(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176440
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】開閉装置の取付構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20241212BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
E06B9/17 W
E06B9/17 T
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094973
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】吉田 展行
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042DA02
(57)【要約】
【課題】無火気による施工を実現し、施工性を向上させながら、プレートの変形を抑制できる開閉装置の取付構造を提供する。
【解決手段】建物躯体の開口部を開閉体13の昇降により開閉する開閉装置であって、開口部の上縁に配置される上下一対の取付下地17,19と、開閉体13の昇降をガイドするガイドレール15の上方で上下一対の取付下地17,19の間に固定されて取付下地17,19とともに取付面33を形成する補強材35と、開閉体13を巻き取る巻取体の左右両端から突出する軸21を支持するブラケット23と、ブラケット23の固定基部47に固定されるプレート25と、取付面33に対しプレート25の少なくとも上縁を固定するプレート締結部材42と、取付面33に対し固定基部47とプレート25とを貫通して固定するブラケット貫通締結部材36と、を設けた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部を開閉体の昇降により開閉する開閉装置であって、
前記開口部の上縁に配置される上下一対の取付下地と、
前記開閉体の昇降をガイドするガイドレールの上方で前記上下一対の取付下地の間に固定されて前記取付下地とともに取付面を形成する補強材と、
前記開閉体を巻き取る巻取体の左右両端から突出する軸を支持するブラケットと、
前記ブラケットの固定基部に固定されるプレートと、
前記取付面に対し前記プレートの少なくとも上縁を固定するプレート締結部材と、
前記取付面に対し前記固定基部と前記プレートとを貫通して固定するブラケット貫通締結部材と、
を具備することを特徴とする開閉装置の取付構造。
【請求項2】
前記補強材が、上下の前記取付下地に渡って固定され、前記固定基部が、前記補強材に締結固定されることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置の取付構造。
【請求項3】
前記プレートの縦の縁に、変形抑止片が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉装置の取付構造。
【請求項4】
前記固定基部の上下長さが、上下一対の前記取付下地の間隔よりも長く、前記取付下地の前記取付面に重なることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉装置の取付構造。
【請求項5】
前記固定基部の上下長さが、上下一対の前記取付下地の間隔よりも長く、前記取付下地の前記取付面に重なることを特徴とする請求項3に記載の開閉装置の取付構造。
【請求項6】
前記固定基部における上下長さ方向の少なくとも上端が、前記プレート締結部材よりも上に位置することを特徴とする請求項4に記載の開閉装置の取付構造。
【請求項7】
前記固定基部における上下長さ方向の少なくとも上端が、前記プレート締結部材よりも上に位置することを特徴とする請求項5に記載の開閉装置の取付構造。
【請求項8】
建物躯体の開口部を開閉体の昇降により開閉する開閉装置であって、
前記開口部の上縁に配置されて上下一対の取付下地と、
前記開閉体を巻き取る巻取体の左右両端から突出する軸を支持するブラケットと、
前記ブラケットの固定基部に固定されるプレートと、
前記取付下地の取付面に対し、前記プレートを貫通して固定するプレート締結部材と、を備え、
前記固定基部における上下長さ方向が上下一対の前記取付下地の間隔よりも長く、
前記固定基部が前記取付面に重なることを特徴とする開閉装置の取付構造。
【請求項9】
前記取付面に重なる前記固定基部の上下長さ方向の少なくとも上端側が、ブラケット貫通締結部材にて締結固定されることを特徴とする請求項8に記載の開閉装置の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターの巻取軸の両端を支持するブラケットは、建物躯体に固定される。この際、ブラケットは、建物躯体の構造体である上下一対の取付下地という枠状の水平部材に渡って固定される。ブラケットは、シャッターカーテンの全重量を支えることから、建物躯体側には強固に固定される構造となる。ブラケットは、シャッターカーテンの大きさ(幅や高さ)や、シャッターカーテンの重量、シャッターカーテンを巻き取る巻取軸の直径に応じて、厚みや固定構造を変えている。従来、ブラケットの固定は、溶接によって行われていた。ブラケットは、基端に、建物躯体側と平行な長方形の固定基部を備えており、この固定基部を取付下地に溶接固定する。シャッターカーテンの重量が大きくない場合は、上下の取付下地に固定基部を直接溶接するが、重量が大きい場合には、ブラケットにプレートを溶接固定して、このプレートを取付下地に溶接固定していた。
【0003】
また、上下の取付下地は、建物躯体の構造として所定の間隔距離を有しているが、シャッター装置(開閉装置)側の上下幅とは必ずしも一致しない。そのために上下一対の水平な取付下地に渡って垂直なプレートを溶接固定する構造としていた。
【0004】
これに対し、現場では、溶接作業などで火器を使用したくない要請がある。また、ブラケットを支えながら、その取付位置を維持しながら行う溶接作業は、高所作業でもあり危険を伴うことになる。
【0005】
そこで、ブラケットに固定したプレートを取付下地に対して溶接固定ではなく、ボルト・ナットなどの締結部材で固定する施行方法、施工構造がある。この場合、予めプレートを工場内でブラケットに溶接固定しておく。これによれば、現場では、プレートを取付下地にボルト等により締結する作業で済ますことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、プレートに溶接固定したブラケットにおける固定基部の垂直長さが、上下の取付下地の間隔よりも短いと、ブラケットにかかる開閉体(シャッターカーテン)の重量が、プレートの上側に引抜き力として集中し、下側の取付下地では押し込み力となる。すると、取付下地に掛け渡されるプレートは、応力が集中して側面視でS字状に変形することがある。プレートが、このような変形を起こすと、ブラケットが前傾し、開閉体が落下する虞が生じる。このようなプレートの変形は、特許文献1に開示される構成のように、ナット部が座屈変形する第二締結具を用いて、上側の第一取り付け部の締結力を、下側の第二取り付け部の締結力よりも大きいものとしても解決することができず、すなわち、プレートの変形が起こる。
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、無火気による施工を実現し、施工性を向上させながら、プレートの変形を抑制できる開閉装置の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉装置の取付構造は、建物躯体の開口部を開閉体13の昇降により開閉する開閉装置であって、
前記開口部の上縁に配置される上下一対の取付下地17,19と、
前記開閉体13の昇降をガイドするガイドレール15の上方で前記上下一対の取付下地17,19の間に固定されて前記取付下地17,19とともに取付面33を形成する補強材35と、
前記開閉体13を巻き取る巻取体の左右両端から突出する軸21を支持するブラケット23と、
前記ブラケット23の固定基部47に固定されるプレート25と、
前記取付面33に対し前記プレート25の少なくとも上縁を固定するプレート締結部材42と、
前記取付面33に対し前記固定基部47と前記プレート25とを貫通して固定するブラケット貫通締結部材36と、
を具備することを特徴とする。
【0010】
この開閉装置の取付構造では、建物躯体の開口部が、開閉体13の昇降により開閉される。開口部の上縁には、上下一対の水平な取付下地17,19が設けられる。上下一対の取付下地17,19は、開口部の間口方向に渡って長尺で平行に延在する。開閉体13は、開口部の間口方向両側となる両縁部が上下に延在する左右一対のガイドレール15によってガイドされる。ガイドレール15から上側へ延長した仮想延長線は、上下一対の取付下地17,19と交差する。
このガイドレール15の上方となる上下一対の取付下地17,19の間には、取付下地17,19とともに取付面33を形成する補強材35が配置される。この補強材35は、躯体側の施工として予め工場等で溶接によって固定されて現場に搬入される。補強材35は、例えば一方の鉛直平面が正面に向く水平断面がL形の山形鋼とすることができる。したがって、正面から補強材35を貫通したブラケット貫通締結部材36(ボルト37)は、補強材35の背面でナット締めが可能となる。
この開閉装置の取付構造では、従来、上下一対の取付下地17,19のみに形成されていた取付面33が、新たに設けられた補強材35の分、増大する。この増大した取付面33には、ブラケット23の固定基部47とプレート25とを貫通したブラケット貫通締結部材36が新たに締結されることになる。
ここで、
図2に示す長方形OACBのプレート25は、上辺OAが取付下地17に固定される。長方形PDEFの固定基部47には、開閉体13を巻き取った巻取体の荷重により、下辺EFを支点として上辺PDが取付下地17から離反する方向に回転しようとするモーメントが作用する。すると、従来構造ではプレート25がS字状に変形しようとする。
これに対し、本発明の開閉装置の取付構造におけるプレート25は、上下一対の取付下地17,19の間が、固定基部47を貫通したブラケット貫通締結部材36によって補強材35に固定されていることで、プレート25の上下方向中間部が固定されない場合に比べ変形しにくくなる。
これにより、開閉装置の取付構造は、ブラケット23を固定したプレート25の上下端のみが取付下地17,19の取付面33に締結される構造に比べ、巻取体の荷重によってプレート25の上部に作用する引っ張り荷重、すなわち引抜き力に対するプレート25の曲げ強度が高まる。その結果、現場での溶接を不要として無火気による施工を実現し、施工性を向上させながら、プレート25がS字状に変形することを抑制できる。
【0011】
本発明の請求項2記載の開閉装置の取付構造は、請求項1に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記補強材35が、上下の前記取付下地17,19に渡って固定され、前記固定基部47が、前記補強材35に締結固定されることを特徴とする。
【0012】
この開閉装置の取付構造では、補強材35が、上下の取付下地17,19に渡って固定される。ブラケット23は、この補強材35に、固定基部47が締結固定される。上下の取付下地17,19に渡って固定される補強材35は、取付下地17,19の間に配置されて、上下の取付下地17,19を連結しないものに比べ、ブラケット23から受ける荷重に対する耐荷重が高くなる。
また、柱状(束状)に設けられた補強材35は、離間した上下一対の取付下地17,19に、上下端が固定されることによって、離間配置されていた取付下地17,19同士を連結するので、上下一対の取付下地17,19の強度向上にも寄与することになる。
【0013】
本発明の請求項3記載の開閉装置の取付構造は、請求項1または2に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記プレート25の縦の縁に、変形抑止片55が設けられることを特徴とする。
【0014】
この開閉装置の取付構造では、プレート25の縦の縁に、プレート25の正面から手前へ垂直に突出する枠状の変形抑止片55が設けられる。変形抑止片55は、折り曲げ加工、或いは別体の山形鋼を固定して設けることができる。変形抑止片55は、正面視で長方形に形成されたプレート25の外側の縦の縁に設けられることが好ましい。これは、変形抑止片55が内側の縦の縁に設けられることで、巻取体に巻き取られた開閉体外周面に変形抑止片55が干渉しやすくなることを回避するためである。
プレート25は、この変形抑止片55が縦の縁に設けられることにより、曲げ強度(曲げ剛性)が高まる。これにより、開閉装置の取付構造は、プレート25が平板である場合に比べ、巻取体の荷重によってプレート25の上部に作用する引っ張り荷重に対するプレート25の曲げ強度が高められる。
【0015】
本発明の請求項4記載の開閉装置の取付構造は、請求項1または2に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記固定基部47の上下長さが、上下一対の前記取付下地17,19の間隔よりも長く、前記取付下地17,19の前記取付面33に重なることを特徴とする。
【0016】
この開閉装置の取付構造では、固定基部47の上下長さが、上下一対の取付下地の間隔よりも長く、取付下地の取付面33に固定基部47が重なっている。この構成では、固定基部47とプレート25を貫通するブラケット貫通締結部材36が、補強材35と、上下それぞれの取付下地17,19とに締結が可能となる。プレート25に重ねられて固定されている固定基部47が、さらに上下の取付下地17,17とも重ねられてプレート25、固定基部47、取付下地の3部材が共締めされるので、プレート25の曲げ強度がより高められることになる。
【0017】
本発明の請求項5記載の開閉装置の取付構造は、請求項3に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記固定基部47の上下長さが、上下一対の前記取付下地17,19の間隔よりも長く、前記取付下地17,19の前記取付面33に重なることを特徴とする。
【0018】
この開閉装置の取付構造では、作用が請求項4と同じである。
【0019】
本発明の請求項6記載の開閉装置の取付構造は、請求項4に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記固定基部47における上下長さ方向の少なくとも上端61が、前記プレート締結部材42よりも上に位置することを特徴とする。
【0020】
この開閉装置の取付構造では、固定基部47における上下長さ方向の少なくとも上端61が、プレート締結部材42よりも上に位置する。換言すれば、プレート25の上部と取付下地17とを締結するプレート締結部材42の位置が、ブラケット23に固定される固定基部47における上端61の固定位置よりも下方に設けられる。これにより、プレート25の変形をブラケット23の剛性により抑えることが可能となる。
【0021】
本発明の請求項7記載の開閉装置の取付構造は、請求項5に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記固定基部47における上下長さ方向の少なくとも上端61が、前記プレート締結部材42よりも上に位置することを特徴とする。
【0022】
この開閉装置の取付構造では、作用が請求項6と同じである。
【0023】
本発明の請求項8記載の開閉装置の取付構造は、建物躯体の開口部を開閉体13の昇降により開閉する開閉装置であって、
前記開口部の上縁に配置されて上下一対の取付下地17,19と、
前記開閉体13を巻き取る巻取体の左右両端から突出する軸21を支持するブラケット23と、
前記ブラケット23の固定基部47に固定されるプレート25と、
前記取付下地の取付面33に対し、前記プレート25を貫通して固定するプレート締結部材42と、
を備え、
前記固定基部47における上下長さ方向が上下一対の前記取付下地17,19の間隔よりも長く、
前記固定基部47が前記取付面33に重なることを特徴とする。
【0024】
この開閉装置の取付構造では、上下一対の取付下地17,19の間に、補強材35が設けられないが、プレート25の上部と取付下地17とを締結するプレート締結部材42の位置が、ブラケット23に固定される固定基部47における上端61の固定位置よりも下方に設けられる。これにより、プレート25の変形をブラケット23の剛性により抑えることが可能となる。
つまり、ブラケット23に固定される固定基部47における上端61の固定位置と、プレート25の上部と取付下地17とを締結するプレート締結部材42の位置と、の関係で、プレート25の変形しにくさが得られている。また、固定基部47を貫通するブラケット貫通締結部材36が不要となるので、施工が容易となる。さらに、上下一対の取付下地17,19に渡る補強材35が省略されるので、取付構造が簡素となる。
したがって、この開閉装置の取付構造によれば、補強材35が設けられない簡素な構成であっても、ブラケット自体にプレート25を変形防止するための働きが生じ、容易な施工でプレート25の曲げ強度が高まる。
【0025】
本発明の請求項9記載の開閉装置の取付構造は、請求項8に記載の開閉装置の取付構造であって、
前記取付面33に重なる前記固定基部47の上下長さ方向の少なくとも上端61側が、ブラケット貫通締結部材36にて締結固定されることを特徴とする。
【0026】
この開閉装置の取付構造では、取付面33に重なる固定基部47の上下長さ方向の少なくとも上端61側が、ブラケット貫通締結部材36にて締結固定される。この場合、ブラケット貫通締結部材36には、ワンサイドボルト43が使用される。また、この開閉装置の取付構造では、上下一対の取付下地17,19に渡る補強材35が省略されるので、取付構造が簡素となる。
したがって、この開閉装置の取付構造によれば、補強材35が設けられない簡素な構成であっても、ブラケット貫通締結部材36が固定基部47とプレート25を貫通して取付下地17に締結されるので、プレート25の曲げ強度がより高まり、引抜き力に抗する。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る請求項1記載の開閉装置の取付構造によれば、上下の取付下地の間に、取付下地とともに取付面を形成する補強材を固定し、固定基部とプレートとを貫通するブラケット貫通締結部材にて取付面に締結するので、プレートの曲げ強度を高めることができ、無火気による施工を実現し、施工性を向上させながら、プレートの変形を抑制でき、締結部材への引抜き力に抗して、安全性を向上できる。
【0028】
本発明に係る請求項2記載の開閉装置の取付構造によれば、上下の取付下地に渡って固定した補強材に、固定基部とプレートとを貫通したブラケット貫通締結部材を固定するので、下地側に増設された取付面に、固定基部とプレートを共締めでき、プレートの変形を抑制し安全を確保できる。
【0029】
本発明に係る請求項3記載の開閉装置の取付構造によれば、取付面に平行な板材であったプレートの縦の縁に、取付面に垂直などの枠状の変形抑止片を加えることにより、プレート自体の曲げ強度を高めることができ、プレートの変形を抑制し安全をよりしっかりと確保できる。
【0030】
本発明に係る請求項4記載の開閉装置の取付構造によれば、固定基部の上下長さが、上下一対の取付下地の間隔よりも長く、取付下地の取付面に重なるので、取付面と固定基部とに挟まれる部分がプレートにでき、プレートの曲げ強度を高めることができ、プレートの変形を抑制し安全を確保できる。
【0031】
本発明に係る請求項5記載の開閉装置の取付構造によれば、請求項4と同じ効果を得ることができる。
【0032】
本発明に係る請求項6記載の開閉装置の取付構造によれば、固定基部の上端を、プレートと取付下地の固定位置となるプレート締結部材よりも上とすることで、プレート締結部材に掛かる力となる引抜き力によるプレートの変形を、ブラケットの剛性で抑えることができる。
【0033】
本発明に係る請求項7記載の開閉装置の取付構造によれば、請求項6と同じ効果を得ることができる。
【0034】
本発明に係る請求項8記載の開閉装置の取付構造によれば、上下一対の取付下地の間に渡る補強材が省略されるが、固定基部における上下長さ方向が上下一対の取付下地の間隔よりも長く、固定基部が取付面に重なるので、ブラケット自体にプレートを変形防止するための働きを持たせることができ、プレートの曲げ強度が高まり、プレートの変形を抑制し安全を確保できる。
【0035】
本発明に係る請求項9記載の開閉装置の取付構造によれば、簡素な構造でプレートの曲げ強度がより高まり、プレートの変形を抑制し、引抜き力に抗することとなって安全を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】開閉装置の取付構造を備えた重量タイプのシャッター装置を表す全体斜視図である。
【
図5】プレートに変形抑止片が設けられる変形例1の平面図である。
【
図6】プレートに縦の縁の変形抑止片が設けられる変形例1の平面図である。
【
図7】補強材が水平方向の上補強材と下補強材となる変形例2の正面図である。
【
図8】補強材が水平方向の下補強材のみとなる変形例2の正面図である。
【
図9】補強材が水平方向の上補強材のみとなる変形例2の正面図である。
【
図10】(a)は、補強材が省略される変形例3に係る取付構造の正面図、(b)は(a)の側面図である。
【
図11】変形例3に係る開閉装置の取付構造の下端位置が異なる正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、開閉装置の取付構造を備えた重量タイプのシャッター装置11を表す全体斜視図である。
本実施形態に係る開閉装置の取付構造は、開閉装置が、重量タイプのシャッター装置11となる。シャッター装置11は、建物躯体の開口部を開閉体の昇降により開閉する。開閉体13は、アルミ製やスチール製のスラットを複数連結した一般的なシャッターカーテンの他、パネル材や樹脂製シート状の開閉体とすることもできる。
【0038】
開口部の間口方向の両側には、上下に延在して長尺となる左右一対のガイドレール15が設けられる。ガイドレール15は、断面コ字形のガイド溝を有し、このガイド溝にシャッターカーテン13の両縁を挟んで昇降をガイドする。開口部の上縁には、開口部の間口方向に渡って長尺な上下一対の平行な取付下地が配置される。取付下地は、例えば鋼材からなる角パイプで建物躯体に溶接等により固定される。本実施形態において取付下地は、上段の上取付下地17と、下段の下取付下地19とからなる。取付下地の長尺方向両端は、少なくともガイドレール15から上側へ延長した仮想延長線に交差する位置までは存在する。
【0039】
シャッター装置11は、シャッターカーテン13を巻き取る巻取体(不図示)を有する。巻取体は、左右両端から突出する軸21によって回転自在に支持される。軸21は、ブラケット23によって支持される。ブラケット23は、固定基部がプレート25に固定される。プレート25は、上下一対の取付下地17,19に渡って固定される。一方のブラケット23には、電動モータを有する開閉機27が取り付けられる。開閉機27は、駆動軸が回転されると、駆動軸と巻取体の軸21との間に掛け渡された無端チェーン等によって軸21を回転させる。これにより、シャッターカーテン13は、開口部から巻き取られ或いは開口部へ繰り出される。
【0040】
巻取体に巻き取られたシャッターカーテン13の外周は、例えば取付下地に設けられるカバー29により覆われる。取付下地には、カバー29を囲うコ字枠状に形成された複数の枠材31が、巻取体の長手方向に所定間隔で固定される。本実施形態に係る開閉装置の取付構造では、ガイドレール15の上方で取付下地の間に固定される補強材を備えている。
【0041】
以下、開閉装置の取付構造をさらに詳しく説明する。
【0042】
図2は、補強材近傍の分解斜視図である。
ガイドレール15(
図1参照)の上方となる上下一対の上取付下地17と下取付下地19の間には、取付下地とともに取付面33を形成する補強材35が配置される。「取付下地の間に配置」とは、上下一対の取付下地の間で、少なくともいずれか一方の取付下地に固定されて連続していればよい意である。すなわち、補強材35は、必ずしも上下一対の取付下地の間に渡って設けられる必要はない。勿論、補強材35は、上下一対の取付下地に渡って設けられてもよい。
【0043】
本実施形態では、補強材35が、上下一対の取付下地に渡って柱状(束状)となって設けられる一例を説明する。この補強材35は、躯体側の施工として予め工場等で溶接によって固定されて現場に搬入される。補強材35は、例えば一方の鉛直平面が正面に向く水平断面がL形の山形鋼とすることができる。したがって、正面から補強材35を貫通したボルト37は、補強材35の背面でナット39を用いた締結が可能となる。補強材35には、ボルト37が貫通する透孔41が予め穿設されている。
【0044】
この補強材35の設けられている上下一対の取付下地17,19には、補強材35を正面から覆うようにして長方形のプレート25が固定される。プレート25は、上下端が上下一対の取付下地17,19に渡って配置され、上下方向の中間部が補強材35に固定される。プレート25の上下端と取付下地17,19とは、プレート締結部材42によって締結される。すなわち、開閉装置の取付構造は、取付面33に対しプレート25の少なくとも上縁を固定するプレート締結部材42を有する。プレート締結部材42には通常のボルト・ナットまたはワンサイドボルト43を用いることができる。取付下地17,19が例えば角パイプで形成されている場合、プレート25の固定にはワンサイドボルト43が使用される。この場合、プレート25にはワンサイドボルト43が挿通される透孔41が穿設され、取付下地17,19には透孔41に対応しワンサイドボルト43が加締め固定される下穴45が穿設される。
【0045】
プレート25の正面には、手前へ垂直に突出する矩形板状のブラケット23が固定される。ブラケット23のプレート側の基端には、プレート25と平行となるように垂直に曲げられた固定基部47が形成される。ブラケット23は、この固定基部47が、予め工場等で溶接によってプレート25に固定される。したがって、プレート25は、固定基部47が溶接されている箇所が肉厚となる。固定基部47には、ボルト37またはワンサイドボルト43を挿通するための透孔41がプレート25を貫通して穿設される。
【0046】
ブラケット23は、左右で一対が使用され、シャッターカーテン13を巻き取る巻取体の左右両端から突出する軸21をそれぞれが左右で支持する。ブラケット23には、正面に向かって突出する縦縁からプレート25に向かって途中位置まで切り込まれる軸受溝49が形成される。巻取体は、この軸受溝49に軸21が手前側より挿入されてブラケット23に支持される。なお、より具体的には、軸受溝49に挿入された軸21は、軸受(不図示)が外挿され、その軸受がブラケット23の外側面に固定されることで、軸受を介してブラケット23に回転自在に支持される。ブラケット23の上縁および下縁には、補強用の上補強縁51および下補強縁53が折曲形成されている。これにより、シャッターカーテン13を巻き取った巻取体の全重量は、ブラケット23およびプレート25を介して上下一対の取付下地17,19と補強材35とに支持されることになる。
【0047】
ここで、プレート25に固定されたブラケット23は、固定基部47とプレート25を貫通するブラケット貫通締結部材36によって補強材35に固定される。すなわち、開閉装置の取付構造は、取付面33に対し固定基部47とプレート25とを貫通して固定するブラケット貫通締結部材36を有する。ブラケット貫通締結部材39には通常のボルト・ナットまたはワンサイドボルト43を用いることができる。手順的には、このブラケット貫通締結部材36が補強材35の取付面33に固定されることでプレート25が上下一対の取付下地17,19に重なるように位置決めされる。次いで、プレート25に予め穿設されている透孔41に合わせて取付下地に下穴45が現場施工で穿設される。このプレート25と取付下地17,19とは、ワンサイドボルト43等のプレート締結部材42が挿入されることで正面側からのみの締結作業で固定される。
【0048】
つまり、ブラケット23は、固定基部47に溶接固定されたプレート25の上下端が上下一対の取付下地17,19に締結され固定されるのに加えて、固定基部47がプレート25と共に補強材35にさらに締結され固定されることになる。
【0049】
図3は、補強材近傍の平面図である。
ブラケット23の固定基部47は、固定基部47、プレート25、補強材35を貫通するブラケット貫通締結部材36であるボルト37にナット39が螺合されることにより、3部材を共締めして固定される。固定基部47は、プレート25に溶接固定されているので、共締め構造は溶接部の剥離を規制する方向の好適な締結構造となる。また、固定基部47が溶接されたプレート25は、四隅がプレート締結部材42であるワンサイドボルト43によって締結されることにより上取付下地17と下取付下地19に固定される。
【0050】
図4は、補強材近傍の側面図である。
固定基部47の固定は、補強材35が山形鋼であるので、補強材35の背面に突出したボルト37先端にナット39を螺合して締結する作業が可能となる。一方、上取付下地17と下取付下地19とが角パイプである場合、背面からのナット39の螺合が不可能となるため、ワンサイドボルト43が使用される。ワンサイドボルト43は、透孔41から下穴45に差し込んで回すと、ボルト先端側で部材が膨らんで、透孔41から抜け止めになる。締めていくと、下穴45の背面側で次第に拡開部材が広がり、可締められて抜け止めされる。なお、プレート締結部材42は、対象によっては通常のボルト・ナットでの締結も可能となる。
【0051】
締結部材としては、ボルト・ナットの組み合わせであると、緩めることができて、締め直しも可能となる。そこで、補強材35に対してプレート25を固定する際に、まず、ブラケット貫通締結部材36であるボルト・ナットで下地に対するブラケット23の位置を仮固定する。位置が決まったなら、すなわち、ブラケット23の位置調整を終えたら、プレート上下端の透孔41に合わせて下穴45を取付下地17,19に穿設し、プレート締結部材42であるワンサイドボルト43で固定する。その後、ボルト37にナット39を本締めする。すなわち、ボルト・ナットの組み合わせは、補強材35へのボルト締めを、ブラケット23の仮止め、位置決め用としても使うことができる。
【0052】
次に、上記した実施の形態に係る構成の変形例を説明する。
【0053】
[変形例1]
図5は、プレート25に変形抑止片55が設けられる変形例1の平面図である。
変形例1に係る開閉装置の取付構造は、プレート25の縦の縁に、折り曲げ加工により形成した枠状の変形抑止片55が設けられる。変形抑止片55は、ブラケット23を挟んで巻取体と反対側の縦の縁に設けられる。
【0054】
図6は、プレート25に縦の縁の変形抑止片55が設けられる変形例1の平面図である。
プレート25に設けられる変形抑止片55は、折り曲げ加工の他に、プレート25と別体の山形鋼を溶接により固定してもよい。この場合も変形抑止片55は、ブラケット23を挟んで巻取体と反対側の縦の縁に設けられる。
【0055】
[変形例2]
図7は、補強材が水平方向の上補強材57と下補強材59となる変形例2の正面図である。
変形例2に係る開閉装置の取付構造は、上取付下地17に、取付面33を有する水平方向の上補強材57が固定される。また、下取付下地19に、取付面33を有する水平方向の下補強材59が固定される。上補強材57および下補強材59は、取付面33が、取付下地の取付面33と同一平面に配置される例えば山形鋼とすることができる。
【0056】
この開閉装置の取付構造では、固定基部47における上下長さ方向の少なくとも上端61が、プレート締結部材42(ボルト37)よりも寸法dだけ上に位置する。換言すれば、プレート25の上部と取付下地17とを締結するプレート締結部材42(ボルト37)の位置が、ブラケット23に固定される固定基部47における上端61の固定位置よりも下方に設けられる。なお、変形例2では、固定基部47における上下長さ方向の下端63が、プレート締結部材42(ボルト37)よりも寸法dだけ下に位置する。
【0057】
図8は、補強材が水平方向の下補強材59のみとなる変形例2の正面図である。
変形例2に係る開閉装置の取付構造は、下取付下地19のみに、取付面33を有する水平方向の下補強材59が固定されていてもよい。
【0058】
図9は、補強材が水平方向の上補強材57のみとなる変形例2の正面図である。
変形例2に係る開閉装置の取付構造は、上取付下地17のみに、取付面33を有する水平方向の上補強材57が固定されていてもよい。
【0059】
[変形例3]
図10(a)は、補強材35が省略される変形例3に係る取付構造の正面図、(b)は(a)の側面図である。
変形例3に係る開閉装置の取付構造は、補強材が省略される。その代替構成として、プレート25における固定基部47の上下長さが、上下一対の取付下地の間隔よりも長く、取付下地の取付面33に重なっている。
【0060】
この開閉装置の取付構造では、取付面33に重なる固定基部47の上下長さ方向の少なくとも上端61が、プレート締結部材42よりも上に配置される。すなわち、上端61が、プレート締結部材42(ワンサイドボルト43)よりも寸法dだけ上に位置する。また、固定基部47における上下長さ方向の下端63は、プレート締結部材42(ワンサイドボルト43)よりも寸法dだけ下に位置する。
【0061】
図11は、変形例3に係る開閉装置の取付構造の下端位置が異なる正面図である。
変形例3に係る開閉装置の取付構造は、固定基部47における上下長さ方向の下端63が、プレート締結部材42(ワンサイドボルト43)よりも寸法eだけ上に位置していてもよい。下端63は、上端61と異なり、下補強材59に対して押圧荷重が作用するので、重ね代(被り代)をプレート締結部材42よりも上に配置して小さくすることができる。
【0062】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0063】
本実施形態に係る開閉装置の取付構造では、建物躯体の開口部が、シャッターカーテン13の昇降により開閉される。開口部の上縁には、上下一対の水平な取付下地17,19が設けられる。上下一対の取付下地17,19は、開口部の間口方向に渡って長尺で平行に延在する。シャッターカーテン13は、開口部の間口方向両側となる両縁部が上下に延在する左右一対のガイドレール15によってガイドされる。ガイドレール15から上側へ延長した仮想延長線は、上下一対の取付下地17,19と交差する。
【0064】
この開閉装置の取付構造では、従来、上下一対の取付下地17,19のみに形成されていた取付面33が、新たに設けられた補強材35の分、面積を増大する。この増大した取付面33には、ブラケット23の固定基部47とプレート25とを貫通したブラケット貫通締結部材36が新たに締結されることになる。
【0065】
図12は、比較例の取付構造を表す側面図である。
ここで、
図2に示す長方形OACBのプレート25は、上辺OAが取付下地17に固定される。長方形PDEFの固定基部47には、シャッターカーテン13を巻き取った巻取体の荷重Wにより、下辺EFを支点として上辺PDが取付下地17から離反する方向に回転しようとするモーメントが作用する。すると、比較例に係る構造ではプレート25が
図12に示すS字状に変形しようとして、上辺OA側を固定するプレート締結部材42を引き抜く力が発生する。
【0066】
これに対し、本発明の開閉装置の取付構造におけるプレート25は、上下一対の取付下地17,19の間が、固定基部47を貫通したブラケット貫通締結部材36によって、取付下地17,19間に設けられた補強材35に固定されていることで(
図4参照)、プレート25の上下方向中間部が固定されない場合に比べ変形しにくくなる。
【0067】
これにより、開閉装置の取付構造は、ブラケット23を固定したプレート25の上下端のみが取付下地17,19の取付面33に締結固定される構造に比べ、巻取体の荷重Wによってプレート25の上部に作用する引っ張り荷重に抗することとなり、プレート25の曲げ強度が高まることになる。その結果、現場での溶接を不要として無火気による施工を実現し、施工性を向上させながら、
図12に示す比較例のようなプレート25がS字状に変形することを抑制できる。
【0068】
また、この開閉装置の取付構造では、補強材35が、上下の取付下地17,19に渡って固定される。ブラケット23は、この補強材35に、固定基部47が締結固定される。上下の取付下地17,19に渡って固定される補強材35は、取付下地17,19の間に配置されて、上下の取付下地17,19を連結しないものに比べ、ブラケット23から受ける荷重に対する耐荷重が高くなる。
【0069】
また、柱状(束状)に設けられた補強材35は、離間した上下一対の取付下地17,19に、上下端が固定されることによって、離間配置した取付下地17,19同士を連結するので、取付下地17,19の強度向上にも寄与する。その結果、下地側に増設された取付面33に、固定基部47とプレート25を共締めでき、プレート25の変形をよりしっかりと抑制し安全を確保できる。
【0070】
また、この開閉装置の取付構造では、プレート25の縦の縁に、プレート25の正面から手前へ垂直に突出する枠状の変形抑止片55が設けられる。変形抑止片55は、折り曲げ加工、或いは別体の山形鋼を固定して設けることができる。変形抑止片55は、正面視で長方形に形成されたプレート25の外側の縦の縁に設けられることが好ましい。これにより、変形抑止片55が内側の縦の縁に設けられることで、軸中心65(
図5、
図6参照)に巻き取られた開閉体外周面に変形抑止片55が干渉しやすくなることを回避することができる。
【0071】
プレート25は、この変形抑止片55が縦の縁に設けられることにより、曲げ強度(曲げ剛性)が高まる。開閉装置の取付構造は、プレート25が平板である場合に比べ、巻取体の荷重によってプレート25の上部に作用する引っ張り荷重に対する強度が高められる。その結果、取付面33に平行な板材であったプレート25の縦の縁に、取付面33に垂直な変形抑止片55を加えることにより、プレート25の曲げ強度を高めることができ、プレート25の変形を抑制し安全をよりしっかりと確保できる。
【0072】
また、この開閉装置の取付構造では、固定基部47の上下長さが、上下一対の取付下地の間隔よりも長く、取付下地の取付面33に固定基部47が重なっていてもよい。この構成では、固定基部47とプレート25を貫通するブラケット貫通締結部材36が、補強材35と、上下それぞれの取付下地17,19とに締結が可能となる。
【0073】
プレート25に重ねられて固定されている固定基部47が、さらに上下の取付下地17,19とも重ねられてプレート25、固定基部47、取付下地の3部材が共締めされるので、プレート25の曲げ強度がより高められることになる。その結果、取付面33と固定基部47とにプレート25が挟まれる構成となり、プレート25の曲げ強度を高めることができ、プレート25の変形を抑制し安全を確保できる。
【0074】
また、この開閉装置の取付構造では、固定基部47における上下長さ方向の少なくとも上端61側が、プレート締結部材42よりも上に位置する。換言すれば、プレート25の上部と取付下地17とを締結するプレート締結部材42の位置が、プレート25に固定される固定基部47における上端61の固定位置よりも下方に設けられる。これにより、プレート25の変形をブラケット23の剛性により抑えることが可能となる。その結果、プレート締結部材42に掛かる力(引抜き力)によるプレート25の変形を、ブラケット23の剛性で抑えることができる。
【0075】
また、この開閉装置の取付構造では、上下一対の取付下地17,19の間に、補強材35が設けられないが、プレート25の上部と取付下地17とを締結するプレート締結部材42の位置が、プレート25に固定される固定基部47における上端61の固定位置よりも下方に設けられる。これにより、プレート25の変形をブラケット23の剛性により抑えることが可能となる。
【0076】
つまり、固定基部47における上端61の固定位置と、プレート25の上部と取付下地17とを締結するプレート締結部材42の位置との関係で、プレート25の変形しにくさが得られている。また、固定基部47を貫通するブラケット貫通締結部材36が不要となるので、施工が容易となる。さらに、上下一対の取付下地17,19に渡る補強材35が省略されるので、取付構造が簡素となる。
【0077】
したがって、この開閉装置の取付構造では、補強材35が設けられない簡素な構成であっても、ブラケット自体にプレート25を変形防止するための働きが生じ、容易な施工でプレート25の曲げ強度が高まる。その結果、ブラケット自体にプレート25を変形防止するための働きを持たせることができ、プレート25の曲げ強度が高まり、プレート25の変形を抑制し安全を確保できる。
【0078】
また、この開閉装置の取付構造では、取付面33に重なる固定基部47の上下長さ方向の少なくとも上端61側が、ブラケット貫通締結部材36にて締結固定される。この場合、ブラケット貫通締結部材36には、プレート締結部材42と同様にワンサイドボルト43を使用することで取付下地17に締結固定できる。この開閉装置の取付構造では、上下一対の取付下地17,19に渡る補強材35が省略されるので、取付構造が簡素となる。
【0079】
この開閉装置の取付構造では、補強材35が設けられない簡素な構成であっても、プレート25に固定された固定基部47がブラケット貫通締結部材36の上下間隔よりも長い距離で上下一対の取付下地17,19に重なりるので、プレート25の曲げ強度がより高まる。その結果、簡素な構造でプレート25の曲げ強度がより高まり、プレート25の変形を抑制し安全を確保できる。
【0080】
したがって、本実施形態に係る開閉装置の取付構造によれば、プレート25の曲げ強度を高めることができ、取付下地17,19に対して締結部材で固定できることで無火気による施工を実現し、施工性を向上させながら、プレート25の変形を抑制できる。
【符号の説明】
【0081】
11…開閉装置(シャッター装置)
13…開閉体(シャッターカーテン)
15…ガイドレール
17…取付下地(上取付下地)
19…取付下地(下取付下地)
21…軸
23…ブラケット
25…プレート
33…取付面
35…補強材
36…ブラケット貫通締結部材
42…プレート締結部材
47…固定基部
55…変形抑止片
57…上補強材
59…下補強材
61…上端