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特開2024-176479画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、プログラム、および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176479
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、プログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241212BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20241212BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N23/60 500
G03B35/08
G02B7/28 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095033
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】橘内 健浩
【テーマコード(参考)】
2H059
2H151
5C122
【Fターム(参考)】
2H059AA08
2H059AA12
2H059AA24
2H059AA35
2H151AA00
2H151CD19
2H151CE07
5C122EA37
5C122FD01
5C122FH03
5C122FK08
5C122FK37
5C122FK41
5C122GA01
5C122GA23
5C122HA01
5C122HA13
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】撮像後に視差を有する2つの画像のピントずれを調整することが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置(900)は、第1光学系(301R)を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系(301L)を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する画像取得手段(1000)と、第1画像データおよび第2画像データのそれぞれに対して独立してリフォーカス処理を行うことが可能なリフォーカス手段(1004)と、第1画像データまたは第2画像データの少なくとも一方に対してリフォーカス手段でリフォーカス処理を行うことで、第1画像データと第2画像データとの合焦度合いの差を調整するピント調整手段(1003)とを有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する画像取得手段と、
前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立してリフォーカス処理を行うことが可能なリフォーカス手段と、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対して前記リフォーカス手段で前記リフォーカス処理を行うことで、前記第1画像データと前記第2画像データとの合焦度合いの差を調整するピント調整手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1画像データまたは前記第2画像データの一方を基準画像データとして決定する基準画像決定手段を更に有し、
前記ピント調整手段は、前記第1画像データまたは前記第2画像データの他方に対して、前記リフォーカス手段で前記リフォーカス処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対応する付帯情報を取得する付帯情報取得手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記基準画像決定手段は、前記付帯情報を用いて前記基準画像データを決定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ピント調整手段は、前記付帯情報により決定される所定の位置において、前記第1画像データと前記第2画像データとの前記合焦度合いの差を調整することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記基準画像決定手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれの前記合焦度合いに基づいて、前記基準画像データを決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記ピント調整手段は、前記合焦度合いの差を調整することができないと判定した場合、警告表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第1画像データは、第1画像と、互いに視差を有する第1視差画像および第2視差画像とを含み、
前記第1画像は、前記第1視差画像と前記第2視差画像とを合算して得られた画像であり、
前記第2画像データは、前記第1画像に対して視差を有する第2画像と、互いに視差を有する第3視差画像および第4視差画像とを含み、
前記第2画像は、前記第3視差画像と前記第4視差画像とを合算して得られた画像であり、
前記リフォーカス手段は、
前記第1視差画像および前記第2視差画像を用いて前記第1画像に対する前記リフォーカス処理を行うことが可能であり、
前記第3視差画像および前記第4視差画像を用いて前記第2画像に対する前記リフォーカス処理を行うことが可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1視差画像と前記第2視差画像は、前記第1光学系の互いに異なる瞳領域を通過する光束に対応する画像であり、
前記第3視差画像と前記第4視差画像は、前記第2光学系の互いに異なる瞳領域を通過する光束に対応する画像であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する画像取得手段と、
前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立してリフォーカス処理を行うことが可能なリフォーカス手段と、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対して前記リフォーカス手段による前記リフォーカス処理を調整することが可能なリフォーカス調整手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立して前記リフォーカス処理を調整することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データに対して連動して前記リフォーカス処理を調整することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立して前記リフォーカス処理を調整するか、または、前記第1画像データおよび前記第2画像データに対して連動して前記リフォーカス処理を調整するかを切り替える切り替え手段を有することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データと前記第2画像データとの合焦度合いを示す指標を表示するピント指標表示手段を有することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項15】
撮像素子と、
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像処理装置とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項16】
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得するステップと、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対してリフォーカス処理を行うことで、前記第1画像データと前記第2画像データとの合焦度合いの差を調整するステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項17】
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得するステップと、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対するリフォーカス処理を調整するための表示を行うステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項18】
請求項16または17に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの光学系を介した撮像により互いに視差を有する2つの画像を取得し、2つの画像を立体視可能に表示する技術が知られている。立体視に使用する2つの画像の間にピントずれが生じると、立体視においてユーザに違和感を与えてしまう。
【0003】
特許文献1および特許文献2には、撮像時の自動焦点調整(オートフォーカス:AF)に際して、互いに視差を有する2つの画像(視差画像)のピントずれを調整する方法が開示されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08-194274号公報
【特許文献2】特開2012-133232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2に開示された方法では、撮像後の2つの画像のピントずれを調整することはできない。
【0006】
そこで本発明は、撮像後に視差を有する2つの画像のピントずれを調整することが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての画像処理装置は、第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する画像取得手段と、前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立してリフォーカス処理を行うことが可能なリフォーカス手段と、前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対して前記リフォーカス手段で前記リフォーカス処理を行うことで、前記第1画像データと前記第2画像データとの合焦度合いの差を調整するピント調整手段とを有する。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像後に視差を有する2つの画像のピントずれを調整することが可能な画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】各実施形態に係るシステムの全体構成の一例を示す模式図である。
図2】各実施形態に係るカメラの外観図である。
図3】各実施形態に係るカメラのブロック図である。
図4】各実施形態に係るレンズユニットの構成図である。
図5】各実施形態に係る撮像画像の特徴を示す模式図である。
図6】各実施形態に係る画素配列図である。
図7】各実施形態に係る多視点撮影モードでの撮像画像に含まれる画像を示す模式図である。
図8】各実施形態に係るPCのブロック図である。
図9】第1実施形態に係るPCの処理手段のブロック図である。
図10】第1実施形態に係る動作手順を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係るPCの処理手段のブロック図である。
図12】第2実施形態に係るUI画面の一例である。
図13】第2実施形態に係る動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
<システム構成>
まず、図1(a)、(b)を参照して、本実施形態に係るシステム10について説明する。図1(a),(b)は、システム10の全体構成の一例を示す模式図である。システム10は、カメラ(撮像装置)100とパーソナルコンピュータ(PC)600とを含む。カメラ100にはレンズユニット(レンズ装置)300が装着(接続)されている。レンズユニット300の詳細は後述するが、レンズユニット300を装着することで、カメラ100は、所定の視差を有する2つの画像(静止画または動画)を一度に撮像可能である。PC600は、カメラ100などの撮像装置で撮像された画像を処理する情報処理装置である。
【0013】
図1(a)は、無線や有線などでカメラ100とPC600とが互いに通信可能に接続された構成を示す。図1(b)は、カメラ100で撮影した画像などを、ファイルベースで、外部記憶装置700を介してPC600に入力する構成を示す。外部記憶装置700は、カメラ100とPC600の一方または両方に接続される。例えば、外部記憶装置700をカメラ100に接続して、カメラ100で撮影した画像のファイルを外部記憶装置700に格納してもよい。その後、外部記憶装置700をカメラ100から取り外してPC600に接続し、外部記憶装置700に格納されたファイルをPC600が取り込んでもよい。
【0014】
次に、図2(a)、(b)を参照して、カメラ100の外観構成について説明する。図2(a)、(b)は、カメラ100の外観図である。図2(a)はカメラ100を前面側から見た斜視図、図2(b)はカメラ100を背面側から見た斜視図をそれぞれ示す。
【0015】
カメラ100は、上面に、シャッターボタン101、電源スイッチ102、モード切替スイッチ103、メイン電子ダイヤル104、サブ電子ダイヤル105、動画ボタン106、ファインダ外表示部107を有する。シャッターボタン101は、撮影準備指示あるいは撮影指示を行うための操作部材である。電源スイッチ102は、カメラ100の電源のオンとオフとを切り替える操作部材である。
【0016】
モード切替スイッチ103は、各種モードを切り替えるための操作部材である。メイン電子ダイヤル104は、シャッター速度や絞り等の設定値を変更するための回転式の操作部材である。サブ電子ダイヤル105は、選択枠(カーソル)の移動や画像送り等を行うための回転式の操作部材である。動画ボタン106は、動画撮影(記録)の開始や停止の指示を行うための操作部材である。ファインダ外表示部107は、シャッター速度や絞り等の様々な設定値を表示する。
【0017】
カメラ100は、背面に、表示部108、タッチパネル109、方向キー110、SETボタン111、AEロックボタン112、拡大ボタン113、再生ボタン114、メニューボタン115、接眼部116、接眼検知部118、タッチバー119を有する。表示部108は、画像や各種情報を表示する。タッチパネル109は、表示部108の表示面(タッチ操作面)に対するタッチ操作を検出する操作部材である。
【0018】
方向キー110は、上下左右にそれぞれ押下可能なキー(4方向キー)から構成される操作部である。方向キー110の押下した位置に応じた処理が可能である。SETボタン111は、主に選択項目を決定するときに押下される操作部材である。AEロックボタン112は、撮影待機状態で露出状態を固定するときに押下される操作部材である。
【0019】
拡大ボタン113は、撮影モードのライブビュー表示(LV表示)において拡大モードのオンとオフとを切り替えるための操作部材である。拡大モードがオンである場合にはメイン電子ダイヤル104を操作することにより、ライブビュー画像(LV画像)が拡大または縮小する。また、拡大ボタン113は、再生モードにおいて再生画像を拡大したり、拡大率を大きくしたりするときに用いられる。
【0020】
再生ボタン114は、撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作部材である。撮影モードの場合に再生ボタン114を押下することで再生モードに移行し、後述する記録媒体227に記録された画像のうち最新の画像を表示部108に表示することができる。
【0021】
メニューボタン115は、各種設定が可能なメニュー画面を表示部108に表示するために押下される操作部材である。ユーザは、表示部108に表示されたメニュー画面と、方向キー110やSETボタン111とを用いて、直感的に各種設定を行うことができる。
【0022】
接眼部116は、接眼ファインダ(覗き込み型のファインダ)117に対して接眼して覗き込む部位である。ユーザは接眼部116を介して、カメラ100内部の後述するEVF(Electronic View Finder)217に表示された映像を視認することができる。接眼検知部118は、接眼部116(接眼ファインダ117)にユーザが接眼しているか否かを検知するセンサである。
【0023】
タッチバー119は、タッチ操作を受け付けることが可能なライン状のタッチ操作部材(ラインタッチセンサ)である。タッチバー119は、右手の人差し指でシャッターボタン101を押下可能なようにグリップ部120を右手で握った状態(右手の小指、薬指、中指で握った状態)で、右手の親指でタッチ操作可能(タッチ可能)な位置に配置される。すなわち、タッチバー119は、接眼ファインダ117に接眼して接眼部116を覗き、いつでもシャッターボタン101を押下できるように構えた状態(撮影姿勢)で操作可能である。
【0024】
タッチバー119は、タッチバー119に対するタップ操作(タッチして所定期間以内にタッチ位置を移動せずに離す操作)、左右へのスライド操作(タッチした後、タッチしたままタッチ位置を移動する操作)等を受け付け可能である。タッチバー119は、タッチパネル109とは異なる操作部材であり、表示機能を備えていない。タッチバー119は、例えば各種機能を割当可能なマルチファンクションバー(M-Fnバー)として機能する。
【0025】
また、カメラ100は、グリップ部120、サムレスト部121、端子カバー122、蓋123、通信端子124等を有する。グリップ部120は、ユーザがカメラ100を構える際に右手で握りやすい形状に形成された保持部である。グリップ部120を右手の小指、薬指、中指で握ってカメラ100を保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッターボタン101とメイン電子ダイヤル104が配置される。また、同様な状態で、右手の親指で操作可能な位置にサブ電子ダイヤル105とタッチバー119が配置される。
【0026】
サムレスト部121(親指待機位置)は、カメラ100の背面側の、どの操作部材も操作しない状態でグリップ部120を握った右手の親指を置きやすい箇所に設けられたグリップ部である。サムレスト部121は、保持力(グリップ感)を高めるためのラバー部材等で構成される。
【0027】
端子カバー122は、カメラ100を外部機器(外部装置)に接続する接続ケーブル等のコネクタを保護する。蓋123は、後述する記録媒体227を格納するためのスロットを閉塞することで記録媒体227およびスロットを保護する。通信端子124は、カメラ100に対して着脱可能なレンズユニット(後述するレンズユニット200、または図1(a)、(b)に示されるレンズユニット300など)側と通信を行うための端子である。
【0028】
次に、図3を参照して、カメラ100の内部構成について説明する。図3は、カメラ100のブロック図である。なお図3において、図2(a)、(b)と同一の構成要素には図2(a)、(b)と同一の符号を付し、その構成要素の説明は適宜、省略する。図3では、カメラ100にレンズユニット(レンズ装置)200が装着されている。
【0029】
まず、レンズユニット200について説明する。レンズユニット200は、カメラ100に対して着脱可能な交換レンズである。レンズユニット200は、1眼レンズであり、通常のレンズの一例である。レンズユニット200は、絞り(開口絞り)201、レンズ202、絞り駆動回路203、AF(オートフォーカス)駆動回路204、レンズシステム制御回路205、通信端子206等を有する。
【0030】
絞り201は、開口径が調整可能に構成されている。レンズ202は、複数枚のレンズから構成される。絞り駆動回路203は、絞り201の開口径を制御することで光量を調整する。AF駆動回路204は、レンズ202を駆動して焦点を合わせる。
【0031】
レンズシステム制御回路205は、後述するシステム制御部50の指示に基づいて、絞り駆動回路203、AF駆動回路204等を制御する。レンズシステム制御回路205は、絞り駆動回路203を介して絞り201の制御を行い、AF駆動回路204を介してレンズ202の位置を変えることで焦点を合わせる。
【0032】
レンズシステム制御回路205は、カメラ100との間で通信可能である。具体的には、レンズユニット200の通信端子206と、カメラ100の通信端子124とを介して通信が行われる。通信端子206は、レンズユニット200がカメラ100側と通信を行うための端子である。
【0033】
次に、カメラ100について説明する。カメラ100は、シャッター210、撮像部211、A/D変換器212、メモリ制御部213、画像処理部214、メモリ215、D/A変換器216、EVF217、表示部108、システム制御部50を有する。
【0034】
シャッター210は、システム制御部50の指示に基づいて撮像部211の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。撮像部211は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子(イメージセンサ)である。撮像部211は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する撮像面位相差センサを有していてもよい。A/D変換器212は、撮像部211から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。なお、A/D変換器212は、撮像部211に内蔵されてもよい。
【0035】
画像処理部214は、A/D変換器212からのデータまたはメモリ制御部213からのデータに対し所定の処理(画素補間、縮小等のリサイズ処理、色変換処理等)を行う。また、画像処理部214は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御や測距制御を行う。この処理により、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等が行われる。更に、画像処理部214は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50がTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0036】
A/D変換器212からの画像データは、画像処理部214およびメモリ制御部213を介してメモリ215に書き込まれる。あるいは、A/D変換器212からの画像データは、画像処理部214を介さずにメモリ制御部213を介してメモリ215に書き込まれる。メモリ215は、撮像部211によって得られA/D変換器212によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部108やEVF217に表示するための画像データを格納する。メモリ215は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ215は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0037】
D/A変換器216は、メモリ215に格納されている表示用の画像データをアナログ信号に変換して表示部108やEVF217に供給する。したがって、メモリ215に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器216を介して表示部108やEVF217に表示される。
【0038】
表示部108やEVF217は、D/A変換器216からのアナログ信号に応じた表示を行う。表示部108やEVF217は、例えば、LCDや有機EL等のディスプレイである。A/D変換器212によってA/D変換されメモリ215に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器216でアナログ信号に変換し、表示部108やEVF217に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示が行われる。
【0039】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの回路からなる制御部である。すなわち、システム制御部50は、プロセッサであってもよく、回路であってもよく、プロセッサと回路の組み合わせであってもよい。システム制御部50は、カメラ100全体を制御する。
【0040】
システム制御部50は、不揮発性メモリ219に記録されたプログラムを実行することで、後述するフローチャートの各処理を実現する。また、システム制御部50は、メモリ215、D/A変換器216、表示部108、EVF217等を制御することにより表示制御も行う。
【0041】
また、カメラ100は、システムメモリ218、不揮発性メモリ219、システムタイマ220、通信部221、姿勢検知部222、接眼検知部118を有する。
【0042】
システムメモリ218として、例えばRAMが用いられる。システムメモリ218には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ219から読み出したプログラ等が展開される。不揮発性メモリ219は電気的に消去・記録可能なメモリであり、不揮発性メモリ219として、例えばEEPROMが用いられる。
【0043】
不揮発性メモリ219には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記録される。ここでのプログラムとは、後述するフローチャートを実行するためのプログラムである。システムタイマ220は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0044】
通信部221は、無線または有線ケーブルによって接続された外部機器との間で、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部221は、無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また通信部221は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth(登録商標) Low Energyでも外部機器と通信可能である。通信部221は、撮像部211で撮像した画像(ライブ画像を含む)や、記録媒体227に記録された画像を送信可能であり、外部機器から画像やその他の各種情報を受信することができる。
【0045】
姿勢検知部222は、重力方向に対するカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部222で検知された姿勢に基づいて、撮像部211で撮影された画像が、カメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部222で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部211で撮影された画像の画像ファイルに付加したり、検知された姿勢に応じて画像を回転したりすることが可能である。姿勢検知部222には、例えば、加速度センサやジャイロセンサ等を用いることができる。姿勢検知部222を用いて、カメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0046】
接眼検知部118は、接眼部116(接眼ファインダ117)に対する何らかの物体の接近を検知することができる。接眼検知部118には、例えば、赤外線近接センサを用いることができる。物体が接近した場合、接眼検知部118の投光部から投光した赤外線が物体で反射して赤外線近接センサの受光部で受光される。受光された赤外線の量によって接眼部116から物体までの距離を判別することができる。
【0047】
このように接眼検知部118は、接眼部116に対する物体の近接距離を検知する接眼検知を行う。接眼検知部118は、接眼部116に対する眼(物体)の接近(接眼)および離反(離眼)を検知する接眼検知センサである。非接眼状態(非接近状態)から、接眼部116に対して所定距離以内に近づく物体が検知された場合に、接眼されたと検知する。一方、接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に、離眼されたと検知する。接眼を検知する閾値と、離眼を検知する閾値とは例えばヒステリシスを設ける等して異なっていてもよい。また、接眼を検知した後は、離眼を検知するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検知した後は、接眼を検知するまでは非接眼状態であるものとする。
【0048】
システム制御部50は、接眼検知部118で検知された状態に応じて、表示部108とEVF217の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。具体的には、少なくとも撮影待機状態であって、かつ、表示先の切替設定が自動切替である場合、非接眼中は表示先を表示部108として表示をオンとし、EVF217は非表示とする。また、接眼中は表示先をEVF217として表示をオンとし、表示部108は非表示とする。なお、接眼検知部118は赤外線近接センサに限られず、接眼検知部118には、接眼とみなせる状態を検知できるものであれば他のセンサを用いてもよい。
【0049】
またカメラ100は、ファインダ外表示部107、ファインダ外表示駆動回路223、電源制御部224、電源部225、記録媒体I/F226、操作部228等を有する。
【0050】
ファインダ外表示部107は、ファインダ外表示駆動回路223によって駆動され、シャッター速度や絞り等のカメラ100の様々な設定値を表示する。電源制御部224は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出等を行う。また、電源制御部224は、その検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体227を含む各部へ供給する。
【0051】
電源部225は、アルカリ電池およびリチウム電池等の一次電池、NiCd電池、NiMH電池およびLi電池等の二次電池、ACアダプター等である。記録媒体I/F226は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体227とのインターフェースである。記録媒体227は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。記録媒体227は、カメラ100に対して着脱可能であってもよいし、カメラ100に内蔵されていてもよい。
【0052】
操作部228は、ユーザからの操作(ユーザ操作)を受け付ける入力部であり、システム制御部50に各種の指示を入力するために用いられる。操作部228は、シャッターボタン101、電源スイッチ102、モード切替スイッチ103、タッチパネル109、他の操作部229等が含まれる。他の操作部229には、メイン電子ダイヤル104、サブ電子ダイヤル105、動画ボタン106、方向キー110、SETボタン111、AEロックボタン112、拡大ボタン113、再生ボタン114、メニューボタン115、タッチバー119等が含まれる。
【0053】
シャッターボタン101は、第1シャッタースイッチ230と第2シャッタースイッチ231を有する。
【0054】
第1シャッタースイッチ230は、シャッターボタン101の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を出力する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の撮影準備処理を開始する。
【0055】
第2シャッタースイッチ231は、シャッターボタン101の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を出力する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2に応じて、撮像部211からの信号読み出しから、撮影された画像を含む画像ファイルを生成して記録媒体227に書き込むまでの一連の撮影処理を開始する。
【0056】
モード切替スイッチ103は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等の何れかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードには、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)がある。
【0057】
また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。ユーザは、モード切替スイッチ103により、上述した撮影モードの何れかに直接、切り替えることができる。あるいは、ユーザは、モード切替スイッチ103により撮影モードの一覧画面に一旦切り替えた後に、表示された複数のモードの何れかに操作部228を用いて選択的に切り替えることができる。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0058】
タッチパネル109は、表示部108の表示面(タッチパネル109の操作面)への各種タッチ操作を検出するタッチセンサである。タッチパネル109と表示部108とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル109は、光の透過率が表示部108の表示を妨げないように、表示部108の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル109における入力座標と、表示部108の表示面上の表示座標とを対応付けることで、あたかもユーザが表示部108上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を構成できる。
【0059】
タッチパネル109には、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等の様々な方式のうち何れかの方式を用いることができる。方式によって、タッチパネル109に対する接触があったことでタッチがあったと検知する方式や、タッチパネル109に対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検知する方式があるが、いずれの方式であってもよい。
【0060】
システム制御部50は、タッチパネル109に対する以下の操作あるいは状態を検出できる。
【0061】
・タッチパネル109にタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル109にタッチしたこと、すなわちタッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)という)。
【0062】
・タッチパネル109を指やペンでタッチしている状態(以下、タッチオン(Touch-On)という)。
【0063】
・タッチパネル109を指やペンがタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)という)。
【0064】
・タッチパネル109へタッチしていた指やペンがタッチパネル109から離れた(リリースされた)こと、すなわちタッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)という)。
【0065】
・タッチパネル109に何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)という)。
【0066】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出された場合も、同時にタッチオンが検出される。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0067】
これらの操作・状態や、タッチパネル109上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル109上にどのような操作(タッチ操作)が行われたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル109上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル109上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行われたと判定される。
【0068】
タッチパネル109上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックという。フリックは、言い換えればタッチパネル109上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定される(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。
【0069】
更に、複数箇所(例えば2点)を共にタッチして(マルチタッチして)、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトという。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)という。
【0070】
次に、図4を参照して、レンズユニット300について説明する。図4は、レンズユニット300の構成図である。図4では、レンズユニット300をカメラ100に装着した状態を示している。なお、図4に示されるカメラ100のうち、図3を参照して説明した構成要素と同一の構成要素には、図3と同一の符号を付し、その構成要素の説明は適宜、省略する。
【0071】
レンズユニット300は、カメラ100に対して着脱可能な交換レンズである。レンズユニット300は、視差のある右像および左像を撮像可能な2眼レンズである。本実施形態では、レンズユニット300は2つの光学系を有し、2つの光学系それぞれで、略180度の広視野角の範囲を撮像できる。具体的に、レンズユニット300の2つの光学系それぞれで、左右方向(水平角度、方位角、ヨー角)180度、上下方向(垂直角度、仰俯角、ピッチ角)180度の視野分(画角分)の被写体を撮像できる。つまり、2つの光学系それぞれで、前方半球の範囲を撮像できる。
【0072】
レンズユニット300は、複数のレンズと反射ミラー等を有する右眼光学系301R、複数のレンズと反射ミラー等を有する左眼光学系301L、レンズシステム制御回路303、AF駆動回路304を有する。右眼光学系301Rは第1光学系の一例であり、左眼光学系301Lは第2光学系の一例である。右眼光学系301Rは被写体側に配置されるレンズ302Rを有し、左眼光学系301Lは被写体側に配置されるレンズ302Lを有する。レンズ302Rとレンズ302Lは同じ方向を向いており、それらの光軸は略平行である。
【0073】
レンズシステム制御回路303は、AF駆動回路304等を制御する。レンズシステム制御回路303は、AF駆動回路304を介して右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lの位置を変えることで被写体に焦点を合わせる。各実施形態では、AF駆動回路304は右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lが連動して動作するように制御する。すなわち焦点調整はレンズユニット300全体として調整されるようになっており、焦点調整によって右像と左像との焦点ずれは発生しない。なお、右像と左像との焦点ずれについては図4に不図示の調整部で微調整することが可能であり、撮影開始前に事前に調整することができる。
【0074】
レンズユニット300は、2眼立体視が可能なVR(Virtual Reality)画像のフォーマットの1つであるVR180の画像を得るための2眼レンズ(VR180レンズ)である。本実施形態では、レンズユニット300は、右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lのそれぞれに、略180度の範囲を捉えることが可能な魚眼レンズを有する。なお、右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lのそれぞれが有するレンズで捉えることが可能な範囲は、180度の範囲よりも狭い160度程度であってもよい。
【0075】
レンズユニット300は、右眼光学系301Rを介して形成される右像(第1画像)と、左眼光学系301Lを介して形成される左像(第2画像)とを、レンズユニット300が装着されたカメラの1つまたは2つの撮像素子上に結像することができる。
【0076】
レンズユニット300は、レンズマウント部305と、カメラ100のカメラマウント部306とを介して、カメラ100に装着される。こうすることで、カメラ100の通信端子124と、レンズユニット300の通信端子307とを介して、カメラ100のシステム制御部50とレンズユニット300のレンズシステム制御回路303とが電気的に接続される。
【0077】
次に、図5を参照して、各実施形態のカメラ100で撮像される画像(撮像画像)500の特徴について説明する。図5は、画像500の特徴を示す模式図である。本実施形態では、右眼光学系301Rを介して形成される右像と、左眼光学系301Lを介して形成される左像とが、同時に(セットで)カメラ100の撮像部211に結像される。すなわち、右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lにより形成される2つの光学像(第1画像)501Rおよび光学像(第2画像)501Lが1つの撮像素子502上に形成される。
【0078】
撮像部211は、結像された被写体像(光信号)をアナログ電気信号に変換する。このようにレンズユニット300を用いることで、右眼光学系301Rと左眼光学系301Lとの2つの箇所(光学系)から、視差がある2つの画像(第1画像および第2画像)を同時に(セットで)取得することができる。取得された画像を左眼用の画像と右眼用の画像とに分けてVR表示することで、ユーザは略180度の範囲の立体的なVR画像を視聴することができる。
【0079】
次に、図6を参照して、撮像素子502の画素の配置例について説明する。図6は、撮像素子502の画素配列図であり、画素が横4画素×縦4画素配列された領域を代表的に示している。撮像素子502は、撮像光学系の瞳領域を瞳分割方向に分割して、互いに異なる瞳領域(瞳部分領域)を通過した光束に基づく信号から複数の画像信号(視差画像)を生成可能に構成されている。具体的には、各画素の光電変換領域が水平方向(瞳分割方向)に2分割されており、各光電変換領域が副画素として機能する。従って、図6は、副画素が横8画素×縦4画素配列された領域とも言うことができる。
【0080】
本実施形態において、図6の左上の2×2の画素群510は、撮像素子502に設けられた原色ベイヤー配列のカラーフィルタの繰り返し単位に対応している。従って、R(赤)の分光感度を有する画素510Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素510Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素510Bが右下に配置されている。
【0081】
また、図6の右上の画素に代表的に示すように、各画素は、横2×縦1に等分割された光電変換部を有しており、左半分の光電変換部が第1副画素511、右半分の光電変換部が第2副画素512として利用可能である。副画素511の出力を取得して得られる1つの画像と、副画素512の出力を取得して得られる1つの画像とが、1組の視点画像を構成する。したがって、カメラ100は1回の撮影によって2つの視点画像を生成することができる。
【0082】
また、各画素の第1副画素511と第2副画素512で得られる信号を加算(合算)することで、瞳分割がなされていない1つの通常画素の画素信号として利用することができる。すなわち、後述の第1画像は第1視差画像と第2視差画像とを合算して得られた画像であり、後述の第2画像は第3視差画像と第4視差画像とを合算して得られた画像である。
【0083】
本実施形態では、各マイクロレンズに対応する各画素の回路が、瞳分割された複数の光電変換部で共通の電荷蓄積部(フローティングデフュージョン部:FD部)を有して構成されている。このため、該FD部への電荷の転送と、FD部の電荷のリセットを制御することにより、各副画素からの電荷に基づく画素信号および各副画素からの電荷が混合されて出力された画素信号とが出力可能である。
【0084】
ここで各副画素に入射される異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく光学像をA像、B像、各光学像に基づく信号(電荷)をA像信号、B像信号、各副画素からの信号が混合された信号を(A+B)像信号と便宜上呼ぶ。
【0085】
本実施形態では、通常の撮影モードとして、撮像時に(A+B)像信号のみを読み出し、多視点撮影モードとして(A+B)像信号に加えてA像信号を読み出し、各撮影モードでの記録では、読み出された各画像信号に対応する画像データを記録する。
【0086】
次に、図7を参照して、多視点撮影モードで撮影した際に画像500に追加で含まれる画像について説明する。図7は、多視点撮影モードで撮影した際に画像500に追加で含まれる画像の模式図である。画像500は、図5に示されるA+B像(画像500)に追加して、A像500AおよびB像500Bを有する。
【0087】
A像500Aにおいては、右眼光学系による画像(第1視差画像)500ARおよび左眼光学系による画像(第3視差画像)500ALが含まれる。同様に、B像500Bにおいては右眼光学系による画像(第2視差画像)500BRおよび左眼光学系による画像(第4視差画像)500BLが含まれる。画像500ARと画像500BRは互いに視差を有し、画像500ALと画像500BLは互いに視差を有する。後述の第1実施形態および第2実施形態においては、多視点撮影モードで撮影することを前提として説明を行う。
【0088】
次に、図8を参照して、PC600の内部構成について説明する。図8は、PC600のブロック図である。制御部601は、例えばCentral Processing Unit(CPU)であり、PC600全体を制御する。Read Only Memory(ROM)602は、プログラムやパラメータを非一時的に記憶する。Random Access Memory(RAM)603は、外部機器などから供給されるプログラムやデータを一時的に記憶する。記録媒体604は、PC600に固定して設置されたハードディスクやフラッシュメモリ、あるいはPC600に対して着脱可能な光ディスク、磁気カード、光カード、ICカード、メモリカードなどである。カメラ100が撮影した画像のファイルは、記録媒体604から読み出される。
【0089】
操作部605は、PC600に対するユーザの操作を受け付ける。ユーザが操作を行う際に用いる操作部材は、PC600に設けられたボタンやタッチパネルなどであってもよく、またはPC600に対して着脱可能なキーボードやマウスなどでもよい。表示部606は、PC600が保持するデータや外部から供給されたデータなどを表示する。表示部606はPC600の一部であってもよいし、PC600とは別体の表示装置であってもよい。通信部607は、カメラ100などの外部機器との通信を行う。システムバス608はPC600の構成要素間を通信可能に接続する。
【0090】
後述の各実施形態におけるPC600の処理手段(画像処理装置)は、制御部601がROM602に記憶された所定のプログラムなどを作業用RAM603に展開、実行し、各部が制御部601からの指令に基づいて所定の動作を行うことにより実現される。なお各実施形態では、PC600において処理を行うものとして説明するが、カメラ100がPC600と同様の構成要素を有し、カメラ100で同様の処理を行うことも可能である。以下、各実施形態について説明する。
【0091】
<第1実施形態>
まず、図9を参照して、本発明の第1実施形態に係るPC600が備える処理手段(画像処理装置)900について説明する。図9は、処理手段(画像処理装置)900のブロック図である。
【0092】
画像取得手段1000は、記録媒体604に記憶された画像ファイルを取得する。すなわち画像取得手段1000は、第1光学系(例えば右眼光学系)を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系(例えば左眼光学系)を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する。本実施形態において、画像取得手段1000は、多視点撮影モードで撮像された画像ファイル(第1画像データおよび第2画像データ)から、以下の6つの画像を取得することができる。
【0093】
・右眼光学系で撮像された(A+B)像(第1画像)、A像(第1視差画像)、B像(第2視差画像)の3つ
・左眼光学系で撮像された(A+B)像(第2画像)、A像(第3視差画像)、B像(第4視差画像)の3つ
付帯情報取得手段1001は、画像ファイルに対応して記録された付帯情報を取得する。付帯情報は、撮影時のシャッタースピードや絞りなどの撮影情報、撮影時のカメラの姿勢情報、およびオートフォーカス情報(AF情報)などを含む。本実施形態において、AF情報とは、右眼光学系、左眼光学系のどちらでAFを行ったかを示すAF光学系情報、AFを行った座標位置情報を含む。なお、付帯情報が同一の画像ファイル内に記録される例を説明したが、付帯情報は画像ファイルと関連付けられた別のファイルに記録されていてもよい。
【0094】
基準画像決定手段1002は、後述のピント調整手段1003において基準とする画像(基準画像、基準画像データ)を決定する。本実施形態において、基準画像決定部1002は、付帯情報に含まれるAF光学系情報に基づいてAFを行った光学系の画像を基準画像として決定する。AFを行った光学系の画像は、AFを行っていない光学系と比較して、ピントが合っている可能性が高いため、AFを行った光学系の画像を基準画像として選択することが好ましい。
【0095】
なお、基準画像の決定方法としては、前述の方法に限定されるものではない。例えば、右眼光学系の(A+B)像、左眼光学系の(A+B)像のAF座標(所定の位置)におけるピントの合っている度合い(合焦度合い)を公知な手法で算出し、よりピントの合っている光学系の画像を基準画像として決定してもよい。以降、基準画像(第1画像データまたは第2画像データの一方)として選択されなかった光学系の画像(第1画像データまたは第2画像データの他方)を調整画像と呼ぶ。
【0096】
ピント調整手段1003は、調整画像に対して後述のリフォーカス手段1004を用いてリフォーカス処理を行う。すなわちピント調整手段1003は、第1画像データまたは第2画像データの少なくとも一方に対してリフォーカス処理を行うことで、第1画像データと第2画像データとの合焦度合いの差を調整する。
【0097】
より具体的には、ピント調整手段1003は、AF座標において、基準画像および調整画像のそれぞれの合焦度合いを算出する。そしてピント調整手段1003は、調整画像の合焦度合いが基準画像に対して所定の範囲内に収まるように(基準画像と調整画像の合焦度合いの差を調整するように)リフォーカス処理を行う。リフォーカス手段1004は、調整画像の光学系(第1光学系または第2光学系)における視差画像であるA像(第1視差画像または第3視差画像)およびB像(第2視差画像または第4視差画像)を用いてリフォーカス処理を行う。
【0098】
リフォーカス手段1004は、第1視差画像および第2視差画像を用いて第1画像に対するリフォーカス処理を行うことが可能であり、第3視差画像および第4視差画像を用いて第2画像に対するリフォーカス処理を行うことが可能である。なお、第1視差画像と第2視差画像は、第1光学系の互いに異なる瞳領域を通過する光束に対応する画像であり、第3視差画像と第4視差画像は、第2光学系の互いに異なる瞳領域を通過する光束に対応する画像である。
【0099】
このようにリフォーカス手段1004は、第1画像データおよび第2画像データのそれぞれに対して独立してリフォーカス処理を行うことが可能である。なお、リフォーカス処理の方法は特に限定されるものではなく、公知な方法を用いることができる。警告手段1005は、表示部606に警告表示を行う。
【0100】
次に、図10を参照して、本実施形態に係る処理手段900の動作(画像処理方法)について説明する。図10は、処理手段900の動作手順を示すフローチャートである。
【0101】
ステップS1001において、画像取得手段1000は、例えば記録媒体604から画像を取得する(画像を読み込む)。
【0102】
ステップS1002において、付帯情報取得手段1001は、付帯情報を取得する。
【0103】
ステップS1003において、基準画像決定手段1002は、基準画像および調整画像を決定する。
【0104】
ステップS1004において、ピント調整手段1003は、調整画像のピントを調整し、基準画像と調整画像のピント(合焦度合い)が合うように調整する。
【0105】
ステップS1005において、ピント調整手段1003は、基準画像と調整画像のピントが所定の範囲内に収まり、調整に成功したか否かを判定する。
【0106】
調整が失敗したと判定された場合(ピント調整手段1003が第1画像データと第2画像データの合焦度合いの差を調整することができないと判定した場合)、ステップS1006に進む。一方、調整が成功したと判定された場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0107】
ステップS1006において、警告手段1005は、調整に失敗した旨を表示部600に表示する(警告表示を行う)。その後、本フローチャートの処理を終了する。
【0108】
なお本実施形態において、ステップS1006にて警告表示を行うが、これに限定されるものではなく、例えば、後述の第2実施形態に処理を切り替えるなどしてもよい。また本実施形態において、第1画像データまたは第2画像データの一方を調整画像データとしてリフォーカス処理を行うと説明したが、これに限定されるものではなく、第1画像データおよび第2画像データの両方をリフォーカス処理してもよい。
【0109】
本実施形態によれば、多視点撮影モードで撮影された画像において、右眼光学系の画像と左眼光学系の画像のピントずれを低減することができる。
【0110】
<第2実施形態>
次に、図11および図12を参照して、本発明の第2実施形態に係るPC600が備える処理手段(画像処理装置)1100について説明する。図11は、処理手段(画像処理装置)1100のブロック図である。図12は、図12はユーザに表示されるUI画面(画面1200)の一例である。なお本実施形態において、第1実施形態と共通の説明は省略する。
【0111】
画像取得手段2000は、記録媒体604に記憶された画像ファイルを取得する。すなわち画像取得手段2000は、第1光学系(例えば右眼光学系)を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系(例えば左眼光学系)を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する。
【0112】
本実施形態において、画像取得手段2000は、多視点撮影モードで撮像された画像ファイル(第1画像データおよび第2画像データ)から、以下の6つの画像を取得することができる。
【0113】
・右眼光学系で撮像された(A+B)像(第1画像)、A像(第1視差画像)、B像(第2視差画像)の3つ
・左眼光学系で撮像された(A+B)像(第2画像)、A像(第3視差画像)、B像(第4視差画像)の3つ
付帯情報取得手段2001は、画像ファイルに対応して記録された付帯情報を取得する。付帯情報は、撮影時のシャッタースピードや絞りなどの撮影情報、撮影時のカメラの姿勢情報、およびオートフォーカス情報(AF情報)などを含む。
【0114】
本実施形態において、AF情報とは、右眼光学系または左眼光学系のどちらでAFを行ったかを示すAF光学系情報、およびAFを行った座標位置情報を含む。なお本実施形態では、付帯情報が同一の画像ファイル内に記録される例を説明したが、付帯情報は画像ファイルと関連付けられた別のファイルに記録されていてもよい。
【0115】
基準画像決定手段2002は、後述のピント調整手段2003において基準とする画像を決定する。本実施形態において、基準画像決定手段2002は、付帯情報に含まれるAF光学系情報に基づいてAFを行った光学系の画像を基準画像として決定する。AFを行った光学系の画像は、AFを行っていない光学系と比較して、ピントが合っている可能性が高いため、AFを行った光学系の画像を選択することが好ましい。
【0116】
なお、基準画像の決定方法としては、前述の方法に限定されるものではない。例えば、右眼光学系の(A+B)像、左眼光学系の(A+B)像のAF座標(図12のAF枠1204)におけるピントの合っている度合い(合焦度合い)を公知な手法で算出し、よりピントの合っている光学系の画像を基準画像として決定してもよい。以降、基準画像として選択されなかった光学系の画像を調整画像と呼ぶ。
【0117】
ピント調整手段2003は、図12の調整スライダー1201の調整値に従い、リフォーカス手段2004を用いてリフォーカス処理を行う。リフォーカス手段2004は、各光学系の視差画像であるA像(第1視差画像または第3視差画像)およびB像(第2視差画像または第4視差画像)を用いてリフォーカス処理を行う。リフォーカス処理の方法は、特に限定されるものではなく、公知な方法を用いることができる。
【0118】
ピント指標表示手段2005は、ピント調整手段2003による調整画像において、ピントの合っている度合い(合焦度合い)を公知な方法によって算出し、合焦度合いに応じて表示部606に表示を行う。すなわちピント指標表示手段2005は、第1画像データと第2画像データとの合焦度合いを示す指標を表示する。本実施形態において、例えば図12のピント指標表示1202を表示する。ピント指標表示1202において、左右2つのバーが中央のバーに近いほどピントが合っていることを示す。
【0119】
連動調整切り替え手段2006は、図12の調整スライダー1201の調整の際に左右の画像の調整を連動して動かすか否かを切り替える。本実施形態では、左右の画像を連動して調整するか否かを、図12の連動設定1203により設定可能である。また本実施形態において、UIを表示し、左右の画像を連動して調整するか否かをユーザが手動で切り替えることとしたが、自動で切り替えてもよい。
【0120】
例えば、自動的に切り替える場合、以下のように調整することができる。すなわち、基準画像を調整した場合、全体としてピントが甘いと考えらえるため連動して調整を行う。一方、調整画像を調整した場合、基準画像に対するピントずれがあると考えられるため、連動せずに個別で調整を行う。画像表示手段2007は、表示部606に右眼光学系の画像および左眼光学系の画像をそれぞれ表示する。
【0121】
このように本実施形態において、処理手段1100は、第1画像データまたは第2画像データの少なくとも一方に対してリフォーカス手段2004によるリフォーカス処理を調整することが可能なリフォーカス調整手段を有する。リフォーカス調整手段は、ピント指標表示手段2005、連動調整切り替え手段2006、または画像常時手段2007の少なくとも一つに相当する。
【0122】
次に、図13を参照して、本実施形態に係る処理手段1100の動作(画像処理方法)について説明する。図13は、処理手段1100の動作手順を示すフローチャートである。
【0123】
ステップS2001において、画像取得手段2000は、例えば記録媒体604から画像を取得する(画像を読み込む)。
【0124】
ステップS2002において、付帯情報取得手段2001は、付帯情報を取得する。
【0125】
ステップS2003において、基準画像決定手段2002は、基準画像および調整画像を決定する。
【0126】
ステップS2004において、画像表示手段2007は、右眼光学系の画像および左眼光学系の画像を表示部606に表示する。
【0127】
ステップS2005において、ピント調整手段2003は、右眼光学系の画像および左眼光学系の画像のピントを調整し、画像を更新する。
【0128】
ステップS2006において、ユーザが調整を継続する場合、ステップS2004に戻り、表示画像を更新して、継続してピント調整を行う。一方、ユーザが調整を終了する場合、本フローチャートを終了する。
【0129】
本実施形態によれば、多視点撮影モードで撮影された画像において、右眼光学系の画像と左眼光学系の画像のピントをそれぞれ調整可能であり、これらの画像のピントずれを低減することができる。
【0130】
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0131】
各実施形態によれば、撮像後に視差を有する2つの画像のピントずれを調整することが可能な画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【0132】
各実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
(構成1)
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する画像取得手段と、
前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立してリフォーカス処理を行うことが可能なリフォーカス手段と、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対して前記リフォーカス手段で前記リフォーカス処理を行うことで、前記第1画像データと前記第2画像データとの合焦度合いの差を調整するピント調整手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
(構成2)
前記第1画像データまたは前記第2画像データの一方を基準画像データとして決定する基準画像決定手段を更に有し、
前記ピント調整手段は、前記第1画像データまたは前記第2画像データの他方に対して、前記リフォーカス手段で前記リフォーカス処理を行うことを特徴とする構成1に記載の画像処理装置。
(構成3)
前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対応する付帯情報を取得する付帯情報取得手段を更に有することを特徴とする構成2に記載の画像処理装置。
(構成4)
前記基準画像決定手段は、前記付帯情報を用いて前記基準画像データを決定することを特徴とする構成3に記載の画像処理装置。
(構成5)
前記ピント調整手段は、前記付帯情報により決定される所定の位置において、前記第1画像データと前記第2画像データとの前記合焦度合いの差を調整することを特徴とする構成3または4に記載の画像処理装置。
(構成6)
前記基準画像決定手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれの前記合焦度合いに基づいて、前記基準画像データを決定することを特徴とする構成2乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
(構成7)
前記ピント調整手段は、前記合焦度合いの差を調整することができないと判定した場合、警告表示を行うことを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置。
(構成8)
前記第1画像データは、第1画像と、互いに視差を有する第1視差画像および第2視差画像とを含み、
前記第1画像は、前記第1視差画像と前記第2視差画像とを合算して得られた画像であり、
前記第2画像データは、前記第1画像に対して視差を有する第2画像と、互いに視差を有する第3視差画像および第4視差画像とを含み、
前記第2画像は、前記第3視差画像と前記第4視差画像とを合算して得られた画像であり、
前記リフォーカス手段は、
前記第1視差画像および前記第2視差画像を用いて前記第1画像に対する前記リフォーカス処理を行うことが可能であり、
前記第3視差画像および前記第4視差画像を用いて前記第2画像に対する前記リフォーカス処理を行うことが可能であることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置。
(構成9)
前記第1視差画像と前記第2視差画像は、前記第1光学系の互いに異なる瞳領域を通過する光束に対応する画像であり、
前記第3視差画像と前記第4視差画像は、前記第2光学系の互いに異なる瞳領域を通過する光束に対応する画像であることを特徴とする構成8に記載の画像処理装置。
(構成10)
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得する画像取得手段と、
前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立してリフォーカス処理を行うことが可能なリフォーカス手段と、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対して前記リフォーカス手段による前記リフォーカス処理を調整することが可能なリフォーカス調整手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
(構成11)
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立して前記リフォーカス処理を調整することを特徴とする構成10に記載の画像処理装置。
(構成12)
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データに対して連動して前記リフォーカス処理を調整することを特徴とする構成10に記載の画像処理装置。
(構成13)
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データおよび前記第2画像データのそれぞれに対して独立して前記リフォーカス処理を調整するか、または、前記第1画像データおよび前記第2画像データに対して連動して前記リフォーカス処理を調整するかを切り替える切り替え手段を有することを特徴とする構成10に記載の画像処理装置。
(構成14)
前記リフォーカス調整手段は、前記第1画像データと前記第2画像データとの合焦度合いを示す指標を表示するピント指標表示手段を有することを特徴とする構成10乃至13のいずれかに記載の画像処理装置。
(構成15)
撮像素子と、
構成1乃至14のいずれかに記載の画像処理装置とを有することを特徴とする撮像装置。
(方法1)
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得するステップと、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対してリフォーカス処理を行うことで、前記第1画像データと前記第2画像データとの合焦度合いの差を調整するステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
(方法2)
第1光学系を介した撮像により得られた第1画像データと、第2光学系を介した撮像により得られた第2画像データとを取得するステップと、
前記第1画像データまたは前記第2画像データの少なくとも一方に対するリフォーカス処理を調整するための表示を行うステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
(構成16)
方法1または2に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(構成17)
構成16に記載のプログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0133】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0134】
301R 右眼光学系(第1光学系)
301L 左眼光学系(第2光学系)
900、1100 処理手段(画像処理装置)
1000 画像取得手段
1003 ピント調整手段
1004 リフォーカス手段
図1
図2
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図5
図6
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