(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176473
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/78 20190101AFI20241212BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
G06F16/78
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095025
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】510084297
【氏名又は名称】株式会社ブロードリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】祖慶 良大
(72)【発明者】
【氏名】立谷 亮介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 知広
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 友克
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明子
(72)【発明者】
【氏名】間渕 育海
(72)【発明者】
【氏名】児玉 一成
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】大石 憲治
(72)【発明者】
【氏名】村上 省吾
【テーマコード(参考)】
5B175
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB02
5B175JC04
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】文書データの管理にあたって、外部の情報にアクセスし、必要な情報を容易に確認することが可能な文書管理装置を提供する。
【解決手段】文書管理装置1は、電子商取引を管理する取引管理サーバ200から文書データ及び取引データを取得すると、文書データと取引データの関連付けを行い、文書データにタイムスタンプを付与し、文書データを保存する。そして、上記取引データに基づいて、外部サーバ300が提供する管理サービスで用いられる管理仕様データを生成し、また上記文書データにアクセス可能なアクセス情報を生成し、これらデータを外部サーバ300に送信する。そして、外部サーバ300から、上記管理仕様データに基づく管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を受信すると、上記文書データに対し、外部アクセス情報を付与する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商取引を管理する取引管理サーバから出力された、前記電子商取引に関する取引データと、該取引データの内容を含む前記電子商取引に関する文書データとを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得した前記文書データと前記取引データとの関連付けを行うデータ関連付け部と、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与するスタンプ付与部と、
前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存するデータ保存部と、
前記データ保存部によって保存された文書データと関連付けられた前記取引データに基づいて、外部サーバが提供する、前記電子商取引に関する管理サービスで用いられる管理仕様データを生成するデータ生成部と、
前記取引データと関連付けされた前記文書データにアクセス可能なアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、
前記外部サーバに、前記管理仕様データと前記アクセス情報生成部で生成された前記アクセス情報とを送信するデータ送信部と、
前記外部サーバから、前記管理仕様データに基づく管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を受信するデータ受信部と、
前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データに関連付けされた前記文書データに対し、前記外部アクセス情報を付与する外部アクセス情報付与部と、を具備する、文書管理装置。
【請求項2】
所定の文書データの検索要求を受け付けると、前記データ保存部によって保存された複数の文書データの中から、対象となる文書データを検索するデータ検索部と、
前記データ検索部によって検索された前記対象となる文書データを出力するデータ出力部と、をさらに具備し、
前記データ検索部は、前記取引データに含まれる取引内容の情報を検索条件として、前記取引データに関連付けされた前記文書データを検索し、
前記データ出力部は、前記対象となる文書データと、前記文書データに付与された前記外部アクセス情報とを表示画面に表示する、請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記データ保存部によって保存された前記文書データに対し、前記取引管理サーバに記憶され、前記文書データに対応する対応文書データにアクセス可能な第2外部アクセス情報を付与する第2外部アクセス情報付与部をさらに具備し、
前記外部アクセス情報をもとに、前記外部サーバに記憶された前記管理データにアクセス可能であり、前記第2外部アクセス情報をもとに、前記取引管理サーバに記憶された前記対応文書データにアクセス可能であって、
前記データ出力部は、前記対象となる文書データと、前記文書データに付与された前記外部アクセス情報と、前記文書データに付与された前記第2外部アクセス情報とを表示画面に表示する、請求項2に記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記外部サーバから、該外部サーバで保存された前記管理データに含まれる管理内容の変更通知を受け取る通知受け取り部と、
前記通知受け取り部によって受け取った前記変更通知を、前記文書管理装置で保存された前記管理データに関連付けて記録する変更記録部と、をさらに具備する、請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記外部サーバに、前記外部アクセス情報をもとに、該外部アクセス情報でアクセス可能な管理データを要求するデータ要求部と、
前記外部サーバから取得した前記管理データに含まれる管理内容と、該管理データの作成に用いられた管理仕様データとを照合するデータ照合部と、
前記データ照合部による照合結果を通知する結果通知部と、をさらに具備し、
前記結果通知部は、前記管理内容と前記管理仕様データとが一致しないことで、前記管理データが変更されたことを前記外部サーバに通知する、請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項6】
文書データを管理するコンピュータによって実行される文書管理方法であって、
コンピュータが、
電子商取引を管理する取引管理サーバから出力された、前記電子商取引に関する取引データと、該取引データの内容を含む前記電子商取引に関する文書データとを取得することと、
取得した前記文書データと前記取引データとの関連付けを行うことと、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与することと、
前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存することと、
保存された文書データと関連付けられた前記取引データに基づいて、外部サーバが提供する前記電子商取引に関する管理サービスで用いられる管理仕様データを生成することと、
前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データと関連付けされた前記文書データにアクセス可能なアクセス情報を生成することと、
前記外部サーバに前記管理仕様データと、生成された前記アクセス情報とを送信することと、
前記外部サーバから、前記管理仕様データに基づく管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を受信することと、
前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データに関連付けされた前記文書データに対し、前記外部アクセス情報を付与することと、を実行する、文書管理方法。
【請求項7】
文書データを管理する文書管理装置としてのコンピュータに、
前記電子商取引を管理する取引管理サーバから出力された、前記電子商取引に関する取引データと、該取引データの内容を含む前記電子商取引に関する文書データとを取得する処理と、
取得した前記文書データ及び前記取引データの関連付けを行う処理と、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、
前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存する処理と、
前記取引に関する管理サービスを提供する外部サーバと通信可能な前記コンピュータに、
保存された前記取引データに基づいて、外部サーバが提供する、前記電子商取引に関する管理サービスで用いられる管理仕様データを生成する処理と、
前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データと関連付けされた前記文書データにアクセス可能なアクセス情報を生成する処理と、
前記外部サーバに、前記管理仕様データと、生成された前記アクセス情報とを送信する処理と、
前記外部サーバから、前記管理仕様データに基づく管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を受信する処理と、
前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データに関連付けされた前記文書データに対し、前記外部アクセス情報を付与する処理を実行させる、文書管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムに係り、特に、電子商取引に関する文書データを管理する文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部のサーバ(端末)から出力された取引に関する文書データを保存し、当該文書データを管理する文書管理装置(文書管理システム)が知られている。
当該装置では、外部サーバから取得した文書データを登録し、当該文書データに対し所定時点で文書データが存在したことを証明するタイムスタンプを付与した上で保存すること、また文書データ中に含まれる取引内容を検索条件として文書データを検索し、検索対象となる文書データを抽出することが可能となっている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-34552号公報
【特許文献2】特開2012-8992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような文書管理装置(文書管理システム)においては、文書データの適切な管理にあたって、外部のサーバや端末に保存された情報にアクセスし、必要な情報を容易に確認できることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、文書データの管理にあたって、外部の情報にアクセスし、必要な情報を容易に確認することが可能な文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の文書管理装置によれば、電子商取引を管理する取引管理サーバから出力された、前記電子商取引に関する取引データと、該取引データの内容を含む前記電子商取引に関する文書データとを取得するデータ取得部と、前記データ取得部によって取得した前記文書データと前記取引データとの関連付けを行うデータ関連付け部と、前記文書データに対しタイムスタンプを付与するスタンプ付与部と、前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存するデータ保存部と、前記データ保存部によって保存された文書データと関連付けられた前記取引データに基づいて、外部サーバが提供する、前記電子商取引に関する管理サービスで用いられる管理仕様データを生成するデータ生成部と、前記取引データと関連付けされた前記文書データにアクセス可能なアクセス情報を生成するアクセス情報生成部と、前記外部サーバに、前記管理仕様データと前記アクセス情報生成部で生成された前記アクセス情報とを送信するデータ送信部と、前記外部サーバから、前記管理仕様データに基づく管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を受信するデータ受信部と、前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データに関連付けされた前記文書データに対し、前記外部アクセス情報を付与する外部アクセス情報付与部と、を具備すること、によって解決される。
【0007】
上記のように、文書管理装置は、データ保存部によって保存された文書データに対し、外部サーバに保存された管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を付与することができる。そうすることで、文書管理装置が、文書データの管理にあたって、外部に保存された情報にアクセスし、必要な情報を容易に確認することが可能となる。
【0008】
また前記課題は、本発明の文書管理方法によれば、文書データを管理するコンピュータによって実行される文書管理方法であって、コンピュータが、電子商取引を管理する取引管理サーバから出力された、前記電子商取引に関する取引データと、該取引データの内容を含む前記電子商取引に関する文書データとを取得することと、取得した前記文書データと前記取引データとの関連付けを行うことと、前記文書データに対しタイムスタンプを付与することと、前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存することと、 保存された文書データと関連付けられた前記取引データに基づいて、外部サーバが提供する前記電子商取引に関する管理サービスで用いられる管理仕様データを生成することと、前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データと関連付けされた前記文書データにアクセス可能なアクセス情報を生成することと、前記外部サーバに前記管理仕様データと、生成された前記アクセス情報とを送信することと、前記外部サーバから、前記管理仕様データに基づく管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を受信することと、前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データに関連付けされた前記文書データに対し、前記外部アクセス情報を付与することと、を実行すること、によって解決される。
【0009】
また前記課題は、本発明の文書管理プログラムによれば、文書データを管理する文書管理装置としてのコンピュータに、前記電子商取引を管理する取引管理サーバから出力された、前記電子商取引に関する取引データと、該取引データの内容を含む前記電子商取引に関する文書データとを取得する処理と、取得した前記文書データ及び前記取引データの関連付けを行う処理と、前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存する処理と、前記取引に関する管理サービスを提供する外部サーバと通信可能な前記コンピュータに、保存された前記取引データに基づいて、外部サーバが提供する、前記電子商取引に関する管理サービスで用いられる管理仕様データを生成する処理と、前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データと関連付けされた前記文書データにアクセス可能なアクセス情報を生成する処理と、前記外部サーバに、前記管理仕様データと、生成された前記アクセス情報とを送信する処理と、前記外部サーバから、前記管理仕様データに基づく管理データにアクセス可能な外部アクセス情報を受信する処理と、前記管理仕様データの生成に用いた前記取引データに関連付けされた前記文書データに対し、前記外部アクセス情報を付与する処理を実行させること、によって解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムによれば、文書データの管理にあたって、外部に保存された情報にアクセスし、必要な情報を容易に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の文書管理システム全体の構成図である。
【
図2】文書管理装置、取引管理サーバのハードウェア構成を説明する図である。
【
図3】文書管理装置、外部サーバのハードウェア構成を説明する図である。
【
図4】文書管理装置、取引管理サーバ、外部サーバの機能を説明する図である。
【
図7】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
【
図10】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
【
図11】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
【
図12】文書詳細画面(履歴表示)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<文書管理システムの全体構成>
以下、本発明の一実施形態について
図1~
図18を参照して説明する。
本実施形態の文書管理システムSは、
図1に示すように、外部の出力装置から出力される「文書データ」を管理する文書管理装置1と、文書管理装置1に接続され、文書データを保存しておくデータベース100と、文書管理装置1と通信可能にそれぞれ接続され、文書管理装置1に向けて文書データを出力する取引管理サーバ200と、文書管理装置1との間でデータの受け渡しを行い、データ連携を行う外部サーバ300と、を備えている。
【0013】
文書管理装置1は、「文書データ」を出力する外部の出力装置(以下、外部出力装置とも言う。一例として取引管理サーバ200がある。)による出力方法の違い(出力データの違い)等に応じて文書データをデータベース100に保存し、外部出力装置から出力された文書データが改ざんされずに、当該文書データそのものを管理する。
取引管理サーバ200は、商品の売買やサービス提供等の電子商取引を管理するサーバであって、その電子商取引に関する取引内容を管理する。また、取引管理サーバ200では、電子商取引に関する取引内容を含む取引履歴の情報(取引履歴情報)を保存する。
外部サーバ300は、電子商取引に関する管理サービスを提供するサーバであって、例えば文書管理装置1に保存された「文書データ」と、当該文書データに対応し、外部サーバ300に保存された「管理データ」とをリンク(リンク連携)することで、文書管理装置1との間でデータの相互アクセスを実現する。
外部サーバ300によって提供される「電子商取引に関する管理サービス」としては、主として会計サービス(会計管理サービス)があるが、その他の業務管理システム(営業管理システム、顧客管理システム、販売管理システム、人事管理システム、ERPシステム(企業基幹システム)など)に関する管理サービスであっても良い。
文書管理装置1は、
図1に示すように、異なる管理サービスをそれぞれ提供する複数の外部サーバ300と通信可能に接続されても良い。
【0014】
<<文書管理装置と取引管理サーバの通信(文書データの保存、送信)>>
文書管理装置1は、
図2に示すように、「文書データ」を出力する取引管理サーバ200に対し、文書管理(文書保存)に関するソフトウェアサービスを提供する装置である。文書管理装置1は、例えば、クラウドコンピューティングに関する装置(クラウド装置)又はオンプレミスを構成する装置である。
詳しく述べると、文書管理装置1は、出力元となるサーバ(端末)に対し、主として(1)サーバが作成した文書データを保存するサービスと、(2)保存した文書データを照会・送信するサービスと、(3)サーバから受け取った文書データを保存するサービスとを提供する(
図5参照)。
具体的には、文書管理装置1は、出力元となるサーバとの出力方法の違い(出力データの違い)に対応させて文書データを適切に保存し、保存した文書データを信憑性が客観的に保証された状態で管理する。この「文書データの信憑性が客観的に保証された状態」とは、文書データが出力元から出力された出力方法の違いを吸収し、その違いを問わず、出力元から出力した文書データそのものと同一のものを文書管理装置1において保存することを示し、第三者からみても(客観的にも)、出力された文書データと保存した文書データとが同一であることを保証した状態である。すなわち、文書データの信憑性の保証は、所定の処理の前後において同一の文書データであることを保証することを示す(以下、同様)。そして、文書管理装置1は、保存した文書データを所定の検索条件の下で抽出し、抽出した文書データを照合すること、また抽出した文書データを送信することが可能となっている。
より具体的には、文書管理装置1は、上記出力元から出力される「文書データ」を管理するにあたって、上記出力元から「文書データ」と「取引データ」を取得することと、これらデータの関連付けを行うことと、「文書データ」にタイムスタンプを付与することと、「文書データ」及び「取引データ」をデータベース100に保存することを行う。
【0015】
「文書データ」とは、電子商取引を管理する取引管理サーバ200から出力される取引に関する文書データであって、取引の通知、依頼、請求、契約等に用いられる文書の電子データ(電子文書)である。一例として、見積書、注文書、納品書、請求書、領収書、契約書等がある。具体的には、国税関係の帳簿(仕訳帳、仕入帳、固定資産台帳など)、国税関係の書類(棚卸表、貸借対照表など)の電子データである。また、電子データの形式は問わず、例えば、PDF形式・テキスト形式・各種の文書形式のほか、JPEG・PNGなどの画像形式、表計算ソフト形式などのデータ形式とすることが可能であるが、文書管理システムSに存在する各種の装置が認識できる単一の形式であることが望ましい。
文書管理装置1は、「電子的に作成した帳簿や書類を電子帳簿として保存する方法(電子帳簿保存)」、「紙媒体をスキャンして保存する方法(スキャナ保存)」、「電子的に受領した取引の情報を電子的に保存する方法(電子取引データ保存)」などの最適な保存形式で文書を保存することを可能とするものである。また、文書管理装置1では、文書を保存後、当該文書を容易に検索できるようにし、文書の取引履歴を確認できるものである。
また、「取引」とは、複数の当事者間で商品や役務(サービス)を提供する若しくは提供を受ける処理を示し、対面販売での取引や電子商取引などの各種取引形式が存在する。このうち、インターネットやコンピュータ上での電子的な情報通信における取引が「電子商取引」である。「電子商取引」では、人の手が一切介在することなく、取引の成立及び当該取引に関する取引データの作成など全てが電子上の処理によって完結することが可能である。
【0016】
「取引データ」とは、取引に関するデータであって、「文書データ」に含まれている取引内容の情報(「取引内容情報」とも称する)を示すデータである。具体的には、取引データは、「取引先名」、「取引日」、「取引金額」その他の取引内容(取引文書の種類、取引メモなど)を示すものである。また、取引データの形式は問わず、例えば、CSV形式やバイナリデータとすることが可能であるが、文書管理システムSに存在する各種の装置が認識できる単一の形式であることが望ましい。
なお、「取引データ」と、当該取引データに対応する「文書データ」とは関連付けられた状態でデータベース100に保存される。
「取引データ」は、例えばデータベース100に保存された複数の文書データの中から、所定の文書データを検索する際に検索条件(検索タグ)として用いられるデータである。
つまり、「文書データ」は、取引の信憑(エビデンス)として用いられるデータであって、「取引データ」は、文書データの確認、検索、データ集計の際に用いられるデータである。
【0017】
「タイムスタンプ」とは、タイムスタンプに刻印された時刻の時点でその「文書データ(電子文書)」が存在していたことを証明(存在証明)し、かつ、その時刻以降にその文書データが改ざんされていないことを証明(非改ざん証明)するものである。
タイムスタンプには、文書データ(電子文書の原本)をもとにして作成されたハッシュ値のほか、証明する時刻情報が含まれている。ハッシュ値は文書データごとに固有の情報である。時刻情報は、文書が改ざんされていないことを証明する時刻を示す情報である。
【0018】
データベース100は、文書管理装置1の管理対象となる、「文書データ」及び「取引データ」を関連付けて保存(格納)する。
なお、文書管理装置1がデータベース100を備えた構成としても良いし、文書管理装置1とデータベース100が別の構成としても良い。
このデータベース100では、上述の「電子的に作成した帳簿や書類を電子帳簿として保存する方法(電子帳簿保存)」、「紙媒体をスキャンして保存する方法(スキャナ保存)」、「電子的に受領した取引の情報を電子的に保存する方法(電子取引データ保存)」などの最適な保存形式で文書が格納(保存)されている状態にある。
【0019】
取引管理サーバ200は、
図2に示すように、電子商取引を管理するサーバであって、文書管理装置1に向けて「文書データ」、「取引データ」を出力し、文書管理装置1から文書管理サービスの提供を受けるものである。
取引管理サーバ200は、文書管理装置1によって管理されたウェブサイトにアクセスし、ユーザログイン(ユーザID、パスワードの入力)をすることで、文書管理に関するサービス内容を表示画面上に表示する。
具体的には、ユーザログイン後、
図5に示すメニュー画面を表示した状態で所望のユーザ操作の選択を受け付けることで画面遷移させ、
図6~
図12に示す(1)サーバで作成した文書データを保存するサービス、
図13~
図16に示す(2)保存した文書データを照会・送信するサービス、あるいは(3)サーバから受け取った文書データを保存するサービスの提供を受けることができる。
【0020】
取引管理サーバ200では、電子商取引に関する商品やサービスの種別、当該取引に係る取引者、取引日、取引金額のほか、取引に関する一切の情報を記憶、管理している。
取引管理サーバ200は、上記電子商取引に関する「文書データ」、「取引データ」を作成し、その電子商取引を証明することを可能としている。取引管理サーバ200では、電子商取引に関して他の装置から「文書データ」、「取引データ」を受け取り、その電子商取引を証明することも可能である。
取引管理サーバ200では、文書管理装置1に対してこれらデータを出力(送信)することのほか、予め指定された保存領域にデータを出力することも可能である。
【0021】
取引管理サーバ200は、文書管理装置1と同様に、クラウドコンピューティングに関する装置又はオンプレミスを構成する装置である。この取引管理サーバ200は、文書管理装置1と連携(後述する「第1の連携」)されており、文書管理装置1との間で取り決められた所定フォーマット(共通フォーマット)からなる「取引データ」、「文書データ」を出力する。
詳しく述べると、取引管理サーバ200は、文書管理装置1と連携(第1の連携)されており、共通のクラウドストレージ(クラウド上の保存領域)に、所定フォーマットからなる取引データや文書データを出力して保存する。これによって、文書管理装置1は、上記保存領域に保存された取引データや文書データを読みだして所定の処理を実行することが可能となる。すなわち、文書管理装置1は、取引管理サーバ200から出力された、電子商取引に関する「取引データ」と、その電子商取引に関する「文書データ」を取得することが可能となる。
なお、取引管理サーバ200がデータ出力を行う契機として、所定のユーザ操作が行われたことや予め指定されたタイミングにおけるバッチ処理としても良い。
このほか、取引管理サーバ200は、文書管理装置1内に設けられた共有保存領域に「取引データ」や「文書データ」を出力し、文書管理装置1がこの共有保存領域から「取引データ」や「文書データ」を読み出しても良い。もちろん、上記共有保存領域を取引管理サーバ200内に設けても良い。
【0022】
上記において、取引管理サーバ200によって完結される電子商取引で作成された「取引データ」と、当該取引データに対応する「文書データ」とが同時に(一群で)文書管理装置1へと出力された場合、「取引データ」と「文書データ」とは予め関連付けられた状態となっている(この場合、文書管理装置1によって両データの関連付けを行わなくて良い)。他方で、取引管理サーバ200によって作成された「文書データ」及び「取引データ」のうち、例えば「取引データ」が先に出力され、その後に「文書データ」が出力されたような場合(文書データがスキャン文書データで出力された場合)や「文書データ」が先に出力され、その後に「取引データ」が出力されたような場合には、文書管理装置1が両データの関連付けを行う。そして、文書管理装置1は、両データそれぞれが取引管理サーバ200によって出力されたデータであることを保証し、また、両データ同士が関連するものであることを保証してデータベース100に保存する。
つまりは、文書管理装置1が、取引管理サーバ200から出力される「文書データ」を管理するにあたって、取引管理サーバ200との連携(第1の連携)がなされ、ユーザによる変更操作やデータ更新の手続が行われないため、所定条件の下で「文書データ」の取得から保存までの自動化処理(半自動化処理)を行うことが可能となる。
【0023】
上記の文書管理装置1と取引管理サーバ200の「連携(第1の連携)」は、これら装置を利用する利用者(ユーザ)を認証する認証処理が行われ、双方においてユーザ認証した相手先(ユーザ)が特定され、そのユーザに必要な情報を送受信することが可能な状態を示す。以下、この連携を「データ連携」とも称することがある。特に、文書管理装置1と取引管理サーバ200の連携については、予め定められた所定フォーマットからなる「取引データ」と、この取引データと一群を構成する「文書データ」とを所定の保存領域を介してユーザに受け渡し可能な状態にすることである。
一方で、「データ連携されていない状態」とは、上記のデータ連携の態様とは異なり、単に相手先をURLやメールアドレス等の相手先特定情報によって特定し、その相手先の特定情報に対して情報を送受信する処理を行うものであり、双方において相手方を認証してデータ送受信がなされる状態とは異なる。この「データ連携されていない状態」では、特定した所定フォーマットの取引データの出力や送受信を行うものに限られず、文書管理装置1に対して任意のデータ形式からなるデータの送受信を行うことが可能な状態である。
つまりは、不図示の外部の認証サーバ(SSO(Single Sign On)サーバ)を用いて利用者(ユーザ)を認証することで、認証された利用者が、文書管理装置1、取引管理サーバ200を利用し、利用者自身によるデータ受信、利用者によるデータ送信が可能となる。
また、この認証処理によって、後述する、外部サーバ300においても、認証された利用者が、利用者自身によるデータ受信、利用者によるデータ送信が可能となる。
【0024】
<<文書管理装置と外部サーバの通信(連携によるデータの相互アクセス)>>
文書管理装置1は、
図3に示すように、取引に関する管理サービスを提供する1つのまたは複数の外部サーバ300と通信可能であって、外部サーバ300と接続して連携(第2の連携)する。この連携は、相互における管理仕様(どのようなデータをデータ形式で送受信するかなどの取り決め)などをコネクションする処理である。
これにより、「取引データ」に基づいて生成されて外部サーバ300で用いられる「管理仕様データ」と、外部サーバ300にて「管理仕様データ」に基づいて作成される「管理データ」との受け渡しを文書管理装置1と、外部サーバ300との間で行うことが可能になる。
そして、文書管理装置1は、取引管理サーバ200から出力され、データベース100に保存された「文書データ」と、当該文書データに関連付けされた取引データに基づいて作成され、外部サーバ300に保存された「管理データ」とをリンクして(結び付けて)、相互にアクセスできるようにする。
【0025】
「管理仕様データ」とは、外部サーバ300が提供する管理サービスで用いられ、「管理データ」を作成するために、必要な項目やその項目に設定可能なデータの形式等の仕様を定めて、これら項目に対して具体的な内容を設定したデータである。管理仕様データは、文書管理装置1に保存された「取引データ」を基にして生成されるデータである。
具体的には、「管理仕様データ」には、管理データの作成に必要な内容として「取引先名(取引者)」、「取引日」、「取引金額」その他の管理内容(取引文書の種類、取引メモなど)の項目が設定されているほか、作成元となった「取引データ」を特定するための識別情報の項目が設定されている。また、これらの項目に対して、具体的な内容のデータが含まれる。
より具体的には、上記管理サービスが「会計サービス」である場合に、「管理仕様データ」は、会計データを作成するための会計仕訳データになる。会計仕訳データには、会計データの作成に必要な情報として「請求者」、「支払者」、「日付」、「支払金額(仕訳情報とも言う。)」その他の会計内容(会計文書の種類、会計メモなど)の項目と、各項目に対する具体的な内容データが含まれているほか、作成元となった「取引データ」を特定するための識別情報の項目と、その項目に対する具体的な内容データが含まれる。
【0026】
「管理データ」とは、管理サービスを提供する外部サーバ300によって作成されて保存されている電子データ(電子文書)であって、管理サービスの基礎となり、管理サービスの根幹をなす基礎データである。「管理データ」は、文書管理装置1から送信される「管理仕様データ」に基づいて作成される。
例えば、「管理データ」が会計サービスの基礎データとなる「会計データ」である場合、当該会計データには、上述した「請求者」、「支払者」、「日付」、「支払金額」その他の会計内容が当然に含まれている。
なお、「管理データ」と、当該管理データの基となった「管理仕様データ」とは関連付けされた状態で外部サーバ300に保存される。このときの保存にあたって、外部サーバ300では管理データ、管理仕様データの少なくとも一方の項目ごとに、改変または変更を禁止する禁止設定を行う。この禁止設定は、管理データの保存設定(「所定の項目に禁止設定を行う」、「すべての項目に禁止設定を行う」、「すべての項目に禁止設定を行わない」など)に基づき、設定されるものである。
「管理仕様データ」は、例えば外部サーバ300に保存された複数の管理データの中から、所定の管理データを検索する際に検索条件として用いられても良い。つまりは、「管理仕様データ」は、管理データの信憑(エビデンス)として用いられ、管理データの確認、検索、データ集計の際に用いられるデータとして用いられても良い。
【0027】
なお、外部サーバ300で提供される「管理サービス」としては、会計サービスのほか、営業管理システム、顧客管理システム、販売管理システム、人事管理システム、ERPシステムに関する管理サービス等であっても良い。
例えば、上記管理サービスが「営業管理」に関するサービスである場合、「管理仕様データ」とは、営業データを作成するための「営業仕様データ」になる。営業仕様データには、「営業者(営業担当者)」、「日付」、「営業件数」、「売上金額」、「売上目標」、「顧客情報」等の管理内容である営業内容が含まれる。
例えば、上記管理サービスが「顧客管理」に関するサービスである場合、「管理仕様データ」とは、顧客データを作成するための「顧客仕様データ」になる。顧客仕様データには、「顧客情報(顧客の属性情報)」、「問合せ履歴」、「商談履歴」、「日付」等の管理内容である顧客内容が含まれる。
例えば、上記管理サービスが「販売管理」に関するサービスである場合、「管理仕様データ」とは、販売データを作成するための「販売仕様データ」になる。販売仕様データには、「販売品情報」、「在庫情報」、「販売金額」、「仕入れ・発注情報」、「日付」等の管理内容である販売内容が含まれる。
例えば、上記管理サービスが「人事管理」に関するサービスである場合、「管理仕様データ」とは、人事データを作成するための「人事仕様データ」になる。人事仕様データには、「従業員情報」、「勤怠情報」、「人事評価」、「採用情報」、「日付」等の管理内容である人事内容が含まれる。
例えば、上記管理サービスが「ERP」に関するサービスである場合、「管理仕様データ」とは、企業基幹データを作成するための「基幹仕様データ」になる。基幹仕様データには、「業務情報」、「販売情報」、「人事情報」、「生産情報」、「会計情報」、「日付」等の管理内容である基幹内容が含まれる。
文書管理装置1は、異なる管理サービスをそれぞれ提供する複数の外部サーバ300と通信可能に接続されている。
【0028】
詳しく述べると、文書管理装置1は、
図2、
図3に示すように、取引管理サーバ200から出力され、関連付けされた「文書データ」及び「取引データ」をデータベース100に保存しておき、所定のユーザ操作を受け付けると、データベース100に保存された「取引データ」に基づいて「管理仕様データ」を生成する。また、「管理仕様データ」の基となる取引データに関連付けされた「文書データ」にアクセスするための「アクセス情報(URL、IPアドレス、文書識別情報など)」(「第1外部アクセス情報」とも称する)を生成する。
文書管理装置1は、「管理仕様データ」及び「アクセス情報」を外部サーバ300に向けて送信する。このとき、「管理仕様データ」の基となった「取引データ」を共に送信しても良い。当該取引データは、管理仕様データと共通の内容を含むものになる。
これにより、文書管理装置1は、取引管理サーバ200から出力された取引データに基づく「管理仕様データ」を生成し、当該データの信憑性を保証した状態で外部サーバ300へと送信することができる。また、上記取引データに関連付けされた文書データへの「アクセス情報」を共に送信できる。
【0029】
外部サーバ300は、管理サービス(例えば会計サービス)を提供するサーバであって、文書管理装置1と同様に、クラウドコンピューティングに関する装置又はオンプレミスを構成する装置である。
外部サーバ300は、文書管理装置1から受け取った「管理仕様データ」に基づいて「管理データ」を作成し、当該管理データに対し文書管理装置1から受け取った「アクセス情報」を付与する。すなわち、「管理データ」に「アクセス情報」を関連付けてデータベース301に保存する。このときの管理データは、例えば、管理仕様データを構成する項目とその項目に対応する管理データの項目との対応付け情報をもとに、転記や複製することによって作成されるものである。また、管理仕様データを構成する項目をもとに、あらかじめ学習したロジックをもとに管理データの項目を設定するものである。
これによって、外部サーバ300では、管理している管理データが、文書管理装置1のどのようなデータ(管理仕様データ)によって作成されたものであるかを、利用者が容易に判断することができる。また、外部サーバ300によって管理される管理データから管理仕様データへのアクセスが簡単にできるようになる。また、外部サーバ300は、データベース301に保存された「管理データ」にアクセスさせることを可能とするための「外部アクセス情報(URL、IPアドレス、文書識別情報など)」を作成する。
なお、外部サーバ300は、文書管理装置1から「管理仕様データ」及び「取引データ」を受け取った場合には、当該管理仕様データと当該取引データとを保存し、これらデータを基に「管理データ」を作成しても良い。この場合、外部サーバ300が管理する管理データから管理仕様データ、取引データそれぞれへのアクセスが簡単にできるようになる。
【0030】
外部サーバ300は、管理データに対応する文書データを識別するための「文書データ識別情報(文書データID)」と、当該管理データにアクセス可能な「外部アクセス情報」とを文書管理装置1へと送信する。もちろん、当該管理データに対応する「取引データ」を送信しても良い。
文書管理装置1は、外部サーバ300から「文書データ識別情報」、「外部アクセス情報」を受信すると、「外部アクセス情報」をもとに、その「外部アクセス情報」によりアクセス可能な管理データの作成に用いた「管理仕様データ」を特定し、その「管理仕様データ」の作成に用いた当該「取引データ」に関連付けされている「文書データ」に対し、この「外部アクセス情報」を付与する。あるいは、「文書データ識別情報」によって識別された「文書データ」に対し、この「外部アクセス情報」を付与する。このときの付与方法については後述する。
なお、外部サーバ300は、上記管理データにアクセス可能な「外部アクセス情報」のみを文書管理装置1へと送信しても良い。その場合であっても、文書管理装置1は、上記管理データに紐づいた「管理仕様データ」、「文書データ」を特定し、当該文書データに対し、この「外部アクセス情報」を付与できる。
【0031】
上記処理では、外部サーバ300は、管理データに対応する文書データを識別する「文書データ識別情報(文書データID)」と、「外部アクセス情報」とを文書管理装置1に送信しているが、外部サーバ300から文書管理装置1に「管理データ」そのものを送信しても良い。
必ずしも必要とはしないが、外部サーバ300と文書管理装置1とが、VPN(仮想専用線)技術等の高セキュリティネットワークにおいて接続されている場合や、相互における認証方法が送信元認証や暗号処理等によって確立されている場合には、外部サーバ300から文書管理装置1に「管理データ」を送信しても良い。
【0032】
この文書データへの付与方法(付与処理)として、第1に、文書データの付属データ(追加情報)として「外部アクセス情報」を設定することがある。
この付属データは、文書データの内容に「外部アクセス情報」が含まれる文書の内部データであって、例えば、文書データの最終ページ等を新たに追加してその最終ページ等に「外部アクセス情報」を設定する方法がある。このほか、ページのヘッダーやフッターなどに「外部アクセス情報」を設定しても良い。
【0033】
また、文書データへの付与方法(付与処理)として、第2に、文書データの属性データ(そのほか「プロパティ」、「アトリビュート」とも表現される。)として「外部アクセス情報」を設定することがある。この属性データは、文書データに関する詳細情報であって、文書の外部データである。
このような付与方法は、利用者によって文書の種別(種類)ごとに設定情報として設定することができる。文書管理装置1は、設定する文書の種別を識別し、その種別に応じた設定情報に基づいて第1の付与方法若しくは第2の付与方法を選択する。そして、文書
は、選択したいずれかの方法によって文書データに「外部アクセス情報」を付与する。
【0034】
このほか、文書管理装置1では、外部サーバ300に送信した「管理仕様データ」に含まれる識別情報を外部サーバ300から受信することで、その識別情報によって識別される「取引データ」を特定し、その取引データに関連付けられている「文書データ」に「外部アクセス情報」を付与してもよい。
これによって、文書管理装置1では、保存された文書データに対して、「外部アクセス情報」を用いることで、その文書データに対してどのようなデータ(管理データ)が作成されたものであるかを、利用者が容易に判断することができる。また、外部サーバ300が管理する「管理データ」へ簡単にアクセスできるようになる。
【0035】
これにより、文書管理装置1と外部サーバ300の間で対応するデータ同士の相互アクセスができるようになる。これは、一方の機器(装置)において管理・保存するデータから、他方の機器(装置)において管理・保存する他のデータへアクセスできるものである。
また、外部サーバ300では、文書管理装置1から受信した「管理仕様データ」を用いて「管理データ」を作成することができるため、利用者による、外部サーバ300への入力の手間を削減することができる。また、利用者による誤入力、ユーザが間違った文書データを用いて管理データを確認する処理等が発生してしまうことを防止することもできる。
【0036】
また、文書管理装置1では、外部サーバ300から受信した外部アクセス情報をもとに、管理データにアクセスし、その管理データと、管理仕様データとが一致するか否かを判断し、内容のチェックを行うことも可能である。このときの一致性の判断は、少なくとも管理仕様データに含まれる項目データ(取引内容の情報)と、管理データに含まれる当該項目データとが同一であるか否かを比較することで行われる。
このほか、文書管理装置1が外部サーバ300から「管理データ」を受信している場合、文書管理装置1は、この「管理データ」と、管理仕様データとが一致するか否かの判断を行っても良い。この場合、この一致性の判断において新たに、文書管理装置1と外部サーバ300との通信が発生することなく、判断することができるため、ネットワーク負荷をかけることを防止できる。
このような一致性の判断により、単に、データの相互リンクを設定するのに比べて、実際に登録されたデータの一致性を確認でき、データにより高い信頼性を保証することが可能となる。
【0037】
上記文書管理システムSでは、取引管理サーバ200と文書管理装置1が接続して連携されると(第1の連携)、文書管理装置1は、取引管理サーバ200から出力された「文書データ」及び「取引データ」をデータベース100に保存し、当該文書データの信憑性を保証した状態で(タイムスタンプを付与して)管理する。
また、文書管理装置1と外部サーバ300が接続して連携されると(第2の連携)。文書管理装置1は、データベース100に保存された「文書データ」と、外部サーバ300にて当該文書データに関連付けされた「取引データ」及び「管理仕様データ」に基づいて作成された「管理データ」とをリンクする。そうすることで、文書管理装置1は、外部サーバ300(データベース301)で保存された当該管理データの信憑性を保証することができる。
つまりは、
図2、
図3に示すように、取引管理サーバ200から文書管理装置1を経由して外部サーバ300へとデータの受け渡しがなされるときに、文書管理装置1が、当該データの信憑性を保証した状態でデータ管理することができる。
【0038】
上記構成において、外部サーバ300は、データベース301に保存された「管理データ」に含まれる管理内容がユーザ操作の処理によって変更されると、当該管理内容の変更内容を検知し、ユーザに向けて報知する。そして、外部サーバ300は、当該管理データに含まれる管理内容の変更があったことを文書管理装置1に通知する。
文書管理装置1は、外部サーバ300から上記変更通知を受け取ると、上記管理内容の変更履歴(変更内容、変更者、変更日等の情報)を記録し、文書管理装置1(データベース100)で保存された「管理データ」に関連付けて保存する。
【0039】
<文書管理システムのハードウェア構成>
文書管理装置1は、
図2、
図3に示すように、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDD(SSD)と、インターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースと、を備えたコンピュータである。
文書管理装置1の記憶装置(メモリ)には、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、文書管理プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPU(プロセッサ)によって実行されることにより、文書管理装置1の機能が発揮されることになる。あるいは、CPUを実装した半導体集積回路又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)によって実行されても良い。
データベース100、取引管理サーバ200、外部サーバ300、データベース301についても同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
なお、文書管理装置1は、有線又は無線通信を介してスキャン装置2と接続されている。取引管理サーバ200も同様にスキャン装置201と接続されている。
【0040】
<文書管理システムの機能>
文書管理装置1は、
図4に示すように、機能面から説明すると、「文書データ」、「取引データ」、「管理仕様データ」、「管理データ」等、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部10のほか、「サーバが作成した文書データを保存する機能」を実行すべく、データ取得部11と、データ登録部12と、データ表示部13と、データ関連付け部14と、スタンプ付与部15と、データ保存部16と、抽出部17と、取引照合部18と、結果報知部19と、取引更新部20と、履歴記録部21と、を主な構成要素として備えている。
また、文書管理装置1は、「保存した文書データを照会・送信する機能」を実行すべく、データ検索部22と、データ出力部23と、データ生成部24と、アクセス情報生成部25と、データ送信部26と、データ受信部27と、外部アクセス情報付与部28と、第2外部アクセス情報付与部29と、通知受け取り部30と、変更記録部31と、データ要求部32と、データ照合部33と、結果通知部34と、を備えている。なお、上記「保存した文書データを照会・送信する機能」の中には、文書管理装置1が外部サーバ300と連携し、データの受け渡し、データの相互アクセスを行う処理が含まれるものとする。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
【0041】
記憶部10は、取引管理サーバ200等から出力された「文書データ」及び「取引データ」を一時的に記憶する。一時記憶された「文書データ」及び「取引データ」は、文書管理装置1によって、データ登録され、関連付けが行われ、タイムスタンプが付与されて保存された後に、あるいは適宜、文書管理装置1による一元管理の下でデータベース100に格納される。
なお、記憶部10は、文書管理装置1によって生成された「管理仕様データ」と、外部サーバ300によって作成され、外部サーバ300から送信された「管理データ」とを一時的に記憶しても良い。このとき、一時記憶された「管理仕様データ」及び「管理データ」は、文書管理装置1によって関連付けが行われ、タイムスタンプが付与されて保存された後に、データベース100に格納される文書管理装置1による一元管理の下でデータベース100に格納されると良い。
【0042】
取引管理サーバ200、外部サーバ300についても機能面から説明すると、
図4に示すように、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶部210、310と、各種データを送受信する通信部211、311と、文書管理に関するサービス内容等を画面表示する画面表示部212、312と、ユーザ操作の入力又は選択を受け付けて操作処理を実行する操作実行部213、313と、を主な構成要素として備えている。
また、外部サーバ300は、「管理仕様データ」に基づいて「管理データ」を作成する管理データ作成部314と、データベース301に保存された「管理データ」にアクセスするための「外部アクセス情報」を作成するアクセス情報作成部315と、データベース301に保存された「管理データ」に含まれる管理内容に変更があったことを通知する変更通知部316と、をさらに備えている。
【0043】
以下、文書管理装置1によって提供される(1)サーバが作成した文書データを保存する機能と、(2)保存した文書データを照会・送信する機能とについて詳しく説明する。
なお、(3)サーバから受け取った文書データを保存する機能については、説明を省略する。
【0044】
<<(1)サーバ(端末)が作成した電子文書の保存>>
(1-1) 取引管理サーバ200から、当該サーバによって電子的に作成された「文書データ」及び「取引データ」が出力された場合について説明する。
まず、データ取得部11が、取引管理サーバ200から同時出力された「文書データ」及び「取引データ」を一群で取得する。
詳しく説明すると、取引管理サーバ200は、文書管理装置1と連携(第1の連携)されており、「文書データ」を出力すると、自動的に「文書データ」に対応する「取引データ」についても出力(同時出力)する。
また、「取引データ」は、文書管理装置1と共通フォーマットからなる「取引データ(例えばCSVデータ)」である。
【0045】
この場合には、データ取得部11による両データの取得を契機として(自動的に)、データ登録部12が「文書データ」及び「取引データ」を関連付けた状態で登録する。そして、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けされた「文書データ」にタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
つまり、取引管理サーバ200で一貫して電子的に作成された「文書データ」を保存するにあたっては、文書管理装置1との連携(第1の連携)がなされ、「文書データ」と「取引データ」の信憑性が客観的に保証された状態で管理可能となっている。
【0046】
図5~
図8に基づいて具体的に説明すると以下の通りである。
まず、取引管理サーバ200を通じたユーザによるログイン操作を受け付けて、文書管理装置1が
図5に示すメニュー画面40を提示(表示)する。メニュー画面40は、複数の選択項目から所定の選択項目をユーザ選択させるための一覧画面である。
図5に示すメニュー画面40には、左上に選択項目41「サーバが作成した電子文書を保存する」、右上に選択項目42「保存した文書を照会する/送る」、左下に選択項目43「サーバが受け取った文書を保存する」、が表示されている。より詳細には、選択項目41において項目41a「電子文書取込」、項目41b「電子文書登録」が表示され、選択項目42において項目42a「電子文書照会」、項目42b「電子文書送信」が表示され、選択項目43において項目43a「電子文書取込」、項目43b「電子文書登録」が表示されている。
【0047】
そして、ユーザによる選択項目41「サーバが作成した電子文書を保存する」の項目41a「電子文書取込」の選択操作を受け付けると、データ取得部11が、共通のクラウドストレージ(指定した保管フォルダ)内に保管された「取引データ」及び「文書データ」を取り込む。あるいは、データ取得部11は、ユーザによって取り込むデータ(取引データ、文書データ等)が指定されることで、指定されたデータを取得しても良い。
【0048】
そして、データ表示部13が、
図6に示す文書一覧表示画面50を表示する。
図6には、文書一覧のトップに、登録状況「登録済」、文書名「請求書22040101A」、文書種類「請求書」、取引先名「リーフ一郎」、取引日「2022/4/1」、取引金額「194,000」、登録者「ブロード太郎」、タイムスタンプ「2022/4/7」、保存日「2022/4/7」、外部アクセス情報「リンク先URL」、第2外部アクセス情報「リンク先URL」が表示されている。外部アクセス情報、第2外部アクセス情報の詳細については後述する(
図14に示す文書照会画面70を用いて説明する)。
なお、登録状況が「登録済」の文書の場合には、既に「文書データ」及び「取引データ」が関連付けされ、タイムスタンプが付与され、データベース100に保存された状態である。
一方で、登録状況が「仮登録(未登録)」の文書の場合には、「文書データ」及び「取引データ」が(完全に)関連付けされておらず、タイムスタンプが付与されておらず、保存されていない状態(待ち状態)であって記憶部10に一時記憶された状態にある。また、「仮登録(未登録)」の場合には、「文書データ」のみが取り込まれた状態、「取引データ」のみが取り込まれた状態、あるいは「文書データ」及び「取引データ」が取り込まれているものの、互いに関連付けされていない状態であって記憶部10に一時記憶された状態にある。
【0049】
そして、ユーザによる文書名「請求書22040101A」の選択操作を受け付けると、データ表示部13が、
図7、
図8に示す文書詳細画面60を表示する。
図7には、ウインドウ61「電子文書詳細」がポップアップ表示され、左側の表示領域61aには「取引内容の情報」が表示され、右側の表示領域61bには「文書データ(PDFデータ)」がプレビュー表示されている。
また、
図8の右側の表示領域61cには「履歴情報」が一覧表示されている。つまり、ウインドウ61の右側の表示領域には、タブ切替によって異なる情報を表示することができる。
【0050】
上記説明の通り、(1-1)の場合には、データ取得部11による両データの取得を契機として(自動的に)、データ登録部12が「文書データ」及び「取引データ」を関連付けた状態で登録し、スタンプ付与部15が「文書データ」にタイムスタンプを付与し、データ保存部16が「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
つまり、
図6~
図8に示すように、文書管理装置1が、所定のユーザ操作、ユーザによる確認処理を受け付けることなく、「電子文書(文書データ)」を「取引データ」と関連付けた状態でデータベース100に保存できる。(
図6~
図8は、電子文書が既にデータベース100に自動保存された後の様子を示している。)
【0051】
(1-2) 次に、取引管理サーバ200から一群を構成する「文書データ」及び「取引データ」のうち、「取引データ」が先に出力された場合であって、かつ、その後に出力された「文書データ」がスキャン文書データ(サーバによって文書として出力され、当該文書を電子化することで作成された文書データ)である場合について説明する。
一例として、紙媒体(電子媒体とは異なる他の媒体)を用いた文書管理に対応する場合(アナログ対応の場合)について説明する。
なお、「文書データ」がスキャン文書データではなく、サーバによって電子的に作成された文書データである場合には、後述のスキャン処理、文字認識処理(OCR処理)、照合処理を行う必要はない。
【0052】
まず、データ取得部11が取引管理サーバ200から「取引データ」を先に取得し、データ登録部12が「取引データ」を先に登録する。
詳しく説明すると、取引管理サーバ200は、文書管理装置1と連携(第1の連携)されており、「文書データ」を外部に印刷出力すると、自動的に「文書データ」に対応する「取引データ」を文書管理装置1に向けて出力する。
また、「取引データ」は、文書管理装置1と共通フォーマットからなる「取引データ(CSVデータ)」である。
【0053】
その後、データ取得部11は、取引管理サーバ200が「スキャン文書データ」を取得すると、取引管理サーバ200を通じたユーザ操作を受け付けて「スキャン文書データ」を取得し、データ関連付け部14が、予めデータ登録された「取引データ」に対し、当該取引データに対応する「スキャン文書データ」の関連付けを行う。
そして、文字認識処理(OCR処理)、ユーザによる確認処理を契機として、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられ、取引内容が確認された状態の「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
ここで「文字認識処理」とは、文書を画像データに電子化することで作成された「スキャン文書データ」から文字認識することによって取引内容の情報(取引内容情報)を抽出する抽出部17と、「スキャン文書データ」から抽出された取引内容の情報と、「スキャン文書データ」に関連付けられた「取引データ」に含まれる取引内容の情報とを照合する取引照合部18と、照合結果を報知する(表示画面上に表示するほか、所定の送信先に送信する)結果報知部19と、によって実行される処理である。
「ユーザによる確認処理」とは、ユーザ操作によって決定される確認処理である。
【0054】
このように、取引管理サーバ200から文書として印刷出力され、当該文書を電子化することで作成された「スキャン文書データ」を保存するにあたっては、まず、文書管理装置1に先に取り込まれ、登録された「取引データ」と、後に取り込まれた「スキャン文書データ」とをユーザ操作を受け付けて関連付けを行う。そして、文字認識処理、ユーザによる確認処理を契機として、「スキャン文書データ」にタイムスタンプを付与し、「スキャン文書データ」を保存する。
つまりは、文書として印刷され、再度電子化することで作成された「スキャン文書データ」の保存を行う場合には、「スキャン文書データ」と「取引データ」の間で必ずしも信憑性が保証された状態とはなっていない。そのため、「ユーザによる確認処理」を行う必要がある(自動処理によってデータを保存することはしない)。
【0055】
図5、
図9~
図12に基づいて具体的に説明すると以下の通りである。
まず、
図5に示すメニュー画面40の項目41aのユーザ選択を受け付けると、データ取得部11が、共通のクラウドストレージ内に保管された「取引データ」を先に取り込む。
なお、この時点では、「スキャン文書データ」は保管されていない。
【0056】
そして、データ表示部13が、
図9に示す文書一覧表示画面50を表示する。
図9には、文書一覧のトップに、登録状況「仮登録」、文書名「請求書23041101A」、文書種類「請求書」、取引先名「リーフ四郎」、取引日「2023/4/11」、取引金額「150,000」、登録者「ブロード太郎」、タイムスタンプ「-」、保存日「-」が表示されている。
つまり、文書名「請求書23041101A」は「仮登録」の状態であって、当該文書の「取引データ」のみがデータ登録された状態となっている。言い換えれば、「取引データ」に対応する「文書データ」の登録、関連付けを待っている状態(待ち状態、待ち受け状態)である。
【0057】
そして、ユーザによる文書名「請求書23041101A」の選択操作を受け付けると、データ表示部13が、
図10~
図12に示す文書詳細画面60を提示する。
図10には、ウインドウ61の左側の表示領域61aに「取引内容の情報」が表示されている一方で、右側の表示領域61bには何も表示されていない。
つまり、この文書については、「取引データ」が登録されているものの、スキャン文書データが未だ登録されておらず、また関連付けられていないことが分かる。
【0058】
そして、データ取得部11が「スキャン文書データ」を追って取り込んだ後に、ユーザ操作を受け付けて、データ関連付け部14が、既にデータ登録された「取引データ」に対し「スキャン文書データ」の関連付けを行う。
データの関連付けについては、データ登録された「取引データ」と、クラウドストレージ内に保管された「スキャン文書データ」とを文書IDによって、または取引先名、取引日時及び取引金額によって突き合わせることで文書管理装置1が関連付けを行い、ユーザが確認操作を行うと良い。あるいは、ユーザによる「スキャン文書データ」の選択操作、
図10においてユーザによる「スキャン文書データ」のドラッグ操作等によって、データの関連付けがなされても良い。
データの関連付けが行われると、
図11に示すように、ウインドウ61の表示領域61aに「取引内容の情報」が表示され、右側の表示領域61bに「文書データ」がプレビュー表示される。
【0059】
そして、
図11の文書詳細画面60においてユーザによる実行ボタン62「F7 AIOCR」の操作を受け付けて、抽出部17、取引照合部18、結果報知部19が、文字認識処理を行う。なお、後述するような学習データを用いてAI(人工知能)を用いた文字認識処理(AIOCR処理)を行うことも可能である。
この文字認識処理によって、結果報知部19が、表示領域61aにある「取引データ」の取引内容の情報と、表示領域61bにある「スキャン文書データ」から抽出された取引内容の情報との照合結果を提示する。
【0060】
具体的には、結果報知部19は、取引内容の照合が取れた場合(互いの取引内容が一致した場合)には、その旨(例えば照合結果「取引内容が一致しました」)を提示し、ユーザに対して照合結果を報知する。そして、ユーザによる確認処理後、ユーザによる実行ボタン63「F12 タイムスタンプ+保存」の操作を受け付けて、スタンプ付与部15が、取引内容の照合が取れた状態の「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
あるいは、実行ボタン63の操作を受け付けることなく、照合結果を用いたユーザによる確認処理(取引内容の照合が取れたこと)を契機として、スタンプ付与部15がタイムスタンプを自動付与し、データ保存部16が両データを自動保存しても良い。
【0061】
一方で、結果報知部19は、取引内容の照合が取れなかった場合(互いの取引内容が不一致の場合、取引内容の情報が異なる場合)には、照合が取れなかった取引内容を報知する(表示画面に表示する)。
例えば、
図11に示す表示領域61aにある取引金額が「150,000」であって、表示領域61bにおいて抽出された取引金額が「160,000」であった場合には、照合が取れなかった取引内容(上記例では、表示領域61aにある取引金額と、表示領域61bにおいて抽出された取引金額とが異なる旨)を報知する。
ユーザは、照合結果として、表示領域61aにある取引金額と、表示領域61bにおいて抽出された取引金額とが異なることを認識することができ、ユーザがこの違いを許諾する確認処理を行うと、取引更新部20が、表示領域61aにある取引金額「150,000」を、表示領域61bにおいて抽出された取引金額「160,000」で更新する(上書きする)。反対に、ユーザがこの違いを許諾しない確認処理を行うと、更新されず当初の表示されていた内容が継続されることとなる。
そして、データ関連付け部14が、ユーザによる確認処理によって確認された後の取引内容の情報(更新情報)と「スキャン文書データ」とを関連付ける。
そして、ユーザによる実行ボタン63の操作を受け付けて、スタンプ付与部15が、「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が両データを保存する。あるいは、ユーザによる確認処理が行われたことを契機として(自動的に)、スタンプ付与部15がタイムスタンプを付与し、データ保存部16が両データを保存しても良い。
【0062】
ところで、
図11に示す文書詳細画面60において右側の表示領域61bをタブ切り替えすることで、
図12に示すように、右側の表示領域61cに「履歴情報」が一覧表示される。表示領域61cには、履歴記録部21によって記録された履歴情報が一覧表示されている。
詳しく述べると、履歴記録部21は、取引管理サーバ200から出力された「文書データ」及び「取引データ」に対して行われたユーザ操作の履歴情報と、照合が取れなかった取引内容(異なる取引内容)の情報に対する更新情報と、を少なくとも記録している。言い換えれば、履歴記録部21は、「文書データ」及び「取引データ」に対して行われた一連の処理の履歴情報を記録している。
具体的には、ユーザ操作の履歴情報として、
図12の表示領域61cには、更新者「ブロード太郎」、処理「新規」及び履歴内容「仮登録」や、処理「AIOCR」及び履歴内容「取引内容」が表示されている。
また、更新情報として
図12の表示領域61cには、更新者「-」、処理「自動更新」、履歴内容「取引金額」が表示されている。
そうすることで、例えば更新された取引内容が間違った状態でデータ保存された場合であっても、間違った更新情報の履歴を記録しておくことで、時系列を遡って間違った情報の入力記録をたどることができる。すなわち、履歴情報を記録することで、トレーサビリティを確保できる。
【0063】
上記説明の通り、(1-2)の場合には、取引管理サーバ200から両データが出力されるものの、「取引データ」と「スキャン文書データ」の間で必ずしも信憑性が保証された状態とはなっていない(スキャン文書データが加工されている場合がある)。すなわち、(1-1)のように自動処理によってデータを保存することはしない。
そのため、文書管理装置1に先に取り込まれ、登録された「取引データ」と、後に取り込まれた「スキャン文書データ」とをユーザによる確認処理を契機として関連付けを行う必要がある。そして、文字認識処理、ユーザによる確認処理を経て、スタンプ付与部15が「スキャン文書データ」にタイムスタンプを付与し、データ保存部16が「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
【0064】
<<(2)保存した文書データの照会・送信>>
(2-1) ユーザ操作による所定の文書データの「照会」を受け付けた場合について説明する。
【0065】
まず、
図13に示すメニュー画面40の選択項目42「保存した文書を照会する/送る」の項目42a「電子文書照会」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1が
図14に示す文書照会画面70を提示する。
なお、
図14に示す文書照会画面70では、既に文書データの一覧が表示されているものの、実際のところ、ユーザによる実行ボタン71「検索開始」の操作を受け付ける前は、文書データの一覧が表示されていない状態となる。
【0066】
文書照会画面70において、ユーザによる検索項目の入力を受け付けて、実行ボタン71「検索開始」の操作を受け付けると、文書管理装置1が検索項目に基づいて検索を開始する。
詳しく述べると、データ検索部22が、取引管理サーバ200から所定の文書データの検索要求を受け付けて、データベース100に保存された複数の文書データの中から、照会対象となる文書データを検索する。
データ検索部22は、「取引データ」に含まれる取引内容の情報を検索条件として、取引データに関連付けられた「文書データ」を検索する。
検索条件となる「取引内容の情報」は、
図14に示すように、取引先(取引先名)、取引日、取引金額の情報である。そのほか、取引データに関連する情報として、登録状況、文書種類、文書名の情報のほか、保存者、保存日、登録者、タイムスタンプの日付の情報をさらに検索候補としても良い。
このほか、「取引データ」に含まれる取引内容の情報や、取引データに関連する情報を検索に用いるラベルとして設定し(ラベリング処理)、そのラベルをもとに検索処理を行うこととしても良い。
【0067】
そして、データ出力部23が、データ検索部22によって検索された、対象となる「文書データ」を出力する。このときの出力形態の一例として、対象となる「文書データ」を表示画面上に提示する。
データ出力部23は、対象となる「文書データ」と、文書データに関連付けられた取引データとを表示画面上に提示する。
詳しく述べると、データ出力部23は、
図14に示す文書照会画面70のように、対象となった文書データの一覧を表示する。
図14には、文書(文書データ)一覧のトップに、ダウンロード「ダウンロード先URL」、登録状況「登録済」、文書ID「*」、文書名「請求書22040101A」、種類「請求書」、取引先「リーフ一郎」、取引日「2022/4/1」、取引金額「194,000」、登録者「ブロード太郎」、タイムスタンプ「2022/4/7」、保存日「2022/4/7」、外部アクセス情報「リンク先URL」、第2外部アクセス情報「リンク先URL」等が表示されている。
【0068】
また、ユーザによる文書名「請求書22041101A」の選択操作を受け付けると、データ出力部23が、不図示の文書詳細画面を提示する。
当該文書詳細画面では、例えば
図7に示すように、左側の表示領域に「取引データ」の内容が表示され、右側の表示領域には「文書データ」の内容が表示される。
つまり、データ出力部23は、
図14に示す文書照会画面70、不図示の文書詳細画面を通じて、対象となる「文書データ」と、文書データに関連付けられた「取引データ」とを提示する。
【0069】
図14には、対象となった文書データの外部アクセス情報、第2外部アクセス情報が表示されている。
前者(外部アクセス情報)については、外部アクセス情報付与部28が、データベース100に保存された「文書データ」に対し、外部サーバ300(データベース301)に保存され、文書データに対応している「管理データ(元データ)」への外部アクセス情報(URLなど)を付与したものである。
上記「管理データ(元データ)」とは、外部サーバ300によって作成された管理データのオリジナルデータである。
例えば、
図14において文書名「請求書22041101A」の実行ボタン72「外部アクセス情報」の選択操作を受け付けると、データ出力部23は、外部サーバ300に保存された「管理データ(元データ)」にアクセスし、当該管理データの内容を表示画面上に提示する。
上記のように外部アクセス情報を付与することで、「文書データ」と、文書データに対応する「管理データ(元データ)」の繋がりを容易に把握できる。また、外部サーバ300に保存された元データに対し文書管理が行われていることを確認できる。
【0070】
後者(第2外部アクセス情報)については、第2外部アクセス情報付与部29が、データベース100に保存された「文書データ」に対し、取引管理サーバ200に記憶され、文書データに対応している「対応文書データ(元データ)」への第2外部アクセス情報(URL、IPアドレス、文書識別情報など)を付与したものである。
「対応文書データ」とは、取引管理サーバ200によって作成された文書データのオリジナルデータである。
例えば、
図14において文書名「請求書22041101A」の実行ボタン73「第2外部アクセス情報」の選択操作を受け付けると、データ出力部23は、取引管理サーバ200に記憶された「対応文書データ」にアクセスし、対応文書データの内容を表示画面上に提示する。
上記のように第2外部アクセス情報を付与することで、「文書データ」と「対応文書データ(元データ)」の繋がりを容易に把握できる。また、取引管理サーバ200に記憶された元データに対し文書管理が行われていることを確認できる。
なお、
図14では、全ての文書データに外部アクセス情報、第2アクセス情報が設定された例を示しているが、もちろん、これら情報が設定される前の状態である場合には表示されることはなく、「-」などが表示される。そのほか、これらアクセス情報によってアクセスできない状態(所謂、リンク切れ)が起こっている場合にはその旨を表示する。また、上述の一致性の判断処理によって、「管理データ」と、「管理仕様データ」とが一致する場合と、一致しない場合として表示形態(色、形状)を異ならせても良い。
【0071】
(2-2) 次に、ユーザ操作による所定の文書データ(文書データに対応する管理仕様データ)の「送信(送信要求)」を受け付けた場合について説明する。
具体的には、文書管理装置1が、所定のユーザ操作を受け付けて、データベース100に保存された「取引データ」に基づいて「管理仕様データ」を生成し、当該「管理仕様データ」を外部サーバ300に向けて送信する場合について説明する。
【0072】
まず、
図15に示すメニュー画面40の選択項目42「保存した文書を照会する/送る」の項目42b「電子文書送信」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1が
図16に示す文書送信画面80を提示する。
なお、
図16に示す文書送信画面80では、ユーザによる実行ボタン81「検索開始」の操作を受け付ける前は、文書データの一覧が表示されていない状態となる。
【0073】
文書送信画面80において、ユーザによる検索項目の入力を受け付けて、実行ボタン81「検索開始」の操作を受け付けると、文書管理装置1が、送信対象となる「文書データ」を表示画面に提示する。
また、ユーザによる文書名「請求書22041101A」の選択操作(実行ボタン82の操作)を受け付けると、データ出力部23が、不図示の文書詳細画面を提示する。
当該文書詳細画面において送信先の情報のユーザ入力、選択を受け付けた後、実行ボタン83「文書送信」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1が送信先に「文書データ」及び「取引データ」を送信する。または、文書管理装置1が送信先に「文書データ(取引データ)」に対応する「管理仕様データ」を送信することができる。
以下、
図3に示す送信態様(送信パターン)について、具体的な処理内容を説明する。
【0074】
(2-2-1)文書管理装置と外部サーバの通信(連携によるデータ送信)
図3に示すように、文書管理装置1は、外部サーバ300と通信可能であって、外部サーバ300と接続して連携し、外部サーバ300との間でデータの受け渡しを行う。
【0075】
具体的には、文書管理装置1(データ生成部24)は、データベース100に保存された所定の「文書データ」に関連付けされた「取引データ」に基づいて「管理仕様データ」を生成する。「管理仕様データ」は、外部サーバ300が提供する管理サービスに用いられ、「管理データ」を作成するための仕様データである。
アクセス情報生成部25は、「管理仕様データ」の生成に用いた取引データに関連付けされた上記「文書データ」にアクセス可能な「アクセス情報(URL等)」を生成する。
そして、データ送信部26は、文書管理装置1によって生成された「管理仕様データ」及び「アクセス情報」を外部サーバ300に向けて送信する。このとき、「管理仕様データ」の基となった「取引データ」を共に送信しても良い。
【0076】
外部サーバ300が文書管理装置1から「管理仕様データ」及び「アクセス情報」を受け取ると、管理データ作成部314は、当該管理仕様データに基づいて「管理データ」を作成する。「管理データ」は、管理サービスの基礎となり、管理サービスの根幹をなす基礎データである。
また、管理データ作成部314は、「管理データ」に対し文書管理装置1から受け取った「アクセス情報」を付与する。詳しく述べると、「管理データ」に「管理仕様データ」及び「アクセス情報」を関連付けてデータベース301に保存する。
アクセス情報作成部315は、データベース301に保存された「管理データ」にアクセスするための「外部アクセス情報(URL等)」を作成する。
そして、外部サーバ300は、管理データに対応する文書データを識別する「文書データ識別情報(文書データID)」と、当該管理データにアクセス可能とする「外部アクセス情報」とを文書管理装置1へと送信する。このとき、「管理データ」の作成の基となった、当該管理データに対応する「文書データ」を特定するために、外部サーバ300は、「管理データ」の作成の基となった「取引データ」を併せて送信しても良い。
【0077】
文書管理装置1(データ受信部27)が外部サーバ300から「文書データ識別情報」及び「外部アクセス情報」を受け取ると、外部アクセス情報付与部28は、上記「管理仕様データ」の生成に用いた取引データに関連付けされた上記「文書データ」に対し「外部アクセス情報」を付与する。
これにより、文書管理装置1は、取引管理サーバ200から出力され、データベース100に保存された「文書データ」と、当該文書データに関連付けされた取引データに基づいて作成され、外部サーバ300(データベース301)に保存された「管理データ(元データ)」とをリンクできる。つまりは、文書管理装置1と外部サーバ300の間でデータの相互アクセスを実現できる。
【0078】
具体的には、
図14に示す通り、データ出力部23が、対象となる「文書データ」と、当該文書データに付与された「外部アクセス情報」とを文書照会画面70に表示する。
例えば、文書名「請求書22041101A」の実行ボタン72「外部アクセス情報」の選択操作を受け付けると、データ出力部23は、外部サーバ300に保存された「管理データ(元データ)」にアクセスし、当該管理データの内容を表示画面に提示する。
【0079】
また、第2外部アクセス情報付与部29は、データベース100に保存された「文書データ」に対し、取引管理サーバ200に記憶され、当該文書データに対応する「対応文書データ(元データ)」へアクセスするための「第2外部アクセス情報」を付与する。
そして、
図14に示す通り、データ出力部23は、対象となる「文書データ」と、当該文書データに付与された「第2外部アクセス情報」とを文書照会画面70に表示する。
例えば、文書名「請求書22041101A」の実行ボタン73「第2外部アクセス情報」の選択操作を受け付けると、データ出力部23は、取引管理サーバ200に記憶された「対応文書データ(元データ)」にアクセスし、当該対応文書データの内容を表示画面に提示する。
つまりは、データ出力部23は、「文書データ」と、当該文書データに対応する「対応文書データ(元データ)」と、当該文書データに対応する「管理データ」とを表示画面に同時に表示する。そのため、これらデータ同士の繋がりを容易に把握することができる。
【0080】
(2-2-2)管理データの変更履歴情報の記録
外部サーバ300(データベース301)に保存された「管理データ」に含まれる管理内容がユーザ操作の処理によって変更されると、文書管理装置1は、外部サーバ300から当該管理内容の変更通知を受け取って、変更履歴情報を記録する。具体的には、以下の処理を行う。
【0081】
外部サーバ300は、データベース301に保存された「管理データ」に含まれる管理内容がユーザ操作の処理によって変更されると、当該管理内容の変更内容を検知し、外部サーバ300の利用者となるユーザに報知する。
そして、変更通知部316は、上記管理データに含まれる管理内容の変更があったことを文書管理装置1に通知する。
【0082】
文書管理装置1(通知受け取り部30)が、外部サーバ300からデータベース301に保存された管理内容の変更通知を受け取ると、変更記録部31は、当該管理内容の変更履歴(変更内容、変更者、変更日等の情報等)を記録し、文書管理装置1(データベース100)で保存された「管理データ」に関連付けて保存する。
なお、データベース301に保存された「管理データ」に含まれる管理内容に変更があった場合には、文書管理装置1は、上記変更通知を受け取ったことで、データベース301に保存された当該管理データの信憑性を保証しない状態に変更すると良い。
【0083】
そのほか、文書管理装置1は、「外部アクセス情報」をもとに、外部サーバ300(データベース301)に保存された「管理データ」にアクセスし、当該管理データに含まれる管理内容に変更がないことを確認する(監視する)。
例えば、文書管理装置1は、一定期間ごとに、「管理データ」ごとに管理内容に変更がないこと、すなわち「管理データ」ごとに管理データの作成に用いられた「管理仕様データ」に含まれる管理内容との照合を行い、照合が取れているか否かを確認する。具体的には、以下の処理を行う。このほか、上記のように外部サーバ300で保存する「管理データ」の各項目に改変又は変更を禁止する禁止設定がされている場合、すべての項目に禁止設定がされているか否かを確認することで、「管理データ」に含まれる管理内容が改変・変更されたものであるか否かを判断することも可能である。上記禁止設定の情報に加えて、この禁止設定の情報の変更履歴をもとに「管理データ」に含まれる管理内容が改変・変更されたものであるか否かを判断しても良い。すなわち、「すべての項目に禁止設定を行う」という禁止設定の情報の変更履歴が存在しない場合に「管理データ」に含まれる管理内容が改変・変更されたものではないと判断できる。一方で、「すべての項目に禁止設定を行う」という禁止設定の変更履歴が存在する場合には、「管理データ」の項目が変更できる状態になっていたことから、管理内容が改変・変更されたものではないと判断することができない。
【0084】
まず、データ要求部32は、外部サーバ300に対し、「外部アクセス情報」をもとに当該外部アクセス情報でアクセス可能な「管理データ」を要求する。
データ照合部33は、データ要求部32による要求によって外部サーバ300から取得した「管理データ」に含まれる管理内容と、データベース100に保存され、当該管理データの作成に用いられた「管理仕様データ」とを照合する。
【0085】
そして、結果通知部34は、データ照合部33による照合結果を外部サーバ300に通知する。
具体的には、結果通知部34は、データ照合部33による照合によって「管理データ」に含まれる管理内容と「管理仕様データ」とが一致する場合若しくは「管理データ」の禁止設定をもとに、照合結果を記録する。上記照合結果(一致の照合結果)をもって、文書管理装置1は、引き続き、データベース301に保存された管理データの信憑性を保証した状態でデータ管理する。
一方で、結果通知部34は、データ照合部33による照合によって「管理データ」に含まれる管理内容と「管理仕様データ」とが一致しない場合に、照合結果を記録し、外部サーバ300に保存された「管理データ」が変更されたことを外部サーバ300に通知する。そして、文書管理装置1は、上記照合結果(不一致の照合結果)をもって、データベース301に保存された管理データの信憑性を保証しない状態で管理する。
【0086】
上記文書管理システムSであれば、文書データの管理にあたって、外部のサーバや端末に保存された情報にアクセスし、必要な情報を容易に確認することが可能となる。
具体的には、文書管理装置1と外部サーバ300の間でデータの相互アクセスを実現することができる。また、文書管理装置1と取引管理サーバ200の間でもデータの相互アクセスを実現できる。
【0087】
<文書管理方法>
次に、文書管理システムSで実行される文書管理プログラム(文書管理方法)の処理について、
図17、
図18に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部10を備えた文書管理装置1の機能的な構成要素として、上述したデータ取得部11と、データ登録部12と、データ表示部13と、データ関連付け部14と、スタンプ付与部15と、データ保存部16と、抽出部17と、取引照合部18と、結果報知部19と、取引更新部20と、履歴記録部21と、データ検索部22と、データ出力部23と、データ生成部24と、アクセス情報生成部25と、データ送信部26と、データ受信部27と、外部アクセス情報付与部28と、第2外部アクセス情報付与部29と、通知受け取り部30と、変更記録部31と、データ要求部32と、データ照合部33と、結果通知部34と、を実現させるためのプログラムであって、文書管理装置1のCPU(プロセッサ)がこの文書管理プログラムを実行する。
なお、文書管理装置1の記憶部10、データベース100には、「文書データ」、「取引データ」、「管理仕様データ」、「管理データ」等がそれぞれ記憶されている。
【0088】
図17は、文書管理装置において行われる処理の流れであって、上記(1)取引管理サーバが作成した電子文書の保存に関する「文書管理方法」を示す。
図18は、文書管理装置において行われる処理の流れであって、上記(2)保存した文書データの照会・送信に関する「文書管理方法」を示す。
【0089】
図17に示す文書管理装置にて行われる文書管理方法の処理フロー(1)では、まず、データ取得部11が、取引管理サーバ200から「文書データ」と「取引データ」を一群で取得するステップ1(S1)から始まる。
【0090】
そして、ステップ2で、文書管理装置1(データ取得部11)が「文書データ」及び「取引データ」を同時に取得した場合(同時に取得したと判断した場合)には(ステップ2:Yes)、ステップ3に進む。同時に取得したと判断しない場合には(ステップ2:No)、ステップ6に進む。
【0091】
ステップ3~ステップ5では、上述の(1-1)のケースとなる。具体的には、所定のフォーマットからなる取引データと文書データが一群で出力されたケースである。
ステップ3では、取引管理サーバ200から同時出力された「文書データ」及び「取引データ」の取得を契機として、データ登録部12が両データを関連付けた状態で記憶部10に自動登録する。
そして、ステップ4で、スタンプ付与部15が「取引データ」と関連付けされた「文書データ」にタイムスタンプを自動付与する。
そして、ステップ5で、データ保存部16が、関連付けされた「文書データ」及び「取引データ」をデータベース100に自動保存する。
上記の通り、取引管理サーバ200で一貫して電子作成された「文書データ」を保存するにあたっては、文書管理装置1との連携がなされ、「文書データ」と「取引データ」の信憑性が客観的に保証された状態で管理されている。そのため、「文書データ」及び「取引データ」を一群で同時に取得した後は、両データを自動登録し、文書データにタイムスタンプを自動付与し、両データを自動保存できる。
上記(1-1)の場合、上記ステップ1~ステップ5を経て
図19のプロセスを終了する。
【0092】
ステップ6~ステップ13では、上述の(1-2)のケースとなる。具体的には、データ取得部11が取引管理サーバ200から「取引データ」を先に取得し、その後に「取引データ」に対応する「文書データ」を取得するケースである。
【0093】
ステップ6で、データ取得部11が、取引管理サーバ200から出力された「取引データ」を先に取得し、ステップ7で、データ登録部12が「取引データ」を登録する。
その後、「取引データ」が記憶部10で記憶して待機状態であるときに、ステップ8で、データ取得部11が「文書データ」を取得する。そうすると、ステップ9で、データの取得を契機として、データ関連付け部14が、予めデータ登録された「取引データ」に対し「文書データ」の関連付けを行う。
【0094】
そして、「文書データ」がスキャン文書データである場合には(ステップ10:Yes)、ステップ11に進み、ステップ11では、文書管理装置1が文字認識処理(OCR処理)を行う。
詳しく述べると、ステップ11では、抽出部17が「スキャン文書データ」から文字認識をすることによって取引内容の情報を抽出する。そして、取引照合部18が「スキャン文書データ」から抽出された取引内容の情報と、「取引データ」に含まれる取引内容の情報とを照合する。そして、結果報知部19が、照合結果を表示画面上に提示する。
一方で、「文書データ」がスキャン文書データではなく、サーバによって電子的に作成された文書データである場合には(ステップ10:No)、ステップ11に係る文字認識処理を経ることなく、ステップ12に進む。
【0095】
そして、ステップ12で、ユーザによる確認処理を契機として、スタンプ付与部15が、「取引データ」と関連付けられ、取引内容が確認された「文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、ステップ13で、データ保存部16が、関連付けられた「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
上記の通り、取引管理サーバ200から両データが出力されるものの、「取引データ」と「(スキャン)文書データ」の間で必ずしも取引内容の情報の完全一致が担保されず、その取引データの信憑性が保証された状態とはなっていない(文書データが印刷出力時に加工される場合がある。また取引データが文字認識処理時に加工される場合がある)。つまりは、(1-1)のように自動処理によってデータを保存することはしない。
そのため、文書管理装置1に先に取り込まれた「取引データ」と、後に取り込まれた「(スキャン)文書データ」とを照合した照合結果を用いた、ユーザ確認処理を経て関連付けを行う必要がある。また、文字認識処理、ユーザによる確認処理を経てタイムスタンプを付与し、データ保存する必要がある。
上記(1-2)の場合、上記ステップ1~ステップ2、ステップ6~ステップ13を経て
図19のプロセスを終了する。
【0096】
次に、
図18に示す文書管理装置にて行われる文書管理方法の処理フロー(2)について説明する。
当該フローでは、まず、文書管理装置1が、管理サービスを提供する外部サーバ300との間で通信がなされ、外部サーバ300との間で連携されていることを確認する(ステップ101)。
なお、ステップ102以降のプロセスについては、文書管理装置1が外部サーバ300との間で通信可能であることが前提となっている。
【0097】
ステップ102では、データ生成部24が、データベース100に保存された所定の「文書データ」に関連付けされた「取引データ」に基づいて「管理仕様データ」を生成する。すなわち、「文書データ」に対応する(関連する)「管理仕様データ」を生成することとなる。
そして、ステップ103で、アクセス情報生成部25が、「管理仕様データ」の生成に用いた取引データに関連付けされた上記「文書データ」にアクセスするための「アクセス情報(URL等)」を生成する。
【0098】
ステップ104では、データ送信部26が、文書管理装置1によって生成された「管理仕様データ」及び「アクセス情報」を外部サーバ300に向けて送信する。
外部サーバ300は、文書管理装置1から「管理仕様データ」及び「アクセス情報」を受け取ると、当該管理仕様データに基づいて「管理データ」を作成し、当該管理データに「アクセス情報」を付与した上で、当該管理データをデータベース301に保存する。
また、外部サーバ300は、データベース301に保存された「管理データ」にアクセスするための「外部アクセス情報」を作成する。そして、「管理データ」と、当該管理データに対応する「外部アクセス情報」とを文書管理装置1に送信する。
【0099】
ステップ105では、データ受信部27が、外部サーバ300から、管理データに対応する文書データを識別する「文書データ識別情報(文書データID)」と、管理データにアクセス可能とする「外部アクセス情報」とを受け取る。
そして、ステップ106で、外部アクセス情報付与部28が、上記「管理仕様データ」の生成に用いた取引データに関連付けされた「文書データ」に対して上記「外部アクセス情報」を付与する。
【0100】
ステップ107では、文書管理装置1が、取引管理サーバ200から出力され、データベース100に保存された「文書データ」と、当該文書データに関連付けされた取引データに基づいて作成され、外部サーバ300に保存された「管理データ(元データ)」とをリンクする。つまりは、文書管理装置1と外部サーバ300の間でデータの相互アクセスを実現する。
なお、文書管理装置1(第2外部アクセス情報付与部29)は、データベース100に保存された「文書データ」に対し、取引管理サーバ200に記憶され、当該文書データに対応する「対応文書データ(元データ)」へアクセスするための「第2外部アクセス情報」を付与することができる。そうすることで、文書管理装置1は、「文書データ」と、当該文書データに対応する「対応文書データ(元データ)」と、当該文書データに対応する「管理データ」とを表示画面に同時に表示できる(
図14参照)。
【0101】
ステップ108では、文書管理装置1(通知受け取り部30)が、外部サーバ300から、データベース301で保存された管理内容に変更があったことの通知を受け取る。
具体的には、通知受け取り部30が上記変更通知を受け取った場合には(ステップ108:Yes)、ステップ109に進み、上記変更通知を受け取っていない場合には(ステップ108:Nо)、ステップ110に進む。
【0102】
ステップ109では、変更記録部31が、上記管理内容の変更履歴(変更内容、変更者、変更日等の情報等)を記録し、文書管理装置1(データベース100)で保存された「管理データ」に当該変更履歴を関連付けて保存する。
なお、データベース301に保存された「管理データ」に含まれる管理内容に変更があった場合には、文書管理装置1によって当該管理データの信憑性が保証されない状態となる。
【0103】
ステップ110では、データ要求部32が、外部サーバ300に対し、「外部アクセス情報」をもとにアクセス可能な「管理データ」を要求する。そして、データ照合部33が、外部サーバ300から取得した「管理データ」に含まれる管理内容と、データベース100に保存され、当該管理データの作成に用いられた「管理仕様データ」とを照合確認する。
照合によって「管理データ」に含まれる管理内容に変更があることを確認した場合には(ステップ110:Yes)、ステップ111に進む。
他方で、管理内容に変更がないことを確認した場合には(ステップ110:Nо)、文書管理装置1が照合結果(一致の照合結果)を記録する。
【0104】
ステップ111では、結果通知部34が、外部サーバ300に保存された「管理データ」が変更されたことを外部サーバ300に通知する。
そして、ステップ109に進み、変更記録部31が、変更履歴(変更内容、変更者、変更日等の情報等)を記録し、データベース100で保存された「管理データ」に当該変更履歴を関連付けて保存する。
上記ステップを経て
図18のプロセスを終了する。
【0105】
上記文書管理方法であれば、文書データの管理にあたって、外部のサーバや端末に保存された情報にアクセスし、必要な情報を容易に確認することができる。具体的には、文書管理装置1と外部サーバ300の間でデータの相互アクセスを実現できる。
【0106】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、文書管理装置1が読み取り可能な記録媒体に文書管理プログラムが記憶されており、文書管理装置1が当該プログラムを読み出して実行することによって処理が実行される。ここで文書管理装置1が読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。
そのほか、文書管理装置1となる端末を利用して専用ソフトウェア、専用ウェブアプリを起動させて、ウェブブラウザ上で文書管理プログラムが実行されても良い。
【0107】
上記実施形態では、主として本発明に係る文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0108】
S 文書管理システム
1 文書管理装置
2 スキャン装置
10 記憶部
11 データ取得部
12 データ登録部
13 データ表示部
14 データ関連付け部
15 スタンプ付与部
16 データ保存部
17 抽出部
18 取引照合部
19 結果報知部
20 取引更新部
21 履歴記録部
22 データ検索部
23 データ出力部
24 データ生成部
25 アクセス情報生成部
26 データ送信部
27 データ受信部
28 外部アクセス情報付与部
29 第2外部アクセス情報付与部
30 通知受け取り部
31 変更記録部
32 データ要求部
33 データ照合部
34 結果通知部
40 メニュー画面
41~43 選択項目
41a、41b、42a、42b、43a、43b 項目
50 文書一覧表示画面
60 文書詳細画面
61 ウインドウ
61a、61b、61c 表示領域
62、63 実行ボタン
70 文書照会画面
71、72、73 実行ボタン
80 文書送信画面
81、82 実行ボタン
100 データベース
200 取引管理サーバ
201 スキャン装置
210 記憶部
211 通信部
212 画面表示部
213 操作実行部
300 外部サーバ
301 データベース
310 記憶部
311 通信部
312 画面表示部
313 操作実行部
314 管理データ作成部
315 アクセス情報作成部
316 変更通知部