(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176333
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/32 20060101AFI20241212BHJP
H04N 1/21 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N1/32 037
H04N1/32 358
H04N1/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094797
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 倫大
(57)【要約】
【課題】相手が希望する場所や時間等に確実にファイルを送信することができる情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置2は、予め設定された送信情報に基づいてファイルを第1画像形成装置4又は第2画像形成装置5等に送信する制御部を備える。前記送信情報は、送信時間、送信宛先、送信手段及び送信ファイル名のうち少なくとも一つである。前記制御部は、前記ファイルを第1画像形成装置4又は第2画像形成装置5等に送信する前に前記送信情報を端末3に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信する制御部を備え、
前記制御部は、前記ファイルを送信する前に、指定された宛先の端末に前記送信情報を送信する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記ファイルを保存する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に保存された前記ファイルを送信する、
請求項1に記載に情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記送信情報の内容を変更するためのリクエスト情報が前記端末から返信された場合、当該リクエスト情報に基づいて前記送信情報を更新し、更新された前記送信情報に基づいて前記ファイルを送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信情報は、送信時間、送信宛先、送信手段及び送信ファイル名のうち少なくとも一つである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送信情報の送信指示を受け付けたタイミング又前記記憶部に前記ファイルが保存されたタイミングで、前記送信情報を前記端末に送信する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ファイルの送信手段は、FAX、メール及びSMBのいずれかであり、
前記送信情報の送信手段は、メール又はSNSである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前前記送信情報の内容を変更するための前記リクエスト情報が前記端末から返信されない場合、予め設定された前記送信情報に基づいて前記ファイルを送信する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置と端末とがネットワークを介して接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信するとともに、前記ファイルを送信する前に指定された送付先の端末に前記送信情報を送信する制御部を備え、
前記端末は、
前記情報処理装置から受信した前記送信情報を変更する場合にリクエスト情報を生成して前記情報処理装置に送信する制御部を備える、
情報処理システム。
【請求項9】
コンピューターを、
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信するとともに、前記ファイルを送信する前に指定された送付先の端末に前記送信情報を送信する制御部、
として機能させるプログラム。
【請求項10】
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信する制御ステップを有し、
前記制御ステップでは、前記ファイルを送信する前に、指定された送付先の端末に前記送信情報を送信する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピューターの共有フォルダに置かれたファイルを、予め設定されている送信条件に従って指定の相手先に転送する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、以下に示すファイル自動転送システムが開示されている。ファイル自動転送システムは、事業所のLANで接続されたコンピューターに共有フォルダを設定し、ファイルを送信相手先別に共有フォルダに保存する。次に、ファイル自動転送システムは、共有フォルダ内にファイルが存在する場合に、設定された相手先に自動的にファイル転送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、事前に設定した通信手段を利用し、事前に設定した相手先の場所(デバイス)や時間等に対してファイルを転送する。そのため、相手の最新の状況を把握できていないので、相手の希望に沿わない場所や時間等にファイルを転送するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、相手が希望する場所や時間等に確実にファイルを送信することができる情報処理装置、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信する制御部を備え、
前記制御部は、前記ファイルを送信する前に、指定された宛先の端末に前記送信情報を送信する。
【0008】
本発明に係る情報処理システムは、
情報処理装置と端末とがネットワークを介して接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信するとともに、前記ファイルを送信する前に指定された送付先の端末に前記送信情報を送信する制御部を備え、
前記端末は、
前記情報処理装置から受信した前記送信情報を変更する場合にリクエスト情報を生成して前記情報処理装置に送信する制御部を備える。
【0009】
本発明に係るプログラムは、
コンピューターを、
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信するとともに、前記ファイルを送信する前に指定された送付先の端末に前記送信情報を送信する制御部、
として機能させる。
【0010】
本発明に係る情報処理方法は、
予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信する制御ステップを有し、
前記制御ステップでは、前記ファイルを送信する前に、指定された送付先の端末に前記送信情報を送信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、相手が希望する時間、場所等にファイルを送信することができるので、相手が確実にファイルを受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る送信フォルダに保存されたファイルを送信する場合における情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係る送信フォルダに保存されたファイルを送信する場合における端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
[情報処理システム1の構成例]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略構成の一例を示している。
情報処理システム1は、
図1に示すように、情報処理装置2と、端末3と、第1画像形成装置4と、第2画像形成装置5とを備える。情報処理装置2、端末3、第1画像形成装置4及び第2画像形成装置5は、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークNとしては、例えば、インターネット、WAN、LAN、公衆回線網及び移動体通信等が挙げられる。WANは、Wide Area Networkの略称である。LANは、Local Area Networkの略称である。ネットワークNで用いられる通信方式は、有線又は無線を問わず任意の方式を適用することができる。
【0015】
情報処理装置2は、予め設定された送信宛先にファイルを送信する前に、別に指定された受信者が所有する端末3に送信条件に関する送信情報を送信する。本実施形態においてファイルの送信宛先は、第1画像形成装置4又は第2画像形成装置5とする。ファイルの送信前に送信情報を受信者に通知することで、ファイルの送信情報に変更がないかを確認するための機会を受信者に与えることができる。受信者は、情報処理装置2から受信した送信情報の内容を変更したい場合、変更指示を端末3に入力する。端末3は、受け付けた変更指示に応じたリクエスト情報を生成し、生成したリクエスト情報を情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、受信したリクエスト情報に基づいて送信情報の内容を更新する。情報処理装置2は、更新した送信情報に基づいてファイルを第1画像形成装置4等に送信する。本実施形態において、ファイルを送信する者を送信者と呼び、ファイルを受信する者を受信者と呼ぶ。
【0016】
ここで、送信情報には、送信時間、送信手段、送信宛先及び送信ファイル名のうち少なくとも一つの情報が含まれる。送信時間とは、ファイルを送信宛先に送信する時間である。送信手段とは、例えば、FAX、メールアプリ、SMB等が挙げられる。SMBは、Server Message Blockの略称である。送信宛先とは、ファイルを送信する第1画像形成装置4等のIPアドレス、メールアドレス又は電話番号等である。送信ファイル名は、ファイルを特定するための識別情報である。
【0017】
[情報処理装置2の構成例]
情報処理装置2は、例えば、パーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット又は画像形成装置等である。本実施形態では、情報処理装置2として、パーソナルコンピューターを適用した場合の例に説明する。
【0018】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2のブロック図である。
情報処理装置2は、制御部20と、操作部21と、表示部22と、記憶部23と、通信部24と、FAX部25とを備える。制御部20、操作部21、表示部22、記憶部23、通信部24及びFAX部25は、例えば、バス29を介して接続されている。
【0019】
制御部20は、CPU、MPU等のプロセッサー及びRAM等のメモリを含む。CPUは、Central Processing Unitの略称である。MPUは、Micro Processing Unitの略称である。RAMは、Random Access Memoryの略称である。制御部20は、記憶部23に記憶されるプログラムをRAM等のメモリに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。具体的には、制御部20は、後述するアプリケーション23aの実行により、予め設定された送信情報に基づいてファイルを送信する制御ステップとして機能する。また、制御ステップでは、ファイルを送信する前に、事前に登録されている受信者が所有する端末3に送信情報を送信する。送信情報の送信手段としては、例えば、メールアプリ、メッセージアプリ(SNS)、LINE(登録商標)等のコミュニケーションアプリが挙げられる。
【0020】
操作部21は、ユーザーによる各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して制御部20に出力する。操作部21は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン等を含む。操作部21は、ディスプレイに一体的に組み合わされたタッチパネルであってもよい。操作部21は、マイク等の音声入力を受け付けるユーザインタフェースであってもよい。例えば、操作部21は、送信情報の設定及び送信情報を送信する受信者の端末3の送信宛先等の入力を受け付ける。端末3の送信宛先は、例えば、電話番号、メールアドレス等である。
【0021】
表示部22は、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の表示装置である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略称である。ELは、Electronic Luminescenceの略称である。例えば、表示部22は、制御部20によって生成された操作画面や、各種の入力操作を受け付けるためのGUI等を表示する。GUIは、Graphical User Interfaceの略称である。例えば、表示部22は、メール以外で送信情報を作成する場合、送信情報を設定するための複数の項目が設けられた設定画面等を表示してもよい。
【0022】
記憶部23は、例えば、HDD、SSD、ROM及びRAM等を含む任意の記憶モジュールを含む。HDDはHard Disk Driveの略称である。SSDはSolid State Driveの略称である。ROMはRead-Only Memoryの略称である。記憶部23には、システムプログラム等の各種データが記憶される。具体的には、記憶部23には、ファイル及び送信情報を送信する処理を実行するためのアプリケーション23aが記憶される。また、記憶部23は、送信用のファイルを一時的に保存するための送信フォルダ23bを有する。送信フォルダ23bには、操作部21等で設定された送信情報及び固有情報が対応付けられる。なお、本実施形態では、記憶部23に一つの送信フォルダ23bを設けた例について説明したが、これに限定されることはない。記憶部23に複数の送信フォルダ23bを設けてもよい。この場合、送信フォルダ23bごとに異なる送信宛先等の送信情報を設定可能としてもよい。
【0023】
通信部24は、例えば、NIC、受信機及び送信機を含む通信モジュール等を含む。NICは、Network Interface Cardの略称である。例えば、通信部24は、ネットワークNを介して、ファイルを送信する前に所定の送信手段により送信情報を受信者が所有する端末3に送信する。通信部24は、ネットワークNを介して、所定の送信手段により第1画像形成装置4等との間でファイル等に関するデータを通信する。
【0024】
FAX部25は、ネットワークNを介して、FAX機能を備えた第1画像形成装置4等との間でファイル等のデータを通信する。ネットワークNとしては、例えば、公衆交換電話網等が挙げられる。
【0025】
[端末3の構成例]
端末3は、ファイルの送信宛先の受信者が所有している携帯端末であることが好ましいが、据え置き型の装置であってもよい。つまり、ファイルを受信する受信者が、情報処理装置2から送信される送信情報を、簡易かつ速やかに確認できる装置であればよい。端末3としては、例えば、無線通信機能を備えたスマートフォン、タブレット、携帯電話機等が挙げられる。端末3の他の例としては、例えば、有線又は無線通信機能を備えたパーソナルコンピューター等が挙げられる。
【0026】
図3は、本実施形態に係る端末3のブロック図である。
端末3は、制御部30と、操作部31と、表示部32と、記憶部33と、通信部34とを備える。制御部30、操作部31、表示部32、記憶部33及び通信部34は、例えばバス39を介して接続されている。
【0027】
制御部30は、CPU、MPU等のプロセッサー及びRAM等のメモリを含む。制御部30は、記憶部33に記憶されるプログラムをRAM等のメモリに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。具体的には、制御部30は、情報処理装置2から受信した送信情報に対応したリクエスト情報を生成する処理を実行する。
【0028】
操作部31は、ユーザーによる各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して制御部30に出力する。操作部31は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン等を含む。操作部31は、ディスプレイに一体的に組み合わされたタッチパネルであってもよい。操作部31は、マイク等の音声入力を受け付けるユーザインタフェースであってもよい。具体的には、操作部31は、送信時間、送信手段、送信宛先及び送信ファイル名等の送信情報の変更等の入力指示を受け付ける。
【0029】
表示部32は、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の表示装置である。表示部32は、制御部30によって生成された操作画面や、各種の入力操作を受け付けるためのGUI等を表示する。具体的には、表示部32は、情報処理装置2から受信した送信情報を表示したり、送信情報を変更するための設定画面等を表示したりする。設定画面としては、例えば、ウェブサイト等に設定されたウェブフォームであってもよい。この場合、情報処理装置2は、送信情報をメールやSNS等の送信手段で送信する際に、ウェブフォームのURL等のアドレスを付加する。受信者は、操作部31等の操作によりウェブフォーム上で送信情報の変更指示を入力する。端末3は、変更指示に応じたリクエスト情報をウェブフォーム上で生成し、そのリクエスト情報をURL経由で情報処理装置2に返信する。
【0030】
記憶部33は、例えば、HDD、SSD、ROM及びRAM等を含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部33には、例えば、システムプログラム、アプリケーションプログラム及び受信及び入力された各種情報等が記憶される。具体的には、記憶部33は、情報処理装置2から受信した送信情報等を記憶する。
【0031】
通信部34は、例えば、NICや受信機及び送信機を含む無線通信モジュールなどを含む。具体的には、通信部34は、ネットワークNを介して、情報処理装置2等との間で送信情報及びリクエスト情報等に関する各種データを通信する。
【0032】
[第1画像形成装置4及び第2画像形成装置5の構成例]
本実施形態において、第1画像形成装置4と第2画像形成装置5とは、異なる場所に設置されている。例えば、同じ会社において、第1画像形成装置4がA支店に設置され、第2画像形成装置5がB支店に設置される。他の例として、同じ会社のビルにおいて、第1画像形成装置4がA階のフロアーに設置され、第2画像形成装置5がB階のフロアーに設置される。この場合、同一のフロアー内の異なる部門等であってもよい。
【0033】
なお、第1画像形成装置4と第2画像形成装置5とは、同一の構成及び機能を有するため、以下では第1画像形成装置4について説明する。また、本実施形態では、ファイルを受信する装置の一例として、複写機等の画像形成装置を挙げているがこれに限定されることはない。例えば、ファイルを受信する受信装置としては、パーソナルコンピューター等であってもよい。また、本実施形態では、2台の画像形成装置をファイルの受信が可能な受信装置として説明しているが、受信装置の台数は本実施形態に限定されることはない。
【0034】
図4は、本実施形態に係る第1画像形成装置4のブロック図である。
第1画像形成装置4は、制御部40と、操作部41と、表示部42と、記憶部43と、通信部44と、FAX部45とを備える。第1画像形成装置4は、さらに、原稿読取部46と、画像形成部47とを備える。制御部40と操作部41等の各構成とは、例えばバス49を介して互いに接続されている。
【0035】
制御部40は、CPU、MPU等のプロセッサー及びRAM等のメモリを含む。制御部40は、記憶部43に記憶されるプログラムをRAM等のメモリに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。具体的には、制御部40は、所定の画像形成処理を実行するとともに、情報処理装置2から送信されるファイルを保存する。
【0036】
操作部41は、画像形成等に関する各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して制御部40に出力する。操作部41は、例えば、スタートキーやテンキー等を有するボタン群と、ディスプレイの表面に組み合わされたタッチパネルとを含む。本実施形態では、操作部41と表示部42とで操作パネルを構成している。
【0037】
表示部42は、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の表示装置である。表示部42は、制御部40によって生成された所定の設定画面や、各種の入力操作を受け付けるためのGUI等を表示する。例えば、表示部42は、画像形成装置本体に取り付けられた操作パネルにより構成される。表示部42は、情報処理装置2等から受信したファイルに基づく画像等の情報を操作パネルの画面上に表示可能である。
【0038】
記憶部43は、例えば、HDD、SSD、ROM及びRAM等を含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部43には、各種プログラム、装置固有の情報、各種の設定情報、表示部42に表示する各種画面の表示用データ等が記憶される。記憶部43には、原稿読取部46で読み取られた画像データ、他の端末等から受信したプリントジョブに含まれる印刷データ等が記憶される。記憶部43は、受信フォルダ43aを有する。受信フォルダ43aは、情報処理装置2等から受信したファクスデータや電子メールの添付データ等のファイルを一時的に保存する。なお、本実施形態では、記憶部43に一つの受信フォルダ43aを設けた例について説明したが、これに限定されることはない。記憶部43に複数の受信フォルダ43aを設けてもよい。
【0039】
通信部44は、例えば、NICや受信機及び送信機を含む通信モジュールなどを含む。通信部44は、ネットワークNを介して、情報処理装置2等の他のコンピューターとの間で、画像処理や送信ファイル等に関するデータを通信する。
【0040】
FAX部45は、ネットワークNを介して、FAX機能を備えた第1画像形成装置4等との間でファイル等のデータを通信する。ネットワークNとしては、例えば、公衆交換電話網等が挙げられる。FAX部45は、情報処理装置2等から受信したFAXデータ等の受信フォルダ43aに保存する。FAX部45は、情報処理装置2等から受信したFAXデータ等のファイルを画像形成部47で印刷可能なプリントデータに変換してもよい。
【0041】
原稿読取部46は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する。原稿読取部46は、例えば、光源、ラインイメージセンサ及び変換部等を有する。光源は、原稿に光を照射する。ラインイメージセンサは、原稿で反射した反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取る。変換部は、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する。
【0042】
画像形成部47は、周知の電子写真方式により用紙にトナー像を形成する。画像形成部47は、感光体ドラム、露光装置及び現像装置等を有する。露光装置は、レーザ光を感光体ドラム上で走査させる。現像装置は、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーで現像する。具体的には、画像形成部47は、FAX部45で受信したファイルのFAXデータに基づく画像等を用紙に印刷可能である。
【0043】
[情報処理装置2の動作例]
図5は、情報処理装置2に保存されたファイルを第1画像形成装置4等に送信する場合における情報処理装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
【0044】
制御部20は、操作部21等で受け付けられたファイルの送信条件に関する送信情報を取得する(ステップS10)。例えば、制御部20は、送信時間が10時、送信手段がFAX、送信宛先が第1画像形成装置4との送信情報を操作部21等から受け付ける。また、制御部20は、送信情報を送信する受信者が所有する端末3のメールアドレス、電話番号等の固有情報を受け付ける。取得した送信情報及び固有情報は、例えば、記憶部23の送信フォルダ23bに対応付けられる。なお、送信情報及び固有情報の設定は、本ステップのタイミングに限定されず、ファイルを送信フォルダ23bに保存するタイミング等であってもよい。
【0045】
制御部20は、ファイルが記憶部23の送信フォルダ23bに保存されたか否かを判断する(ステップS11)。制御部20は、ファイルが送信フォルダ23bに保存されていないと判断した場合、ステップS11に戻る。この場合、制御部20は、ファイルが送信フォルダ23bに保存されるまで待機する。一方、制御部20は、ファイルが送信フォルダ23bに保存されたと判断した場合、ステップS12に進む。ファイルは、例えば、pdf形式の注文書である。
【0046】
制御部20は、ファイルが送信フォルダ23bに保存されると、ファイルを送信宛先に送信する前に、送信情報を端末3に送信する(ステップS12)。具体的には、制御部20は、「10時にA支店の第1画像形成装置4へ注文書.pdfをFAX送信します」との送信情報をメールで端末3に送信する。なお、送信情報の送信タイミングは、送信者により送信情報を送信する指示を操作部21等で受け付けたときであってもよい。他の送信情報の送信タイミングとしては、送信フォルダ23bにファイルが保存された直後のタイミングであってもよい。
【0047】
制御部20は、端末3から送信情報の内容の変更を希望するリクエスト情報を取得したか否かを判断する(ステップS13)。制御部20は、端末3からリクエスト情報を取得したと判断した場合、ステップS14に進む。具体的には、リクエスト情報は、例えばメールにより通信部24で受信される。制御部20は、例えば「15時にB支店の第2画像形成装置5へ注文書.pdfをFAX送信してください」とのリクエスト情報をメールで取得する。取得したリクエスト情報では、受取時間が10時から15時に変更され、送信宛先がA支店からB支店に変更されている。制御部30は、例えば、公知の自然言語処理により、メールの文章から送信時間、送信手段、送信宛先及び送信ファイル名等を解析してもよい。なお、上述したように、送信情報の内容の変更をウェブフォーム上で行う場合、制御部20はリクエスト情報をウェブフォームのURL経由で取得してもよい。
【0048】
制御部20は、端末3から受信したリクエスト情報に基づいて、送信情報の内容を更新する(ステップS14)。具体的には、制御部20は、送信時間が10時から15時に変更された場合、送信時間を15時に変更する。制御部20は、送信宛先がA支店の第1画像形成装置4からB支店の第2画像形成装置5に変更された場合、送信宛先をB支店の第2画像形成装置5に変更する。
【0049】
制御部20は、更新した送信情報の内容に基づいてファイルを送信する(ステップS15)。具体的には、制御部20は、時間が15時になったとき、B支店の第2画像形成装置5に注文書をPDF形式でFAXにより送信する。第2画像形成装置5は、情報処理装置2からFAXで送信されたファイルをFAX部55で受信する。第2画像形成装置5は、受信したファイルを記憶部53の受信フォルダ53aに保存する。受信者は、受信フォルダ53aに保存されたファイルを操作部51等で指定することで、表示部52等でファイルを閲覧、確認できる。
【0050】
一方、制御部20は、ステップS13で送信宛先の端末3からのリクエスト情報を受信していないと判断した場合、ステップS16に進む。本実施形態では、受信者の送信時間や送信宛先等のスケジュール等に変更がない場合、端末3からリクエスト情報は送信されない。なお、端末3は、送信情報に変更がない場合、送信情報に変更がない旨のメール等を情報処理装置2に送信するようにしてもよい。
【0051】
制御部20は、最初に設定した送信情報の内容に基づいて、ファイルを第1画像形成装置4に送信する(ステップS16)。具体的には、制御部20は、時間が10時になったとき、A支店の第1画像形成装置4に注文書をPDF形式でFAXにより送信する。第1画像形成装置4は、情報処理装置2からFAXで送信されたファイルをFAX部45で受信する。第1画像形成装置4は、受信したファイルを記憶部43の受信フォルダ43aに保存する。受信者は、受信フォルダ43aに保存されたファイルを操作部41等で指定することで、表示部42等でファイルを閲覧、確認できる。
【0052】
[端末3の動作例]
図6は、情報処理装置2に保存されたファイルを第1画像形成装置4等に送信する場合における端末3の動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
端末3の通信部34は、情報処理装置2から送信情報を受信する。本実施形態では、「10時にA支店の第1画像形成装置4へ注文書.pdfをFAX送信します」との送信情報をメールで受信する。制御部30は、通信部34により受信された送信情報を取得する(ステップS20)。
【0054】
制御部30は、取得した送信情報を表示部32の画面に表示させる(ステップS21)。表示部32の画面には、例えば、「10時にA支店の第1画像形成装置4へ注文書.pdfをFAX送信します」のメールの内容が表示される。
【0055】
制御部30は、操作部31等で送信情報の内容を変更する変更指示が受け付けられたか否かを判断する(ステップS22)。制御部30は、変更指示が受け付けられたと判断した場合、ステップS22に進む。受信者は、送信時間、送信場所等の項目に変更がある場合、変更を希望する項目の変更指示を操作部31等から入力する。これは、送信情報を設定した当初とは、受信者の受信可能な時間、場所等のスケジュールが変更される場合があるからである。具体的には、送信時間が10時から15時に変更され、送信宛先がA支店の第1画像形成装置4からB支店の第2画像形成装置5に変更される。なお、送信情報の内容の変更は、上述したように、ウェブサイト等に設定されたウェブフォーム上で行ってもよい。
【0056】
制御部30は、変更指示が受け付けられた場合、変更指示に応じたリクエスト情報を生成して情報処理装置2に送信する(ステップS22)。例えば、制御部30は、「15時にB支店の第2画像形成装置5へ注文書.pdfをFAX送信してください」との変更指示を含むリクエスト情報を生成する。制御部30は、生成したリクエスト情報を例えばメールにて情報処理装置2に送信する。なお、制御部30は、送信情報の内容の変更をウェブフォーム上で行われた場合には、リクエスト情報をURL経由で情報処理装置2に送信するよう制御する。
【0057】
一方、制御部30は、ステップS22で、変更指示が受け付けられていないと判断した場合、リクエスト情報を生成せずに、一連の処理を終了する。なお、制御部30は、リクエスト情報を生成しない代わりに、送信情報の変更がない旨の変更なし情報をメール等で情報処理装置2に送信してもよい。
【0058】
本実施形態によれば、設定された送信情報に応じてファイルを送信する前に、受信者が所有する端末3に確認用のメール等を送信する。受信者は、送信情報に変更がある場合、変更を希望する項目の変更指示を入力できる。この場合、端末3は、変更指示に応じたリクエスト情報を生成して情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、リクエスト情報に基づいて送信情報を更新し、更新した送信情報に基づいてファイルを第1画像形成装置4等に送信できる。これにより、受信者が希望する送信時間、送信場所、送信手段等にて、ファイルを送信できるため、受信者に対して確実にファイルを送信できる。
【0059】
本実施形態によれば、ファイルの送信宛先の一つとして、第1画像形成装置4等の複合機を選択できる。例えば、サインや印鑑が必要な紙書類を含むファイルの出力が必要な場合に、送信宛先として複合機が有効である。また、イントラネット等の限定されたネット環境でファイルを送信したい場合に、送信宛先として複合機が有効である。また、メールに添付できないサイズのファイルやキュリティの観点からメールに添付できないファイルを送信する場合に、送信宛先として複合機が有効である。また、中小企業では部門ごとにしかアカウントを持っていない場合等においても、送信宛先として複合機が有効である。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。また、各種の変更例、改良を施したものは、当業者の特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0061】
例えば、本実施形態では、情報処理装置2の送信フォルダ23bに送信用のファイルを保存したが、これに限定されることはない。例えば、情報処理装置2とは異なる外部装置にファイルを保存してもよい。情報処理装置2は、外部装置からファイルを取得し、取得したファイルを設定された送信情報に基づいて第1画像形成装置4等に送信してもよい。外部装置は、ネットワーク上に設けられていてもよいし、情報処理装置2等に接続可能な記憶装置であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 情報処理システム
2 情報処理装置
3 端末
4 第1画像形成装置
5 第2画像形成装置
20 制御部
23 記憶部
23b 送信フォルダ
30 制御部
40 制御部
43 記憶部
43a 受信フォルダ