(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017636
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】データ生成方法、データ生成システム、制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 3/00 20060101AFI20240201BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20240201BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20240201BHJP
G01B 11/03 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G01C3/00 120
G01B11/00 H
G06T7/60 180B
G01B11/03 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120407
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 亮太
【テーマコード(参考)】
2F065
2F112
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA09
2F065AA21
2F065AA53
2F065BB15
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF11
2F065FF67
2F065GG04
2F065HH04
2F065JJ01
2F065JJ03
2F065MM06
2F065MM16
2F065PP22
2F065QQ03
2F065QQ24
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065QQ41
2F065UU05
2F112AD01
2F112BA06
2F112CA05
2F112CA12
2F112DA25
2F112EA05
2F112FA03
2F112FA07
2F112FA21
2F112FA35
2F112FA45
5L096CA02
5L096CA18
5L096DA02
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA69
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡易な方法でカメラとLiDARの検知結果を統合すること。
【解決手段】データ生成方法は、測定エリアを撮影したカメラから画像を示す画像データを取得し、画像データに基づいて、第1対象物の情報を示す第1データを取得する。ライダー装置から点群データを取得し、点群データに基づいて、第2対象物の情報を示す第2データを取得する。画像データに基づいて第1データを取得する際に、画像データにおける第1対象物の座標を求め、第1対象物の座標に基づいて、第1対象物の長さに関する情報を取得する。第1データには、第1対象物の長さに関する情報が含まれており、第2データには、第2対象物の長さに関する情報が含まれており、第1対象物の長さに関する情報と第2対象物の長さに関する情報とが適合する第1データと前記第2データとを統合することによって、測定エリアにおける対象物に関する情報を示す統合データを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定エリアを撮影したカメラから画像を示す画像データを取得すること、
前記画像データに基づいて、第1対象物の情報を示す第1データを取得すること、
前記測定エリアを測定したライダー装置から点群データを取得すること、及び、
前記点群データに基づいて、第2対象物の情報を示す第2データを取得すること、
を行うデータ生成方法であって、
前記画像データに基づいて前記第1データを取得する際に、
前記画像データにおける前記第1対象物の座標を求めること、及び、
前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の長さに関する情報を取得すること
が行われ、
前記第1データには、前記第1対象物の長さに関する情報が含まれており、
前記第2データには、前記第2対象物の長さに関する情報が含まれており、
前記第1対象物の長さに関する情報と前記第2対象物の長さに関する情報とが適合する前記第1データと前記第2データとを統合することによって、前記測定エリアにおける対象物に関する情報を示す統合データを生成する、
データ生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ生成方法であって、
前記画像データにおける前記第1対象物の前記座標と、長さに関する情報と、を対応付けたテーブルを参照することによって、前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の長さに関する情報を取得する、
データ生成方法。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ生成方法であって、
ターゲットを設置すること、
前記ターゲットを前記カメラで撮影すること、
前記カメラから前記画像データを取得すること、及び、
前記画像データにおける前記ターゲットの座標と、前記ターゲットの距離とを対応付けること
を行うことによって、前記テーブルを生成し、
前記テーブルを参照することによって、前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の距離の情報を取得し、
前記第1対象物の距離と前記第2対象物の距離とが適合する前記第1データと前記第2データとを統合することによって、前記統合データを生成する、
データ生成方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のデータ生成方法であって、
所定の大きさのターゲットを設置すること、
前記ターゲットを前記カメラで撮影すること、
前記カメラから前記画像データを取得すること、及び、
前記画像データにおける前記ターゲットの座標と前記ターゲットの占める画素数とに基づいて、前記画像データにおける座標と、当該座標における1画素当たりの大きさとを対応付けること
を行うことによって、前記テーブルを生成し、
前記テーブルを参照することによって、前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の大きさの情報を取得し、
前記第1対象物の大きさと前記第2対象物の大きさとが適合する前記第1データと前記第2データとを統合することによって、前記統合データを生成する、
する、
を行うデータ生成方法。
【請求項5】
請求項2~4のいずれかに記載のデータ生成方法であって、
前記画像データの示す画像は、X方向及びY方向に並ぶ画素により構成されており、
前記画像データにおける前記第1対象物の前記X方向及び前記Y方向のうちの一方の方向の座標に基づいて、前記第1対象物の長さに関する情報を取得する、
データ生成方法。
【請求項6】
測定エリアを撮影し、画像データを生成するカメラと、
前記測定エリアを測定し、点群データを生成するライダー装置と、
前記カメラから前記画像データを取得し、前記画像データに基づいて第1対象物の情報を示す第1データを取得すること、及び、前記ライダー装置から前記点群データを取得し、前記点群データに基づいて第2対象物の情報を示す第2データを取得すること、を行う制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記画像データにおける前記第1対象物の座標を求めること、
前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の長さに関する情報を取得すること、及び、
前記第1データに含まれる前記第1対象物の長さに関する情報と、前記第2データに含まれる前記第2対象物の長さに関する情報と、が適合する前記第1データと前記第2データとを統合することによって、前記測定エリアにおける対象物に関する情報を示す統合データを生成すること
を行う、
データ生成システム。
【請求項7】
測定エリアを撮影したカメラから取得した画像データに基づいて第1対象物の情報を示す第1データを取得すること、及び、前記測定エリアを測定したライダー装置から取得した点群データに基づいて第2対象物の情報を示す第2データを取得すること、を行う制御装置であって、
前記画像データにおける前記第1対象物の座標を求めること、
前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の長さに関する情報を取得すること、及び、
前記第1データに含まれる前記第1対象物の長さに関する情報と、前記第2データに含まれる前記第2対象物の長さに関する情報と、が適合する前記第1データと前記第2データとを統合することによって、前記測定エリアにおける対象物に関する情報を示す統合データを生成すること
を行う、制御装置。
【請求項8】
コンピューターに、
測定エリアを撮影したカメラから画像を示す画像データを取得すること、
前記画像データに基づいて、第1対象物の情報を示す第1データを取得すること、
前記測定エリアを測定したライダー装置から点群データを取得すること、
前記点群データに基づいて、第2対象物の情報を示す第2データを取得すること、
を実行させるプログラムであって、
前記画像データに基づいて前記第1データを取得する際に、
前記画像データにおける前記第1対象物の座標を求めること、及び、
前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の長さに関する情報を取得すること
が行われ、
前記第1データには、前記第1対象物の長さに関する情報が含まれており、
前記第2データには、前記第2対象物の長さに関する情報が含まれており、
前記コンピューターに、前記第1対象物の長さに関する情報と前記第2対象物の長さに関する情報とが適合する前記第1データと前記第2データとを統合することによって、前記測定エリアにおける対象物に関する情報を示す統合データを生成することを実行させる、
プログラム。
【請求項9】
測定エリアにおける2つの対象物を撮影したカメラから画像データを取得すること、
前記測定エリアにおける2つの前記対象物を測定したライダー装置から点群データを取得すること、及び
一方の対象物の前記画像データから得られる情報と、前記一方の対象物の点群データから得られる距離の情報とを統合した統合データを生成するとともに、他方の対象物の前記画像データから得られる情報と、前記他方の対象物の点群データから得られる距離の情報とを統合した統合データとを生成すること
を行うデータ生成方法であって、
前記点群データを変更せずに、前記画像データにおける2つの前記対象物の画像の座標及び大きさを変更することによって、前記一方の対象物の前記画像データから得られる情報と、前記他方の対象物の前記点群データから得られる距離の情報とを統合した統合データを生成することが可能である、
データ生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ生成方法、データ生成システム、制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラとライダー装置(LiDAR)の検知結果を統合するセンサフュージョンが知られている。例えば、特許文献1には、カメラによって撮影されたカメラ画像と、ライダー装置によって計測された計測データとを統合することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラとライダー装置の解像度や画角をキャリブレーションするようなセンサフュージョンは、一般的に処理が複雑である。
【0005】
本発明は、簡易な方法でカメラとライダー装置の検知結果を統合することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一形態は、測定エリアを撮影したカメラから画像を示す画像データを取得すること、前記画像データに基づいて、第1対象物の情報を示す第1データを取得すること、前記測定エリアを測定したライダー装置から点群データを取得すること、及び、前記点群データに基づいて、第2対象物の情報を示す第2データを取得すること、を行うデータ生成方法であって、前記画像データに基づいて前記第1データを取得する際に、前記画像データにおける前記第1対象物の座標を求めること、及び、前記第1対象物の前記座標に基づいて、前記第1対象物の長さに関する情報を取得することが行われ、前記第1データには、前記第1対象物の長さに関する情報が含まれており、前記第2データには、前記第2対象物の長さに関する情報が含まれており、前記第1対象物の長さに関する情報と前記第2対象物の長さに関する情報とが適合する前記第1データと前記第2データとを統合することによって、前記測定エリアにおける対象物に関する情報を示す統合データを生成する、データ生成方法である。
【0007】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な方法でカメラとLiDARの検知結果を統合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態のデータ生成システム1の説明図である。
【
図2】
図2は、画像データ、点群データ、カメラデータ、ライダーデータ及び統合データの一例の説明図である。
【
図3】
図3は、制御装置30が行う各種処理のフロー図である。
【
図5】
図5Aは、別の画像データの説明図である。
図5Bは、
図5Aの画像データに基づいて生成されたカメラデータの説明図である。
【
図6】
図6Aは、2つのカメラデータと2つのライダーデータの照合処理の説明図である。
図6Bは、2つの統合データの説明図である。
【
図7】
図7は、テーブルの生成方法のフロー図である。
【
図8】
図8Aは、S02で生成される画像データの説明図である。
図8Bは、S05及びS06の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、同一の又は類似する構成について共通の符号を付して重複した説明を省略することがある。
【0011】
===実施形態===
<構成>
図1は、第1実施形態のデータ生成システム1の説明図である。
図2は、画像データ、点群データ、カメラデータ、ライダーデータ及び統合データの一例の説明図である。
【0012】
以下の説明では、
図1に示すように、カメラ10やライダー装置20から遠ざかる方向をZ方向(プラスZ方向)とし、鉛直方向をY方向とし、Z方向及びY方向に垂直な方向をX方向とする。また、説明の都合上、カメラ10の撮影した画像データ上の2次元座標をXY座標とし、ライダー装置20の測定した点群データの3次元座標をXYZ座標とし、
図1に示す座標に合わせて説明することがある。(但し、画像データ上の原点は、
図5Aに示すように画像の左下とし、
図1の原点とは異なる。同様に、点群データの原点も
図1の原点とは異なる。)
【0013】
データ生成システム1は、カメラ10で撮影した画像データと、ライダー装置20で測定した点群データとを統合し、統合データを生成するためのシステムである。データ生成システム1は、カメラ10と、ライダー装置20と、制御装置30とを有する。カメラ10とライダー装置20は、共通の測定エリアに向かって同じ方向を向いて設置されている。
【0014】
カメラ10は、測定エリアを撮影し、画像データを生成する。カメラ10は、いわゆるデジタルカメラである。画像データは、測定エリアの2次元画像を示すデータである。
図2には、画像データの一例が示されている。画像データの示す画像(2次元画像;デジタル画像)は、多数の画素が2次元的に配置されることによって構成されている。つまり、画像データの示す画像は、X方向及びY方向にマトリクス状に並ぶ多数の画素によって構成されている。また、画像データは、多数の画素データによって構成されている。画素データは、画素の階調値を示すデータである。
【0015】
ライダー装置20は、測定エリアを測定し、点群データを生成する。ライダー装置20は、測定エリアに向かって測定光を照射するとともに、反射光(測定光が測定エリア内の対象物に反射した反射光)を受光することによって、測定エリア内の3次元形状を検出する装置である(LiDAR;Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)。例えば、ライダー装置20は、測定光を照射してから反射光を受光するまでの時間を検出することによって、反射点(測定光を反射して反射光を生じさせたポイント;対象物の表面)までの距離を測定する。また、ライダー装置20は、測定エリアに向かって所定の解像度で測定光を照射するとともに、測定エリアの複数点からの反射光を受光することによって、点群データを生成する。
図2には、点群データの一例が示されている。点群データは、点データの集合である。点データは、反射点の座標(ここでは3次元座標)を示すデータ(座標データ)である。
図2に示された点群データの各点には3次元座標が対応付けられている。点群データは、所定の解像度の多数の点データを含んでいる(
図2では、説明のため解像度を粗くして点群データを示している)。
【0016】
制御装置30は、画像データと点群データとに基づいて統合データを生成する装置(データ生成装置)である。制御装置30は、データ生成システム1の制御を司る装置である。制御装置30は、1台又は複数台のコンピューターで構成される。制御装置30は、カメラ10から画像データを取得し、ライダー装置20から点群データを取得し、画像データ及び点群データから得られる情報を統合した統合データを生成するための各種処理を行う。制御装置30は、不図示の演算装置及び記憶装置を有する。演算装置は、例えばCPU、GPUなどの演算処理装置である。演算装置の一部がアナログ演算回路で構成されても良い。記憶装置は、主記憶装置と補助記憶装置とにより構成され、プログラムやデータを記憶する装置である。記憶装置に記憶されているプログラムを演算装置が実行することにより、各種処理が実行される。図中には、制御装置30が行う各種処理の機能ブロックが示されている。制御装置30は、データ取得部31と、解析部32と、データ生成部33と、テーブル生成部34と、出力部35とを有する。なお、これらの機能ブロックは、演算装置がデータ生成プログラムを実行することによって実現されることになる。
【0017】
図3は、制御装置30が行う各種処理のフロー図である。図中の各処理は、制御装置30を構成する演算装置がデータ生成プログラムを実行することにより実現される。
【0018】
データ取得部31(
図1参照)は、画像データ及び点群データを取得する。データ取得部31は、画像データ取得部311と、点群データ取得部312とを有する。画像データ取得部311は、カメラ10から画像データを取得する(
図3のS11)。点群データ取得部312は、ライダー装置20から点群データを取得する(
図3のS21)。
【0019】
解析部32(
図1参照)は、画像データ及び点群データを解析する。解析部32は、画像データ解析部321と、点群データ解析部322とを有する。画像データ解析部321は、画像データ取得部311が取得した画像データを解析し、画像データから特定の対象物(例えば人や自動車)の画像を抽出する(
図3のS12)。なお、画像データ解析部321は、画像データに含まれる対象物の有無や、対象物の属性や、対象物の座標などを解析しても良い。画像データ解析部321は、周知の物体認識処理によって、画像データに含まれる対象物を解析することができる。点群データ解析部322は、点群データ取得部312が取得した点群データを解析し、点群データから対象物の点データを抽出する(
図3のS22)。なお、点群データ解析部322は、点群データ含まれる対象物の有無や、対象物の属性や、対象物の座標などを解析しても良い。点群データ解析部322は、周知の物体認識処理によって、点群データに含まれる対象物を解析することができる。画像データ上の対象物のことを第1対象物と呼び、点群データ上の対象物のことを第2対象物と呼ぶことがある。
【0020】
データ生成部33(
図1参照)は、各種データを生成する。データ生成部33は、カメラデータ生成部331と、ライダーデータ生成部332と、統合データ生成部333とを有する。
【0021】
カメラデータ生成部331(
図1参照)は、画像データ解析部321の解析結果に基づいて、カメラデータを生成する(
図3のS13~S15)。
図2には、カメラデータの一例が示されている。ここでは、カメラデータには、時間データと、対象物データとが含まれている。但し、カメラデータに他のデータ(例えばカメラ10の識別番号、カメラ10の設置場所、対象物の移動速度や移動方向などを示すデータ)が含まれていても良い。時間データは、カメラデータの生成時刻、若しくは、カメラデータの元となる画像データの撮影時刻を示すデータである。対象物データは、画像データに含まれる対象物に関する情報を示すデータである。ここでは、対象物データには、有無データ、属性データ、座標データなどが含まれている。有無データは、対象物の有無を示すデータである。属性データは、画像データに含まれる対象物の種類を示すデータである。座標データは、画像データ上の対象物の位置(X座標及びY座標)を示すデータである。例えば、座標データは、
図2に示す画像データの自動車の画像(図中の枠線参照)の中心のX座標及びY座標を示している。カメラデータにおける対象物の位置(X座標及びY座標)は、「ピクセル(画素)」を単位として示されることになる。カメラデータ生成部331は、画像データから抽出された対象物の画像の中心のX座標及びY座標を求めることによって、対象物の座標データを取得する(
図3のS13)。後述するように、画像データに複数の対象物が含まれる場合には、カメラデータ生成部331は、それぞれの対象物ごとに、カメラデータ(対象物データ)を生成する。
【0022】
図2に示すように、カメラデータの対象物データには、対象物の長さに関するデータとして、対象物までの距離を示す距離データや、対象物の大きさを示す大きさデータが含まれている。対象物の長さに関するデータ(距離データ及び大きさデータ)は、「m(メートル)」を単位として示される。カメラデータ生成部331は、対象物の座標に基づいて、対象物の長さに関するデータ(距離データ及び大きさデータ)を算出する(
図3のS14)。以下、S14の処理について説明する。
【0023】
図4は、テーブルの説明図である。テーブルは、カメラデータ生成部331に予め設定されている。テーブルには、Y座標に対して、距離Lと、1画素当たり大きさAとが対応付けられている。テーブルのY座標のそれぞれの数値Yn(Y1,Y2,Y3,・・・)は、「ピクセル(画素)」を単位としている。一方、テーブルの距離Ln(L1,L2,L3,・・・)や、1画素当たりの大きさAn(A1,A2,A3,・・・)は、「m(メートル)」を単位とする数値である。つまり、テーブルには、「ピクセル(画素)」を単位とするパラメータに対して、「m(メートル)」を単位とする長さに関するパラメータが対応付けられている。
【0024】
カメラデータ生成部331は、対象物のY座標を取得した後(
図3のS13)、テーブルを参照し、S13で取得した対象物のY座標に対応する距離Lを求める(S24)。例えば、S13で取得した対象物のY座標がY2の場合、カメラデータ生成部331は、Y2をキーとしてテーブルを参照することによって、Y2に対応する距離L2を取得することができる。また、S13で取得した対象物のY座標がY2とY3の間の値の場合、カメラデータ生成部331は、テーブルに基づいて距離L2とL3を取得するとともに、距離L2とL3とに基づいて補間処理(例えば線形補間処理)を行うことによって、Y座標に対応する距離Lを取得することができる。これにより、カメラデータ生成部331は、画像データに含まれる対象物の距離に関する情報を取得できる。
【0025】
また、カメラデータ生成部331は、対象物のY座標を取得した後(
図3のS13)、テーブルを参照し、S13で取得した対象物のY座標に対応する1画素当たりの大きさAを求める。例えば、S13で取得した対象物のY座標がY2の場合、カメラデータ生成部331は、Y2をキーとしてテーブルを参照することによって、Y2に対応する1画素当たりの大きさA2を取得することができる。また、S13で取得した対象物のY座標がY2とY3の中間の値の場合、カメラデータ生成部331は、1画素当たりの大きさA2とA3とに基づいて補間処理を行うことによって、Y座標に対応する1画素当たりの大きさAを算出するができる。
また、カメラデータ生成部331は、画像データ上の対象物の画像が占める画素数を取得する。例えば、カメラデータ生成部331は、
図2に示す画像データの自動車(図中の枠線参照)の画像の上下方向(Y方向)の画素数Pyを求める。そして、カメラデータ生成部331は、テーブルを用いて取得した1画素当たりの大きさAと、画素数Pyとを掛けることによって、対象物の大きさ(単位:m)を取得することができる(
図3のS14)。これにより、カメラデータ生成部331は、画像データに含まれる対象物の大きさに関する情報を取得できる。
【0026】
ライダーデータ生成部332(
図1参照)は、点群データ解析部322の解析結果に基づいて、ライダーデータを生成する(
図3のS23~S24)。
図2には、ライダーデータの一例が示されている。ここでは、ライダーデータには、時間データと、対象物データとが含まれている。但し、ライダーデータに他のデータ(例えばライダー装置20の識別番号や、ライダー装置20の設置場所、対象物の移動速度や移動方向などを示すデータ)が含まれていても良い。時間データは、ライダーデータの生成時刻、若しくは、ライダーデータの元となる点群データの計測時刻を示すデータである。対象物データは、点群データに含まれる対象物に関する情報を示すデータである。ここでは、対象物データには、有無データ、属性データ、位置データ、距離データ、大きさデータなどが含まれている。有無データは、対象物の有無を示すデータである。属性データは、点群データに含まれる対象物の種類を示すデータである。位置データは、対象物のXY方向の位置(XY座標)を示すデータである。ライダーデータにおける位置データは、「m(メートル)」を単位として示されることになる。距離データは、対象物までの距離(Z座標)を示すデータである。大きさデータは、対象物の大きさ(例えば高さ)を示すデータである。距離データ及び大きさデータは、「m(メートル)」を単位として示されることになる。例えば、位置データは、
図2に示す点群データに含まれる自動車の点データ(図中の枠線内の点に相当)の3次元座標のX座標及びY座標の平均を示す。また、距離データは、
図2に示す点群データに含まれる自動車の点データ(図中の枠線内の点に相当)の3次元座標のZ座標の平均を示す。また、大きさデータは、
図2に示す点群データに含まれる自動車の点データ(図中の枠線内の点に相当)の最も高い位置の点データと最も低い位置の点データのY座標の差(対象物の高さに相当)を示す。ライダーデータ生成部332は、点群データから抽出された対象物の点データの3次元座標に基づいて、対象物の位置データ、距離データ及び大きさデータを取得する(
図3のS23)。後述するように、点群データに複数の対象物が含まれる場合には、ライダーデータ生成部332は、それぞれの対象物ごとに、ライダーデータ(対象物データ)を生成する。
【0027】
統合データ生成部333(
図1参照)は、カメラデータ及びライダーデータに基づいて、統合データを生成する(
図3のS31~S32)。
図2には、統合データの一例が示されている。統合データには、対象物データが含まれている。統合データの対象物データは、カメラデータ及びライダーデータのそれぞれの対象物データを統合したデータである。統合データの対象物データには、属性データ、座標データ、距離データ及び位置データが含まれている。統合データの属性データ及び座標データは、カメラデータの属性データ及び座標データを統合したデータである。一方、統合データの距離データ及び位置データは、ライダーデータの距離データ及び位置データを統合したデータである。なお、カメラデータの属性データは、ライダーデータの属性データよりも、精度が高い。一方、ライダーデータの距離データは、カメラデータの距離データよりも、精度が高い。このため、属性データはカメラデータのものを採用し、距離データはライダーデータのものを採用しつつ、カメラデータ及びライダーデータのそれぞれの対象物データを統合することによって、統合データは、対象物に関する精度の高い情報になる。
【0028】
図3に示すように、統合データ生成部333は、カメラデータの対象物の長さに関するデータ(距離データ及び大きさデータ)と、ライダーデータの対象物の長さに関するデータとを照合し(S31)、長さに関するデータが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって統合データを生成する(S32)。以下、この点について説明する。
【0029】
図5Aは、別の画像データの説明図である。
図5Bは、
図5Aの画像データに基づいて生成されたカメラデータの説明図である。ここでは、画像データには、2つの対象物(ここでは2台の自動車)が含まれている。この場合、カメラデータ生成部331は、
図5Bに示すように、対象物ごとに、カメラデータ(カメラデータa、カメラデータb)を生成することになる。カメラデータaは、2つの対象物の一方の対象物の情報を示しており、カメラデータbは、他方の対象物の情報を示している。なお、既に説明した通り、カメラデータaの距離Laは、画像データ上の一方の対象物のY座標であるYaに基づいて、テーブルを参照することによって取得した値である。また、カメラデータaの大きさHaは、テーブルにおいて座標Yaに対応する1画素当たりの大きさAと、画像データ上の一方の対象物の上下方向(Y方向)の画素数Pyaと、を掛けることによって取得した値である。同様に、カメラデータbの距離Lbは、画像データ上の他方の対象物のY座標であるYbに基づいて、テーブルを参照することによって取得した値である。また、カメラデータbの大きさHbは、テーブルにおいて座標Ybに対応する1画素当たりの大きさAと、画像データ上の他方の対象物の上下方向(Y方向)の画素数Pybと、を掛けることによって取得した値である。このように、2つのカメラデータには、それぞれの対象物の長さに関するデータ(距離データ及び大きさデータ)が含まれている。
【0030】
図6Aは、2つのカメラデータと2つのライダーデータの照合処理の説明図である。画像データと同様に、点群データには、2つの対象物(ここでは2台の自動車)の点データが含まれており、ライダーデータ生成部332は、対象物ごとに、ライダーデータ(ライダーデータα、ライダーデータβ)を生成することになる。2つのライダーデータには、それぞれの対象物の長さに関するデータ(距離データ及び大きさデータ)が含まれている。
【0031】
統合データ生成部333は、カメラデータの対象物の長さに関するデータ(距離データ及び大きさデータ)と、ライダーデータの対象物の長さに関するデータとを照合する(
図3のS31)。ここでは、カメラデータaの距離データLaと、ライダーデータβの距離データLβとがほぼ一致し(La≒Lβ)、カメラデータaの大きさデータHaと、ライダーデータβの大きさデータHβとがほぼ一致しているとともに(Ha≒Hβ)、カメラデータbの距離データLbと、ライダーデータαの距離データLαとがほぼ一致し(Lb≒Lα)、カメラデータbの大きさデータHbと、ライダーデータαの大きさデータHαとがほぼ一致しているものとする。カメラデータ上の対象物の長さに関する情報と、ライダーデータ上の対象物の長さに関する情報とが一致する場合、カメラデータ上の対象物とライダーデータ上の対象物とが共通していると推測される。逆に、カメラデータ上の対象物の長さに関する情報と、ライダーデータ上の対象物の長さに関する情報とが不一致の場合、カメラデータ上の対象物とライダーデータ上の対象物が異なっていると推測される。
【0032】
なお、S31において、統合データ生成部333は、距離及び大きさの両方を照合している。但し、距離及び大きさの一方を照合しても良い。S31において距離のみを照合して大きさを照合しない場合には、S14において画像データに基づいて対象物の大きさの情報を取得することは不要になる(また、参照データにおける1画素当たりの大きさの情報も不要になる)。逆に、S31において大きさのみを照合して距離を照合しない場合には、S14において画像データに基づいて対象物の距離の情報を取得することは不要になる(また、参照データにおける距離の情報も不要になる)。一方、上記のように、統合データ生成部333が距離及び大きさの両方を照合することによって、距離及び大きさの一方のみを照合する場合と比べて、互いに異なる対象物を示すカメラデータとライダーデータとが統合されることを抑制することができる(この結果、統合データは、対象物に関する精度の高い情報になる)。
【0033】
次に、統合データ生成部333は、長さに関するデータが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって、統合データを生成する(S32)。
図6Bは、2つの統合データの説明図である。ここでは、統合データ生成部333は、カメラデータaの対象物の長さに関するデータ(距離データLa及び大きさデータHa)と、ライダーデータβの対象物の長さに関するデータ(距離データLβ及び大きさデータHβ)とが適合していると判断するため、カメラデータaとライダーデータβとを統合することによって、統合データを生成する。また、統合データ生成部333は、カメラデータbの対象物の長さに関するデータ(距離データLb及び大きさデータHb)と、ライダーデータαの対象物の長さに関するデータ(距離データLα及び大きさデータHα)とが適合していると判断するため、カメラデータbとライダーデータαとを統合することによって、統合データを生成する。
【0034】
なお、S32において、統合データ生成部333は、距離及び大きさの両方が適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって、統合データを生成する。これにより、互いに異なる対象物を示すカメラデータとライダーデータとが統合されることを抑制することができる(この結果、統合データは、対象物に関する精度の高い情報になる)。但し、カメラデータの長さに関する情報(距離又は大きさ)に含まれる誤差が大きい場合、距離及び大きさの両方が適合することを統合の条件にすると、共通の対象物を示すカメラデータとライダーデータとが統合されないことがある。そこで、統合データ生成部333は、距離及び大きさの少なくとも一方が適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって、統合データを生成しても良い。これにより、カメラデータの長さに関する情報に含まれる誤差が大きい場合であっても、共通の対象物を示すカメラデータとライダーデータとを統合することが可能になる。
【0035】
テーブル生成部34(
図1参照)は、テーブル(
図4参照)を生成する。テーブル生成部34によるテーブルの生成方法については、後述する。
【0036】
出力部35は、各種データを外部に出力する。ここでは、出力部35は、画像データ及び点群データから生成した統合データを外部に出力する。例えば、出力部35は、測定エリア近傍の自動車に統合データを送信しても良いし、ディスプレイに統合データの示す情報を表示しても良い。出力部35は、統合データを出力するとともに、画像データ、点群データ、カメラデータ及びライダーデータも出力しても良い。
【0037】
上記のデータ生成システム1によれば、長さに関するデータが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって、共通の対象物の情報を示すカメラデータとライダーデータとを統合することができる。また、上記のデータ生成システム1によれば、カメラ10とライダー装置20との間で複雑なキャリブレーション処理を行う必要が無いため、簡易な方法でカメラ10とライダー装置20の検知結果を統合することができる。
【0038】
<テーブルの生成方法>
図7は、テーブルの生成方法のフロー図である。
【0039】
まず、作業者は、測定エリアにターゲットTを設置する(S01)。ターゲットTは、基準となる位置や大きさを示す部材(標識)である(なお、
図8Aには、画像データ上のターゲットTが示されている)。ここでは、測定エリアに設置されるターゲットTは複数個であり、それぞれのターゲットTは、カメラ10から所定ずつ離れるように設置される(例えば、10mずつカメラ10から離れるように、複数個のターゲットTが設置される)。また、ここでは、それぞれのターゲットTとカメラ10との距離は、予め決められた距離でも良いし、任意の距離でも良い。また、測定エリアに設置されるターゲットTの数は、1個でも良い。ターゲットTは、所定の大きさで構成されている。ここでは、ターゲットTは、所定高さH0(例えばH0=0.5m)のロードコーンである。
【0040】
次に、制御装置30は、カメラ10に測定エリアを撮影させ、ターゲットTをカメラ10で撮影する(S02)。
図8Aは、S02で生成される画像データの説明図である。図に示すように、カメラ10が生成する画像データには、ターゲットTの画像が含まれることになる。なお、S02以降の各処理は、制御装置30を構成する演算装置がデータ生成プログラムを実行することにより実現される。
【0041】
次に、制御装置30(画像データ取得部311)は、カメラ10から画像データを取得する(S03)。また、制御装置30(画像データ解析部321)は、画像データを解析し、画像データからターゲットTの画像を抽出する(S04)。
【0042】
図8Bは、S05及びS06の説明図である。
制御装置30(テーブル生成部34;
図1)は、画像データ解析部321の解析結果に基づいて、ターゲットTの座標を取得する(S05)。ここでは、
図8Bに示すように、制御装置30は、画像データ上のターゲットTの画像の座標(Y座標)を取得する。なお、N番目のターゲットTのY座標の値をYn(単位:ピクセル;n=1,2,3,・・・)とする。
また、制御装置30(テーブル生成部34)は、画像データ解析部321の解析結果に基づいて、ターゲットTの占める画素数を取得する(S06)。ここでは、
図8Bに示すように、制御装置30は、画像データ上のターゲットTの画像の上下方向(Y方向)の画素数を取得する。なお、N番目のターゲットTの画像の上下方向の画素数をPn(単位:ピクセル;n=1,2,3,・・・)とする。
【0043】
次に、制御装置30(テーブル生成部34)は、ターゲットTの占める画素数Pnに基づいて、1画素当たりの大きさを取得する(S07)。ここでは、制御装置30は、ターゲットTごとに、1画素当たりの大きさを算出する。なお、N番目のターゲットTの画像における1画素当たりの大きさをAn(単位:メートル;n=1,2,3,・・・)とする。ターゲットTは所定高さH0で構成されているため、N番目のターゲットTの画像における1画素当たりの大きさAnは、所定高さH0を画素数Pnで割った値として算出される(An=H0/Pn)。
【0044】
次に、制御装置30(テーブル生成部34)は、テーブルを生成する(S08)。具体的には、制御装置30は、S05で取得した座標Ynと、ターゲットTの距離Ln(単位:メートル)と、1画素当たりの大きさAnとを対応付けることによって、
図4に示すテーブルを生成する。制御装置30は、生成したテーブルをカメラデータ生成部331に設定する。これにより、
図3のS14の処理の際に、カメラデータ生成部331が、テーブルを用いて、対象物の座標に基づいて対象物の長さに関するデータ(距離データ及び大きさデータ)を算出することができる。なお、S01の際に予め決められた距離にターゲットTを設置した場合には、制御装置30(テーブル生成部34)は、その距離をテーブルにおける距離Lnとする。また、S01の際に任意の距離にターゲットTを設置した場合には、制御装置30は、ライダー装置20でターゲットTを測定して点群データを取得し、点群データを解析してターゲットTの点データを抽出し、ターゲットTの点データの座標(Z座標)に基づいてターゲットTの距離を取得し、その距離をテーブルにおける距離Lnとする。
【0045】
なお、S01において、測定エリアに設置されるターゲットTの数は、1個でも良い。この場合、上記のS01~S07の処理を繰り返すことによって、複数の座標Ynのそれぞれ対応する距離Ln(単位:メートル)と、1画素当たりの大きさAnとを取得することができ、これにより、テーブルを生成することができる。また、ターゲットTは、ロードコーンに限られるものでは無く、例えば所定の大きさの自動車でも良い。
【0046】
===小括===
上記のデータ生成方法では、測定エリアを撮影したカメラ10から画像データを取得すること(
図3のS11)、画像データに基づいて画像データ上の対象物(第1対象物に相当)の情報を示すカメラデータ(第1データに相当)を取得すること(S12~S15)、測定エリアを測定したライダー装置20から点群データを取得すること(S21)、及び、点群データに基づいて点群データ上の対象物(第2対象物に相当)の情報を示すライダーデータ(第2データに相当)を取得すること(S22~S24)が行われる。また、画像データに基づいてカメラデータを取得する際に、画像データにおける対象物(第1対象物に相当)の座標を求めること(S13)、及び、対象物の座標に基づいて当該対象物の距離や大きさの情報(長さに関する情報)を取得すること(S14)が行われ、カメラデータには、画像データ上の対象物の長さに関する情報が含まれる。また、ライダーデータには、点群データ上の対象物の長さに関する情報が含まれている。そして、上記のデータ生成方法では、カメラデータ上の対象物(第1対象物)の長さに関する情報とライダーデータ上の対象物(第2対象物)の長さに関する情報とが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって(例えば、
図6Aのカメラデータaとライダーデータβとを統合することによって)、統合データを生成する。これにより、画像データや点群データに複数の対象物が含まれている場合にも、適切な組み合わせのカメラデータとライダーデータとを統合することができ、統合データは、対象物に関する精度の高い情報になる。また、このようなデータ生成システム1によれば、カメラ10とライダー装置20との間で複雑なキャリブレーション処理を行う必要が無いため、簡易な方法でカメラ10とライダー装置20の検知結果を統合することができる。
【0047】
上記のデータ生成方法では、画像データ上の対象物(第1対象物に相当)の座標と、長さに関する情報とを対応付けたテーブル(
図4参照)を参照することによって、対象物の座標に基づいて当該対象物の距離や大きさの情報(長さに関する情報に相当)を取得する(S14)。テーブルを用いることによって、画像データ上のピクセル単位の情報を長さに関する情報に変換することができるため、画像データに基づいて対象物の長さに関する情報を取得することができる。但し、テーブルを用いずに、対象物の座標に基づいて当該対象物の長さに関する情報を取得しても良い。例えば、座標を入力すると長さに関する情報(例えば距離)が出力される関数を用いることによって、対象物の座標に基づいて当該対象物の長さに関する情報が算出されても良い。
【0048】
上記のデータ生成方法では、ターゲットTを設置すること(
図7のS01)、ターゲットTをカメラ10で撮影すること(S02)、カメラ10から画像データを取得すること(S03)、及び、画像データ上のターゲットTの座標とターゲットTの距離とを対応付けることを行うことによってテーブルを生成する(S08)。そして、上記のデータ生成方法では、対象物の座標に基づいて当該対象物の距離の情報を取得し(S14)、カメラデータ上の対象物(第1対象物)の距離とライダーデータ上の対象物(第2対象物)の距離とが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって、統合データを生成する。これにより、共通の対象物の情報を示すカメラデータとライダーデータとを統合することができる。
【0049】
また、上記のデータ生成方法では、所定の大きさのターゲットTを設置すること(
図7のS01)、ターゲットTをカメラ10で撮影すること(S02)、カメラ10から画像データを取得すること(S03)、及び、画像データ上のターゲットTの座標とターゲットTの占める画素数とに基づいて座標と当該座標における1画素当たりの大きさとを対応付けることを行うことによって、テーブルを生成する(S08)。そして、上記のデータ生成方法では、対象物の座標に基づいて当該対象物の大きさの情報を取得し(S14)、カメラデータ上の対象物(第1対象物)の大きさとライダーデータ上の対象物(第2対象物)の大きさとが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって、統合データを生成する。これにより、共通の対象物の情報を示すカメラデータとライダーデータとを統合することができる。
【0050】
上記のデータ生成方法では、画像データを示す画像が2次元配置された画素により構成されており、画像データ上で画素が並ぶ方向(X方向及びY方向)のうちの一方の方向(ここではY方向)における対象物の座標に基づいて、当該対象物の長さに関する情報を取得する(S14)。つまり、1次元の情報(ここではY方向の座標)に基づいて画像データ上の対象物の長さに関する情報を取得するため、簡易な方法でカメラ10とライダー装置20の検知結果を統合することができる。
【0051】
ところで、上記のデータ生成方法では、一方の対象物の画像データから得られる情報(例えば
図6Aのカメラデータa)と、一方の対象物の点群データから得られる距離の情報(例えば
図6Aのライダーデータβの距離Lβ)とを統合した統合データ(
図6Bの統合データa+β)が生成されるとともに、他方の対象物の画像データから得られる情報(例えば
図6Aのカメラデータb)と、他方の対象物の点群データから得られる距離の情報(例えば
図6Aのライダーデータαの距離Lα)とを統合した統合データ(
図6Bの統合データb+α)が生成される。このような状況下において、制御装置30が取得する点群データを変更せずに、
図5Aの画像データ上の2つの対象物の画像の座標(Ya,Yb)及び大きさ(Pya,Pyb)を変更したダミーの画像データを制御装置30に取得させると、一方の対象物の画像データから得られる情報(例えば
図6Aのカメラデータa)と、他方の対象物の点群データから得られる距離の情報(例えば
図6Aのライダーデータαの距離Lα)とを統合した統合データが生成されるという現象が生じることがある。このような現象が生じる理由は、カメラデータ上の対象物の長さに関する情報とライダーデータ上の対象物の長さに関する情報とが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することによって、統合データを生成するためである。このため、画像データ上の2つの対象物の画像の座標(Ya,Yb)及び大きさ(Pya,Pyb)を変更したダミーの画像データを制御装置30に取得させたときに、一方の対象物の画像データから得られる情報(例えば
図6Aのカメラデータa)と、他方の対象物の点群データから得られる距離の情報(例えば
図6Aのライダーデータαの距離Lα)とを統合した統合データが生成されるという現象が生じる場合には、カメラデータ上の対象物の長さに関する情報とライダーデータ上の対象物の長さに関する情報とが適合するカメラデータとライダーデータとを統合することが採用されていることを推定できる。
【符号の説明】
【0052】
1 データ生成システム、10 カメラ、
20 ライダー装置、30 制御装置、
31 データ取得部、311 画像データ取得部、312 点群データ取得部、
32 解析部、321 画像データ解析部、322 点群データ解析部、
33 データ生成部、331 カメラデータ生成部、
332 ライダーデータ生成部、333 統合データ生成部、
34 テーブル生成部、35 出力部