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特開2024-176371仮想空間内業務支援システム、プログラム、及び仮想空間内業務支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176371
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】仮想空間内業務支援システム、プログラム、及び仮想空間内業務支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/105 20230101AFI20241212BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20241212BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241212BHJP
【FI】
G06Q10/105
G06Q10/06
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094860
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 凌也
(72)【発明者】
【氏名】三田 夏実
(72)【発明者】
【氏名】尾後 大地
【テーマコード(参考)】
5B050
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5B050BA12
5B050CA07
5B050EA12
5B050FA05
5B050GA08
5L010AA08
5L010AA20
5L049AA08
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】仮想空間において人材の把握を促進する技術の提供を目的とする。
【解決手段】仮想空間内業務支援システムであって、表示要求を行うメンバーである表示要求メンバーが有するメンバー端末装置に対し、表示対象のメンバーである表示対象メンバーを表現する表示対象アバターと、前記表示対象メンバーの他のメンバーへのアピール情報とを含む仮想空間を表示させる仮想空間制御部と、前記表示対象メンバーの有するメンバー端末装置から受信した情報を用いて、前記アピール情報を決定するアピール情報決定部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示要求を行うメンバーである表示要求メンバーが有するメンバー端末装置に対し、表示対象のメンバーである表示対象メンバーを表現する表示対象アバターと、前記表示対象メンバーの他のメンバーへのアピール情報とを含む仮想空間を表示させる仮想空間制御部と、
前記表示対象メンバーの有するメンバー端末装置から受信した情報を用いて、前記アピール情報を決定するアピール情報決定部と、
を備えることを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記メンバー端末装置から、自身が前記表示要求メンバーである場合の前記表示対象アバターの前記アピール情報の表示可不可の設定と、自身が前記表示対象メンバーである場合の前記表示要求メンバーへの前記アピール情報の表示可不可の設定と、を行う表示設定部を備えることを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記メンバーごとに属性情報を登録する属性登録部を備え、
前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーから仮想空間の表示要求を受け付けると、前記表示対象アバターを決定し、
前記アピール情報決定部は、前記表示要求メンバーの属性情報と、前記表示対象メンバーの属性情報との関係に基づいて、前記表示対象アバターの前記アピール情報を決定することを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記アピール情報決定部は、前記表示要求メンバーの前記属性情報のうち、所定の項目の前記属性情報と関連のある、前記表示対象メンバーの属性情報を、前記表示対象アバターの前記アピール情報に決定することを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項5】
請求項3に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーの前記メンバー端末装置に対し、前記表示対象メンバーの前記メンバー端末装置に表示される、当該表示要求メンバーの前記アピール情報を表示させることを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項6】
請求項2に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記表示設定部は、所定の役割の前記表示要求メンバーへ前記アピール情報の表示を許可する設定を行い、
前記仮想空間制御部は、前記設定に応じて、前記所定の役割の前記表示要求メンバーに対し、許可された前記アピール情報を表示し、前記所定の役割を有さない前記表示要求メンバーに対し、前記アピール情報の表示を抑制することを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項7】
請求項3に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記アピール情報決定部は、メンバー端末装置に対して入力された入力アピール情報を前記アピール情報に決定し、
前記属性登録部は、前記メンバーの興味を示す興味情報を前記属性情報として登録し、
前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーの前記興味情報と関連のある前記アピール情報を表示することを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記表示要求メンバーからの検索要求に応じて前記アピール情報を検索し、検索結果に該当する前記表示対象メンバーを出力する検索部と、
前記検索結果として出力した前記表示対象メンバーの前記メンバー端末装置に対し、検索を行った前記表示要求メンバーを表示させる検索対象通知部と、を備え、
前記検索対象通知部は、前記表示要求メンバーの設定に応じて、前記表示対象メンバーに対する当該表示要求メンバーの表示を抑制することを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の仮想空間内業務支援システムであって、
前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーのメンバー端末装置からの通信要求に応じて、前記表示対象メンバーのメンバー端末装置との仮想空間内での通信を仲介することを特徴とする、仮想空間内業務支援システム。
【請求項10】
コンピューターの処理部に仮想空間内業務支援方法を実行させるプログラムであって、
表示要求を行うメンバーである表示要求メンバーが有するメンバー端末装置に対し、表示対象のメンバーである表示対象メンバーを表現する表示対象アバターと、他のメンバーへのアピール情報とを含む仮想空間を表示させる仮想空間制御手順と、
前記表示対象メンバーの有するメンバー端末装置から受信した情報を用いて、前記アピール情報を決定するアピール情報決定手順と、を前記コンピューターに実行させることを特徴とする、プログラム。
【請求項11】
仮想空間内業務支援システムによる仮想空間内業務支援方法であって、
表示要求を行うメンバーである表示要求メンバーが有するメンバー端末装置に対し、表示対象のメンバーである表示対象メンバーを表現する表示対象アバターと、他のメンバーへのアピール情報とを含む仮想空間を表示させる仮想空間制御手順と、
前記表示対象メンバーの有するメンバー端末装置から受信した情報を用いて、前記アピール情報を決定するアピール情報決定手順と、を備えることを特徴とする、仮想空間内業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間内業務支援システム、プログラム、及び仮想空間内業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間内に、ユーザーを表現するアバターを配置し、アバター同士でコミュニケーションを行う技術が発展している。アバターは、ユーザーの化身として仮想空間内を行動する。従業員を仮想空間に出勤させて管理を行うなど、業務における仮想空間の活用が期待されている。
【0003】
特許文献1には、仮想空間のアバターをクライアント端末から操作する各ユーザの状況を管理する仮想空間管理システムが開示されている。同文献の段落[0079]には、「情報提供部24は、ログインしたユーザに設定されている関心情報フィルタT1(図9で後述)を参照し(S33)、そのユーザが他ユーザについて関心を持つと設定された情報(ユーザ状況情報)を、他アバターの周囲に表示させる(S34)。」と記載されている。また、段落[0087]には、「同一フロア内の他アバターについては、例えば、「1.業務状態」と「5.カレンダー状態」を表示させる。同一グループ内の他アバターについては、例えば、「1.業務状態」、「3.オンライン状態」、「4.フロア状態」、「6.コミュニケーション状態」を表示させる。同一サブグループ内の他アバターについては、例えば、「1.業務状態」、「2.ユーザ状態(クライアント端末前のユーザの状態)」、「3.オンライン状態」、「4.フロア状態」、「5.カレンダー状態」、「6.コミュニケーション状態」を表示させる。ユーザの指定した他ユーザのアバターについては、例えば、「1.業務状態」、「5.カレンダー状態」、「6.コミュニケーション状態」を表示させる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-181260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
仮想空間にオフィスを構築して業務支援を行う場合、オフィスのメンバーが直接顔を合わせる機会が減り、メンバー同士の交流が不足する可能性がある。一方で、業務を行う際にメンバー内から人材を募り、適切な業務を配分する状況等において、仮想空間で人材を把握するための技術が望まれる。特許文献1に開示された技術は、仮想空間において人材を把握することを想定していない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、仮想空間において人材の把握を促進する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る仮想空間内業務支援システムは、表示要求を行うメンバーである表示要求メンバーが有するメンバー端末装置に対し、表示対象のメンバーである表示対象メンバーを表現する表示対象アバターと、前記表示対象メンバーの他のメンバーへのアピール情報とを含む仮想空間を表示させる仮想空間制御部と、前記表示対象メンバーの有するメンバー端末装置から受信した情報を用いて、前記アピール情報を決定するアピール情報決定部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
前記仮想空間内業務支援システムは、前記メンバー端末装置から、自身が前記表示要求メンバーである場合の前記表示対象アバターの前記アピール情報の表示可不可の設定と、自身が前記表示対象メンバーである場合の前記表示要求メンバーへの前記アピール情報の表示可不可の設定と、を行う表示設定部を備えることを特徴としてもよい。
【0010】
前記仮想空間内業務支援システムは、前記メンバーごとに属性情報を登録する属性登録部を備え、前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーから仮想空間の表示要求を受け付けると、前記表示対象アバターを決定し、前記アピール情報決定部は、前記表示要求メンバーの属性情報と、前記表示対象メンバーの属性情報との関係に基づいて、前記表示対象アバターの前記アピール情報を決定することを特徴としてもよい。
【0011】
前記アピール情報決定部は、前記表示要求メンバーの前記属性情報のうち、所定の項目の前記属性情報と関連のある、前記表示対象メンバーの属性情報を、前記表示対象アバターの前記アピール情報に決定することを特徴としてもよい。
【0012】
前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーの前記メンバー端末装置に対し、前記表示対象メンバーの前記メンバー端末装置に表示される、当該表示要求メンバーの前記アピール情報を表示させることを特徴としてもよい。
【0013】
前記表示設定部は、所定の役割の前記表示要求メンバーへ前記アピール情報の表示を許可する設定を行い、前記仮想空間制御部は、前記設定に応じて、前記所定の役割の前記表示要求メンバーに対し、許可された前記アピール情報を表示し、前記所定の役割を有さない前記表示要求メンバーに対し、前記アピール情報の表示を抑制することを特徴としてもよい。
【0014】
前記アピール情報決定部は、メンバー端末装置に対して入力された入力アピール情報を前記アピール情報に決定し、前記属性登録部は、前記メンバーの興味を示す興味情報を前記属性情報として登録し、前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーの前記興味情報と関連のある前記アピール情報を表示することを特徴としてもよい。
【0015】
前記仮想空間内業務支援システムは、前記表示要求メンバーからの検索要求に応じて前記アピール情報を検索し、検索結果に該当する前記表示対象メンバーを出力する検索部と、前記検索結果として出力した前記表示対象メンバーの前記メンバー端末装置に対し、検索を行った前記表示要求メンバーを表示させる検索対象通知部と、を備え、前記検索対象通知部は、前記表示要求メンバーの設定に応じて、前記表示対象メンバーに対する当該表示要求メンバーの表示を抑制することを特徴としてもよい。
【0016】
前記仮想空間制御部は、前記表示要求メンバーのメンバー端末装置からの通信要求に応じて、前記表示対象メンバーのメンバー端末装置との仮想空間内での通信を仲介することを特徴としてもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピューターの処理部に仮想空間内業務支援方法を実行させるプログラムであって、表示要求を行うメンバーである表示要求メンバーが有するメンバー端末装置に対し、表示対象のメンバーである表示対象メンバーを表現する表示対象アバターと、他のメンバーへのアピール情報とを含む仮想空間を表示させる仮想空間制御手順と、前記表示対象メンバーの有するメンバー端末装置から受信した情報を用いて、前記アピール情報を決定するアピール情報決定手順と、を前記コンピューターに実行させることを特徴とする。
【0018】
また、上記課題を解決するため、本発明の他の態様に係る仮想空間内業務支援方法は、仮想空間内業務支援システムによる仮想空間内業務支援方法であって、表示要求を行うメンバーである表示要求メンバーが有するメンバー端末装置に対し、表示対象のメンバーである表示対象メンバーを表現する表示対象アバターと、他のメンバーへのアピール情報とを含む仮想空間を表示させる仮想空間制御手順と、前記表示対象メンバーの有するメンバー端末装置から受信した情報を用いて、前記アピール情報を決定するアピール情報決定手順と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、仮想空間において人材の把握を促進する技術を提供することができる。
【0020】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態の仮想空間内業務支援サービスの概要の一例を示す図である。
図2】属性情報のデータ構造の一例を示す図である。
図3】仮想空間管理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第1のアピール表示処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第2のアピール表示処理の一例を示すフローチャートである。
図6】仮想空間表示画面の一例を示す図(その1)である。
図7】仮想空間表示画面の一例を示す図(その2)である。
図8】検索処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の例を説明する。図1は、仮想空間内業務支援システム1の機能ブロックの一例を示す図である。仮想空間内業務支援システム1は、いわゆるバーチャルオフィスとして機能する仮想空間を構築する。仮想空間は、複数のメンバーが参加し前記メンバーの間で情報の交換を行うために使用される。
【0023】
仮想空間には、メンバーの各々を表現するアバターが配置される。以下、仮想空間の表示要求を行うメンバーを表示要求メンバー、表示要求メンバーの有するメンバー端末装置に表示される仮想空間に配置されるアバターを表示対象アバターと記載し、表示対象アバターにより表現されるメンバーを表示対象メンバーと記載する。例えば、あなたが仮想空間に参加している状況では、あなたは、仮想空間内を見る側のメンバーであり、仮想空間の表示を要求する側であるので、表示要求メンバーである。仮想空間内で、あなたに見られるメンバーは、表示対象メンバーである。
【0024】
仮想空間内業務支援システム1は、仮想空間管理装置10と、複数のメンバー端末装置20と、がネットワークNを介して通信可能に接続される。仮想空間管理装置10は、仮想空間内業務支援システム1を提供する事業者等により管理される情報処理装置であって、例えばサーバーコンピューター、又はPC(Personal Computer)等である。
【0025】
仮想空間管理装置10は、処理部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150とを備える。処理部110は、仮想空間管理装置10の全体を統括的に制御する。記憶部120は、処理部110の処理に必要な情報を記憶する。入力部130は、後述する入力IF14を介して接続された入力装置から、仮想空間管理装置10への情報の入力を受け付ける。出力部140は、後述する出力IF15を介して接続された出力装置から、仮想空間管理装置10に記憶された情報の出力を行う。通信部150は、ネットワークNを介して通信可能に接続された他の情報処理装置との間の情報の送受信を制御する。
【0026】
処理部110は、仮想空間制御部111と、アピール情報決定部112と、表示設定部113と、属性登録部114と、検索部115と、検索対象通知部116とを備える。仮想空間制御部111は、各メンバー端末装置20が仮想的に入室することのできる仮想空間を制御する。仮想空間制御部111は、表示要求メンバーの有するメンバー端末装置20から、仮想空間の表示要求を受け付けると、表示対象アバターを決定する。仮想空間制御部111は、決定した表示対象アバターを配置した仮想空間を、表示要求メンバーのメンバー端末装置20に表示させる。仮想空間制御部111は、アピール情報を表示対象アバターに関連付けて仮想空間に表示させる。
【0027】
アピール情報とは、表示対象メンバーが他のメンバーにアピールしたい情報である。アピール情報には、例えば他のメンバーへの宣伝や主張、訴えたい情報等が含まれる。
【0028】
また、仮想空間制御部111は、表示要求メンバーのメンバー端末装置20からの通信要求に応じて、表示対象メンバーのメンバー端末装置20との仮想空間内での通信を仲介する。例えば、仮想空間制御部111は、メンバー端末装置20が通信相手の表示対象アバターを選択する入力操作を受け付けると、表示要求メンバーと表示対象メンバーとのチャット通信を仲介する。
【0029】
アピール情報決定部112は、表示対象メンバーの有するメンバー端末装置20から受信した情報を用いて、表示要求メンバーのメンバー端末装置20に表示させるアピール情報を決定する。例えば、アピール情報決定部112は、各メンバーが入力した入力アピールを用いて生成されたアピール情報を、メンバー端末装置20に表示させるアピール情報に決定する。また、アピール情報決定部112は、表示対象メンバーの属性情報を用いて生成したアピール情報を、メンバー端末装置20に表示させるアピール情報に決定する。その場合、アピール情報決定部112は、表示要求メンバーの属性情報と、表示対象メンバーの属性情報との関係に基づいて、表示対象アバターのアピール情報を決定する。
【0030】
表示設定部113は、メンバー端末装置20への入力操作に基づいて、自身が表示要求メンバーである場合の表示対象アバターのアピール情報の表示可不可を設定する。また、表示設定部113は、メンバー端末装置20への入力操作に基づいて、自身が表示対象メンバーである場合の表示要求メンバーへのアピール情報の表示可不可を設定する。
【0031】
属性登録部114は、メンバーごとに属性情報を記憶部120に登録する。属性情報は、所定の項目に対するメンバーの情報である、例えば属性登録部114は、メンバーの興味を示す興味情報を属性情報として登録する。
【0032】
検索部115は、表示要求メンバーからの検索要求に応じて、表示対象アバターのアピール情報を検索し、検索結果に該当する表示対象アバターとアピール情報とを出力する。検索対象通知部116は、検索結果として出力した表示対象メンバーのメンバー端末装置20に対し、検索を行った表示要求メンバーを通知し、当該表示要求メンバーのメンバー端末装置20に検索結果として出力されたことを示す情報を表示させる。
【0033】
記憶部120は、表示設定情報121と、属性情報122と、検索履歴情報123とを記憶している。表示設定情報121は、メンバーごとに、自身が表示要求メンバーである場合の表示対象アバターのアピール情報の表示可不可を示す情報と、自身が表示対象メンバーである場合の表示要求メンバーへのアピール情報の表示可不可を示す情報と、を含む。また、表示設定情報121は、メンバーごとに、自身が表示対象メンバーである場合に、所定の役割の表示要求メンバーにのみアピール情報の表示を許可することを示す情報を含む。属性情報122は、所定の項目に対するメンバーの情報である。
【0034】
検索履歴情報123は、表示要求メンバーが有するメンバー端末装置20が実行した検索処理の履歴を示す情報である。検索履歴情報123は、検索を行った表示要求メンバーと、検索結果として出力された表示対象メンバー、及び当該表示対象メンバーのアピール情報とを検索履歴として含んでいる。
【0035】
メンバー端末装置20は、例えばPC又はスマートフォン等の情報処理装置であって、表示要求メンバー及び表示対象メンバーにより操作される。メンバー端末装置20は、処理部210と、記憶部220と、入力部230と、出力部240と、通信部250とを備える。処理部210は、メンバー端末装置20の全体を統括的に制御する。記憶部220は、処理部210の処理に必要な情報を記憶する。入力部230は、入力IFを介して接続された入力装置から、メンバー端末装置20への情報の入力を受け付ける。出力部240は、出力IFを介して接続された出力装置から、メンバー端末装置20に記憶された情報の出力を行う。通信部250は、ネットワークNを介して通信可能に接続された他の情報処理装置との間の情報の送受信を制御する。
【0036】
なお、処理部210は、予めメンバー端末装置20にインストールされたソフトウェアを用いて、仮想空間管理装置10により管理される仮想空間に参加する。処理部210は、ブラウザプログラムにより仮想空間に参加してもよい。
【0037】
処理部210は、登録要求部211と、操作検出部212とを備える。登録要求部211は、仮想空間管理装置10に対し、属性情報122や表示設定情報121の登録要求を送信する。操作検出部212は、メンバーによる入力操作を検知する。
【0038】
図2は、属性情報122のデータ構造の一例を示す図である。属性情報122は、メンバーを特定するメンバーIDごとに、名前と、所属と、役割と、職種と、資格と、特技と、興味と、検索履歴表示可否と、入力アピール情報と、の項目に対して登録される情報である。なお、属性情報122の項目は本例に限定されない。なお、役割は、役職等であってもよい。入力アピール情報は、メンバーにより入力された文字列により構成される。即ち、入力アピール情報は、メンバー端末装置20に対して入力されたアピール情報である。
【0039】
図3は、仮想空間管理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。仮想空間管理装置10は、演算装置11と、メモリ12と、外部記憶装置13と、入力IF(Interface)14と、出力IF15と、通信IF16とを備え、各構成要素はバスにより接続されている。
【0040】
演算装置11はCPU(Central Processing Unit)等の演算装置であり、メモリ12又は外部記憶装置13に記録されたプログラムに従って処理を実行する仮想空間管理装置10では、メモリ12又は外部記憶装置13上に読み出されたプログラムに従って動作する演算装置11により処理が行われる。処理部110は、演算装置11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
【0041】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。外部記憶装置13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、CD-R(Compact Disc- Recordable)、DVD-RAM(Digital Versatile Disk-Random Access Memory)等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。記憶部120は、メモリ12又は外部記憶装置13によりその機能が実現される。なお、記憶部120は、通信IF16を介して接続される記憶装置によってその機能が実現されてもよい。
【0042】
入力IF14は、操作者からの入力操作を受け付けるためのインターフェイスであり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイク等の入力装置が接続される。出力IF15は、仮想空間管理装置10に内蔵されたOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等の出力装置に対して情報を出力するためのインターフェイスである。
【0043】
通信IF16は、仮想空間管理装置10をネットワークNに接続するためのインターフェイスであって、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信デバイスが接続される。なお、仮想空間管理装置10は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬性のメディアから情報を入出力する図示しない記憶媒体駆動装置を有していてもよい。
【0044】
なお、仮想空間管理装置10の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、仮想空間管理装置10の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0045】
メンバー端末装置20のハードウェア構成は、仮想空間管理装置10と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
本実施形態における仮想空間管理装置10は、メンバーにより入力された入力アピール情報を表示させる、<第1のアピール表示処理>か、又は属性情報122を用いて決定されるアピール情報を表示させる、<第2のアピール表示処理>を実行する。例えば仮想空間管理装置10の記憶部120には、各メンバーが、表示要求メンバーである場合にいずれのアピール表示処理を実行するかが予め登録されている。
【0047】
<第1のアピール表示処理>
図4は、第1のアピール表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、仮想空間制御部111は、表示要求メンバー(すなわち、見る側のメンバー)から、仮想空間の表示要求を受け付ける(ステップS11)。具体的には、仮想空間制御部111は、第1のアピール表示処理を行うこととして登録されたメンバー端末装置20から、仮想空間の表示要求を示す情報を受信する。なお、仮想空間制御部111は、表示要求を送信したメンバー端末装置20を有するメンバーが、表示要求メンバーであるとして、以下の処理を実行する。
【0049】
次に、仮想空間制御部111は、表示領域に配置される表示対象アバターを抽出する(ステップS12)。具体的には、仮想空間制御部111は、表示要求メンバーのアバターが配置される領域を表示領域に決定する。仮想空間制御部111は、表示領域に配置される1又は複数の表示対象アバターを抽出する。なお、仮想空間には、表示要求メンバーのアバターが配置されてもよいし、配置されなくてもよいが、以下に示す例では、便宜上、「表示対象アバター」の用語は、表示要求アバターを含まない。
【0050】
次に、アピール情報決定部112は、表示要求メンバーの、アピール情報表示設定が表示可である場合、表示対象メンバーの入力アピール情報をアピール情報に決定する(ステップS13)。具体的には、アピール情報決定部112は、表示設定情報121を参照し、ステップS11で表示要求を受け付けた表示要求メンバーのアピール情報の表示の可不可を特定する。アピール情報決定部112は、表示が可である場合、表示対象メンバーの各々の属性情報122のレコードのうち、入力アピール情報の項目の属性情報をアピール情報に決定する。なお、表示が不可である場合、アピール情報決定部112は、本フローチャートの処理を終了する。
【0051】
次に、仮想空間制御部111は、表示対象メンバーが表示可である場合、表示対象アバターにアピール情報を関連付けて表示させる(ステップS14)。具体的には、仮想空間制御部111は、ステップS12で抽出した表示対象アバターに係る表示対象メンバーの各々の表示設定情報121を参照し、各々が表示可であるか否かを判定する。仮想空間制御部111は、表示可である表示対象メンバーの各々について、表示対象アバターに対し、ステップS13で決定したアピール情報を関連付けて表示させる。
【0052】
なお、仮想空間制御部111は、表示対象メンバーの表示設定情報121に、所定の役割の表示要求メンバーにのみアピール情報の表示を許可することを示す情報が含まれる場合、表示要求メンバーが当該役割を有するか否かを、表示要求メンバーの属性情報122のレコードを参照して判定する。仮想空間制御部111は、表示要求メンバーが所定の役割を有する場合に表示対象アバターのアピール情報を表示させ、所定の役割を有さない場合に表示対象アバターのアピール情報の表示を抑制する。
【0053】
次に、仮想空間制御部111は、表示対象メンバーに、表示要求メンバーのアバターが表示されている場合、表示されているアピール情報を抽出する(ステップS15)。具体的には、仮想空間制御部111は、ステップS12で抽出した表示対象アバターに係るメンバー端末装置20の各々に、表示要求アバターが表示されているか否かを判定する。仮想空間制御部111は、各々のメンバー端末装置20に表示されている、表示要求アバターのアピール情報を抽出する。
【0054】
次に、仮想空間制御部111は、抽出したアピール情報を、提示アピール表示領域312に表示させる(ステップS16)。具体的には、仮想空間制御部は、表示要求メンバーのメンバー端末装置20に対し、表示対象メンバーのメンバー端末装置20に表示される、表示要求メンバーのアピール情報を表示させる。提示アピール表示領域312については後述する。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0055】
図6は、仮想空間表示画面300の一例を示す図(その1)である。仮想空間表示画面300は、仮想空間表示領域311と、提示アピール表示領域312とを含む。仮想空間表示領域311は、表示要求メンバーの表示要求に応じて、仮想空間制御部111の制御により表示される仮想空間を示している。仮想空間表示領域311は、アバター301と、アピール情報302とを含む。アピール情報302は、アバター301の近傍に表示するなど、アバター301と関連付けて表示され、アバター301の移動に伴い移動する。なお、アピール情報は、例えばプラカードのように、表示対象アバターが把持する棒の先に、アピール情報が記載された板が接続する態様で表示されてもよい。
【0056】
図6に示す仮想空間表示領域311には、アバター301A・301B・301C・301Dが表示されている。表示要求メンバーを「メンバーA」として説明すると、アバター301Aは、「メンバーA」のアバターである。即ち、図6に示す仮想空間表示領域311は、三人称視点によって仮想空間が表現され、表示要求メンバーのアバターであるアバター301Aを含む。しかしながら、仮想空間表示領域311は、一人称視点によって仮想空間が表現され、アバター301Aを含まなくてもよい。また、図6に示す仮想空間表示領域311は、アピール情報302B・302C・302Dを含む。なお、仮想空間表示領域311には、表示要求メンバーのアピール情報が表示されてもよい。
【0057】
提示アピール表示領域312は、仮想空間表示領域311に表示される表示対象アバターごとに、表示対象メンバーのメンバー端末装置20に表示される、表示要求メンバーのアピール情報を表示する領域である。即ち、仮想空間表示領域311に表示されている各表示対象メンバー(見られる人)に対して開示している、表示要求メンバー(見る人)のアピール情報が表示される。
【0058】
図6の例によると、「メンバーB」のメンバー端末装置20に表示されている仮想空間には、「メンバーA」のアバターとともに、「資格:基本情報技術者」というアピール情報が表示されている。同様に、「メンバーC」のメンバー端末装置20に表示されている仮想空間には、「メンバーA」のアバターとともに、「マンチカンを飼っています」というアピール情報が表示され、「メンバーD」のメンバー端末装置20に表示されている仮想空間には、「メンバーA」のアバターとともに、「特技:β言語を取得」というアピール情報が表示されている。従って、表示対象アバター301B・301C・301Dにより表現される各表示対象メンバーに対して表示されている、表示要求メンバーのアピール情報は、各々異なっている。
【0059】
以上、本実施形態によれば、メンバーが他のメンバーにアピールしたい情報を仮想空間に表示することができる。また、所定の役割を有するメンバーにアピール情報を表示することで、所望の業務に携わる機会を得るよう働きかけることができる。また、表示要求メンバーが仮想空間を参照することで、容易に人材を把握することができる。
【0060】
<第1のアピール表示処理:変形例>
第1のアピール表示処理では、メンバーにより入力された入力アピール情報を表示する。第1のアピール表示処理の変形例では、表示要求メンバーの興味のあるアピール情報を表示する。以下、上述の実施形態と異なる点を説明する。
【0061】
図4のステップS11において、仮想空間制御部111は、表示要求メンバーのメンバー端末装置20から仮想空間の表示要求を受け付けると、アピール情報決定部112は表示要求メンバーの属性情報122のレコードを参照する。アピール情報決定部112は、当該レコードの「興味」の項目に対応する興味情報を特定する。その後、ステップS13において、アピール情報決定部112は、ステップS12で抽出した表示対象アバターの属性情報122に含まれる入力アピール情報が、特定した興味情報と関連があるか否かを判定する。アピール情報決定部112は、興味情報と関連があると判定する場合に、入力アピール情報を、表示対象アバターのアピール情報として決定する。
【0062】
なお、アピール情報決定部112が、興味情報と関連のあるアピール情報を決定する手法は限定されない。例えば、アピール情報決定部112は、興味情報に含まれる用語が入力アピール情報に含まれる場合に、入力アピール情報が興味情報と関連があると判定する。また例えば、アピール情報決定部112は、関連語を記録した図示しない関連語辞書情報を用いて、興味情報と入力アピール情報とが関連するか否かを判定してもよい。
【0063】
図6に示す例において、例えば「メンバーC」の興味情報に「猫」の用語が含まれる場合、アピール情報決定部112は、「メンバーA」の入力アピール情報である「マンチカンを飼っています」の文字列が、「メンバーC」の興味情報と関連があるか否かを判定する。アピール情報決定部112は、関連語辞書情報を用いて、「メンバーA」の入力アピール情報が、「メンバーC」の興味情報と関連があると判定する。
【0064】
即ち、「メンバーC」のメンバー端末装置20から仮想空間の表示要求を受け付けた仮想空間管理装置10は、「メンバーC」のメンバー端末装置20に対し、「メンバーA」の表示対象アバターに、「マンチカンを飼っています」のアピール情報を表示させた仮想空間を表示させる。その結果、図6に示すように、「メンバーA」のメンバー端末装置20に表示される仮想空間の提示アピール表示領域312には、「メンバーC」に対し、「メンバーA」のアピール情報として、「マンチカンを飼っています」の文字列が表示される。
【0065】
以上、本変形例によれば、表示要求メンバーの仮想空間には、興味のあるアピール情報が表示される。これにより、表示要求メンバーの興味のあるアピール情報を提示している表示対象アバターを容易に認識することができる。また、アピール情報を参考に表示対象アバターに手軽に話しかけることが可能となり、コミュニケーションの活発化を促進することができる。
【0066】
<第2のアピール表示処理>
図5は、第2のアピール表示処理の一例を示すフローチャートである。ステップS21及びステップS22において実行される処理は、図4のステップS11及びステップS12で実行される処理と同様であるため、説明を省略する。なお、ステップS21において、仮想空間制御部111は、第2のアピール表示処理を行うこととして登録されたメンバー端末装置20から、仮想空間の表示要求を示す情報を受信する。
【0067】
次に、アピール情報決定部112は、表示要求メンバーの、アピール情報表示設定が表示可である場合、表示対象メンバーの属性情報122のうち、第1の項目の属性情報である第1属性情報を選択する(ステップS23)。具体的には、アピール情報決定部112は、表示設定情報121を参照し、ステップS21で表示要求を受け付けた表示要求メンバーのアピール情報の表示の可不可を特定する。アピール情報決定部112は、表示が可である場合、表示要求メンバーの属性情報122のレコードのうち、所定の項目である第1の項目の属性情報である第1属性情報を選択する。
【0068】
例えばアピール情報決定部112は、表示要求メンバーの属性情報122のレコードのうち、「職種」の項目に対応する属性情報を、第1属性情報として選択する。付言すれば、第1の項目は、表示要求メンバーに対して予め設定されており、表示要求メンバーごとに異なっていてもよい。なお、表示が不可である場合、アピール情報決定部112は、本フローチャートの処理を終了する。
【0069】
次に、アピール情報決定部112は、表示対象メンバーごとに、表示対象メンバーの属性情報122のレコードのうち、第2の項目の属性情報である第2属性情報を抽出する(ステップS24)。具体的には、アピール情報決定部112は、ステップS22で抽出した表示対象アバターの各々について、所定の項目である第2の項目の属性情報である第2属性情報を抽出する。例えばアピール情報決定部112は、表示対象アバターの各々について、「資格」の項目に対応する属性情報を、第2属性情報として抽出する。付言すれば、第2の項目についても、表示要求メンバーに対して予め設定されている。
【0070】
次に、アピール情報決定部は、第1属性情報と関連のある第2属性情報をアピール情報に決定する(ステップS25)。具体的には、アピール情報決定部112は、ステップS24で抽出した第2属性情報の各々について、ステップS23で選択した第1属性情報と関連があるか否かを判定する。アピール情報決定部112は、第1属性情報と関連のある第2属性情報の各々を、表示対象アバターの各々のアピール情報に決定する。
【0071】
なお、アピール情報決定部112が、属性情報が互いに関連があるか否かを決定する手法は限定されない。例えば、アピール情報決定部112は、第1属性情報に含まれる用語の各々について、関連する第2属性情報の用語を対応させた属性対応テーブルを参照することにより、属性情報が互いに関連するか否かを判定してもよい。例えば、第1の項目が「職種」である場合、アピール情報決定部112は、表示要求アバターの第1属性情報として、「システムエンジニア」を属性情報122より選択する。アピール情報決定部112は、表示対象アバターの属性情報122のレコードのうち、第2の項目である「資格」に対応する属性情報を抽出する。アピール情報決定部112は、抽出した属性情報のうち、「システムエンジニア」と関連する属性情報を、アピール情報に決定する。
【0072】
なお、第2の項目は複数であってもよい。例えばアピール情報決定部112は、第2の項目である「資格」を示す属性情報を抽出すると共に、第2の項目として、「入力アピール情報」を示す属性情報を抽出してもよい。例えばアピール情報決定部112は、ステップS22で抽出した表示対象アバターのうちの一人が、第1属性情報と関連のある複数項目の属性情報を有している場合、各々の属性情報を第2属性情報としてアピール情報に表示してもよい。また、アピール情報決定部112は、複数項目のアピール情報のうち、予め定めた優先度により、1つのアピール情報を決定してもよい。
【0073】
ステップS26からステップS28において実行される処理は、図4のステップS14からステップS16において実行される処理と同様であるため、説明を省略する。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0074】
図7は、仮想空間表示画面300の一例を示す図(その2)である。図7に示す仮想空間表示領域311に配置された表示対象アバター301Bには、アピール情報302Bとして、「資格:応用情報技術者 ネットワークスペシャリスト」と表示され、表示対象アバター301Cには、アピール情報302Cとして、「特技:α言語を習得」と表示され、表示対象アバター301Dには、アピール情報302Dとして、「A社技術者認定を保有しています Bシステムに詳しいです」と表示されている。
【0075】
本例は、第1属性情報が、「システムエンジニア」である場合に表示される仮想空間表示領域311の一例である。アピール情報決定部112は、表示要求メンバーが予め定めた第1の項目が「職種」であり、第2の項目が「資格」、「特技」及び「入力アピール情報」であると判定する。アピール情報決定部112は、仮想空間表示領域311に配置された表示対象アバターのうち、「資格」、「特技」及び又は「入力アピール情報」の項目の属性情報が、「システムエンジニア」に関連するか否かを判定する。仮想空間制御部111は、「システムエンジニア」に関連する属性情報を、アピール情報として仮想空間表示領域311に表示させている。
【0076】
なお、図6に示す例と同様に、図7に示す提示アピール表示領域312によれば、「メンバーB」のメンバー端末装置20に表示されている仮想空間には、「メンバーA」のアバターとともに、「資格:基本情報技術者」というアピール情報が表示されている。これは、「メンバーB」が、「資格」を第2の項目としており、「メンバーA」の有する「資格」が、「メンバーB」のメンバー端末装置20に、アピール情報として表示されていることを示している。同様に、「メンバーD」のメンバー端末装置20に表示されている仮想空間には、「メンバーD」のアバターとともに、「特技:β言語を習得」というアピール情報が表示されている。これは、「メンバーD」が、「特技」を第2の項目としており、「メンバーA」の有する「特技」が、「メンバーD」のメンバー端末装置20に、アピール情報として表示されていることを示している。
【0077】
以上、本実施形態によれば、表示要求メンバーの所定の項目の属性情報と関連のある属性情報が、表示対象アバターのアピール情報として表示される。これにより、表示要求メンバーは、自身の属性に関連する属性を有する表示対象メンバーのアピール情報を参照できるため、例えば業務を配分する対象を探す場合等に、効率的に対象を特定することができる。従って、本実施形態によれば、仮想空間において人材の把握を促進することができる。
【0078】
また、表示要求メンバーの仮想空間表示画面の提示アピール表示領域312には、他のメンバーのメンバー端末装置20において、自身のアバターに対し、どのようなアピール情報が表示されているかが表示される。従って、他のメンバーのメンバー端末装置20において、自分が意図したアピール情報が他のメンバーに表示されているか否かを確認することができ、利便性が向上する。
【0079】
なお、表示要求メンバーのメンバー端末装置20の操作検出部212は、表示対象アバターを指定した通信要求の入力操作を受け付けると、仮想空間管理装置10に対して通信要求を送信する。仮想空間管理装置10の仮想空間制御部111は、通信要求に応じて、表示要求メンバーのメンバー端末装置20と、表示対象メンバーのメンバー端末装置20との、仮想空間内の通信を仲介する。即ち、本実施形態によれば、アピール情報を参照した表示要求メンバーが、仮想空間内で手軽に表示対象メンバーと通信を行うことができ、業務におけるコミュニケーションを促進することができる。
【0080】
付言すれば、上述の例では、各メンバーが、表示要求メンバーである場合にいずれのアピール表示処理を実行するかが予め登録されており、登録に応じて、仮想空間管理装置10が<第1のアピール表示処理>か、又は<第2のアピール表示処理>かを実行する。しかしながら、仮想空間管理装置10は、<第1のアピール表示処理>及び<第2のアピール表示処理>の両方を実行してもよい。
【0081】
その場合、例えばアピール情報決定部112は、ある表示対象アバターに対し、第1のアピール表示処理及び第2のアピール表示処理の両方でアピール情報を決定した場合には、予め定めた優先度に基づいて、いずれかのアピール情報を決定してもよい。また例えば、アピール情報決定部112は、ある表示対象アバターに対し、第1のアピール表示処理及び第2のアピール表示処理の両方でアピール情報を決定した場合、決定したアピール情報が互いに関連すると判断する場合に限り、いずれかのアピール情報を表示してもよい。アピール情報が互いに関連するか否かの手法は問わず、例えば上述の属性対応テーブルを参照することにより、判定してもよい。
【0082】
<検索処理>
図8は、検索処理の一例を示すフローチャートである。
【0083】
まず、検索部115は、表示要求メンバーから、表示対象メンバーの検索要求を受け付ける(ステップS31)。
【0084】
次に、検索部115は、検索結果を表示する(ステップS32)。具体的には、検索部115は、検索要求に含まれるキーワードを用いて、仮想空間表示領域311に表示されたアピール情報を検索し、該当するアピール情報と、関連する表示対象アバターとを表示する。
【0085】
次に、検索対象通知部116は、検索履歴表示の許可又は不許可の入力指示を受け付け、検索履歴情報123に登録する(ステップS33)。具体的には、検索対象通知部116は、ステップS32で表示した検索結果に含まれる表示対象アバターごとに、表示対象メンバーへの検索履歴の表示を許可するか否かの入力操作を受け付け、検索履歴情報123に登録する。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0086】
なお、検索履歴表示を許可する入力操作を受け付けた場合、検索対象通知部116は、表示対象メンバーに対し、検索を行った表示要求メンバーを示す情報を送信する。即ち、該当の表示対象メンバーは、自身が検索結果として表示要求メンバーのメンバー端末装置20に表示されたことを認識することができる。一方、検索履歴表示を不許可にする入力操作を受け付けた場合、検索対象通知部116は、表示対象メンバーに対し、検索を行った表示要求メンバーを示す情報を送信しない。
【0087】
なお、検索履歴情報123には、検索対象として表示要求メンバーのメンバー端末装置20に表示された、表示対象メンバーのアピール情報が含まれていてもよい。即ち、検索対象として表示された表示対象メンバーは、検索結果として表示されたアピール情報を認識することにより、他のメンバーへのアピールとなる属性情報や入力アピール情報を分析し、コミュニケーションの機会を増加させることができる。
【0088】
以上、本実施形態によれば、表示対象メンバーがアピールしたい情報であるアピール情報が検索対象である。即ち、検索結果に表示された表示対象メンバーは、検索キーワードに関連するコミュニケーションに積極的である可能性が高い。従って、本実施形態によれば、より円滑なコミュニケーションを促進させることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、仮想空間内業務支援システム1が、会社のメンバーのコミュニケーションに使用する仮想空間を提供する例を説明した。しかしながら、仮想空間内業務システムが提供する仮想空間の参加者は、同じ会社のメンバーに限定されない。例えば、地方自治体の職員や住民、自治会等の任意団体やグループ会社のメンバーなど、あらゆる参加者に対して、本実施形態の仮想空間を提供することができる。
【0090】
以上、本発明に係る各実施形態の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0091】
また、上記の仮想空間管理装置10、及びメンバー端末装置20の機能構成は、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。上述に示す通り、仮想空間管理装置10、及びメンバー端末装置20の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【符号の説明】
【0092】
1:仮想空間内業務支援システム、10:仮想空間管理装置、11:演算装置、12:メモリ、13:外部記憶装置、14:入力IF、15:出力IF、16:通信IF、20:メンバー端末装置、110・210:処理部、111:仮想空間制御部、112:アピール情報決定部、113:表示設定部、114:属性登録部、115:検索部、116:検索対象通知部、120・220:記憶部、121:表示設定情報、122:属性情報、123:検索履歴情報、130・230:入力部、140・240:出力部、150・250:通信部、211:登録要求部、212:操作検出部、300:仮想空間表示画面、301・301A・301B・301C・301D:アバター、302A・302B/302C・302D:アピール情報、311:仮想空間表示領域、312:提示アピール表示領域、N:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8