(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176401
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】照明制御システムおよび制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20241212BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20241212BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20241212BHJP
【FI】
H05B47/165
G06F3/16 650
G10L15/00 200N
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094904
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 ▲琢▼充
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA29
3K273RA12
3K273RA14
3K273SA20
3K273SA37
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA56
3K273TA76
3K273UA17
(57)【要約】
【課題】ユーザによる設定作業を簡略化できる照明制御システムおよび制御装置を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る照明制御システムは、光源部と、光源部の点灯状態を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、ユーザからの自然言語による第1入力情報から第1命令要素を抽出し、前記光源部を制御するための照明制御設定のうち、前記第1命令要素に対応する第1部分と、前記第1部分に関連する第2部分とを変更する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、
光源部の点灯状態を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
ユーザからの自然言語による第1入力情報から第1命令要素を抽出し、
前記光源部を制御するための照明制御設定のうち、前記第1命令要素に対応する第1部分と、前記第1部分に関連する第2部分とを変更することを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記第2部分は、前記照明制御設定のうち前記第1命令要素で変更の指示がされていない部分であることを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記照明制御設定から前記第1部分と前記第2部分を変更した設定内容を前記ユーザに通知し、
前記ユーザが前記設定内容を承認した場合に、前記設定内容により前記光源部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記ユーザが前記設定内容を承認しない場合、
前記ユーザからの自然言語による第2入力情報を受け付けて、前記第2入力情報から第2命令要素を抽出し、
前記設定内容のうち前記第2命令要素に対応する部分と、前記第2命令要素に対応する部分に関連する部分とを変更し、
前記変更した設定内容を前記ユーザに通知し、
前記ユーザが前記変更した設定内容を承認した場合に、前記変更した設定内容により前記光源部を制御することを特徴とする請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記照明制御設定から前記第1部分と前記第2部分を変更した設定内容を、前記照明制御システムに登録した後に、前記設定内容を前記ユーザに通知し、
前記ユーザが前記設定内容を承認しない場合、前記ユーザからの自然言語による第2入力情報を受け付けて、前記第2入力情報から第2命令要素を抽出し、
前記設定内容のうち前記第2命令要素に対応する部分と、前記第2命令要素に対応する部分に関連する部分とを変更し、
前記変更した設定内容を前記照明制御システムに登録することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記第1入力情報は、文字入力により受け付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記第1入力情報は、音声入力により受け付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記第1入力情報から命令種別を抽出し、
前記命令種別に応じた取得先から情報を取得し、
前記情報と、前記第1命令要素に基づき、前記照明制御設定を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値を含む学習用データを取得し、
前記学習用データを用いて、前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値から前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値を取得し、
前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値に基づき前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを用いて、前記照明制御設定の前記第2部分を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記自然言語を含む学習用データを取得し、
前記学習用データを用いて、前記自然言語から前記第1命令要素を抽出するための学習済モデルを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項12】
前記制御装置は、
前記自然言語による前記第1入力情報を取得し、
前記自然言語から前記第1命令要素を抽出するための学習済モデルを用いて、前記第1命令要素を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項13】
前記制御装置は、
インターネット上の情報を含む学習用データを取得し、
前記学習用データを用いて、前記インターネット上の情報から前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項14】
前記制御装置は、
インターネット上の情報を取得し、
前記インターネット上の情報に基づき前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを用いて、前記照明制御設定の前記第2部分を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項15】
前記光源部を有する照明器具を備え、
前記制御装置は、前記照明器具と通信して前記光源部の点灯状態を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項16】
ユーザからの自然言語による入力情報から命令要素を抽出する抽出部と、
光源部を制御するための照明制御設定のうち、前記命令要素に対応する第1部分と、前記第1部分に関連する第2部分とを変更する設定変更部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システムおよび制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光学的に切り換え可能なデバイスのスケジュールを設定するために、音声制御を使用する技術が開示されている。例えばユーザは、光学的に切り換え可能なデバイスに対して、「月曜日から金曜日の午後2時に区域1の窓を色調4にする」等の指示をし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、制御システムに対して自然言語で指令を与え、動作させることができる。しかし、例えば時刻に合わせて複数の設定を行うような複雑な設定を行う場合、ユーザは設定項目のすべてを指令する必要がある。このため、ユーザによる設定作業が非常に煩雑となるおそれがあった。
【0005】
本開示は、ユーザによる設定作業を簡略化できる照明制御システムおよび制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明制御システムは、光源部と、光源部の点灯状態を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、ユーザからの自然言語による第1入力情報から第1命令要素を抽出し、前記光源部を制御するための照明制御設定のうち、前記第1命令要素に対応する第1部分と、前記第1部分に関連する第2部分とを変更する。
【0007】
本開示に係る制御装置は、ユーザからの自然言語による入力情報から命令要素を抽出する抽出部と、光源部を制御するための照明制御設定のうち、前記命令要素に対応する第1部分と、前記第1部分に関連する第2部分とを変更する設定変更部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明制御システムおよび制御装置によれば、ユーザからの自然言語による第1入力情報から第1命令要素が抽出され、照明制御設定のうち第1命令要素に対応する第1部分と、第1部分に関連する第2部分とが変更される。従って、ユーザは照明制御設定のすべてを指示する必要はなく、ユーザによる設定作業を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の平面図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具の断面図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明制御システムの構成を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る主発光面用LED基板の構成を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る周囲発光用LED基板の構成を示す図である。
【
図8】実施の形態1に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】実施の形態1に係る各シーンにおける主発光面と周囲発光面の発光色を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係るスケジュール設定の初期値の例を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係る照明制御システムの学習機能を説明する図である。
【
図12】実施の形態1に係る照明制御システムのネットワークを介した学習機能を説明する図である。
【
図13】実施の形態1に係る照明制御システムによる照明制御設定の変更方法を説明する図である。
【
図14】実施の形態1の照明制御システムにより変更された照明制御設定の例を説明する図である。
【
図15】実施の形態1に係る照明制御システムによる照明制御設定の変更方法を説明する図である。
【
図16】実施の形態1に係る自然言語を入力するための入力機器の例を示す図である。
【
図17】実施の形態1に係る自然言語を入力するための入力機器の例を示す図である。
【
図18】実施の形態1に係る入力機器を用いて、設定内容をユーザに確認している状態を示す図である。
【
図19】実施の形態1に係る入力機器を用いて、設定内容をユーザに確認している状態を示す図である。
【
図20】実施の形態1に係る照明制御システムの動作フローを示す図である。
【
図21】実施の形態1に係るクラウドサーバの機能ブロック図である。
【
図22】実施の形態1に係るクラウドサーバのハードウェア構成図である。
【
図23】実施の形態2に係る照明制御システムの動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各実施の形態に係る照明制御システムおよび制御装置について図面を参照して説明する。本開示の照明制御システムおよび制御装置は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、種々に変形することが可能である。また、本開示の照明制御システムおよび照明制御装置は、以下の実施の形態に示す構成のあらゆる組み合わせを含む。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書の全文において、床面から天井に向かう垂直な方向を「上方向」と呼び、天井側を「上側」と呼ぶ。同様に、天井から床面に向かう垂直な方向を「下方向」と呼び、床面側を「下側」と呼ぶ。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の平面図である。
図2は、照明器具1を下側から見上げた状態を示す図である。照明器具1は、主発光面である散乱板12と、周囲発光面である周囲発光フレーム131と、非発光部である周囲発光フレーム132を備える。散乱板12は青空を模して発光する。周囲発光フレーム131は太陽の光の差し込みを表現しており、自発光する。周囲発光フレーム132は太陽の光が差し込む際にできる影を表現している。
【0012】
図3は、実施の形態1に係る照明器具1の分解斜視図である。照明器具1は、周囲発光フレーム131、132から成る周囲発光フレーム13を有する。周囲発光フレーム13の上に、散乱板12が組み込まれている。周囲発光フレーム131を光らせるために、LED光源である周囲発光用LED基板15が配置される。散乱板12の周囲の4辺のうち、向かい合う2辺にLED光源である主発光面用LED基板14が配置される。散乱板12の上には、反射シート18が組み込まれる。反射シート18の上には、主発光面用LED基板14および周囲発光用LED基板15の通電と制御をするための制御電源16と制御ユニット17が配置される。これらの部材は、筐体11に収納される。主発光面用LED基板14および周囲発光用LED基板15は、光源部に対応する。
【0013】
なお、
図3において、照明器具1を組み立てる際のネジ、バネ、および、主発光面用LED基板14、周囲発光用LED基板15などを電気的に接続する部材は省略されている。また、制御電源16、制御ユニット17を支えるフレーム構造、および、制御電源16に電源供給を行う配線、端子台は省略されている。また、制御電源16を制御する通信線、および、その先の制御コントローラは省略されている。
【0014】
図4は、実施の形態1に係る照明器具1の断面図である。散乱板12は散乱体121を含む。周囲発光フレーム131の近傍に周囲発光用LED基板15が配置される。散乱板12の側面近傍に主発光面用LED基板14が配置される。
【0015】
図5は、実施の形態1に係る照明制御システム100の構成を示す図である。3枚の周囲発光用LED基板15は互いに直列に接続され、制御電源16と接続される。2枚の主発光面用LED基板14は互いに直列接続され、制御電源16と接続される。本実施の形態では周囲発光フレーム13の4辺中3辺が発光する例を示した。これに限らず、隣り合う2辺のみが発光しても良い。この場合、2枚の周囲発光用LED基板15が互いに直列接続され、制御電源16に接続される。本実施の形態では、2枚の主発光面用LED基板14が散乱板12の向かい合う両側の端面に配置される例を示した。これに限らず、主発光面用LED基板14を1枚のみ設け、散乱板12の4辺のうち何れか1辺のみから入光するように構成しても良い。
【0016】
制御電源16は制御ユニット17に接続され、制御ユニット17は制御コントローラ2に接続される。なお、制御ユニット17は制御電源16に取り込まれて一体となっていても良い。この場合、制御電源16は直接、制御コントローラ2に接続される。制御コントローラ2は通信コントローラ3と接続され、制御コントローラ2はネットワーク5を介してクラウドサーバ6と接続される。クラウドサーバ6はネットワーク5を介して、ニュース、気象予測、SNS(Social Networking Service)情報、時刻情報、官庁・団体情報等のネットワーク上の情報7にアクセスできる。官庁・団体情報は、例えば規格類の情報を含む。クラウドサーバ6は、光源部の点灯状態を制御する制御装置に該当する。クラウドサーバ6は、照明器具1と通信して光源部の点灯状態を制御する。
【0017】
また、通信コントローラ3は無線通信もしくは有線通信を介して、音声認識ユニット8、情報端末9、設定リモコン10と通信を行う。音声認識ユニット8、情報端末9、設定リモコン10は、自然言語を入力するための入力機器に該当する。制御コントローラ2と通信コントローラ3は一体化されて1つのユニットとして構成されても良い。また、通信コントローラ3とクラウドサーバ6は、一体化されて1つのユニットとして構成されても良い。また、制御コントローラ2と通信コントローラ3とクラウドサーバ6が一体化されて1つのユニットとして構成されても良い。さらに、クラウドサーバ6はネットワーク接続されていなくても良く、エッジコンピュータとして機能しても良い。
【0018】
図6は、実施の形態1に係る主発光面用LED基板14の構成を示す図である。主発光面用LED基板14において、白色LED141と青色LED142と緑色LED143が交互に配置される。白色LED141は、回路パターン144に配置および接続されている。青色LED142は回路パターン145に配置および接続されている。緑色LED143は回路パターン146に配置および接続されている。これにより、白色LED141と青色LED142と緑色LED143を独立に点灯制御できる。
【0019】
図6において、白色LED141と青色LED142と緑色LED143は一直線上に一列に配置されている。主発光面用LED基板14からの光が入光する散乱板12の板厚は例えば5mmであり、白色LED141と青色LED142と緑色LED143の大きさは例えば3mmである。
図6のようなLEDの配置によれば、効率よく散乱板12に光を入光させることができる。一方、白色LED141と青色LED142と緑色LED143の大きさが3mm未満である場合、または、散乱板12の板厚が5mmより大きい場合等には、白色LED141と青色LED142と緑色LED143は一直線上に一列に配置されなくても良い。白色LED141と青色LED142と緑色LED143は、例えば2列以上の複数列に配置されても良い。また、散乱板12内部で白色LED141と青色LED142と緑色LED143の光が十分に混ざり合えば、白色LED141と青色LED142と緑色LED143の配置順序は限定されない。また、
図6では、回路パターン144、145、146が並列に接続されて、1つの並列回路を構成しているが、2つ以上の並列回路が構成されても良い。
【0020】
図7は、実施の形態1に係る周囲発光用LED基板15の構成を示す図である。周囲発光用LED基板15において、高色温度白色LED151と低色温度白色LED152とが交互に配置されている。高色温度白色LED151は、回路パターン153に配置および接続されている。低色温度白色LED152は、回路パターン154に配置および接続されている。これにより、高色温度白色LED151と低色温度白色LED152を独立に点灯制御できる。
【0021】
図7において、高色温度白色LED151と低色温度白色LED152は一直線上に一列に配置されている。高色温度白色LED151と低色温度白色LED152の大きさは例えば3mmである。高色温度白色LED151と低色温度白色LED152の大きさ等によっては、高色温度白色LED151と低色温度白色LED152は一直線上に一列に配置されなくても良い。高色温度白色LED151と低色温度白色LED152は、2列以上の複数列に配置されても良い。この際、高色温度白色LED151と低色温度白色LED152の光が十分に混ざり合えば、高色温度白色LED151と低色温度白色LED152の配置順序は限定されない。また、
図7では、回路パターン153、154が並列に接続されて、1つの並列回路を構成しているが、2つ以上の並列回路が構成されても良い。
【0022】
図8は、実施の形態1に係る照明制御システム100の構成を示すブロック図である。制御電源16は1次側入力として直流電源回路161を有している。直流電源回路161は、商用電源を整流して直流化している。直流電源回路161は生成した直流電源を出力制御回路162に供給する。出力制御回路162は制御ユニット17に接続され、制御ユニット17から制御指令を受ける。出力制御回路162は制御指令に従って、第1点灯回路163a、第2点灯回路163b、第3点灯回路163c、第4点灯回路163dおよび第5点灯回路163eに電源を供給し、各回路の出力を制御している。
【0023】
白色LED141は第1点灯回路163aから電源供給を受け、青色LED142は第2点灯回路163bから電源供給を受け、緑色LED143は第3点灯回路163cから電源供給を受け、それぞれ点灯する。また、高色温度白色LED151は第4点灯回路163dから電源供給を受け、低色温度白色LED152は第5点灯回路163eから電源供給を受け、それぞれ点灯する。
【0024】
図9は、実施の形態1に係る各シーンにおける主発光面と周囲発光面の発光色を示す図である。昼シーンでは、主発光面は昼の空の色で、周囲発光面は5000Kとなる。朝夕シーンでは、主発光面は朝夕の空の色で、周囲発光面は3000Kとなる。日出入シーンは、主発光面は日出入の空の色で、周囲発光面は3000Kとなる。夜シーンでは、主発光面は夜の空の色で、周囲発光面は3000Kとなる。昼消灯シーンでは、主発光面は消灯で、周囲発光面は5000Kとなる。全消灯シーンでは、主発光面および周囲発光面は消灯する。シーンの種類および各シーンの発光色は一例であり、
図9に示されるものに限定されない。
【0025】
図10は、実施の形態1に係るスケジュール設定の初期値の例を示す図である。照明制御システム100は、前のシーンから徐々に色と明るさを変化させて次のシーンに移行するフェードと呼ばれる機能を有する。フェード時間は1時間を基本として、1秒、10分などの設定値によりユーザが任意に切り換えることができる。
図10の例では、初期値として1時間のフェード時間が設定されている。
【0026】
図10のスケジュール設定の例において、4:00までは夜シーンであり、1時間かけてフェードして5:00に日出入シーンに移行する。さらに1時間をかけてフェードして6:00に朝夕シーンに移行する。さらに1時間かけてフェードして7:00に昼シーンに移行し、その後15:00まで昼シーンを継続する。その後15:00から1時間かけてフェードして、16:00に朝夕シーンに移行する。さらに1時間をかけてフェードして17:00に日出入シーンに移行する。さらに1時間をかけてフェードして18:00に夜シーンに移行し、その後、4:00まで夜シーンを継続する。
【0027】
図11は、実施の形態1に係る照明制御システム100の学習機能を説明する図である。学習機能は、例えばクラウドサーバ6に備わっている。クラウドサーバ6は学習用データ63、64、65を取得し、クラウドサーバ6内のデータベース61が機械学習、深層学習もしくは強化学習による学習を行う。データベース61はAI(Artificial Intelligence)システムであっても良い。学習用データ63は照明制御設定のユーザマニュアル、つまり照明制御システム100の説明書または仕様書である。学習用データ64は、照明制御設定のデフォルト値、つまり初期値である。学習用データ65は自然言語である。
【0028】
学習用データ63、64は、照明制御システム100内の何れかの機器に記憶された情報から取得されても良く、ネットワーク5を介して取得されても良い。学習用データ65は、音声認識ユニット8、情報端末9または設定リモコン10からのユーザの自然言語による入力情報から取得されても良く、ネットワーク5を介して取得されても良い。
【0029】
学習用データ63、64に基づく学習機能について、詳細に説明する。学習フェーズにおいてクラウドサーバ6は、照明制御システム100の説明書、仕様書または照明制御設定の初期値を含む学習用データ63、64を取得する。クラウドサーバ6は、取得した学習用データ63、64を用いて、照明制御システム100の説明書、仕様書または照明制御設定の初期値から、照明制御設定の一部である第2部分を変更するための学習済モデルを生成する。照明制御設定の第2部分については後述する。
【0030】
活用フェーズにおいてクラウドサーバ6は、照明制御システム100の説明書、仕様書または照明制御設定の初期値を取得する。さらにクラウドサーバ6は、照明制御システム100の説明書、仕様書または照明制御設定の初期値に基づき照明制御設定の第2部分を変更するための学習済モデルを用いて、照明制御設定の第2部分を変更する。
【0031】
学習用データ63を用いる場合、クラウドサーバ6は、例えばスケジュール設定にどのような設定内容が存在するか学習する。学習用データ64を用いる場合、クラウドサーバ6は、照明制御システム100が工場出荷時に有する各種設定の初期値を学習する。
【0032】
次に、学習用データ65に基づく学習機能について、詳細に説明する。学習フェーズにおいてクラウドサーバ6は、自然言語を含む学習用データ65を取得する。クラウドサーバ6は、取得した学習用データ65を用いて、自然言語から後述する命令要素を抽出するための学習済モデルを生成する。学習用データ65を用いる場合、クラウドサーバ6は、例えば日本語における文法を学習する。学習済モデルは、文脈からユーザが意図する内容を抽出するための学習済モデルであっても良い。
【0033】
活用フェーズにおいてクラウドサーバ6は、自然言語による入力情報を取得する。さらにクラウドサーバ6は、自然言語から命令要素を抽出するための学習済モデルを用いて、入力情報から命令要素を抽出する。
【0034】
図12は、実施の形態1に係る照明制御システム100のネットワーク5を介した学習機能を説明する図である。クラウドサーバ6はネットワーク5を介して、学習用データとしてネットワーク上の情報7を取得し、クラウドサーバ6内のデータベース61が機械学習、深層学習もしくは強化学習による学習を行っても良い。情報7は、例えばニュース、気象予測、SNS情報、時刻情報である。SNS情報は例えばFacebook(登録商標)、twitter(登録商標)の情報である。
図11では仕様書等の特定の情報を学習する例を示したが、
図12の例では、ChatGPT(商標)に代表される大規模言語モデルの学習形態のように、特定の情報ではなく任意のネットワーク上の情報を学習している。
【0035】
次に、ネットワーク上の情報7に基づく学習機能について、詳細に説明する。学習フェーズにおいてクラウドサーバ6は、インターネット上の情報7を含む学習用データを取得する。クラウドサーバ6は、取得した学習用データを用いて、インターネット上の情報7から照明制御設定の後述する第2部分を変更するための学習済モデルを生成する。
【0036】
活用フェーズにおいてクラウドサーバ6は、インターネット上の情報7を取得する。さらにクラウドサーバ6は、インターネット上の情報7に基づき照明制御設定の第2部分を変更するための学習済モデルを用いて、照明制御設定の第2部分を変更する。上述のとおり、自然言語を含む学習用データ65を用いた学習が、インターネット上の情報7に基づき行われても良い。
【0037】
制御コントローラ2、通信コントローラ3または照明器具1の中の制御ユニット17がクラウドサーバ6と同様の機能を持つ場合、学習機能は制御コントローラ2、通信コントローラ3または制御ユニット17が有しても良い。また、制御ユニット17と制御電源16が一体化されている場合、制御電源16が学習機能を有しても良い。この場合、ネットワークを介したクラウドサーバ6との通信は必要ではなく、学習機能を有した機器がエッジコンピュータとして動作しても良い。
【0038】
図13は、実施の形態1に係る照明制御システム100による照明制御設定の変更方法を説明する図である。ここでは、照明制御設定がスケジュール設定である例について説明する。
図13において、入力機器である音声認識ユニット8、情報端末9もしくは設定リモコン10に対して、ユーザから自然言語による入力情報の入力が行われている。ここで、自然言語は自然対話言語とも呼ばれる。
【0039】
ここでは、一例としてユーザから「照明機器のスケジュールは8:00に朝で、21:00に夜で、夜中は消灯してください。夜にはゆっくりと4時間かけてなってください」という内容の入力情報90が、発話もしくは文字入力により入力されたとする。入力情報90はクラウドサーバ6の中のデータベース61で分析される。クラウドサーバ6は、ユーザからの自然言語による入力情報90から命令要素および命令種別を抽出する。命令要素は、自然言語による入力情報90のうち、具体的な命令に該当する部分である。この際、自然言語から命令要素を抽出するための学習済モデルを用いて、入力情報90から命令要素が抽出されても良い。
【0040】
入力情報90の分析結果に基づき、クラウドサーバ6は、光源部を制御するための照明制御設定を変更する。命令種別は、照明制御設定を変更するための情報の取得先を示す。情報の取得先には、制御コントローラ2、ネットワーク5等がある。クラウドサーバ6は、命令種別に応じた取得先から情報を取得し、取得した情報と命令要素に基づき、照明制御設定を変更する。
図13の例において、現在のスケジュール設定等の情報を得るために、命令種別は制御コントローラ2となる。
【0041】
本実施の形態においてクラウドサーバ6は、照明制御設定のうち、抽出した命令要素に対応する第1部分と、第1部分に関連する第2部分とを変更する。
図13の例では命令要素に対応する第1部分として、朝夕シーンの朝側が8:00、夜シーンが21:00に変更される。
【0042】
照明制御設定の第2部分は、照明制御設定のうち命令要素で変更の指示がされていない部分である。第2部分は、上述の深層学習等により得られた、第2部分を変更するための学習済モデルを用いて変更されても良い。この場合、命令種別に応じて取得された情報は、学習済モデルを用いて照明制御設定の第2部分を変更する際に取得される情報に該当する。学習結果から、例えば夜中は23時~3時として推論され、全消灯シーンが23:00~3:00に設定される。また、命令要素では、昼から夜への移行時間を4時間として指定されている。学習結果から、1時間のフェード時間を考慮して、夕側の朝夕シーンが18:00、夕側の日出入シーンが20:00、夜シーンが21:00に設定される。
【0043】
このようにして元の照明制御設定から第1部分と第2部分を変更した設定内容は、抽出・変換情報91として、クラウドサーバ6から制御コントローラ2に命令送信される。照明器具1は制御ユニット17を介して抽出・変換情報91を受信する。これにより照明器具1は、抽出・変換情報91に応じて制御動作する。
【0044】
本実施の形態では、照明制御システム100の説明書、仕様書または照明制御設定の初期値を含む学習用データ63、64に基づく学習を行うことで、入力情報において直接的に指示がされていない照明制御設定の第2部分を最適に変更することができる。
【0045】
図14は、実施の形態1の照明制御システム100により変更された照明制御設定の例を説明する図である。
図14は、
図10のスケジュール設定の初期値に対して、
図13の入力情報90を元に変更されたスケジュール設定を示している。入力情報90では、
図10のスケジュール設定のうち一部のみが指示されている。本実施の形態では、クラウドサーバ6のデータベース61において、一部のみの指示に対して、
図14に示されるように他の内容も最適化してユーザに提案する。
【0046】
変更されたスケジュール設定において、6:00までは夜シーンであり、1時間かけてフェードして7:00に日出入シーンに移行する。さらに1時間をかけてフェードして、8:00に朝夕シーンに移行する。さらに1時間かけてフェードして9:00に昼シーンに移行する。この際、日出入シーンから昼シーンまで時間間隔は、変更前から維持されている。その後、17:00まで昼シーンを継続する。17:00から1時間かけてフェードして、18:00に朝夕シーンに移行し、19:00までの1時間を朝夕シーンとする。その後19:00から1時間をかけてフェードして、20:00に日出入シーンに移行する。さらに1時間をかけてフェードして、21:00に夜シーンに移行し、その後22:00まで夜シーンを継続する。22:00から1時間をかけてフェードし23:00に全消灯する。23:00から3:00の4時間は全消灯シーンが維持される。その後3:00から1時間かけてフェードし、4:00に夜シーンに移行し、6:00まで2時間は夜シーンが維持される。
【0047】
図15は、実施の形態1に係る照明制御システム100による照明制御設定の変更方法を説明する図である。ここでは、照明制御設定が日付または時刻の設定である場合を例に説明を行う。一例として、ユーザから「コントローラの時刻を現在の日時に合わせてください」という内容の入力情報90が、発話もしくは文字入力により入力されたとする。入力情報90はクラウドサーバ6の中のデータベース61で分析される。クラウドサーバ6は、ユーザからの自然言語による入力情報90から命令要素および命令種別を抽出する。この際、自然言語から命令要素を抽出するための学習済モデルを用いて、入力情報90から命令要素が抽出されても良い。
【0048】
クラウドサーバ6は、命令種別に応じた取得先から情報を取得し、取得した情報と命令要素に基づき、照明制御設定を変更する。
図15の例において、現在の日時情報を得るために、命令種別はネットワーク5となる。クラウドサーバ6は、ネットワーク5を介してネットワーク上の情報7の中から日時情報を照会する。クラウドサーバ6は、例えば現在の日時情報として「2023年4月10日 15時35分22秒」を取得する。クラウドサーバ6は、取得した日時情報と命令要素に基づき、照明制御設定の日付または時刻の設定を変更した設定内容を生成する。
【0049】
生成された設定内容は、抽出・変換情報91として制御コントローラ2に送信される。クラウドサーバ6は、ネットワーク5から取得した日時情報をユーザに確認させ、確認のためのタイムラグを考慮して、例えば1分などのタイムラグに対応する時間を任意に日時情報に加算して設定内容を生成しても良い。この場合、設定内容の日時情報は、例えば「2023年4月10日 15時36分22秒」となる。また、情報を取得してからユーザが確認して承認するまでの時間、または情報を取得してから設定が完了するまでの時間をクラウドサーバ6で換算して、換算した時間を日時情報に加算して設定内容を生成しても良い。また、ユーザが承認した後、改めてクラウドサーバ6がネットワーク5から日時情報を取得し、最新の日時情報を用いて設定内容を生成しても良い。また、クラウドサーバ6が設定内容を制御コントローラ2に送信し、設定を完了した後に、ユーザに対する確認を行っても良い。
【0050】
日付または時刻の設定を変更する際に、日付または時刻の設定に関連する照明制御設定の他の部分を変更しても良い。つまり日付または時刻の設定を変更する際にも、照明制御設定のうち、命令要素に対応する第1部分に加えて、命令要素で変更の指示がされていない第2部分を変更しても良い。
【0051】
図16、17は、実施の形態1に係る自然言語を入力するための入力機器の例を示す図である。自然言語による入力情報は、文字入力または音声入力により受け付けることができる。
図16、17では、入力機器がそれぞれ情報端末9および設定リモコン10であり、入力情報が文字入力により受け付けられる例が示されている。ユーザは、入力機器が有している入力インターフェイスを通して、自然言語により入力情報をインプットできる。
【0052】
図18、19は、実施の形態1に係る入力機器を用いて、設定内容をユーザに確認している状態を示す図である。
図18、19は、それぞれ情報端末9と設定リモコン10で、照明制御システムが提案する設定内容をユーザに確認している状態を示す。設定内容は、入力機器の確認インターフェイスである画面に表示されている。ユーザは、画面に表示された設定内容を確認し、画面に示された指示に従って設定内容を承認するか否かを入力する。
【0053】
なお、図示しないが、入力機器として音声認識ユニット8を用いる場合は、音声によるフィードバックにてユーザは設定内容を確認する。音声認識ユニット8を用いる場合、設定内容の確認は任意の端末の画面を通して行われても良い。
【0054】
図20は、実施の形態1に係る照明制御システム100の動作フローを示す図である。初期状態において問い合わせ回数は0である。ステップ101として、ユーザは、音声認識ユニット8、情報端末9もしくは設定リモコン10から、設定したい内容を入力情報として入力する。入力情報は、ChatGPT(商標)等のAIを活用してユーザと対話をする形で入力される。このとき、照明制御システム100は問い合わせ回数に1を足して、1とする。次に、ステップ102として、通信コントローラ3が入力情報を受信してクラウドサーバ6へ送信する。
【0055】
ステップ103として、クラウドサーバ6は入力情報から命令要素および命令種別を抽出する。ステップ104として、クラウドサーバ6は命令要素を制御命令に変換する。ここで、命令要素の抽出とは、自然言語でユーザが発話した文章の中から、命令要素になり得ると判断された文言を抜き出すことを意味する。また、制御命令への変換とは、命令要素を、照明制御システム100またはクラウドサーバ6が命令として受け取ることができる文字列または信号などに置き換えることを示す。
【0056】
命令要素を制御命令に置き換える際にクラウドサーバ6は、ユーザの自然言語による入力情報の文脈から、複数種類ある照明制御設定のうち、命令要素が何れの設定に該当するかを判別する。また、クラウドサーバ6は、命令種別によって、制御命令をそのまま制御コントローラ2に命令するか、ネットワーク5等に情報検索を行うかを判別する。命令要素の種類として、シーン等を設定するためのスケジュール設定、時刻設定、制御コントローラ2の動作等を設定するための動作条件設定などがある。命令種別としては、制御コントローラ2、ネットワーク5などがある。
【0057】
ステップ105として、クラウドサーバ6は、制御命令に応じた問い合わせ内容と、命令種別の照合を行う。ステップ106として、クラウドサーバ6は、照合結果に基づきネットワーク5または制御コントローラ2への問い合わせを行う。なお、問い合わせ回数が2以上かつ命令種別が制御コントローラ2の場合は、制御コントローラ2への問い合わせは行わず、制御コントローラ2から新たな情報を入手せずに後述するステップ114に遷移する。命令種別がネットワーク5の場合は、問い合わせ回数に関わらず問い合わせを行う。
【0058】
ネットワーク5に問い合わせを行った場合、ステップ107として、ネットワークサーバが日時情報などのネットワーク5上の情報を検索する。これにより、ステップ108として、ネットワーク5から所望の情報が取得される。ステップ109として、クラウドサーバ6が問い合わせた情報を受信する。次に、ステップ114として、問い合わせた情報を用いて設定内容を生成する。
【0059】
ステップ106で制御コントローラ2に問い合わせを行った場合、ステップ110として、クラウドサーバ6は通信コントローラ3を介して制御コントローラ2に問い合わせしたい内容を通知する。ステップ111として、制御コントローラ2は通信コントローラ3を介して、問い合わせされた情報を発信する。スケジュール設定の場合、発信する情報は制御コントローラ2に現在設定されているスケジュール情報となる。ステップ112として、通信コントローラ3は制御コントローラ2が発信した情報を受信して、クラウドサーバ6に通知する。ステップ113として、クラウドサーバ6は問い合わせた情報を受信する。ステップ114として、問い合わせた情報を用いて設定内容を生成する。
【0060】
ステップ106において、命令種別が制御コントローラ2で、問い合わせ回数が2以上の場合、クラウドサーバ6は新たに制御コントローラ2から情報を読みださず、前回生成した設定内容に対して、さらに変更を行う。
【0061】
ステップ101においてユーザは、照明制御設定の全ての変更内容について命令を行う必要はない。例えば現在の照明制御設定が、8:00に調光率50%、12:00に調光率100%、18:00に調光率80%という内容の場合、ユーザは12:00に調光率90%という命令のみを行っても良い。この場合、ステップ114においてクラウドサーバ6は、照明制御設定のうち、「12:00に調光率90%」という命令要素に対応する第1部分と、第1部分に関連する第2部分とを変更して設定内容を生成する。これにより設定内容は、例えば8:00に調光率50%、12:00に調光率90%、18:00調光率80%となる。
【0062】
ステップ115として、クラウドサーバ6は、生成した設定内容を変更提案としてユーザに通知する。ステップ116のユーザの許諾確認において、ユーザが変更提案に許諾しない場合、さらに変更したい内容をユーザに問うことを目的として、ステップ101に戻る。この際、問い合わせ回数に1を足す。例えば、ステップ116の時点で問い合わせ回数が1の場合、問い合わせ回数は2となる。
【0063】
ユーザが許諾した場合は、ステップ117としてクラウドサーバ6は、変更した設定内容を、通信コントローラ3を介して制御コントローラ2に送信する。ステップ118として、制御コントローラ2は設定内容を反映し、設定内容に従って照明器具1の動作を開始させる。照明器具1では、ステップ119として制御ユニット17が制御コントローラ2からの命令を受信し、制御電源16に指令を送る。ステップ120として制御電源16は、指令に従い動作する。これにより、照明器具1は設定内容に従って動作することとなる。
【0064】
このようにクラウドサーバ6は、照明制御設定から第1部分と第2部分を変更した設定内容をユーザに通知し(ステップ115)、ユーザが設定内容を承認した場合に、設定内容により光源部を制御する。クラウドサーバ6は、ユーザが設定内容を承認しない場合、再度ユーザからの自然言語による入力情報を受け付ける(ステップ101)。クラウドサーバ6は、再度受け付けた入力情報から命令要素および命令種別を抽出し、設定内容のうち命令要素に対応する部分と、命令要素に対応する部分に関連する部分とをさらに変更する(ステップ102~114)。クラウドサーバ6は、変更した設定内容をユーザに通知し(ステップ115)、ユーザが変更した設定内容を承認した場合に、変更した設定内容により光源部を制御する(ステップ116~120)。
【0065】
なお、クラウドサーバ6は、問い合わせ回数が1の時に、既に制御コントローラ2から最新の情報を取得済みである。このため、ユーザが設定内容を承認せず、再度ユーザからの入力情報を受け付けた後の問い合わせ回数が2以上の時には、ステップ110~113を省略できる。
【0066】
このように、設定内容にユーザが満足しない場合は、さらにユーザに変更したい内容を入力させて、設定内容をさらに変更して、再度ユーザに提案をする。このように、会話のやりとりによって、ユーザの意向に沿った設定内容を構築して行くことができる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザからの自然言語による入力情報から命令要素が抽出され、照明制御設定のうち命令要素に対応する第1部分と、第1部分に関連する第2部分とが変更される。つまり、ユーザは特に変更したい部分のみを指示すれば良く、残りの部分については照明制御システム100により変更または変更の提案を行うことができる。従って、ユーザは照明制御設定のすべてを指示する必要はなく、ユーザによる設定作業を簡略化でき、ユーザの負荷を抑制できる。
【0068】
また、ユーザは自然言語により命令ができるため、難しい設定用語または設定方法を詳細に理解する必要がない。このため、誰でも設定しやすい照明制御システム100を提供できる。
【0069】
入力情報を分析して設定内容を生成する制御装置は、クラウドサーバ6に限らず、制御コントローラ2、通信コントローラ3、制御ユニット17または制御電源16であっても良い。この場合、ネットワークを介したクラウドサーバ6との通信は行われなくても良い。クラウドサーバ6の機能が、制御ユニット17、制御電源16等の照明器具1内の回路に設けられる場合、本実施の形態の照明制御システムは、単体の照明器具として構成されても良い。また、制御装置は複数の装置で構成されていても良い。この場合、上述した制御装置の機能のうち、一部が1つの装置で実現され、他の部分が他の装置で実現されても良い。
【0070】
また制御装置は、ユーザからの自然言語による入力情報から命令要素を抽出し、照明制御設定のうち命令要素に対応する第1部分と、第1部分に関連する第2部分とを変更できれば良く、照明制御設定の変更に学習機能が用いられなくても良い。例えば、
図15に示される日付または時刻の設定において、AIによる学習機能が用いられなくても良い。
【0071】
図21は、実施の形態1に係るクラウドサーバ6の機能ブロック図である。
図22は、実施の形態1に係るクラウドサーバ6のハードウェア構成図である。ここでは、制御装置の例としてクラウドサーバ6の構成について説明するが、制御装置は例えば制御コントローラ2、通信コントローラ3、制御ユニット17または制御電源16であっても良い。
【0072】
図21において受信部6aは、入力機器からユーザからの自然言語による入力情報を受信する。抽出部6bは、入力情報から命令要素と命令種別を抽出する。情報取得部6cは、命令種別に応じた取得先から、照明制御設定を変更するための情報を取得する。設定変更部6dは、取得した情報と命令要素に基づき、照明制御設定のうち、命令要素に対応する第1部分と、第1部分に関連する第2部分とを変更して、設定内容を生成する。通知部6eは、設定した設定内容をユーザに通知する。
【0073】
受信部6a、抽出部6b、情報取得部6c、設定変更部6d、通知部6eの機能は、例えば
図22に示されるプロセッサ6f等の演算装置により実現される。演算装置は、専用のハードウェアであっても良く、メモリ6gに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)またはマイクロコンピュータであっても良い。また、受信部6a、抽出部6b、情報取得部6c、設定変更部6d、通知部6eの機能を、複数の演算装置で実現しても良い。
【0074】
メモリ6gには、ユーザからの自然言語による入力情報から命令要素を抽出し、照明制御設定のうち命令要素に対応する第1部分と、第1部分に関連する第2部分とを変更するプログラムが格納される。メモリ6gは、不揮発性メモリ等である。メモリ6gには、学習機能により得られた学習済モデルが格納されても良い。
【0075】
また、本実施の形態では青空を模して発光する照明器具1を例に説明したが、照明制御システム100が有する照明器具1の種類は限定されない。照明器具1として、少なくとも明るさ、または発光色を制御できるあらゆる照明器具を採用できる。また、照明制御システム100は1つまたは複数の照明器具1を有すれば良く、複数の照明器具1には異なる種類の照明器具が含まれても良い。また、本実施の形態では照明器具に対する制御システムまたは制御装置を例に説明したが、照明器具に限らず、例えば空調機器、映像システム、放送システムなどに、本実施の形態の制御システムまたは制御装置を適用して制御しても良い。
【0076】
上述した変形は、以下の実施の形態に係る照明制御システムおよび制御装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明制御システムおよび制御装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0077】
実施の形態2.
図23は、実施の形態2に係る照明制御システム100の動作フローを示す図である。本実施の形態の照明器具1および照明制御システム100の構成は、実施の形態1の構成と同様である。本実施の形態では、照明制御設定を変更する際の制御が実施の形態1と異なる。実施の形態1では、クラウドサーバ6が提案した設定内容は、ユーザが承認してから制御コントローラ2に設定された。これに対し本実施の形態では、クラウドサーバ6が提案した設定内容が制御コントローラ2に設定されて照明制御システム100が設定内容に従って動作できるようになった後に、ユーザの許諾を得る。
【0078】
ステップ201~213は、実施の形態1のステップ101~113と基本的には同じである。なお、本実施の形態では問い合わせ回数によらず制御コントローラ2からの情報の取得を行う点が実施の形態1と異なる。ステップ214においてクラウドサーバ6は、実施の形態1のステップ114と同様に、問い合わせた情報を用いて設定内容を生成する。本実施の形態においてクラウドサーバ6は、設定内容を生成すると、設定内容に基づき制御コントローラ2に命令を行う。
【0079】
ステップ215において、通信コントローラ3は受信した命令を制御コントローラ2に送信する。ステップ216として制御コントローラ2は、受信した設定内容を照明制御システム100に登録し、登録したことを通信コントローラ3に通知する。ここで、設定内容の登録とは、設定内容が照明制御システム100に反映され、設定内容に従って照明制御システム100または照明器具1が動作可能な状態となったことを示す。設定内容の登録は、制御コントローラ2または照明器具1に、設定内容が記憶されたことを示しても良い。
【0080】
ステップ217として、制御コントローラ2からの通知を受信した通信コントローラ3は、クラウドサーバ6に通知を転送する。ステップ218としてクラウドサーバ6は、生成した設定内容をユーザに通知する。ステップ219でユーザが許諾しない場合、さらに変更したい内容をユーザに問いかけることを目的として、ステップ201に戻る。
【0081】
ステップ219でユーザが許諾した場合、ステップ220としてクラウドサーバ6は、通信コントローラ3を介して、ステップ216にて反映した設定内容で照明器具1を動作開始するよう制御コントローラ2に命令を行う。ステップ221として制御コントローラ2は、反映した設定内容に従って照明器具1の動作を開始させる。ステップ222として照明器具1内の制御ユニット17は、制御コントローラ2の命令に従い、順次、制御電源16に指令を行う。ステップ223として、制御電源16は指令に従い動作する。これにより、照明器具1は設定内容に従って動作することとなる。
【0082】
このように本実施の形態では、クラウドサーバ6は、照明制御設定から第1部分と第2部分を変更した設定内容を、照明制御システム100に登録した後に、設定内容をユーザに通知する(ステップ218)。ユーザが設定内容を承認しない場合、クラウドサーバ6は、再度ユーザからの自然言語による入力情報を受け付ける(ステップ201)。クラウドサーバ6は、再度受け付けた入力情報から命令要素を抽出し、設定内容のうち命令要素に対応する部分と、命令要素に対応する部分に関連する部分とを変更し、変更した設定内容を照明制御システム100に登録する(ステップ202~215)。
【0083】
なお、
図19の例では、ユーザの承諾(ステップ219)が得られた後に設定内容に従って照明器具1が動作を開始している(ステップ223)。これに限らず、ステップ216の設定内容の登録の時点で、設定内容に従って照明器具1が動作を開始しても良い。
【0084】
実施の形態1では、生成した設定内容をクラウドサーバ6が一時的に記憶したうえでユーザの承諾を得る必要がある。これに対し本実施の形態では、クラウドサーバ6は、ユーザの承諾の有無にかかわらず、生成した設定内容を制御コントローラ2に送信して登録すれば良い。その後、ユーザの承諾が得られなかった場合には、再度、制御コントローラ2に現在の照明制御設定を問い合わせ(ステップ201~213)、取得した情報に基づき、設定内容を生成すれば良い。このため、本実施の形態では、問い合わせ回数の把握が必要なく、シンプルな制御フローで照明制御システム100を動作させることができる。
【0085】
各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【0086】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
光源部と、
光源部の点灯状態を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
ユーザからの自然言語による第1入力情報から第1命令要素を抽出し、
前記光源部を制御するための照明制御設定のうち、前記第1命令要素に対応する第1部分と、前記第1部分に関連する第2部分とを変更することを特徴とする照明制御システム。
(付記2)
前記第2部分は、前記照明制御設定のうち前記第1命令要素で変更の指示がされていない部分であることを特徴とする付記1に記載の照明制御システム。
(付記3)
前記制御装置は、
前記照明制御設定から前記第1部分と前記第2部分を変更した設定内容を前記ユーザに通知し、
前記ユーザが前記設定内容を承認した場合に、前記設定内容により前記光源部を制御することを特徴とする付記1または2に記載の照明制御システム。
(付記4)
前記制御装置は、前記ユーザが前記設定内容を承認しない場合、
前記ユーザからの自然言語による第2入力情報を受け付けて、前記第2入力情報から第2命令要素を抽出し、
前記設定内容のうち前記第2命令要素に対応する部分と、前記第2命令要素に対応する部分に関連する部分とを変更し、
前記変更した設定内容を前記ユーザに通知し、
前記ユーザが前記変更した設定内容を承認した場合に、前記変更した設定内容により前記光源部を制御することを特徴とする付記3に記載の照明制御システム。
(付記5)
前記制御装置は、
前記照明制御設定から前記第1部分と前記第2部分を変更した設定内容を、前記照明制御システムに登録した後に、前記設定内容を前記ユーザに通知し、
前記ユーザが前記設定内容を承認しない場合、前記ユーザからの自然言語による第2入力情報を受け付けて、前記第2入力情報から第2命令要素を抽出し、
前記設定内容のうち前記第2命令要素に対応する部分と、前記第2命令要素に対応する部分に関連する部分とを変更し、
前記変更した設定内容を前記照明制御システムに登録することを特徴とする付記1または2に記載の照明制御システム。
(付記6)
前記第1入力情報は、文字入力により受け付けられることを特徴とする付記1から5の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記7)
前記第1入力情報は、音声入力により受け付けられることを特徴とする付記1から5の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記8)
前記制御装置は、
前記第1入力情報から命令種別を抽出し、
前記命令種別に応じた取得先から情報を取得し、
前記情報と、前記第1命令要素に基づき、前記照明制御設定を変更することを特徴とする付記1から7の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記9)
前記制御装置は、
前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値を含む学習用データを取得し、
前記学習用データを用いて、前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値から前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを生成することを特徴とする付記1から8の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記10)
前記制御装置は、
前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値を取得し、
前記照明制御システムの説明書、仕様書または前記照明制御設定の初期値に基づき前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを用いて、前記照明制御設定の前記第2部分を変更することを特徴とする付記1から9の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記11)
前記制御装置は、
前記自然言語を含む学習用データを取得し、
前記学習用データを用いて、前記自然言語から前記第1命令要素を抽出するための学習済モデルを生成することを特徴とする付記1から10の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記12)
前記制御装置は、
前記自然言語による前記第1入力情報を取得し、
前記自然言語から前記第1命令要素を抽出するための学習済モデルを用いて、前記第1命令要素を抽出することを特徴とする付記1から11の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記13)
前記制御装置は、
インターネット上の情報を含む学習用データを取得し、
前記学習用データを用いて、前記インターネット上の情報から前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを生成することを特徴とする付記1から12の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記14)
前記制御装置は、
インターネット上の情報を取得し、
前記インターネット上の情報に基づき前記照明制御設定の前記第2部分を変更するための学習済モデルを用いて、前記照明制御設定の前記第2部分を変更することを特徴とする付記1から13の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記15)
前記光源部を有する照明器具を備え、
前記制御装置は、前記照明器具と通信して前記光源部の点灯状態を制御することを特徴とする付記1から14の何れか1項に記載の照明制御システム。
(付記16)
ユーザからの自然言語による入力情報から命令要素を抽出する抽出部と、
光源部を制御するための照明制御設定のうち、前記命令要素に対応する第1部分と、前記第1部分に関連する第2部分とを変更する設定変更部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【符号の説明】
【0087】
1 照明器具、2 制御コントローラ、3 通信コントローラ、5 ネットワーク、6 クラウドサーバ、6a 受信部、6b 抽出部、6c 情報取得部、6d 設定変更部、6e 通知部、6f プロセッサ、6g メモリ、7 情報、8 音声認識ユニット、9 情報端末、10 設定リモコン、11 筐体、12 散乱板、13 周囲発光フレーム、14 主発光面用LED基板、15 周囲発光用LED基板、16 制御電源、17 制御ユニット、18 反射シート、61 データベース、63、64、65 学習用データ、90 入力情報、91 抽出・変換情報、100 照明制御システム、121 散乱体、131、132 周囲発光フレーム、144、145、146、153、154 回路パターン、161 直流電源回路、162 出力制御回路、163a 第1点灯回路、163b 第2点灯回路、163c 第3点灯回路、163d 第4点灯回路、163e 第5点灯回路、141 白色LED、142 青色LED、143 緑色LED、151 高色温度白色LED、152 低色温度白色LED