(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176415
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】半導体装置、および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20241212BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20241212BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20241212BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 652H
H01L29/78 652J
H01L29/78 652P
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/78 652M
H01L29/78 658J
H01L29/78 658F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094927
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大瀬 直之
(57)【要約】
【課題】半導体装置の低コスト化を図りつつ信頼性を向上させる。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板10と、半導体基板10上に設けられる第1金属層21と、第1金属層21上に設けられる第2金属層22と、開口部41を有し、第2金属層22上に設けられる保護膜40と、を備え、保護膜40は、第2金属層22に接触し、かつ、樹脂材料で構成され、第1金属層21および第2金属層22のそれぞれは、平面視で開口部41を包含する領域にわたり設けられ、第2金属層22は、第1金属層21と保護膜40との間に介在する部分を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられる第1金属層と、
前記第1金属層上に設けられる第2金属層と、
開口部を有し、前記第2金属層上に設けられる保護膜と、を備え、
前記保護膜は、前記第2金属層に接触し、かつ、樹脂材料で構成され、
前記第1金属層および前記第2金属層のそれぞれは、平面視で前記開口部を包含する領域にわたり設けられ、
前記第2金属層は、前記第1金属層と前記保護膜との間に介在する部分を有する、
半導体装置。
【請求項2】
平面視で、前記第2金属層の外縁の少なくとも一部は、前記第1金属層の外縁に一致する、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2金属層は、平面視で前記保護膜に重なる位置に貫通孔を有する、
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2金属層は、Ni、Ni合金またはAuで構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2金属層の厚さは、1μm以上5μm以下の範囲内にある、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2金属層上に設けられ、平面視で前記開口部内に位置する第3金属層をさらに備え、
前記第3金属層は、Ni、Ni合金またはAuで構成される、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2金属層の厚さは、1μm以上2μm以下の範囲内にある、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第3金属層の厚さは、1μm以上3μm以下の範囲内にある、
請求項6または7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1金属層は、AlまたはAl合金で構成される、
請求項4または5に記載の半導体装置。
【請求項10】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられる第1金属層と、
前記第1金属層上に設けられる第2金属層と、
開口部を有し、前記第2金属層上に設けられる保護膜と、を備える半導体装置の製造方法であって、
前記第1金属層および前記第2金属層を形成する金属層形成工程と、
前記保護膜を形成する保護膜形成工程と、を含み、
前記保護膜は、前記第2金属層に接触し、かつ、樹脂材料で構成され、
前記第1金属層および前記第2金属層のそれぞれは、平面視で前記開口部を包含する領域にわたり設けられ、
前記第2金属層は、前記第1金属層と前記保護膜との間に介在する部分を有する、
半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記金属層形成工程は、
前記半導体基板上に第1金属膜を成膜する第1成膜工程と、
前記第1金属膜上に第2金属膜を成膜する第2成膜工程と、
前記第1金属膜および前記第2金属膜を一括してエッチングすることにより、前記第1金属層および前記第2金属層を形成するエッチング工程と、を含む、
請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置、および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体装置に代表される半導体装置では、リードまたは端子ピン等の導体にはんだ接合される電極を有する場合がある。例えば、特許文献1に記載の半導体装置では、はんだ接合されるエミッタ電極が半導体基板の一方の面に設けられる。ここで、エミッタ電極は、第1金属層、第2金属層および酸化防止層を備える。そして、第1金属層上には、第1開口部を有する第1保護膜が第1金属層の端部を覆うように設けられる。第2金属層は、第1開口部において第1金属層上に設けられる。酸化防止層は、第1開口部において第2金属層上に設けられる。
【0003】
特許文献1では、酸化防止層の端部および第1保護膜を覆うように、第2開口部を有する第2保護膜が設けられる。これにより、第1保護膜と第2金属層との境界部における熱応力に起因するクラックの発生が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の半導体装置では、第1金属層と第2金属層との間に第1保護膜の一部が介在するため、第1保護膜の熱膨張に起因して第2金属層が第1金属層から剥離する虞がある。また、第1保護膜のほかに第2保護膜が必要となるので、製造工程が複雑化してしまい、この結果、高コスト化を招くという課題もある。
【0006】
以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、半導体装置の低コスト化を図りつつ信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本開示の好適な態様に係る半導体装置は、半導体基板と、前記基板上に設けられる第1金属層と、前記第1金属層上に設けられる第2金属層と、開口部を有し、前記第2金属層上に設けられる保護膜と、を備え、前記保護膜は、前記第2金属層に接触し、かつ、樹脂材料で構成され、前記第1金属層および前記第2金属層のそれぞれは、平面視で前記開口部を包含する領域にわたり設けられ、前記第2金属層は、前記第1金属層と前記保護膜との間に介在する部分を有する。
【0008】
本開示の好適な態様に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板と、前記基板上に設けられる第1金属層と、前記第1金属層上に設けられる第2金属層と、開口部を有し、前記第2金属層上に設けられる保護膜と、を備える半導体装置の製造方法であって、前記第1金属層および前記第2金属層を形成する金属層形成工程と、前記保護膜を形成する保護膜形成工程と、を含み、前記保護膜は、前記第2金属層に接触し、かつ、樹脂材料で構成され、前記第1金属層および前記第2金属層のそれぞれは、平面視で前記開口部を包含する領域にわたり設けられ、前記第2金属層は、前記第1金属層と前記保護膜との間に介在する部分を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示では、半導体装置の低コスト化を図りつつ信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置の部分拡大断面図である。
【
図4】参考例に係る半導体装置の部分拡大断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の流れを示す図である。
【
図7】金属層形成工程の第1成膜工程を説明するための図である。
【
図8】金属層形成工程の第2成膜工程を説明するための図である。
【
図9】金属層形成工程のエッチング工程を説明するための図である。
【
図10】保護膜形成工程を説明するための図である。
【
図11】第2実施形態に係る半導体装置の部分拡大断面図である。
【
図12】第3実施形態に係る半導体装置の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部は、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0012】
1.実施形態
1-1.半導体装置の全体構成
図1は、第1実施形態に係る半導体装置1の平面図である。
図2は、
図1中のA-A´線断面図である。
図1では、半導体装置1のおもて面が示される。なお、
図1では、見やすくするため、後述のはんだ60の図示が省略される。
【0013】
半導体装置1は、例えば、トレンチゲート構造の縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。
図1および
図2に示すように、半導体装置1は、半導体基板10と、後述の層間絶縁膜114と絶縁膜123とゲートランナー130とのほか、ソースパッド20とゲートパッド30と保護膜40とドレインパッド50とを備える。
【0014】
以下、まず、
図1および
図2に基づいて、半導体装置1の各部の概略を順次説明する。なお、以下の説明は、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜に用いて行う。Z軸は、半導体装置1の厚さ方向に平行な軸である。以下では、X軸に沿う一方向がX1方向であり、X1方向とは反対の方向がX2方向である。Y軸に沿う一方向がY1方向であり、Y1方向とは反対の方向がY2方向である。Z軸に沿う一方向がZ1方向であり、Z1方向とは反対の方向がZ2方向である。これらの方向と鉛直方向との関係は、特に限定されず、任意である。また、以下では、Z軸に沿う方向にみることを「平面視」、Z1方向を向く面を「おもて面」、Z2方向を向く面を「裏面」という場合がある。
【0015】
半導体基板10は、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)または窒化ガリウム(GaN)等の半導体で構成された基板であり、縦型MOSFETの構造を有する。
【0016】
図1に示す例では、半導体基板10が平面視でX軸に沿う1対の辺とY軸に沿う1対の辺とを有する四角形をなす。半導体基板10は、
図2に示すように、活性領域10aとエッジ終端領域10bとに区分される。
【0017】
活性領域10aは、MOSFETがオン状態であるときに主電流としてドリフト電流が流れる有効領域を含む。
図1に示す例では、活性領域10aが平面視で半導体基板10の外縁よりも内側にて当該外縁に沿う四角形をなす。
【0018】
活性領域10aには、縦型MOSFETの複数のトレンチ16が設けられ、隣接するトレンチ16の間にはトレンチ間p+型領域17が設けられる。トレンチ間から隣のトレンチ間までの領域を単位セル110とし、該単位セル110は活性領域10aに複数設けられる。
図2では、説明の便宜上、半導体基板10に設けられる縦型MOSFET等の要素が概略的に示される。なお、以下、半導体基板10の構成の一例を
図1および
図2に基づいて説明するが、半導体基板10の構成は、
図1および
図2に示す例に限定されない。
【0019】
以下の説明では、nやpに付す+や-は、+及び-が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高いまたは低い半導体領域であることを意味する。ただし、同じnとnとが付された半導体領域であっても、それぞれの半導体領域の不純物濃度が厳密に同じであることを意味するものではない。
【0020】
ここで、半導体基板10は、n+型出発基板11とn-型ドリフト層12とp型ウェル層14とn型ソース領域15とを少なくとも有し、n型領域13とp++型コンタクト領域18を有してもよい。
【0021】
半導体基板10は、n+型出発基板11からZ1方向に向けて、n-型ドリフト層12、n型領域13の順に積層して形成される。p型ウェル層14は、n型領域13の表面に例えばAl等のp型不純物をイオン注入して形成してよく、p型エピタキシャル層を積層することで形成してもよい。n型ソース領域15は、p型ウェル層14にn型不純物をイオン注入して形成される。
【0022】
n+型出発基板11は、n型の炭化ケイ素等の半導体で構成される基板である。n-型ドリフト層12は、n+型出発基板11よりも不純物濃度の低いn型の炭化ケイ素等の半導体で構成される層である。n型領域13は、n+型出発基板11よりも不純物濃度が低く、かつ、n-型ドリフト層12よりも不純物濃度の高い、いわゆる電流拡散層(CSL)である。n型領域13は設けられなくてもよい。n型領域13が設けられない場合は、n-型ドリフト層12の上面が、後述のp型ウェル層14の下面に接してよい。
【0023】
p型ウェル層14は、p型の炭化ケイ素等の半導体で構成される層であり、ベース領域を含む。n型ソース領域15は、n+型出発基板11よりも不純物濃度が低く、かつ、n-型ドリフト層12よりも不純物濃度の高いn+型の炭化ケイ素等の半導体で構成される層であり、ソース領域を含む。
【0024】
このような半導体基板10のおもて面には、活性領域10aにおいて、p型ウェル層14およびn型ソース領域15を貫通する複数のトレンチ16が設けられる。トレンチ16のZ2方向での端はn型領域13に達し、n型領域13が設けられない場合はn-型ドリフト層12に達する。各トレンチ16の側面にはn型ソース領域15、およびp型ウェル層14が接している。トレンチ16は、Y軸に沿う方向に多数互いに間隔をあけて配置される。また、各トレンチ16は、X軸に沿う方向にストライプ状に延伸する平面パターンを有してよく、ドット上の平面パターンを有してもよい。
【0025】
各トレンチ16の下面及び両側の側面に沿ってゲート絶縁膜111が設けられる。トレンチ16の内側にはゲート絶縁膜111を介してゲート電極112が設けられる。ゲート絶縁膜111は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)、酸窒化珪素(SiON)膜、ストロンチウム酸化物(SrO)膜、窒化珪素(Si3N4)膜、アルミニウム酸化物(Al2O3)膜、マグネシウム酸化物(MgO)膜、イットリウム酸化物(Y2O3)膜、ハフニウム酸化物(HfO2)膜、ジルコニウム酸化物(ZrO2)膜、タンタル酸化物(Ta2O5)膜、ビスマス酸化物(Bi2O3)膜のいずれか1つの単層膜或いはこれらの複数を積層した複合膜等が採用可能である。
【0026】
ゲート電極112としては、例えばp型不純物又はn型不純物を高不純物濃度に添加したポリシリコン層(ドープドポリシリコン層)や、チタン(Ti)、タングステン(W)又はニッケル(Ni)等の高融点金属が使用可能である。n型領域13(設けられない場合はn-型ドリフト層12)には、p+型領域113が設けられている。各トレンチ16のZ2方向での端は、p+型領域113と接してよく、接しなくともよい。p+型領域113は、トレンチ16の下に設けられ、p型の炭化ケイ素等の半導体で構成される領域である。p+型領域113は、ゲート絶縁膜111のZ2方向での端に集中する電界を緩和する機能を有する。p+型領域113の幅はトレンチ16の幅と同じか、またはトレンチ16の幅より広くてもよい。また、半導体基板10のおもて面には、ゲート電極112を覆うように層間絶縁膜114が設けられる。層間絶縁膜114は、PSG(Phospho Silicate Glass)等の絶縁材料で構成される膜である。
【0027】
トレンチ間p+型領域17は、互いに隣り合うトレンチ16間に、p+型領域113およびトレンチ16と離して設けられている。トレンチ間p+型領域17は、上面でp型ウェル層14に接し、p型ウェル層14を介して第1金属層21と電気的に接続されている。トレンチ間p+型領域17は、n型領域13の内部でおもて面側に形成される上部トレンチ間p+型領域131と、n型領域13の内部で下面側に形成される下部トレンチ間p+型領域132と、が隣接して2層として形成してよく、同時に形成された1層としてもよい。
【0028】
p+型領域113とトレンチ間p+型領域17は、第1金属層21の電位に固定されており、半導体装置1のオフ時に空乏化して、ゲート絶縁膜111にかかる電界を緩和させる効果を有する。p+型領域113は、p型ウェル層14と離して設けられ、深さ方向にトレンチ16の底面と対向する。また、p+型領域113は図示省略する部分でトレンチ間p+型領域17に接続する箇所を有しており、第1金属層21と電気的に接続される。
【0029】
エッジ終端領域10bは、平面視で活性領域10aと半導体基板10の外縁との間の領域である。
図1に示す例では、エッジ終端領域10bが活性領域10aの周囲を囲む枠状をなす。エッジ終端領域10bは、p++型コンタクト領域18とp型ウェル層14、およびn型ソース領域15が設けられない領域である。また、エッジ終端領域には、JTE(Junction Termination Extension)構造121とFLR(Field Limiting Ring)構造122とを含む耐圧構造120が設けられる。耐圧構造120は、半導体基板10のおもて面側の電界を緩和することにより耐圧を保持する機能を有する。ここで、耐圧とは、MOSFETが誤動作または破壊を起こさない最大の電圧である。
【0030】
図2に示す例では、JTE構造121は、半導体基板10のおもて面に互いに間隔をあけてエッジ終端領域10bの全周にわたり設けられる複数のp
++型領域を包含するp
--型領域で構成される。FLR構造122は、JTE構造121よりも半導体基板10の外縁に近い位置で、半導体基板10のおもて面に互いに間隔をあけてエッジ終端領域10bの全周にわたり設けられる複数のp
--型領域で構成される。ここで、半導体基板10のおもて面には、耐圧構造120を覆うように絶縁膜123が設けられる。絶縁膜123は、前述の層間絶縁膜114と一括に形成されてもよい。なお、耐圧構造120の構成は、
図2に示す例に限定されず、任意であり、公知の各種構造を適宜に採用してもよい。
【0031】
半導体基板10において、活性領域10aの最外周に設けられるトレンチ16より外縁側、かつエッジ終端領域10bより内側にて、n型領域13内(設けられない場合はn-型ドリフト層12内)に半導体基板おもて面側から、深さ方向に隣接して、p++型コンタクト領域18、p型ウェル層14および上部p+型領域131、下部p+型領域132が設けられる。これらの領域は、活性領域10aのp++型コンタクト領域18、p型ウェル層14、およびトレンチ間p+型領域17を延在させた領域である。上記複数のp型領域は、活性領域10aを囲むように形成されてよい。上記複数のp型領域は、半導体装置のオフ時にエッジ終端領域10bのn-型ドリフト層12で発生して、活性領域10aの中心方向に向かって流れるホール電流を第1金属層21へ引き抜くための領域である。
【0032】
半導体基板10のおもて面上には、最外周に設けられるトレンチ16よりも半導体基板10の外縁側かつ耐圧構造120よりも内側にて、絶縁膜123を介して、ゲートランナー130が設けられる。ゲートランナー130は、活性領域10aを囲むように半導体基板10の上方に配置され、例えば、ポリシリコン(Poly-Si)で構成される配線を含む。ゲートランナー130は、ポリシリコンで構成される配線と金属で構成される配線との積層構造でもよい。図示しないが、ゲートランナー130は、活性領域10aに設けられるすべてのゲート電極112に電気的に接続される。また、ゲートランナー130は、ゲートパッド30に電気的に接続される。すなわち、ゲートランナー130は、活性領域10aに設けられるすべてのゲート電極112とゲートパッド30とを互いに電気的に接続する。
【0033】
以上の半導体基板10のおもて面上には、活性領域10aにおいて、層間絶縁膜114を介して、ソースパッド20およびゲートパッド30が設けられる。
【0034】
ソースパッド20およびゲートパッド30のそれぞれは、活性領域10aにおいて、半導体基板10のおもて面の図示しない層間絶縁膜上に設けられる。ここで、ソースパッド20およびゲートパッド30は、互いに間隔をあけて配置される。
【0035】
ソースパッド20は、当該層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを通じて、MOSゲートを構成するソース領域およびベース領域に電気的に接続される。
図1に示す例では、ソースパッド20が平面視で開口部41の全域に設けられる。ここで、ゲートパッド30は平面視で四角形をなしており、開口部42の全域に設けられる。なお、ソースパッド20およびゲートパッド30のそれぞれの平面視形状は、
図1に示す例に限定されず、任意である。
【0036】
ソースパッド20およびゲートパッド30は、互いに同一の層構成を有してよく、同一の成膜工程により一括形成されてよい。
図2では、ソースパッド20の層構成が代表的に図示される。
図2に示すように、ソースパッド20は、層間絶縁膜114上に設けられる第1金属層21と、第1金属層21上に設けられる第2金属層22とを有してよい。
【0037】
第1金属層21および第2金属層22の詳細については、後に
図3に基づいて説明するが、
図2に示すように、第1金属層21の外周面21aと第2金属層22の外周面22aとが互いに連続的に接続される。
図2に示す例では、外周面21aおよび外周面22aのそれぞれがZ2方向に向かうに従って広がるように傾斜する。そして、外周面21aのZ1方向での周縁と外周面22aのZ2方向での周縁とが一致するように互いに接続される。ここで、外周面21a、22aの傾斜角度の差は、後述のエッチング工程S23における第1金属膜210と第2金属膜220とのエッチングレート差に起因する。
【0038】
このように、第2金属層22の外縁の少なくとも一部は、平面視で第1金属層21の外縁に一致する。ここで、「一致」とは、厳密な一致だけでなく、製造誤差等による相違を有する態様であって実質的に一致する態様を含む。この相違には、後述のエッチング工程S23における第1金属膜210と第2金属膜220とのエッチングレート差に起因する相違が含まれる。
【0039】
このように第2金属層22の外縁の少なくとも一部が平面視で第1金属層21の外縁に一致する態様では、第2金属層22が開口部41近傍のみに設けられる態様に比べて、第1金属層21と第2金属層22との密着性を高めることができる。この結果、半導体装置1の信頼性がより高められる。また、第1金属層21および第2金属層22の外縁が平面視で一致する場合、同一のエッチング工程により第1金属層21および第2金属層22を一括して形成することができる。このため、第1金属層21および第2金属層22のそれぞれを別のエッチング工程により形成する態様に比べて、半導体装置1の低コスト化を図ることができる。
【0040】
図2に示す例では、外周面21a、22aのそれぞれが活性領域10aとエッジ終端領域10bとの境界付近に位置する。
【0041】
なお、ソースパッド20の保護膜40に覆われる部分は、ソースパッド20の開口部41から露出する部分と異なる層構成であってもよい。例えば、第2金属層22と保護膜40との間には、第2金属層22を構成する金属とは異なるAlSi等の金属で構成される層が介在してもよい。この場合、第2金属層22と保護膜40との間の密着性を向上させることができる。
【0042】
このようなソースパッド20およびゲートパッド30上には、保護膜40が設けられる。すなわち、保護膜40は、第2金属層22上に設けられており、第2金属層22に接触する。保護膜40は、ポリイミド等の樹脂材料で構成される。
【0043】
保護膜40は、開口部41、42を有する。開口部41は、保護膜40を厚さ方向に貫通しており、ソースパッド20の一部を露出させる。これにより、開口部41を通じてソースパッド20に対してはんだ60によるはんだ接合が可能となる。開口部42は、保護膜40を厚さ方向に貫通しており、ゲートパッド30の一部を露出させる。これにより、開口部42を通じてゲートパッド30に対してはんだ接合が可能となる。
【0044】
はんだ60は、特に限定されないが、例えば、SnAg系、SnAgCu系、SnBi系、SnZnBi系、SnCu系、SnAgBi系またはSnZnAl系等の無鉛はんだである。
【0045】
また、開口部41は、平面視で第1金属層21の外周面21aと第2金属層22の外周面22aよりも内側に位置する。したがって、第1金属層21および第2金属層22のそれぞれは、平面視で開口部41を包含する領域にわたり設けられる。このため、開口部41において第1金属層21が第2金属層22により覆われる。また、第2金属層22が第1金属層21と保護膜40との間に介在する部分SDを有する。
【0046】
一方、半導体基板10の裏面上には、全域にわたり、ドレイン電極としてドレインパッド50が設けられる。ドレインパッド50は、例えば、Ti膜、ニッケル(Ni)膜および金(Au)膜をこの順に積層した積層構造を有する。
【0047】
1-2.第1金属層および第2金属層
図3は、第1実施形態に係る半導体装置1の部分拡大断面図である。以下、
図3に基づいて、第1金属層21および第2金属層22を順に詳細に説明する。なお、以下では、ソースパッド20を代表的に説明するが、第1金属層21および第2金属層22による作用および効果は、ゲートパッド30についても同様に発揮される。
【0048】
図3に示すように、第2金属層22は、第1金属層21と保護膜40との間に介在する部分SDを有する。このため、特許文献1に記載されるような2つの保護膜を設けなくても、第1金属層21が開口部41から露出されるのを確実に防止することができる。このため、はんだ接続によるはんだ60と第1金属層21との接触が防止されるので、第1金属層21の熱応力によるクラックの発生を低減することができる。この結果、半導体装置1の信頼性を向上させることができる。また、特許文献1に記載されるような2つの保護膜を設ける必要がないので、特許文献1に記載の装置に比べて製造工程の簡単化を図ることができる。この結果、半導体装置1の低コスト化を図ることもできる。
【0049】
ここで、第1金属層21は、例えば、アルミニウム(Al)単体で構成されるか、または、アルミニウムシリコン(AlSi)、アルミニウムシリコン銅(AlSiCu)またはアルミニウム銅(AlCu)等のAl合金で構成される。
【0050】
このように、第1金属層21がAlまたはAl合金で構成される場合、膜形成条件を最適化することで、第1金属層21の埋め込み性を良好にすることができる。したがって、前述のように半導体基板10のおもて面に凹凸が形成されていても、第1金属層21を容易に平坦化することができる。
【0051】
第1金属層21の厚さT1は、特に限定されないが、前述の層間絶縁膜114と絶縁膜123とゲートランナー130とのそれぞれの厚さよりも厚い。
【0052】
一方、第2金属層22は、第1金属層21と異なる金属で構成される。具体的には、第2金属層22は、はんだ60の濡れ性に優れる金属、例えば、ニッケル(Ni)単体で構成されるか、ニッケル-リン合金、ニッケル-スズ-リン合金等のニッケル合金で構成されるか、または、金(Au)単体で構成される。
【0053】
このように、第2金属層22は、Ni、Ni合金またはAuで構成される場合、第1金属層21と第2金属層22との密着性を良好としつつ、はんだ接合部へのはんだ60の濡れ性を向上させることができる。
【0054】
第2金属層22は、単層で構成されてもよいし、複数層の積層で構成されてもよい。第2金属層22は、複数層の積層で構成される場合、例えば、第1金属層21に接触するNi層と、このNi層上に設けられるAu層と、を含むことが好ましい。この場合、第1金属層21と第2金属層22との密着性を良好としつつ、はんだ接合部へのはんだ60の濡れ性を向上させることができる。
【0055】
本実施形態の第2金属層22の厚さT2は、1μm以上5μm以下の範囲内にあることが好ましい。この場合、第2金属層22の応力を低減しつつ、第2実施形態のような第3金属層23を設けなくても、第2金属層22のはんだ食われによりはんだ60が第1金属層21に至ることを防止することができる。
【0056】
これに対し、厚さT2が薄すぎると、はんだ60の構成材料等によっては、第2金属層22のはんだ食われによりはんだ60が第1金属層21に至る可能性がある。一方、厚さT2が厚すぎると、第2金属層22の構成材料等によっては、第2金属層22の応力が過大になることにより、半導体装置1の製造上の課題が多くなってしまう。
【0057】
図4は、参考例に係る半導体装置1Xの部分拡大断面図である。半導体装置1Xは、第2金属層22を省略したこと以外は、前述の半導体装置1と同様に構成される。
【0058】
半導体装置1Xでは、
図4に示すように、第1金属層1021上にはんだ1060が設けられる。このため、保護膜1040の開口部1041付近の位置Pにおいて、はんだ1060と第1金属層1021と保護膜1040とが互いに接触する。はんだ1060と第1金属層1021と保護膜1040との線膨張係数差に起因する熱応力により、
図4中の矢印で示すように、第1金属層1021にクラックが発生する虞がある。このクラックは、半導体基板1010と第1金属層1021との界面に至りやすいことから、半導体装置1Xの信頼性の低下を招く。
【0059】
特許文献1では、このクラックを防止するため、開口部1041内において第1金属層1021上にNi層を設けたうえで、このNi層の外縁を覆うように保護膜1040上にポリイミド等の樹脂で構成される保護膜を追加した構成が採用される。
【0060】
しかし、この構成では、第1金属層1021と当該Ni層との間に保護膜1040の一部が介在するため、保護膜1040の熱膨張に起因して当該Ni層が第1金属層から剥離する虞がある。また、保護膜1040のほかに追加の保護膜が必要となるので、製造工程が複雑化してしまい、この結果、高コスト化を招くという課題もある。
【0061】
これに対し、前述の半導体装置1では、追加の保護膜を設けなくても、第1金属層21が開口部41から露出されるのを確実に防止することができる。このため、はんだ接続によるはんだ60と第1金属層21との接触が防止されるので、第1金属層21の熱応力によるクラックの発生を低減することができる。これにより、半導体装置1のパワーサイクル耐量を高めることができる。また、第1金属層21と第2金属層22との間に保護膜40が介在しないので、特許文献1のような第2金属層22の剥離の問題も生じないので、半導体装置1の信頼性を向上させることができる。また、追加の保護膜を設ける必要がないので、特許文献1に記載の装置に比べて製造工程の簡単化を図ることができる。この結果、半導体装置1の低コスト化を図ることもできる。
【0062】
1-3.半導体装置の製造方法
図5は、第1実施形態に係る半導体装置1の製造方法の流れを示す図である。当該製造方法は、
図5に示すように、基板準備工程S10と金属層形成工程S20と保護膜形成工程S30とをこの順に含む。
【0063】
基板準備工程S10は、半導体基板10に、層間絶縁膜114と、絶縁膜123と、ポリシリコンのゲートランナー130と、を形成する。金属層形成工程S20は、第1金属層21および第2金属層22を形成する。本実施形態では、金属層形成工程S20が第1成膜工程S21と第2成膜工程S22とエッチング工程S23とをこの順に含む。第1成膜工程S21は、第1金属層21のための第1金属膜210を形成する。第2成膜工程S22は、第2金属層22のための第2金属膜220を形成する。エッチング工程S23は、第1金属膜210および第2金属膜220を一括してエッチングすることにより、第1金属層21および第2金属層22を形成する。保護膜形成工程S30は、保護膜40を形成する。
【0064】
以下、各工程を順に詳細に説明する。
【0065】
図6は、基板準備工程S10を説明するための図である。基板準備工程S10では、
図6に示すように、半導体基板10と、層間絶縁膜114と、絶縁膜123と、ポリシリコンのゲートランナー130と、が形成されて準備される。半導体基板10の製造方法は、特に限定されず、公知の手法を用いることができる。
図6では、半導体基板10がドレインパッド50を含む。なお、ドレインパッド50の形成は、基板準備工程S10の後であってもよい。
【0066】
図7は、金属層形成工程S20の第1成膜工程S21を説明するための図である。第1成膜工程S21では、
図7に示すように、半導体基板10上に第1金属膜210がスパッタ等により成膜される。第1金属膜210は、後述のエッチング工程S23を経て第1金属層21となる膜であり、例えば、AlまたはAl合金で構成される。
図7に示す例では、第1金属膜210が半導体基板10上のおもて面の全域にわたり形成される。
【0067】
図8は、金属層形成工程S20の第2成膜工程S22を説明するための図である。第2成膜工程S22では、
図8に示すように、第1金属膜210上に第2金属膜220がスパッタにより成膜される。第2金属膜220は、後述のエッチング工程S23を経て第2金属層22となる膜であり、例えば、Ni、Ni合金またはAuで構成される。また、第2金属膜220はスパッタはんだで形成されてもよい。スパッタはんだは、ターゲットにはんだ材料を用いたスパッタで形成される。
図8に示す例では、第2金属膜220が第1金属膜210上の全域にわたり形成される。
【0068】
図9は、金属層形成工程S20のエッチング工程S23を説明するための図である。エッチング工程S23では、第1金属膜210および第2金属膜220が一括してエッチングされる。これにより、
図9に示すように、第1金属層21および第2金属層22が形成される。エッチング工程S23でのエッチング方法は、特に限定されず、ウエットエッチングでもよいし、ドライエッチングでもよい。エッチング工程S23は、第2金属膜220上にフォトマスクを適宜に形成した状態で行われる。
【0069】
エッチング工程S23では、第2金属膜220に対するエッチングレートが第1金属膜210に対するエッチングレートよりも速いことが好ましい。これにより、前述のように、外周面21aおよび外周面22aのそれぞれがZ2方向に向かうに従って広がるように傾斜する。この結果、保護膜形成工程S30において保護膜40を容易に第1金属層21および第2金属層22に対して隙間なく密着させることができる。
【0070】
図10は、保護膜形成工程S30を説明するための図である。保護膜形成工程S30では、
図10に示すように、保護膜40が形成される。具体的には、保護膜形成工程S30は、例えば、半導体基板10のおもて面の全域にわたりポリイミド膜を形成した後、当該樹脂膜をフォトリソグラフィおよびエッチングにより当該ポリイミド膜を選択的に除去することにより、開口部41を有する保護膜40を形成する。
【0071】
その後、図示しないが、半導体基板10をダイシングによりチップ状に個片化した後、開口部41内の第2金属層22にはんだ60を形成することにより、端子等とソースパッド20とのはんだ接合が行われる。これにより、半導体装置1が得られる。
【0072】
以上の半導体装置1の製造方法では、信頼性に優れる半導体装置1を低コストで製造することができる。また、本実施形態では、前述のように、金属層形成工程S20が第1成膜工程S21と第2成膜工程S22とエッチング工程S23とを含むので、第1金属膜210および第2金属膜220を個別にエッチングする態様に比べて、製造コストを低減することができる。
【0073】
2.第2実施形態
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用および機能が前述の実施形態と同様である要素については、前述の実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0074】
図11は、第2実施形態に係る半導体装置1Aの部分拡大断面図である。半導体装置1Aは、第3金属層23を追加したこと以外は、第1実施形態の半導体装置1Aと同様に構成される。
【0075】
第3金属層23は、第2金属層22上に設けられ、平面視で前記開口部41内に位置する。第3金属層23は、例えば、ニッケル(Ni)単体で構成されるか、ニッケル-リン合金、ニッケル-スズ-リン合金等のニッケル合金で構成されるか、または、金(Au)単体で構成される。好ましくは、第3金属層23は、金(Au)で構成される。第3金属層23は、めっきにより形成される。なお、第3金属層23を構成する材料は、第2金属層22を構成する材料と同一であっても異なってもよい。
【0076】
このように半導体装置1Aが第3金属層23を備えることにより、はんだ接合部へのはんだ60の濡れ性をより向上させることができる。また、第3金属層23を設けることにより第2金属層22の厚さを薄くすることができる。
【0077】
本実施形態の前記第2金属層22の厚さT2は、1μm以上2μm以下の範囲内にあることが好ましい。この場合、第3金属層23を設けても、第2金属層22および第3金属層23の全体の応力を低減しつつ、第2金属層22および第3金属層23のはんだ食われによりはんだ60が第1金属層21に至ることを好適に防止することができる。
【0078】
また、第3金属層23の厚さT3は、0.1μm以上1μm以下の範囲内にあることが好ましい。この場合、第3金属層23を設けても、第2金属層22および第3金属層23の全体の応力を低減しつつ、第2金属層22および第3金属層23のはんだ食われによりはんだ60が第1金属層21に至ることを好適に防止することができる。
【0079】
以上の第2実施形態によっても、半導体装置1Aの低コスト化を図りつつ信頼性を向上させることができる。
【0080】
3.第3実施形態
以下、本開示の第3実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用および機能が前述の実施形態と同様である要素については、前述の実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0081】
図12は、第3実施形態に係る半導体装置1Bの部分拡大断面図である。半導体装置1Bは、第2金属層22に代えて第2金属層22Bを備えること以外は、第1実施形態の半導体装置1と同様に構成される。
【0082】
第2金属層22Bは、貫通孔22bを有すること以外は、第2実施形態の第2金属層22と同様に構成される。貫通孔22bは、平面視で保護膜40に重なる位置に配置される。このため、保護膜40の一部が貫通孔22bに入り込むので、保護膜40と第2金属層22との密着性をアンカー効果により高めることができる。この結果、半導体装置1Bの信頼性がより高められる。
【0083】
なお、貫通孔22bは、保護膜40により覆われていればよく、貫通孔22bの形状、位置、大きさ、範囲等の態様は、特に限定されず、任意である。
【0084】
以上の第3実施形態によっても、半導体装置1Bの低コスト化を図りつつ信頼性を向上させることができる。
【0085】
4.変形例
本開示は前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に述べる各種の変形が可能である。また、実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0086】
4-1.変形例1
例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、第2実施形態の第2金属層22は、第3実施形態の第2金属層22Bであってもよいし、第3実施形態の半導体装置1Bは、第2実施形態の第3金属層23を備えてもよい。
【0087】
4-2.変形例2
前述の実施形態では、ソースパッド20およびゲートパッド30のそれぞれが第1金属層21および第2金属層22を有する態様が例示されるが、この態様に限定されない。半導体装置がダイオードを有する場合、当該ダイオードのパッドについても、前述のソースパッド20およびゲートパッド30と同様の構成が採用され得る。
【符号の説明】
【0088】
1…半導体装置、1A…半導体装置、1B…半導体装置、1X…半導体装置、10…半導体基板、10a…活性領域、10b…エッジ終端領域、11…n+型出発基板、12…ドリフト層、13…n型領域、14…p型ウェル層、15…n型ソース領域、16…トレンチ、20…ソースパッド、21…第1金属層、21a…外周面、22…第2金属層、22B…第2金属層、22a…外周面、22b…貫通孔、23…第3金属層、30…ゲートパッド、40…保護膜、41…開口部、42…開口部、50…ドレインパッド、60…はんだ、110…単位セル、111…ゲート絶縁膜、112…ゲート電極、113…p型領域、114…層間絶縁膜、120…耐圧構造、121…JTE構造、122…FLR構造、123…絶縁膜、130…ゲートランナー、131…p型領域、210…第1金属膜、220…第2金属膜、P…位置、SD…部分、S10…基板準備工程、S20…金属層形成工程、S21…第1成膜工程、S22…第2成膜工程、S23…エッチング工程、S30…保護膜形成工程、T1…厚さ、T2…厚さ、T3…厚さ。