(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176309
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】耳拭き棒
(51)【国際特許分類】
A47K 7/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A47K7/00 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094765
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】308028810
【氏名又は名称】阿部 洋
(72)【発明者】
【氏名】阿部 洋
【テーマコード(参考)】
2D134
【Fターム(参考)】
2D134BA00
2D134BA01
(57)【要約】
【課題】一般に使用されている綿棒は、棒の一端部に脱脂綿を固く巻き付け先端は円弧状に形成されている綿棒を使用されているが、人の体質により耳の中が油状でジクジクした人の場合は、綿に油や汚れが思うように吸着しなかった。
また、小さな子供が使用するには綿棒の脱脂綿が固く鼓膜に傷をつける可能性があった。
【解決手段】棒3の軸の一方の端部8に拭き取り部2を設けた耳拭き棒1であって、拭き取り部2は、端部8を囲むように巻き付けて固定されるシート部材10で構成され、シート部材10は端部8に巻き付けて固定された固定部7から先端に向かって拡径するラッパ形状をなし、端部8は球状をなすことを特徴とする耳拭き棒1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒の軸の一方の端部に拭き取り部を設けた耳拭き棒であって、
前記拭き取り部は、前記端部を囲むように巻き付けて固定されるシート部材で構成され、前記シート部材は前記端部に巻き付けて固定された固定部から先端に向かって拡径するラッパ形状をなし、
前記端部は球状をなすことを特徴とする耳拭き棒。
【請求項2】
前記棒は、前記端部に向かって軸径が小さくなるように側周面が傾斜することを特徴とする請求項1記載の耳拭き棒。
【請求項3】
前記拭き取り部を覆うキャップをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の耳拭き棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耳の外耳道に留まる油状の汚れや埃のかたまりを拭き取り、清浄する耳拭き棒である。
【背景技術】
【0002】
従来、耳の汚れを拭き取る物として使用されている物として、綿棒や耳掻棒などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に使用されている綿棒は、特許文献1に示されているような棒の一端部に脱脂綿を固く巻き付け先端が円弧状に形成されているものが使用されているが、人の体質により耳の中が油状でジクジクした人の場合は、綿に油や汚れが思うように吸着しなかった。
【0005】
また、綿棒の先端の円弧状は脱脂綿を固く巻き付けてあるため、小さな子供が使用すると鼓膜に傷をつける危険があった。
【0006】
そこで、本発明は耳の入り口から外耳道の鼓膜の手前まで、ジクジクした油状の汚れや乾燥した埃や汚れものなどをきれいに拭き取る事ができる耳拭き棒を提供することをその主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の耳拭き棒は、棒の軸の一方の端部に拭き取り部を設けた耳拭き棒であって、前記拭き取り部は、前記端部を囲むように巻き付けて固定されるシート部材で構成され、前記シート部材は前記端部に巻き付けて固定された固定部から先端に向かって拡径するラッパ形状をなし、前記端部は球状をなすことを特徴とする。
【0008】
本発明の耳拭き棒の一実施形態としては、前記棒は、前記端部に向かって軸径が小さくなるように側周面が傾斜するものを挙げることができる。
【0009】
さらに本発明の耳拭き棒の一実施形態としては、前記拭き取り部を覆うキャップをさらに備えるものを挙げることができる。
【0010】
本発明の耳拭き棒は、拭き取り部が、端部を囲むように巻き付けて固定されるシート部材で構成され、シート部材は端部に巻き付けて固定された固定部から先端に向かって拡径するラッパ形状をなすため、耳の入り口から外耳道の鼓膜の手前まで、ジクジクした油状の汚れや乾燥した埃や汚れものなどをきれいに拭き取る事ができる。また、端部は球状をなすので、力加減がわからない小さな子供が使用しても、鼓膜に傷をつける可能性を減らすことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の耳拭き棒は、耳の入り口から外耳道の鼓膜の手前まで、ジクジクした油状の汚れや乾燥した埃や汚れものなどをきれいに拭き取る事ができ、また、誰もが安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】耳拭き棒の先端にある拭き取り部の紙が開いている状態の耳拭き棒の正面図。
【
図2】耳拭き棒を使用する前まではキャップが被せられている状態の図。
【
図3】耳の中に耳拭き取棒を差し込んで拭き取りをしている図。
【
図4】第1実施形態において棒に拭き取り部を巻き付けている図。
【
図5】第2実施形態において棒に拭き取り部を巻き付けている図。
【
図6】第1実施形態および第2実施形態の耳拭き棒の写真。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の耳拭き棒について、以下図面を用いながら詳細に説明する。
【0014】
<第1実施形態>
本実施形態の耳拭き棒1は、
図1、
図2及び
図3に示すように、長軸な棒3と、棒3の一方の端部に設けられた拭き取り部2と、拭き取り部2を覆うキャップ4とを備える。
【0015】
棒3は、円柱形状をなし長軸方向の長さが70mm~80mmであり、拭き取り部2が設けられた一方の端部8は球状に構成されている。また、該一方の端部8に向かって軸径が小さくなるように側周面が傾斜している。
【0016】
拭き取り部2は、略長方形状をなすシート部材10で構成され、本実施形態では紙材(パルプ)で構成されている。
図4に示すように、シート部材10の長手方向の一方縁には、長手方向に垂直となるように複数の切り込み11が等間隔で設けられている。該切り込み11が設けられた一方縁と対抗する他方縁は、棒3の傾斜する側周面に巻き付けて固定される固定部7となる。このとき、拭き取り部2の先端部分は、棒3の端部より延伸しており該端部8を覆うように配置されている。
【0017】
拭き取り部2は、上述したように棒3に巻き付けて固定されることにより、切り込みが開いて固定部7から先端に向かって拡径するラッパ形状をなす。
【0018】
キャップ4は、上述した拭き取り部2を覆うように棒3の端部8に取り外し可能に配置されるものであって、本実施形態では円筒形状をなすものである。キャップ4を棒3から外すと、拭き取り部2がラッパ形状に開いて花が開いたような状態になる。
【0019】
本実施形態の耳拭き棒1に使用態様について、以下説明する。
【0020】
使用者は、まずキャップを外して
図1で示している様に拭き取り部2が、花が開いたような状態にする。使用直前まで拭き取り部2がキャップ4で覆われていることで、拭き取り部2を清潔な状態に保つことができる。
【0021】
この状態で、
図4で示している様に耳の外耳道5から棒3を回転させながら、外耳道5を拭き取る。外耳道5は入口付近の径が大きく、奥にいくにつれて径が小さくなるものであるから、外耳道5の入り口では拭取り部2がラッパ形状をなすことにより、その先端部分で汚れを拭き取ることができる。
【0022】
また、外耳道の奥に耳拭き棒1を差し込むと、外耳道5の径は小さくなっていくので、拭き取り部2のラッパ形状をなす部分は外耳道5の径に合わせてその外径を小さくしながら外耳道5に接触して汚れを拭き取っていく。
【0023】
さらに外耳道5の奥に進むと鼓膜6に到達するが、本実施形態の耳拭き棒1は、拭き取り部2の先端部分が棒3の端部8よりも延伸して端部8を覆って配置されているので鼓膜6には該拭き取り部2の先端が先に到達し、鼓膜6を傷つけることを防止できる。加えて、誤って耳拭き棒1を押し込んだとしても、棒3の端部8が球状に構成されているので、該鼓膜6を傷つけることを防止できる。
【0024】
本実施形態の耳拭き棒1は、拭き取り部2が端部8を囲むように巻き付けて固定されるシート部材で構成され、シート部材は端部8に巻き付けて固定された固定部7から先端に向かって拡径するラッパ形状をなすため、耳の入り口から外耳道5の鼓膜6の手前まで、ジクジクした油状の汚れや乾燥した埃や汚れものなどをきれいに拭き取る事ができる。また、端部8より延伸して設けられた拭き取り部2の先端部分が鼓膜6に先に到達するとともに、該端部8は球状をなすので、力加減がわからない小さな子供が使用しても、鼓膜6に傷をつける可能性を減らすことができる。
【0025】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態における耳拭き棒20について説明する。なお、第1実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0026】
第2実施形態の耳拭き棒20は、拭き取り部2が、略長方形状をなすシート部材10で構成され、本実施形態では紙材(パルプ)で構成されている。シート部材10の長手方向の一方縁には、長手方向に垂直となるように複数の切り込み11が等間隔で設けられている。第2実施形態の耳拭き棒20は、このシート部10を
図5に示すように、棒3に対して斜めに配置した状態で、棒3に巻き付けていく。この構成により、シート部材10が螺旋状に棒3に巻き付く。この棒3にシート部材11が巻き付けられた部分が固定部7となる。このとき、第1実施形態と同様に、拭き取り部2の先端部分は、棒3の端部より延伸しており該端部8を覆うように配置されている。
【0027】
第2実施形態の耳拭き棒20は、
図6に示すように、第1実施形態の耳拭き棒 1と比較して、ラッパ形状部分の広がりが抑えられるとともに、軸方向の長さが長くなるように構成される。そのため、第1実施形態の耳拭き棒20に比べて鼓膜6への到達距離が短くなる。また、外耳道5の穴の直径に合わせて、第1実施形態の耳拭き棒1と第2実施形態の耳拭き棒20を使い分けることで、例えば大人用、子供用などのように、使用者に合わせることができる。
【0028】
本発明の耳拭き棒は上述の実施形態に限られたものではない。
【0029】
上記実施形態では、固定部をなす棒が端部に向けて傾斜していたが、シート部材が巻き付きやすくなるように溝を形成してもよい。
【0030】
本発明は、その目的の範囲内において適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 第1実施形態の耳拭き棒
2 拭き取り部
3 棒
4 キャップ
5 外耳道
6 鼓膜
7 固定部
8 端部
10 シート部材
11 切り込み
14 シート部材の巻き取り方向
20 第2実施形態の耳拭き棒