(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176350
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241212BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241212BHJP
B65G 49/07 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 648B
H01L21/304 648H
B65G49/07 E
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094826
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】谷口 進一
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 旭紘
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA37
5F131BB05
5F131BB22
5F131CA42
5F131DA32
5F131DA42
5F131DA62
5F131DB52
5F131DB58
5F131DB76
5F131DB82
5F131EA06
5F131EB32
5F131EB55
5F131EB66
5F131EB68
5F131EB78
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5F131HA12
5F131HA13
5F157AB02
5F157AB03
5F157AB33
5F157AB34
5F157AB46
5F157AB48
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5F157AB90
5F157BB02
5F157CB13
5F157CB14
5F157CB26
5F157CB27
5F157DA21
(57)【要約】
【課題】基板の受け渡し時に充分に上昇可能な間隔を設けることにより、安定した姿勢変換を行うことができつつ、基板を容易に受け渡しできる基板処理装置を提供する。
【解決手段】姿勢変換部41は、複数枚の基板Wの姿勢変換を行う際は、複数枚の基板Wにおける上面の上方の間隔が狭い状態で複数枚の基板を保持する。したがって、複数枚の基板Wを安定して保持でき、安定して姿勢を変換できる。姿勢変換部41は、水平姿勢とされた複数枚の基板Wを受け渡しする際には、複数枚の基板Wにおける処理面の上方の間隔USが広い状態で複数枚の基板Wを保持する。したがって、ブリッジロボットは、複数枚の基板Wの各々を容易に受け渡しできる。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置において、
複数枚の基板を鉛直姿勢の状態で一括して処理するバッチ式処理部と、
一枚の基板を水平姿勢の状態で処理する枚葉式処理部と、
前記バッチ式処理部で処理を終えた前記複数枚の基板について、鉛直姿勢から水平姿勢に変換する姿勢変換部と、
前記バッチ式処理部で処理を終えた前記複数枚の基板を前記姿勢変換部に搬送する第1の搬送部と、
前記姿勢変換部で水平姿勢にされた前記複数枚の基板を前記枚葉式処理部に搬送する第2の搬送部と、
を備え、
前記姿勢変換部は、
前記複数枚の基板の姿勢変換を行う際は、前記複数枚の基板における上面の上方の間隔が狭い状態で前記複数枚の基板を保持し、前記複数枚の基板を水平姿勢とした後に受け渡しを行う際には、前記複数枚の基板における上面の上方の間隔が広い状態で前記複数枚の基板を保持することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記姿勢変換部は、
前記複数枚の基板の径方向にて対向配置され、前記複数枚の基板の周縁部を挟持する反転チャックと、
前記複数枚の基板を前記第1の搬送部及び前記第2の搬送部との間で基板を受け渡す第1の間隔と、前記第1の間隔より狭く、前記複数枚の基板を挟持する第2の間隔との少なくとも2箇所にわたって、前記反転チャックを水平方向に移動させる駆動機構と、
前記反転チャックを前記複数枚の基板の面方向に回転させる回転機構と、
を備え、
前記反転チャックは、前記複数枚の基板が厚さ方向へ移動することを許容する第1の溝と、前記第1の溝より前記複数枚の基板の外方に形成され、前記複数枚の基板が厚さ方向へ移動することを規制しつつ、前記複数枚の基板を径方向で挟持する第2の溝とを備え、
前記第1の搬送部から前記反転チャックが前記複数枚の基板を受け入れる際には、前記駆動機構により前記第1の間隔とさせて前記第1の溝に前記複数枚の基板の各々を収容させ、
前記回転機構により前記複数枚の基板を水平姿勢に回転させる際には、前記駆動機構により前記第2の間隔とさせて前記第2の溝で前記複数枚の基板の各々を挟持させ、
前記第2の搬送部が前記複数枚の基板を前記反転チャックから受け取る際には、前記駆動機構により前記第1の間隔とさせて前記第1の溝で前記複数枚の基板の下面を当接支持させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記第2の溝は、
前記複数枚の基板の端面が位置する頂部と、
前記頂部から前記複数枚の基板の中心側に向かって先拡がりとなる奥側傾斜面と、
を備え、
前記第1の溝は、
前記複数枚の基板の中心側に開口を有し、前記奥側傾斜面から前記開口に向かって先拡がりとなる手前側傾斜面を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理装置において、
前記奥側傾斜面及び前記手前側傾斜面は、前記複数枚の基板の表裏面に臨む位置に傾斜面を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の基板処理装置において、
前記手前側傾斜面は、前記奥側傾斜面よりも傾斜が緩やかであることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記姿勢変換部は、前記反転チャックにより前記複数枚の基板が水平姿勢にされた状態で、前記複数枚の基板の水平方向への移動を規制する規制位置と、前記複数枚の基板の水平方向への移動を許容する許容位置とにわたって移動可能なアライメントバーをさらに備え、
前記反転チャックが前記第2の間隔から前記第1の間隔へ拡げられるまでに、前記アライメントバーを前記規制位置に移動することを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理装置において、
前記アライメントバーは、平面視で、前記第2の搬送部が前記複数枚の基板を受け取る側と、前記複数枚の基板を挟んで前記受け取る側の反対側とに備えられていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記第2の間隔から前記第1の間隔へ拡げられた後、前記第2の搬送部が前記反転チャックから前記複数枚の基板を受け取る際には、前記アライメントバーのうち、前記受け取る側の前記アライメントバーを前記許容位置に移動することを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項6に記載の基板処理装置において、
前記アライメントバーは、前記複数枚の基板の端面の位置に応じた複数個の溝を形成されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記反転チャックを昇降させる昇降機構をさらに備え、
前記第2の搬送部が前記反転チャックから前記複数枚の基板を受け取る際には、前記昇降機構により前記反転チャックを下降させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の基板処理装置において、
前記昇降機構は、前記第1の搬送部が前記複数枚の基板を前記反転チャックに渡す際には、前記第1の間隔とされた前記反転チャックを、前記第1の搬送部が搬送する前記複数枚の基板の上縁付近の受け入れ高さから、前記複数枚の基板の側縁付近の挟持高さに下降させることを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示用や有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板に所定の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、バッチ式モジュールと、枚葉式モジュールと、回転機構とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。バッチ式モジュールは、複数枚の基板に対して一括して処理を行う。枚葉式モジュールは、一枚ずつの基板に対して処理を行う。一般的に、枚葉式モジュールによる乾燥処理は、バッチ式モジュールによる乾燥処理に比較すると、基板が影響を受ける処理雰囲気の空間が小さく、パーティクル性能が高い。そのため、枚葉式モジュールは、バッチ式モジュールよりも乾燥性能を高めやすい。そこで、例えば、バッチ式モジュールでエッチング処理及びリンス処理を行った後、枚葉式モジュールで乾燥処理を行うことが行われる。
【0003】
バッチ式モジュールでは、複数枚の基板を鉛直姿勢とした状態で処理を行う。一方、枚葉式モジュールでは、基板を水平姿勢とした状態で処理を行う。そのため、バッチ式モジュールで処理を終えた鉛直姿勢の基板は、枚葉式モジュールに搬送される前に回転機構により水平姿勢に変換される。回転機構は、基板を挟持する溝が形成された反転チャックを備えている。
【0004】
具体的には、反転チャックの溝は、手前側に案内溝と、奥側に係止溝とを備えている。案内溝は、基板の周縁を案内するV字状に構成されている。係止溝は、厚さ方向に基板が大きく移動することを抑制して基板の端面を係止するように、基板の厚さより若干厚みを大きくした形状を有する。これにより、反転チャックが基板を挟持すると、基板の周縁が案内溝に案内され、係止溝で基板の端面が把持される。そのため、基板の回転を安定して行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、反転チャックの係止溝における基板の上昇可能な距離が非常に短い。そのため、安定して姿勢変換を行うことができるものの、水平姿勢となった基板を受け取るハンドの制御が難しいという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板の受け渡し時に充分に上昇可能な間隔を設けることにより、安定した姿勢変換を行うことができつつ、基板を容易に受け渡しできる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置において、複数枚の基板を鉛直姿勢の状態で一括して処理するバッチ式処理部と、一枚の基板を水平姿勢の状態で処理する枚葉式処理部と、前記バッチ式処理部で処理を終えた前記複数枚の基板について、鉛直姿勢から水平姿勢に変換する姿勢変換部と、前記バッチ式処理部で処理を終えた前記複数枚の基板を前記姿勢変換部に搬送する第1の搬送部と、前記姿勢変換部で水平姿勢にされた前記複数枚の基板を前記枚葉式処理部に搬送する第2の搬送部と、を備え、前記姿勢変換部は、前記複数枚の基板の姿勢変換を行う際は、前記複数枚の基板における上面の上方の間隔が狭い状態で前記複数枚の基板を保持し、前記複数枚の基板を水平姿勢とした後に受け渡しを行う際には、前記複数枚の基板における上面の上方の間隔が広い状態で前記複数枚の基板を保持することを特徴とするものである。
【0009】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、バッチ式処理部で処理された複数枚の基板は、第1の搬送部で姿勢変換部に搬送された後、姿勢変換部で鉛直姿勢から水平姿勢に変換される。水平姿勢に変換された複数枚の基板は、第2の搬送部により一枚ずつ受け渡された後、枚葉式処理部にて処理が行われる。姿勢変換部は、複数枚の基板の姿勢変換を行う際は、複数枚の基板における上面の上方の間隔が狭い状態で複数枚の基板を保持する。したがって、複数枚の基板を安定して保持でき、安定して姿勢を変換できる。姿勢変換部は、水平姿勢とされた複数枚の基板を受け渡しする際には、複数枚の基板における上面の上方の間隔が広い状態で複数枚の基板を保持する。したがって、第2の搬送部は、複数枚の基板の各々を容易に受け渡しできる。
【0010】
また、本発明において、前記姿勢変換部は、前記複数枚の基板の径方向にて対向配置され、前記複数枚の基板の周縁部を挟持する反転チャックと、前記複数枚の基板を前記第1の搬送部及び前記第2の搬送部との間で基板を受け渡す第1の間隔と、前記第1の間隔より狭く、前記複数枚の基板を挟持する第2の間隔との少なくとも2箇所にわたって、前記反転チャックを水平方向に移動させる駆動機構と、前記反転チャックを前記複数枚の基板の面方向に回転させる回転機構と、を備え、前記反転チャックは、前記複数枚の基板が厚さ方向へ移動することを許容する第1の溝と、前記第1の溝より前記複数枚の基板の外方に形成され、前記複数枚の基板が厚さ方向へ移動することを規制しつつ、前記複数枚の基板を径方向で挟持する第2の溝とを備え、前記第1の搬送部から前記反転チャックが前記複数枚の基板を受け入れる際には、前記駆動機構により前記第1の間隔とさせて前記第1の溝に前記複数枚の基板の各々を収容させ、前記回転機構により前記複数枚の基板を水平姿勢に回転させる際には、前記駆動機構により前記第2の間隔とさせて前記第2の溝で前記複数枚の基板の各々を挟持させ、前記第2の搬送部が前記複数枚の基板を前記反転チャックから受け取る際には、前記駆動機構により前記第1の間隔とさせて前記第1の溝で前記複数枚の基板の下面を当接支持させることが好ましい(請求項2)。
【0011】
第1の搬送部から反転チャックが複数枚の基板を受け入れる際には、駆動機構により第1の間隔とさせて第1の溝に複数枚の基板の各々を収容させる。回転機構により複数枚の基板を水平姿勢に回転させる際には、駆動機構により第2の間隔とさせて第2の溝で複数枚の基板の各々を挟持させる。したがって、姿勢変換の際には、基板が厚さ方向へ移動することが規制される。その結果、複数枚の基板を安定して保持でき、安定して姿勢を変換できる。第2の搬送部が複数枚の基板を反転チャックから受け取る際には、駆動機構により第1の間隔とさせて第1の溝で複数枚の基板の下面を当接支持させる。したがって、基板の受け渡しの際には、基板が厚さ方向へ移動することを許容される。その結果、第2の搬送部は、複数枚の基板の各々をすくい上げて容易に受け渡しできる。姿勢変換部は、反転チャックを駆動機構で水平方向に移動させるだけで、基板を挟持したり緩く保持したりできる。
【0012】
また、本発明において、前記第2の溝は、前記複数枚の基板の端面が位置する頂部と、前記頂部から前記複数枚の基板の中心側に向かって先拡がりとなる奥側傾斜面と、を備え、前記第1の溝は、前記複数枚の基板の中心側に開口を有し、前記奥側傾斜面から前記開口に向かって先拡がりとなる手前側傾斜面を有することが好ましい(請求項3)。
【0013】
反転チャックは、第1の溝と第2の溝の二段階の溝を形成されている。第2の溝は、頂部で基板の端面を保持するとともに、奥側傾斜面で基板の下面を支持する。したがって、基板を安定して挟持できる。第2の溝から続く第1の溝は、開口に向かって先拡がりとなる手前側傾斜面で基板の下面を当接支持する。したがって、基板の上面に充分な間隔を形成できる。
【0014】
また、本発明において、前記奥側傾斜面及び前記手前側傾斜面は、前記複数枚の基板の表裏面に臨む位置に傾斜面を有することが好ましい(請求項4)。
【0015】
基板処理装置では、基板の表面同士を向かい合わせにした複数枚の基板からなるロットを処理することがある(いわゆるface to face)。このようなロットを処理する際、所定方向に表面が向けられた複数枚の基板が反転チャックで保持され反転されたり、所定方向とは反対方向に表面が向けられた複数枚の基板とが反転チャックで保持され、所定方向に表面が向けられた基板とは反対方向に反転されたりする。その後、基板の下面が奥側傾斜面を摺動して手前側傾斜面にて当接支持される。したがって、いずれの方向に表面が向けられた複数枚の基板であっても、奥側傾斜面から手前側傾斜面に確実に移動させて、手前側傾斜面で当接支持させることができる。
【0016】
また、本発明において、前記手前側傾斜面は、前記奥側傾斜面よりも傾斜が緩やかであることが好ましい(請求項5)。
【0017】
反転チャックが第2の間隔から第1の間隔にされると、奥側傾斜面から手前側傾斜面に基板が移動される。その際、基板の下面に加わる衝撃を小さくできるので、第2の間隔から第1の間隔にされた際のパーティクルの発生を抑制できる。
【0018】
また、本発明において、前記姿勢変換部は、前記反転チャックにより前記複数枚の基板が水平姿勢にされた状態で、前記複数枚の基板の水平方向への移動を規制する規制位置と、前記複数枚の基板の水平方向への移動を許容する許容位置とにわたって移動可能なアライメントバーをさらに備え、前記反転チャックが前記第2の間隔から前記第1の間隔へ拡げられるまでに、前記アライメントバーを前記規制位置に移動することが好ましい(請求項6)。
【0019】
反転チャックが第2の間隔から第1の間隔へ拡げられるまでに、アライメントバーを規制位置に移動する。したがって、反転チャックが移動した際に、複数枚の基板が水平方向にずれることを防止できる。その結果、第2の搬送部による受け渡し際に、基板を確実に受け渡すことができる。
【0020】
また、本発明において、前記アライメントバーは、平面視で、前記第2の搬送部が前記複数枚の基板を受け取る側と、前記複数枚の基板を挟んで前記受け取る側の反対側とに備えられていることが好ましい(請求項7)。
【0021】
第2の搬送部が進退する側の基板の水平位置を規制できる。したがって、第2の搬送部から見て、基板の前後の位置を規制できる。その結果、第2の搬送部による基板の受け渡し際に基板を確実に受け渡すことができる。
【0022】
また、本発明において、前記第2の間隔から前記第1の間隔へ拡げられた後、前記第2の搬送部が前記反転チャックから前記複数枚の基板を受け取る際には、前記アライメントバーのうち、前記受け取る側の前記アライメントバーを前記許容位置に移動することが好ましい(請求項8)。
【0023】
アライメントバーのうち、受け取る側のアライメントバーを許容位置に移動した後、第2の搬送部による基板の受け渡しを行う。したがって、第2の搬送部による基板の受け渡しを円滑に行うことができる。
【0024】
また、本発明において、前記アライメントバーは、前記複数枚の基板の端面の位置に応じた複数個の溝を形成されていることが好ましい(請求項9)。
【0025】
反転チャックが第2の間隔から第1の間隔に移動される際に、複数枚の基板が奥側傾斜面から手前側傾斜面に向かって下方へ移動する。その際に、水平方向への大きな移動を規制しつつ、複数枚の基板の端面が摺れてパーティクルが発生することを抑制できる。
【0026】
また、本発明において、前記反転チャックを昇降させる昇降機構をさらに備え、前記第2の搬送部が前記反転チャックから前記複数枚の基板を受け取る際には、前記昇降機構により前記反転チャックを下降させることが好ましい(請求項10)。
【0027】
第2の搬送部を昇降させることなく、昇降機構により反転チャックを下降させることで、基板を第2の搬送部に受け渡すことができる。したがって、第2の搬送部の構成を簡易化できる。
【0028】
また、本発明において、前記昇降機構は、前記第1の搬送部が前記複数枚の基板を前記反転チャックに渡す際には、前記第1の間隔とされた前記反転チャックを、前記第1の搬送部が搬送する前記複数枚の基板の上縁付近の受け入れ高さから、前記複数枚の基板の側縁付近の挟持高さに下降させることが好ましい(請求項11)。
【0029】
第1の間隔とされた反転チャックを昇降機構が受け入れ高さから挟持高さに下降させると、複数枚の基板を反転チャックに渡すことができる。したがって、簡単な制御で複数枚の基板を渡すことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る基板処理装置によれば、バッチ式処理部で処理された複数枚の基板は、第1の搬送部で姿勢変換部に搬送された後、姿勢変換部で鉛直姿勢から水平姿勢に変換される。水平姿勢に変換された複数枚の基板は、第2の搬送部により一枚ずつ受け渡された後、枚葉式処理部にて処理が行われる。姿勢変換部は、複数枚の基板の姿勢変換を行う際は、複数枚の基板における上面の上方の間隔が狭い状態で複数枚の基板を保持する。したがって、複数枚の基板を安定して保持でき、安定して姿勢を変換できる。姿勢変換部は、水平姿勢とされた複数枚の基板を受け渡しする際には、複数枚の基板における上面の上方の間隔が広い状態で複数枚の基板を保持する。したがって、第2の搬送部は、複数枚の基板の各々を容易に受け渡しできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施例に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
【
図3】25枚チャック及び反転チャックの構成を示す平面図である。
【
図4】反転チャックが第1の間隔とされた状態における正面図である。
【
図5】反転チャックが第2の間隔とされた状態における正面図である。
【
図6】反転チャックが第1の間隔とされた状態における横断面図である。
【
図7】反転チャックが第2の間隔とされた状態における横断面図である。
【
図8】姿勢変換部の構成を示し、基板を鉛直姿勢で保持した状態を示す正面図である。
【
図9】姿勢変換部の構成を示し、基板を水平姿勢で保持した状態を示す正面図である。
【
図11】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図12】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図13】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図14】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図15】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図16】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図17】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図18】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図19】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図20】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図21】反転チャックの動作を示す縦断面図である。
【
図22】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図23】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図24】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図25】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図26】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図27】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図28】基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
【
図29】反転チャックの変形例を示し、受け渡し際の状態を示す図である。
【
図30】反転チャックの変形例を示し、姿勢変換を行う際の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0033】
図1は、実施例に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図2は、
図1におけるA-A矢視断面図である。
【0034】
<1.全体構成>
【0035】
基板処理装置1は、基板Wを処理する。基板処理装置1は、例えば、基板Wに対して薬液処理、洗浄処理、乾燥処理などを行う。基板処理装置1は、バッチ式と枚葉式とを併せ持った処理方式(いわゆるハイブリッド方式)を採用している。バッチ式は、複数枚の基板Wを鉛直姿勢の状態で一括して処理する。枚葉式は、一枚の基板Wを水平姿勢の状態で処理する。
【0036】
基板処理装置1は、バッチ式処理装置3と、枚葉式処理装置5とを備えている。本実施例では、バッチ式処理装置3に隣接して枚葉式処理装置5が配置されている。バッチ式処理装置3と枚葉式処理装置5とは、離間して配置されている。バッチ式処理装置3と枚葉式処理装置5とは、橋渡し部7で連結されている。
【0037】
<2.バッチ式処理装置>
【0038】
バッチ式処理装置3は、複数枚の基板Wを一括して処理する。バッチ式処理装置3は、搬入ブロック9と、ストッカーブロック11と、移載ブロック13と、姿勢変換ブロック15と、処理ブロック17とを備えている。
【0039】
本明細書では、便宜上、搬入ブロック9と、ストッカーブロック11と、移載ブロック13と、処理ブロック17とが並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、ストッカーブロック11から搬入ブロック9に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平方向を、「幅方向Y」と呼ぶ。「幅方向Y」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0040】
<3.搬入ブロック>
【0041】
搬入ブロック9は、投入部19を備えている。投入部19は、バッチ式処理装置3の前方Xに配置されている。キャリアCは、複数枚(例えば、25枚)の基板Wを水平姿勢で一定の間隔をおいて鉛直方向Zに積層収納する。キャリアCは、基板Wの面同士を離間して、基板Wを一枚ずつ収容する溝(図示省略)が複数個形成されている。キャリアCとしては、例えば、FOUP(Front Opening Unify Pod)がある。FOUPは、密閉型容器である。キャリアCは、開放型容器でもよく、種類を問わない。投入部19は、例えば、キャリアCが載置される載置台21を2個備えている。2個の載置台21は、例えば、幅方向Yに沿って配置されている。投入部19は、ロードポートとも呼ばれる。
【0042】
<4.ストッカーブロック>
【0043】
ストッカーブロック11は、搬入ブロック9の後方Xに隣接して配置されている。ストッカーブロック11は、搬送収納部ACBを備えている。搬送収納部ACBは、搬送機構23と棚25とを備えている。
【0044】
搬送機構23は、キャリアCを搬送する。搬送収納部ACBは、複数個の棚25を備えている。棚25には、キャリアCが単に一時的に載置されるものと、第1搬送機構HTRとの間における受け渡しのためにキャリアCが載置されるものとがある。搬送収納部ACBは、未処理の基板Wが収納されたキャリアCを投入部19から取り込んで棚25に載置する。搬送収納部ACBは、処理の順序を規定するスケジュールに応じて、受け渡し用の棚25にキャリアCを搬送して載置する。搬送収納部ACBは、受け渡し用の棚25に載置されて空になったキャリアCを棚25に搬送して載置する。搬送収納部ACBは、載置台21の空き状況に応じて、棚25に載置された空のキャリアCを載置台21に搬出する。空のキャリアCは、枚葉式処理部5に搬送される。枚葉式処理部5に搬送された空のキャリアCには、例えば、このキャリアCに処理前に収納されていて、処理を終えた基板Wが枚葉式処理部5にて収納される。
【0045】
<5.移載ブロック>
【0046】
移載ブロック13は、ストッカーブロック11の後方Xに隣接して配置されている。移載ブロック13は、移載機構CTCを備えている。移載機構CTCは、第1搬送機構HTRと、変換機構HVCと、プッシャーPHと、第2搬送機構WTRを備えている。
【0047】
搬送収納部ACBの後方Xのうち右方Yには、第1搬送機構HTRが配置されている。第1搬送機構HTRは、複数枚の基板Wを一括して搬送する。換言すると、第1搬送機構HTRは、複数個のハンド(図示省略)を備えている。1つのハンドは、1枚の基板Wを支持する。第1搬送機構HTRは、1枚の基板Wだけを搬送することもできる。第1搬送機構HTRは、搬送収納部ACBにおける受け渡し用の棚25に載置されたキャリアCから、一括して複数枚の基板W(例えば、25枚)を取り出し、水平姿勢のまま変換機構HVCに搬送する。このとき、変換機構HVCは、基板Wの姿勢を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。
【0048】
第1搬送機構HTRの左方Yには、変換機構HVCとプッシャーPHとが順に配置されている。変換機構HVCは、プッシャーPHに複数枚の基板Wを受け渡す。プッシャーPHは、変換機構HVCから複数枚の基板Wを受け取った後、幅方向Yにおいて第2搬送機構WTRに移動する。その際には、変換機構HVCとプッシャーPHとは、バッチロットの組み立てまたはバッチロットの解除を行う。プッシャーPHは、第2搬送機構WTRへ複数枚の基板Wを受け渡す。
【0049】
移載機構CTCは、例えば、ある一つのキャリアCから取り出された一つのロットを構成する複数枚の基板Wと、他のキャリアCから取り出された他の一つのロットを構成する複数枚の基板Wとを一つのバッチロットとして組み合わせる。これがバッチロットの組み立てである。バッチロットは、一つのロットの2倍の枚数の基板Wから構成される。バッチロットは、一つのロットの各基板Wに隣接するように、他の一つのロットの各基板Wが配置される。つまり、一つのロットの各基板Wが奇数番目に配置され、他の一つのロットの各基板Wが偶数番目に配置される。通常、キャリアCから取り出された複数枚の基板Wの間隔は、キャリアCと同じ間隔である。これをフルピッチと呼ぶ。一つのバッチロットでは、例えば、複数枚の基板Wの間隔がフルピッチの半分となる。これをハーフピッチと呼ぶ。バッチロットは、上記のように一つのロットと、他の一つのロットとが組み合わせられるが、組み合わせ方によって表面合わせ(Face to Faceとも呼ばれる)、表裏面合わせ(Back to Faceとも呼ばれる)の二種類がある。そのロットの組み合わせ方は、プッシャーPHの動作によって決められる。なお、この動作の詳細については、本発明の理解を容易にするため省略する。以下の説明においては、複数枚の基板Wをロットと称するが、バッチロットに固有の説明が必要な場合には、複数枚の基板Wをバッチロットと称する。
【0050】
第2搬送機構WTRは、移載機構CTCの左方Yに配置されている。第2搬送機構WTRは、移載ブロック13と処理ブロック17とにわたって移動可能に構成されている。第2搬送機構WTRは、前後方向Xに移動可能に構成されている。第2搬送機構WTRは、ロットを搬送する一対のハンド27を備えている。一対のハンド27は、例えば、幅方向Yに向けられた回転軸を備えている。一対のハンド27は、この回転軸周りに揺動する。一対のハンド27は、ロットを構成する複数枚の基板Wについて、その前後方向Xに位置する側端面を挟持する。第2搬送機構WTRは、移載機構CTCとの間でロットを構成する複数枚の基板Wを受け渡す。第2搬送機構WTRは、処理ブロック17に対して、ロットを構成する未処理の複数枚の基板Wを受け渡す。第2の搬送機構WTRは、処理ブロック17で処理された複数枚の基板Wを姿勢変換ブロック15との間で受け渡す。
【0051】
ここで、姿勢変換ブロック15よりも先に処理ブロック17について説明する。
【0052】
<6.処理ブロック>
【0053】
処理ブロック17は、例えば、バッチ処理部BPUを備えている。例えば、バッチ処理部BPUは、6個の処理部を備えている。具体的には、バッチ処理部BPUは、第1のバッチ処理部BPU1と、第2のバッチ処理部BPU2と、第3のバッチ処理部BPU3と、第4のバッチ処理部BPU4と、第5のバッチ処理部BPU5と、第6のバッチ処理部BPU6とを備えている。なお、バッチ処理部BPUの個数は、6個に限定されない。つまり、バッチ処理部BPUは、6個未満であってもよく、7個以上であってもよい。
【0054】
第1のバッチ処理部BPU1~第6のバッチ処理部BPU6は、前後方向Xに一列に配置されている。第1のバッチ処理部BPU1~第6のバッチ処理部BPU6のそれぞれは、処理槽BBと、リフタLFとを備えている。処理槽BBは、処理液を貯留する。処理液は、純水や薬液である。薬液は、例えば、有機溶剤やエッチング液である。有機溶剤は、例えば、IPA(イソプロピルアルコールである)。エッチング液は、例えば、燐酸溶液である。
【0055】
リフタLFは、処理槽BBの内部である処理位置と、処理槽BBの液面より上方の受け渡し位置との間を昇降する。リフタLFは、受け渡し位置において、第2搬送機構WTRとの間で複数枚の基板Wを受け渡す。第1のバッチ処理部BPU1~第6のバッチ処理部BPU6は、例えば、1つのペアごとに対応付けられる。具体的には、第1のバッチ処理部BPU1と第2のバッチ処理部BPU2とが1つのペアとなり、第3のバッチ処理部BPU3と第4のバッチ処理部BPU4とが1つのペアとなり、第5のバッチ処理部BPU5と第2のバッチ処理部BPU6とが1つのペアとなる。1つのペアは、例えば、薬液処理と、洗浄処理とに役割が分担される。第1のバッチ処理部BPU1~第6のバッチ処理部BPU6は、例えば、最大で50枚の基板Wを一括して処理できる。換言すると、第1のバッチ処理部BPU1~第6のバッチ処理部BPU6は、例えば、最大で一つのバッチロットを同時に処理できる。
【0056】
各処理槽BBは、処理液を下方から供給される。各処理槽BBは、処理液が上縁を越えて排出される。各処理槽BBは、リフタLFに載置された複数枚の基板Wを処理液中に浸漬させる。各リフタLFは、基板Wの下縁を当接して保持する。各リフタLFは、第2搬送機構WTRとの間で複数枚の基板Wを受け渡す。
【0057】
<7.姿勢変換ブロック>
【0058】
図2に示すように、姿勢変換ブロック15は、25枚チャックTFCと、待機槽31と、姿勢変換槽33とを備えている。なお、待機槽31及び姿勢変換槽33で参照する図面では、各構成が見やすいように液面を図示せず省略してある。
【0059】
待機槽31は、処理槽BB0と、リフタLF0とを備えている。処理槽BB0は、上述した第1のバッチ処理部BPU1~第6のバッチ処理部BPU6が備えている処理槽BBと同様の構成である。リフタLF0は、処理槽BB0の内部である待機位置と、処理槽BB0の液面より上方の受け渡し位置との間を昇降する。待機槽BB0は、処理液を貯留している。処理液は、例えば、純水である。待機位置では、リフタLF0に載置された基板Wの全体が処理液中に没する。
【0060】
ここで、
図3を参照する。
図3は、25枚チャック及び反転チャックの構成を示す平面図である。
【0061】
25枚チャックTFCは、全体が幅方向Yにのみ水平移動する。25枚チャックTFCは、鉛直方向Zには昇降しない。25枚チャックTFCは、前後方向Xに水平移動しない。但し、25枚チャックTFCは、保持位置PCと通過位置PTとにわたって、ハンド35を開閉する。保持位置PCは、25枚チャックTFCが複数枚の基板Wを保持する。通過位置PTは、25枚チャックTFCが複数枚の基板Wを保持しない。換言すると、通過位置PTは、複数枚の基板Wを保持したリフタLF0が受け渡し位置と待機位置との間における移動を許容する。25枚チャックTFCは、例えば、幅方向Yにおいて、第1の受け渡し位置P1と、第2の受け渡し位置P2と、第3の受け渡し位置P3との三箇所にわたって移動する。
【0062】
25枚チャックTFCは、係止部37を備えている。係止部37は、ハンド35の内側に設けられている。係止部37は、上述したフルピッチの間隔で幅方向Yに形成されている。第1の受け渡し位置P1と、第2の受け渡し位置P2とは、ハーフピッチに相当する距離だけ幅方向Yの位置が異なる。第3の受け渡し位置P3は、姿勢変換槽33に複数枚の基板Wを受け渡す位置である。25枚チャックTFCは、第1の受け渡し位置P1においてリフタLF0から1つのロットのみを受け取る。具体的には、バッチロットを構成する二つのロットのうち、最初のロットを構成する奇数番である複数枚の基板Wだけを受け取る。25枚チャックTFCは、第2の受け渡し位置P2において、リフタLF0からもう一つのロットのみを受け取る。具体的には、バッチロットを構成する二つのロットのうち、次のロットを構成する偶数番である複数枚の基板Wだけを受け取る。
【0063】
ここで、
図2及び
図3に加え、さらに、
図4~
図7を参照する。
図4は、反転チャックが第1の間隔とされた状態における正面図である。
図5は、反転チャックが第2の間隔とされた状態における正面図である。
図6は、反転チャックが第1の間隔とされた状態における横断面図である。
図7は、反転チャックが第2の間隔とされた状態における横断面図である。
【0064】
図2に示すように、姿勢変換槽33は、浸漬槽DBと、姿勢変換部41とを備えている。
【0065】
まず、主要部について説明する。姿勢変換槽33は、浸漬槽DB内において、反転チャック43により複数枚の基板Wの姿勢を一括して変換する。具体的には、反転チャック43は、複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。反転チャック43は、例えば、バッチロットを構成する基板Wの半分の基板Wについて姿勢を変換する。反転チャック43は、例えば、25枚の基板Wについて姿勢を変換する。反転チャック43は、基板Wの径方向にて対向配置され、基板Wの周縁部を挟持する。浸漬槽DBは、処理液を貯留する。処理液は、例えば、純水である。
【0066】
図4及び
図5に示すように、反転チャック43は、一対のチャック部材45を備えている。チャック部材45は、鉛直姿勢の基板Wを受け取ったり保持したりする際の鉛直方向Zの長さが基板Wの半径より短い。
図3に示すように、チャック部材45は、鉛直姿勢の基板Wを受け取ったり保持したりする際の幅方向Yの長さが、ロットにおける複数枚の基板Wの整列方向における長さより若干長い。
【0067】
図4~
図6に示すように、各チャック部材45は、対向面に溝部47を有する。
図4及び
図5に示すように、溝部47は、鉛直姿勢の基板Wを受け取ったり保持したりする鉛直姿勢において、幅方向Yから見ると、円弧状の形状を呈する。溝部47の円弧状は、基板Wの外縁に沿った形状である。
【0068】
図6に示すように、溝部47は、第1の溝SL1と、第2の溝SL2とを有する。第1の溝SL1は、複数枚の基板Wが厚さ方向へ移動することを許容する。第2の溝SL2は、第1の溝SL1よりも複数枚の基板Wの径方向における外方に形成され、複数枚の基板Wが厚さ方向へ移動することを規制しつつ、複数枚の基板Wを径方向で挟持する。
【0069】
第2の溝SL2は、複数枚の基板Wの端面が位置する頂部49と、頂部49から複数枚の基板Wの中心に向かって先拡がりとなる奥側傾斜面51とを備えている。頂部49は、二面の奥側傾斜面51が最も狭まっている部分に形成されている。頂部49は、基板Wの端面を収容可能な大きさを有する。奥側傾斜面51は、基板Wの表裏面に臨む位置に形成されている。
【0070】
第1の溝SL1は、複数枚の基板Wの中心に開口53を有する。第1の溝SL1は、奥側傾斜面51から開口に53向かって先拡がりとなる手前側傾斜面55を有する。手前側傾斜面55は、基板Wの表裏面に臨む位置に形成されている。開口53の幅方向Yにおける寸法は、例えば、基板Wの厚さより数倍大きい。
【0071】
手前側傾斜面55は、奥側傾斜面51よりも傾斜が緩やかとなるように形成されている。換言すると、奥側傾斜面51は、手前側傾斜面55よりも頂部49に向かう傾斜が急となるように形成されている。
【0072】
一対のチャック部材45は、第1の間隔WD1と、第2の間隔WD2とにわたって前後方向Xに移動する。一対のチャック部材45は、対向する溝部47同士の距離を変えることができる。第1の間隔WD1は、25枚チャックTFC及び橋渡し部7との間で基板を受け渡すための間隔である。第2の間隔WD2は、第1の間隔WD1より前後方向Xが狭く、複数枚の基板Wを挟持するための間隔である。
【0073】
ここで、
図8~
図10を参照して、姿勢変換部41について説明する。
図8は、姿勢変換部の構成を示し、基板を鉛直姿勢で保持した状態を示す正面図である。
図9は、姿勢変換部の構成を示し、基板を水平姿勢で保持した状態を示す正面図である。
図10は、姿勢変換部の平面図である。
【0074】
姿勢変換部41は、昇降機構61と、駆動機構63と、回転機構65と、アライメント機構67とを備えている。昇降機構61は、反転チャック43を昇降させる。駆動機構63は、反転チャック43を開閉させる。回転機構65は、反転チャック43を回転させる。
【0075】
昇降機構61は、浸漬槽DBの外部に配置されている。昇降機構61は、例えば、アクチュエータ61aと、支柱61bとを備えている。アクチュエータ61aは、支柱61bを昇降駆動する。アクチュエータ61aは、支柱61bとともに反転チャック43を昇降する。昇降機構61は、アクチュエータ61aにより、反転チャック43を受け入れ高さHP1と、挟持高さHP2と、係止高さHP3と、浸漬高さHP4とにわたって昇降する。受け入れ高さHP1は、鉛直姿勢の基板Wを反転チャック43に受け入れるための高さである。挟持高さHP2は、鉛直姿勢の基板Wを反転チャック43で挟持するための高さである。係止高さHP3は、反転チャック43で挟持された鉛直姿勢の基板Wを係止するための高さである。浸漬高さHP4は、反転チャック43で係止された鉛直姿勢の基板Wを浸漬槽DB中の処理液に浸漬するための高さである。
【0076】
駆動機構63は、浸漬槽DBの縁を跨いで配置されている。駆動機構63は、例えば、アクチュエータ63aと、連結部材63bとを備えている。アクチュエータ63aは、支柱61bの上面に配置されている。アクチュエータ63aは、前後方向Xに駆動方向が向けられている。アクチュエータ63aは、連結部材63bを前後方向Xに駆動する。連結部材63bは、後述する回転機構65に連結されている。駆動機構63は、回転機構65ごと反転チャック43を前後方向Xに移動する。駆動機構63は、反転チャック43のチャック部材45を互いに逆方向に移動する。駆動機構63は、チャック部材45同士の前後方向Xの間隔を第1の間隔WD1と第2の間隔WD2とに調整する。
【0077】
回転機構65は、平面視で浸漬槽DBの内部に配置されている。回転機構65は、例えば、懸垂アーム65aと、モータ65bとを備えている。懸垂アーム65aは、支柱61bの上面から前後方向Xに延出され、浸漬槽DBの内壁にそって鉛直方向Zの下方に延出されている。懸垂アーム65aは、駆動機構63によって前後方向Xに移動する。懸垂アーム65aは、浸漬槽DBに貯留する処理液に下部が浸漬される。モータ65bは、反転チャック43に回転軸が連結されている。モータ65bは、軸芯AX1周りに反転チャック43を回転する。回転機構65は、モータ65bにより、軸芯AX1を中心として反時計回り、時計回りのいずれの方向にも反転チャック43を回転させることができる。
【0078】
アライメント機構67は、例えば、4個のアクチュエータ67aと、4個のアーム67bと、4個のアライメントバー67cとを備えている。アクチュエータ67aは、アーム65aに内蔵されている。アクチュエータ67aは、回転軸が鉛直方向Zの上方に向けられている。アーム67bは、前後方向X及び幅方向Yの水平面内に配置されている。アーム67bは、基端部がアクチュエータ67aの回転軸に連結されている。アーム67bは、先端部にアライメントバー67cの上端部が連結されている。アーム67bは、アクチュエータ67aにより基端部が軸芯AX2周りに回転される。アライメントバー67cは、
図10に示すように、25枚チャックTFC側と、橋渡し部7側とに配置されている。
【0079】
アライメントバー67cは、鉛直方向Zに伸びている。
図9に示すように、アライメントバー67cは、反転チャック43が鉛直方向Zに長い状態とされた際に、反転チャック43が保持する複数枚の基板Wの全ての側方に沿う長さを有する。アライメントバー67cは、各基板Wの端面に対向する位置に溝67dが形成されていることが好ましい。各アライメントバー67cは、各アクチュエータ67aにより個別に動作される。アライメントバー67cは、規制位置AP1と、許容位置AP2とにわたって駆動される。規制位置AP1は、水平姿勢とされた複数枚の基板Wが前後方向X及び幅方向Yを含む水平面内で移動することを規制する。許容位置AP2は、水平姿勢とされた複数枚の基板Wが前後方向X及び幅方向Yを含む水平面内で移動することを許容する。
【0080】
【0081】
<8.橋渡し部>
【0082】
橋渡し部7は、バッチ式処理装置3と枚葉式処理装置5とを連結する。橋渡し部7は、バッチ式処理装置3と枚葉式処理装置5とにのみ連通している。橋渡し部7は、ブリッジロボットBRを備えている。ブリッジロボットBRは、幅方向Yにのみ移動可能に構成されている。ブリッジロボットBRは、鉛直方向Zに昇降しない。ブリッジロボットBRは、ハンド71を備えている。ハンド71は、前後方向X及び幅方向Yを含む水平面内で回転可能に構成されている。ハンド71は、水平方向に伸縮可能に構成されている。ブリッジロボットBRは、ハンド71を進退させて、水平姿勢にされた一枚の基板を姿勢変換ブロック15から受け取る。ブリッジロボットBRは、水平姿勢にされた一枚の基板を枚葉式処理装置5に受け渡す。
【0083】
<9.枚葉式処理装置>
【0084】
枚葉式処理装置5は、搬出ブロック81と、インデクサブロック83と、処理ブロック85とを備えている。
【0085】
<10.搬出ブロック>
【0086】
搬出ブロック81は、搬出部87を備えている。搬出部87は、枚葉式処理装置5の前方Xに配置されている。搬出部87は、キャリアCが載置される。搬出ブロック81は、例えば、4個の搬出部87を備えている。4個の搬出部87は、幅方向Yに沿って配置されている。搬出部87は、ロードポートとも呼ばれる。
【0087】
<11.インデクサブロック>
【0088】
インデクサブロック83は、インデクサロボットIRを備えている。インデクサロボットIRは、例えば、多関節アーム89と、ハンド91とを備えている。インデクサロボットIRは、幅方向Y及び前後方向Xに移動しない。インデクサロボットIRは、多関節アーム89を屈曲させて、ハンド91を移動させる。インデクサロボットIRは、鉛直方向Zにハンド91を昇降させる。インデクサロボットIRは、4個の搬出部87に載置された各カセットCにアクセスすることができる。インデクサロボットIRは、ハンド91で一枚の基板Wを搬送する。インデクサロボットIRは、処理ブロック85から搬出部87に一枚の基板Wを搬送する。
【0089】
<12.処理ブロック>
【0090】
処理ブロック85は、4個のタワーTW1~TW4と、センターロボットCRとを備えている。
【0091】
タワーTW1は、インデクサブロック83の後方Xに配置されている。タワーTW1は、インデクサブロック83に隣接して配置されている。タワーTW1は、処理チャンバ-MPCを鉛直方向Zに積層して備えている。タワーTW1は、例えば、3個の処理チャンバ-MPCを備えている。処理チャンバ-MPCは、1枚ずつ基板Wを処理する。処理チャン鉛直方向Zにバ-PMCは、例えば、基板Wに対して乾燥処理を行う。
【0092】
タワーTW2は、タワーTW1の後方Xに配置されている。タワーTW2は、タワーTW1に隣接して配置されている。タワーTW2は、タワーTW1と同様の構成である。つまり、タワーTW2は、3個の処理チャンバ-MPCを鉛直方向Zに積層して備えている。
【0093】
タワーTW3は、タワーTW2の左方Yに配置されている。タワーTW3は、センターロボットCRを挟んでタワーTW2の左方Yに配置されている。タワーTW3も、タワーTW1,TW2と同様の構成である。つまり、タワーTW3は、3個の処理チャンバMPCを鉛直方向Zに積層して備えている。
【0094】
タワーTW4は、タワーTW1~TW4と一部の構成が相違する。つまり、タワーTW4は、鉛直方向Zにおける一番下と一番上に処理チャンバ-MPCを備えている。タワーTW4は、鉛直方向Zにおける中央部に受渡部93を備えている。受渡部93は、一枚の基板Wを載置される。受渡部93は、昇降ピン93aを備えている。昇降ピン93aは、ブリッジロボットBRから基板Wを受け取る際に昇降される。受渡部93は、ブリッジロボットBRから一枚の基板Wを載置される。受渡部93は、載置された一枚の基板WがセンターロボットCRによって受け取られる。
【0095】
センターロボットCRは、前後方向Xに移動可能に構成されている。センターロボットCRは、ハンド95を備えている。ハンド95は、鉛直方向Zに昇降する。ハンド95は、前後方向X及び幅方向Yを含む平面内で旋回可能に構成されている。ハンド95は、タワーTW1~TW4の処理チャンバ-MPC及び受渡部93にアクセスできるように移動される。つまり、センターロボットCRは、ハンド95を鉛直方向Zと、前後方向Xと、幅方向Yとに自在に移動させることができる。センターロボットCRは、インデクサロボット83に処理済みの基板Wを受け渡す。
【0096】
<13.動作説明>
【0097】
図1及び
図2を参照して、基板処理装置1による処理の一例について説明する。
【0098】
まず、全体の大まかな処理の流れについて説明する。
【0099】
<14.バッチ処理>
【0100】
複数枚の未処理の基板Wを収容したキャリアCが投入部19に載置される。搬送機構23によりキャリアCがストッカーブロック11に搬入される。第1搬送機構HTR及び移載機構CTCにより、二組の複数枚の基板Wがバッチロットとして組み立てられる。バッチロットを構成する複数枚の基板Wは、第2搬送機構WTRにより処理ブロック17に搬送される。処理ブロック17では、例えば、第2のバッチ処理部BPU2で燐酸によるエッチング処理が行われる。その後、バッチロットを構成する複数枚の基板Wは、第1のバッチ処理部BPU1で純水洗浄処理が行われる。次に、バッチロットを構成する複数枚の基板Wは、第2搬送機構WTRにより姿勢変換ブロック15に搬送される。姿勢変換ブロック15では、バッチロットのうちの一つのロットだけが姿勢変換槽33に搬送される。姿勢変換槽33では、バッチロットのうちの一つのロットだけが液中において鉛直姿勢の複数枚の基板Wが水平姿勢に変換される。この後、バッチロットのうちの一つのロットを構成する複数枚の基板Wが一枚ずつ順次に枚葉式処理装置5に搬送される。その後、バッチロットのうちのもう一つのロットが同様にして姿勢変換された後、枚葉式処理装置5に搬送される。
【0101】
<15.枚葉処理>
【0102】
水平姿勢に変換された一枚の基板Wは、ブリッジロボットBRによって枚葉式処理装置5に搬送される。具体的には、一枚の基板Wが受渡部93に載置される。受渡部93に載置された一枚の基板Wは、センターロボットCRによって受け取られる。センターロボットCRは、一枚の基板Wを、例えば、タワーTW1の処理チャンバ-MPCに搬入する。処理チャンバ-MPCでは、例えば、基板Wに対して乾燥処理を行う。具体的は、例えば、基板Wを回転させつつ純水を供給する。その後、基板Wに対してIPAを供給して、基板Wの純水をIPAで置換する。その後、基板Wを高速回転させて乾燥させる。また、必要に応じて、他の処理チャンバMPCにおいて、超臨界流体の二酸化炭素により乾燥処理を行うことが好ましい。超臨界流体による乾燥処理により、基板Wに仕上げ乾燥処理が行われる。これにより基板Wが完全に乾燥されるが、基板Wに形成されているパターンの倒壊は抑制される。
【0103】
乾燥処理が完了した一枚の基板Wは、センターロボットCRとインデクサロボットIRとを介して搬出部87に搬出される。インデクサロボットIRは、搬出部87に載置されたキャリアCに一枚の基板Wを収容する。続いて処理が行われる同じ一つのロットを構成している基板Wは、同じキャリアCに収納される。
【0104】
<16.姿勢変換処理>
【0105】
以上が基板処理装置1による大まかな処理の流れであるが、次に、姿勢変換の詳細について説明する。ここで、
図11~
図28を参照する。
図11~
図20,
図22~
図28は、基板の姿勢変換動作の説明に供する図である。
図21は、反転チャックの動作を示す縦断面図である。
【0106】
図11を参照する。
バッチ処理を終えたバッチロットを構成する複数枚の基板Wは、第2搬送機構WTRにより、待機槽31のリフタLF0に受け渡される。リフタLF0は、バッチロットを構成する複数枚の基板Wを待機槽31の内部である待機位置に移動させる。この状態でバッチロットを構成する複数枚の基板Wが待機するので、乾燥を防止できる。つまり、バッチ処理後の基板Wに形成されたパターンなどの倒壊を防止できる。なお、アライメントバー67cは、許容位置に位置されている。
【0107】
図12を参照する。
25枚チャックTFCは、第1の受け渡し位置P1に位置されている。25枚チャックTFCは、ハンド35を開放する。つまり、25枚チャックTFCは、ハンド35が通過位置PTとされている(
図3参照)。リフタLF0を待機槽BB0の液面より上方である受け渡し位置に上昇させる。このとき、25枚チャックTFCは、ハンド35が通過位置PTとされているので、複数枚の基板Wは25枚チャックTFCの間を通過して上昇できる。併せて、姿勢変換槽33における姿勢変換部41により反転チャック43を受け入れ高さHP1に上昇させる。
【0108】
図13を参照する。
25枚チャックTFCは、ハンド35を閉止する。つまり、25枚チャックTFCは、ハンド35が保持位置PCとされる(
図3参照)。この状態で、リフタLF0を待機位置に下降させる。これにより、リフタLF0に載置されていたバッチロットの複数枚の基板Wのうち、1つのロットを構成する奇数番である複数枚の基板Wだけが25枚チャックTFCに載置される。リフタLF0に載置されていたバッチロットの複数枚の基板Wのうち、もう1つのロットを構成する偶数番である複数枚の基板Wは、リフタLF0とともに待機槽BB0の内部に下降する。これにより、25枚チャックTFCのハンド35が第2の受け渡し位置PT2とされて、偶数番の基板Wが姿勢変換槽33に移動されるまで乾燥を防止された状態で待機させることができる。したがって、もう一つのロットを構成する複数枚の基板Wの乾燥に起因するパターン倒れも防止できる。
【0109】
図14を参照する。
25枚チャックTFCは、ハンド35を第3の受け渡し位置P3まで右方Yに進出させる。このとき、反転チャック43は、受け入れ高さHP1に位置しているので、基板Wとの干渉は生じない。
【0110】
図15を参照する。
反転チャック43は、第1の間隔WD1とされている(
図4参照)。この状態で、25枚チャックTFCに載置された複数枚の基板Wに向かって反転チャック43を下降させる。具体的には、反転チャック43を挟持高さHP2に下降させる。このときの反転チャック43と基板Wの状態は、
図4及び
図6のような状態となる。つまり、基板Wの端縁は、反転チャック43の第1の溝SL1付近に位置しているだけで、反転チャック43に接触していない。換言すると、複数枚の基板Wは、反転チャック43に非接触の状態で収容されている。
【0111】
図16を参照する。
反転チャック43を第2の幅WD2とする(
図5参照)。これにより、反転チャック43に非接触で収容されている基板Wが挟持される。これにより、
図7に示すように、基板Wの端面が反転チャック43の第2の溝SL2で挟持される。換言すると、基板Wの端面が第2の溝SL21の頂部49で当接支持される。さらに、反転チャック43を係止高さHP3に上昇させる。これにより、反転チャック43で挟持されている基板Wの端面のうち、側方より下部にある下縁部が第2の溝SL2に当接して係止される。なお、図示省略しているが、反転チャック43を受け入れ高さHP1に一時的に上昇させた状態で、25枚チャックTFCを第2の受け渡し位置P2へ移動させる。これにより、25枚チャックTFCは、リフタLF0に載置されているもう一つのロットを構成する複数枚の基板Wを受け取る準備ができる。
【0112】
図17を参照する。
反転チャック43を浸漬高さHP4に下降させる。これにより、反転チャック43に挟持された複数枚の基板Wが浸漬槽DBの処理液中に浸漬される。複数枚の基板Wは、その全体が浸漬槽DBの処理液下に没する。姿勢変換ブロック15においては、一つのロットを構成する複数枚の基板Wは、待機槽BB0から上昇されて浸漬槽DBに浸漬されるまでの短時間だけ液中から露出した状態である。
【0113】
図18及び
図19を参照する。
反転チャック43を90°回転させる。具体的には、この例では、時計回りに90°回転させる。回転方向は、基板Wの処理面(表面)がいずれの方向に位置しているかによって決めればよい。つまり、基板Wの処理面が上方を向くように回転方向を決定すればよい。これにより、複数枚の基板Wは、水平姿勢に変換される。
【0114】
図20を参照する。
アライメント機構67により、アライメントバー67cが規制位置に移動される。これにより、
図20中の二点鎖線矢印で示す一部拡大図のように、複数枚の基板Wの外周縁がアライメントバー67cによって位置規制される。具体的には、前後方向X及び幅方向Yを含む水平面内における移動が規制される。
【0115】
図21を参照する。
反転チャック43を第1の幅WD1に拡げる。これにより、基板Wは、端面の位置が第2の溝SL2から第1の溝SL1に移動する。したがって、基板Wの処理面(表面)である上面と溝部47の上面との間隔USが広くなる。このとき、基板Wは、第2の溝SL2の奥側傾斜面51から第1の溝SL1の手前側傾斜面55に下面が摺動しつつ移動する。第1の溝SL1の手前側傾斜面55は、第2の溝SL2の奥側傾斜面51より傾斜が緩やかになっている。よって、基板Wの下面に加わる衝撃を小さくできる。したがって、反転チャック43を第1の幅WD1にした際のパーティクルの発生を抑制できる。また、摩擦により基板Wが反転チャック43の移動方向へ引っ張られる。このとき、アライメントバー67cが規制位置にあるので、基板Wの水平位置がずれることを防止できる。したがって、後述するブリッジロボットBRによる搬送ミスを防止でき、確実に基板Wを受け渡すことができる。
【0116】
また、アライメントバー67cは、基板Wの端面に対応する位置に溝67dが形成されている。したがって、基板Wが下方へ移動する際に基板Wの端面がアライメントバー67cに摺れてパーティクルが発生することを抑制できる。
【0117】
図22を参照する。
反転チャック43を上昇させる。具体的には、反転チャック43の最上段の溝部47に挟持されている基板Wだけが浸漬槽DBの液中から露出するよう反転チャック43を上昇させる。反転チャック43の高さは、ブリッジロボットBRのハンド71が、液中から露出した基板Wの下面から若干下方に離れた位置に進入できるたけの高さである。
【0118】
図23を参照する。
ブリッジロボットBRのハンド71を姿勢変換部41に進入させる。ハンド71は、基板Wの下面から若干下方に離間した位置に進入する。
【0119】
図24を参照する。
反転チャック43を下方へ移動する。その移動距離は、上述した間隔USと、進入したハンド71と基板W下面の間隔との合計値未満である。反転チャック43の移動により、基板Wがハンド71に移載される。
【0120】
図25を参照する。
ブリッジロボットBRがハンド71を右方Yへ移動させるまでに、右方Yに位置するアライメントバー67cを許容位置AP2に移動させる。
【0121】
図26を参照する。
ブリッジロボットBRがハンド71を右方Yへ移動させて、最上部の基板Wを反転チャック43から抜き出す。右方Yに位置するアライメントバー67cを許容位置AP2に移動させているので、基板Wの受け渡しを円滑に行うことができる。
【0122】
図27を参照する。
最上部の基板Wが反転チャック43から抜き出された後、右方Yの2個のアライメントバー67cを規制位置に移動する。これにより、装置の振動などの外乱により、基板Wの水平位置が移動して次回の搬送に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0123】
図28を参照する。
ブリッジロボットBRは、ハンド71を旋回させて右方Yに基板Wを位置させる。具体的には、ハンド71を旋回させて受渡部93側に基板Wを移動させる。そして、受渡部93に一枚の基板Wを受け渡す。
【0124】
上述した姿勢変換ブロック15の動作により、バッチ式処理装置3から枚葉式処理装置5に一枚の基板Wが水平姿勢で搬送される。
【0125】
なお、本発明と上述した実施例における対応関係は次のとおりである。
【0126】
バッチ式処理装置3が本発明における「バッチ式処理部」に相当する。枚葉式処理装置5が本発明における「枚葉式処理部」に相当する。25枚チャックTFCが本発明における「第1の搬送部」に相当する。ブリッジロボットBRが本発明における「第2の搬送部」に相当する。
【0127】
本実施例によれば、バッチ式処理装置3で処理された複数枚の基板Wは、25枚チャックTFCで姿勢変換部41に搬送された後、姿勢変換部41で鉛直姿勢から水平姿勢に変換される。水平姿勢に変換された複数枚の基板Wは、ブリッジロボットBRにより一枚ずつ受け渡された後、枚葉式処理装置5にて処理が行われる。姿勢変換部41は、複数枚の基板Wの姿勢変換を行う際は、複数枚の基板Wにおける上面の上方の間隔が狭い状態で複数枚の基板を保持する。したがって、複数枚の基板Wを安定して保持でき、安定して姿勢を変換できる。姿勢変換部41は、水平姿勢とされた複数枚の基板Wを受け渡しする際には、複数枚の基板Wにおける処理面の上方の間隔USが広い状態で複数枚の基板Wを保持する。したがって、ブリッジロボットBRは、複数枚の基板Wの各々を容易に受け渡しできる。
【0128】
また、25枚チャックTFCから反転チャック43が複数枚の基板Wを受け入れる際には、駆動機構61により第1の間隔WD1とさせて第1の溝SL1に複数枚の基板の各々を収容させる。回転機構65により複数枚の基板Wを水平姿勢に回転させる際には、駆動機構63により第2の間隔WD2とさせて第2の溝SL2で複数枚の基板Wの各々を挟持させる。したがって、姿勢変換の際には、基板Wが厚さ方向へ移動することが規制される。その結果、複数枚の基板Wを安定して保持でき、安定して姿勢を変換できる。ブリッジロボットBRが複数枚の基板Wを反転チャック43から受け取る際には、駆動機構63により第1の間隔WD1とさせて第1の溝SL1で複数枚の基板Wの下面を当接支持させる。したがって、基板Wの受け渡しの際には、基板Wが厚さ方向へ移動することを許容される。その結果、ブリッジロボットBRは、複数枚の基板Wの各々をすくい上げて容易に受け渡しできる。姿勢変換部41は、反転チャック43を駆動機構63で水平方向に移動させるだけで、基板Wを挟持したり緩く保持したりできる。
【0129】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0130】
(1)上述した実施例では、反転チャック43が第1の溝SL1と第2の溝SL2とを基板Wの径方向で手前と奥に備えている。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されない。例えば、
図29及び
図30に示すような反転チャック43Aとしてもよい。
【0131】
図29は、反転チャックの変形例を示し、受け渡し際の状態を示す図である。
図30は、反転チャックの変形例を示し、姿勢変換を行う際の状態を示す図である。
【0132】
反転チャック43Aは、一対のチャック部材45Aを備えている。チャック部材45Aは、例えば、1個の第1の溝片97と、2個の第2の溝片99とを備えている。第1の溝片97は、第1の溝SL1を備えている。第2の溝片99は、第2の溝SL2を備えている。第1の溝片97の鉛直方向Zには、それぞれ第2の溝片99が配置されている。第2の溝片99は、基板Wの中心方向へ前後方向Xに進退可能にチャック部材45Aに設けられている。
【0133】
このように構成された反転チャック43Aは、基板Wを受け入れる際には、第2の溝片99を基板Wから遠ざけるように移動させる(
図29)。基板Wの姿勢を変換する際には、第2の溝片99を基板Wの中心側へ近づけるように移動させる(
図30)。このような反転チャック43Aを採用してもよい。この構成によると、上述した反転チャック43が奥側に二段階の傾斜を有するのに対して、第1の溝片97と第2の溝片99とが一段階の傾斜の溝SL1,SL2を有するだけである。そのためチャック部材45Aの加工を容易にできる利点がある。また、厚みが異なる規格の基板Wを扱う場合には、第2の溝片99だけを交換すればよく、基板Wの規格に柔軟に対応できる。
【0134】
(2)上述した実施例では、反転チャック43、43Aが基板Wの両面に傾斜面を備えている。しかしながら、バッチロットが表裏面合わせ(Back to Faceとも呼ばれる)である場合には、基板Wの下面に対応する方向にのみ傾斜面を備えればよい。
【0135】
(3)上述した実施例では、姿勢変換部41は、浸漬槽DBに複数枚の基板Wを浸漬させた状態で姿勢を変換している。しかしながら、本発明は、このような形態に限定されない。つまり、姿勢変換部41は、気体中で姿勢変換してもよい。この場合の気体としては、例えば、空気、不活性ガスなどが挙げられる。
【0136】
(4)上述した実施例では、アライメントバー67cが溝67dを備えているが、本発明はこの構成を必須とするものではない。また、姿勢変換部41がアライメントバー67cを必ずしも備える必要はない。
【0137】
(5)上述した実施例では、ブリッジロボットBRのハンド71が反転チャック43に進入した後、受け取る側のアライメントバー67cが許容位置に移動されている。しかしながら、本発明は、アライメントバー67cを許容位置に移動することがこのタイミングに限定されない。つまり、ハンド71が反転チャック43に進入する際にアライメントバー67cを許容位置に移動するようにしてもよい。これによりハンド71が反転チャック43に進入する際の前後方向Xにおける位置精度を多少低くしても、ハンド71がアライメントバー67cと干渉することを防止できる。その結果、制御負荷を抑制できる。
【0138】
(6)上述した実施例では、複数枚の基板Wを反転チャック43に受け入れる際には、受け入れ高さHP1から挟持高さHP2へ反転チャック43を下降させている。しかしながら、本発明は、このような挟持の手法に限定されない。例えば、反転チャック43のチャック部材45同士を拡げた状態で複数枚の基板Wを受け入れ、その後、チャック部材45同士の間隔を狭めることで複数枚の基板Wを挟持するようにしてもよい。
【0139】
(7)上述した実施例では、ブリッジロボットBRが基板Wを受け取る際に、反転チャック43が下降した。しかしながら、本発明は、このような形態に限定されない。つまり、反転チャック43が下降せず、ブリッジロボットBRのハンド71が上昇して基板Wを受け取るようにしてもよい。これにより、姿勢変換部41の制御を簡易化できる。
【0140】
(8)上述した実施例では、基板処理装置1がバッチ式処理装置3と枚葉式処理装置5とを橋渡し部7で連結された構成を例にとって説明した。しかしながら、本発明は、バッチ式処理装置3と枚葉式処理装置5とを同じ筐体内に備えた一つの基板処理装置1であっても適用できる。
【符号の説明】
【0141】
1 … 基板処理装置
W … 基板
3 … バッチ式処理装置
5 … 枚葉式処理装置
7 … 橋渡し部7
9 … 搬入ブロック
11 … ストッカーブロック
13 … 移載ブロック
15 … 姿勢変換ブロック
17 … 処理ブロック
19 … 投入部
C … キャリア
BPU … バッチ処理部
BB … 処理槽
LF … リフタ
TFC … 25枚チャック
31 … 待機槽
33 … 姿勢変換槽
BB0 … 処理槽
LF0 … リフタ
DB … 浸漬槽
41 … 姿勢変換部
43 … 反転チャック
WD1 … 第1の間隔
WD2 … 第2の間隔
45 … チャック部材
47 … 溝部
SL1 … 第1の溝
SL2 … 第2の溝
49 … 頂部
51 … 奥側傾斜面
53 … 開口
55 … 手前側傾斜面
61 … 昇降機構
63 … 駆動機構
65 … 回転機構
67 … アライメント機構
67c … アライメントバー
67d … 溝
HP1 … 受け入れ高さ
HP2 … 挟持高さ
BR … ブリッジロボット
81 … 搬出ブロック
83 … インデクサブロック
85 … 処理ブロック
87 … 搬出部
IR … インデクサロボット
TW1~TW4 … タワー
CR … センターロボット
93 … 受渡部
US … 間隔