(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176383
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】遊技情報管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241212BHJP
G16Y 10/65 20200101ALI20241212BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20241212BHJP
【FI】
A63F7/02 328
G16Y10/65
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094878
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】内山 義崇
(72)【発明者】
【氏名】雁部 元春
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA09
2C088CA11
2C088CA28
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】新機種の導入以前の段階においても稼動状況を予測できるシステムを提供すること。
【解決手段】複数機種の遊技機2が設置された遊技場向けの遊技情報管理システム1は、新機種の遊技機2が導入される日の前後、所定期間を対象期間として、SNSサイトにおける新機種に関する遊技者の投稿を収集するとともに、投稿の内容が肯定的か否定的かを示す極性を判定し、新機種に関する投稿全体における極性の比率を極性比率として算出して新機種の遊技機2の稼動データとともに表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数機種の遊技機が設置された遊技場の遊技情報管理システムにおいて、
新機種の遊技機が導入される日の前後、所定期間を対象期間として、所定のSNSサイトにおける当該新機種に関する遊技者の投稿を収集する投稿収集手段と、
この投稿収集手段により収集された投稿の内容について、所定の自然言語処理により肯定的か否定的かを示す極性を判定する極性判定手段と、
この極性判定手段による判定結果に基づいて、前記新機種に関する投稿全体における前記極性の比率を極性比率として算出する極性比率算出手段と、
前記新機種の遊技機の稼動状況を示す稼動データを収集する稼動データ収集手段と、
前記極性比率を前記稼動データと一緒に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報管理システム。
【請求項2】
前記極性比率算出手段は、前記対象期間において一定の日数が経過する毎に前記極性比率を算出し、
前記表示手段は、前記極性比率を時系列で並べて表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報管理システム。
【請求項3】
前記極性比率と前記稼動データとを教師データとして機械学習を行い、前記極性判定手段による判定の基準を調整する極性調整手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、遊技場が導入した新機種の稼動状況を予測するシステムが提案されている。このようなシステムによれば、導入した新機種がどの程度の期間にわたって良好な稼動を維持できるのかを予測可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、あくまでも新機種の導入後の実際の稼動データに基づく予測しかできないため、新機種の導入以前の段階では役に立たないという問題がある。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、新機種の導入以前の段階においても稼動状況を予測できるシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技情報管理システムは、複数機種の遊技機が設置された遊技場向けのシステムである。この遊技情報管理システムは、新機種の遊技機が導入される日の前後、所定期間を対象期間として、SNSサイトにおける当該新機種に関する遊技者の投稿を収集し、投稿の内容が肯定的か否定的かを示す極性を判定する。そして、本発明の遊技情報管理システムは、新機種に関する投稿全体における極性の比率を極性比率として算出し、新機種の遊技機の稼動データとともに表示する。
【0007】
本発明の遊技情報管理システムによれば、新機種を導入する以前から稼動を予測できるため、導入台数や導入後の増台あるいは減台の計画を早い段階で行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】遊技情報管理システムの構成を示すシステム図。
【
図2】パチンコ遊技機及びカードユニットの正面図。
【
図3】パチンコ遊技機及びカードユニットの電気的構成を示すブロック図。
【
図4】管理サーバが管理する極性辞書データの説明図。
【
図5】管理サーバが管理する投稿収集データの説明図。
【
図6】管理サーバが管理する投稿数の日毎集計データの説明図。
【
図7】管理サーバが管理する投稿数の期間集計データの説明図。
【
図8】管理サーバが管理する機種別遊技者数及び稼動寿命データの説明図。
【
図9】遊技場管理装置が管理する遊技機別データの説明図。
【
図10】遊技場管理装置が管理する機種別データの説明図。
【
図11】遊技場管理装置が表示する期間推移データの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、複数機種の遊技機2が設置された遊技場向けの遊技情報管理システム1に関する例である。この遊技情報管理システム1は、新機種を導入する際の遊技場側の判断を支援する情報を提供可能である。この内容について、
図1~
図11を用いて説明する。
【0010】
本例の遊技情報管理システム1(
図1)は、遊技機2が設置される遊技場の場内システム10S、及び場外の管理サーバ11を含めて構成されている。場内システム10S及び管理サーバ11は、インターネットなどの公衆通信回線に接続され、相互に通信可能である。インターネット上では、Twitter(登録商標)などの短文投稿サイトや、パチンコ関連の掲示板サイト、などのSNSサイト13が公開されている。
【0011】
管理サーバ11は、遊技情報提供サイトの運営会社や遊技機メーカ等が管理する外部サーバである。管理サーバ11は、遊技情報の集計データや機種評価情報などを各遊技場にフィードバックする機能を有している。管理サーバ11は、各遊技場から遊技データを収集し各種の集計データを作成する。さらに本例の管理サーバ11は、ソーシャルリスニングによる機種評価情報を作成可能である。
【0012】
各遊技場では、パチンコ遊技機21やパチスロ遊技機(図示略)等の遊技機2に対して、遊技に必要な遊技価値を付与するカードユニット(得点処理装置)4および遊技情報表示装置105等が個別に設置されている。さらに、2台の遊技機2毎に、中継装置109が1台ずつ設置されている。遊技場内の管理スペースには、遊技場内の各種機器を管理するための遊技場管理装置10が設置されている。遊技場内の図示しない景品交換カウンタには、遊技者が獲得した遊技価値を景品に交換する図示しない景品交換端末等が設置されている。
【0013】
遊技場管理装置10、中継装置109、景品交換端末、等の遊技場機器は、場内ネットワーク100に通信可能に接続されている。カードユニット4及び遊技情報表示装置105は、中継装置109と通信可能に接続されている。さらに、遊技機2は、専用線でカードユニット4と通信可能に接続されている。
【0014】
場内ネットワーク100では、遊技情報表示装置105等の周辺装置を含めた遊技機2側と、遊技場管理装置10と、の間の各種の通信が中継装置109を介して実現されている。各遊技場では、場内ネットワーク100を利用して場内システム10Sが構築されている。
【0015】
遊技場管理装置10は、場内ネットワーク100に接続されているのに加えて、公衆通信回線であるインターネットにも接続されている。遊技情報管理システム1では、インターネットに接続された遊技場管理装置10を介して、場内システム10Sと場外の管理サーバ11とが通信可能な状態で接続されている。
【0016】
遊技場管理装置10は、遊技場内に設置される全ての機器(遊技機2、カードユニット4、遊技情報表示装置105など)の稼動状況を管理する。遊技場管理装置10は、各遊技機2から収集した遊技情報を集計して各種の遊技データを算出・表示するとともに、その遊技データを管理サーバ11へ送信する。また、遊技場管理装置10は、管理サーバ11から受信した遊技場の集計データを表示可能である。
【0017】
中継装置109は、対応する遊技機2、カードユニット4、遊技情報表示装置105、及び遊技場管理装置10間の通信を仲介する通信装置である。この中継装置109は、上記のごとく、遊技機2台に対して1台の割合で設置されている。
【0018】
カードユニット(得点処理装置)4は、1台の遊技機2に対して1台設置され、遊技に必要な得点の付与処理や、得点を記録したカードの発行処理等、得点に関する処理を実行する装置である。カードユニット4は、さらに、遊技機2から各種の遊技情報を受信し、中継装置109経由で遊技場管理装置10、遊技情報表示装置105へ送信する機能を備えている。なお、本例の説明では、計数済みの得点を「持点」、遊技に使用可能な状態にある得点を「遊技点」と称する。
【0019】
遊技情報表示装置105は、1台の遊技機2に対して1台設置され、対応する遊技機2の遊技に関する各種の情報を表示する装置である。遊技情報表示装置105は、遊技機2が出力する各種の遊技情報を、カードユニット4及び中継装置109経由で受信する。遊技情報表示装置105は、受信した各種の遊技情報に基づいて各種の表示用情報を作成し表示する。遊技情報表示装置105は、例えば、対応する遊技機2の上方に設置されている。
【0020】
遊技場では、例えば、100~500種類程度の複数機種の遊技機2が、300~1500台程度設置される。各遊技機2は、付与されるか獲得した遊技点を使用して遊技でき、遊技の実行に応じて各種の遊技情報を中継装置109へ送信する。詳しくは後で説明するが、遊技機2は、機種によって異なる様々な情報を出力する。
【0021】
次に、(A)遊技機及びカードユニットの構成及び基本動作、(B)管理サーバの構成及び管理データ、(C)遊技場管理装置の構成及び管理データ、(D)遊技場管理装置による表示データ、について順番に説明する。
【0022】
(A)遊技機及びカードユニットの構成及び基本動作
遊技機2の一例であるパチンコ遊技機21(
図2)は、遊技価値である遊技点(得点)を消費(使用)して遊技媒体である遊技球を発射して遊技される遊技機である。例示するパチンコ遊技機21は、特図始動口221への入賞に応じて大当たり抽選を実行し、大当たりに当選したときに大当たり図柄を表示させて大当たり状態を発生させる、いわゆるセブン機である。
【0023】
パチンコ遊技機21は、
図2に示すように、略円形状の遊技領域(遊技盤)210を有している。遊技領域210の上部、左右両側には装飾ランプ部242が設けられ、遊技領域210の下部、左側にはスピーカ241が配置されている。また、遊技領域210の下側には、情報表示部25が配設され、情報表示部25の右下には、操作ハンドル26が設けられている。
【0024】
情報表示部25は、液晶ディスプレイにより構成され、その表示画面には、大当たり回数や特図抽選回数など遊技に関する各種の遊技情報等、各種の情報が表示される。情報表示部25の表示画面は、シート状のタッチパネル251(
図3)が積層されタッチ操作が可能な表示画面となっている。表示画面へのタッチ操作に応じて、情報表示部25による表示内容を切替可能である。
【0025】
情報表示部25の表示画面には、カードユニット4から受信した遊技点や、入賞に応じて付与された得点に基づく遊技点、などの累計の遊技点数が表示される。遊技点数は、遊技球を1個発射する毎に1点ずつ減算される一方、入賞口への遊技球の入賞に応じて所定の遊技点(得点)が加算される。パチンコ遊技機21では、この遊技点数がゼロになると遊技球を発射できなくなる。
【0026】
遊技領域210は、遊技媒体である遊技球が流下する領域である。遊技領域210では、液晶表示部24を含む表示装置が中心近くに配置され、入賞することなく流下した遊技球を回収するためのアウト孔225が最下部に設けられている。特図始動口221は、液晶表示部24の下側に配置され、特図始動口221とアウト孔225の中間には、大入賞口222が設けられている。
【0027】
遊技者側から向かって液晶表示部24の左側には通過ゲート式の普図始動口223等が配置されている。普図始動口223は、遊技球の通過を検知するためのゲートである。遊技球を通過させるのみの普図始動口223には、遊技点の加算が設定されていない。普図始動口223により遊技球が検知されると、普通図柄の当否判定(以下、普図抽選という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図抽選が実行される。普図抽選の当否は、液晶表示部24によって表示される。
【0028】
特図始動口221は、電動チューリップ(電動役物)を備え、特別図柄の当否判定(以下、特図抽選という。)の契機となる可変入賞口である。電動チューリップは、普図抽選での当選を契機として開放し、特図始動口221の入賞率を格段に高くする。特図始動口221に遊技球が入賞(始動入賞)すると、特図抽選用の抽選用乱数が抽出され、特図抽選(大当たり抽選)が実行されるとともに所定数(例えば3点)の遊技点が加算される。
【0029】
液晶表示部24は、液晶ディスプレイにより図柄を変動表示する表示部である。液晶表示部24は、特図抽選の当否(抽選結果)を図柄によって表示する特図表示部としての機能と、普図抽選の当否(抽選結果)を表示する普図表示部としての機能と、を有している。特図抽選にて当選すると、特図表示部としての液晶表示部24によって当選が報知され、続いて大入賞口222の開放を含む大当たりが発生する。大入賞口222に入賞すると所定数(例えば15点)の遊技点が加算される。
【0030】
パチンコ遊技機21は、
図3のごとく主制御部20を中心として構成されている。主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、記憶素子であるROM(Read Only Memory)202・RAM(Random Access Memory)204、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)205等を備えている。
【0031】
RAM204の記憶領域には、発射可能な遊技球の球数を表す遊技点や、遊技者が獲得した遊技価値の現在値である遊技点数等の記憶エリアが設けられている。RAM204を含む主制御部20は、遊技価値記憶手段としての機能等を備えている。
【0032】
主制御部20に対しては、情報表示部25、タッチパネル251、演出制御部291、入賞した遊技球のセンサ293~295、特図始動口(電チュー)221を開放する特図始動ソレノイド296、大入賞口222を開放させる大入賞口ソレノイド297、及び電力供給のための電源回路部298、設定操作部23等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、カードユニット4との通信窓口をなすI/F部200が電気的に接続されている。
【0033】
演出制御部291には、スピーカ241を駆動するアンプ241Aや装飾ランプ部242が電気的に接続されているほか、液晶表示部24の表示画面を制御する表示制御部292が通信可能に接続されている。
【0034】
入賞した遊技球の検出センサとしては、特図始動口221への入賞を検出する特図入賞センサ293、普図始動口223の入賞を検出する普図入賞センサ294、及び大入賞口222への入賞を検出する大入賞センサ295、等がある。
【0035】
設定操作部23は、各種の設定を行うための操作部である。設定操作部23は、遊技機本体の内部に設けられ、遊技盤面を前方へ開放すると操作可能になる。設定操作部23によれば、大当たり確率が異なる例えば6段階の設定値のうちのいずれかを設定する設定操作などを行うことができる。
【0036】
パチンコ遊技機21は、遊技点を消費する遊技の実行に応じて各種の遊技情報をカードユニット4へ送信する。遊技機2が出力する遊技情報は、機種によって異なる様々な情報がある。例えば、本例のパチンコ遊技機21は、以下の各遊技情報などをカードユニット4へ送信する。パチンコ遊技機21が出力する遊技情報は、カードユニット4経由にて中継装置109に送信され、さらに中継装置109から、遊技場管理装置10や遊技情報表示装置105等に送信される。
【0037】
・消費遊技点数情報:遊技で消費された遊技点数を示す情報。
・付与遊技点数情報:入賞により付与された遊技点数を示す情報。
・スタート情報:大当たり抽選(特図の変動)が実行されたことを示す情報。
・大当たり情報:大当たり状態であることを示す情報。
・確変情報:確変状態であることを示す情報。
【0038】
カードユニット4は、上記のごとく、1台の遊技機2に対して1台設置され、遊技に必要な得点の付与処理や、得点を記録したカードの発行処理など、得点に関する処理を行う装置である。カードユニット4は、例えば、対応する遊技機2と隣の遊技機2との間の縦長の隙間に設置される。カードユニット4は、遊技機2から各種の遊技情報を受信し、その各種の遊技情報を、中継装置109経由で遊技場管理装置10、遊技情報表示装置105へ送信する。
【0039】
カードユニット4は、遊技球を発射する権利となる遊技点(得点)の付与機能(貸出機能)により遊技に必要な得点の付与処理を実行するのに加えて、得点を記録した遊技カードの発行処理など得点に関する処理を実行する。カードユニット4は、遊技場に登録済みの会員の識別情報である会員IDの認証を条件として、貯玉サービスなどの会員向けの所定のサービスを提供する提供装置の一例をなしている。
【0040】
カードユニット4の前面(
図2参照。)には、装置エラー等の作動状態を表示する状態ランプ41、紙幣挿入口420、液晶表示画面にタッチパネルが積層されタッチ操作可能な表示部43、代金引き落としと引き換えに遊技点の貸出を受けるための貸出ボタン44、計数済みの得点である持点を遊技点に変換するための再遊技ボタン45、遊技カードの返却を求める返却ボタン46、遊技カード用のカード挿入口470、等が配設されている。
【0041】
カードユニット4は、
図3のごとく、CPU401、ROM402、RAM403、I/O 404等を備える制御部40を中心として電気的に構成されている。制御部40に対しては、上記の構成のほか、紙幣処理部42、カード処理部47、I/F部400が電気的に接続されている。カードユニット4は、I/F部400を介して中継装置109と通信可能であるほか、対応するパチンコ遊技機21と直接接続されている。
【0042】
続いて、パチンコ遊技機21及びカードユニット4の基本動作を説明する。パチンコ遊技機21は、対応するカードユニット4から遊技点(得点)を受信すると、その遊技点数分の遊技球を発射できるようになる。パチンコ遊技機21は、遊技球を発射する毎に1点ずつ遊技点数を減算する一方、入賞が発生した場合には、入賞に応じた得点を遊技点数に加算する。パチンコ遊技機21では、この遊技点数がゼロになった時点で、遊技球の発射ができなくなり遊技を継続できなくなる。
【0043】
パチンコ遊技機21では、操作ハンドル26を操作することで遊技領域210の右下に配置された発射装置(図示略)から遊技球を発射できる。遊技球が特図始動口221へ入賞すると特図抽選(大当たり抽選)が実行され、液晶表示部24にて特図の図柄変動が開始される。
【0044】
特図抽選で当選した場合は、特図表示部としての液晶表示部24にて、777などの大当たり図柄が停止表示されて大当たりが報知され、大当たり状態へ移行する。大当たり状態では、大入賞口222が規定回数開放されることにより、入賞率が大幅に向上する。特図抽選が非当選の場合は、液晶表示部24に所定のハズレ図柄が停止表示される。
【0045】
なお、普図始動口223へ入賞すると普図抽選が実行され、普図表示部としての液晶表示部24で図柄変動が開始される。普図抽選に当選すると、液晶表示部24でその旨が報知されるとともに、特図始動口221の電動チューリップが開放して特図始動口221への入賞が容易になる。
【0046】
パチンコ遊技機21の遊技状態としては、上記の大当たり状態のほか、通常状態、確変状態がある。確変状態は、通常状態よりも特図判定の当選確率が向上し、大当たりの期待度が高くなる熱い状態である。例示するパチンコ遊技機21では、大当たり状態の終了後、70%の確率で確変状態に移行し、30%の確率で通常状態に移行する。なお、遊技機2の機種によって、大当たりや確変状態や時短状態の当選確率、入賞時の付与点数、図柄変動の態様など、性能や遊技性が異なっている。
【0047】
カードユニット4は、紙幣を受け付けると、その紙幣の額を入金残高(上限10000円)に加算して記憶する。遊技カードを受け付けたときは、その遊技カードの識別情報であるカードIDを対応付けて遊技場管理装置10が記憶しているカード情報と照合する。そして、カードユニット4は、照合結果がOKのとき、そのカード情報に係る入金残高及び持点数を表示する。
【0048】
カードユニット4は、遊技者操作に応じて遊技者の入金残高、貯玉(前日までに獲得し、蓄積された得点)、及び持点、のうちのいずれかを遊技点に変換し、対応するパチンコ遊技機21へ送信する。例えば貸出ボタン44が操作されたときには、一定金額(例えば1000円)ずつ遊技点(250点)に変換され、パチンコ遊技機21へ送信される。例えば再遊技ボタン45が操作されたときには、持点が250点ずつ遊技点へ変換され、パチンコ遊技機21へ送信されて持点による再プレイが可能になる(再プレイ処理)。
【0049】
カードユニット4は、持点数、遊技点数、及び持点数と遊技点数との合計点数である全得点数、などの得点数を記憶、表示する。カードユニット4は、対応するパチンコ遊技機21から得点の加算情報及び減算情報を受信し、記憶している得点数を更新する。
【0050】
パチンコ遊技機21での遊技を終了する際などでは、パチンコ遊技機21が記憶している遊技点数の計数を受ける必要がある。遊技点数の計数のためには、情報表示部25に表示される図示しない計数ボタンをタッチ操作(計数操作)すれば良い。計数操作に応じて遊技点が、カードユニット4に送信され、遊技点数が減算される。短タッチの計数操作により遊技点が1点ずつ送信され、長タッチ(連続タッチ)の計数操作により遊技点が全点一括して送信される。カードユニット4では、パチンコ遊技機21から受信した遊技点が持点へ変換される。パチンコ遊技機21が記憶している遊技点数は、カードユニット4への送信完了に応じてゼロになる。
【0051】
カードユニット4は、入金残高及び持点の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン46が操作されたときは、その入金残高及び持点数を遊技カードに記録して発行する。パチンコ遊技機21が記憶する遊技点数については、遊技カードには記録されず、遊技機側に記憶されたまま残る。なお、カードユニット4は、カードストッカーを内蔵しており、最大10枚の遊技カードをストック可能である。
【0052】
カードユニット4は、対応するパチンコ遊技機21から各種の遊技情報を受信し、例えば以下の稼動データを集計して記憶している。
(1)大当たり回数:大当たり状態の発生回数。
(2)大当たり間スタート:直前の大当たり状態が終了してからの大当たり抽選回数であるスタート回数(只今スタート回数)。
(3)本日累計スタート:当日、開店後の累計スタート回数。
(4)消費点数:遊技者が遊技のために消費した遊技点数。
(5)付与点数:入賞に応じて遊技者に付与して遊技点数。
【0053】
カードユニット4は、中継装置109経由にて随時、遊技場管理装置10及び遊技情報表示装置105へ稼動データを送信する。さらに、カードユニット4は、遊技者の入金残高や持点数などの得点数等、遊技者の所有価値の情報についても随時、遊技場管理装置10へ送信する。また、カードユニット4は、遊技場管理装置10から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価など)を受信し、記憶している。
【0054】
(B)管理サーバの構成及び管理データ
管理サーバ11は、各遊技場からインターネット経由で収集した遊技データに基づく集計データを記憶するサーバ装置である。管理サーバ11は、Twitter(登録商標)などの短文投稿サイトやパチンコ関連の掲示板サイト等のインターネット上のSNSサイト13にアクセスすることで、ソーシャルメディア上で遊技者が発信する情報を収集して分析可能である。
【0055】
管理サーバ11は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)投稿収集手段:所定のSNSサイト13における遊技者の投稿を収集する手段。特に、本例の投稿収集手段は、新機種の遊技機2が導入される日の前後、所定期間を対象期間として、当該新機種に関する遊技者の投稿を収集可能である。対象期間は、例えば、機種導入の8週前から導入後16週までの24週に亘る期間である。
(2)極性判定手段:投稿収集手段により収集された投稿の内容について、所定の自然言語処理により肯定的か否定的かを示す極性を判定する手段。
(3)極性比率算出手段:極性判定手段による判定結果に基づいて、新機種に関する投稿全体における極性の比率を極性比率として算出する手段。極性比率算出手段は、対象期間において一定の日数が経過する毎に極性比率を算出する。本例の一定の日数は、1週間である。
(4)投稿数算出手段:投稿収集手段により収集された投稿数を算出する手段。本例の投稿数算出手段は、対象期間において一定の日数が経過する毎に投稿数を算出する。
(5)学習モデル生成手段:導入週の遊技者数及び稼動寿命を機種毎に予測するための学習モデルを生成する手段。
(6)極性調整手段:極性比率と稼動データとを教師データとして機械学習を行い、前記極性判定手段による判定の基準を調整する手段。
(7)データ記憶手段:各種データ(
図4~
図8)を記憶する手段。
【0056】
データ記憶手段としての管理サーバ11が記憶するデータには、極性辞書データ(
図4)、投稿収集データ(
図5)、投稿数の日毎集計データ(
図6)、投稿数の期間集計データ(
図7)、機種別遊技者数及び稼動寿命データ(
図8)、等がある。
【0057】
図4の極性辞書データは、既存の極性辞書データをベースとして、パチンコ業界特有の単語を追加するとともに極性を調整した辞書データである。既存の極性辞書としては、例えば「日本語評価極性辞書」を利用できる。
図4の極性辞書データでは、過去に導入された機種の紹介記事に含まれる単語が、パチンコ用語として追加学習されている。追加学習用の単語は、ポジティブ・ネガティブ・ニュートラルのラベル付けがなされた上で学習に適用される。なお、学習用の単語を、インターネット上の投稿情報等を元にして収集することも良い。
【0058】
極性辞書データでは、各単語について、極性ラベル、極性数値(
図4中、数値。)が設定されている。極性ラベルには、例えば、ネガティブ、ポジティブ、ニュートラル、がある。極性数値は、ネガティブ「-1」、ポジティブ「1」、ニュートラル「0」が既定値となっている。なお、既存辞書に存在しない単語や意味の異なる単語は手入力により登録・調整が可能である。例えば、「激アツ」は、大当たり発生の期待感が大きい状態であることを意味するポジティブな単語だが、既存辞書には無いため、手入力により登録すると良い。
【0059】
なお、本例の管理サーバ11は、極性辞書データの精度を高めるため、極性比率と実稼動データとを教師データとして機械学習を行い、上記の極性判定手段による判定の基準を調整して評価値と稼動データとをフィットさせることが可能である。このような機械学習によれば、理論的には、評価値が高ければ稼動寿命も長い、評価値が低ければ稼動寿命が短いという結論を導出できる。評価値が高いにも関わらず稼動寿命が短い場合には、評価値が下がるよう極性辞書データを調整すると良い。
【0060】
図5の投稿収集データは、インターネット上の投稿を機種別に格納したものである。管理サーバ11は、例えば、Twitter(登録商標)などの短文投稿サイト(同図中ではSNS1と表記。)や、掲示板サイト(同図中ではSNS2と表記。)から、ソーシャルリスニングによりインターネット上の投稿を収集する。本例の構成では、機種の導入前8週間~導入後16週間の合計24週間を、収集対象期間として設定している。
【0061】
管理サーバ11は、例えばスクレイピングによりインターネット上の遊技機(機種)に関する評価情報を収集する。管理サーバ11は、例えば、TwitterAPI(登録商標、Application Programming Interface)により、遊技機(機種)に関するTwitter(登録商標)のツイート情報を取得する。また、パチンコ関連の掲示板サイトから遊技機(機種)に関する投稿情報を取得する。
【0062】
管理サーバ11は、投稿内容の極性(ネガティブ・ポジティブ・ニュートラル)を判定し、極性数値とともに記録する。管理サーバ11は、極性辞書データ(
図4)と照合して、各単語の極性を判定する。そして、管理サーバ11は、自然言語処理を活用して、投稿に含まれる各単語の極性及び文脈に基づいて投稿全体の極性を判定する。
【0063】
なお、自然言語処理としては、例えば、Google社の自然言語処理モデルである「BERT」を利用できる。「BERT」は、個々の単語の意味だけでなく、文脈の判断が可能であり、遊技者等の人の感情分析に好適である。さらに、「BERT」は、モデルの構造を修正しなくても様々なタスクに応用可能である、という優れた特性を備えている。「BERT」によれば、既存モデルに対して追加の学習を施すことで自然言語処理による精度の向上を図ることができる。
【0064】
追加の学習は、例えば、パチンコ用語や遊技を表現する単語などパチンコ業界特有の単語の学習である。単語は、遊技機に関する過去のレビュー等の文章中から抽出して収集される。追加学習用の単語は、予めポジティブ・ネガティブ・ニュートラルに分類され、ラベル付けされたものである。「BERT」では、ファインチューニングと呼ばれる、このような追加の学習を実施することで、高精度の自然言語処理を実行できるようになる。ファインチューニングは、目的のタスク外のデータによる学習済モデルを活用して精度の向上を図るために行われる転移学習と呼ばれる手法である。追加学習用の単語を学習済モデルに適用すると、学習済モデルのパラメータが更新され目的のタスクに特化されたモデルを生成できる。
【0065】
本例の自然言語処理のイメージは、例えば「パチンコ○○は期待できるね。初当たりはきつそうだけど、引ければ一発がデカい。通常時の演出もまあまあ。」という投稿に基づき、投稿に含まれる単語の極性数値の平均値を算出する、というものである。例えば、「期待」と「できる」の単語の組合せは極性数値が「1」、「初当たり」と「きつい」の単語の組合せは極性数値が「-1」、「一発」と「デカい」の単語の組合せは極性数値が「1」、「演出」と「まあまあ」の単語の組合せは極性数値が「1」である。したがって、極性数値の平均値は(1-1+1+1)÷4=0.5となる。
【0066】
管理サーバ11は、機種毎に極性比率を算出可能である。管理サーバ11は、例えば、一週毎に、全ての投稿数に対するポジティブな投稿数の比率を極性比率(ポジティブ比率、ポジ比率)として算出する。例えば全ての投稿数が1000で、そのうちポジティブな投稿数が750であれば、極性比率は75%となる。
【0067】
図6の投稿数の日毎集計データは、各日のSNS別の投稿数を、機種毎に記録したものである。この投稿数の日毎集計データによれば、投稿数が多いほど遊技者の注目度が高いと判定できる。
【0068】
図7の投稿数の期間集計データは、日毎集計データ(
図6)を基に、機種の導入前及び導入後に区分して投稿数をSNS別に記録したデータである。なお、特定機種の極性分析を行うためには、少なくとも400~500程度の投稿数が必要である。同図中のNo.3「パチンコ△△」については、投稿数が不足しているため極性分析ができていない。
【0069】
図8の機種別遊技者数及び稼動寿命データは、導入週及び導入後1週における遊技者数及び稼動寿命を、機種別に算出して記録したデータである。稼動寿命は、当該機種の週間平均アウト(1週間における1営業日の消費遊技点数の平均)が、全機種の週間平均アウトを下回った時点で確定する寿命である。
【0070】
管理サーバ11は、遊技者数及び稼動寿命予測を行うための学習モデルを生成する。管理サーバ11は、導入前8週~6週の平均極性比率と、実際の導入週の遊技者数(稼動データの一例)と、を教師データとして機械学習を行い、導入週の遊技者数を予測するための学習モデルを生成する。さらに、管理サーバ11は、導入1週前~導入1週後の3週間の平均極性比率と、実際の稼動寿命(稼動データの一例)と、を教師データとして機械学習を行い、稼動寿命を予測するための学習モデルを生成する。
【0071】
(C)遊技場管理装置の構成及び管理データ
遊技場管理装置10(
図1)は、上記のごとく、遊技場内の各種機器の稼動状況を管理するためのコンピュータ装置である。遊技場管理装置10は、キーボードやマウス(図示略)などの入力デバイスや、表示ディスプレイ101やプリンタ(図示略)等の出力デバイス、等のインターフェースを備えており、遊技場の管理者等が操作可能である。
【0072】
遊技場管理装置10は、場内ネットワーク100に接続されており、遊技場内に設置された各遊技機2の遊技データを集計可能である。遊技場管理装置10は、公衆通信回線であるインターネットを介して管理サーバ11との間で各種の情報のやり取りが可能である。遊技場管理装置10が管理サーバ11に送信する情報としては、例えば、各遊技機2の遊技データ等がある。遊技場管理装置10が管理サーバ11から受信する情報としては、例えば、遊技場の集計データや、ソーシャルリスニングによる機種別の評価情報、等がある。
【0073】
遊技場管理装置10は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)稼動データ収集手段:遊技機2の稼動状況を示す稼動データを収集する手段。特に、本例の稼動データ収集手段が収集する稼動データには、新機種の遊技機2の稼動状況を示す稼動データが含まれる。
(2)稼動データ記憶手段:稼動データ収集手段により収集された稼動データを記憶する手段。
(3)表示手段:極性比率(例えばポジティブ比率。)や投稿数を、稼動データと一緒に表示する手段。表示の態様としては、表示ディスプレイ101による表示や、プリンタによる印刷表示、等がある。表示手段は、極性比率及び投稿数を時系列にて並べて表示可能である(
図11を参照して後述する。)
【0074】
遊技場管理装置10は、各種の稼動データを記憶し管理している。特に、本例の遊技場管理装置10は、遊技機別の稼動データである遊技機別データ(
図9)、機種別の稼動データである機種別データ(
図10)、を記憶し管理している。
【0075】
図9の遊技機別データは、遊技機2から受信する遊技情報に基づいて集計され記憶される遊技機別の稼動データである。同図の遊技機別データでは、1営業日毎に区分して台番別で各種の遊技データが記憶される。遊技場管理装置10は、例えば10分等の所定時間が経過する毎に管理サーバ11へ、遊技機別データを送信する。
【0076】
遊技機別データ中の各項目は以下の通りである。
・機種ID:機種を特定するための識別情報(ID)。
・消費点数:遊技で消費された点数。発射した遊技球数に等しい。
・付与点数:入賞により付与された点数。
・スタート:通常状態における特図変動回数(大当たりの抽選回数)。
・大当たり:大当たりの発生回数。
・遊技者数:使用カードのIDにより遊技者の交代を判定し、遊技者数をカウントする。
【0077】
図10の機種別データは、各種の遊技データが1営業日毎に区分して機種別に集計され記憶されるデータである。出玉率は、平均付与点数/平均消費点数である。遊技時間は、一定時間以内に消費点数または図柄変動が継続して発生した時間である。消費点数または図柄変動が発生した後、例えば2分以内に再度消費点数または図柄変動が発生したとき、遊技が継続していると判断される。
【0078】
(D)遊技場管理装置による表示データ
遊技場管理装置10は、例えば
図10の機種別の稼動データとともに、ソーシャルリスニングによる機種別の評価情報、を表示可能である。機種別の評価情報は、管理サーバ11から受信する情報であり、例えば、機種に関する投稿数や、投稿全体における極性比率、等がある。
【0079】
遊技場管理装置10は、例えば、
図11の期間推移データを、表示ディスプレイ101に表示したり、印刷によって出力表示したり、できる。期間推移データは、機種別の1週間単位の時系列データである。この期間推移データは、遊技場の管理者等が遊技機2の機種を評価する際に役立つ有用なデータである。
【0080】
期間推移データは、横長の表示欄の左端から順番に、機種名の表示欄10A、現在(導入1週後)のデータ表示欄10B、導入8週前から導入週の翌週までの10週間に亘る10週分の週毎データ表示欄10C、が配置された表示データである。導入1週後の現在の週毎データは、現在(導入1週後)のデータ表示欄10Bに表示されるのに加えて、10週分の週毎データ表示10C欄にも表示される。なお、データ表示欄10Bの投稿総数は、上記の10週間の累計投稿数である。
【0081】
10週分の週毎データの表示欄10Cには、8週前の週毎データを左端にして、古いものから順番に現在に至るまでの10週の週毎データが、時系列で配置(表示)されている。10週分の週毎データ表示欄10Cの右端は、現在に当たる導入1週後の週毎データであり、その左側は、1週間前に当たる導入週の週毎データである。
【0082】
10週分の週毎データの表示欄10Cの週毎データの構成は、導入前と導入後とで異なっている。導入前の週毎データは、ポジティブ比率(図中、ポジ比率。極性比率)、SNS投稿数により構成される。導入後の週毎データには、ポジティブ比率及びSNS投稿数に加えて、アウト(消費遊技点数)、中古価格が含まれる。アウトは、各遊技場の遊技場管理装置10から受信したデータに基づいて算出された当該機種の1営業日における平均アウトである。中古価格は、中古遊技機の流通を管理している業者のサーバ(図示略)から受信した価格データである。
【0083】
なお、期間推移データの表示形式は、本例に限定されず様々な形式を採用することが可能である。例えば各データの推移を棒グラフや折れ線グラフで表示しても良い。アウト以外の稼動状況を示すデータとして、期間推移データにおいて、例えば遊技者数、遊技時間、図柄変動回数、大当たり数などを表示しても良い。例示した期間推移データでは、一週毎に区切ってデータを表示しているが、一定の日数が単位となっていれば良く、例えば10日毎、5日毎など、何日毎の区切りであっても良い。
【0084】
図11に例示する期間推移データによれば、遊技場の管理者等が例えば以下のような判断を行うことができる。
機種の発注は、通常5週前あたりまでに行う必要があるため、管理者等は、8週前から6週前のデータを参照して発注するか否か、及び発注台数を決定することができる。
【0085】
管理者等は、導入週から導入1週後辺りのデータにより増台あるいは減台の判断を行うことができる。また、導入前と比較してポジティブ比率と投稿数が急激に変動したときには増台あるいは減台が必要という判断が可能である。
図11の期間推移データの場合、遊技場の管理者等は、導入週及び導入1週後にポジティブ比率及び投稿数が急激に増加しているが、中古価格の上昇は緩やかであるから早めに中古機を購入して増台を行うのが望ましいと判断することができる。また、管理者等は、導入後にポジティブ比率が急激に下がったときは、導入前の遊技者の期待を裏切ったとみなせるため、中古価格が暴落する前に早期売却を検討できる。
【0086】
本例の遊技情報管理システム1は、複数機種の遊技機2が設置された遊技場向けのシステムである。この遊技情報管理システム1は、新機種の遊技機2の導入日の前後、所定期間を対象期間として、所定のSNSサイトにおける当該新機種に関する遊技者の投稿を収集し、投稿数を算出するとともに、投稿の内容が肯定的か否定的かを示す極性を判定する。本例の遊技情報管理システム1は、新機種に関する投稿全体における極性の比率を極性比率として算出する。そして、遊技情報管理システム1は、新機種の遊技機2の稼動状況を稼動データとともに、算出した極性比率、投稿数を表示する。
【0087】
このように、本例の遊技情報管理システム1は、新機種を導入する以前から稼動を予測できるため、導入台数や導入後の増台あるいは減台の計画を早い段階で行うことが可能であるという優れた特性のシステムである。
【0088】
極性比率算出手段としての管理サーバ11は、対象期間において一定の日数が経過する毎に極性比率(ポジティブ比率)を算出する。そして、表示手段としての遊技場管理装置10は、極性比率及び投稿数を時系列で並べて表示する。このように極性比率や投稿数の時系列の表示があれば、遊技場の管理者等が、極性比率の変化や投稿数の変化を容易に把握できるようになる。なお、極性比率及び投稿数の並列表示は必須の構成ではなく、いずれか一方の時系列表示であっても良い。
【0089】
極性調整手段としての管理サーバ11は、極性比率(ポジティブ比率)と稼動データとを教師データとして機械学習を行い、極性判定手段としての管理サーバ11による判定の基準を調整する。このように、極性比率と稼動データとを教師データとする機械学習によれば、極性判定手段としての管理サーバ11による極性判定の精度を高めることができる。
【0090】
本実施形態の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、投稿を収集する対象期間として、機種導入の8週前から導入後16週に亘る24週を設定しているが、対象期間は本例に限定されず、適宜短縮または延長しても良い。
【0091】
本例では、機種の週間平均アウトに基づいて稼動寿命を確定しているが、稼動率や稼動時間など他の稼動データに基づき、稼動の高低に応じた稼動寿命を判定するようにしても良い。
本例で示した遊技機別データや機種別データ等は単なる例示であって、様々な種類の遊技情報を算出、作成することが可能である。例えば、付与点数と消費点数との差を示す差点数、スタート回数に対する大当たり回数の割合を示す大当たり確率などを算出しても良い。
【0092】
本例で例示した遊技機2はあくまでも一例であり、様々な仕様の遊技機を対象として遊技情報管理システム1を構成できる。例えば本例では、入賞に応じて遊技点を付与する封入式のパチンコ遊技機を例示したが、遊技機はこれに限定されない。入賞に応じて遊技玉を払い出す方式のパチンコ遊技機であっても良い。パチスロ遊技機(スロットマシン)や、ジャン球遊技機であっても良い。遊技に使用される遊技価値は、電子的な得点の他、実体のある玉、メダルなどが相当する。
【0093】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0094】
1 遊技情報管理システム
10S 場内システム
10 遊技場管理装置(稼動データ収集手段、稼動データ記憶手段、表示手段)
100 場内ネットワーク
101 表示ディスプレイ
105 遊技情報表示装置
109 中継装置
11 管理サーバ(投稿収集手段、極性判定手段、極性比率算出手段、投稿数算出手段、学習モデル生成手段、極性調整手段、データ記憶手段)
13 SNSサイト
2 遊技機
21 パチンコ遊技機
4 カードユニット(得点処理装置)