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特開2024-176467ゲームプログラム、情報処理装置及び方法
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  • 特開-ゲームプログラム、情報処理装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176467
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20241212BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20241212BHJP
   A63F 13/577 20140101ALI20241212BHJP
   A63F 13/44 20140101ALI20241212BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/45
A63F13/577
A63F13/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095015
(22)【出願日】2023-06-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.2022年6月8日付で任天堂株式会社が、ウェブ上のMy Nintendo Storeにおいてゲームの体験版を配布することにより公開。 2.https://store-jp.nintendo.com/list/software/HAC_P_A3JMA_JPN.html 2022年6月24日付で任天堂株式会社が、ゲームの製品版を販売することにより公開。
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】赤間 勇哉
(72)【発明者】
【氏名】岡島 秀親
(57)【要約】
【課題】キャラクタにアクションを実行させるゲームを制御する技術を改善する。
【解決手段】ゲームプログラムは、情報処理装置に、ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、前記第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始するステップと、前記モーションの再生中に所定の条件が満たされると、前記所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行するステップと、を実行させ、前記情報処理装置は、前記再生速度の倍率が1倍を上回る場合、前記モーションを短縮して再生し、前記モーションの再生中、前記モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された前記第1期間内に前記所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、
ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、前記第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始するステップと、
前記モーションの再生中に所定の条件が満たされると、前記所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行するステップと、
を実行させるゲームプログラムであって、
前記情報処理装置は、
前記再生速度の倍率が1倍を上回る場合、前記モーションを短縮して再生し、
前記モーションの再生中、前記モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された前記第1期間内に前記所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記モーションの再生中、前記予め定められたフレームを始期とする第2期間であって、前記第1期間を除く前記第2期間内に前記所定の条件が満たされると、第2ゲーム演出を実行する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記所定の条件は、プレイヤによる操作を受け付けることであり、
前記第2期間は、時間長さが固定された期間である、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記所定の条件は、プレイヤによる操作を受け付けることであり、
前記情報処理装置に、前記モーションの再生中、前記第1期間の始期から所定の時間を遡った時点から、前記第1期間の始期までの第3期間に、前記第1期間の始期を示唆する補助演出を表示させるステップを更に実行させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記モーションの再生中、前記予め定められたフレームよりも前に前記操作を受け付けると、前記第1期間内に前記操作を再度受け付けた場合であっても前記第1ゲーム演出を実行しない、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記所定の条件は、第2キャラクタの攻撃判定が前記第1キャラクタの当たり判定に重なることである、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第2期間は時間長さが固定された期間である、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、前記第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始し、
前記モーションの再生中に所定の条件が満たされると、前記所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行する制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記再生速度の倍率が1倍を上回る場合、前記モーションを短縮して再生し、
前記モーションの再生中、前記モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された前記第1期間内に前記所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する、情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する方法であって、
ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、前記第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始するステップと、
前記モーションの再生中に所定の条件が満たされると、前記所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行するステップと、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記再生速度の倍率が1倍を上回る場合、前記モーションを短縮して再生し、
前記モーションの再生中、前記モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された前記第1期間内に前記所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャラクタにアクションを実行させるゲームを制御する技術が知られている。また、キャラクタにアクションを実行させている最中に、プレイヤによる所定操作を受け付けるタイミングによって、ジャストアタック、ジャストガード、ジャスト回避等と呼ばれるジャストアクション系の特別なゲーム演出を実行する技術が知られている。例えば、特許文献1には、プレイヤによる所定操作が行われたことを検出すると、ジャスト回避攻撃と名付けられたアクションをキャラクタに実行させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-136675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャラクタにアクションを実行させるゲームを制御する技術には改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、キャラクタにアクションを実行させるゲームを制御する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るゲームプログラムは、
情報処理装置に、
ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、前記第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始するステップと、
前記モーションの再生中に所定の条件が満たされると、前記所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行するステップと、
を実行させるゲームプログラムであって、
前記情報処理装置は、
前記再生速度の倍率が1倍を上回る場合、前記モーションを短縮して再生し、
前記モーションの再生中、前記モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された前記第1期間内に前記所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、前記第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始し、
前記モーションの再生中に所定の条件が満たされると、前記所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記再生速度の倍率が1倍を上回る場合、前記モーションを短縮して再生し、
前記モーションの再生中、前記モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された前記第1期間内に前記所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する、情報処理装置。
【0008】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、前記第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始するステップと、
前記モーションの再生中に所定の条件が満たされると、前記所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行するステップと、
を含み、
前記情報処理装置は、
前記再生速度の倍率が1倍を上回る場合、前記モーションを短縮して再生し、
前記モーションの再生中、前記モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された前記第1期間内に前記所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、キャラクタにアクションを実行させるゲームを制御する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図3】本開示の一実施形態におけるモーションの再生速度と、当該モーションを構成するフレームとの関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の概要について説明する。情報処理装置10は、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はゲーム機等であるがこれらに限られず、プレイヤによって使用される任意のコンピュータであってもよい。本実施形態において、情報処理装置10は、ゲームのアプリケーションプログラムを実行可能である。ゲームのアプリケーションプログラムは、例えば情報処理装置10が読取可能な記憶媒体(例えば、メモリカード等)に記憶されてもよく、アプリケーション配信サーバ等からインターネット等のネットワークを介して情報処理装置10にダウンロードされてもよく、又は情報処理装置10の製造時にインストールされてもよい。
【0013】
本実施形態では、三次元の仮想空間に配置されたキャラクタ同士が対戦するアクションゲームについて例示する。プレイヤキャラクタは、ユーザであるプレイヤの操作に応じて、例えば移動、ダッシュ、攻撃、防御、回避及びジャンプ等、種々のアクションを実行する。攻撃アクションは、弱攻撃、強攻撃等の複数のアクションを含んでよい。本実施形態では、プレイヤキャラクタがアクションを実行中に、プレイヤの操作を特定のジャストアタック受付期間(例えば、後述する第1期間)内に受け付けた場合、ジャストアタック等と呼ばれる特別な攻撃アクションをキャラクタに実行させることで、特別なゲーム演出を行う。一方で、プレイヤキャラクタがアクションを実行中に、上記特定のジャストアタック受付期間とは異なる他の受付期間(例えば、後述する第2期間)内にプレイヤの操作を受け付けた場合、ジャストアタックとは異なる通常攻撃アクションをプレイヤキャラクタに実行させることで、通常のゲーム演出を行う。
【0014】
本実施形態において「ゲーム演出」は、プレイヤが認識可能な任意の演出を含む。例えば、ゲーム演出は、キャラクタが実行するアクションのモーションを再生すること、任意のエフェクトを発生させること、BGM又は効果音を再生すること、及び仮想空間に配置される仮想カメラのカメラワーク等を含み得るが、これらに限られない。また「ジャストアタック」は、「通常攻撃アクション」と比較して、例えば与ダメージ上昇及び攻撃判定拡大等、攻撃パラメータが向上していてもよい。
【0015】
また本実施形態において、プレイヤキャラクタの対戦相手である敵キャラクタは、所定のアルゴリズムに従って自動的に種々のアクションを実行する。敵キャラクタの数は、1以上であれば任意に定められてもよい。そして、例えばプレイヤキャラクタの攻撃が対戦相手である敵キャラクタに命中すると、当該敵キャラクタの体力パラメータが減少する。プレイヤキャラクタの体力パラメータがゼロになるよりも前にすべての敵キャラクタの体力パラメータがゼロになると、プレイヤの勝利となる。
【0016】
従来、例えばジャストアタック対応技のアクションをキャラクタに実行させ、このアクションに対応するモーションを再生している最中の特定タイミング(所謂ジャストアタック受付期間内)にプレイヤがボタンを押下することで、ジャストアタックが発動する仕様が知られている。当該仕様を実装するにあたり、ジャストアタック対応技のアクションに対応するモーションのデータを作成するためには、当該対応技のモーションを構成する複数フレームの中から、ジャストアタック受付期間の始端フレームと終端フレームを予め設定しておく手法が一般的に採用される。このとき、ジャストアタック成立難度を適切に調整するためには、ジャストアタック受付期間の時間長さ(ジャストアタック受付期間を構成する始端フレームから終端フレームまでのフレーム数に相当)を適切に設計することが重要である。典型的には、ジャストアタックを成功させようとするプレイヤは、当該対応技を実行中であるキャラクタのモーションを注視し、キャラクタが特定の姿勢となったタイミング(例えば、武器を振りかぶったタイミング)を起点としてボタン入力のタイミングを感覚的に計っている。また、これとは別に、従来、キャラクタのモーションの再生速度の倍率(以下「速度倍率」という。)を可変とする仕様も知られている。当該仕様を実装するにあたり、速度倍率が1倍(通常時)を上回る場合、モーションを構成する複数フレームのうちの一部を間引くなどにより、モーション全体を短縮する手法が一般的に採用される。
【0017】
上記の2つの仕様を同時に実装しようとする場合、両者を単に組み合わせるだけでは、速度倍率に応じてジャストアタック成立難度が変化してしまうという課題がある。すなわち、例えば速度倍率が1倍を上回る場合、ジャストアタック受付期間の始端フレームと終端フレームを予め設定しておく上述の手法を採用するのであれば、ジャストアタック対応技のモーション全体も短縮して再生される。このため、ジャストアタック受付期間も短くなってしまい、ジャストアタック成立難度が過度に高くなり得る。これに対して、例えば1つのジャストアタック対応技について、想定される速度倍率ごとにモーションデータを作成することが考えられるが、開発負担が過度に増加するため現実的でない。上記課題に鑑み、本開示の一実施形態は、上記2つの仕様が同時に実装されるゲームにおいて、速度倍率に依らずジャストアタックの成立難度を適切に維持するとともに、開発負担の過度な増加を抑えることを目的とする。
【0018】
ここで、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置10は、ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始する。情報処理装置10は、モーションの再生中に所定の条件が満たされると、所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行する。そして、情報処理装置10は、再生速度の倍率が1倍を上回る場合、モーションを短縮して再生し、モーションの再生中、モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された第1期間内に所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する。
【0019】
このように、本実施形態は、例えばジャストアタック対応技のモーションデータを作成する際、当該対応技のモーションを構成する複数フレームのうち、特定の基準フレームを予め定めておく(例えば、全体200フレームのうち第31番目のフレーム)。そして、本実施形態は、当該対応技のモーションの再生を、キャラクタに設定された速度倍率で開始する。さらに、本実施形態は、当該対応技のモーションの再生中、基準フレームが表示されるタイミングを基準にジャストアタック受付期間を決定する。詳細には、基準フレームが表示されるタイミングt0からP秒後(Pは固定値であってもよく、速度倍率に応じて可変であってもよい)のタイミングt1(t1=t0+P[秒])に第1期間(例えば、ジャストアタック受付期間)を開始する。一方、第1期間の時間長さは、速度倍率に依らず固定値(例えば、1/6秒間)である。上記ジャストアタック対応技のモーションの再生開始から基準フレームが表示されるタイミングt0は速度倍率によって異なり得るところ、本実施形態が上記構成を採用することにより、かかるタイミングt0を基準に第1期間(ジャストアタック受付期間)の開始タイミングt1が決定される。このため、ジャストアタックを成功させようとするプレイヤは、速度倍率の変化に影響されることなく、当該対応技を実行中である第1キャラクタが特定の姿勢となったタイミングを起点としてボタン入力のタイミングを感覚的に計ることができる。さらに上記構成によれば、第1期間(ジャストアタック受付期間)の時間長さは速度倍率に依らず固定値であるため、速度倍率に影響されることなく、ジャストアタック成立難度を適切に維持することができ、プレイアビリティを確保することが可能となる。さらに上記構成を採用することにより、ジャストアタック対応技のモーションを構成する複数フレームの中から、基準フレームを予め定めておくだけでよいため、例えば1つのジャストアタック対応技について想定される速度倍率ごとにモーションデータを作成する必要がなく、アクションゲームを実装するための開発負担を低減できる。したがって、本実施形態によれば、ジャストアタック仕様及びキャラクタの速度倍率を可変とする仕様の、2つの仕様が同時に実装されるゲームにおいて、速度倍率に依らずジャストアタックの成立難度を適切に維持するとともに、開発負担の過度な増加を抑えることができる点で、キャラクタにアクションを実行させるゲームを制御する技術が改善される。
【0020】
(情報処理装置の構成)
次に、情報処理装置10の各構成について、詳細に説明する。図1に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、出力部12と、入力部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
【0021】
通信部11は、例えばインターネット等のネットワークに接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、無線LAN規格、又は近距離無線通信規格等に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。
【0022】
出力部12は、情報を出力する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。出力部12は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0023】
入力部13は、ユーザによる入力操作を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、マウス、タッチパネル、出力部12のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、マイクロフォン、カメラ、又は赤外線センサ等であるが、これらに限られない。入力部13は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0024】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。本実施形態において「メモリ」は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14は、外部メモリを接続するためのインタフェースを含んでもよい。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、システムプログラム及びアプリケーションプログラム等を記憶してもよい。記憶部14に記憶された情報は、例えば通信部11を介してインターネット等のネットワークから取得される情報で更新可能であってもよい。
【0025】
本実施形態において記憶部14は、上述したアクションゲームのアプリケーションプログラム及び当該ゲームに用いられる任意のデータを記憶してもよい。ゲームのアプリケーション及びゲームに用いられるデータの少なくとも一方が、記憶部14のインタフェースに接続可能な外部メモリに記憶されてもよい。ゲームのアプリケーションプログラムは、情報処理装置10が単独で実行可能であってもよく、又は所定のゲームサーバと通信可能であることを条件に実行可能であってもよい。ゲームに用いられるデータは、例えばセーブデータを含むがこれに限られない。ゲームに用いられるデータの少なくとも一部が、プレイヤのユーザアカウントに関連付けて管理されてもよい。
【0026】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、情報処理装置10全体の動作を制御する。例えば、制御部15は、記憶部14に記憶されたアクションゲームのアプリケーションプログラムを実行する。制御部15によって制御される情報処理装置10の動作の詳細については後述する。
【0027】
(情報処理装置の動作フロー)
図2を参照して、上述したアクションゲームのアプリケーションプログラムを実行する情報処理装置10の動作のフローについて説明する。
【0028】
ステップS100:情報処理装置10の制御部15は、ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始する。
【0029】
「第1キャラクタ」は、プレイヤが操作するキャラクタである。プレイヤが操作するキャラクタである第1キャラクタのことを以降、他のキャラクタと識別するために特に「プレイヤキャラクタ」と称する。制御部15は、入力部13に対するプレイヤの操作に応じてプレイヤキャラクタに種々のアクションを実行させ得る。例えば、入力部13に含まれる各ボタン及び2以上のボタンの組み合わせにそれぞれ異なるアクションが対応付けられている。制御部15は、プレイヤが操作したボタン又は2以上のボタンの組み合わせに対応するアクションをプレイヤキャラクタに実行させる。なお、同じボタン又は同じ2以上のボタンの組み合わせに複数のアクションが対応付けられていてもよい。かかる場合、制御部15は、プレイヤが操作したボタン又は2以上のボタンの組み合わせに対応する複数のアクションのうち、対戦中におけるプレイヤキャラクタの状態に応じて選択される1つのアクションをプレイヤキャラクタに実行させてもよい。
【0030】
本実施形態において、プレイヤキャラクタが実行するアクションには、例えば移動、ダッシュ、攻撃、防御、回避及びジャンプ等、種々のアクションがある。これらのうち、本実施形態における本ステップでは、制御部15は、上記「所定のアクション」としてジャストアタック対応技に相当するアクションをプレイヤキャラクタに実行させる。ジャストアタック対応技に相当するアクションは典型的には攻撃アクションであり、以下では当該アクションを「ジャストアタック対応攻撃アクション」と称する。ジャストアタック対応攻撃アクションには、当該アクションに対応するモーションが設定されており、当該モーションは複数のフレームから構成される。なお一つのモーションは、例えば第1番目のフレームから第200番目のフレームなどの、複数のフレームによって構成される。モーションを構成する各フレームは、キャラクタの姿勢に対応する。したがって、例えば、モーションを構成する複数のフレームが第1番目のフレームから再生されることにより、キャラクタの姿勢が順次変化し、当該モーションが再生される。例えば制御部15は、このジャストアタック対応攻撃アクションを実行するための操作ボタンをプレイヤが押下した直後(すなわち、操作開始の直後)に、プレイヤキャラクタのジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションを第1番目のフレームから再生する。
【0031】
プレイヤキャラクタには、各アクションに対応するモーションの再生速度が設定されている。制御部15は、プレイヤキャラクタに設定された再生速度に基づき、ジャストアタック対応攻撃アクションをプレイヤキャラクタに実行させ、当該アクションに対応するモーションの再生を開始する。本実施形態において、モーションの再生速度は倍率で示される。以下、基準速度の速度倍率を「1倍」と称する。モーションの再生速度が基準速度(1倍)である場合、アクションに対応するモーションを構成する全てのフレームが順次再生される。再生速度の倍率(速度倍率)は任意に設定可能であって、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.5倍、2倍など、1倍を上回るよう設定可能であり、一方、0.9倍、0,8倍、0.7倍、0.5倍など、1倍を下回るよう設定可能である。速度倍率が1倍を上回る場合、例えば攻撃アクションに対応するモーションを構成する一部のフレームが倍率に応じて間引かれて再生される。速度倍率が1倍を下回る場合、例えば攻撃アクションに対応するモーションを構成する一部のフレームが倍率に応じて重複再生される。
【0032】
図3を参照して、本実施形態におけるジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションを構成するフレームと、速度倍率との関係をより具体的に説明する。図3では、速度倍率が1倍(すなわち基準速度)である場合と、速度倍率が2倍である場合を併せて図示している。このモーションは、第1番目のフレームから第200番目のフレームまでの合計200フレームで構成される。各フレームは、ジャストアタック対応攻撃アクションを実行するプレイヤキャラクタの姿勢に対応する。速度倍率が1倍である場合、上記アクションに対応するモーションを構成する、第1番目のフレームから第200番目のフレームまでの合計200フレームが順次再生される。出力部12に表示される画面のフレーム再生速度(fps;frames per second)が60fpsの場合、速度倍率が1倍であれば、モーションの再生から1秒後には第60番目のフレームが再生されることになる。一方、再生速度の倍率が2倍である場合、上記アクションに対応するモーションを構成する200フレームのうち、本例では偶数番目のフレームが間引かれて、奇数番目の合計100フレームが順次再生される。出力部12に表示される画面のフレーム再生速度が60fpsの場合、再生速度の倍率が2倍であれば、モーションの再生から1秒後には第119番目のフレームが再生されることになる。このモーションを構成する200フレームのうち、第31番目のフレーム(例えば武器を振りかぶった等の、特定の姿勢)に着目すると、再生速度の倍率が1倍の場合、第31番目のフレームは、上記モーションの再生開始から31/60秒経過したときに再生される。一方、再生速度の倍率が2倍の場合、第31番目のフレームは、上記モーションの再生開始から16/60秒経過したときに再生される。このように、モーションの再生が開始してから、プレイヤキャラクタが特定の姿勢となるまでの経過時間は再生速度の倍率によって異なる。なお、図3に記載の第1期間、第2期間、第3期間等については、図3を再度参照して後述する。
【0033】
ステップS101:制御部15は、ステップS100でモーションが再生開始された後、プレイヤによる操作を受け付けるという条件を満たすか否かを判定する。プレイヤによる操作を受け付けた場合(ステップS101-Yes)、プロセスはステップS102に進む。一方、プレイヤによる操作を受け付けない場合(ステップS101-No)、プロセスはモーションの再生を継続し、プレイヤによる操作を受け付けるという条件を満たすか否かの判定を続ける。なお、プレイヤによる操作を受け付けないままモーションの再生が終了した場合、プロセスは強制終了される。
【0034】
「プレイヤによる操作」は、プレイヤによる操作ボタンを押下する行為である。典型的には、プレイヤは、プレイヤキャラクタがジャストアタック対応攻撃アクションを実行する最中の特定タイミング(第1期間内の任意のタイミング)を狙って当該操作を試みる。プレイヤによる操作ボタンが押下されたタイミングに応じて、次ステップ以降で制御部15は、異なるゲーム演出を実行する。なお、操作ボタンの押下は「プレイヤによる操作」の例示であって、これに限られない。
【0035】
ステップS102:制御部15は、プレイヤによる操作を受け付けるという上記条件が満たされたタイミングが第1期間内であるか否かを判定する。当該タイミングが第1期間内ではない場合(ステップS102-No)、プロセスはステップS103に進む。一方、当該タイミングが第1期間内である場合(ステップS102-Yes)、プロセスはステップS104に進む。ここで、第1期間は、モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる期間である。また、第1期間の時間長さは、プレイヤキャラクタの再生速度に依らず固定されている(例えば、1/6秒間)。説明の便宜上、第1期間の詳細な説明に先立ち、ステップS103を概略説明する。
【0036】
ステップS103:制御部15は、プレイヤによる操作を受け付けるという上記条件が満たされたタイミングが第2期間内であるか否かを判定する。なお、第1期間の少なくとも一部と第2期間の少なくとも一部は重複し得るが、上記条件が満たされたタイミングが第1期間内である場合、上述したようにプロセスはステップS102からステップS104に進むため、本ステップS103が実行されることはない。したがって、本ステップS103において、上記条件が満たされたタイミングが第2期間内であると判定されることは、当該タイミングが第1期間を除く第2期間内であることを意味する。本ステップS103において、当該タイミングが第2期間内である場合(ステップS103-Yes)、プロセスはステップS105に進む。一方、当該タイミングが第2期間内ではない場合(ステップS103-No)、プロセスは終了する。ここで、第2期間は予め定められたフレームを始期とする期間である。また、本実施形態では、第2期間の時間長さは、プレイヤキャラクタの再生速度に依らず固定されている(例えば、1/2秒間)。
【0037】
ステップS102及びステップS103を詳細に説明するため、図3を再度参照し、「第1期間」及び「第2期間」について説明する。ジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションのモーションデータにおいて、当該モーションを構成する複数のフレームのうち、特定の基準フレームが予め定められている。図3の例では、当該モーションを構成する第1番目のフレームから第200番目のフレームまでの合計200フレームのうち、第31番目のフレームが基準フレームである。
【0038】
本実施形態において「第1期間」は、ジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションの再生中におけるジャストアタック受付期間である。ジャストアタック受付期間は、基準フレーム(第31番目のフレーム)が表示されるタイミングt0を基準に決定される。図3に示す例では、基準フレームが表示されるタイミングt0からP秒後(図3の例ではPを固定値とする。)のタイミングt1(t1=t0+P[秒])にジャストアタック受付期間が開始する。またジャストアタック受付期間の時間長さは、速度倍率に依らず固定値のQ秒間(図3の例では10F、すなわち1/6秒間)である。ここで、上記ジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションの再生開始から基準フレームが表示されるタイミングt0までの時間は、モーションの再生速度の倍率によって異なる。結果として、図3に示すように、速度倍率が1倍であるとき(図3上段)の第1期間と比較して、速度倍率が2倍であるとき(図3下段)の第1期間は、その始期であるタイミングt1が早まっている一方、その時間長さは変化していない。
【0039】
また本実施形態において、「第2期間」は、ジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションの再生中における、通常アクションの受付期間である。通常アクションの受付期間もまた、基準フレーム(第31番目のフレーム)が表示されるタイミングを基準に決定される。図3に示す例では、基準フレームが表示されるタイミングt0に通常アクションの受付期間が開始する。また通常アクションの受付期間の時間長さは、モーションの再生速度に依らず(すなわち速度倍率に依らず)固定値のR秒間(図3の例では30F、すなわち1/2秒間)である。ここで、上記ジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションの再生開始から基準フレームが表示されるタイミングt0までの時間は、速度倍率によって異なる。結果として、図3に示すように、速度倍率が1倍であるとき(図3上段)の第2期間と比較して、速度倍率が2倍であるとき(図3下段)の第2期間は、その始期であるタイミングt0が早まっている一方、その時間長さは変化していない。
【0040】
ステップS104:ステップS102において第1期間内に上記プレイヤによる操作を受け付けるという条件を満たす場合(ステップS102-Yes)、制御部15は、第1ゲーム演出を実行する。その後、プロセスは終了する。
【0041】
本実施形態において「第1ゲーム演出」は、ジャストアタック等と呼ばれる特別な攻撃アクションをプレイヤキャラクタに実行させる特別なゲーム演出である。例えば、第1ゲーム演出として実行されるジャストアタックのモーションは、上記条件が満たされたタイミングが第2期間内である場合にプレイヤキャラクタが実行する後述の通常攻撃アクションのモーションと異なってもよい。また第1ゲーム演出は、当該通常攻撃アクションと比較して、プレイヤキャラクタの一部又は全部に、例えば点滅、炎、雷、氷等の追加のエフェクトの発生を含んでもよい。第1ゲーム演出は、上記プレイヤによる操作を受け付けた後、直ちに又は所定時間経過後に、ジャストアタック対応攻撃アクションのモーション再生を中断して実行されてもよい。ほかにも、第1ゲーム演出は、上記ジャストアタック対応攻撃アクションのモーション再生が終わった後に実行されてもよい。
【0042】
ステップS105:ステップS103において第2期間内に上記プレイヤによる操作を受け付けるという条件を満たす場合(ステップS103-Yes)、制御部15は、第2ゲーム演出を実行する。その後、プロセスは終了する。
【0043】
「第2ゲーム演出」は、通常攻撃アクションによるゲーム演出であって、ジャストアタック対応アクションにおいてジャストアタックが不成立だった場合の次に実行され得る連撃等の攻撃アクションである。第2ゲーム演出もまた、上記プレイヤによる操作を受け付けた後、直ちに又は所定時間経過後に、ジャストアタック対応攻撃アクションのモーション再生を中断して実行されてもよい。ほかにも、第2ゲーム演出は、上記ジャストアタック対応攻撃アクションのモーション再生が終わった後に実行されてもよい。
【0044】
なお、ジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションを再生中、第1期間でも第2期間でもないタイミングでプレイヤによる操作を受け付けた場合(ステップS102-NoかつステップS103-No)を考える。このようなタイミングでの操作は、プレイヤによる操作は失敗したといえる。したがって、制御部15は、ジャストアタック対応攻撃アクションのモーションの再生を最後まで進行させる。
【0045】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、ゲームの処理に用いられる第1キャラクタが実行する所定のアクションに対応するモーションの再生を、第1キャラクタに設定された再生速度の倍率で開始する。情報処理装置10は、モーションの再生中に所定の条件が満たされると、所定の条件が満たされたタイミングに応じて異なるゲーム演出を実行する。そして、情報処理装置10は、再生速度の倍率が1倍を上回る場合、モーションを短縮して再生し、モーションの再生中、モーションを構成する複数のフレームのうち予め定められたフレームを基準に始期が定まる第1期間であって、時間長さが固定された第1期間内に所定の条件が満たされると、第1ゲーム演出を実行する。
【0046】
かかる構成によれば、ジャストアタック仕様及びモーションの再生速度を可変とする仕様の、2つの仕様が同時に実装されるゲームにおいて、モーション再生速度に依らずジャストアタックの成立難度を適切に維持するとともに、開発負担の過度な増加を抑えることができる点で、キャラクタにアクションを実行させるゲームを制御する技術が改善される。
【0047】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部若しくはステップ等を1つに組み合わせたり、又は分割したりすることが可能である。
【0048】
上述した実施形態において、ステップS101に先立ち、制御部15に、モーションの再生中、第1期間の始期から所定の時間を遡った時点から、第1期間の始期までの第3期間に、第1期間の始期を示唆する補助演出を表示させるステップを更に実行させることも好ましい。図3を再度参照して、「第3期間」を説明する。図3において、第3期間は、前述のジャストアタック対応攻撃アクションに対応するモーションを構成するフレームにおける基準フレーム(第31番目のフレーム)からP秒経過後の、第1期間(ジャストアタック受付期間)の始期を基準とする。そして、当該第1期間の始期からS秒間を遡った時点を第3期間の始期とし、第1期間(ジャストアタック受付期間)が開始する直前までが第3期間の終期となる。なお、図3の例ではモーション再生速度に依らず固定値のS秒間(図3の例では15F、すなわち1/4秒間)を採用した。第3期間中に、第1期間(ジャストアタック受付期間)の始期を示唆する補助演出を表示させることによって、プレイヤにジャストアタックを発動させるためのタイミングを通知することが可能となる。また、ここでいう補助演出は、タイミングアテンション表示等とよばれ、具体的には、カウントダウンの表示演出、又は、横棒プログレスバー、円形プログレスバー等の表示演出である。なお、第1期間の開始後も引き続き、第1期間が継続していることを示唆する補助演出を表示させてもよい。モーションの再生速度の倍率に依らず、第3期間の時間長さを固定することが特に好ましい。この場合、モーションの再生速度の倍率に依らず、プレイヤはジャストアタックを発動させるためのタイミングを補助演出の表示によって計ることが可能となり、プレイアビリティを確保することができる。「第3期間」をタイミングアテンション表示期間と称してもよい。
【0049】
第3期間(タイミングアテンション表示期間)中にこの補助演出を表示させる場合、制御部15は、当該モーションの再生中、基準フレーム(図3の例では第31番目のフレーム)よりも前にプレイヤによる前述の操作を受け付けると、第1期間内に当該操作を再度受け付けた場合であっても第1ゲーム演出を実行しないことが好ましい。こうすることで、ボタンの連打等による偶発的なジャストアタックの成立を阻止して、ジャストアタックの成立難度を適正化することができる。なおこの場合、基準フレームの開始後、第2期間中にプレイヤによる前述の操作を受け付けた場合、ジャストアタックではない通常のアクションをプレイヤキャラクタに実行させてもよいし、当該通常のアクションすらプレイヤキャラクタに実行させないようにしてもよい。
【0050】
上述した実施形態においては第2期間を設定したが、第2期間は必須ではない。第1期間内に上記プレイヤによる操作を受け付けない場合(ステップS102-No)、プロセスを終了させてもよい。
【0051】
また、上述した実施形態において、プレイヤキャラクタに設定された再生速度の倍率が1倍を下回る場合は、第1期間の時間長さを再生速度の倍率に依らずに固定してもよいし、第1期間の時間長さを再生速度の倍率に応じて延長してもよい。
【0052】
さらに、上述した実施形態において、第1期間(ジャストアタック受付期間)は、基準フレーム(第31番目のフレーム)が表示されるタイミングt0を基準に決定され、図3に示す例では、第1期間は基準フレームが表示されるタイミングt0から固定値のP秒後に開始すると例示説明した。しかしながら、速度倍率に対応させるために、例えば速度倍率が2倍である場合は、第1期間は基準フレームが表示されるタイミングt0から1/2P秒後(速度倍率の逆数倍)に開始してもよく、第1期間の時間長さをQ秒間で固定する限り、当該期間の開始タイミングは可変である。
【0053】
また、上述した実施形態において、第2期間(通常アクションの受付期間)は、基準フレーム(第31番目のフレーム)が表示されるタイミングt0を基準に決定され、図3に示す例では、その時間長さは固定値のR秒間であると例示説明した。しかしながら、速度倍率に対応させるために、例えば速度倍率が2倍である場合は、第2期間の時間長さを1/2R秒間(速度倍率の逆数倍)としてもよいし、当該時間長さを、固定値である第1期間の時間長さQ秒以上R秒以下の範囲で速度倍率に応じて適宜定めてもよい。
【0054】
さらにまた、上述した実施形態において、第3期間(タイミングアテンション表示期間)は、第1期間(ジャストアタック受付期間)の始期からS秒間を遡った時点を第3期間の始期とし、Sは固定値であると例示説明した。しかしながら、速度倍率に対応させるために、例えば速度倍率が2倍である場合は、第3期間(タイミングアテンション表示期間)は、第1期間の始期から1/2S秒間(速度倍率の逆数倍)を遡った時点を第3期間の始期としてもよく、第1期間の始期を基準とする限りは、第3期間の始期を速度倍率に応じて可変としてもよい。
【0055】
上述した実施形態では、ステップS101において、ステップS100でモーションが再生開始された後、プレイヤによる操作を受け付けるという条件を満たすか否かを判定した。上述した実施形態は、ジャストアクション系のゲーム演出のうち、ジャストアタックに関するものであった。本開示は、ジャストガード又はジャスト回避と呼ばれる防御系のアクションに対しても、適用可能である。すなわち、本開示の他の実施形態では、ステップS101において制御部15は、ステップS100でモーションが再生開始された後、第2キャラクタの攻撃判定が第1キャラクタの当たり判定に重なるという条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0056】
「第2キャラクタ」は、プレイヤキャラクタに攻撃を行う敵キャラクタである。プレイヤが、プレイヤキャラクタにガードアクション(防御アクション)を実行させるための操作を行って、ガードアクションに対応するモーションが再生されるときの態様を説明する。ステップS101において制御部15は、攻撃アクションを実行する敵キャラクタの攻撃判定が、ガードアクションを実行するプレイヤキャラクタの当たり判定に重なるという条件を満たすか否かを判定する。そして制御部15は、ステップS102において上記条件が満たされたタイミングが第1期間内である場合、ステップS104において第1ゲーム演出としてジャストガードを実行する。アクションゲームの仕様によっては、プレイヤによるガードアクションを実行させるためのボタン押下の操作が継続する限り、ガードアクションのモーション及び前述の第2期間を継続させてもよい。ジャストガードを実行する場合、通常のガードアクションに加えてプレイヤキャラクタにバフ処理をしてもよいし、回避対象の敵キャラクタに対してデバフ処理を行ってもよいし、プレイヤキャラクタに追加攻撃アクション又はカウンターアクションを実行させてもよいし、プレイヤキャラクタの一部又は全部に、点滅等の追加のエフェクトを発生させてもよい。
【0057】
さらに、プレイヤが、プレイヤキャラクタに回避アクションを実行させるための操作を行って、回避アクションに対応するモーションが再生されるときの態様を説明する。ステップS101において制御部15は、攻撃アクションを実行する敵キャラクタの攻撃判定が、回避アクションを実行するプレイヤキャラクタの当たり判定に重なるという条件を満たすか否かを判定する。そして制御部15は、ステップS102において上記条件が満たされたタイミングが第1期間内である場合、ステップS104において第1ゲーム演出としてジャスト回避を実行する。ジャスト回避を実行する場合、通常の回避アクションに加えてプレイヤキャラクタにバフ処理をしてもよいし、回避対象の敵キャラクタに対してデバフ処理を行ってもよいし、プレイヤキャラクタの一部又は全部に、点滅等の追加のエフェクトを発生させてもよい。
【0058】
また、上述した種々の実施形態において、プレイヤのボタン操作によってプレイヤキャラクタに種々のアクションを実行させる態様を説明した。しかしながら、プレイヤによる操作は当該例に限られない。例えば、プレイヤはスティック入力によってプレイヤキャラクタを操作してもよいし、物理カメラなどでプレイヤの動作を読み取ることによりプレイヤキャラクタを操作してもよい。なお、情報処理装置10にタッチパネルが接続されている場合は、タッチパネルの各入力位置が仮想ボタンに相当し、プレイヤは、仮想ボタンをタッチすることによりキャラクタを操作することができる。また、情報処理装置10は、プレイヤの操作による複数のボタン入力を受け付けて特定の処理を行うこともできる。この場合、溜め攻撃を実現するための操作も入力デバイスに応じて、押下継続、スティック回転継続、タッチ押下継続など、任意の手法を採用してよい。
【0059】
なお、上述した種々の実施形態において、制御部15は、プレイヤが操作するキャラクタを仮想空間に配置することができる。この場合、仮想空間は三次元仮想空間であり、各キャラクタは3Dモデルで実装される。しかしながら、仮想空間は二次元仮想空間であり、各キャラクタは2D画像で実装されてもよい。なお、制御部15は、例えばFPP(First Person Perspective)又はTPP(Third Person Perspective)等の視点によるゲーム画面を出力部12のディスプレイに表示させる。
【0060】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置10が実行する一部又は全部の動作を、情報処理装置10と通信可能な外部のコンピュータが実行する実施形態も可能である。また、情報処理装置10が実行する動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散して実行させてもよい。
【0061】
例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、コンピュータのメモリに格納し、コンピュータのプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 情報処理装置
11 通信部
12 出力部
13 入力部
14 記憶部
15 制御部
図1
図2
図3