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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176286
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッド及び記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B41J2/14 611
B41J2/14 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094738
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】森 達郎
(72)【発明者】
【氏名】岩野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】辻 智貴
(72)【発明者】
【氏名】マルセル ファン フェイン
(72)【発明者】
【氏名】ディック ブールストル
(72)【発明者】
【氏名】ペーター アールツ
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF65
2C057AG12
2C057AG44
2C057AG91
2C057AN05
2C057BA03
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】 液体吐出ヘッドの電気接続部への液体の浸入を抑制しつつ、液体吐出ヘッドの筐体から電気接続部カバー部材が意図せずに外れるおそれを低減した液体吐出ヘッド及びそれを用いた記録装置を提供することができる。
【解決手段】 液体を吐出する吐出ユニットと、前記吐出ユニットを覆う筐体420と、記録装置の電気配線基板12と電気接続される電気接続部402と、前記電気接続部を覆う電気接続部カバー部材430と、を有し、前記記録装置から前記電気接続部を介して前記吐出ユニットに電力が供給される液体吐出ヘッド100であって、前記筐体は前記電気接続部カバー部材が差し込まれる凹部451を備え、前記電気接続部カバー部材は前記凹部に差し込み可能な差し込み部450を有し、前記差し込み部は前記凹部に覆われることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【選択図】 図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する吐出ユニットと、
前記吐出ユニットを覆う筐体と、
記録装置の電気配線基板と電気接続される電気接続部と、
前記電気接続部を覆う電気接続部カバー部材と、
を有し、
前記記録装置から前記電気接続部を介して前記吐出ユニットに電力が供給される液体吐出ヘッドであって、
前記筐体は前記電気接続部カバー部材が差し込まれる凹部を備え、
前記電気接続部カバー部材は前記凹部に差し込み可能な差し込み部を有し、
前記差し込み部は前記凹部に覆われることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記電気接続部カバー部材の少なくとも一部は前記電気配線基板と当接する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記電気接続部カバー部材は第1の弾性部を有し、前記第1の弾性部を介して前記電気配線基板と当接する、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記電気接続部カバー部材は、前記第1の弾性部を有する面の裏面にリブ部を有している、請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記電気接続部カバー部材は、前記差し込み部が形成されている位置と対向する位置で、前記電気配線基板と当接する、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記筐体は前記電気接続部を収容する開口部を有し、
前記電気接続部カバー部材は前記開口部を覆い、
前記差し込み部が前記凹部に差し込まれた状態において、前記電気接続部カバー部材のうち少なくとも1つの辺は前記開口部と当接する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記電気接続部カバー部材のうち、少なくとも3つの辺は前記開口部と当接する、請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記電気接続部カバー部材が前記開口部と当接する幅は1mm以上である、請求項6または7に記載に液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記電気接続部カバー部材と前記開口部とは第2の弾性部を介して当接する、請求項6または7に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記電気接続部カバー部材のうち少なくとも3つの辺と前記開口部とは、前記第2の弾性部を介して当接する、請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項11】
前記第2の弾性部は前記電気接続部カバー部材が有している、請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項12】
前記第2の弾性部は前記開口部が有している、請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項13】
前記筐体は第1の突起部を有し、
前記電気接続部カバー部材は前記第1の突起部が嵌合する第1の嵌合部を備えている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項14】
前記電気接続部カバー部材は第2の突起部を有し、
前記筐体は第2の突起部が嵌合する第2の嵌合部を備えている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項15】
前記電気接続部カバー部材は、前記筐体を覆う方向に延在するレバー部を有し、
前記第2の突起部は前記レバー部に形成されている、請求項14に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項16】
前記吐出ユニットは、液体を吐出するための圧力を発生する圧力発生素子を有する記録素子基板と、前記記録素子基板と電気的に接続されているフレキシブル配線基板と、を有し、
前記筐体の内部には、前記フレキシブル配線基板と電気的に接続され、前記フレキシブル配線基板に電気を中継するための電気中継基板が配置されており、
前記電気接続部は前記電気中継基板の端部に形成されている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項17】
前記圧力発生素子は電圧の印加により駆動する圧電素子である、請求項16に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項18】
前記筐体は前記記録装置と液体的に接続される液体接続部を有する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項19】
前記電気接続部及び前記電気接続部カバー部材を少なくとも2つ有し、
前記少なくとも2つの電気接続部カバー部材は、前記液体接続部を挟むように対向して前記電気接続部を覆う、請求項18に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項20】
前記吐出ユニットを支持し、前記筐体と接続する支持部材と、
前記筐体と前記支持部材との隙間を封止する封止部材と、
をさらに有する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項21】
前記封止部材は前記筐体に接着されている、請求項20に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項22】
前記封止部材は前記筐体に接合されている、請求項20に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項23】
前記電気配線基板は、フレキシブル配線基板である請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有する記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッド及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像や文字等を記録する記録装置の中でも、インクジェット記録装置は、記録媒体に液体を吐出するための液体吐出ヘッドを有する。特にビジネス・商業・産業等のような業務用の用途で用いられるインクジェット記録装置では、長期間の使用が可能である高耐久性が要求されている。すなわち、インクジェット記録装置に搭載される液体吐出ヘッドについても、高耐久性が要求される。液体吐出ヘッドの耐久性を低下させる要因の1つとしては、例えば、インクジェット記録装置と液体吐出ヘッドとの電気接続部に液体が浸入することが挙げられる。電気接続部への液体の浸入を引き起こす要因としては、例えば、記録装置から液体吐出ヘッドを着脱する際の液体接続部からの液垂れや、インク等の液体吐出時のミストが挙げられる。インクジェット記録装置と液体吐出ヘッドの電気接続部に液体が浸入した場合、電気回路が短絡し、液体吐出ヘッドが故障する懸念がある。
【0003】
上記問題を解決する方法として、特許文献1では、記録装置と液体吐出ヘッドとの電気接続部を覆う電気接続部カバー部材を有する液体吐出ヘッドが開示されている。この構成では、電気接続部カバー部材が電気接続部を覆うように液体吐出ヘッドの筐体に取り付けられることで、液体の浸入を抑制している。さらに、電気接続部カバー部材は液体吐出ヘッドの筐体を抑え込むための突起部を有しており、突起部で筐体を抑え込むことで、電気接続部カバー部材が液体吐出ヘッドの筐体から外れることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014―4767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、電気接続部カバー部材の突起部が液体吐出ヘッドの筐体を抑え込んでいるが、突起部を含め電気接続部カバー部材自体はどこにも差し込まれていない状態であった。そのため、突起部の抑え込む力により筐体と電気接続部カバー部材とはある程度固定されてはいたものの、意図せぬ外力等が電気接続部カバー部材に加わった場合には比較的容易に電気接続部カバー部材が液体吐出ヘッドの筐体から外れるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、液体吐出ヘッドの電気接続部への液体の浸入を抑制しつつ、液体吐出ヘッドの筐体から電気接続部カバー部材が意図せずに外れるおそれを低減した液体吐出ヘッド及びそれを用いた記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、液体を吐出する吐出ユニットと、前記吐出ユニットを覆う筐体と、記録装置の電気配線基板と電気接続される電気接続部と、前記電気接続部を覆う電気接続部カバー部材と、を有し、前記記録装置から前記電気接続部を介して前記吐出ユニットに電力が供給される液体吐出ヘッドであって、前記筐体は前記電気接続部カバー部材が差し込まれる凹部を備え、前記電気接続部カバー部材は前記凹部に差し込み可能な差し込み部を有し、前記差し込み部は前記凹部に覆われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液体吐出ヘッドの電気接続部への液体の浸入を抑制しつつ、液体吐出ヘッドの筐体から電気接続部カバー部材が意図せずに外れるおそれを低減した液体吐出ヘッド及びそれを用いた記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】記録装置の斜視図。
図2】液体吐出ヘッドの斜視図。
図3】液体吐出ヘッドの斜視図。
図4】液体吐出ヘッドの分解斜視図。
図5】液体吐出ヘッドの電気接続構成を説明する斜視図。
図6】吐出ユニットの斜視図。
図7】吐出ユニットの斜視図。
図8】吐出ユニットの分解斜視図。
図9】吐出ユニットの電極部の拡大図。
図10】支持ユニットの斜視図。
図11】液体吐出ヘッドを吐出ユニットの面から見た平面図。
図12】液体吐出ヘッドのA-A断面図。
図13】液体吐出ヘッドのB-B断面図。
図14】液体吐出ヘッドのC-C断面図。
図15】液体吐出ヘッドの液体接続構成を示した斜視図。
図16】液体供給ユニットと液体供給部材との液体接続部の断面図。
図17】支持ユニットの液体接続構成を示した斜視図。
図18】吐出ユニットの流路断面図。
図19】記録素子基板内の流路断面図。
図20】冷却ユニットの斜視図。
図21】冷却ユニットの分解斜視図。
図22】冷却ユニットのD-D断面図。
図23】記録装置と液体吐出ヘッドの電気接続部を示す断面図。
図24】電気配線基板が接続された液体吐出ヘッドの斜視図。
図25】電気配線基板が接続された液体吐出ヘッドのE-E断面図。
図26】電気接続部カバー部材の斜視図。
図27】液体吐出ヘッドのF-F断面図。
図28】電気接続部カバー部材周辺を示す液体吐出ヘッドの正面図。
図29】液体吐出ヘッドの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は本発明事項を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが、本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、同一の構成要素には同一の参照番号を付す。
【0011】
(第1の実施形態)
本実施形態では、電圧の印加により圧力を発生する圧電素子(ピエゾ素子)により液体を吐出する方式を例に説明するが、熱電変換素子により液体を吐出するサーマル方式およびその他の各種液体吐出方式が採用された液体吐出ヘッドにも本発明を適用することができる。
【0012】
本実施形態は、インク等の液体をタンクと液体吐出ヘッドの間で循環させる形態のインクジェット記録装置であるが、その他の形態であっても良い。例えば、インクを循環させずに、液体吐出ヘッドの上流側と下流側に2つのタンクを設け、一方のタンクから他方のタンクへインク流すことで圧力室内のインクを流動させる形態であっても良い。
【0013】
図1は、本実施形態に係る記録装置10の斜視図である。本実施形態の記録装置10は、記録媒体20の全幅に渡り配列された液体を吐出する液体吐出ヘッド100に対して、記録媒体20を移動させることにより画像等を記録するワンパスタイプのインクジェット記録装置である。記録媒体20は搬送部11によって矢印Aの方向に搬送され、液体吐出ヘッド100によって記録が行われる。本実施形態のインクジェット記録装置では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のそれぞれについて、a列とb列の2つずつの液体吐出ヘッドを有している。尚、液体吐出ヘッドの配列及び液体吐出ヘッドの数はこれに限られない。
【0014】
続いて、本実施形態に係る液体吐出ヘッド100の構成について説明する。図2図3は本実施形態に係る液体吐出ヘッド100の斜視図、図4は液体吐出ヘッド100の分解斜視図である。本実施形態の液体吐出ヘッド100は、液体を吐出可能な記録素子基板210が支持部材310上に千鳥状に4つ配列されている。尚、記録素子基板210の数は4つに限られず、記録素子基板210は千鳥状に配列されていなくてもよい。また液体吐出ヘッド100は、基準部材340により記録装置10に位置決めされる。液体吐出ヘッド100(筐体)の上端部の略中央部には、液体接続部であるインク接続部501と冷媒接続部611が設けられており、それぞれ記録装置10側のインク供給部、冷媒供給部と接続されることで、インクや冷媒等の液体が液体吐出ヘッド100内に供給される。また、液体吐出ヘッド外装部は、液体を吐出する吐出ユニット200を覆う筐体420を有している。さらに、筐体420は、インクジェット記録装置の電気配線基板12(図23)と電気接続する電気接続部402を覆う電気接続部カバー部材430を有している。尚、本実施形態では、一つの液体吐出ヘッド100に対して、電気接続部402及び電気接続部カバー部材430が2つ設けられているが、これに限られない。電気接続部402及び電気接続部カバー部材430を少なくとも2つ有する場合は、少なくとも2つの電気接続部カバー部材は、図23のように液体接続部を挟むように対向していることが好ましい。仮に、インク接続部501から液体が紙面左側に漏れだした場合には、紙面左側の電気接続部カバーには液体が付着するおそれがある。一方、このとき紙面右側の電気接続部カバー部材430は反対側にあるため、右側の電気接続部カバー部材430には液体が付着するおそれが低減される。したがって、少なくとも2つの電気接続部カバー部材が、図23のように液体接続部を挟むように対向していることで、紙面左側の電気接続カバーと紙面右側の電気接続カバー部材がともに液体で汚れてしまうことを抑制することができる。
【0015】
液体吐出ヘッド100は、支持部材310を含む支持ユニット300、電気中継基板400とそれを保持する電気中継基板支持部材410を有している。すなわち、支持ユニット300を介して吐出ユニット200に液体を供給する液体供給ユニット500、駆動回路を冷却するための冷却ユニット600を有している。すなわち、筐体420の内部に電気中継基板400が配置されている。さらに、支持ユニット300を介して吐出ユニット200に液体を供給する液体供給ユニット500、駆動回路を冷却するための冷却ユニット600を有している。支持部材310は、吐出ユニット200と筐体420との間に配置されている。以下、液体吐出ヘッド100の各部位の構成について詳細に説明する。
【0016】
図5は本実施形態に係る液体吐出ヘッド100の電気接続構成を説明する斜視図である。液体吐出ヘッド100は電気接続構成として、電気接続部402と、電気中継基板400と、電気接続端子401と、フレキシブル配線基板250と、を有している。記録装置10と液体吐出ヘッド100とは、電気配線基板12(図25)と電気中継基板400とが電気接続部402で接続することにより、電気接続されている。電気中継基板400は、記録装置から供給された電力を、電気接続端子401を介してフレキシブル配線基板250に供給(中継)する。フレキシブル配線基板250に供給された電力は、後述する電極部212(図9)を介して記録素子基板210に供給される。このように、液体吐出ヘッドからの液体の吐出に必要な吐出駆動信号及び電力は、記録装置10から液体吐出ヘッド100に供給される。換言すれば、記録装置10から電気接続部402を介して吐出ユニット200に電気が供給される。電気中継基板400内の電気回路によって配線を集約することで、電気接続部402の端子数を、記録素子基板210の端子数に比べて少なくすることができる。これにより、記録装置10に対して液体吐出ヘッド100を着脱する際に必要な電気接続部数が少なくて済む。尚、電気接続部402は電気中継基板400の端部に形成されていることが好ましい。
【0017】
図6図7は吐出ユニット200の斜視図、図8は吐出ユニット200の分解斜視図である。吐出ユニット200は、液体を吐出するための圧力を発生する圧力発生素子を備える記録素子基板210を有している。さらに、吐出ユニット200は、記録素子基板210に液体を供給する記録素子基板流路部材220と、流路部材240と、記録素子基板210の吐出面側に接合される記録素子基板支持部材230により構成される。圧力発生素子としては、電圧の印加により駆動する圧電素子を有することが好ましい。圧電素子は、サーマル方式の圧力発生素子である熱電変換素子よりも一般に寿命が長く、圧電方式の記録装置では液体吐出ヘッドを交換する回数が多くなりやすい。そのため、本発明は圧電方式の記録装置により好適である。
【0018】
図9は、吐出ユニット200の電極部212の拡大図である。図9に示すように、記録素子基板210の両端部にある薄板部261に電極部212が設けられている。フレキシブル配線基板250の第一電気接続部252と電極部212同士を接触させることで、記録素子基板210とフレキシブル配線基板250が電気的に接続される。この電気接続部への液体浸入を防止し、かつ記録素子基板210の薄板部261を補強するため、薄板部261の吐出面側に記録素子基板支持部材230が接合される。フレキシブル配線基板250には、記録素子基板210の記録素子を駆動するための駆動回路基板251が設けられている。
【0019】
図10は吐出ユニット200を支持する支持ユニット300の斜視図である。支持ユニット300は、吐出ユニット200が接合される支持部材310、吐出ユニットの周囲を囲む枠体部材320、支持部材310を介して各吐出ユニット200に液体を供給する流路が形成された液体供給部材330を有している。さらに、記録装置10との位置決め機能を有する基準部材340、基準部材340を支持部材310に固定するための基準固定部材350を有している。支持部材310、枠体部材320、液体供給部材330は、例えばインク加熱温調時や環境変動等による熱膨張影響を考慮し、同一部材、または、線膨張係数が近い部材により形成されていることが好ましい。これにより、熱膨張時の支持ユニット全体の変形とそれに伴う記録素子基板210の位置精度の悪化を抑制することが可能となる。
【0020】
図11は、液体吐出ヘッド100を吐出ユニット200の面から見た平面図である。さらに、本実施形態の液体吐出ヘッド100について、図12はA-A断面図、図13はB-B断面図、図14はC-C断面図をそれぞれ示している。流路部材240と液体供給部材330は支持部材310に接合され、各液体流路が液体的に接続する。支持部材310には基準固定部材350を挿入するための穴が3箇所開いており、これらの穴に対し基準固定部材350を固定し、この基準固定部材350に対し、基準部材340を固定する構成となっている。尚、基準固定部材350で固定される箇所の数はこの限りではない。基準固定部材350は支持部材310と一体部品であっても良い。筐体420は、支持部材310の上方に接続され、筐体420と支持部材310との隙間を封止可能な封止部材421を有している。このような構成にすることで、例えば、記録装置10から液体吐出ヘッド100を着脱する際のインク接続部501や冷媒接続部611からの液体の液垂れや、インク等の液体吐出時のミストによる、液体吐出ヘッド100内部への液体浸入を抑制することができる。封止部材421の材質としては、エラストマー等を好適に用いることができる。その形成方法としては、例えば、筐体420に対して、2色成形(接合)や接着する方法が挙げられる。筐体420と封止部材421を2色成形(接合)する場合、筐体420の成形難易度は高くなるが、液体吐出ヘッド100を構成する部品点数や実装工程を削減することができる。一方で、筐体420と封止部材421を接着する場合、液体吐出ヘッド100を構成する部品点数や実装工程は増えるが、封止部材421の製造は2色成形時と比較すると容易に行うことができる。
【0021】
図15は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド100の液体接続構成を示す斜視図である。液体供給ユニット500は、インク接続部501を有しており、記録装置10の液体供給系と接続される。これにより液体が記録装置の供給系から液体吐出ヘッド100に供給され、液体吐出ヘッド100から吐出されなかった液体が記録装置10の供給系へ回収されるようになっている。このように、液体は記録装置10と液体吐出ヘッド100との間で循環可能である。液体供給ユニット500の内部には、供給されるインク中の異物を取り除くため、インク接続部501の各開口と連通するフィルタ(不図示)が設けられていることが好ましい。
【0022】
図16は、液体供給ユニット500と液体供給部材330との液体接続部の断面図である。インク接続部501より記録装置10側から液体吐出ヘッド100に流入した液体は、連通口502を通過し液体供給部材330へ供給される。液体供給ユニット500と液体供給部材330との間は弾性部材503により封止されている。
【0023】
図17は支持ユニットの液体接続構成を示した斜視図であり、図18は吐出ユニット200の流路断面図である。液体供給ユニット500と液体供給部材330は、連通口331により液体的に接続される。液体供給部材330内には、各吐出ユニット200に液体を分配するための流路が形成されている。液体供給部材330と支持部材310は、連通口311により液体的に接続される。支持部材310と各吐出ユニット200は、流路部材240の連通口241により液体的に接続される。流路部材240内には液体流路242が形成されており、連通口221を介して記録素子基板流路部材220と液体的に接続される。
【0024】
図19は記録素子基板内の流路断面図である。各連通口221より流入した液体は、共通流路222を通過し記録素子基板210に供給される。吐出ユニット200(記録素子基板210)は、電圧の印加により駆動される圧電素子262を有し、圧電素子262の駆動により発生する圧力により液体を吐出口213から吐出する。本実施形態の液体吐出ヘッド100では、吐出口から吐出されなかった液体は、上述したように、共通流路222及び連通口221を通ってインクジェット記録装置に回収される。
【0025】
図20は、駆動回路基板251を冷却するための冷却ユニット600の斜視図、図21は冷却ユニット600の分解斜視図、図22は冷却ユニット600のD-D断面図である。冷却ユニット600は冷媒接続部611を有しており、記録装置10の冷媒供給系と接続される。これにより、記録装置10の冷媒供給系から冷却ユニット600に冷媒が供給され、冷却ユニット600内を通った冷媒が記録装置10の冷媒供給系へ回収されるようになっている。このように、冷媒は記録装置10と冷却ユニット600との間で循環可能である。冷媒接続部611より流入した冷媒は、第一冷媒供給部材610と第二冷媒供給部材620との間で形成される冷媒流路により分岐する。第二冷媒供給部材620と第一冷却部材630とは、シール部材670を介して液体的に接続している。そして、第二冷媒供給部材620内で分岐した冷媒は、第一冷却部材630と第二冷却部材640との間で形成される冷媒流路内で循環し、再び第二冷媒供給部材620内へ流出される。第一冷却部材630は、熱伝導部材650を間に挟んで駆動回路基板251と当接させることにより、駆動回路基板251の動作時に発生した熱を第一冷却部材630内の冷媒に伝える構成となっている。2枚のフレキシブル配線基板250の間には、弾性部材660を設けており、これにより熱伝導部材650を確実に駆動回路基板251に密着させることが可能となる。第一冷却部材630は、駆動回路基板251で発生した熱を伝えやすくするため、例えばアルミなど、熱伝導率の高い部材を選定することが好ましい。
【0026】
次に、本発明の特徴部分である電気接続部カバー部材430について詳細に説明する。図23は、記録装置10と液体吐出ヘッド100との電気接続部を示す断面図である。図23(a)は液体吐出ヘッド100と記録装置10の電気配線基板12とを接続していない状態、図23(b)は液体吐出ヘッド100と記録装置10の電気配線基板12とを接続する直前の状態をそれぞれ表している。また、図24は電気配線基板12が接続された液体吐出ヘッド100の斜視図、図25は電気配線基板12が接続された液体吐出ヘッド100の図24におけるE-E断面図をそれぞれ示している。
【0027】
本実施形態に係る液体吐出ヘッド100は、電気接続部402を覆う電気接続部カバー部材430を有している。上述したように、液体吐出ヘッド100の上端部の略中央部にはインク接続部501と冷媒接続部611を有しており、記録装置側のインク供給部、冷媒供給部とそれぞれ接続し、インク等の液体や冷媒が液体吐出ヘッド100内に供給される。本実施形態の液体吐出ヘッドでは、一つの液体吐出ヘッド100に対して、電気接続部402及び電気接続部カバー部材430が2つ設けられており、インク供給部及び冷媒供給部を挟むように対向して配されている。電気接続部402と電気配線基板12の接続方向は、インク接続部501及び冷媒接続部611と、記録装置側のインク供給部及び冷媒供給部の接続方向と略同方向であり、液体吐出ヘッド100の使用状態において略鉛直方向である。ここで、液体吐出ヘッド100の使用状態とは、記録装置10が画像や文字等を正常に記録できる状態における液体吐出ヘッド100の配置状態を表す。
【0028】
電気接続部402が電気接続部カバー部材430により覆われることで、例えば、記録装置から液体吐出ヘッドを着脱する際の液体接続部からの液体の液垂れや、インク等の液体吐出時のミストによる、電気接続部402への液体の浸入を抑制することができる。さらに、筐体420は電気接続部カバー部材430が差し込まれる凹部451を備え、電気接続部カバー部材430は凹部に差し込み可能な差し込み部450を有している。電気接続部カバー部材430は、筐体420に対して図23の差し込み部450に向かう太矢印方向に差し込まれる。そして、差し込み部450を起点に回転矢印方向に回転させることで、電気接続部カバー部材430を筐体420に取り付け可能となっている。このような構成にすることで、電気接続部カバー部材430が電気接続部402を保護することが可能となる。そして、差し込み部450が凹部451に差し込まれることで、特許文献1のような電気接続部カバー部材430がどこにも差し込まれていない場合と比較して電気接続部カバー部材430と筐体420との嵌合力(接合力)が大きくなる。これにより、意図せぬ外力等が電気接続部カバー部材430に加わったとしても、電気接続部カバー部材430が筐体420から外れることを抑制することができる。また、差し込み部450は凹部451に覆われる状態となるため、差し込み部450に誤って物が触れたり、液体吐出ヘッドが振動したりした場合であっても、筐体420から電気接続部カバー部材430が意図せずに外れることを抑制することができる。換言すれば、液体吐出ヘッドの電気接続部への液体の浸入を抑制しつつ、液体吐出ヘッドの筐体から電気接続部カバー部材が意図せずに外れるおそれを低減することができる。
【0029】
図24は、電気配線基板12が接続された状態、すわなち、液体吐出ヘッド100の使用状態における斜視図である。図25図24におけるE-E断面図である。液体吐出ヘッド100の使用状態において、電気配線基板12は電気接続部カバー部材430からはみ出している。すなわち、電気接続部カバー部材430の少なくとも一部が電気配線基板12と当接する構成となっている。尚、電気接続部カバー部材430は、差し込み部450が形成されている位置と対向する位置で、電気配線基板12と当接することが好ましい。
【0030】
電気接続部カバー部材430は、図26のように、第1の弾性部431を有しており、電気接続部カバー部材430と電気配線基板12とは第1の弾性部を介して当接していることが好ましい。このような構成とすることで、電気接続部カバー部材430と電気配線基板12との間の密閉性が向上し、電気接続部402への液体の浸入をより抑制することができる。尚、第1の弾性部431は電気接続部カバー部材430に接合または接着されていることが好ましいが、電気接続部カバー部材430自体を弾性部材で形成してもよい。
【0031】
また、電気配線基板12はフレキシブル配線基板であることが好ましい。電気配線基板12がフレキシブル配線基板のように柔軟性を有する部材で形成されている場合、電気接続部カバー部材430と電気配線基板12との密閉性が向上し、電気接続部402への液体の浸入をより抑制することができる。
【0032】
また、図26に示すように、電気接続部カバー部材430は、第1の弾性部431を有する面の裏面にリブ部433を有していることが好ましい。このような構成とすることで、電気接続部カバー部材430が電気配線基板12に第1の弾性部431を介して当接した際における、第1の弾性部431の反力による電気接続部カバー部材430の密閉性の低下を抑制することができる。すなわち、電気接続部402への液体の浸入をより抑制することが出来る。
【0033】
第1の弾性部431の材質としては、エラストマー等を好適に用いることができる。その製造方法としては、例えば、電気接続部カバー部材430に対して、2色成形(接合)する方法や接着する方法が挙げられる。2色成形(接合)の場合、電気接続部カバー部材430の成形難易度は高くなるが、液体吐出ヘッド100を構成する部品点数や実装工程を削減することができる。一方で、接着の場合、液体吐出ヘッド100を構成する部品点数や実装工程は増えるが、弾性部431の製造は2色成形時と比較すると容易に行うことができる。
【0034】
図27は、図24における液体吐出ヘッド100のF-F断面図である。筐体420は、電気接続部402を収容する開口部440を有している。そして、電気接続部カバー部材430は、開口部440を覆うことで電気接続部402を覆う構成となっている。このとき、差し込み部450が凹部451に差し込まれた状態において、電気接続部カバー部材430のうち、少なくとも1つの辺は開口部440と当接することが好ましい。このような構成とすることで、電気接続部カバー部材430と開口部440との隙間を低減させることが可能となる。すなわち、電気接続部402への液体の浸入をより抑制することができる。
【0035】
さらに、電気接続部カバー部材430のうち、少なくとも3つの辺は開口部440と当接していることがより好ましい。本実施形態では、電気接続部カバー部材430のうち、電気接続部カバー部材430が電気配線基板12と第1の弾性部431を介して当接する辺以外の3つの辺が、開口部440と当接している。このような構成とすることで、電気接続部カバー部材430と開口部440との隙間をより低減させることが可能となる。また、電気接続部カバー部材430が開口部440と当接する幅W(図27)は1mm以上であることが好ましい。幅Wが小さすぎる場合、液体の浸入を抑制する効果が低下するおそれがある。
【0036】
さらに、電気接続部カバー部材430と開口部440とは第2の弾性部(不図示)を介して当接することが好ましい。このような構成とすることで、電気接続部カバー部材430と開口部440との密閉性が向上し、電気接続部402への液体の浸入をより抑制することができる。尚、第2の弾性部432は、電気接続部カバー部材430または筐体420(開口部440)のどちらが有していてもよい。また、第2の弾性部432の材質や製造方法は第1の弾性部431と同様である。
【0037】
図28は電気接続部カバー部材430の周辺を示す液体吐出ヘッド100の正面図である。筐体420は第1の突起部470を有し、電気接続部カバー部材430は第1の突起部470が嵌合する第1の嵌合部471を備えていることが好ましい。このような構成とすることで、外力等により電気接続部カバー部材430が筐体420から意図せずに外れることをより抑制することができる。尚、電気接続部カバー部材430のうち、第1の嵌合部471を備える位置としては、差し込み部450を有さず、かつ、電気配線基板12と第1の弾性部431を介して当接しない辺であることが好ましい。また、筐体420についても、第1の突起部を備える位置としては、凹部451を有さない辺であることが好ましい。
【0038】
図29は液体吐出ヘッド100の上面図である。電気接続部カバー部材は第2の突起部480を有し、筐体420は第2の突起部480が嵌合する第2の嵌合部481を有していることが好ましい。このような構成とすることで、電気接続部402への液体の浸入をより抑制することができる。さらに、電気接続部カバー部材430は、筐体420を覆う方向に延在するレバー部482を有し、第2の突起部480はレバー部482に形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、第2の突起部480を第2の嵌合部481に嵌め込み、電気接続部カバー部材430を筐体420に強固に取り付けることができる。したがって、液体吐出ヘッドの筐体から電気接続部カバー部材が意図せずに外れるおそれをより低減することができる。また、レバー部482を内側に変形させることで、第2の突起部480を第2の嵌合部481に嵌合した状態から解放し、電気接続部カバー部材430を筐体420から容易に取り外すことができる。すなわち、電気接続部カバー部材430が意図せずに外れることを抑制しつつ、液体吐出ヘッド100の着脱の際には、電気接続部カバー部材430を容易に取り外すことができる。
【0039】
以上より、本実施形態の液体吐出ヘッドは、電気接続部カバー部材の差し込み部が、筐体の凹部に差し込まれる(覆われる)ことで、電気接続部への液体の浸入を抑制しつつ、筐体から電気接続部カバー部材が意図せずに外れるおそれを低減することができる。
【0040】
以上、本発明を整理すると、本発明は以下の構成を含むものである。
【0041】
(構成1)
液体を吐出する吐出ユニットと、前記吐出ユニットを覆う筐体と、記録装置の電気配線基板と電気接続される電気接続部と、前記電気接続部を覆う電気接続部カバー部材と、を有し、前記記録装置から前記電気接続部を介して前記吐出ユニットに電力が供給される液体吐出ヘッドであって、前記筐体は前記電気接続部カバー部材が差し込まれる凹部を備え、前記電気接続部カバー部材は前記凹部に差し込み可能な差し込み部を有し、前記差し込み部は前記凹部に覆われることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【0042】
(構成2)
前記電気接続部カバー部材の少なくとも一部は前記電気配線基板と当接する、構成1に記載の液体吐出ヘッド。
【0043】
(構成3)
前記電気接続部カバー部材は第1の弾性部を有し、前記第1の弾性部を介して前記電気配線基板と当接する、構成1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【0044】
(構成4)
前記電気接続部カバー部材は、前記第1の弾性部を有する面の裏面にリブ部を有している、構成3に記載の液体吐出ヘッド。
【0045】
(構成5)
前記電気接続部カバー部材は、前記差し込み部が形成されている位置と対向する位置で、前記電気配線基板と当接する、構成2乃至4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0046】
(構成6)
前記筐体は前記電気接続部を収容する開口部を有し、前記電気接続部カバー部材は前記開口部を覆い、前記差し込み部が前記凹部に差し込まれた状態において、前記電気接続部カバー部材のうち少なくとも1つの辺は前記開口部と当接する、構成1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0047】
(構成7)
前記電気接続部カバー部材のうち、少なくとも3つの辺は前記開口部と当接する、構成1乃至6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0048】
(構成8)
前記電気接続部カバー部材が前記開口部と当接する幅は1mm以上である、構成6または7に記載に液体吐出ヘッド。
【0049】
(構成9)
前記電気接続部カバー部材と前記開口部とは第2の弾性部を介して当接する、構成6乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0050】
(構成10)
前記電気接続部カバー部材のうち少なくとも3つの辺と前記開口部とは、前記第2の弾性部を介して当接する、構成6乃至9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0051】
(構成11)
前記第2の弾性部は前記電気接続部カバー部材が有している、構成9に記載の液体吐出ヘッド。
【0052】
(構成12)
前記第2の弾性部は前記開口部が有している、構成9または10に記載の液体吐出ヘッド。
【0053】
(構成13)
前記筐体は第1の突起部を有し、前記電気接続部カバー部材は前記第1の突起部が嵌合する第1の嵌合部を備えている、構成1乃至12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0054】
(構成14)
前記電気接続部カバー部材は第2の突起部を有し、前記筐体は第2の突起部が嵌合する第2の嵌合部を備えている、構成1乃至13のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0055】
(構成15)
前記電気接続部カバー部材は、前記筐体を覆う方向に延在するレバー部を有し、
前記第2の突起部は前記レバー部に形成されている、構成14に記載の液体吐出ヘッド。
【0056】
(構成16)
前記吐出ユニットは、液体を吐出するための圧力を発生する圧力発生素子を有する記録素子基板と、前記記録素子基板と電気的に接続されているフレキシブル配線基板と、を有し、
前記筐体の内部には、前記フレキシブル配線基板と電気的に接続され、前記フレキシブル配線基板に電気を中継するための電気中継基板が配置されており、
前記電気接続部は前記電気中継基板の端部に形成されている、構成1乃至15のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0057】
(構成17)
前記圧力発生素子は電圧の印加により駆動する圧電素子である、構成16に記載の液体吐出ヘッド。
【0058】
(構成18)
前記筐体は前記記録装置と液体的に接続される液体接続部を有する、構成1乃至17のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0059】
(構成19)
前記電気接続部及び前記電気接続部カバー部材を少なくとも2つ有し、
前記少なくとも2つの電気接続部カバー部材は、前記液体接続部を挟むように対向して前記電気接続部を覆う、構成18に記載の液体吐出ヘッド。
【0060】
(構成20)
前記吐出ユニットを支持し、前記筐体と接続する支持部材と、前記筐体と前記支持部材との隙間を封止する封止部材と、をさらに有する、構成1乃至19のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0061】
(構成21)
前記封止部材は前記筐体に接着されている、構成20に記載の液体吐出ヘッド。
【0062】
(構成22)
前記封止部材は前記筐体に接合されている、構成20に記載の液体吐出ヘッド。
【0063】
(構成23)
前記電気配線基板は、フレキシブル配線基板である、構成1乃至22のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【0064】
(構成24)
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有する記録装置。
【符号の説明】
【0065】
10 記録装置
12 電気配線基板
100 液体吐出ヘッド
200 吐出ユニット
250 フレキシブル配線基板
402 電気接続部
420 筐体
430 電気接続部カバー部材
440 開口部
450 差し込み部
451 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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