線部材の配置構造において、前記配置空間における複数の経路を特定するマークが設けられていてもよい。これにより、配線部材が複数の経路のうちいずれかの経路に沿って配置される際、マークを用いて配置される経路を指示できる。これにより、配線部材が保持部材に対して所定の経路に沿って配置されやすくなる。
【0015】
(4)(1)から(3)のいずれか1つの配線部材の配置構造において、前記配線部材は、前記保持部材における互いに異なる地点である第1地点及び第2地点を通り、前記配線部材のうち前記第1地点と前記第2地点との間の部分は、前記第1地点と前記第2地点とを結ぶ最短経路よりも長い経路となっていてもよい。これにより、保持部材が配線部材に生じた余長を吸収できる。
【0016】
(5)(1)から(4)のいずれか1つの配線部材の配置構造において、前記複数の柱部のそれぞれは円柱状であってもよい。これにより、配線部材を柱部の側面に沿って曲げることによって、配線部材の曲率半径が柱部の半径より小さくなることを抑制できる。
【0017】
(6)(1)から(5)のいずれか1つの配線部材の配置構造において、前記保持部材は、前記天板部と前記天板部から突出する複数の第1凸部とを有する第1ベースシートと、ベース板部と前記ベース板部から突出する複数の第2凸部とを有する第2ベースシートとを含み、前記複数の第1凸部の先端面と前記複数の第2凸部の先端面とが接触するように、前記第1ベースシート及び前記第2ベースシートが互いに逆向きに重なり、前記複数の第1凸部と前記複数の第2凸部とが合わさって前記複数の柱部とされてもよい。これにより、配線部材が第1ベースシート及び第2ベースシートの間に保持される。
【0018】
(7)(1)から(6)のいずれか1つの配線部材の配置構造において、前記保持部材は、前記天板部と前記天板部から突出する前記複数の柱部とを含むベースシートと、前記複数の柱部に対応する複数の凹部が形成された保持板部を有する保持シートとを含み、前記複数の凹部に前記複数の柱部の先端が嵌るように前記ベースシートと前記保持シートとが取付けられていてもよい。これにより、配線部材がベースシート及び保持シートの間に保持される。
【0019】
(8)(1)から(7)のいずれか1つの配線部材の配置構造において、前記保持部材は、前記天板部と、前記天板部から突出する前記複数の柱部と、前記複数の柱部それぞれの基端よりも先端に設けられた抜止片とを含んでもよい。これにより、配線部材が複数の柱部の間から抜けることが抜止片によって抑制される。
【0020】
(9)(1)から(8)のいずれか1つの配線部材の配置構造において、前記保持部材は、ベースシートと固定部材とを含み、前記ベースシートは、前記天板部と、前記天板部から突出する前記複数の柱部とを有し、前記固定部材は、前記配線部材に取付けられた配線取付部と、前記柱部が嵌る孔が形成されて前記複数の柱部のうちいずれかの柱部に取付けられた柱部取付部とを有してもよい。これにより、配線部材をベースシートに配置しながら、固定部材によって配線部材をベースシートに保持できる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線部材の配置構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる配線部材の配置構造20について説明する。
図1は実施形態1にかかる配線部材の配置構造20を示す概略平面図である。
図2は
図1のII-II線に沿った断面図である。
図1及び
図2に示される前後方向(FRONT,REAR)、左右方向(LEFT,RIGHT)、及び上下方向(UP,LOW)は、車両10における前後方向、左右方向、及び上下方向に対応する。
図3は配線部材70付きの保持部材40を示す斜視図である。
図4は保持部材40を示す平面図である。
図5は保持部材40に配線部材70を保持させる様子を示す説明図である。
【0023】
配線部材の配置構造20は、フロアカーペット30と保持部材40と配線部材70とを備える。
【0024】
フロアカーペット30は、車両10におけるフロアパネル12よりも室内側に配置される。フロアカーペット30は、フロアパネル12のうち車室のフロアとなる部分を、一部領域を除き、全体的に覆う。フロアカーペット30に覆われない一部領域は、特に限定されるものではないが、例えば、座席14取付用の金具が設けられる領域、センターコンソールが配置される領域などが想定される。フロアカーペット30の前縁部は、例えば、ダッシュパネル13まで達していてもよい。フロアカーペット30の構成は、特に限定されるものではなく、公知のフロアカーペット30の構成などから適宜設定可能である。
【0025】
保持部材40は、フロアカーペット30よりも室内側に配置される。保持部材40は、フロアカーペット30を部分的に覆う。保持部材40は、室内に露出する部分を有する。例えば、保持部材40は、フロアカーペット30のうち座席14の前方に位置する領域を部分的に覆う。
【0026】
保持部材40は、天板部41と複数の柱部42とを含む。天板部41は、室内に露出する上面を有する。複数の柱部42は、天板部41の下方に設けられている。複数の柱部42は、平面視において互いに交差する方向である第1方向及び第2方向のそれぞれに並ぶように設けられている。複数の柱部42は、天板部41から突出してもよいし、天板部41を有する部材とは別の部材に設けられてもよい。複数の柱部42は、フロアカーペット30と天板部41との間に設けられている。複数の柱部42は、水平方向に沿って互いに離れている。複数の柱部42の間に配置空間が形成される。配置空間の上方に天板部41が位置する。配置空間の下方にフロアカーペット30が位置する。配置空間の側方に柱部42が位置する。配線部材70は、配置空間に配置されている。保持部材40は、天板部41が乗員に踏まれたときに複数の柱部42の間の配置空間を維持可能な剛性を有する。
【0027】
なお、天板部41が乗員に踏まれたときに、配置空間は、多少小さくなることは許容される。小さくなる前の配置空間の大きさと小さくなった後の配置空間の大きさとの差を空間減少量と称する。空間減少量の上限は、配線部材70に強い力がかからない範囲であれば、如何なるものであってもよい。空間減少量の上限は、例えば、0パーセントから30パーセントの間であってもよく、0パーセントから20パーセントの間であってもよく、0パーセントから10パーセントの間であってもよい。
【0028】
保持部材40は、フロアカーペット30に対して分離可能である。保持部材40とフロアカーペット30との取付構造は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、保持部材40とフロアカーペット30とは取付金具を用いて取付けられてもよい。この場合、保持部材40とフロアカーペット30とのうち少なくとも一方は取付金具を含む。保持部材40とフロアカーペット30とは面ファスナを介して取付けられていてもよい。
【0029】
本開示において、保持部材40が配線部材70を保持する構造を、配線保持構造と呼ぶ。配線保持構造は、配線部材70が保持部材40から脱落することを抑制するための構造である。配線保持構造としては、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
【0030】
ここでは保持部材40は、2つのベースシート44を含む。2つのベースシート44のうち上方に配置されるベースシート44が第1ベースシートの一例であり、下方に配置されるベースシート44が第2ベースシートの一例である。上方に配置されるベースシート44について区別が必要な場合、ベースシート44Aと称することがある。以下、
図5において、実線のベースシート44Aは下方のベースシート44に合わさって配線保持構造をなす状態を示し、2点鎖線のベースシート44Aは下方のベースシート44に合わさる前の状態を示す。
【0031】
各ベースシート44は、ベース板部45と複数の凸部46とを含む。ベースシート44は、例えば、樹脂を材料として、ベース板部45と複数の凸部46とを含む形状となるように金型を用いて成形された成形品である。
【0032】
ベース板部45から複数の凸部46が突出する。ベース板部45が複数の凸部46を連結している。ベース板部45は、第1主面及び第2主面を有する。ここでは第1主面からのみ凸部46が突出し、第2主面からは凸部46は突出していない。
【0033】
2つのベースシート44は互いに逆向きに重ねられている。2つのベースシート44は、凸部46が突出する第1主面同士が対向するように合わさっている。保持部材40は、下方のベースシート44におけるベース板部45の第2主面がフロアカーペット30と対向するように配置されている。保持部材40は、上方のベースシート44Aにおけるベース板部45の第2主面が室内に露出するように配置されている。従って、ベースシート44Aのベース板部45が天板部41をなしている。
【0034】
ここでは、2つのベースシート44の凸部46の先端面同士が全面的に接触している。これにより、2つのベースシート44の凸部46が合わさって柱部42をなしている。複数の柱部42それぞれの高さが、配線部材70の上方又は下方に空隙を形成可能な高さである。複数の柱部42それぞれの高さが、配線部材70の高さよりも高い。1組の柱部42の間において、配線部材70が詰め込まれていない。保持部材40が踏まれる力を受けて、柱部42が上下方向に多少撓んでも、配線部材70に強い力がかかりにくい。
【0035】
2つのベースシート44の凸部46が合わさって柱部42をなしていることにより、一方のベースシート44の凸部46のみが柱部をなす場合と比べて、配線部材70が通る通路が上下方向に広がる。
【0036】
2つのベースシート44は、接合されている。かかる接合態様は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、2つのベースシート44は、接着剤又は両面粘着テープなどによって接合されていてもよい。また例えば、2つのベースシート44は、溶着されていてもよい。好ましくは、2つのベースシート44は着脱可能に接合されていると良い。
【0037】
2つのベースシート44は、凸部46の先端面同士が全面的に接触しないように設けられていてもよい。例えば、一方のベースシート44の通路の上方に、他方のベースシート44の凸部46が位置してもよい。具体的には、例えば、一方のベースシート44の4つの凸部46の中心に、他方のベースシート44の1つの凸部46の中心が位置していてもよい。この際、一方のベースシート44の4つの凸部46の間に、他方のベースシート44の1つの凸部46が嵌ってもよい。この場合、2つのベースシート44は一方の凸部46の間への他方の凸部46の圧入によって接合されていてもよい。このほか、他方のベースシート44の1つの凸部46の先端面が、一方のベースシート44の4つの凸部46の先端面それぞれに部分的に接触してもよい。
【0038】
各ベースシート44において、複数の凸部46は、
図4に示すように、平面視において互いに交差する方向である第1方向及び第2方向のそれぞれに並ぶように設けられている。
図4に示す例では、第1方向及び第2方向は互いに直交する。第1方向及び第2方向は直交以外の角度(例えば60度)で交差していてもよい。複数の凸部46はベース板部45を介して互いに連結されている。
【0039】
複数の凸部46のそれぞれは円柱状である。このため、2つのベースシート44の凸部46が合わさる柱部42も円柱状である。円柱の半径は、特に限定されるものではないが、配線部材70に設定された最小曲げ半径以上であるとよい。
図4に示す例では、1組の凸部46と凸部46との間の寸法は、凸部46の太さ(円柱の直径)よりも小さい。1組の凸部46と凸部46との間の寸法は、凸部46の太さ(円柱の直径)と同じかそれよりも大きくてもよい。
【0040】
凸部46は、踏まれたときに潰れずに配置空間を維持できる剛性を有する。ここでは凸部46の内部には、ベースシート44を構成する樹脂が詰まっている。従って、凸部46は充実断面を有する。これにより、ベースシート44の剛性が高められている。凸部46は、中空断面を有していてもよい。
【0041】
配線部材70は、車両10に搭載される機器に電力を供給したり、機器からの信号又は機器への信号を送ったりする。配線部材70は、例えば、電線又は光ファイバなどを含む。配線部材70は、電気又は光を伝送するための伝送路を有する。配線部材70が有する伝送路は1つであってもよいし、複数であってもよい。配線部材70が複数の伝送路を有する場合、当該複数の伝送路が、1本の複合ケーブルにまとめて設けられていてもよい。複数の伝送路は、複数本の被覆電線に分かれて設けられていてもよい。
図2に示す例では、それぞれ1つの伝送路を有する被覆電線が3本設けられている。
【0042】
配線部材70のうち中間部が保持部材40に保持される。配線部材70の一端部及び他端部は、保持部材40の外方に延びて、機器などに接続される。
図1に示す例では、配線部材70のうち保持部材40に保持される部分は、1本の経路に沿って延びるように設けられている。配線部材70のうち保持部材40に保持される部分は、互いに異なる複数の経路に沿って延びるように設けられていてもよい。配線部材70の端部には、
図1に示すように、コネクタ72などが設けられてもよい。複数の経路に沿って延びる部分が、互いに異なるコネクタ72に接続されてもよい。
【0043】
配線部材の配置構造20には、マーク48が設けられている。マーク48は、配置空間における複数の経路を特定する。ここではマーク48は、ベース板部45のうち凸部46が突出する第1主面に設けられる。凸部46と凸部46との間の通路を特定できるように、各通路に互いに異なるマーク48が設けられている。
図4に示す例では、第2方向に沿って並び、かつ、第1方向に延びる複数の通路に、第1種のマーク48として、Aから順にアルファベットのマーク48が設けられている。また、第1方向に沿って並び、かつ、第2方向に延びる複数の通路に、第2種のマーク48として、1から順に数字のマーク48が設けられている。これにより、第1方向に延びる通路と、第2方向に延びる通路との交差部をアルファベット及び数字を用いて特定できる。例えば、Aのアルファベットが付された通路と、2の数字が付された通路との交差部は、交差部A2と称することができる。なお、マーク48としては、数字及びアルファベット以外を用いてもよい。
【0044】
例えば、配線部材70をベースシート44に対して配置する際、特定の通路のマーク48を指示することによって、同種の製品を複数製造する場合において、ベースシート44における配線部材70の経路を一定に保つことができる。具体的には、
図4に示す例では、配線部材70が、6の数字が付された通路の一方外方からベースシート44の内部に入り、交差部A6、A2、D2、D5、B5、B6を通って、6の数字が付された通路の他方外方に延び出ている。従って、配線部材70が通る交差部のマーク48を指示することによって、配線部材70の経路が一定に保たれる。
【0045】
配線部材70は、配置空間における互いに異なる第1地点と第2地点とを通る。配線部材70が通る任意の2点を第1地点及び第2地点とすることができる。例えば、配線部材70のうちベースシート44から外に延び出る2つの地点を第1地点、第2地点としてもよい。
【0046】
ここでは、配線部材70のうち第1地点と第2地点との間の経路が、第1地点と第2地点とを結ぶ最短経路よりも長い経路となっている部分が存在する。具体的には、
図4において、配線部材70は、交差部A6及び交差部B6を通るものの、その間の経路は最短経路(ここでは2の番号が付された通路に沿った直線状)よりも長い経路となっている。なお、本開示におけるベースシート44上の最短経路は、凸部46の間を通る最短経路であり、必ずしも直線状とは限らない。例えば、
図4において、配線部材70のうち交差部A3から交差部B2まで行く経路は曲がっているが、最短経路であるとみなすことができる。
【0047】
<配線保持構造の変形例>
配線保持構造は、2つのベースシート44を用いる上記構成とは別の構成を有していてもよい。以下、配線保持構造の変形例について説明する。
【0048】
図6は配線保持構造の第1変形例を示す正面図である。
図7は第1変形例にかかる配線保持構造を示す分解斜視図である。第1変形例にかかる配線保持構造では、保持部材40の代わりに保持部材140が設けられている。保持部材140は、ベースシート144と保持シート50とを含む。
【0049】
ベースシート144は、天板部141と複数の柱部142とを含む。ベースシート144の天板部141は、上記ベースシート44のベース板部45と同様に形成されている。ベースシート144の柱部142は、上記ベースシート44の凸部46と、高さ寸法を除き、同様に形成されている。ここでは、1つのベースシート144に柱部142が設けられるため、ベースシート144の柱部142の高さ寸法はベースシート44の凸部46の高さ寸法よりも大きい。
【0050】
保持シート50は、平板状の保持板部51を有する。
図7に示すように、保持板部51に、柱部142に対応する凹部52が複数形成されている。ここでは凹部52として、保持板部51を貫通する貫通孔が形成されている。凹部52として、保持板部51を貫通しない有底穴が形成されていてもよい。保持板部51から円筒状の枠部が突出して凹部52とされてもよい。凹部52に柱部142が圧入されて、保持シート50がベースシート144に保持される。
【0051】
例えば、
図7に示すように、天板部141のうち柱部142が突出する面を上方に向けた状態で、配線部材70がベースシート144に配置され、保持シート50がベースシート144に取付けられる。この場合、配線部材70付きの保持部材140は、天板部141のうち柱部142が突出する面が下方を向くように反転されて、フロアカーペット30上に配置される。従って、ベースシート144に配置する際の配線部材70の経路と、車両10における配線部材70の経路とは、互いに反転した経路とされる。
【0052】
図8は配線保持構造の第2変形例を示す断面図である。
図9は第2変形例にかかる配線保持構造を製造する様子を示す説明図である。第2変形例にかかる配線保持構造では、保持部材140の代わりに保持部材240が設けられている。保持部材240は、上記ベースシート144と、抜止片54とを含む。抜止片54は、通路の上方を覆って通路からの配線部材70の抜けを抑制する。
図9に示す例において、実線の抜止片54は配線保持構造をなす前の成形時の状態を示し、二点鎖線の抜止片54は配線保持構造をなしている状態を示す。実線の抜止片54は、柱部142から上方に突出し、柱部142との間に配線部材70を挿入可能な開口を形成する。抜止片54はベースシート144と一体成形されてもよい。ベースシート144は、天板部141、柱部142及び実線の抜止片54を有する形状に成形されてもよい。そして、配線部材70を通路に配置した後、実線の抜止片54が熱プレスされて変形する。これにより、二点鎖線の抜止片54の状態となり、保持部材40として機能する。
【0053】
図10は配線保持構造の第3変形例を示す正面図である。
図11は第3変形例にかかる配線保持構造を示す分解斜視図である。第3変形例にかかる配線保持構造では、保持部材40の代わりに保持部材340が設けられている。保持部材340は、上記ベースシート144と、固定部材56とを含む。固定部材56は、配線部材70に設けられている。固定部材56は、配線取付部57と柱部取付部58とを有する。
【0054】
配線取付部57は、配線部材70に取付けられている。配線取付部57は、配線部材70に取付け可能であれば、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、配線取付部57は、配線部材70をインサート部品としてインサートモールド成形されたモールド樹脂部であってもよい。また例えば、配線取付部57は、配線部材70の延在方向に延びて配線部材70が配置される板部を有し、板部と配線部材70とが接合されてもよい。かかる接合は、例えば、板部と配線部材70との周囲に粘着テープ又は結束バンドなどが巻かれてもよい。また例えば、配線取付部57は、板部が配線部材70の周囲を囲うように圧着された圧着部などであってもよい。
【0055】
柱部取付部58は複数の柱部142のうちいずれかの柱部142に取付けられている。柱部取付部58は板状に形成されている。柱部取付部58には孔が形成されている。孔に柱部142が嵌る。孔の大きさは、柱部142の大きさと対応する大きさとされる。例えば、孔の直径は柱部142の直径よりもわずかに小さく形成されて柱部142が孔に圧入されてもよい。柱部取付部58は配線部材70が通る通路に面する柱部142に取付けられてもよい。柱部取付部58は配線部材70が直線状に延びる通路に面する柱部142に取付けられてもよい。
【0056】
図12は配線保持構造の第4変形例を示す説明図である。第4変形例にかかる配線保持構造では、保持部材40の代わりに保持部材440が設けられている。保持部材440は、上記ベースシート144と、抜止片60とを有する。抜止片60は、複数の柱部142のそれぞれの先端に設けられている。抜止片60は、複数の柱部142の間を狭めるように設けられている。互いに対向する1組の柱部142に設けられた1組の抜止片60の間に開口部が設けられる。
図12に示すように、当該開口部を通じて配線部材70が1組の柱部142の間に挿入される。開口部の大きさは、配線部材70のうち最も細いものの直径よりも小さいと良い。抜止片60は、配線部材70の挿入時に開口部が広がり、配線部材70の挿入後に開口部が元の大きさに戻るように弾性変形可能であると良い。
【0057】
抜止片60は、平面視において柱部142よりも大きい円形状又は方形状であってもよい。抜止片60は、平面視において柱部142の周囲の一部から通路側に部分的に突出する大きさであってもよい。
【0058】
抜止片60は、交差部でない通路で配線部材70の抜けを抑制してもよい。抜止片60は、交差部で配線部材70の抜けを抑制してもよい。抜止片60は、交差部でない通路と交差部との両方で配線部材70の抜けを抑制してもよい。
【0059】
抜止片60は、ベースシート144の金型成形時に柱部142と一体的に設けられていてもよい。抜止片60は、柱部142の成形後に付与されていてもよい。例えば、柱部142の先端に天板部141と同様の板部が一旦設けられた後、当該板部のうち通路を覆う部分にスリットが形成されることによって、スリットによって分割された部分が抜止片60とされてもよい。
【0060】
図13は配線保持構造の第5変形例を示す説明図である。第5変形例にかかる配線保持構造では、保持部材40の代わりに保持部材540が設けられている。保持部材540は、上記ベースシート144と、弾性体62とを含む。弾性体62は、複数の柱部142の間に通路を埋めるように設けられる。弾性体62は、ゴム又はエラストマなどの弾性材料製である。弾性体62にスリット63が形成されている。スリット63は柱部142の先端側に開口している。配線部材70はスリット63に通されて弾性体62の弾性力によって保持されている。これにより、配線部材70が弾性体62によって複数の柱部142の間に保持される。
【0061】
図13に示す例では、弾性体62には収容空間が形成されている。収容空間はスリット63よりも幅が広い。収容空間は、配線部材70を収容する。収容空間は、スリット63のうち弾性体62の外面とは反対側の端部に連なる。もっとも、弾性体62には、収容空間が形成されていなくてもよい。
【0062】
図14は配線保持構造の第6変形例を示す正面図である。
図15は第6変形例にかかる配線保持構造を製造する様子を示す説明図である。第6変形例にかかる配線保持構造では、保持部材40の代わりに保持部材640が設けられている。保持部材640は、上記ベースシート144と、収縮フィルム64とを有する。収縮フィルム64は、複数の柱部142が設けられた領域を覆っている。これにより、配線部材70が収縮フィルム64によって複数の柱部142の間に保持される。
【0063】
図15に示すように、収縮前の収縮フィルム64は、例えば、天板部141よりも大きい平坦なフィルムである。当該収縮フィルム64が、柱部142の先端に被さった状態で、加熱装置80などからの熱などの外部エネルギーが与えられて収縮する。これによって、収縮フィルム64の一部が、柱部142と柱部142との間から通路に入り込む。
【0064】
収縮フィルム64のベースシート144への固定構造は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、収縮フィルム64は接着剤又は粘着テープなどによってベースシート144に固定されていてもよい。接着剤としてホットメルト接着剤が設けられてもよい。ホットメルト接着剤は、収縮フィルム64を収縮させるための加熱時に一緒に加熱されて、ベースシート144に接着してもよい。また例えば、収縮フィルム64は、接着剤などを介さず、柱部142と通路とからなるベースシート144の凹凸形状への嵌り込みによって、ベースシート144に固定されてもよい。収縮フィルム64は、ベースシート144の周囲を1周より多く覆って生じる重なり代によってベースシート144に固定されてもよい。
【0065】
図1に示す例では、フロアカーペット30上に1つの保持部材40が配置されている。フロアカーペット30上に複数の保持部材40が互いに分かれて配置されていてもよい。この場合、すべての保持部材40に配線部材70が配置されてもよいし、一部の保持部材40のみに配線部材70が配置されてもよい。配線部材70が配置されていない保持部材40に対して、将来的に配線部材70が追加される際、配線部材70が配置されてもよい。つまり、将来、配線部材70の追加を簡易にするため、配線部材70が配置されていない保持部材40が予め設けられてもよい。
【0066】
<効果等>
以上のように構成された配線部材の配置構造20によると、保持部材40を用いてフロアカーペット30よりも室内側に配線部材70を追加できる。保持部材40は、室内に露出する部材であると共に、フロアカーペット30を部分的に覆う部材であるため、保持部材40への配線部材70の追加は、フロアカーペット30を取外してフロアカーペット30の下に配線部材70を追加するよりも簡易となる。これにより、車両10のフロアへ配線部材70を簡易に追加できる。さらに、保持部材40は、乗員の足元などに配置されて、乗員に踏まれうる。この場合でも、保持部材40は、天板部41が乗員に踏まれたときに配置空間を維持可能な剛性を有するため、乗員に踏まれたときの荷重が配線部材70にかかりにくい。また、天板部41の上面が室内に露出するため、乗員が天板部41を踏んだときに違和感を抱きにくい。
【0067】
また、複数の柱部42それぞれの高さが、配線部材70の上方又は下方に空隙を形成可能な高さである。これにより、配線部材70と天板部41との間に、又は、配線部材70とフロアカーペット30との間に空隙が形成され、乗員に踏まれたときの荷重が配線部材70にかかりにくい。
【0068】
また、配置空間における複数の経路を特定するマーク48が設けられている。これにより、配線部材70が複数の経路のうちいずれかの経路に沿って配置される際、マーク48を用いて配置される経路を指示できる。これにより、配線部材70が保持部材40に対して所定の経路に沿って配置されやすくなる。
【0069】
また、配線部材70は、保持部材40における互いに異なる地点である第1地点及び第2地点を通り、配線部材70のうち第1地点と第2地点との間の部分は、第1地点と第2地点とを結ぶ最短経路よりも長い経路となっている。これにより、保持部材40が配線部材70に生じた余長を吸収できる。例えば、配線部材70の第1端部と第2端部との間の車両10における経路長が互いに異なる複数の車種間で、同じ長さの配線部材70を共通して用いられることがある。この場合でも、配線部材70の第1端部と第2端部との間の車両10における経路長が長い車種において、余長吸収されることによって、配線部材70の余長部分が邪魔となりにくい。
【0070】
また、複数の柱部42のそれぞれは円柱状である。これにより、配線部材70を柱部42の側面に沿って曲げることによって、配線部材70の曲率半径が柱部42の半径より小さくなることを抑制できる。例えば、配線部材70には最小曲げ半径が設定されることがある。この場合、配線部材70は、最小曲げ半径よりも小さい曲率半径で曲がって配置されることを避けることが推奨される。最小曲げ半径以上の半径とされた柱部42の側面に沿って、配線部材70が曲って配置されることによって、配線部材70は、最小曲げ半径よりも小さい曲率半径で曲がって配置されることが抑制される。
【0071】
また、2つのベースシート44を含む保持部材40を用いた場合、配線部材70が2つのベースシート44の間に保持される。
【0072】
また、ベースシート144及び保持シート50を含む保持部材140を用いた場合、配線部材70がベースシート44及び保持シート50の間に保持される。
【0073】
また、ベースシート144及び抜止片54を含む保持部材240を用いた場合、配線部材70が複数の柱部42の間から抜けることが抜止片54によって抑制される。
【0074】
また、ベースシート144及び固定部材56を含む保持部材340を用いた場合、配線部材70をベースシート144に配置しながら、固定部材56によって配線部材70をベースシート144に保持できる。
【0075】
[付記]
保持部材40から延び出た配線部材70の一部(以下、マット外部分と称する)が、フロアカーペット30上であって、保持部材40が配置されない領域に配置されることもあり得る。当該マット外部分には、保持部材40とは別の種類の保護部材が設けられてもよい。
【0076】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0077】
10 車両
12 フロアパネル
13 ダッシュパネル
14 座席
20 配置構造
30 フロアカーペット
40、140、240、340、440、540、640 保持部材
41、141 天板部
42、142 柱部
44、44A、144 ベースシート
45 ベース板部
46 凸部
48 マーク
50 保持シート
51 保持板部
52 凹部
54 抜止片
56 固定部材
57 配線取付部
58 柱部取付部
60 抜止片
62 弾性体
63 スリット
64 収縮フィルム
70 配線部材
72 コネクタ
80 加熱装置