IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特開-物品搬送装置 図1
  • 特開-物品搬送装置 図2
  • 特開-物品搬送装置 図3
  • 特開-物品搬送装置 図4
  • 特開-物品搬送装置 図5
  • 特開-物品搬送装置 図6
  • 特開-物品搬送装置 図7
  • 特開-物品搬送装置 図8
  • 特開-物品搬送装置 図9
  • 特開-物品搬送装置 図10
  • 特開-物品搬送装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176445
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094982
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】川島 智彦
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022CC03
3F022FF01
3F022JJ09
3F022KK01
3F022LL12
3F022MM57
3F022PP06
3F022QQ11
(57)【要約】
【課題】第1ガイドローラ対の第1ガイドローラが摩耗したこと、及び/又は第2ガイドローラ対の第2ガイドローラが摩耗したことを検知する。
【解決手段】スタッカクレーン(1A)において、第1距離センサ(80A)及び第2距離センサ(80B)は、第1サイドフレーム(211)に対して取り付けられ、第1距離センサ(80A)と第1ガイドローラ対(28)との間の距離(L1)は、第1距離センサ(80A)と第1駆動輪(22)との間の距離(L2)よりも短く、第2距離センサ(80B)と第2ガイドローラ対(29)との間の距離(L3)は、第2距離センサ(80B)と第2駆動輪(23)との間の距離(L4)よりも短い。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車輪と、
ガイドレールに沿う方向である走行方向に前記第1車輪とは離間して配置される第2車輪と、
前記走行方向と交差する方向にて前記ガイドレールを挟む一対の第1ガイドローラを有する第1ガイドローラ対と、
前記走行方向と交差する方向にて前記ガイドレールを挟む一対の第2ガイドローラを有し、前記走行方向に前記第1ガイドローラ対とは離間して配置される第2ガイドローラ対と、
前記走行方向を長手方向とするフレームであって、前記第1ガイドローラ及び前記第2ガイドローラが取り付けられるフレームと、
前記フレームと前記ガイドレールとの間の水平距離を検出する第1センサと、
前記走行方向に前記第1センサとは離間して配置される、前記フレームと前記ガイドレールとの間の水平距離を検出する第2センサと、を有する走行台車と、を備え、
前記第1センサ及び前記第2センサは、前記フレームに対して取り付けられ、
前記第1ガイドローラ対は、前記走行方向において、前記第2ガイドローラ対及び前記第2センサよりも前記第1車輪側に位置しており、前記第1センサは、前記走行方向において、前記第2ガイドローラ対及び前記第2センサよりも前記第1車輪側に位置しており、
前記走行方向における前記第1センサと前記第1ガイドローラ対との間の距離は、前記走行方向における前記第1センサと前記第1車輪との間の距離よりも短く、
前記走行方向における前記第2センサと前記第2ガイドローラ対との間の距離は、前記走行方向における前記第2センサと前記第2車輪との間の距離よりも短い、物品搬送装置。
【請求項2】
前記第1ガイドローラ対及び前記第2ガイドローラ対は、前記走行方向にて前記第1車輪と前記第2車輪との間に位置する、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記第1センサ及び前記第2センサは、前記走行方向にて前記第1車輪と前記第2車輪との間に位置する、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記第1車輪及び前記第2車輪は、駆動源からの動力により駆動する駆動輪である、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記第1センサが検出した水平距離と、前記第2センサが検出した水平距離とに基づいて前記走行台車の傾きを検知する制御部を更に備える、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記第1センサ及び前記第2センサは、前記フレームの前記走行方向の中央位置から見て前記走行方向の互いに反対側に取り付けられている、請求項5に記載の物品搬送装置。
【請求項7】
前記走行台車に立設されるマストと、
前記マストに対して昇降可能に設けられる昇降台と、
前記昇降台に搭載され、進退方向に移動することで荷棚と前記昇降台との間にて物品の出し入れを行うフォーク部と、
前記フォーク部を旋回させる旋回部と、を更に備え、
前記制御部は、
前記第1センサ及び第2センサの検出結果により検知された走行台車の傾きに応じて、旋回部の駆動を制御する、請求項6に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガイドレールに沿って走行して、物品の搬送を行う物品搬送装置が知られている。例えば、特許文献1及び2には、物品搬送装置が有する走行台車についての記載がされている。走行台車は、走行台車の車輪が転動するレールを両側から挟む一対のガイドローラを有している。走行台車の駆動輪が駆動すると、一対のガイドローラはそれぞれレールの側面を転動する。これにより、物品搬送装置がレールに沿って走行可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2572993号公報
【特許文献2】特許第3702738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、走行台車が走行した結果、一対のガイドローラのそれぞれは摩耗する。ガイドローラが摩耗すると、レールに対する走行台車の傾きが大きくなる。そのため、ガイドローラの摩耗は、物品搬送装置の直進性能の低下などの原因となることが考えられる。
【0005】
本発明の一態様は、第1ガイドローラ対の第1ガイドローラが摩耗したこと、及び/又は第2ガイドローラ対の第2ガイドローラが摩耗したことを検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る物品搬送装置は、第1車輪と、ガイドレールに沿う方向である走行方向に前記第1車輪とは離間して配置される第2車輪と、前記走行方向と交差する方向にて前記ガイドレールを挟む一対の第1ガイドローラを有する第1ガイドローラ対と、前記走行方向と交差する方向にて前記ガイドレールを挟む一対の第2ガイドローラを有し、前記走行方向に前記第1ガイドローラ対とは離間して配置される第2ガイドローラ対と、前記走行方向を長手方向とするフレームであって、前記第1ガイドローラ及び前記第2ガイドローラが取り付けられるフレームと、前記フレームと前記ガイドレールとの間の水平距離を検出する第1センサと、前記走行方向に前記第1センサとは離間して配置される、前記フレームと前記ガイドレールとの間の水平距離を検出する第2センサと、を有する走行台車と、を備え、前記第1センサ及び前記第2センサは、前記フレームに対して取り付けられ、前記第1ガイドローラ対は、前記走行方向において、前記第2ガイドローラ対及び前記第2センサよりも前記第1車輪側に位置しており、前記第1センサは、前記走行方向において、前記第2ガイドローラ対及び前記第2センサよりも前記第1車輪側に位置しており、前記走行方向における前記第1センサと前記第1ガイドローラ対との間の距離は、前記走行方向における前記第1センサと前記第1車輪との間の距離よりも短く、前記走行方向における前記第2センサと前記第2ガイドローラ対との間の距離は、前記走行方向における前記第2センサと前記第2車輪との間の距離よりも短い。
【0007】
上記構成によれば、第1センサは第1ガイドローラ対の近傍に設けられ、第2センサは第2ガイドローラ対の近傍に設けられる。これにより、第1ガイドローラ対の第1ガイドローラが摩耗したとき、及び/又は第2ガイドローラ対の第2ガイドローラが摩耗したことを検知することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、第1ガイドローラ対の第1ガイドローラが摩耗したこと、及び/又は第2ガイドローラ対の第2ガイドローラが摩耗したことを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る物品搬送設備の一例を示す概略図である。
図2図1に示すスタッカクレーンの斜視図である。
図3図2に示すスタッカクレーンが備える走行台車の斜視図である。
図4図2に示すスタッカクレーンが備える走行台車を上方から見た平面図である。
図5図2に示すスタッカクレーンが備える昇降台を上方から見た平面図である。
図6図2に示すスタッカクレーンが備える昇降台を右側方から見た断面図である。
図7】バーコードリーダ及び走行レールの側面に付されたバーコードについて説明する模式図である。
図8図2に示すスタッカクレーンの電気的構成を示すブロック図である。
図9】スタッカクレーン停止時における、走行ガイドレールに対する走行台車、昇降台、及びフォーク部の傾きを説明する模式図である。
図10】本発明の実施形態2に係る物品搬送設備が備えるスタッカクレーンを上方から見た平面図である。
図11図10に示す中央位置、及びA‐A線で切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1図9を参照して詳細に説明する。
【0011】
〔物品搬送設備〕
図1を参照して、物品搬送設備100の概要について説明する。図1は、物品搬送設備100の一例を示す概略図である。また、説明の便宜上、図1等の矢印で示されるように、上下方向、前後方向、及び左右方向を定義する。なお、本実施形態において、上下方向は前後方向及び左右方向と直交する方向であって、前後方向は左右方向と直交する方向である。
【0012】
図1に示す物品搬送設備100は、スタッカクレーン1と、荷棚2と、走行ガイドレール3と、走行レール4と、を備える。荷棚2は、物品を載置可能な棚である。荷棚2は、上下方向に複数の段が設けられ、その各段の左右方向において物品を載置するスペースが区画化されている。前方の荷棚2と後方の荷棚2との間には、スタッカクレーン1の走行経路を構成する走行ガイドレール3及び走行レール4がフロアに設置され、前方の荷棚2と後方の荷棚2との間をスタッカクレーン1が走行可能となっている。走行ガイドレール3は、ガイドレールの一例である。走行レール4は、走行ガイドレール3と並列に設置されている。走行ガイドレール3及び走行レール4の長手方向は、左右方向である。
【0013】
スタッカクレーン1は、物品を搬送する装置である。スタッカクレーン1は、物品搬送装置の一例である。スタッカクレーン1の上下方向の高さは、2m~18m程である。スタッカクレーン1は、走行ガイドレール3に沿って走行する。本実施形態において、スタッカクレーン1の走行方向D1は、左右方向である。物品搬送設備100では、同一の走行ガイドレール3及び走行レール4上を複数のスタッカクレーン1が走行する。なお、物品搬送設備100において、走行ガイドレール3及び走行レール4上を1つのスタッカクレーン1が走行する構成としてもよい。
【0014】
以下の説明において、図1の左側に示すスタッカクレーン1については、スタッカクレーン1Aと称し、図1の右側に示すスタッカクレーン1についてはスタッカクレーン1Bと称する。
【0015】
スタッカクレーン1A及び1Bは、物品の搬送を行わない待機状態の場合、各ホーム位置HP1及びHP2にて待機する。スタッカクレーン1Aのホーム位置HP1は走行ガイドレール3の左側に設けられ、スタッカクレーン1Bのホーム位置HP2は走行ガイドレール3の右側に設けられている。ホーム位置HP1の右側にはスタッカクレーン1Aに物品の受け渡しを行う入出庫口EP1が設けられ、ホーム位置HP2の左側にはスタッカクレーン1Bに物品の受け渡しを行う入出庫口EP2が設けられている。なお、ホーム位置HP1及び入出庫口EP1は同一の位置であってもよいし、ホーム位置HP2及び入出庫口EP2は同一の位置であってもよい。搬送位置CP1はスタッカクレーン1Aが前方の荷棚2又は後方の荷棚2から物品の出し入れを行うことが可能な位置であり、搬送位置CP2はスタッカクレーン1Bが前方の荷棚2又は後方の荷棚2から物品の出し入れを行うことが可能な位置である。搬送位置CP1及びCP2は、出し入れされる物品が載置される前方又は後方の荷棚2の位置に応じて異なる。スタッカクレーン1Aの搬送位置CP1は入出庫口EP1よりも走行ガイドレール3の右側の位置であり、スタッカクレーン1Bの搬送位置CP2は入出庫口EP2よりも走行ガイドレール3の左側の位置である。
【0016】
スタッカクレーン1Aは、搬送指令信号に従って、ホーム位置HP1、入出庫口EP1又は搬送位置CP1に移動する。また、スタッカクレーン1Bは、搬送指令信号に基づき、ホーム位置HP2、入出庫口EP2又は搬送位置CP2に移動する。例えば、スタッカクレーン1Aが前方の荷棚2の左から4番目の列に物品を棚入れする搬送指令信号を受信した場合、スタッカクレーン1Aは、入出庫口EP2にて入庫コンベヤから物品を受け取った後、図1に示す搬送位置CP1へ移動する。スタッカクレーン1Aは、図1に示す搬送位置CP1にて前方の荷棚2に物品の棚入れが完了すると、次の搬送指令信号に従って、ホーム位置HP1、入出庫口EP1又は搬送位置CP1に移動する。一方、スタッカクレーン1Aが前方の荷棚2の左から4番目の列に載置された物品を棚出しする搬送指令信号を受信した場合、スタッカクレーン1Aは図1に示す搬送位置CP1へ移動する。図1に示す搬送位置CP1にて荷棚2から物品の棚出しが完了すると、スタッカクレーン1Aは、入出庫口EP1へ移動し、入出庫口EP1にて出庫コンベヤに物品を引き渡す。スタッカクレーン1Aは、次の搬送指令信号に従い、ホーム位置HP1、入出庫口EP1又は搬送位置CP1に移動する。
【0017】
なお、入出庫口EP1及びEP2は、走行方向において、荷棚2の外側にそれぞれ位置していたが、このような構成に限られない。入出庫口EP1及びEP2は、走行方向において、荷棚2と重複する位置にそれぞれ位置していてもよい。即ち、入出庫口EP1及びEP2は、前後の荷棚2の何れかにそれぞれ設けられてもよい。この場合、入出庫口EP1及びEP2が設けられる荷棚2には、物品の受け渡しが可能な開口が形成されている。例えば、スタッカクレーン1Aは、入出庫口EP1が設けられている荷棚2の列の前にて停止する。また、入出庫口EP1及びEP2は、それぞれ異なる入出庫口としたが、このような構成に限られるものではない。入出庫口EP2は、入出庫口EP1と同一の入出庫口であってもよい。
【0018】
〔スタッカクレーン〕
次に、スタッカクレーン1Aの詳細な構成について図2図7を参照して説明する。図2は、図1に示すスタッカクレーン1Aを示す斜視図である。図2に示すように、スタッカクレーン1Aは、マスト10と、走行台車20と、昇降台30と、制御ボックス40と、ドライバボックス45と、を備えている。
【0019】
〔マスト〕
マスト10は、上下方向に延伸する柱状の部材である。スタッカクレーン1Aには、一対のマスト10が設けられている。なお、以下の説明において、図面の左側(ホーム位置HP1側)のマスト10については第1マスト10Aと称し、図面の右側(搬送位置CP1側)のマスト10については第2マスト10Bと称する。
【0020】
第1マスト10A及び第2マスト10Bは、左右方向において離間している。第1マスト10Aと第2マスト10Bとの間には後述する昇降台30が設けられている。第1マスト10A及び第2マスト10Bのそれぞれには、昇降ガイドレール11が設けられている。昇降ガイドレール11は昇降台30を上下方向に案内する。
【0021】
マスト10の上方には、上部フレーム12が設けられている。上部フレーム12は、第1マスト10Aの上方の端部と第2マスト10Bの上方の端部を接続するように設けられる。上部フレーム12は、走行ガイドレール3に沿うように設けられた上部レール(図示せず)と係合する。また、上部フレーム12にはガイドローラが設けられ、上部フレーム12のガイドローラによってマスト10の上部が上部レールに沿って案内される。即ち、上部レールにより、マスト10の上方の端部が走行方向D1に案内される。なお、スタッカクレーン1Aは、上部フレーム12を有していない構成としてもよい。
【0022】
一対のマスト10の下方には、昇降台30をマスト10に対して昇降させるための駆動部である昇降モータ13がそれぞれ設けられている。昇降モータ13は、マスト10の後側、即ちマスト10に対して走行レール4側に設けられている。
【0023】
昇降モータ13は、マスト10の下方に設けられた駆動ドラム(図示せず)を駆動する。昇降モータ13が正回転または逆回転することにより、駆動ドラムに巻回された昇降ベルト(図示せず)が駆動ドラムから進退する。一対のマスト10の上方には、昇降ベルトを係止するプーリが設けられている。昇降ベルトの一端には昇降台30が固定され、昇降ベルトの他端にはカウンターウェイトが固定されている。昇降台30は、昇降ベルトの進退により、昇降ガイドレール11に沿って上下方向に移動する。即ち、昇降台30は、昇降モータ13の駆動によりマスト10に対して昇降方向D2に昇降する。なお、昇降台30は、昇降ベルトに代えて、昇降ワイヤ、又は昇降チェーンにより、マスト10に対して昇降する構成としてもよい。
【0024】
〔走行台車〕
次に、図3及び図4を参照して、走行台車20の詳細な構成について説明する。図3は、図2に示すスタッカクレーン1Aが備える走行台車20の斜視図である。図4は、図2に示すスタッカクレーン1Aが備える走行台車20を上方から見た平面図である。図3及び図4に示すように、走行台車20は、台車フレーム21を有している。台車フレーム21は、第1サイドフレーム211と、第2サイドフレーム212と、第1接続フレーム213と、第2接続フレーム214と、により構成されている。本実施形態において、第1サイドフレーム211、第2サイドフレーム212、第1接続フレーム213、及び第2接続フレーム214は一体に形成されている。
【0025】
なお、台車フレーム21を構成する各フレーム211~214は、一体に形成されているものに限られず、それぞれ別部材であってもよい。この場合、第1接続フレーム213の左側の端部、及び第2接続フレーム214の左側の端部は、ボルト等にて第1接続フレーム213に対して固定される。また、第1接続フレーム213の右側の端部、及び第2接続フレーム214の右側の端部は、ボルト等にて第2接続フレーム214に対して固定される。各フレーム211~214を別部材とすることで、サイズの大きなスタッカクレーン1を分解した状態で納品することができる。そのため、納品時におけるスタッカクレーン1の搬送をコンパクトに行うことができる。
【0026】
図3に示すように、第1サイドフレーム211は、走行台車20の前方に位置するフレームであり、走行ガイドレール3及び走行レール4に沿う方向に延伸する。即ち、第1サイドフレーム211は、走行方向D1である左右方向を長手方向とするフレームである。第2サイドフレーム212は、走行台車20の後方に位置するフレームであり、走行ガイドレール3及び走行レール4に沿う方向に延伸する。即ち、第2サイドフレーム212は、左右方向を長手方向とするフレームである。図4に示すように、第2サイドフレーム212は、前後方向において第1サイドフレーム211と対向する。第2サイドフレーム212の左右方向における長さは、第1サイドフレーム211の左右方向における長さよりも短い。
【0027】
図3に示すように、第1接続フレーム213は、第1サイドフレーム211と第2サイドフレーム212とを接続するフレームであり、走行台車20に対して左側に位置する。より詳細には、第1接続フレーム213は、第1サイドフレーム211の左の端部側と、第2サイドフレーム212の左の端部とを接続する。第1接続フレーム213は、前後方向を長手方向とするフレームである。図4に示すように、第1接続フレーム213には、第1マスト10Aが立設されている。
【0028】
図3に示すように、第2接続フレーム214は、第1サイドフレーム211と第2サイドフレーム212とを接続するフレームであり、走行台車20に対して右側に位置する。より詳細には、第2接続フレーム214は、第1サイドフレーム211の右の端部側と、第2サイドフレーム212の右の端部とを接続する。第2接続フレーム214は、前後方向を長手方向とするフレームである。第2接続フレーム214は、左右方向において、第1接続フレーム213と対向する。図4に示すように、第2接続フレーム214には、第2マスト10Bが立設されている。
【0029】
図3に示すように、走行台車20は、走行ガイドレール3上及び走行レール4上を走行する複数の車輪を有している。より詳細には、走行台車20は、第1駆動輪22と、第2駆動輪23と、第1従動輪24と、第2従動輪25と、を有する。第1駆動輪22は第1車輪の一例であり、第2駆動輪23は第2車輪の一例である。
【0030】
第1駆動輪22及び第2駆動輪23は、第1サイドフレーム211に取り付けられ、走行ガイドレール3の上面を転動する。第1駆動輪22は、第2駆動輪23と左右方向に離間して配置されている。より詳細には、第1駆動輪22は、台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て第1サイドフレーム211の左の端部側に位置し、第2駆動輪23は中央位置CLから見て第1サイドフレーム211の右側の端部側に位置している。第1駆動輪22は、左右方向において、第1接続フレーム213よりも左側に位置する。第2駆動輪23は、左右方向において、第2接続フレーム214よりも右側に位置する。
【0031】
第1従動輪24及び第2従動輪25は、第2サイドフレーム212に取り付けられ、走行レール4の上面を転動する。第1従動輪24は、第2従動輪25と左右方向に離間して配置されている。より詳細には、第1従動輪24は台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て第2サイドフレーム212の左の端部側に位置し、第2従動輪25は中央位置CLから見て第2サイドフレーム212の右の端部側に位置する。第1従動輪24は、左右方向において、第1駆動輪22よりも右側に位置する。第2従動輪25は、左右方向において、第2駆動輪23よりも左側に位置する。
【0032】
台車フレーム21には、スタッカクレーン1Aを走行させるための駆動部である走行モータ26が設けられている。なお、以下の説明において、左側(ホーム位置HP1側)の走行モータ26については第1走行モータ26Aと称し、右側(搬送位置CP1側)の走行モータ26については第2走行モータ26Bと称する。第1走行モータ26Aは、第1サイドフレーム211の左の端部側に位置し、第1駆動輪22を駆動する。第2走行モータ26Bは、第1サイドフレーム211の右の端部側に位置し、第2駆動輪23を駆動する。
【0033】
走行台車20は、第1ガイドローラ対28と、第2ガイドローラ対29とを有する。第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29は、第1サイドフレーム211に取り付けられている。第2ガイドローラ対29は、左右方向に第1ガイドローラ対28とは離間して配置される。第1ガイドローラ対28は左右方向の左側に位置し、第2ガイドローラ対29は左右方向の右側に位置する。即ち、第1ガイドローラ対28は、左右方向において、第2ガイドローラ対29よりも第1駆動輪22側に位置する。また、第1ガイドローラ対28は、左右方向において、後述する第2距離センサ80Bよりも第1駆動輪22側に位置する。第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29は、左右方向にて第1駆動輪22と第2駆動輪23との間に位置する。
【0034】
第1駆動輪22と第2駆動輪23との間に第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29を位置させることにより、第1駆動輪22と第2駆動輪23との間の空いたスペースに第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29が設けられる。これにより、他の部材の制約を受けることなく第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29を走行台車20のフレームに対して設けることができる。
【0035】
図4に示すように、第1ガイドローラ対28は、台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て、第1サイドフレーム211の左側に位置し、第1接続フレーム213よりも右側に位置している。第1ガイドローラ対28は、一対の第1ガイドローラ281により構成される。一対の第1ガイドローラ281は、走行ガイドレール3を前後方向にて挟む。より詳細には、前方の第1ガイドローラ281は、走行ガイドレール3の前方の側面と当接し、走行ガイドレール3の前方の側面を転動する。後方の第1ガイドローラ281は、走行ガイドレール3の後方の側面と当接し、走行ガイドレール3の後方の側面を転動する。
【0036】
第2ガイドローラ対29は、台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て、第1サイドフレーム211の右側に位置し、第2接続フレーム214よりも左側に位置している。第2ガイドローラ対29は、一対の第2ガイドローラ291により構成される。一対の第2ガイドローラ291は、走行ガイドレール3を前後方向にて挟む。より詳細には、前方の第2ガイドローラ291は、走行ガイドレール3の前方の側面と当接し、走行ガイドレール3の前方の側面を転動する。後方の第2ガイドローラ291は、走行ガイドレール3の後方の側面と当接し、走行ガイドレール3の後方の側面を転動する。
【0037】
第1ガイドローラ対28の第1ガイドローラ281及び第2ガイドローラ対29の第2ガイドローラ291は、弾性を有するローラである。一例として、第1ガイドローラ281及び第2ガイドローラ291は、ウレタンである。走行台車20は、第1駆動輪22及び第2駆動輪23が駆動すると、第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29により走行ガイドレール3に沿う方向に案内される。これにより、スタッカクレーン1Aは、走行方向D1に沿って走行する。
【0038】
上記構成によれば、第1駆動輪22及び第2駆動輪23が走行する走行ガイドレール3を、第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29により挟み込む。そのため、第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29により、走行台車を走行方向D1に直進させやすくすることができる。これにより、走行台車の直進性能を向上させることができる。
【0039】
図3に示すように、走行台車20の第1サイドフレーム211には、複数の距離センサ80が取り付けられている。距離センサ80は、第1サイドフレーム211と走行ガイドレール3との間の水平距離を検出するセンサである。より詳細には、距離センサ80は、第1サイドフレーム211の前方の面と走行ガイドレール3の後方の側面との間の水平距離を検出する。本実施形態においては、距離センサ80は、第1サイドフレーム211と走行ガイドレール3との間の前後方向の距離を検出する。距離センサ80の一例としては、赤外線センサが挙げられる。
【0040】
以下の説明において、図面の左側(ホーム位置HP1側)の距離センサ80については第1距離センサ80Aと称し、図面の右側(搬送位置CP1側)の距離センサ80については第2距離センサ80Bと称する。第1距離センサ80Aは第1センサの一例であり、第2距離センサ80Bは第2センサの一例である。
【0041】
図4に示すように、第1距離センサ80A及び第2距離センサ80Bは、左右方向にて第1駆動輪22と第2駆動輪23との間に位置する。より詳細には、第1距離センサ80A及び第2距離センサ80Bは、左右方向にて第1ガイドローラ対28と第2ガイドローラ対29との間に位置する。第1駆動輪22と第2駆動輪23との間に第1距離センサ80A及び第2距離センサ80Bを位置させることにより、第1駆動輪22と第2駆動輪23との間の空いたスペースに第1距離センサ80A及び第2距離センサ80Bが取り付けられる。これにより、他の部材の制約を受けることなく第1距離センサ80A及び第2距離センサ80Bを走行台車20のフレームに対して取り付けることができる。
【0042】
なお、第1距離センサ80Aは、左右方向において、第1駆動輪22と第1ガイドローラ対28との間に位置していてもよい。また、第2距離センサ80Bは、左右方向において、第2駆動輪23と第2ガイドローラ対29との間に位置していてもよい。
【0043】
第1距離センサ80Aは、左右方向に第2距離センサ80Bとは離間して配置される。第1距離センサ80Aは左右方向の左側に位置し、第2距離センサ80Bは左右方向の右側に位置する。即ち、第1距離センサ80Aは、左右方向において、第2距離センサ80Bよりも第1駆動輪22側に位置する。また、第1距離センサ80Aは、左右方向において、第2ガイドローラ対29よりも第1駆動輪22側に位置する。第1距離センサ80A及び第2距離センサ80Bは、台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て左右方向の互いに反対側に取り付けられている。第1距離センサ80Aは第1サイドフレーム211の左右方向の中央位置CLから見て左側であり、第2距離センサ80Bは第1サイドフレーム211の左右方向の中央位置CLから見て右側である。
【0044】
上記構成によれば、左右方向の中央位置CLから一方側に位置する第1距離センサ80Aと、左右方向の中央位置CLから他方側に位置する第2距離センサ80Bとの間の間隔を広くすることができる。これにより、ガイドレールに対する走行台車の傾きをより正確に検出することができる。
【0045】
第1距離センサ80Aは、第2距離センサ80Bよりも第1駆動輪22に近い位置に取り付けられている。第1距離センサ80Aは、第1ガイドローラ対28の近傍に配置される。具体的には、左右方向における第1距離センサ80Aと第1ガイドローラ対28との間の距離L1は、左右方向における第1距離センサ80Aと第1駆動輪22との間の距離L2よりも短い。より詳細には、距離L1は、左右方向における第1距離センサ80Aと第1ガイドローラ対28の第1ガイドローラ281の回転軸の中心との間の距離である。また、距離L2は、左右方向における第1距離センサ80Aと第1駆動輪22の回転軸の中心との間の距離である。
【0046】
また、第2距離センサ80Bは、第2ガイドローラ対29の近傍に配置される。具体的には、左右方向における第2距離センサ80Bと第2ガイドローラ対29との間の距離L3は、左右方向における第2距離センサ80Bと第2駆動輪23との間の距離L4よりも短い。より詳細には、距離L3は、左右方向における第2距離センサ80Bと第2ガイドローラ対29の第2ガイドローラ291の回転軸の中心との間の距離である。距離L4は、左右方向における第2距離センサ80Bと第2駆動輪23の回転軸の中心との間の距離である。
【0047】
図3及び図4に示すように、走行台車20の第2サイドフレーム212には、バーコードリーダ81が取り付けられている。バーコードリーダ81は、走行レール4の前方の側面に付されたバーコード83を読み取る装置である。バーコードリーダ81は、上面視にて走行ガイドレール3と走行レール4との間に配置されている。即ち、バーコードリーダ81は、前後方向にて、走行ガイドレール3と走行レール4との間に位置するように走行台車20に取り付けられている。バーコードリーダ81は、走行レール4の前方の側面と対向している。
【0048】
ここで、図7を参照して、バーコードリーダ81及びバーコード83について説明する。図7は、バーコードリーダ81及び走行レール4の側面に付されたバーコード83について説明する模式図である。図7に示すように、走行レール4の側面にはバーコード83が付されている。より詳細には、バーコード83は、走行レール4の前方の側面に付されている。バーコード83には、走行レール4の長手方向における位置についての情報である位置情報が含まれている。バーコード83に含まれる位置情報は、走行方向におけるスタッカクレーン1Aの位置に相当する情報である。スタッカクレーン1Aは、走行レール4のバーコード83から読み取った位置情報に基づいて、ホーム位置HP1又は搬送位置CP1に移動する。
【0049】
図4に示すように、第1サイドフレーム211には、緊急停止センサ82が取り付けられている。緊急停止センサ82は、スタッカクレーン1Aが停止予定のホーム位置HP1又は搬送位置CP1を超えて走行した場合に、スタッカクレーン1Aの走行を停止するためのセンサである。
【0050】
ケーブル90は、スタッカクレーン1Aに動力を供給するケーブルである。ケーブル90により、スタッカクレーン1Aが備える各駆動部に対して電力の供給が可能となる。ケーブル90は、ケーブルベア(登録商標)により保持され、スタッカクレーン1Aの走行に従動する。ケーブル90は、走行方向D1に対して上面視で直交する方向にて、走行レール4を中心として区画された2つの領域のうち、走行ガイドレール3が位置する領域とは反対の領域から走行台車20に接続されている。即ち、ケーブル90は、前後方向にて、走行レール4を中心として、走行レール4の後方から走行台車20に接続されている。
【0051】
〔昇降台〕
図5及び図6を参照して、昇降台30の詳細な構成について説明する。図5は、図2に示すスタッカクレーン1Aが備える昇降台30を上方から見た平面図である。図6は、図2に示すスタッカクレーン1Aが備える昇降台30を右側方から見た断面図である。
【0052】
昇降台30は、物品Mを載置可能であり(図6参照)、マスト10に対して昇降可能に設けられている。図5に示すように、昇降台30は、昇降台フレーム31と、フォーク部60と、旋回部70と、ケーブルボックス37と、を有している。フォーク部60及び旋回部70は昇降台フレーム31に搭載されている。
【0053】
昇降台フレーム31には、昇降ベルトの進退に伴い、昇降台30を昇降方向D2に案内するガイド部32が設けられている。ガイド部32は、固定部33と、ガイドシュー35とを有する。固定部33には、固定部33に形成された開口34から挿入された昇降ベルトの一端が固定される。昇降ベルトの進退により、固定部33が上方に牽引され、又は固定部33が下方に下降する。ガイドシュー35は、マスト10の昇降ガイドレール11と係合し、昇降ガイドレール11に対して摺動する。
【0054】
フォーク部60は、荷棚2と昇降台30との間にて物品Mの出し入れを行う。フォーク部60は、後述する旋回部70の旋回フレーム71に設けられている。フォーク部60は、フォーク61と、アーム部62と、ギヤボックス65と、フォークモータユニット66と、を有している。フォーク61は、物品Mを載置可能な載置面611(図6参照)を有する。フォーク61の上面が載置面611である。フォーク61はギヤボックス65に取り付けられている。
【0055】
アーム部62は、左右に一対設けられている。アーム部62の前後方向の移動に伴い、フォーク61が昇降台30に対して進退方向D4(図6参照)に移動する。アーム部62は、第1アーム63と、第2アーム64とを有する。第1アーム63の長手方向における一端631側は、ギヤボックス65を介してフォーク61と接続されている。第1アーム63は、回動軸A1を中心にギヤボックス65に対して回動する。
【0056】
第1アーム63の長手方向における他端632側には、第2アーム64が接続されている。換言すれば、第2アーム64の長手方向における一端641側には第1アーム63が設けられている。第1アーム63は、回動軸A2を中心に第2アーム64に対して回動する。
【0057】
第2アーム64の長手方向における他端642側にはフォークモータユニット66が有するフォークモータ67(図6参照)が接続される。フォークモータユニット66は、フォーク61を進退方向D4に移動させるための駆動部である。第2アーム64は、フォークモータ67の駆動力が伝達されることにより、回動軸A3を中心に昇降台30に対して回動する。
【0058】
フォークモータユニット66は、複数設けられている。フォークモータユニット66は、フォークモータ67と、エンコーダ(図示せず)とを有する。フォークモータ67が正回転または逆回転することにより一対の第2アーム64がそれぞれ回動軸A3を中心に回動する。各第2アーム64が回動軸A3を中心に回動すると、各第2アーム64の一端641が前方向または後方向に移動する。各第2アーム64の一端641の前後方向の移動に伴い、一対の第1アーム63がそれぞれ前後方向に移動する。このとき、各第1アーム63の他端632はそれぞれ第2アーム64に対して回動し、各第1アーム63の一端631はギヤボックス65に対して回動する。各第1アーム63の一端631の前後方向の移動に伴い、フォーク61はギヤボックス65と共に前後方向に移動する。本実施形態において、フォーク部60のフォーク61の進退方向D4は前後方向である。
【0059】
旋回部70は、昇降台30に対して回転することによりフォーク部60を旋回させる。旋回部70は、旋回フレーム71と、旋回モータユニット75とを有する。
【0060】
旋回フレーム71は、円盤状の部材であり、フォーク部60が設けられている。図6に示すように、旋回フレーム71は、旋回モータユニット75の旋回モータ76の回転軸A4と接続する。旋回モータユニット75は、旋回フレーム71を回転させる駆動部である。旋回モータユニット75は、旋回モータ76と、図示していないエンコーダとを有する。旋回モータ76から旋回フレーム71に対して駆動力が付与されると、旋回フレーム71は回転軸A4を中心に回転する。旋回フレーム71が昇降台30に対して回転すると、フォーク部60が昇降台30に対して旋回方向D3に旋回する。
【0061】
図5に示すフォーク部60の位置は、スタッカクレーン1Aの前方の荷棚2に対して物品Mの出し入れを可能とする位置である。旋回部70の旋回フレーム71が、図5に示された位置から180°回転すると、フォーク部60も旋回フレーム71の回転と共に旋回する。フォーク部60が図5に示す位置から180°旋回すると、フォーク部60によりスタッカクレーン1Aの後方の荷棚2に対して物品Mの出し入れが可能となる。
【0062】
ケーブルボックス37は、昇降台30に搭載されるセンサ等の各種装置と、昇降台30の外部に配置される装置とを接続するためのケーブルが集約されるボックスである。ケーブルボックス37は、昇降台30に対して左側(ホーム位置HP1側)に配置されている。ケーブルボックス37には、昇降台30に搭載されるフォークモータユニット66及び旋回モータユニット75に対して信号の通信を行うケーブルが集約される。ケーブルボックス37には昇降ケーブルが接続されるコネクタが設置されるコネクタプレートが配置されている。ケーブルボックス37のコネクタは、ドライバボックス45のコネクタプレートに設置されるコネクタと昇降ケーブルにより接続されている。
【0063】
〔制御ボックス〕
第1マスト10Aには、制御ボックス40が取り付けられている。制御ボックス40は、前後方向において、第1マスト10Aの後側に取り付けられている。制御ボックス40は、スタッカクレーン1Aの全体における電子的な制御を行う制御装置41が格納される筐体である。制御装置41は、制御部の一例である。
【0064】
図8を参照して、スタッカクレーン1Aの電位的構成について説明する。図8は、図2に示すスタッカクレーン1Aの電気的構成を示すブロック図である。図8に示すように、制御装置41は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、及びRAM若しくはROM等のメモリ、及び通信インターフェースを備えたコンピュータにより構成される。制御装置41のプロセッサは、メモリに格納された種々のプログラムを実行することで、種々の制御及び種々の演算を実行する。制御装置41のプロセッサは、スタッカクレーン1Aの走行制御、昇降台30の昇降制御、フォーク部60の進退制御、及び旋回部70の旋回制御を、主に実行する。
【0065】
制御装置41は、昇降モータ13に供給される動力の制御を行う昇降ドライバ46、走行モータ26に供給される動力の制御を行う走行ドライバ47、フォークモータ67に供給される動力の制御を行うフォークドライバ48、及び旋回モータ76に供給される動力の制御を行う旋回ドライバ49と、情報通信可能に接続されている。
【0066】
制御装置41は、各ドライバ46~49を制御する。具体的には、制御装置41は、各ドライバ46~49に対して指令信号を送信し、各ドライバ46~49の動作を制御する。より詳細には、制御装置41は、各ドライバ46~49に対して位置指令を送信する。各ドライバ46~49は、制御装置41からの指令信号に基づいて各モータ13、26、67、76に供給する電力を出力する。
【0067】
また、制御装置41は、距離センサ80、バーコードリーダ81、及び緊急停止センサ82と電気的に接続されている。制御装置41は、距離センサ80から取得した信号に基づいて、走行ガイドレール3と走行台車20との間の距離を算出する。制御装置41は、バーコードリーダ81が読み取った位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて走行ドライバ47を制御する。制御装置41は、緊急停止センサ82から取得した信号に基づいて、走行ドライバ47を制御する。
【0068】
〔ドライバボックス〕
図2に示すように、第1マスト10Aには、ドライバボックス45が取り付けられている。ドライバボックス45は、前後方向において、第1マスト10Aの前側に取り付けられている。ドライバボックス45には、昇降ドライバ46と、走行ドライバ47と、フォークドライバ48と、旋回ドライバ49と、が格納されている。各ドライバ46~49は、1つのドライバボックス45内に集約されている。フォークドライバ48及び旋回ドライバ49は、昇降台30の外部に配置されている。フォークドライバ48及び旋回ドライバ49とは、図示していない昇降ケーブルにより、昇降台30のケーブルボックス37と接続する。
【0069】
図8に示すように、昇降ドライバ46は、昇降モータ13と電気的に接続している。昇降ドライバ46は、制御装置41からの指令信号に基づき、昇降モータ13に供給される電流量を制御する。昇降ドライバ46は、図示していないエンコーダ(外部エンコーダもしくは昇降モータエンコーダ)からフィードバックされた情報に基づいて、昇降モータ13に供給される電流量を制御する。昇降ドライバ46は、昇降モータ13に電流を供給する駆動回路を含む。
【0070】
走行ドライバ47は、走行モータ26と電気的に接続している。走行ドライバ47は、制御装置41からの指令信号に基づき、走行モータ26に供給される電流量を制御する。走行ドライバ47は、図示していないエンコーダ(外部エンコーダもしくは走行モータエンコーダ)からフィードバックされた情報に基づいて、走行モータ26に供給される電流量を制御する。走行ドライバ47は、走行モータ26に電流を供給する駆動回路を含む。
【0071】
フォークドライバ48は、フォークモータユニット66のフォークモータ67と電気的に接続している。フォークドライバ48は、制御装置41からの指令信号に基づき、フォークモータ67に供給される電流量を制御する。フォークドライバ48は、フォークモータユニット66が有する図示していないエンコーダからフィードバックされた情報に基づいて、フォークモータ67に供給される電流量を制御する。フォークドライバ48は、フォークモータ67に電流を供給する駆動回路を含む。
【0072】
旋回ドライバ49は、旋回モータユニット75の旋回モータ76と電気的に接続している。旋回ドライバ49は、制御装置41からの指令信号に基づき、旋回モータ76に供給される電流量の制御を行う。また、旋回ドライバ49は、旋回モータユニット75が有する図示していないエンコーダ77からフィードバックされた情報に基づいて、旋回モータ76に供給される電流量を制御する。旋回ドライバ49は、旋回モータ76に電流を供給する駆動回路を含む。
【0073】
なお、物品搬送設備100において、スタッカクレーン1Bの構成は、一部の構成を除き、スタッカクレーン1Aの構成と同様である。スタッカクレーン1Aの構成とは異なるスタッカクレーン1Bの一部の構成について、説明する。以下の説明において、スタッカクレーン1Bの走行台車20が有する車輪を、それぞれ第1駆動輪1B22、第2駆動輪1B23、第1従動輪1B24、及び第2従動輪1B25と称する。また、スタッカクレーン1Bの台車フレーム21を構成するフレームのうち第1サイドフレームについては第1サイドフレーム1B211と称し、台車フレーム21を構成するフレームのうち第2サイドフレームについては第2サイドフレーム1B212と称する。スタッカクレーン1Bの各車輪1B22~1B25、及び台車フレーム21の第1サイドフレーム1B211並びに第2サイドフレーム1B212の構成が、スタッカクレーン1Aの各車輪22~25及び台車フレーム21の第1サイドフレーム211並びに第2サイドフレーム212の構成とは異なっている。
【0074】
スタッカクレーン1Bの走行台車20が有する第1駆動輪1B22及び第2駆動輪1B23が転動するレールは、スタッカクレーン1Aの走行台車20が有する第1駆動輪22及び第2駆動輪23が転動するレールとは異なるレールである。即ち、スタッカクレーン1Aの第1駆動輪22及び第2駆動輪23は走行ガイドレール3の上面を転動し、スタッカクレーン1Bの第1駆動輪1B22及び第2駆動輪1B23は走行レール4の上面を転動する。
【0075】
第1駆動輪1B22及び第2駆動輪1B23は、走行台車20の第2サイドフレーム1B212に取り付けられる。また、スタッカクレーン1Bの第1従動輪1B24及び第2従動輪1B25は、第1サイドフレーム1B211に取り付けられる。駆動輪が取り付けられる第2サイドフレーム1B212の左右方向における長さは、従動輪が取りつけられる第1サイドフレーム1B211の左右方向における長さよりも長い。スタッカクレーン1Bの第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29は、スタッカクレーン1Aの第1ガイドローラ対28及び第2ガイドローラ対29と同様に、第1サイドフレーム211に取り付けられる。
【0076】
なお、スタッカクレーン1Bのケーブル90は、スタッカクレーン1Aと同様に、前後方向にて、走行レール4を中心として、走行レール4の後方からスタッカクレーン1Bの走行台車20に接続されている。しかし、このような構成に限られるものではない。スタッカクレーン1Bのケーブル90は、前後方向にて、走行ガイドレール3を中心として、走行ガイドレール3の前方からスタッカクレーン1Bの走行台車20に接続されていてもよい。
【0077】
〔制御装置による検知〕
制御装置41は、第1距離センサ80Aが検出した水平距離に基づいて、第1ガイドローラ対28の第1ガイドローラ281が摩耗したことを検知する。また、制御装置41は、第2距離センサ80Bが検出した水平距離に基づいて、第2ガイドローラ対29の第2ガイドローラ291が摩耗したことを検知する。
【0078】
制御装置41によるガイドローラの摩耗の検知について、第1ガイドローラ対28の第1ガイドローラ281が摩耗した場合を例に説明する。なお、制御装置41による第2ガイドローラ対29の第2ガイドローラ291の摩耗検知については、制御装置41による第1ガイドローラ対28の第1ガイドローラ281の摩耗検知と同様に行われる。
【0079】
一対の第1ガイドローラ281のうちの何れかが摩耗すると、走行ガイドレール3に対する走行台車20の前後方向のガタつきが大きくなる。即ち、第1サイドフレーム211と走行ガイドレール3との間の距離の変動が大きくなる。例えば、前方の第1ガイドローラ281が摩耗した場合、第1距離センサ80Aが検出する第1サイドフレーム211と走行ガイドレール3との間の距離が長くなる場合が有る。また、後方の第1ガイドローラ281が摩耗した場合、第1距離センサ80Aが検出する第1サイドフレーム211と走行ガイドレール3との間の距離が短くなる場合が有る。制御装置41は、第1距離センサ80Aが検出した水平距離の変動から、一対の第1ガイドローラ281のうちの何れかが摩耗したことを検知する。
【0080】
第1距離センサ80Aは第1ガイドローラ対28の近傍に設けられ、第2距離センサ80Bは第2ガイドローラ対29の近傍に設けられている。これにより、第1ガイドローラ対28の第1ガイドローラが摩耗したこと、及び/又は第2ガイドローラ対29の第2ガイドローラが摩耗したことを検知することができる。
【0081】
また、制御装置41は、第1距離センサ80Aが検出した水平距離と、第2距離センサ80Bが検出した水平距離とに基づいて走行台車20の傾きを検知する。具体的には、制御装置41は、第1距離センサ80Aが検出した水平距離と、第2距離センサ80Bが検出した水平距離とに基づいて、走行停止時における走行台車20の走行ガイドレール3に対する前後方向の傾きを検知する。
【0082】
図9を参照して、停止した走行台車20が走行ガイドレール3に対して傾いている場合の制御装置41による制御について説明する。図9は、スタッカクレーン1Aの停止時における、走行ガイドレール3に対する走行台車20、昇降台30、及びフォーク部60の傾きを説明する模式図である。
【0083】
第1ガイドローラ281及び第2ガイドローラ291は、弾性を有する部材であるため、前後方向にかかる荷重により歪む。第1ガイドローラ281及び/又は第2ガイドローラ291が歪むと、走行台車20は走行ガイドレール3に対して前後方向に斜めに傾いた状態となる。図8に示すように、スタッカクレーン1Aが走行停止したとき、走行台車20は走行ガイドレール3に対して前後方向に斜めに傾いた状態となる場合がある。走行台車20が走行ガイドレール3に対して前後方向に傾くと、走行台車20の傾きに応じて昇降台30も走行ガイドレール3に対して前後方向に斜めに傾く。
【0084】
制御装置41は、第1距離センサ80Aが検出した水平距離と、第2距離センサ80Bが検出した水平距離とに基づいて、走行ガイドレール3に対する走行台車20の傾きを算出し、走行台車20の傾きを検知する。制御装置41は、検知された走行台車の傾きに応じて旋回部70を制御する。具体的には、制御装置41は、旋回モータ76を駆動し、走行ガイドレール3に対する走行台車20の前後方向における傾きの方向とは反対方向に旋回フレーム71を回転させる。例えば、矢印Aにて示す方向に走行台車20が傾いた場合、制御装置41は、旋回フレーム71を矢印Bの方向に回転させることにより、フォーク部60のフォーク61を荷棚2に対して垂直に進退させることができる。
【0085】
上記構成によれば、第1距離センサ80A及び第2距離センサ80Bにより、走行ガイドレール3に対する走行台車20の傾きを検出することができる。これにより、第1ガイドローラ及び/又は第2ガイドローラが歪むことにより、走行ガイドレール3に対する走行台車の傾きを正確に検知することができる。
【0086】
また、上記構成によれば、走行台車の傾きに応じて旋回部の駆動が制御される。そのため、走行台車の傾きによりフォーク部が荷棚に対して傾いた状態で物品の出し入れが行われることがない。これにより、荷棚に対する物品の出し入れを正確に行うことができる。
【0087】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図10及び図11を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。実施形態2に係るスタッカクレーン1Aの走行台車20Aは、実施形態1に係るスタッカクレーン1Aの走行台車20と比較して、第1駆動輪22Aが走行レール4上を走行している点で異なる。
【0088】
図10は、実施形態2に係る物品搬送設備100Aが備えるスタッカクレーン1Aを上方から見た平面図である。図11は、図10に示す中央位置CL、及びA‐A線で切った断面図である。図11の符号200には、図10の中央位置CLで切った断面図が示されている。図11の符号201には、図10に示すA‐A線で切った断面図が示されている。
【0089】
図10に示すように、スタッカクレーン1Aの第1駆動輪22Aは、第2サイドフレーム212Aに取り付けられ、走行レール4の上面を転動する。第1駆動輪22Aは、台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て第2サイドフレーム212Aの左の端部側に位置している。第1駆動輪22Aは、左右方向において、第1接続フレーム213よりも左側に位置する。スタッカクレーン1Aの第1走行モータ26Aは、第2サイドフレーム212Aに設けられている。より詳細には、第1走行モータ26Aは、台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て第2サイドフレーム212Aの左の端部側に位置する。
【0090】
スタッカクレーン1Aの第1従動輪24Aは、第1サイドフレーム211Aに取り付けられ、走行ガイドレール3の上面を転動する。第1従動輪24Aは、第1サイドフレーム211Aの左の端部側に位置する。第1従動輪24Aは、左右方向において、第1駆動輪22Aよりも右側に位置する。
【0091】
なお、第1駆動輪22A及び第1走行モータ26Aは、台車フレーム21の左右方向の中央位置CLから見て第2サイドフレーム212Aの右側に位置していてもよい。即ち、第1駆動輪22A及び第2駆動輪23は、左右方向に離間せず、左右方向の左側又は右側に同じ位置に位置していてもよい。
【0092】
第1距離センサ80Aは、第2距離センサ80Bよりも第1従動輪24Aに近い位置に取り付けられている。左右方向における第1距離センサ80Aと第1ガイドローラ対28との間の距離L1は、左右方向における第1距離センサ80Aと第1従動輪24Aとの間の距離L5よりも短い。より詳細には、距離L5は、左右方向における第1距離センサ80Aと第1従動輪24Aの回転軸の中心との間の距離である。
【0093】
また、走行台車20Aの第1サイドフレーム211Aには、バーコードリーダ81Aが取り付けられている。バーコードリーダ81Aは、走行ガイドレール3Aの前方の側面に付されたバーコード83Aを読み取る。バーコード83Aには、走行ガイドレール3Aの長手方向における位置についての情報である位置情報が含まれている。本実施形態のスタッカクレーン1Aは、走行ガイドレール3Aのバーコード83Aから読み取った位置情報に基づいて、各搬送位置CP1に移動する。なお、バーコードリーダ81Aの代わりに、走行ガイドレール3Aの側面に付されたスケールを読み取るリーダが取り付けられてもよい。
【0094】
また、本実施形態2に係る物品搬送設備100Aが備えるスタッカクレーン1Aには、非接触により動力が供給される。図11の符号200に示すように、物品搬送設備100Aは、誘導線95を備えている。誘導線95は、走行レール4に並列に配置されている。誘導線95は、給電部の一例である。誘導線95には、図示していない電源盤から電力が供給される。
【0095】
スタッカクレーン1Aの走行台車20Aには、ピックアップコイル96が取り付けられている。ピックアップコイル96は、受電部の一例である。ピックアップコイル96は、誘導線95と間隔を空けて対向するように配置されている。ピックアップコイル96は、誘導線95から発生する磁界から電力を受電する。
【0096】
図11の符号201に示すように、走行レール4には、金属性のアースレール5が設けられている。より詳細には、アースレール5は、走行レール4の前側の側面の下側の端部から前方に向かって延出している。走行台車20Aの第2サイドフレーム212Aには、アースローラ55が取り付けられている。アースローラ55は、導電性を有する部材により構成されている。アースローラ55は、アースレール5の上面を転動する。アースローラ55は、アースとしての機能を有し、走行台車20Aの車輪とは別に付加的に取り付けられるローラである。
【0097】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る物品搬送装置は、第1車輪と、ガイドレールに沿う方向である走行方向に前記第1車輪とは離間して配置される第2車輪と、前記走行方向と交差する方向にて前記ガイドレールを挟む一対の第1ガイドローラを有する第1ガイドローラ対と、前記走行方向と交差する方向にて前記ガイドレールを挟む一対の第2ガイドローラを有し、前記走行方向に前記第1ガイドローラ対とは離間して配置される第2ガイドローラ対と、前記走行方向を長手方向とするフレームであって、前記第1ガイドローラ及び前記第2ガイドローラが取り付けられるフレームと、前記フレームと前記ガイドレールとの間の水平距離を検出する第1センサと、前記走行方向に前記第1センサとは離間して配置される、前記フレームと前記ガイドレールとの間の水平距離を検出する第2センサと、を有する走行台車と、を備え、前記第1センサ及び前記第2センサは、前記フレームに対して取り付けられ、前記第1ガイドローラ対は、前記走行方向において、前記第2ガイドローラ対及び前記第2センサよりも前記第1車輪側に位置しており、前記第1センサは、前記走行方向において、前記第2ガイドローラ対及び前記第2センサよりも前記第1車輪側に位置しており、前記走行方向における前記第1センサと前記第1ガイドローラ対との間の距離は、前記走行方向における前記第1センサと前記第1車輪との間の距離よりも短く、前記走行方向における前記第2センサと前記第2ガイドローラ対との間の距離は、前記走行方向における前記第2センサと前記第2車輪との間の距離よりも短い。
【0098】
態様1の物品搬送装置によれば、第1センサは第1ガイドローラ対の近傍に設けられ、第2センサは第2ガイドローラ対の近傍に設けられる。これにより、第1ガイドローラ対の第1ガイドローラが摩耗したこと、及び/又は第2ガイドローラ対の第2ガイドローラが摩耗したことを検知することができる。
【0099】
本発明の態様2に係る物品搬送装置は、上記態様1において、前記第1ガイドローラ対及び前記第2ガイドローラ対は、前記走行方向にて前記第1車輪と前記第2車輪との間に位置する構成としてもよい。態様2の物品搬送装置によれば、第1車輪と第2車輪との間の空いたスペースに第1ガイドローラ対及び第2ガイドローラ対が設けられる。これにより、他の部材の制約を受けることなく第1ガイドローラ対及び第2ガイドローラ対を走行台車のフレームに対して設けることができる。
【0100】
本発明の態様3に係る物品搬送装置は、上記態様1または2において、前記第1センサ及び前記第2センサは、前記走行方向にて前記第1車輪と前記第2車輪との間に位置する。態様3の物品搬送装置によれば、第1車輪と第2車輪との間の空いたスペースに第1センサ及び第2センサが取り付けられる構成としてもよい。これにより、他の部材の制約を受けることなく第1センサ及び第2センサを走行台車のフレームに対して取り付けることができる。
【0101】
本発明の態様4に係る物品搬送装置は、上記態様1~3のいずれかにおいて、前記第1車輪及び前記第2車輪は、駆動源からの動力により駆動する駆動輪である。態様4の物品搬送装置によれば、駆動輪である第1車輪及び第2車輪が走行するガイドレールを、第1ガイドローラ対及び第2ガイドローラ対により挟み込む。そのため、第1ガイドローラ対及び第2ガイドローラ対により、走行台車を走行方向に直進させやすくすることができる。これにより、走行台車の直進性能を向上させることができる。
【0102】
本発明の態様5に係る物品搬送装置は、上記態様1~4のいずれかにおいて、前記第1センサが検出した水平距離と、前記第2センサが検出した水平距離とに基づいて前記走行台車の傾きを検知する制御部を更に備える。態様5の物品搬送装置によれば、第1センサ及び第2センサにより、ガイドレールに対する走行台車の傾きを検出することができる。これにより、第1ガイドローラ及び/又は第2ガイドローラが歪むことにより、ガイドレールに対する走行台車の傾きを正確に検知することができる。
【0103】
本発明の態様6に係る物品搬送装置では、上記態様1~5のいずれかにおいて、前記第1センサ及び前記第2センサは、前記フレームの前記走行方向の中央位置から見て前記走行方向の互いに反対側に取り付けられている。態様6の物品搬送装置によれば、フレームの走行方向の中央位置から一方側に位置する第1センサと、フレームの走行方向の中央位置から他方側に位置する第2センサとの間の間隔を広くすることができる。これにより、ガイドレールに対する走行台車の傾きをより正確に検出することができる。
【0104】
本発明の態様7に係る物品搬送装置は、上記態様5または6において、、前記走行台車に立設されるマストと、前記マストに対して昇降可能に設けられる昇降台と、前記昇降台に搭載され、進退方向に移動することで荷棚と前記昇降台との間にて物品の出し入れを行うフォーク部と、前記フォーク部を旋回させる旋回部と、を更に備え、前記制御部は、前記第1センサ及び第2センサの検出結果により検知された走行台車の傾きに応じて、旋回部の駆動を制御する。
【0105】
態様7の物品搬送装置によれば、走行台車の傾きに応じて旋回部の駆動が制御される。そのため、走行台車の傾きによりフォーク部が荷棚に対して傾いた状態で物品の出し入れが行われることがない。これにより、荷棚に対する物品の出し入れを正確に行うことができる。
【0106】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1 スタッカクレーン
3 走行ガイドレール
4 走行レール
10 マスト
20 走行台車
21 台車フレーム
22 第1駆動輪
23 第2駆動輪
28 第1ガイドローラ対
29 第2ガイドローラ対
41 制御装置
80 距離センサ
81 バーコードリーダ
100 物品搬送設備
281 第1ガイドローラ
291 第2ガイドローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11