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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176344
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】誘導情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241212BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20241212BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/04
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094814
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】302038844
【氏名又は名称】東芝シュネデール・インバータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】河合 正
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC03
5L049CC15
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】紙資源の消費を削減することができるとともに、詳細取扱情報への容易なアクセスと、不特定多数からの詳細取扱情報へのアクセスの抑制とを両立することができる誘導情報を提供する誘導情報提供装置を提供する。
【解決手段】実施形態による誘導情報提供装置は、機器としてのインバータ装置1として構成されており、詳細取扱情報を閲覧するための誘導情報として、機器に固有に付されているシリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報、または、シリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報を含む情報を提供する提供部としての装置側提供部11を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
詳細取扱情報を閲覧するための誘導情報として、機器に固有に付されているシリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報、または、前記シリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報を含む情報を提供する提供部を備える誘導情報提供装置。
【請求項2】
前記提供部は、前記機器に設けられており、前記機器と通信可能に接続された外部の装置に対して、前記誘導情報を用いた前記詳細取扱情報の閲覧を可能にする、または、前記誘導情報の提示を可能にする請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項3】
前記機器と通信可能に接続された外部の装置が前記機器から提供された前記機器のシリアル番号を用いて前記誘導情報を生成することを可能にする、または、前記外部の装置が前記誘導情報を提示することを可能にする請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項4】
前記機器は、通信可能に接続された外部の装置に対してシリアル番号を提供し、前記外部の装置が前記シリアル番号を用いて前記誘導情報を生成することを可能にする、または、前記外部の装置が前記誘導情報を提示することを可能にする請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、前記外部の装置で実行されるものであって前記機器に対する各種の設定を行うための設定ツールで実現されている請求項4に記載の誘導情報提供装置。
【請求項6】
前記提供部は、前記誘導情報として、前記機器に設けられているオプション品の情報を含めて提供する請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項7】
前記提供部は、前記誘導情報として、前記機器の稼働情報、または、前記機器の寿命予測情報を含めて提供する請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項8】
前記提供部は、前記誘導情報として、前記機器に設定されている設定情報を含めて提供する請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項9】
前記提供部は、前記誘導情報として、前記機器の保護動作に関する情報を含めて提供する請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項10】
前記提供部は、前記誘導情報として、提供した時間に関する時間情報を含めて提供する請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【請求項11】
前記提供部は、前記誘導情報として、複数の前記機器をまとめて提供する請求項1に記載の誘導情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、詳細取扱情報を閲覧するための誘導情報を提供する誘導情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機器を購入する際には、機器そのものだけでなく、例えば取扱説明書などが添付または同梱された製品として購入することが一般的である。そして、従来では、紙資源の節約を目的として、紙媒体の付属物としては簡単な操作方法や問い合わせ先などの情報を記載した印刷物を添付し、詳細な取扱説明書については例えばCD-ROMやDVDなどの光学メディアで電子ファイルとして提供することが行われていた。
【0003】
しかし、光学ドライブを標準装備したパソコンが減ってきていること、また、いわゆるスマートフォンやタブレットのような光学ドライブを備えていない携帯端末などが普及していることから、使用者が光学メディアを読み取る環境を有していないことが想定される。さらに、同梱物が多くなると、製品としての体積や重量の増加による輸送時の環境負荷が増加するという問題もある。そのため、近年では、製品には簡易的な取扱説明書を添付し、詳細な取扱説明書については例えばインターネットなどのネットワーク経由でアクセスできるようにすることが増えてきている。このような提供方法であれば、紙資源の消費を削減することができるとともに、例えば取扱説明書を改定したような場合であっても迅速に最新の情報を提供することができると考えられる。
【0004】
ところで、例えば営業上の理由などにより、詳細な取扱説明書へのアクセスを実際の使用者に限定し、不特定多数からのアクセスは制限したいという状況が想定される。以下、取扱説明書のような機器の詳細な機能や取り扱いを説明するための情報を詳細取扱情報と称する。また、この詳細取扱情報は、紙媒体で提供していた取扱説明書を電子ファイル化したものに限らず、音声やアニメーションあるいは映像などによって機能や取り扱いを説明するものも含まれる。
【0005】
さて、詳細取扱情報へのアクセスを限定する手法としては、例えば使用者にユーザ登録をしてもらうことが考えられる。これにより、登録された使用者に限定して詳細取扱情報を提供でき、詳細取扱情報へのアクセスを制限することが可能になると考えられる。しかし、ユーザ登録のための手続きが必要であること、また、機器の種類によってはユーザ登録の申請後に審査があることなどから、実際の使用者であっても初期設定や故障時の対応に時間がかかるおそれがある。
【0006】
また、例えば特許文献1に開示されているように、機器のシリアル番号を入力させることにより、実際に購入した使用者に対して取扱説明書を提供することが考えられる。しかし、機器の種類によってはシリアル番号の書式が公開されていることがあり、その場合には、公開されている情報に基づいてシリアル番号を類推することで、機器を所有していなくても、あるいは、使用中の機器とは異なる機器であっても、詳細取扱情報にアクセスできてしまうおそれがある。
【0007】
また、機器の種類によっては、詳細取扱情報に記載されている技術情報が輸出管理の対象となることがある。例えば、産業用の機器であるインバータ装置は、周波数変換器を使用するための技術情報が詳細取扱情報として提供されており、その技術情報がいわゆるキャッチオール規制の対象となっている。そのため、輸出管理の対象となる機器の場合には、不特定多数からの詳細取扱情報へのアクセスを制限することが求められる一方、設置やメンテナンスなどで詳細取扱情報を必要としている実際の使用者に対しては容易かつ迅速に提供できることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002-183358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、紙資源の消費を削減することができるとともに、詳細取扱情報への容易なアクセスと、不特定多数からの詳細取扱情報へのアクセスの抑制とを両立することができる誘導情報を提供する誘導情報提供装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態による誘導情報提供装置は、詳細取扱情報を閲覧するための誘導情報として、機器に固有に付されているシリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報、または、シリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報を含む情報を提供する提供部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態による誘導情報提供装置の構成例を示す図
図2】ブラウザ画面への表示態様例を示す図その1
図3】ブラウザ画面への表示態様例を示す図その2
図4】ブラウザ画面への表示態様例を示す図その3
図5】延長パネルによる誘導情報の表示態様例を示す図
図6】ブラウザ画面への表示態様例を示す図その4
図7】第2実施形態による誘導情報提供装置の構成例を示す図
図8】設定ツールの表示態様例を示す図その5
図9】設定ツールの表示態様例を示す図その6
図10】第3実施形態による誘導情報提供装置の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。また、各実施形態において実質的に共通するものには同一符号を付して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態では、詳細取扱情報がネットワーク経由で提供される機器として、産業用の機器であるインバータ装置1を対象としている。このインバータ装置1は、製造履歴管理や品質保証対応などを目的として、固有のシリアル番号が付されている。このシリアル番号は、例えばインバータ装置1に設けられている銘版や簡単な取扱説明書などに記されているとともに、装置側記憶部6にソフトウェア情報としても記憶されている。そして、一例ではあるが、「INV001A002」のように先頭の3桁が機器の種類を示し、次の4桁が製造年月日を示し、最後の3桁が通し番号を示すといった予め定められた書式で付されており、その書式が公開されていることがある。
【0014】
なお、対象とする機器としては、インバータ装置1などの産業用の機器単体に限らず、インバータ装置1を内蔵した機器や他の産業用の機器、あるいは、いわゆる電子機器や電気機器あるいは機械装置などを対象とすることもできる。また、例えば携帯電話やデータ通信カードに付されている国際移動体装置識別番号(IMEI番号)や、ネットワークインターフェースに付されているMACアドレス(Media Access Control address)のように、各機器に固有に付されているものであればシリアル番号の一種と考えられ、本発明の対象に含まれる。
【0015】
また、本実施形態では、インバータ装置1の詳細な機能や取り扱い方法、使用する際の詳細な技術情報などが含まれた情報などを詳細取扱情報と称している。ただし、詳細取扱情報に含まれる情報としては、これらに限定されず、どのような情報を含めるかについては製造会社や販売会社のような機器の供給側で適宜選択および設定することができる。
【0016】
まず、インバータ装置1の概略構成を説明する。インバータ装置1は、操作パネル2から運転条件などのパラメータが設定されると、制御回路3において制御信号が生成され、その制御信号に基づいて主回路4において例えば商用電源を変換して負荷5に電力を供給する。負荷5としては、例えばポンプ、コンプレッサ、搬送機械あるいは昇降機械などが想定される。また、インバータ装置1は、主回路4に設けられている図示しない電流センサや電圧センサなどの検出結果に基づいて、出力や通電時間などの運転状態、短絡や地絡といった異常状態を検出し、保護動作としてトリップ状態とすることが可能となっている。
【0017】
検出された各状態やパラメータは、稼働情報、設定情報、異常情報、トリップ情報として、時刻と関連付けられて装置側記憶部6に記憶される。また、制御回路3や主回路4などを冷却するファン7は、例えば温度や通電時間に基づいた耐用年数が設定されており、ファン7の通電時間などの情報も稼働情報として装置側記憶部6に記憶される。
【0018】
また、インバータ装置1は、各種のオプション品が取り付け可能となっている。図1の場合、インバータ装置1には、インバータ装置1からケーブルで延長された状態で操作可能な延長パネル8、ノイズを低減するためのノイズフィルタ9がオプション品として設けられている。そして、どのようなオプション品がインバータ装置1に設けられているかは、オプション情報として装置側記憶部6に記憶されている。
【0019】
ただし、図1に示すオプション品は一例であり、例えば入力リアクトル、直流リアクトル、制動ユニット、制動抵抗器、サージ電圧抑制フィルタなどをオプション品として取り付けることもできる。なお、図1においてオプション品にカッコ書きで付している「OPA」、「OPB」は種類を示す情報であり、例えば型番やシリアル番号などに相当する。
【0020】
また、インバータ装置1は、外部の装置との間で通信を行う装置側通信部10と、外部の装置に対して各種の情報を提供可能な装置側提供部11とを備えている。装置側通信部10は、有線式または無線式の通信インターフェースを有しており、内部ネットワーク12で接続されている操作端末13などとの間で通信を行う。この操作端末13は、いわゆるパソコンで構成されており、外部と通信する操作側通信部14、各種の情報を表示するためのディスプレイ15を備えている。
【0021】
装置側提供部11は、Webサーバ機能を有しており、操作端末13に対して稼働情報、設定情報、異常情報、トリップ情報などの各種の情報を提供する。そのため、操作端末13からブラウザソフトウェアでインバータ装置1にアクセスすると、図2に示すように、ブラウザ画面16の各表示エリア17に、機器情報、稼動情報、パラメータ情報、トリップ情報、例えば現在の出力をメータ表示する出力メータ、その履歴を表示するグラフなどが表示される。また、このブラウザ画面16からは、パラメータ設定、ユーザアカウントやパスワードの設定などを管理することもできる。
【0022】
また、装置側提供部11は、誘導情報として、機器のシリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報、または、シリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報を含む情報を、通信可能に接続されている外部の装置に提供する。つまり、本実施形態では、インバータ装置1が、誘導情報を提供する誘導情報提供装置として機能しており、外部の装置のブラウザ画面に誘導情報を表示可能にするとともに、ブラウザ画面に誘導情報とリンクされたボタンを表示可能にする。
【0023】
操作端末13は、インバータ装置1と通信可能に接続されており、インバータ装置1から提供された誘導情報を用いて詳細取扱情報にアクセスする、または、インバータ装置1から提供された誘導情報を使用者に提示する。具体的には、操作端末13のブラウザ画面16には、誘導情報とリンクされた詳細情報ボタン18が用意されており、この詳細情報ボタン18をクリックすることにより、例えばインターネットのような外部ネットワーク19を介して、情報提供サーバ20のサーバ側記憶部21に用意された各種の詳細取扱情報を参照することができる。このとき、詳細は後述するが、誘導情報を用いることにより、アクセス先は使用中の機器の詳細取扱情報に限定的に誘導される。
【0024】
この情報提供サーバ20には、詳細取扱情報として、例えば種類Aのインバータ装置1の詳細取扱情報である詳細取扱説明書A、種類Bのインバータ装置1の詳細取扱情報である詳細取扱説明書B、種類Cのインバータ装置1の詳細取扱情報である詳細取扱説明書Cなどが用意されている。また、情報提供サーバ20には、各種の異常への対処を説明するためのトラブル対処例や、トリップが発生した際の対処を示すトリップ対処法などを含む技術情報が詳細取扱情報として用意されている。また、情報提供サーバ20には、オプション品に関する取扱いや技術情報を説明するオプション情報Aやオプション情報Bなどが詳細取扱情報として用意されている。ただし、図1に示す詳細取扱情報は一例であり、情報提供サーバ20に用意されている詳細取扱情報の数や種類はこれに限定されない。
【0025】
そして、情報提供サーバ20は、操作端末13から送信された誘導情報に含まれている暗号化されたシリアル番号を認証機能部23で復号し、復号したシリアル番号、つまりは、実際に使用されているインバータ装置1のシリアル番号に対応した詳細取扱情報を特定した閲覧可能にする。
【0026】
次に、上記した構成の作用および効果について説明する。
詳細取扱情報は、例えばインバータ装置1の詳細な機能や取り扱い方法、使用する際の詳細な技術情報などが含まれている。そのため、営業上の理由などにより、詳細取扱情報へのアクセスを実際の使用者に限定して、不特定多数からのアクセスを制限したいという状況が想定される。特に、インバータ装置1は、機器単体においても輸出管理の対象となっているとともに、詳細取扱情報に含まれる例えば周波数変換器を使用するための技術情報も輸出管理の対象となっており、詳細取扱情報をネットワーク経由で提供する際に詳細取扱情報へのアクセスを制限することが求められる。
【0027】
なお、インバータ装置1の装置側記憶部6に詳細取扱情報を保持しないのは、容量の制限によるものである。つまり、詳細取扱情報を保持するためにはより高機能な記憶媒体が必要となり、価格の上昇や部品点数の増加による環境負荷の増大といった問題がある。その一方、誘導情報を提供する構成であれば必要になる記憶容量はそれほどを増加せず、また、取扱説明書が更新される可能性も考慮すると、ネットワーク経由で提供することにより、既存の構成でユーザにより多くのメリットを提供することが可能となると考えられる。
【0028】
そこで、本実施形態では誘導情報を用いることにより、紙資源の消費を削減することができるとともに、使用中の機器の詳細取扱情報への容易なアクセスと、不特定多数からの詳細取扱情報へのアクセスの抑制とを両立することを可能としている。
【0029】
誘導情報は、詳細取扱情報を閲覧するための情報であり、本実施形態では、詳細取扱情報にアクセスする際のアクセス先を使用中のインバータ装置1の詳細取扱情報へと限定的に誘導するための情報となっている。具体的には、インバータ装置1は、誘導情報の一例として、供給側が用意した情報提供サーバ20のWebアドレスと、クエリパラメータとしてシリアル番号を暗号化した情報とが付加されたURLを提供する。このとき、シリアル番号はインバータ装置1に固有に付されるものであることから、誘導情報もインバータ装置1に固有のものとなるため、誘導情報に基づいて使用中の機器を特定することができる。なお、シリアル番号を暗号化するための暗号化技術は、既存の技術を用いてもよいし、供給側で独自の新技術を用いてもよい。また、どのような暗号化技術を用いているかは、供給側で秘匿すればよい。
【0030】
例えば、Webアドレスが「https://www.?????.co.jp/Manuals/」であり、上記したシリアル番号を暗号化した情報が「BDtpm41ZqSqaso6OHr0eYSU+wJ7ROGFD」であったとする。この場合、誘導情報は、「https://www.?????.co.jp/Manuals/?s=BDtpm41ZqSqaso6OHr0eYSU+wJ7ROGFD」のように生成される。なお、上記「?」はWebアドレス部とクエリパラメータ部を分けるための符号を意味し、上記「s」はパラメータの名前、上記「=」はパラメータの名前と値を対応させる符号を意味している。だたし、ここで示したWebアドレスやクエリパラメータは一例であり、型番等が入ったアドレスや他のクエリパラメータを有することもある。なお、「www.?????.co.jp」はドメイン名であるが、実在する会社名と被らないようにするために、便宜的に「?????」という存在しないドメイン名としている。
【0031】
そして、詳細情報ボタン18には上記の誘導情報がリンクとして設定されており、使用者が詳細情報ボタン18をクリックすると、誘導情報が情報提供サーバ20に送信される。情報提供サーバ20は、サーバ側通信部22を介して誘導情報を取得すると、誘導情報に含まれている暗号化されたシリアル番号を認証機能部23で復号し、復号したシリアル番号、つまりは、実際に使用されているインバータ装置1のシリアル番号に対応した詳細取扱情報を提供する。これにより、図3に示すように、ブラウザ画面16に新しいタブが追加され、その表示エリア17に種類Aのインバータ装置1に対応した例えばドキュメント形式の詳細取扱説明書Aが表示される。
【0032】
なお、情報提供サーバ20は、図3のようにシリアル番号に対応した詳細取扱情報を直接的に表示させることもできるが、シリアル番号に対応した複数の詳細取扱情報が例えば一覧表示されているWebページを提供して使用者に選択させたり、対応する詳細取扱情報が用意されている別のWebページに転送させたり、それらを組み合わせたりすることにより、使用者に対して詳細取扱情報を提供することができる。
【0033】
このようにシリアル番号を暗号化することにより、仮にシリアル番号を知ったとしても、また、ブラウザ画面16に詳細取扱情報のURLが表示されていたとしても、暗号化手法が分からなければ他のシリアル番号に対応するURLを入力することはできないため、他の装置の詳細取扱情報などへのアクセスを抑制することができる。
【0034】
そして、製造履歴管理や品質保証対応などのために通し番号が付されていて、他のシリアル番号の推測が比較的容易な機器であっても、詳細取扱情報を実際の使用者に限定的に提供することが可能となり、不特定多数からの詳細取扱情報へのアクセスを制限することができる。そして、詳細取扱情報へのアクセスを制限できることは、インバータ装置1のように購入時とは異なる他の用途に転用が可能な機器や、そのような機器を内蔵した機器であって、特に輸出管理の対象となる機器において、非常に有意義なものとなる。
【0035】
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
誘導情報提供装置は、詳細取扱情報を閲覧するための誘導情報として、機器に固有に付されているシリアル番号が暗号化された情報を含む情報を提供する提供部としての装置側提供部11を備えている。
【0036】
これにより、紙資源の消費を削減することができるとともに、誘導情報に基づいて詳細取扱情報を閲覧することが可能であることから詳細取扱情報への容易なアクセスが可能となり、さらに、シリアル番号を暗号化したことにより、使用していない機器の詳細取扱情報へのアクセスや、不特定多数からのアクセスを抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、誘導情報を提供する提供部を機器に設け、その機器から誘導情報を受け取った外部の装置から詳細取扱情報にアクセスする。つまり、提供部は、機器と通信可能に接続された外部の装置に対して、誘導情報を用いた詳細取扱情報の閲覧と誘導情報の提示とを可能にする。この場合、インバータ装置1に電源を配線し、電源を投入した状態でのみ誘導情報が提示されることになることから、実際に使用中の機器から誘導情報を取得することになる。そのため、詳細取扱情報へのアクセスを使用中の機器に限定できるとともに、使用していない機器の詳細取扱情報へのアクセスや、不特定多数からのアクセスを適切に抑制することができる。また、仮に例えば中古品のEコマースサイトに製品写真が流出しても詳細取扱情報へのアクセスができず、不当に詳細情報にアクセスされるリスクを低減することが可能となる。
【0038】
ところで、現実的には、外部からの不正アクセスを防止するために、操作端末13が外部ネットワーク19と接続されていない状況が想定される。その場合、操作端末13から直接的に情報提供サーバ20にアクセスすることはできない。また、例えば現場の作業者が使用するタブレットやスマートフォンなどの携帯端末24は、外部ネットワーク19には繋がっているものの、内部ネットワーク12には接続されておらず、インバータ装置から誘導情報を取得できない状況も想定される。
【0039】
そのため、インバータ装置1は、誘導情報を操作端末13を介して使用者に提示可能に構成されている。具体的には、操作端末13のブラウザ画面16には、図2に示すように、コード化した誘導情報を提示するための提示用リンク25が表示されている。そして、使用者が提示用リンク25をクリックすると、図4に示すように、誘導情報を例えば二次元コード化したコード化情報26が表示される。
【0040】
これにより、使用者は、図1に示す携帯端末24の端末側カメラ27でコード化情報26を撮影することによって誘導情報を取得でき、その誘導情報を用いて携帯側通信部28を介して情報提供サーバ20にアクセスすることが可能となる。これにより、携帯側表示部29に詳細取扱情報を表示させることが可能となり、使用者は携帯端末24を用いて詳細取扱情報を閲覧することができる。
【0041】
この場合、誘導情報のコード化は、インバータ装置1で行ってもよいし、操作端末13でおこなってもよい。また、コード化情報26は、二次元コードに限らず、一次元コードやテキストコードであってもよい。例えばテキストコードの場合、操作端末13でテキストとしてコピー保存したうえでネットワークを公衆回線に切り替え、操作端末13から詳細技術情報を閲覧することも可能となる。また、コード化情報26は、画像であってもよいし、誘導情報を目視できない状態で提供されるものであってもよい。例えば、画像としてはシリアル番号に基づいて生成されたランダムな画像などを利用したり、いわゆる電子透かしの技術を利用したり隠し文字を挿入したりすることで目視できないものを提供することができる。
【0042】
このように、インバータ装置1のような機器から提供された誘導情報を操作端末13や携帯端末24などの他の装置で利用可能に提示する構成によっても、紙資源の消費を削減することができるとともに、詳細取扱情報への容易なアクセスと不特定多数からの詳細取扱情報へのアクセスの抑制とを両立することができるなど、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、例えば図5に示すように延長パネル8が液晶表示器30を有している場合には、延長パネル8にコード化情報26を表示させる構成とすることもできる。つまり、延長パネル8を、インバータ装置1と通信可能に接続されている外部の装置として利用することができる。このような構成によっても、実施形態と同様に各種の効果を得ることができ、さらには、設置現場に置いて容易且つ迅速に詳細取扱情報にアクセスすることが可能となる。また、例えば複数人で作業する場合であっても、それぞれの携帯端末24から容易に詳細取扱情報にアクセスできることから、作業性を大きく向上させることができる。
【0044】
さて、ここまでは、シリアル番号の全体を暗号化した情報を含む情報を誘導情報として提供する構成を例示したが、シリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報を誘導情報として提供する構成とすることができる。この場合、情報提供サーバ20にアクセスする際のWebアドレスについては、例えばブラウザ画面16に表示したり、機器に付属する紙媒体の同梱物や機器を梱包する梱包物に印字して提供したりすればよい。これは、インバータ装置1のような産業用の機器では製品安全に関連する事項やUL規格(米国)あるいはCEマーキング(欧州)といった規格または規制対応上必要とされる事項を記載した付属物が最低限同梱されるため、それを利用すれば無駄に紙資源を消費することも無いためである。
【0045】
このような誘導情報を用いる場合には、例えば図6に示すように、ブラウザ画面16に番号表示ボタン31を用意する。そして、番号表示ボタン31がクリックされたら、テキスト形式に暗号化されたシリアル番号であるアクセスコード33を例えばポップアップ表示させる。これにより、使用者は、Webサイトにアクセスしてアクセスコード33を入力することにより、詳細取扱情報を閲覧することができる。この場合、番号表示ボタン31をクリックしてアクセスコード33を表示させれば、携帯端末24から詳細取扱情報にアクセスすることも可能となる。また、提示用リンク25をクリックしてコード化した誘導情報をテキスト表示させることにより、携帯端末24で利用可能にすることもできる。
【0046】
このような構成によっても、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、シリアル番号の一部を暗号化した情報を上記したWebアドレスと組み合わせることにより、シリアル番号の一部を暗号化した情報を含む情報を誘導情報として提供したり、その誘導情報をコード化して提示したりする構成とすることもできる。
【0047】
また、誘導情報を用いて詳細技術情報にアクセスさせることにより、従来のCD-ROMや紙媒体に情報を印刷して提供する場合と同等のアクセス制限が可能であると考えられるため、輸出管理に適している。
【0048】
また、情報提供サーバ20側においてアクセス元のIPアドレスなどの位置情報に基づく制限を課す構成と組み合わせることができる。これにより、例えば国内からのアクセスについては制限せず、海外からのアクセスについては制限するといった対応をとることが可能となる。この場合、アクセスを完全に制限してもよいし、一部の重要情報へのアクセスを制限してもよい。また、IPアドレスなどの位置情報に基づいて使用者の言語を判定し、その言語に応じた情報を提供することによって、詳細取扱情報への容易なアクセスを実現することも可能となる。
【0049】
また、誘導情報を提供する提供部を有する誘導情報提供装置と、詳細取扱情報が用意されている情報提供サーバ20とを含む図1に示す情報提供システム34によっても、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。本実施形態では、機器と通信可能に接続される外部の装置に提供部を設ける点において第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と共通する構成もあるため、図1から図6も参照しながら説明する。また、本実施形態は、第1実施形態と組み合わせて利用することができる。
【0051】
図7に示すように、本実施形態における機器としてのインバータ装置1Aは、概ね第1実施形態と共通する構成になっているものの、装置側提供部11は備えていない。その代わり、操作端末13Aには、誘導情報を提供する操作側提供部35が設けられている。つまり、本実施形態では、インバータ装置1Aからシリアル番号を平文で操作端末13Aに提供し、操作端末13A側でシリアル番号を暗号化して誘導情報を生成し、生成した誘導情報を用いて詳細取扱情報にアクセスする、または、誘導情報を他の装置で利用可能に提示する構成となっている。つまり、本実施形態では、操作端末13Aが誘導情報提供装置として機能する構成となっている。
【0052】
この操作側提供部35は、図8に示すように、操作端末13Aで実行されるものであって、インバータ装置1に対する各種の設定を行うための設定ツール36に組み込まれた形で、ソフトウェアとして実現されている。つまり、設定ツール36は誘導情報提供装置に相当する。この設定ツール36は、各種のメニューやアイコン等が設けられており、インバータ装置1と通信可能に接続されると、表示エリア17Aにインバータ装置1の装置情報や現在設定されているパラメータ情報などを表示する。なお、設定ツール36の構成は一例であり、これに限定されない。
【0053】
また、設定ツール36は、提供部の機能として、第1実施形態で説明したURLのようにシリアル番号の少なくとも一部を暗号化した情報を含む情報や、シリアル番号の少なくとも一部を暗号化した情報を、誘導情報として生成する。そして、設定ツール36には、誘導情報とリンクされた詳細情報ボタン18Aが設けられている。
【0054】
設定ツール36は、詳細情報ボタン18Aがクリックされると、誘導情報を情報提供サーバ20に送信し、情報提供サーバ20から詳細取扱情報が提供された場合には、新たな表示エリア17Aに例えばインバータ装置1Aの取扱説明書Aを表示する。あるいは、設定ツール36は、図示は省略するが、詳細情報ボタン18Aがクリックされ、対象となる詳細取扱情報が複数あるような場合には、それらを一覧表示することなどにより、使用者が選択して閲覧できるようにすることもできる。
【0055】
このように、機器と通信可能に接続された外部の装置が機器から提供されたシリアル番号を用いて誘導情報を生成することを可能にする構成、または、外部の装置が誘導情報を提示することを可能にする構成によっても、紙資源の消費を削減することができるとともに、誘導情報に基づいて詳細取扱情報を閲覧することが可能であることから詳細取扱情報への容易なアクセスが可能となり、さらに、シリアル番号を暗号化したことにより使用していない機器の詳細取扱情報へのアクセスを抑制することができるなど、第1実施形態と同様に各種の効果を得ることができる。
【0056】
また、設定ツール36は、操作端末13Aが外部ネットワーク19に接続されていない状況に対応するために、誘導情報をコード化したコード化情報26を表示するための提示用リンク25Aを提供する。そして、提示用リンク25Aがクリックされると、図9に示すように誘導情報を二次元コード化したコード化情報26を新たな表示エリア17Aに提示する。これにより、携帯端末24などの他の装置からも誘導情報を利用することが可能となり、設置現場での作業時等において詳細取扱情報を利用することができる。
【0057】
また、設定ツール36は、第1実施形態で説明したシリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報や、シリアル番号の少なくとも一部が暗号化された情報を含む情報を提供することもできる。その場合、情報提供サーバ20にアクセスする際のWebアドレスについては、新たな表示エリア17A画面に表示したり、機器に付属する紙媒体に印字したりすればよい。このような構成によっても、使用者は、それらの情報を利用して詳細取扱情報に容易にアクセスすることができる。なお、新たな表示エリア17Aに表示する際には、設定ツール36の機能として表示させてもよし、設定ツール36が情報を受け渡してブラウザソフトウェアで表示してもよいし、詳細技術情報を表示可能なソフトウェアを起動して表示させてもよい。
【0058】
また、設定ツール36を利用可能な環境であっても、装置側提供部11を備えるインバータ装置1Aと組み合わせる構成とすることもできる。これにより、例えば操作端末13Aが事務所に設置されており、現場では携帯端末24を用いて作業する状況などにおいて、延長パネル8に誘導情報を表示することにより詳細取扱情報にアクセスすることが可能になる。
【0059】
また、インバータ装置1に装置側提供部11を設け、操作側提供部35を備えていない操作端末13を用いて、インバータ装置1から提供された誘導情報にリンクされた詳細情報ボタン18Aを設定ツール36に設ける構成することができる。すなわち、第1実施形態の構成において、インバータ装置1のWebサーバ機能の代わりに、操作側提供部35を備えていない設定ツール36を用いる構成とすることができる。
【0060】
また、コード化した誘導情報を提示する場合には、第1実施形態と同様に、二次元コードに限らず、一次元コードやテキストコード、画像、誘導情報を目視できない状態などで提示する構成とすることもできる。また、設定ツール36は、パソコン用のものに限らず、携帯端末24用のアプリケーションとして実装することもできる。
【0061】
また、誘導情報を提供する提供部を外部の装置に設けた情報提供システム34Aによっても、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、インバータ装置1がWebサーバ機能を有していない場合や、Webサーバ機能を有していても使用者がWebサーバ機能を使用しない場合、あるいは、携帯端末24のようにWebサーバ機能を利用できない場合であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態および第2実施形態の変形例や拡張例であり、第1実施形態および第2実施形態と組み合わせて利用することができる。そのため、図1から図9も参照しながら説明する。
【0064】
上記した図1に示したように、インバータ装置1は、稼動情報、設定情報、異常情報、トリップ情報などを記憶している。また、インバータ装置1は、延長パネル8やノイズフィルタ9のようなオプション品の情報もオプション情報として記憶している。そして、インバータ装置1は、必要な時にそれらの情報を読み出すことができる。
【0065】
そのため、誘導情報として、シリアル番号を暗号化した情報に加えて、インバータ装置1に設けられているオプション品の情報を含む情報を提供する構成とすることができる。この場合、オプション品の情報については暗号化してもよいし、暗号化しなくてもよい。つまり、誘導情報として機器に設けられているオプション品の情報を含めて提供する構成とすることができる。
【0066】
このようにオプション品の情報が含まれた誘導情報を用いて情報提供サーバ20にアクセスすることにより、詳細取扱情報に加えて、オプション情報Aやオプション情報Bなどの詳細取扱情報を選択的に閲覧したり、まとめて閲覧したりすることができる。したがって、詳細取扱情報へのアクセスを制限しつつ、使用者が必要としている情報への誘導も可能となることから、利便性を向上させることができる。また、アクセス可能なオプション品の取扱説明書を制限することなども可能となる。
【0067】
また、誘導情報として、機器の稼働情報、または、機器の寿命予測情報を含めて提供する構成とすることができる。稼働情報は、インバータ装置1であれば例えば電源投入時間、負荷5駆動時間、ファン7の運転時間などが想定される。なお、インバータ装置1に限らずオプション品の稼動情報を含めてもよい。ここで、寿命予測情報は、稼働時間や耐用年数などから求まる情報であり、例えば耐用年数までの残り時間や日数あるいは年数などであり、定期的なメンテナンスが必要な部材については次のメンテナンスまでの残り時間や日数などが想定される。また、誘導情報としては、稼動情報または寿命予測情報の少なくとも一方を含むものであってもよいし、双方を含むものであってもよい。また、稼動情報や寿命予測情報については、暗号化してもよいし、暗号化しなくてもよい。
【0068】
このように稼動情報や寿命予測情報が含まれた誘導情報を用いて情報提供サーバ20にアクセスすることにより、詳細取扱情報に加えて、寿命が近い部材やメンテナンスが必要となった際のメンテナンス方法などの役立つ情報を選択的あるいは優先的に閲覧可能とすることなどが可能となり、利便性を向上させることができる。
【0069】
また、誘導情報として、機器に設定されているパラメータなどの設定情報を含めて提供する構成とすることができる。この場合、設定情報については、暗号化してもよいし、暗号化しなくてもよい。また、インバータ装置1に設定可能な全てのパラメータを誘導情報とするのではなく、一部の主要なパラメータを誘導情報に含める構成とすることができる。この場合、パラメータのプロパティとして誘導情報に含めるか否かを設定可能とし、例えば「0」であればそのパラメータは誘導情報に含めず、「1」であればそのパラメータは誘導情報に含めるとすることにより、パラメータごとに誘導情報に含めるか否かを設定することができる。勿論、誘導情報に含めるか否かを一括して設定できる構成としてもよい。
【0070】
例えばインバータ装置1には用途を示す「AUA」というパラメータがあり、その値が「3」に設定されていれば搬送装置用であり、設定値が「6」であればポンプ用といったように用途を把握することができる。そのため、「AUA」のパラメータを誘導情報に含めることにより、使用者は、用途別の設定方法などの詳細取扱情報を閲覧することが可能となる。なお、パラメータの種類は一例であり、これに限定されない。また、設定変更されたパラメータを誘導情報に含める構成とすることができるし、パラメータの設定変更の有無を誘導情報に含める構成とすることができる。
【0071】
このように、設定情報を誘導情報に含める構成とすることにより、設定変更に伴う発生する不具合に関する情報や、設定変更する際の説明やガイダンスなどの情報を選択的に情報提供サーバ20から取得することなどが可能となり、利便性を向上させることができる。また、誘導情報を表示させる際、誘導情報に含めるパラメータを選択可能にすることにより、使用者が求める情報を的確に得ることができるようになる。
【0072】
また、誘導情報として、例えばトリップの発生や過去の履歴など、機器の保護動作に関する情報を含めて提供する構成とすることができる。この場合、機器の保護動作に関する情報については、暗号化してもよいし、暗号化しなくてもよい。この機器の保護動作に関する情報としては、例えば情報提供サーバ20にアクセスする時点でトリップが発生しているか否か、あるいは、過去に発生したトリップの時系列での履歴などが想定される。
【0073】
これにより、使用者は、例えばトリップの説明やトリップの判定基準となる電流値や電圧値の情報などが含まれたトリップ対処法などの詳細取扱情報を容易に閲覧することができるとともに、現時点でトリップが発生していることが誘導情報に含まれていれば、情報提供サーバ20側でトリップ対処法を選択的あるいは優先的に表示させるといった対応が可能となり、利便性を大きく上場させることができる。また、過去に発生したトリップの履歴を含めれば、トリップが発生してリセットしたのちに使用者が詳細取扱情報にアクセスした場合にもトリップ対処法を表示させるといった対応が可能となり、利便性を大きく上場させることができる。
【0074】
また、インバータ装置1もしくは操作端末13や携帯端末24が持つ時間情報を誘導情報に含める構成とすることができる。このとき、時間情報としては、インバータ装置1がリアルタイムクロックを搭載している場合には、リアルタイムクロックから取得することができる。また、インバータ装置1がリアルタイムクロックを持たない場合には、例えば図2の日時表示領域39に日時を示しているように、操作端末13側では時刻を取得していると考えられることから、操作端末13から取得して誘導情報を生成する構成とすることができる。また、第2実施形態のように操作端末13側で誘導情報を生成する構成であれば、時間情報を含む形で誘導情報を生成することができる。なた、時間情報については、シリアル番号と同様に暗号化することにより、セキュリティ性や機密性を向上させることができると考えられる。
【0075】
このように時間情報を誘導情報に含めることにより、例えば、情報提供サーバ20側でクエリパラメータ内の時間情報を解析し、誘導情報へのアクセスが現在時刻に近い場合には使用者によってアクセスが行われている可能性が高い一方、時間情報が現在時刻から大きくずれている場合には不正なアクセスの可能性があるとしてアクセスを停止するといった対応が可能となる。これにより、誘導情報がネットワーク上で情報共有されたりした場合などにおいても、時間に基づく制限を課すことなどが可能となり、輸出管理上の効果を向上させることが可能となる。なお、情報提供サーバ20側で誘導情報の有効期間を設定することなども可能となるため、より一層セキュリティ性や機密性を向上させることなども可能となる。
【0076】
また、図10に示すように、複数のインバータ装置1を使用しており、各インバータ装置1が装置間ネットワーク40によって互いに通信可能に接続されている場合には、複数のインバータ装置1の情報をまとめて誘導情報として提供する構成とすることができる。例えば、装置側提供部11を備えるインバータ装置1と、装置側提供部11を備えていないインバータ装置1Aとが混在している場合には、インバータ装置1を主装置として、インバータ装置1で他のインバータ装置1Aの情報を集約して誘導情報を生成し、第1実施形態のように誘導情報を操作端末13に提供する構成とすることができる。
【0077】
すなわち、インバータ装置1は、装置側通信部10を介して、別のインバータ装置1、延長パネル8、操作端末13、携帯端末24などの他の装置に対して、シリアル番号の少なくとも一部を暗号化した情報、または、シリアル番号の少なくとも一部を暗号化した情報を含む情報を提供する構成とすることができる。
【0078】
この場合、インバータ装置1およびインバータ装置1Aなどの各機器の情報を纏めて一つの誘導情報とする構成とすることができるし、主装置となるインバータ装置1のシリアル番号を暗号化して誘導情報に含める構成とすることができる。そして、他の装置に対する使用者の操作に応じてインバータ装置1に対して誘導情報の送信要求が出され、その送信要求に応じてインバータ装置1から誘導情報を提供する構成とすることができる。あるいは、使用者がインバータ装置1を操作することにより、他の装置に対して誘導情報を提供する構成とすることもできる。
【0079】
例えば、主装置となるインバータ装置1が同一ネットワーク内に接続されている他のインバータ装置1Aから情報を収集して誘導情報を生成し、第1実施形態のようにブラウザでインバータ装置1にアクセスして誘導情報を表示あるいは提示させればよい。あるいは、第2実施形態のように設定ツール36を用いる場合には、使用者が各インバータ装置1に接続して設定した際の情報を纏めて蓄積し、対応する誘導情報を生成すればよい。
【0080】
あるいは、インバータ装置1では他のインバータ装置1Aのシリアル番号を集約して操作端末13に提供し、第2実施形態のように操作端末13A側でシリアル番号に基づいて誘導情報を生成してアクセスする構成とすることができる。
【0081】
このような構成によっても、紙資源の消費を削減することができるとともに、誘導情報に基づいて詳細取扱情報を閲覧することが可能であることから詳細取扱情報への容易なアクセスが可能となり、さらに、シリアル番号を暗号化したことにより、使用していない機器の詳細取扱情報へのアクセスや、不特定多数からのアクセスを抑制することができるなど、第1実施形態や第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0082】
また、複数の機器に関する情報を纏めて誘導情報とする構成の情報提供システム34Bによっても、第1実施形態や第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
図面中、1、1Aはインバータ装置(機器、誘導情報提供装置)、8は延長パネル(オプション品、外部の装置)、9はノイズフィルタ(オプション品)、13は操作端末(外部の装置)、13Aは操作端末(外部の装置、誘導情報提供装置)、16はブラウザ画面、24は携帯端末(外部の装置、誘導情報提供装置)、26はコード化情報(誘導情報)、33はアクセスコード(誘導情報)、36は設定ツール(誘導情報提供装置)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10