(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176290
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】乾燥機
(51)【国際特許分類】
A23L 17/60 20160101AFI20241212BHJP
【FI】
A23L17/60 103Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094745
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000210241
【氏名又は名称】竹下産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】竹下 政敏
(72)【発明者】
【氏名】平川 式邦
(72)【発明者】
【氏名】高山 知徳
(72)【発明者】
【氏名】吉貝 規
【テーマコード(参考)】
4B019
【Fターム(参考)】
4B019LT51
(57)【要約】
【課題】抄製装置で簀に原料を抄製するための時間を十分に確保すること。
【解決手段】本発明では、1列分の簀(4)を間欠的に搬送するための間欠搬送装置(6,7,8)の搬送経路上に、原料を簀(4)に抄製するための抄製装置(9)と、抄製された原料を脱水するための脱水装置(10)と、脱水された原料を乾燥させるための乾燥装置(11)とを順に配置した乾燥機(1)において、間欠搬送装置(6,7,8)で簀(4)を1列分だけ搬送した(1回目の搬送)後に簀(4)を停止させ、脱水装置(10)で1列分の簀(4)に抄製された原料の脱水を行わせ、その後、再び間欠搬送装置(6,7,8)で簀(4)を1列分だけ搬送した(2回目の搬送)後に簀(4)を停止させ、脱水装置(10)で1列分の簀(4)に抄製された原料の脱水を行わせるとともに、抄製装置(9)で2列分の簀(4)に原料の抄きを行わせることにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1列分の簀を間欠的に搬送するための間欠搬送装置の搬送経路上に、原料を簀に抄製するための抄製装置と、抄製された原料を脱水するための脱水装置と、脱水された原料を乾燥させるための乾燥装置とを順に配置した乾燥機において、
間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(1回目の搬送)後に簀を停止させ、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせ、その後、再び間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(2回目の搬送)後に簀を停止させ、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせるとともに、抄製装置で2列分の簀に原料の抄きを行わせることを特徴とする乾燥機。
【請求項2】
前記1回目の搬送の開始後に抄製装置で原料の調整処理を行わせるとともに、2回目の搬送の終了後に抄製装置で2列分の簀に原料の抄きを行わせることを特徴とする請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記1回目の搬送から脱水までの時間と2回目の搬送から脱水までの時間のいずれか一方の時間を他方の時間よりも長くして、抄製装置で原料の調整処理又は/及び抄きを行わせる時間が長くなるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1列分の簀を間欠的に搬送するための間欠搬送装置の搬送経路上に、原料を簀に抄製するための抄製装置と、抄製された原料を脱水するための脱水装置と、脱水された原料を乾燥させるための乾燥装置とを順に配置した乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、原料を乾燥させるための乾燥機として、たとえば、乾燥海苔を製造する海苔製造機では、1列分の簀(海苔簀)を間欠搬送装置で間欠的に搬送する搬送経路上に、抄製装置、脱水装置、乾燥装置、剥離装置を順に配置し、抄製装置で海苔簀に原料となる海苔原藻と水分とからなる海苔原料を供給して海苔簀に所定形状の海苔生地を抄製し、その後、脱水装置で海苔生地を脱水した後に、乾燥装置で海苔生地を乾燥させ、その後、剥離装置で海苔簀から乾燥した海苔生地(乾燥海苔)を剥離して、乾燥海苔を製造している(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この乾燥機(海苔製造機)では、
図5に示すように、間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(1回目の搬送)後に簀を停止させ、抄製装置で1列分の簀に原料の抄製を行わせ、同時に、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせ、同時に、剥離装置で1列分の簀から乾燥した原料の剥離を行わせている。
【0004】
その後、再び間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(2回目の搬送)後に簀を停止させ、抄製装置で1列分の簀に原料の抄製を行わせ、同時に、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせ、同時に、剥離装置で1列分の簀から乾燥した原料の剥離を行わせている。
【0005】
上記工程を繰り返し連続して行うことで、原料(海苔原料)を連続して大量に乾燥させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記従来の乾燥機(海苔製造機)では、間欠搬送装置による1回目や2回目の搬送後に、脱水や剥離と同時に抄製を行っているために、抄製装置によって簀に原料を良好に抄製することができないおそれがある。
【0008】
特に、抄製装置で原料をそのまま簀に供給するだけでなく、簀への供給前に抄製装置で原料の混合や撹拌などの調整処理を行ってから簀に供給する場合には、抄製装置による原料の調整処理のための時間が不十分となるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1に係る本発明では、1列分の簀を間欠的に搬送するための間欠搬送装置の搬送経路上に、原料を簀に抄製するための抄製装置と、抄製された原料を脱水するための脱水装置と、脱水された原料を乾燥させるための乾燥装置とを順に配置した乾燥機において、間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(1回目の搬送)後に簀を停止させ、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせ、その後、再び間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(2回目の搬送)後に簀を停止させ、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせるとともに、抄製装置で2列分の簀に原料の抄きを行わせることにした。
【0010】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記1回目の搬送の開始後に抄製装置で原料の調整処理を行わせるとともに、2回目の搬送の終了後に抄製装置で2列分の簀に原料の抄きを行わせることにした。
【0011】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記1回目の搬送から脱水までの時間と2回目の搬送から脱水までの時間のいずれか一方の時間を他方の時間よりも長くして、抄製装置で原料の調整処理又は/及び抄きを行わせる時間が長くなるようにした。
【発明の効果】
【0012】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0013】
すなわち、本発明では、1列分の簀を間欠的に搬送するための間欠搬送装置の搬送経路上に、原料を簀に抄製するための抄製装置と、抄製された原料を脱水するための脱水装置と、脱水された原料を乾燥させるための乾燥装置とを順に配置した乾燥機において、間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(1回目の搬送)後に簀を停止させ、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせ、その後、再び間欠搬送装置で簀を1列分だけ搬送した(2回目の搬送)後に簀を停止させ、脱水装置で1列分の簀に抄製された原料の脱水を行わせるとともに、抄製装置で2列分の簀に原料の抄きを行わせることにしているために、抄製装置で簀に原料を抄製するための時間を十分に確保することができ、抄製装置で簀に原料を良好に抄製することができる。
【0014】
特に、前記1回目の搬送の開始後に抄製装置で原料の調整処理を行わせるとともに、2回目の搬送の終了後に抄製装置で2列分の簀に原料の抄きを行わせることにした場合には、抄製装置による原料の調整処理のための時間を十分に確保することができ、抄製装置で簀に原料を良好に抄製することができる。
【0015】
また、前記1回目の搬送から脱水までの時間と2回目の搬送から脱水までの時間のいずれか一方の時間を他方の時間よりも長くして、抄製装置で原料の調整処理又は/及び抄きを行わせる時間が長くなるようにした場合には、抄製装置による原料の調整処理又は/及び抄きのための時間を十分に確保することができ、抄製装置で簀に原料を良好に抄製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】乾燥機を示す側面説明図(a)、簀(海苔簀)を示す平面説明図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る乾燥機の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。なお、本発明にかかる乾燥機は、原料(たとえば、海苔や海藻類や魚介類や麺類や野菜や果物や塩や汚泥など)を簀にシート状に抄製した後に乾燥させるために用いられる各種の乾燥機に適用することができる。
【0018】
図1及び
図2に示すように、乾燥機1は、前側筐体2と後側筐体3とを前後に並べて配置している。これら前側筐体2及び後側筐体3には、複数枚(ここでは、10枚)の簀4を左右幅方向に1列状に並べて着脱自在に張設した簀枠5を間欠的に搬送する(簀枠5を一定距離ずつ繰り返し搬送(移動)させる)ための間欠搬送装置6,7,8が設けられている。
【0019】
1列分(ここでは、10枚)の簀4は、簀枠5ごと前側筐体2の間欠搬送装置6で前側筐体2の上部前端から上部後端まで搬送された後に、前側筐体2の間欠搬送装置6から後側筐体3の上側の間欠搬送装置7に受け渡される。その後、簀4は、簀枠5ごと後側筐体3の上側の間欠搬送装置7で後側筐体3の上部前端から上部後端まで搬送された後に、後側筐体3の上部後端で下方に折り返され、後側筐体3の中途部後端から中途部前端まで搬送され、後側筐体3の中途部前端で前側筐体2の間欠搬送装置6を介して後側筐体3の上側の間欠搬送装置7から下側の間欠搬送装置8に受け渡される。その後、簀4は、簀枠5ごと後側筐体3の下側の間欠搬送装置8で後側筐体3の中途部前端から中途部後端まで搬送された後に、後側筐体3の中途部後端で下方に折り返され、後側筐体3の下部後端から下部前端まで搬送され、後側筐体3の下部前端で後側筐体3の下側の間欠搬送装置8から再び前側筐体2の間欠搬送装置6に受け渡される。その後、簀4は、簀枠5ごと前側筐体2の間欠搬送装置6で前側筐体2の下部後端から下部前端まで搬送された後に、前側筐体2の下部前端で上方に折り返される。これにより、乾燥機1には、1列分の簀4を簀枠5ごと間欠的に連続して搬送する搬送経路が形成されることになる。
【0020】
この搬送経路上には、前側筐体2に設けた抄製装置9、脱水装置10、後側筐体3に設けた乾燥装置11、前側筐体2に設けた剥離装置12が順に配置されている。
【0021】
ここで、抄製装置9は、原料を貯留した前後一対の原料タンク13,13と、薬剤等の副材を貯留した前後一対の副材タンク14,14と、各原料タンク13から投入される原料と各副材タンク14から投入される副材とを撹拌して混合する前後一対の撹拌混合機15,15と、各撹拌混合機15で撹拌混合された副材を含む原料を簀4の上面に供給して所定形状の生地に抄く前後一対の抄き機16,16とを有している。なお、副材としては、原料に添加するものであり、原料に添加する固化剤や凝集剤や消臭剤や防腐剤などの薬剤、調味料や香料や着色料などの食品添加物などであってもよい。
【0022】
そして、抄製装置9は、各原料タンク13から投入された原料と各副材タンク14から投入された副材とを各撹拌混合機15で撹拌混合することで原料の調整処理を行った後に、各抄き機16で副材を含む原料を簀4の上面に供給するとともに簀4で抄いて簀4の上面に多量に水分を含んだ矩形薄板状の生地を形成(抄製)する。
【0023】
この抄製装置9では、簀4の2列分の抄製動作(原料と副材の投入動作、及び、原料と副材との撹拌動作、並びに、原料・副材の簀4への抄き動作)を同時に行うようになっている。
【0024】
脱水装置10は、簀4の上面で多量の水分を含んだ生地にスポンジ等の吸水具を押圧して脱水を行う。
【0025】
乾燥装置11は、水分を含んだ生地を簀4ごと乾燥空気(熱風)に所定時間晒して生地を乾燥させる。
【0026】
剥離装置12は、簀4の上面から乾燥した生地を剥離する。
【0027】
乾燥機1では、間欠搬送装置6,7,8、抄製装置9、脱水装置10、乾燥装置11、剥離装置12を駆動装置17によって連動して動作させている。この駆動装置17には、制御装置18が接続されており、制御装置18によって駆動装置17を介して間欠搬送装置6,7,8・抄製装置9・脱水装置10・乾燥装置11・剥離装置12の駆動が制御されている。
【0028】
そして、乾燥機1は、間欠搬送装置6,7,8で簀4を簀枠5ごと搬送経路に沿って搬送していき、抄製装置9で原料を調整処理(ここでは、原料と副材を投入するとともに原料と副材とを撹拌・混合させる処理)を行った後に原料(薬剤を含む)を各簀4の上面に供給して所定形状(たとえば、正方形)の生地に抄いた後に、脱水装置10で生地の脱水を行い、その後、乾燥装置11で生地を熱風によって強制的に乾燥させて乾燥生地とした後に、剥離装置12で各簀4から乾燥生地を剥離し、その後、再び簀4を簀枠5ごと抄製装置9に搬送する動作を連続して繰り返し行う。これにより、乾燥機1は、原料を連続して乾燥させて、大量の乾燥生地を生成している。
【0029】
この乾燥機1では、駆動装置17の駆動主軸19と、間欠搬送装置6,7,8の搬送主軸20・抄製装置9の抄製主軸21・脱水装置10の脱水主軸22・剥離装置12の剥離主軸23とを、連動連結して、駆動主軸19を1回転させることで、搬送主軸20・脱水主軸22・剥離主軸23が1回転するようにし、また、駆動主軸19を2回転させることで、抄製主軸21が1回転するようにしている。間欠搬送装置6,7,8・抄製装置9・脱水装置10・剥離装置12は、搬送主軸20・抄製主軸21・脱水主軸22・剥離主軸23の回転によってそれぞれの動作(搬送動作・抄製動作・脱水動作・剥離動作)を行うようになっている。
【0030】
ここで、間欠搬送装置6,7,8は、駆動主軸19を1回転させると、搬送主軸20が1回転する間に、1列分の簀4(簀枠5)を所定距離だけ搬送する動作(搬送動作)を行うようにしている。
【0031】
また、脱水装置10・剥離装置12は、駆動主軸19を1回転させると、脱水主軸22・剥離主軸23が1回転する間に、1回分(簀4の1列分)の動作(脱水動作・剥離動作)を行うようにしている。
【0032】
さらに、抄製装置9は、駆動主軸19を2回転させると、抄製主軸21が1回転する間に連動カム機構24によって1回分(簀4の2列分)の動作(抄製動作(原料と副材の投入動作、及び、原料と副材との撹拌動作、並びに、原料・副材の簀4への抄き動作))を行うようにしている。
【0033】
このように、乾燥機1では、駆動主軸19が1回転する間に、脱水装置10及び剥離装置12が脱水動作及び剥離動作を行う一方、駆動主軸19が2回転する間に、抄製装置9が抄製動作を行うようにしている。
【0034】
そして、
図3に示すように、乾燥機1は、制御装置18で駆動装置17を駆動させて駆動主軸19を回転させ、駆動主軸19の1回転目(駆動主軸19の回転角度が0~360度)において、間欠搬送装置6,7,8が駆動主軸19の回転角度10~140度の間の時間で1列分の簀4(簀枠5)を所定距離だけ搬送する搬送動作を行い、脱水装置10が駆動主軸19の回転角度180~280度の間の時間で1列分の簀4を同時に脱水する脱水動作を行い、剥離装置12が駆動主軸19の回転角度180~280度の間の時間で1列分の簀4を同時に剥離する剥離動作を行うようにしている。
【0035】
また、乾燥機1は、制御装置18で駆動装置17を駆動させて駆動主軸19を回転させ、駆動主軸19の2回転目(駆動主軸19の回転角度が360~720度)において、間欠搬送装置6,7,8が駆動主軸19の回転角度370~500度の間の時間で1列分の簀4(簀枠5)を所定距離だけ搬送する搬送動作を行い、脱水装置10が駆動主軸19の回転角度540~640度の間の時間で1列分の簀4を同時に脱水する脱水動作を行い、剥離装置12が駆動主軸19の回転角度540~640度の間の時間で1列分の簀4を同時に剥離する剥離動作を行うようにしている。
【0036】
一方、乾燥機1は、制御装置18で駆動装置17を駆動させて駆動主軸19を回転させ、駆動主軸19の1回転目及び2回転目(駆動主軸19の回転角度が0~720度)において、抄製装置9が駆動主軸19の回転角度95~280度の間の時間で原料タンク13及び副材タンク14から撹拌混合機15に原料及び副材を投入する投入動作を行い、抄製装置9が駆動主軸19の回転角度280~500度の間の時間で撹拌混合機15を用いて原料及び副材を撹拌して混合する撹拌動作を行い、抄製装置9が駆動主軸19の回転角度540~640度の間の時間で抄き機16を用いて原料・副材を2列分の簀4に抄く抄き動作を行うようにしている。
【0037】
なお、乾燥機1は、上記動作(駆動主軸19の回転角度が0~720度の間の時間に行う搬送動作・抄製動作・脱水動作・乾燥動作・剥離動作)を連続して行う。
【0038】
このように、乾燥機1では、間欠搬送装置6,7,8で簀4を1列分だけ搬送した(1回目の搬送)後に簀4を停止させ、脱水装置10で1列分の簀4に抄製された原料の脱水を行わせるとともに、剥離装置12で1列分の簀4から乾燥した原料の剥離を行わせ、その後、再び間欠搬送装置6,7,8で簀4を1列分だけ搬送した(2回目の搬送)後に簀4を停止させ、脱水装置10で1列分の簀4に抄製された原料の脱水を行わるとともに、剥離装置12で1列分の簀4から乾燥した原料の剥離を行わせ、さらに、抄製装置9で2列分の簀4への原料の抄きを行わせている。
【0039】
しかも、乾燥機1では、1回目の搬送の開始後に抄製装置9で原料の調整処理(原料と副材の投入動作、及び、原料と副材との撹拌動作)を行わせるとともに、2回目の搬送の終了後に抄製装置9で2列分の簀4に原料の抄き(原料・副材を簀4に抄く動作)を行わせるようにしている。
【0040】
この乾燥機1では、制御装置18で駆動装置17の駆動主軸19が等速で回転するようにして、1回目の動作(駆動主軸19の回転角度が0~360度の間で行う動作)に要する時間と、2回目の動作(駆動主軸19の回転角度が360~720度の間で行う動作)に要する時間とを同一の時間としているが、これに限られず、制御装置18で駆動装置17の駆動主軸19の回転速度を制御するなどして、1回目の動作(駆動主軸19の回転角度が0~360度の間で行う動作)に要する時間と、2回目の動作(駆動主軸19の回転角度が360~720度の間で行う動作)に要する時間とを異なる時間とし、1回目の搬送から脱水までの時間と2回目の搬送から脱水までの時間のいずれか一方の時間を他方の時間よりも長くして、抄製装置9で原料の調整処理又は/及び抄きを行わせる時間が長くなるようにすることもできる。
【0041】
たとえば、
図4に示すように、制御装置18で駆動装置17の駆動主軸19の回転速度を駆動主軸19の回転角度540~640度の間の時間だけ低速になるように制御して、1回目の搬送から脱水までの時間よりも2回目の搬送から脱水までの時間の方が長くなるようにし、抄製装置9での抄き動作を行わせる時間が長くなるようにすることもできる。なお、制御装置18で駆動装置17の駆動主軸19の回転速度を駆動主軸19の回転角度180~280度の間の時間だけ低速になるように制御して、2回目の搬送から脱水までの時間よりも1回目の搬送から脱水までの時間の方が長くなるようにし、抄製装置9での調整動作を行わせる時間が長くなるようにすることもできる。
【0042】
以上に説明したように、上記乾燥機1は、1列分の簀4を間欠的に搬送するための間欠搬送装置6,7,8の搬送経路上に、原料を簀4に抄製するための抄製装置9と、抄製された原料を脱水するための脱水装置10と、脱水された原料を乾燥させるための乾燥装置11とを順に配置した構成となっている。
【0043】
しかも、上記乾燥機1は、間欠搬送装置6,7,8で簀4を1列分だけ搬送した(1回目の搬送)後に簀4を停止させ、脱水装置10で1列分の簀4に抄製された原料の脱水を行わせ、その後、再び間欠搬送装置6,7,8で簀4を1列分だけ搬送した(2回目の搬送)後に簀4を停止させ、脱水装置10で1列分の簀4に抄製された原料の脱水を行わせるとともに、抄製装置9で2列分の簀4に原料の抄きを行わせる構成となっている。
【0044】
そのため、上記構成の乾燥機1では、抄製装置9で簀4に原料を抄製するための時間を十分に確保することができ、抄製装置9で簀4に原料を良好に抄製することができる。
【0045】
また、上記乾燥機1は、1回目の搬送の開始後に抄製装置9で原料の調整処理を行わせるとともに、2回目の搬送の終了後に抄製装置9で2列分の簀4に原料の抄きを行わせる構成となっている。
【0046】
そのため、上記構成の乾燥機1では、抄製装置9による原料の調整処理のための時間を十分に確保することができ、抄製装置9で簀4に原料を良好に抄製することができる。
【0047】
また、上記乾燥機1は、1回目の搬送から脱水までの時間と2回目の搬送から脱水までの時間のいずれか一方の時間を他方の時間よりも長くして、抄製装置9で原料の調整処理又は/及び抄きを行わせる時間が長くなるように構成している。
【0048】
そのため、上記構成の乾燥機1では、より一層、抄製装置9による原料の調整処理又は/及び抄きのための時間を十分に確保することができ、抄製装置9で簀4に原料を良好に抄製することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 乾燥機 2 前側筐体
3 後側筐体 4 簀
5 簀枠 6,7,8 間欠搬送装置
9 抄製装置 10 脱水装置
11 乾燥装置 12 剥離装置
13 原料タンク 14 副材タンク
15 撹拌混合機 16 抄き機
17 駆動装置 18 制御装置
19 駆動主軸 20 搬送主軸
21 抄製主軸 22 脱水主軸
23 剥離主軸 24 連動カム機構