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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176417
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/596 20060101AFI20241212BHJP
   G11B 5/09 20060101ALI20241212BHJP
   G11B 21/10 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G11B5/596
G11B5/09 301Z
G11B21/10 B
G11B21/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094930
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田上 尚基
(57)【要約】
【課題】ライト動作中における目標トラックと磁気ヘッドの位置との誤差を抑制できる磁気ディスク装置を提供すること。
【解決手段】磁気ディスク装置のコントローラは、磁気ヘッドの位置決めをしながらデータ領域へのライトを行う第1動作において、下記のように動作する。即ち、コントローラは、バーストパターンを復調して第1バースト復調値を取得し、第1設定値を引数として使用する補正アルゴリズムに基づき第1バースト復調値を補正する。そして、コントローラは、補正された第1バースト復調値に基づき複数のサーボトラックのうちの一からの磁気ヘッドのサーボトラックからのオフセット量を計算する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーボトラックを備え、前記複数のサーボトラック上にはそれぞれはバーストパターンを含んだサーボデータが記録された複数のサーボセクタが円周方向に間隔を空けて配置され、円周方向に並ぶサーボセクタの間にはデータがライトされるデータ領域が配置された、磁気ディスクと、
前記磁気ディスクに対してライトおよびリードを実行する磁気ヘッドと、
第1設定値が格納されたメモリと、
前記磁気ヘッドの位置決めをしながら前記データ領域へのライトを行う第1動作においては、前記バーストパターンを復調して第1バースト復調値を取得し、前記第1設定値を引数として使用する補正アルゴリズムに基づき前記第1バースト復調値を補正し、補正された前記第1バースト復調値である第2バースト復調値に基づき前記複数のサーボトラックのうちの一からの前記磁気ヘッドの前記サーボトラックからのオフセット量を計算する、コントローラと、
を備える磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記磁気ヘッドの位置決めをするが前記データ領域へのライトを行わない第2動作においては、前記バーストパターンを復調して第3バースト復調値を取得し、前記第3バースト復調値に基づき前記複数のサーボトラックのうちの一からの前記磁気ヘッドの前記サーボトラックからのオフセット量を計算する、
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記データ領域へのライトを行わないで前記磁気ヘッドの位置決めを試行しながら前記バーストパターンを復調して第4バースト復調値を取得し、前記データ領域へのライトを行いながら前記磁気ヘッドの位置決めを試行しながら前記バーストパターンを復調して第5バースト復調値を取得し、前記第4バースト復調値と前記第5バースト復調値とに基づき前記第1設定値を計算し、前記第1設定値を前記メモリに格納する、
請求項1または請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記第1バースト復調値、前記第4バースト復調値、および前記第5バースト復調値のそれぞれは、前記バーストパターンの復調信号の振幅および位相を含み、
前記第1設定値は、振幅比または位相差であり、
前記振幅比は、前記第4バースト復調値に含まれる振幅と前記第5バースト復調値に含まれる振幅との比であり、
前記位相差は、前記第4バースト復調値に含まれる位相と前記第5バースト復調値に含まれる位相との差であり、
前記補正アルゴリズムは、前記第1設定値に基づき前記第1バースト復調値に含まれる振幅または位相を補正するアルゴリズムである、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記第1バースト復調値は、前記バーストパターンの復調信号の振幅および位相を含み、
前記第1設定値は、前記振幅に乗算される設定値または前記位相に加算または減算される設定値を含み、
前記補正アルゴリズムは、前記第1設定値に基づき前記振幅または前記位相を補正するアルゴリズムである、
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記サーボデータは、RRO(Repeatable RunOut)を補正する補正データを持つポストコードをさらに含み、前記RROを補正する補正データは前記データ領域へのライトを行わないで前記磁気ヘッドの位置決めを測定したデータに基づいて計算されたRRO補正量であり、
前記コントローラは、前記磁気ヘッドの位置決めにおいて、前記ポストコードより取得した前記RRO補正データに基づくヘッド位置決め補正をさらに実行する、
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記複数のサーボセクタのそれぞれについて前記第1設定値を計算し、前記メモリに格納する、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記複数のサーボセクタのうちの2以上のサーボセクタ毎に、または前記複数のサーボトラックのうちの2以上のサーボトラック毎に、複数の前記第1設定値を計算し、前記複数の第1設定の平均値を、前記メモリに格納する、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気ディスク装置は、磁気ディスクに記録されたサーボデータに基づき、磁気ヘッドの位置決めを行う。磁気ディスクには、複数のトラックが設けられている。磁気ディスク装置は、ライト動作やリード動作においては、磁気ヘッドを目標トラックに位置決めする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9564157号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、ライト動作中における目標トラックと磁気ヘッドの位置との誤差を抑制できる磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、磁気ヘッドと、メモリと、コントローラと、を備える。磁気ディスクは、複数のサーボトラックを備え、複数のサーボトラック上にはそれぞれはバーストパターンを含んだサーボデータが記録された複数のサーボセクタが円周方向に間隔を空けて配置される。円周方向に並ぶサーボセクタの間にはデータがライトされるデータ領域が配置される。磁気ヘッドは、磁気ディスクに対してライトおよびリードを実行する。メモリには第1設定値が格納される。コントローラは、磁気ヘッドの位置決めをしながらデータ領域へのライトを行う第1動作においては、下記のように動作する。即ち、コントローラは、バーストパターンを復調して第1バースト復調値を取得し、第1設定値を引数として使用する補正アルゴリズムに基づき第1バースト復調値を補正する。そして、コントローラは、補正された第1バースト復調値である第2バースト復調値に基づき複数のサーボトラックのうちの一からの磁気ヘッドのサーボトラックからのオフセット量を計算する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態の磁気ディスク装置の構成の一例を示す模式的な図である。
図2図2は、実施形態の磁気ディスクの構成の一例を示す模式的な図である。
図3図3は、実施形態のサーボセクタに記録されたサーボデータの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態のサーボセクタに記録されたNバーストおよびQバーストの構成の一例を示す模式的な図である。
図5図5は、RRO補正量の学習方法の一例を説明するための図である。
図6図6は、ライト動作中と非ライト動作中とのそれぞれにおいて観測される位置誤差の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態の磁気ディスク装置の位置決め制御に関する機能構成の一例を示す模式的な図である。
図8図8は、実施形態の補正設定情報の生成の動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、非ライト動作中における位置決めの動作の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、ライト動作中における位置決めの動作の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、非ライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の振幅と、Qバーストの復調信号の振幅と、の一例を示す図である。
図12図12は、非ライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の位相と、Qバーストの復調信号の位相と、の一例を示す図である。
図13図13は、ライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の振幅と、Qバーストの復調信号の振幅と、の一例を示す図である。
図14図14は、ライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の位相と、Qバーストの復調信号の位相と、の一例を示す図である。
図15図15は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された初期位相補正後のバーストデータと、ライト動作中のバースト復調値セットから補正設定情報を用いた補正無しに計算された初期位相補正後のバーストデータと、を2次元平面にプロットしたグラフである。
図16図16は、補正設定情報のうちの振幅比の一例を示す図である。
図17図17は、補正設定情報のうちの位相差の一例を示す図である。
図18図18は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された第2サーボ復調位置とライト動作中のバースト復調値セットから補正設定情報を用いた補正無しに計算された第2サーボ復調位置との差を或るサーボトラック上の複数のサーボセクタSVで観測した一例を示す図である。
図19図19は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された第2サーボ復調位置とライト動作中のバースト復調値セットから補正設定情報を用いた補正を行って計算された第2サーボ復調位置との差を或るサーボトラック上の複数のサーボセクタSVで観測した一例を示す図である。
図20図20は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された第2サーボ復調位置とライト動作中のバースト復調値セットから振幅のみ補正して計算された第2サーボ復調位置との差を或るサーボトラック上の複数のサーボセクタSVで観測した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる磁気ディスク装置を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
図1は、実施形態の磁気ディスク装置1の構成の一例を示す模式的な図である。
【0009】
磁気ディスク装置1は、ホスト2に接続される。磁気ディスク装置1は、ホスト2から、ライトコマンドやリードコマンドなどの、アクセスコマンドを受信することができる。
【0010】
磁気ディスク装置1は、表面に磁性層が形成された磁気ディスク11を備える。磁気ディスク装置1は、アクセスコマンドに応じて磁気ディスク11に対するアクセスを行う。アクセスは、データのライトとデータのリードとを含む。
【0011】
データのライトおよびリードは、磁気ヘッド22によって行われる。具体的には、磁気ディスク装置1は、磁気ディスク11のほかに、スピンドルモータ(SPM)12、ランプ(ramp)13、アクチュエータアーム15、ボイスコイルモータ(VCM)16、サーボコントローラ(SVC)21、磁気ヘッド22、ハードディスクコントローラ(HDC)23、プリアンプ24、リードライトチャネル(RWC)25、プロセッサ26、FROM(Flash Read Only Memory)28、およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)29を備える。
【0012】
磁気ディスク11は、同軸に取り付けられたSPM12により、所定の回転速度で回転される。
【0013】
SVC21は、SPM12およびVCM16を駆動するドライバとしての機能を有する集積回路である。プロセッサ26はSVC21を介して、SPM12の回転およびVCM16の回転を制御する。
【0014】
磁気ヘッド22は、それに備わるライトヘッド22wおよびリードヘッド22rにより、磁気ディスク11に対してライトおよびリードを行う。また、磁気ヘッド22は、アクチュエータアーム15の先端に取り付けられている。磁気ヘッド22は、SVC21によって駆動されるVCM16により、磁気ディスク11の半径方向に移動される。なお、磁気ヘッド22に備わるライトヘッド22wおよびリードヘッド22rのいずれか一方、またはその両方は、それぞれ単一の磁気ヘッド22について複数設けられても良い。
【0015】
磁気ディスク11の回転が停止しているときなどは、磁気ヘッド22は、ランプ13上に移動される。ランプ13は、磁気ヘッド22を、磁気ディスク11から離間した位置で保持するように構成されている。
【0016】
プリアンプ24は、磁気ヘッド22を介したデータのライトおよびリードを行う集積回路である。プリアンプ24は、リード動作時に、磁気ヘッド22が磁気ディスク11からリードした信号を増幅して出力し、RWC25に供給する。また、プリアンプ24は、ライト動作時に、RWC25から供給されたライト対象のデータに対応した信号を増幅して、磁気ヘッド22に供給する。
【0017】
HDC23は、I/F バスを介してホスト2との間で行われるデータの送受信の制御、およびDRAM29の制御などを行う。
【0018】
DRAM29は、ホスト2との間で送受信されるデータのバッファとして用いられる。例えば、DRAM29は、ライト対象のデータ、または磁気ディスク11からリードされたデータ、を一時記憶するために用いられる。
【0019】
また、DRAM29は、プロセッサ26によって動作用のメモリとして使用される。DRAM29は、ファームウェアプログラムがロードされる領域、および各種の管理データが一時記憶される領域として使用される。
【0020】
RWC25は、HDC23から供給されるライト対象のデータを変調してプリアンプ24に供給する。また、RWC25は、磁気ディスク11からリードされプリアンプ24から供給された信号に対し、誤り訂正を含む復調を実行し、その後、信号をデジタルデータとしてHDC23へ出力する。
【0021】
プロセッサ26は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ26には、FROM(Flash Read Only Memory)28およびDRAM29が接続されている。
【0022】
FROM28には、ファームウェアプログラムおよび種々の設定情報などが格納される。なお、ファームウェアプログラムは、磁気ディスク11に格納されてもよい。
【0023】
プロセッサ26は、FROM28または磁気ディスク11に格納されているファームウェアプログラムに従って、この磁気ディスク装置1の全体的な制御を行う。例えば、プロセッサ26は、ファームウェアプログラムをFROM28または磁気ディスク11からDRAM29にロードし、DRAM29にロードされたファームウェアプログラムに従って、SVC21、プリアンプ24、RWC25、HDC23などの制御を実行する。
【0024】
なお、プロセッサ26の機能の一部または全部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0025】
HDC23、RWC25、およびプロセッサ26は、1つの集積回路であるSoC(System-On-a-Chip)30、として構成される。SoC30は、これらのほかに、他の要素(例えばFROM28、またはDRAM29など)を含んでいてもよい。なお、SoC30は、コントローラの一例である。
【0026】
図2は、実施形態の磁気ディスク11の構成の一例を示す模式的な図である。なお、本図には、磁気ディスク11の回転方向の一例が示されている。磁気ヘッド22は、磁気ディスク11の回転によって磁気ディスク11に対して相対的に移動する。したがって、ライト/リード方向、即ち円周方向に沿った磁気ヘッド22によってデータがライトまたはリードされる方向は、磁気ディスク11の回転方向の逆向きである。
【0027】
半径方向において、磁気ディスク11の縁から中心に向かう向きは内周(Inner Diameter:ID)方向、磁気ディスク11の中心から縁に向かう向きは、外周(Outer Diameter:OD)方向である。
【0028】
磁気ディスク11には、製造工程において、例えばサーボライタによって、またはセルフサーボライト(SSW)によって、磁気ヘッド22の位置決めに使用されるサーボデータがライトされる。図2によれば、サーボデータがライトされたサーボ領域の配置の一例として半径方向に放射状にかつ円周方向に所定の間隔を空けて配置された複数のサーボ領域SVが形成されている。円周方向に連続する2つのサーボ領域SVの間には、データがライトされるデータ領域DAが配置される。
【0029】
磁気ディスク11の半径方向には、同心円の複数のサーボトラック41が設けられる。サーボ領域SVにライトされたサーボデータは、磁気ヘッド22の位置決め制御に使用される。
【0030】
より詳しくは、磁気ディスク11の複数のサーボトラック41が設けられた領域の上には、同心円の複数のデータトラックが設けられる。複数のサーボトラック41が複数のデータトラックとして使用されてもよいし、複数のサーボトラック41と異なる複数のデータトラックが設けられていてもよい。各データトラック上のデータ領域DAによって区分される領域には、円周方向に複数のデータセクタが配列される。各データセクタには磁気ヘッド22によってデータがライトされ得る。なお、各データセクタにライトされ得るデータは、ホスト2から受信したユーザデータ、ユーザデータに付随するメタデータ(例えば誤り訂正符号)、システムデータ、などを含む。磁気ディスク装置1は、複数のサーボトラック41と複数のデータトラックとの位置関係の設定を予め保持している。磁気ディスク装置1は、磁気ヘッド22を目標のデータトラックに位置決めする位置決め制御をサーボ領域SVに記録されたサーボデータに基づいて実行する。位置決め制御は、磁気ヘッド22を目標のデータトラックに向けて半径方向に移動させる動作であるシーク動作、および磁気ヘッド22を目標のデータトラック上に維持するトラッキング動作、などを含む。
【0031】
サーボトラック41上においてサーボ領域SVによって区分される領域を、サーボセクタSVと表記する。即ち、複数のサーボトラック41上には、複数のサーボセクタSVが円周方向に間隔を空けて配置されていることになる。
【0032】
図3は、実施形態のサーボセクタSVに記録されたサーボデータの一例を示す図である。ここでは、半径方向に関し、1つのサーボセクタSVはおよそ3つのデータトラックの分に相当する幅を有することとしている。この図には、3つのデータトラック#M-1,#M,#M+1にまたがるサーボセクタSVの構成が示されている。
【0033】
図3に示すように、サーボセクタSVには、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、Nバースト、Qバースト、およびポストコードが、この順番でライト/リード方向に記録されている。
【0034】
プリアンブルは、円周方向に周期的に変化する単一の周期のパターンデータである。プリアンブルは、リードヘッド22rによりリードしたサーボ波形をサーボクロックに基づいてRWC25にサンプリングデータとして取り込む時において、サンプリングデータの振幅、位相および周波数の調整に使用される。
【0035】
サーボマークは、サーボデータの復調タイミングを決定するためのパターンデータである。コントローラ30は、サーボマークの検出タイミングに基づき、以降にリードヘッド22rによってリードされた各種サーボデータの復調タイミングを判断する。
【0036】
グレイコードは、磁気ディスク11に設けられた各サーボトラック41を識別するためのシリンダアドレスと、サーボトラック41上の各サーボセクタSVを識別するためのセクタアドレスとを含む。
【0037】
NバーストおよびQバーストは、グレイコードに含まれるシリンダアドレスが示すサーボトラック41のトラックセンタからの位置ずれ量を検出するために使用されるパターンデータである。サーボトラック41のトラックセンタからの位置ずれ量を、バーストオフセットと表記する。
【0038】
図4は、実施形態のサーボセクタSVに記録されたNバーストおよびQバーストの構成の一例を示す模式的な図である。本図において、ドットハッチングされたパターンは、極性が互いに異なる2つの値のうちの一(例えば+極性の磁化)を示し、白色のパターンは、当該2つの値のうちの他(例えば-極性の磁化)を示す。
【0039】
半径方向の長さを、サーボトラック単位、換言するとサーボトラックピッチを1と見なした空間的長さの単位、で表すことがある。サーボトラックピッチを1と見なした空間的長さの単位を、Svtrk、と表記する。
【0040】
図4に示される例では、NバーストおよびQバーストのそれぞれは、円周方向に所定長さ刻みで極性が反転する構成を有する。半径方向に関しては、NバーストおよびQバーストのそれぞれは、1Svtrk毎に極性が反転する。そして、Nバーストは、トラックセンタから0.5Svtrkだけオフセットした位置において最大振幅が得られるように、記録されている。また、Qバーストは、トラックセンタにおいて最大振幅が得られるように、記録されている。
【0041】
RWC25は、バーストパターン(つまりNバーストおよびQバーストのそれぞれ)をサーボクロックに基づくサンプリング間隔で取り込む。それによって得られたバーストサンプリング波形に対し、RWC25は、例えば離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform : DFT)の処理を行い、バースト周波数のsin成分とcos成分、または位相および振幅を取得する。ここでは一例として、RWC25は、位相および振幅を取得することとして説明する。以下では、バーストサンプリング波形をDFT処理し、得られるバースト周波数の位相および振幅を、バーストパターンの復調信号の位相および振幅と呼ぶことがある。
【0042】
SoC30(例えばプロセッサ26)は、バーストパターンの復調信号の位相および振幅に基づいて、バーストオフセットを計算する。バーストオフセットは、ひとつのサーボトラック41からのオフセット量である。SoC30は、シリンダアドレスとバーストオフセットとに基づき、磁気ヘッド22の半径方向の位置を計算する。
【0043】
図3に説明を戻す。
トラック(データトラックおよびサーボトラック41)の形状は、真円が理想的である。しかしながら、サーボデータのライト時に受けた振動やサーボパターン品質などにより、サーボトラック41にはゆがみが生じている。よって、シリンダアドレスとバーストオフセットとの組み合わせに基づいて特定されるサーボトラック41の半径方向の位置(半径位置)は、理想的な形状のサーボトラック41の半径位置からずれている場合がある。この位置ずれは、磁気ディスク11(およびSPM12)の1回転を周期として繰り返し同じように発生するため、RRO(Repeatable RunOut)と呼ばれている。ポストコードは、このRROの補正量をコード化したものである。
【0044】
SoC30(例えばプロセッサ26)は、シリンダアドレスとバーストオフセットとの組み合わせによって得られる磁気ヘッド22の半径位置に対し、ポストコードとして記録されていたRRO補正量を用いた補正を行うことで、RROによる位置ずれをキャンセルした磁気ヘッド22の半径位置を取得する。RRO補正量を用いた補正を、RRO補正、と表記する。
【0045】
図5は、RRO補正量の学習方法の一例を説明するための図である。
【0046】
磁気ディスク装置1の製造工程では、グレイコードやバーストパターンがライトされた後、RRO補正量の学習が実施される。RRO補正量の学習の工程においては、複数のサーボトラック41、またはデータトラックが順次、目標トラックとして設定され、目標トラック毎に、グレイコードおよびバーストパターンに基づく位置決め制御下で、実際の磁気ヘッド22の半径位置と目標トラックの半径位置との差分が測定される。
【0047】
つまり、SoC30は、リードヘッド22rによってグレイコードおよびバーストパターンをリードして、リードされたグレイコードおよびバーストパターンに基づき磁気ヘッド22の位置を推定する。そして、SoC30は、推定された磁気ヘッド22の位置に基づき磁気ヘッド22を目標トラック上に位置決めする。その間、SoC30は、推定された磁気ヘッド22の位置の目標トラックからの乖離量を、RRO補正量として取得する。
【0048】
図5に示される点線は、RRO補正量の学習の工程において、或る目標トラックに位置決めする制御下で観測された磁気ヘッド22が辿った軌跡である。SoC30は、磁気ヘッド22の位置を、例えば、磁気ヘッド22がサーボセクタSVを通過する毎に取得する。よって、観測された軌跡は、この図に示されるように、折れ線のような形状を有する。SoC30は、各サーボセクタSVにおける磁気ヘッド22の位置の目標トラックからの半径方向の乖離量を、各サーボセクタSVにおけるRRO補正量として取得する。SoC30は、それぞれのRRO補正量を、対応するサーボセクタSVにポストコードとして記録する。
【0049】
なお、図5を用いて説明されたRRO補正量の学習方法はあくまでも一例である。観測された軌跡から各サーボセクタSVにおけるRRO補正量を計算する方法は種々に変更され得る。
【0050】
以降、バーストパターンの復調によって得られたバーストパターンの復調信号の位相および振幅を、バースト復調値セットと表記する。バースト復調値セットは、Nバーストの復調信号の位相および振幅と、Qバーストの復調信号の位相および振幅と、を含む。
【0051】
また、シリンダアドレスとバーストオフセットとを加算して得られる磁気ヘッド22の推定位置を第1サーボ復調位置と表記する。また、位置決めに最終的に使用される磁気ヘッド22の推定位置である、RRO補正後の第1サーボ復調位置を、第2サーボ復調位置と表記する。
【0052】
磁気ディスク装置の記憶容量を大きくするための方法の一例として、データトラックの半径方向の間隔、つまりデータトラックのトラックピッチをできるだけ小さくすることが挙げられる。磁気ヘッドがRROに追従しないように磁気ヘッドの位置を制御することで、磁気ヘッドと目標トラックとの位置誤差(以下、位置誤差はNRPE:Non Repeatable Position Errorを含まない、回転に同期した位置誤差RPE : Repeatable Position Errorとして説明する)が最小になるようにできれば、データトラックのトラックピッチを小さくして磁気ディスク装置の記憶容量を大きくできる。RROを完全に補正することができている場合、磁気ヘッドの位置と目標トラックとの誤差RPEを0とすることができる。その結果、位置誤差RPEを考慮したデータを補償するためのマージンを設ける必要なく、半径方向に等間隔に複数のデータトラックを設定でき、位置誤差RPEによる容量ロスを0にすることが可能となる。
【0053】
ここで、観測される位置誤差RPEは、ライト動作中であるか非ライト動作中であるかによって異なり得る。
【0054】
ライト動作は、磁気ヘッド22の位置決めをしながらデータセクタにデータをライトする動作である。つまり、ライト動作では、磁気ヘッド22がサーボセクタSVを通過する際には当該サーボセクタSVのリードが実行され、磁気ヘッド22が或るデータセクタを通過する際には当該データセクタに対するデータのライトが実行される。
【0055】
非ライト動作は、磁気ヘッド22の位置決めをするがデータセクタへのデータのライトを行わない動作である。種々の動作が非ライト動作に該当する。
【0056】
例えば、データセクタからデータをリードするリード動作は、非ライト動作に該当する。リード動作では、磁気ヘッド22がサーボセクタSVを通過する際には当該サーボセクタSVのリードが実行され、磁気ヘッド22が目標のデータセクタを通過する際には当該目標のデータセクタからデータがリードされる。
【0057】
また、SoC30は、ライト動作を開始する際に、磁気ヘッド22を目標のデータトラックに移動させるシーク動作を実行し、目標のデータトラック上に磁気ヘッド22を位置決めする。目標のデータトラック上への磁気ヘッド22の位置決めが完了して、目標のデータセクタの一に磁気ヘッド22が到達すると、SoC30は、ライト動作を開始する。ライト動作の開始前に位置決めを伴う動作の一部または全部は、非ライト動作に該当する。
【0058】
例えば、高品質なライトを可能にするための技術として、DFH(Dynamic Flying Height)技術が知られている。DFH技術によれば、磁気ヘッドの浮上量(Flying Height)が調整可能とされている。そして、ライト動作時には磁気ヘッドの浮上量が所定の小さい値に制御される。具体的には、ライト動作の開始に先んじて磁気ヘッドの浮上量を所定の小さい値にする制御が開始され、その後、ライト動作が開始される。磁気ヘッドの浮上量が所定の小さい値に制御されてからライト動作が開始されるまでの動作は、非ライト動作に該当する。
【0059】
また、前述されたRRO補正量の学習の工程において、各サーボセクタSVからサーボデータをリードする動作では、いかなるデータのライトも行われない。即ち、前述されたRRO補正量の学習の工程において、磁気ヘッド22を位置決めする動作は、非ライト動作に該当する。
【0060】
図6は、ライト動作中と非ライト動作中とのそれぞれにおいて観測される位置誤差RPEの一例を示す図である。本図には、磁気ヘッド22が、半径方向に並ぶ3つのデータトラック(データトラック#M-1、データトラック#M、データトラック#M+1)のうちのデータトラック#Mに位置決めされたときのそれぞれの動作において観測される位置誤差RPEが描画されている。本図に示されるように、ライト動作中に観測される位置誤差RPEは、非ライト動作中に観測される位置誤差RPEよりも悪化していることが読み取れる。
【0061】
ライト動作中に観測される位置誤差RPEが非ライト動作中に観測される位置誤差RPEよりも悪化するのは、下記に述べた理由による。即ち、非ライト動作中のバースト復調値セットに基づいて計算されたRRO補正量を使って、ライト動作中のバースト復調値セットに基づいて計算したサーボ復調位置を補正した場合、RRO補正値が適切ではないことがあるためである。RRO補正値が適切でなくなる原因は、ライト動作中のバースト復調値セットが非ライト動作中のバースト復調値セットと異なることがあるためである。
サーボ復調位置は、あるバースト復調値セットに対し、所定の計算式に基づいて計算した結果であるため、バースト復調値セットが変わるということは、サーボ復調位置が変わることになる。つまり、RROが異なって見える。バースト復調値セットがライト動作中と非ライト動作中とで異なる原因は、データをライトする状態からサーボデータをリードする状態に遷移するときの過渡応答(磁気ヘッドの浮上量、温度、ライトヘッドからの漏れ磁界、リード出力が安定するための時間)がバースト波形のリードに影響しているためである。
【0062】
実施形態では、SoC30は、ライト動作中には、ライト動作中に得られたバースト復調値セットに対し、非ライト動作中に得られるバースト復調値セットに近づける補正を行う。これによって、ライト動作中における位置誤差RPEの悪化を抑制する。
【0063】
以降では、非ライト動作中の位置決め制御で得られるバースト復調値セットを、非ライト動作中のバースト復調値セット、ライト動作中の位置決め制御で得られるバースト復調値セットを、ライト動作中のバースト復調値セット、とそれぞれ表記する場合がある。
【0064】
図7は、実施形態の磁気ディスク装置1の位置決め制御に関する機能構成の一例を示す模式的な図である。
【0065】
RWC25は、グレイコード復調部251およびバースト復調部252を備える。プロセッサ26は、ファームウェアプログラムに基づき、第1補正部261、第2補正部262、第3補正部263、および補正設定情報生成部264として機能する。
【0066】
RWC25には、プリアンプ24からサーボ波形が入力される。
【0067】
グレイコード復調部251は、入力されたサーボ波形に含まれるグレイコード波形をデコードすることによって、シリンダアドレスを取得する。バースト復調部252は、入力されたサーボ波形に含まれるバースト波形に対して復調、即ちDFTの処理を行うことによって、バースト復調値セットを取得する。
【0068】
ライト動作中の場合、第1補正部261は、バースト復調値セットに対し、予め生成された補正設定情報300を用いて、非ライト動作中のバースト復調値セットに近づける補正を行う。そして、第1補正部261は、補正後のバースト復調値セットを第2補正部262に出力する。
【0069】
非ライト動作中の場合、第1補正部261は、バースト復調値セットに対する補正を行わずに、当該バースト復調値セットを第2補正部262に出力する。
【0070】
第2補正部262は、入力されたバースト復調値セットに基づき、バーストオフセットを計算する。バーストオフセットはシリンダアドレスと加算されて、第1サーボ復調位置が得られる。
【0071】
第3補正部263は、第1サーボ復調位置に対し、RRO補正量に基づく補正を実行することによって第2サーボ復調位置を取得し、第2サーボ復調位置を出力する。
【0072】
補正設定情報生成部264は、補正設定情報300を生成する。補正設定情報300は、ライト動作中に得られるバースト復調値セットを非ライト動作中のバースト復調値セットに近づける補正アルゴリズムの引数として使用される数値情報である。補正設定情報300および補正アルゴリズムの詳細は後述される。
【0073】
補正設定情報生成部264が生成した補正設定情報300は、所定のメモリに格納される。補正設定情報300の格納先のメモリは、ここでは一例としてFROM28であることとしている。補正設定情報300の格納先のメモリはこれに限定されない。補正設定情報300は、磁気ディスク11に設けられたシステムエリアに格納されてもよいし、各サーボセクタSVに格納されてもよい。補正設定情報300は、磁気ディスク11およびFROM28の何れとも異なる不揮発性のメモリに格納されてもよい。また、動作時には、補正設定情報300は、DRAM29にロードされ、プロセッサ26は、当該DRAM29にロードされた補正設定情報300を使用してもよい。
【0074】
なお、第1補正部261、第2補正部262、第3補正部263、および補正設定情報生成部264はプロセッサ26によって実現されるとして説明した。これらの機能構成部のうちの一部または全部は、FPGAまたはASICなどのハードウェア回路によって実現されてもよい。また、これらの機能構成部のうちの一部または全部は、RWC25など、プロセッサ26以外の集積回路に具備されてもよい。
【0075】
続いて、実施形態の磁気ディスク装置1の動作の詳細およびいくつかの機能構成部の処理の詳細を説明する。
【0076】
図8は、実施形態の補正設定情報300の生成の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、或るサーボセクタSV(対象のサーボセクタSVと表記する)に係る補正設定情報300が生成される例を説明する。なお、本図に示される一連の処理は、例えば、製造工程において、RROの学習および記録が完了した後に実行される。なお、これら一連の処理の実行タイミングはこれに限定されない。これら一連の処理は、磁気ディスク装置1の出荷後に実行されてもよい。
【0077】
まず、補正設定情報生成部264は、対象のサーボセクタSVを含むサーボトラック41、またはデータトラックに対して非ライト動作を実行し、対象のサーボセクタSVに係る非ライト動作中のバースト復調値セットを取得する(S101)。具体的には、補正設定情報生成部264は、データ領域DAへのライトを行わないで磁気ヘッド22の位置決めを行いながら当該位置決めにおいてバーストパターンを復調して、復調によって得られたースト復調値セットを、非ライト動作中のバースト復調値セットとして取得する。S101の処理によって取得される非ライト動作中のバースト復調値セットのうち、Nバーストの復調信号の振幅をNamp0、Nバーストの復調信号の位相をNphs0、Qバーストの復調信号の振幅をNamp0、Qバーストの復調信号の位相をNphs0、と表記する。
【0078】
続いて、補正設定情報生成部264は、対象のサーボセクタSVを含むサーボトラック41、またはデータトラックに対してライト動作を実行し、対象のサーボセクタSVに係るライト動作中のバースト復調値セットを取得する(S102)。具体的には、補正設定情報生成部264は、データ領域DAへのライトを行うとともに磁気ヘッド22の位置決めを行いながら当該位置決めにおいてバーストパターンを復調して、復調によって得られたースト復調値セットを、ライト動作中のバースト復調値セットとして取得する。S102の処理によって取得されるライト動作中のバースト復調値セットのうち、Nバーストの復調信号の振幅をNamp1、Nバーストの復調信号の位相をNphs1、Qバーストの復調信号の振幅をNamp1、Qバーストの復調信号の位相をNphs1、と表記する。
【0079】
続いて、補正設定情報生成部264は、対象のサーボセクタSVに係る補正設定情報300を計算する(S103)。生成部264は、下記の式1~式4に基づき、補正設定情報300を計算する。
【0080】
Ngain=Namp0/Namp1 (式1)
Qgain=Qamp0/Qamp1 (式2)
Nphsofs=Nphs0-Nphs1 (式3)
Qphsofs=Qphs0-Qphs1 (式4)
【0081】
この例では、補正設定情報300は、Nバーストの復調信号の振幅比Ngain、Qバーストの復調信号の振幅比Qgain、Nバーストの復調信号の位相差Nphsofs、およびQバーストの復調信号の位相差Qphsofsからなるセットである。
【0082】
続いて、補正設定情報生成部264は、計算によって得られた補正設定情報300をFROM28に格納する(S104)。そして、対象のサーボセクタSVに係る補正設定情報300を生成する動作が終了する。
【0083】
なお、図8に示された一連の処理は、例えば、磁気ディスク11の複数のサーボセクタSVのそれぞれに対して実行される。そのような場合、サーボセクタSV毎に補正設定情報300が生成されて、保存される。
【0084】
ひとつの補正設定情報300は、ひとつの対応するサーボセクタSVにおける位置決めに使用される。しかしながら、ひとつの補正設定情報300は、複数のサーボセクタSVで共有されてもよい。
【0085】
例えば、補正設定情報生成部264は、非ライト動作中のバースト復調値セットおよびライト動作中のバースト復調値セットのそれぞれをサーボセクタSVの群で平均して、サーボセクタSVの群で平均された非ライト動作中のバースト復調値セットとサーボセクタSVの群で平均されたライト動作中のバースト復調値セットとに基づいて補正設定情報300を計算する。そして、第1補正部261は、サーボセクタSVの群のうちのいずれのサーボセクタSVにおける位置決めにおいても、当該サーボセクタSVの群から生成された補正設定情報300を使用する。
【0086】
または、補正設定情報生成部264は、S101~S104の処理をサーボセクタSV毎に実行する。そして、補正設定情報生成部264は、サーボセクタSV毎に生成された補正設定情報300を、サーボセクタSVの群で平均する。そして、第1補正部261は、当該サーボセクタSVの群のうちのいずれのサーボセクタSVにおける位置決めにおいても、当該サーボセクタSVの群で平均された補正設定情報300を使用する。
【0087】
このように、サーボセクタSVの群でひとつの補正設定情報300を共有することで、補正設定情報300を格納するための容量を抑制したり、位置決めの際に補正設定情報300をリードする時間を抑制したりすることが可能になる。
【0088】
なお、ひとつの補正設定情報300が共有されるサーボセクタSVの群の決め方は任意である。ひとつのサーボトラック41、またはデータトラックに含まれる全サーボセクタSVでひとつの補正設定情報300が共有されてもよい。磁気ディスク11の記録面が半径方向に配列された複数のゾーンに分割され、各ゾーンに含まれる全サーボセクタSVでひとつの補正設定情報300が共有されてもよい。
【0089】
つまり、補正設定情報生成部264は、2以上のサーボセクタSV毎にひとつの補正設定情報300を計算してFROM28に格納してもよいし、2以上のサーボトラック41、またはデータトラック毎にひとつの補正設定情報300を計算してFROM28に格納してもよい。
【0090】
図9は、非ライト動作中における位置決めの動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、非ライト動作中において磁気ヘッド22が或るサーボセクタSVを通過した際の動作を説明する。
【0091】
まず、グレイコード復調部251は、シリンダアドレスを取得する(S201)。続いて、バースト復調部252は、バースト復調値セットを取得する(S202)。取得されたバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の振幅をNamp、Nバーストの復調信号の位相をNphs、Qバーストの復調信号の振幅をQamp、Qバーストの復調信号の位相をQphs、と表記する。
【0092】
第1補正部261は、S202の処理によって取得されたバースト復調値セットを第2補正部262に出力する。
【0093】
第2補正部262は、入力されたバースト復調値セット、つまりNamp、Nphs、Qamp、およびQphsのセット、に基づいてバーストオフセットを計算する(S203)。
【0094】
第2補正部262がバースト復調値セットに基づいてバーストオフセットを計算するアルゴリズムは、任意である。バースト復調値セットに基づいてバーストオフセットを計算するアルゴリズムの一例を説明する。
【0095】
第2補正部262は、下記の式5~式10を使用することによって、バーストオフセットBstPos1を計算する。なお、本明細書においては、「*」は乗算を意味する演算子である。
Nbst1=Namp*sin(Nphs+PhsCmp) (式5)
Qbst1=Qamp*sin(Qphs+PhsCmp) (式6)
Nbst2=cos(AzmCmp)*Nbst1-sin(AzmCmp)*Qbst1 (式7)
Qbst2=sin(AzmCmp)*Nbst1+cos(AzmCmp)×Qbst1 (式8)
BstPos0=arctan(Qbst2/Nbst2) (式9)
BstPos1=BstPos0+TableCmp (式10)
【0096】
式5および式6で表される処理は、初期位相補正と称される。PhsCmpは、初期位相補正の補正値、つまり初期位相補正値である。初期位相補正値は、バースト復調値セットのうちの振幅Namp,Qampが最大化されるよう調整されている。Nbst1およびQbst1は、初期位相補正後のバーストデータである。
【0097】
式7および式8で表される処理は、回転補正と称される。AzmCmpは初期位相補正後のバーストデータを補正するための値であり、回転補正値である。Nbst2およびQbst2は、回転補正後のバーストデータである。
【0098】
式9は、横軸をNバーストデータ軸、縦軸をQバーストデータ軸にとった場合に回転補正後のバーストデータNbst2とQbst2の点が表す位相角を計算する処理を表している。360度の位相角は2Svtrkの距離に相当するため、式9によって得られる位相は、バーストオフセットを表すと考えることができる。式9によって得られる位相を、バーストオフセットBstPos0と表記する。なお、±180度の位相角は、±1Svtrkのバーストオフセットとして計算することができる。
【0099】
式10は、バーストオフセットの目標トラックからのずれの一部を補正する計算であり、テーブル補正と称される。TableCmpは、式9の計算によって得られたバーストオフセットBstPos0に対して調整されたテーブル補正値である。式10の計算によって得られたBstPos1は、テーブル補正後のバーストオフセットである。第2補正部262は、バーストオフセットBstPos1を出力する。
【0100】
プロセッサ26において、バーストオフセットBstPos1は、グレイコード復調部251によって取得されたシリンダアドレスと加算される。第3補正部263は、バーストオフセットBstPos1とシリンダアドレスとを加算して得られる第1サーボ復調位置に対してRRO補正を実行する(S204)。第1サーボ復調位置に対するRRO補正によって第2サーボ復調位置が得られる。
【0101】
プロセッサ26は、第2サーボ復調位置を現在の磁気ヘッド22の位置として用いて、磁気ヘッド22を目標のデータトラックに近づける位置決めを実行する(S205)。そして、非ライト動作中において磁気ヘッド22が或るサーボセクタSVを通過した際の動作が終了する。SoC30は、非ライト動作中においては、S201~S205の処理を繰り返し実行することで、磁気ヘッド22を目標のデータトラック上に位置決めすることが可能となる。
【0102】
図10は、ライト動作中における位置決めの動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、ライト動作中において磁気ヘッド22が或るサーボセクタSVを通過した際の動作を説明する。
【0103】
まず、グレイコード復調部251は、シリンダアドレスを取得する(S301)。続いて、バースト復調部252は、バースト復調値セットを取得する(S302)。取得されたバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の振幅をNampw、Nバーストの復調信号の位相をNphsw、Qバーストの復調信号の振幅をQampw、Qバーストの復調信号の位相をQphsw、と表記する。
【0104】
第1補正部261は、補正設定情報300、つまりNgain、Qgain、Nphsofs、およびQphsofsのセット、を取得する(S303)。そして、第1補正部261は、バースト復調値セット、つまりNampw、Nphsw、Qampw、およびQphswのセット、を、補正設定情報300を補正アルゴリズムの引数として用いて補正する(S304)。第1補正部261は、下記の式11~式14に示される補正アルゴリズムを使用することによって、バースト復調値セットを補正する。
【0105】
Nampc=Ngain*Nampw (式11)
Qampc=Qgain*Qampw (式12)
Nphsc=Nphsw+Nphsofs (式13)
Qphsc=Qphsw+Qphsofs (式14)
【0106】
Nampcは、補正後のNバーストの復調信号の振幅Nampwである。Qampcは、補正後のQバーストの復調信号の振幅Qampwである。Nphscは、補正後のNバーストの復調信号の位相Nphswである。Qphscは、補正後のQバーストの復調信号の位相Qphswである。
【0107】
第1補正部261は、S304の処理によって取得された補正後のバースト復調値セットを第2補正部262に出力する。
【0108】
第2補正部262は、入力されたバースト復調値セット、つまりNampc、Nphsc、Qampc、およびQphscのセット、に基づいてバーストオフセットを計算する(S305)。第2補正部262は、図9に示されたS203の処理で使用されるアルゴリズムと同様のアルゴリズムに基づき、バーストオフセットBstPos1を計算する。
【0109】
プロセッサ26において、バーストオフセットBstPos1は、グレイコード復調部251によって取得されたシリンダアドレスと加算される。第3補正部263は、バーストオフセットBstPos1とシリンダアドレスとを加算して得られる第1サーボ復調位置に対してRRO補正を実行する(S306)。第1サーボ復調位置に対するRRO補正によって第2サーボ復調位置が得られる。
【0110】
プロセッサ26は、第2サーボ復調位置を現在の磁気ヘッド22の位置として用いて、磁気ヘッド22を目標のデータトラックに近づける位置決めを実行する(S307)。そして、ライト動作中において磁気ヘッド22が或るサーボセクタSVを通過した際の動作が終了する。SoC30は、ライト動作中においては、S301~S307の処理を繰り返し実行することで、磁気ヘッド22を目標のデータトラック上に位置決めすることが可能となる。
【0111】
続いて、補正設定情報300のさらに具体的な例と、補正設定情報300を用いた補正の効果を説明する。
【0112】
図11は、図8に示されたS101の処理によって取得される非ライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の振幅Namp0と、Qバーストの復調信号の振幅Qamp0と、の一例を示す図である。本図において、横軸は或るサーボトラック41からの半径方向のオフセット量を示し、縦軸は振幅を示す。
【0113】
図12は、図8に示されたS101の処理によって取得される非ライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の位相Nphs0と、Qバーストの復調信号の位相Qphs0と、の一例を示す図である。本図において、横軸は或るサーボトラック41からの半径方向のオフセット量を示し、縦軸は位相を示す。
【0114】
図13は、図8に示されたS102の処理によって取得されるライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の振幅Namp1と、Qバーストの復調信号の振幅Qamp1と、の一例を示す図である。本図において、横軸は或るサーボトラック41からの半径方向のオフセット量を示し、縦軸は振幅を示す。
【0115】
図14は、図8に示されたS102の処理によって取得されるライト動作中のバースト復調値セットのうちの、Nバーストの復調信号の位相Nphs1と、Qバーストの復調信号の位相Qphs1と、の一例を示す図である。本図において、横軸は或るサーボトラック41からの半径方向のオフセット量を示し、縦軸は位相を示す。
【0116】
図11図13とを比較すると、非ライト動作中とライト動作中とで振幅がわずかに異なることが読み取れる。また、図12図14とを比較すると、非ライト動作中とライト動作中とで位相がわずかに異なることが読み取れる。
【0117】
図15は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された初期位相補正後のバーストデータNbst1、Qbst1と、ライト動作中のバースト復調値セットから補正設定情報300を用いた補正無しに計算された初期位相補正後のバーストデータNbst1、Qbst1と、を2次元平面にプロットしたグラフである。このグラフの横軸は、Nバーストデータ軸であり、縦軸は、Qバーストデータ軸である。このようなグラフにプロットされた波形は、リサージュ波形とも称される。本図に示されるように、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された初期位相補正後のバーストデータNbst1、Qbst1と、補正設定情報300を用いた補正無しにライト動作中のバースト復調値セットから計算された初期位相補正後のバーストデータNbst1、Qbst1と、が一致していないことが読み取れる。
【0118】
図16は、図8に示されたS103の処理によって得られる補正設定情報300のうちの振幅比Ngain、Qgainの一例を示す図である。本図において、横軸は或るサーボトラック41からの半径方向のオフセット量を示し、縦軸は振幅比の大きさを示す。非ライト動作中とライト動作中とで振幅が等しければ、振幅比は1になるはずである。しかしながら、実際は非ライト動作中とライト動作中とで振幅がわずかに異なるため、本図に示されるように、振幅比は1から少しずれている。
【0119】
図17は、図8に示されたS103の処理によって得られる補正設定情報300のうちの位相差Nphsofs、Qphsofsの一例を示す図である。本図において、横軸は或るサーボトラック41からの半径方向のオフセット量を示し、縦軸は位相差の大きさを示す。非ライト動作中とライト動作中とで位相が等しければ、位相差は0になるはずである。しかしながら、実際は非ライト動作中とライト動作中とで位相がわずかに異なるため、本図に示されるように、位相差は0から少しずれている。
【0120】
図18は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された第2サーボ復調位置とライト動作中のバースト復調値セットから補正設定情報300を用いた補正無しに計算された第2サーボ復調位置との差を或るサーボトラック41、または或るデータトラック上の複数のサーボセクタSVで観測した一例を示す図である。本図からは、非ライト動作中のバースト復調値セットとライト動作中のバースト復調値セットとの差が解消されないことによって第2サーボ復調位置間に差が生じていることが読み取れる。
【0121】
図19は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された第2サーボ復調位置とライト動作中のバースト復調値セットから補正設定情報300を用いた補正を行って計算された第2サーボ復調位置との差を或るサーボトラック41、または或るデータトラック上の複数のサーボセクタSVで観測した一例を示す図である。本図からは、ライト動作中のバースト復調値セットに対して補正設定情報300を用いた補正が行われた結果、非ライト動作中の第2サーボ復調位置とライト動作中の第2サーボ復調位置との差が大幅に抑制されていることが読み取れる。
【0122】
前述されたように、ポストコードとして記録されるRRO補正量は、非ライト動作中において学習される。つまり、非ライト動作においてRRO補正を行うと、目標トラックと磁気ヘッド22の位置との間のRROに基づく誤差を最も効果的に抑制できる。実施形態によれば、非ライト動作中の第2サーボ復調位置とライト動作中の第2サーボ復調位置との差を大幅に抑制できるので、ライト動作中においても非ライト動作中と同様にRROに基づく誤差を効果的に抑制できる。つまり、ライト動作中における目標トラックと磁気ヘッドの位置との誤差を抑制できる。その結果、設計者は、データトラックピッチを小さくすることができ、磁気ディスク装置1の記憶容量を増加させることが可能になる。
【0123】
以上述べたように、実施形態によれば、ライト動作、つまり磁気ヘッド22の位置決めをしながらデータ領域DAへのライトを行う動作、においては、SoC30は、下記のように動作する。即ち、SoC30は、バーストパターンを復調してバースト復調値セットを取得する。そして、SoC30は、補正設定情報300を引数として使用する補正アルゴリズムに基づきバースト復調値セットを補正する。そして、SoC30は、補正されたバースト復調値セットに基づきバーストオフセットを計算する。
【0124】
ライト動作中のバースト復調値セットに対し、非ライト動作中のバースト復調値セットに近づけることができるので、ライト動作中における位置誤差RPEの悪化を抑制することが可能となる。その結果、設計者は、データトラックピッチを小さくすることができ、磁気ディスク装置1の記憶容量を増加させることが可能になる。
【0125】
なお、SoC30は、非ライト動作、つまり磁気ヘッド22の位置決めをするがデータ領域DAへのライトを行わない動作、においては、バーストパターンを復調してバースト復調値セットを取得し、当該バースト復調値セットに対する補正を行わないで、当該バースト復調値セットに基づきバーストオフセットを計算する。
【0126】
また、実施形態によれば、図8を用いて説明されたように、SoC30は、データ領域DAへのライトを行わないで磁気ヘッド22の位置決めを行いながら、当該位置決めにおいてバーストパターンを復調して非ライト動作中のバースト復調値セットを取得する。SoC30は、データ領域DAへのライトを行うとともに磁気ヘッド22の位置決めを行いながら、当該位置決めにおいてバーストパターンを復調してライト動作中のバースト復調値を取得する。そして、SoC30は、非ライト動作中のバースト復調値セットとライト動作中のバースト復調値セットとに基づき補正設定情報300を計算し、補正設定情報300をメモリ(例えばFROM28)に格納する。
【0127】
よって、ライト動作中においては、事前に用意された補正設定情報300に基づき、バースト復調部252から出力されたバースト復調値セットに対し、非ライト動作中のバースト復調値セットに近づける補正を行うことが可能となる。
【0128】
また、実施形態によれば、サーボデータは、RRO補正量を示すポストコードを含む。RRO補正量は、ライトを行わないで磁気ヘッド22を位置決めしながら得られたものである。SoC30は、磁気ヘッド22の位置決めにおいて、ポストコードに基づく補正をさらに実行する。
【0129】
よって、非ライト動作中において適切にRROを補正できる。前述されたように、ライト動作中には、バースト復調部252から出力されたバースト復調値セットに対し、非ライト動作中のバースト復調値セットに近づける補正を行うことができる。よって、ライト動作中においても、非ライト動作中と同様に、適切にRROを補正できる。
【0130】
また、前述されたように、実施形態では、SoC30は、複数のサーボセクタのそれぞれについて補正設定情報300を計算し、メモリに格納してもよい。または、SoC30は、複数のサーボセクタSVのうちの2以上のサーボセクタSV毎に、または複数のサーボトラック41のうちの2以上のサーボトラック41毎に、補正設定情報300を計算し、メモリに格納してもよい。
【0131】
なお、実施形態によれば、バースト復調値セットはバーストパターンの復調信号の振幅および位相を含み、補正設定情報300は振幅に乗算される振幅比Ngain、Qgainおよび位相に加算または減算される位相差Nphsofs、Qphsofsを含み、補正アルゴリズムは補正設定情報300に基づきバースト復調値セットに含まれる振幅および位相を補正するアルゴリズムである、として説明された。SoC30は、ライト動作中において、バースト復調値セットに含まれる振幅および位相のうちの一方のみを補正するよう、構成されてもよい。
【0132】
例えば、SoC30がバースト復調値セットに含まれる振幅および位相のうちの振幅のみを補正するように構成された場合、補正設定情報300は、振幅比(つまりNgainおよびQgain)を含み、位相差(つまりNphsofsおよびQphsofs)を含まないように構成される。そして、SoC30は、補正設定情報300に含まれる振幅比(つまりNgainおよびQgain)と、式11および式12に示される補正アルゴリズムに基づき、バースト復調値セットに含まれる振幅を補正する。
【0133】
別の例では、SoC30がバースト復調値セットに含まれる振幅および位相のうちの位相のみを補正するように構成された場合、補正設定情報300は、振幅比(つまりNgainおよびQgain)を含まず、位相差(つまりNphsofsおよびQphsofs)を含むように構成される。そして、SoC30は、補正設定情報300に含まれる位相差(つまりNphsofsおよびQphsofs)と、式13および式14に示される補正アルゴリズムに基づき、バースト復調値セットに含まれる位相を補正する。
【0134】
図20は、非ライト動作中のバースト復調値セットから計算された第2サーボ復調位置とライト動作中のバースト復調値セットから振幅のみ補正して計算された第2サーボ復調位置との差を或るサーボトラック41、または或るデータトラック上の複数のサーボセクタSVで観測した一例を示す図である。本図と図18とを比較すると、振幅のみを補正した場合であっても非ライト動作中の第2サーボ復調位置とライト動作中の第2サーボ復調位置との差を抑制できることが読み取れる。
【0135】
ライト動作中のバースト復調値セットに対し、位相のみを補正した場合であっても、非ライト動作中の第2サーボ復調位置とライト動作中の第2サーボ復調位置との差を抑制することができる。
【0136】
このように、バースト復調値セットはバーストパターンの復調信号の振幅および位相を含み、補正設定情報300は振幅比または位相差を含み、補正アルゴリズムは補正設定情報300に基づきバースト復調値セットに含まれる振幅または位相を補正するアルゴリズムであってもよい。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
1 磁気ディスク装置、2 ホスト、11 磁気ディスク、12 SPM、13 ランプ、15 アクチュエータアーム、16 VCM、21 SVC、22 磁気ヘッド、22r リードヘッド、22w ライトヘッド、23 HDC、24 プリアンプ、25 RWC、26 プロセッサ、28 FROM、29 DRAM、30 コントローラ、41 サーボトラック、251 グレイコード復調部、252 バースト復調部、261 第1補正部、262 第2補正部、263 第3補正部、264 補正設定情報生成部、300 補正設定情報。
図1
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図11
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図20