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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176482
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ボード、及びベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/02 20060101AFI20241212BHJP
   A47C 19/04 20060101ALI20241212BHJP
   A47C 21/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A47C19/02 A
A47C19/04 Z
A47C21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095036
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】神戸 元樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 学
(57)【要約】
【課題】コストを抑え、かつ、安全性を高めること。
【解決手段】一実施形態によると、ベッドは、第1の位置の態様と、前記第1の位置の態様より前後方向に長さ寸法が長い第2の位置の態様と、に変化するベッド本体と、前記ベッド本体に設けられた柵支持部と、前記柵支持部に着脱可能に設けられる柵と、前記前後方向と交差する方向に沿って設けられるボードと、を備える。前記ボードは、前記ボードと、前記柵と、の隙間を埋めるように前記ボードから前記柵側に突出する突出部分を有するガードを含み、前記ガードは、前記第1の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、前記第2の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、を埋める。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置の態様と、前記第1の位置の態様より前後方向に長さ寸法が長い第2の位置の態様と、に変化するベッドに用いられるボードであって、
前記ボードと、前記ベッドに設けられる柵と、の隙間を埋めるように前記ボードから前記柵側に突出する突出部分を有するガードを備え、
前記ガードは、前記第1の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、前記第2の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、を埋める、
ボード。
【請求項2】
上面視において、前記ガードの前記突出部分は、前記柵の位置より前記ベッドの内側にオフセットされる、
請求項1に記載のボード。
【請求項3】
側面視において、前記ガードの形状は、下側に逆テーパ状に形成される部分を含む、
請求項1に記載のボード。
【請求項4】
前記ガードの上側は、直線部分を含む、
請求項3に記載のボード。
【請求項5】
前記ボードは、ヘッドボード、又は、フットボードである、
請求項1に記載のボード。
【請求項6】
第1の位置の態様と、前記第1の位置の態様より前後方向に長さ寸法が長い第2の位置の態様と、に変化するベッド本体と、
前記ベッド本体に設けられた柵支持部と、
前記柵支持部に着脱可能に設けられる柵と、
前記前後方向と交差する方向に沿って設けられるボードと、
を備え、
前記ボードは、前記ボードと、前記柵と、の隙間を埋めるように前記ボードから前記柵側に突出する突出部分を有するガードを含み、
前記ガードは、前記第1の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、前記第2の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、を埋める、
ベッド。
【請求項7】
前記ガードは、検知部を含み、
前記検知部により前記ベッドを利用する利用者を含む前記ベッドの状態を検知する、
請求項6に記載のベッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ボード、及びベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドボード、又は、/及びフットボードと、サイドレールと、の間の隙間を塞ぐためにサイドガードを着脱可能に設けたベッドがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-061524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベッドの長手方向の長さ寸法を変更できるベッドがある。また、ベッドには、利用者がベッド上から転倒するのを防止するために柵がベッドの側面に設けられる。例えば、長さ寸法が第1長さのときは、ヘッドボードと、柵と、の間に隙間がなくても、第1の長さより長い第2長さのときは、ヘッドボードと、柵と、の間に隙間が生じる場合がある。ヘッドボードと、柵と、の間に隙間が生じている場合に、利用者がベッド上で転倒等した場合、利用者の身体、例えば、首が挟まれる可能性があるため、当該隙間をガードする必要がある。
【0005】
ボードと、柵と、の間の隙間を脱着可能なサイドガードでガードする方法だと、サイドガードが別部材になるため、コスト高を招来する。また、コストがかかるため、サイドガードの導入を躊躇することも考えられる。さらに、サイドガードをベッドに取り付ける作業に手間がかかる。加えて、サイドガードを取り付けることを忘れてしまう場合、または、サイドガードを取り付けるまでの間などでは、安全性を確保できない場合が生じることも考えられる。
【0006】
本発明の実施形態は、コストを抑え、かつ、安全性を高めたボード、及びベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、第1の位置の態様と、前記第1の位置の態様より前後方向に長さ寸法が長い第2の位置の態様と、に変化するベッドに用いられるボードは、前記ボードと、前記ベッドに設けられる柵と、の隙間を埋めるように前記ボードから前記柵側に突出する突出部分を有するガードを備える。前記ガードは、前記第1の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、前記第2の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、を埋める。
【0008】
実施形態によれば、ベッドは、第1の位置の態様と、前記第1の位置の態様より前後方向に長さ寸法が長い第2の位置の態様と、に変化するベッド本体と、前記ベッド本体に設けられた柵支持部と、前記柵支持部に着脱可能に設けられる柵と、前記前後方向と交差する方向に沿って設けられるボードと、を備える。前記ボードは、前記ボードと、前記柵と、の隙間を埋めるように前記ボードから前記柵側に突出する突出部分を有するガードを含み、前記ガードは、前記第1の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、前記第2の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、を埋める。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態は、コストを抑え、かつ、安全性を高めたボード、及びベッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の第1位置の態様におけるベッドの外観の一例を示す斜視図。
図2】第1位置の態様におけるベッドの上面の一例を示す上面図。
図3】第1位置の態様におけるベッドの側面の一例を示す側面図。
図4】第2位置の態様におけるベッドの外観の一例を示す斜視図。
図5】第2位置の態様におけるベッドの上面の一例を示す上面図。
図6】第2位置の態様におけるベッドの側面の一例を示す側面図。
図7】ベッド本体の一例を示す斜視図。
図8】ヘッドボードの一例を示す斜視図。
図9】ガードを内側から見た斜視図。
図10】ガードの内部の一例示す斜視図。
図11】第1の位置の態様にある場合のガードと、柵と、の位置関係の一例を示す側面図。
図12図11の上面図。
図13】第2の位置の態様にある場合のガードと、柵と、の位置関係の一例を示す側面図。
図14図13の上面図。
図15】第2実施形態のベッドの制御構成の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1位置の態様におけるベッド1の外観の一例を示す斜視図である。図2は、第1位置の態様におけるベッド1の上面の一例を示す上面図である。図3は、第1位置の態様におけるベッド1の側面の一例を示す側面図である。
【0013】
図4は、第2位置の態様におけるベッド1の外観の一例を示す斜視図である。図5は、第2位置の態様におけるベッド1の上面の一例を示す上面図である。図6は、第2位置の態様におけるベッド1の側面の一例を示す側面図である。
【0014】
図1図6に示すように、ベッド1は、ベッド本体10と、ヘッドボード11と、フットボード12と、柵13A~13Dと、を備える。ヘッドボード11の両端の上側には、ガード20A,20Bが設けられ、フットボード12の両端の上側には、ガード20C,20Dが設けられている。ベッド1は、電動式ベッドの場合で説明するが、電動式でないベッドでもよい。また、ベッド1の第1位置の態様と、第2の位置の態様と、についての詳細は、後述する。
【0015】
ベッド1は、ヘッドボード11側に利用者の頭部が位置し、フットボード12側に利用者の足が位置するようにして、利用される。以下では、利用者の頭部から足側へ向かう方向を前後方向とし、前後方向に交差する方向を左右方向、前後方向、及び左右方向に直交する方向を上下方向として説明する。
【0016】
図7は、ベッド本体10の一例を示す斜視図である。図7に示すように、ベッド本体10は、頭側フレーム14A、足側フレーム14B、及びサイドフレーム14を含む。頭側フレーム14Aはボード取付部を15A,15Bを含み、足側フレーム14Bは、ボード取付部15C,15Dを含む。
【0017】
ベッド本体10は、上面視において、前後方向を長手方向とする矩形状をしている。頭側フレーム14Aのボード取付部15A,15Bにヘッドボード11が取り付けられる。足側フレーム14Bのボード取付部15C,15Dにフットボード12が取り付けられる。図1図6に示すように、ヘッドボード11及びフットボード12は、高さ方向に沿って、ベッド本体10に取り付けられる。図3及び図6に示すように、フットボード12の第1高さは、ヘッドボード11の第2高さより距離D1だけ低くなっている。このように、フットボード12の第1高さを低くすることにより、例えば、フットボード12側に配置されたテレビをベッド1の利用者が見やすくなり、当該利用者から家族・見舞客・看護師・ケアスタッフなどの顔が見やすくなると共に会話がしやすくなる。
【0018】
ベッド本体10の側面には、柵支持部10A~10Dが設けられている。ベッド本体10の左側側面において、前側に柵支持部10A、後側に柵支持部10Bとなるように、サイドフレーム14に取り付けられる。ベッド本体10の右側側面において、前側に柵支持部10C、後側に柵支持部10Dとなるように、サイドフレーム14に取り付けられる。柵支持部10A~10Dは、それぞれ、本実施形態では、上面側、かつ、前後方向に離間して2つの凹部(図示省略)が形成されている。一方、柵13A~13Dは、2つの凹部に対応するように凸部(図示省略)が形成されている。柵13A~13Dの凸部が柵支持部10A~10Dの凹部に挿入されることにより、柵13A~13Dは、ベッド本体10に取り付けられる。また、柵13A~13Dは、それぞれ、上側に持ち上げることにより、柵支持部10A~10Dから簡単に取り外すことができる。
【0019】
ベッド1は、ベッド本体10の周囲がヘッドボード11、フットボード12、及び柵13A~13Dにより囲まれている。これにより、ベッド1を利用する利用者がベッド1から転落等することがないように構成される。
【0020】
次に、ベッド1の第1位置の態様と、第2位置の態様と、について説明する。
まず、図7を参照して、ベッド本体10の構造について説明する。
【0021】
ボード取付部15A,15Bは、頭側フレーム14Aに対して前後方向に摺動可能に設けられている。ボード取付部15A,15Bは、第1調節部材30の第1位置と第2位置とに応じて、頭側フレーム14Aからの突出寸法が調整される。第1調節部材30は、頭側フレーム14Aからボード取付部15A,15Bを突出させることができる構成であればよい。
【0022】
ボード取付部15C,15Dは、足側フレーム14Bに対して前後方向に摺動可能に設けられている。ボード取付部15C,15Dは、第2調節部材50の第1位置と第2位置とに応じて、足側フレーム14Aからの突出寸法が調整される。第2調節部材50は、足側フレーム14Bからボード取付部15C,15Dを突出させることができる構成であればよい。
【0023】
図1図3に示すベッド1の第1位置の態様は、ベッド本体10頭側、及び足側が共に第1位置にある状態である。つまり、ボード取付部15A,15Bが頭側フレーム14Aから突出せず、ボード取付部15C,15Dが足側フレーム14Bから突出してない状態である。
【0024】
これに対して、図4図6に示すベッド1の第2位置の態様は、頭側、及び足側が共に第2位置にある状態である。つまり、ボード取付部15A,15Bが頭側フレーム14Aから突出し、ボード取付部15C,15Dが足側フレーム14Bから突出している状態である。
【0025】
このようにベッド1は、第1位置の態様と、第2位置の態様と、を変化させることにより、ベッド1の前後方向の長さ寸法を簡単に変更することができる。なお、頭側のボード取付部15A,15Bを突出させ、足側のボード取付部15C,15Dを突出させないようにしてベッド1の前後方向の長さ寸法変更してもよいし、頭側のボード取付部15A,15Bを突出させず、足側のボード取付部15C,15Dを突出させるようにしてベッド1の前後方向の長さ寸法を変更するようにしてもよい。
【0026】
次に、ガード20A~20Dについて説明する。本実施形態では、上面視において、ヘッドボード11の左側に設けられるガード20Aを例に挙げて説明する。ヘッドボード11の右側に設けられるガード20Bは、ガード20Aと対称的な構成であることを除いて同一である。フットボード12に設けられるガード20C,20Dは、それぞれ、ヘッドボード11に設けられるガード20B,20Aと同一である。すなわち、ベッド1の対角上に位置するガード20A及びガード20Dが同一形状であり、ガード20B及びガード20Cが同一形状である。
【0027】
図8は、ヘッドボード11の一例を示す斜視図である。図9は、図8のヘッドボード11に設けれられたガード20Aを内側から見た斜視図である。図10は、ガード20Aの内部の一例示す斜視図である。
【0028】
図8図10に示すように、ヘッドボード11に設けられるガード20Aは、第1部材20A1と、第2部材20A2と、第3部材20A3と、により構成される。第3部材20A3は、上面視において、L字形状の金具である。第3部材20A3の第1面がヘッドボード11に、例えばボルドV1,V2により固定される。第3部材20A3の第2面が第1部材20A1を内側から支持するために用いられる。
【0029】
第1部材20A1、及び第2部材20A2は、第3部材20A3をカバーする部材であり、例えば、樹脂により形成される。第1部材20A1は、ベッド1の外側から第3部材20A3の第2面、ヘッドボード11の端部の上側、及び側面の一部をカバーする。第1部材20A1の内側部分は、嵌合部が形成される。第2部材20A2は、第3部材20A3の第1面、及び第1部材20A1の内側をカバーする。第2部材20A2は、第1部材20A1の嵌合部に嵌め込まれて固定される。側面視において、ガード20Aの下側は、逆テーパ状部分Tを含む。
【0030】
次に、ガード20A~20Dと、柵13A~13Dと、の位置関係について説明する。本実施形態では、上面視において、ヘッドボード11の左側に設けられるガード20Aと、柵13Aと、の位置関係を例に挙げて説明する。
【0031】
図11は、ベッド1が第1の位置の態様にある場合のガード20Aと、柵13Aと、の位置関係の一例を示す側面図である。図12は、図11の上面図である。図13は、ベッド1が第2の位置の態様にある場合のガード20Aと、柵13Aと、の位置関係の一例を示す側面図である。図14は、図13の上面図である。
【0032】
図11に示すように、ベッド1が第1の位置の態様にあるときは、前後方向において、ベッド1の内側に突出する第1部材20A1の突出部分P1の左側(図示の前側)に、柵13Aの一部が位置している。言い換えると、側面視において、ガード20Aの突出部分P1と、柵13Aの一部と、が重なっているしたがって、第1の位置の態様においては、ガード20Aにより、ヘッドボード11と、柵13Aと、の間に隙間が形成されない。
【0033】
また、図12に示すように、ベッド1が第1の位置の態様にあるときは、左右方向において、ヘッドボード11に設けられるガード20Aは、柵13Aの側面からベッド1の内側にオフセットされている。しかしながら、オフセットされている距離D2はわずかである。
【0034】
このように、ベッド1が第1の位置の態様にあるときは、ヘッドボード11と、柵13Aと、の間に、前後方向、及び左右方向において、利用者が挟まるような隙間が生じない。
【0035】
また、図13に示すように、ベッド1が第2の位置の態様にあるときは、前後方向において、ガード20Aからベッド1の内側に突出する第1部材20A1の突出部分P1の先端と、柵13Aの先端と、が略同位置にある。したがって、ガード20Aにより、ヘッドボード11と、柵13Aと、の間に隙間が形成されない。なお、第1部材20A1の突出部分P1の先端と、柵13Aの先端と、の一部が重なってもよい。第2の位置で突出部分P1の先端と、柵13Aの先端と、が重なる場合、前後方向の重複部分は、第1の位置の場合より、小さくなる。
【0036】
また、図14に示すように、ベッド1が第1の位置、及び第2の位置の態様にあるときは、左右方向において、ヘッドボード11に設けられるガード20Aは、柵13Aの側面からベッド1の内側にオフセットされている。このように柵13Aからガード20Aの突出部分P1がオフセットされているため、ベッド1が第1の位置の態様にあるときに、側面視において、ガード20Aの突出部分P1と、柵13Aの一部と、が重なっていても、ガード20Aの突出部分P1が邪魔をしない。また、突出部分P1がオフセットされているため、ベッド1が第1の位置の態様から、頭側のボード取付部15A,15Bを突出させ、ベッド本体10の長さ寸法を大きくして、ベッド1を第2の位置の態様に変更することが可能になる。
【0037】
このように、ベッド1が第2の位置の態様にあるときは、第1位置の態様にあるときと同様に、ヘッドボード11と、柵13Aと、の間に、前後方向、及び左右方向において、利用者が挟まるような隙間が生じない。
【0038】
なお、図11図14を参照して、ヘッドボード11の左側端部に設けられるガード20Aと、柵13Aと、の位置関係の一例について説明したが、ヘッドボード11の右側端部に設けられるガード20Bと、柵13Cと、の位置関係、及びフットボード12の両端部に設けられるガード20C,20Dと、柵13B,13Dと、の位置関係についても、同様である。
【0039】
以上説明したように、ベッド1において、ヘッドボード11、及びフットボード12にガード20A~20Dを設けたことにより、ガード20A~20Dをヘッドボード11、及びフットボード12に含めることができる。このため、隙間をガードするガード部材を別途取り付ける必要もなく、ガード部材を導入するためのコストを低くすることができる。また、ヘッドボード11、及びフットボード12に設けられているため、ガード部材を取り付ける手間を省き、付け忘れるような事態も回避することができる。このため、例えば、利用者がベッド1上で転倒した場合に、ヘッドボード11、及びフットボード12と、柵13A~13Dと、の隙間に利用者の身体、例えば、首が挟まってしまうような事態を回避することができる。したがって、ベッド1は、コストを抑え、かつ、安全性を高めることができる。
【0040】
また、左右方向において、ガード20A~20Dの位置は、柵13A~13Dの位置より、それぞれベッド1の内側にオフセットされている。このため、ガード20A~20Dの突出部分P1と、柵13A~13Dの側面と、が衝突し、ベッド1の前後方向の長さ寸法を変更できないということを防止することができる。
【0041】
さらに、ガード20A~20Dは、下側に逆テーパ状に形成されるテーパ状部分Tを含んでいる。このため、例えば、ベッド1が、例えば、第1の位置の態様にあるときに、作業者がベッド本体10上にかけられている布団、敷かれているシーツ等を取り外す場合に、布団、シーツの端部がガード20A~20Dに引っかかることがない。このため、作業者の布団交換、シーツ交換等の作業負担を軽減することができる。
【0042】
さらに、ガード20A~20Dの上側は、例えば、図11図13に示すように、直線部分を含んでいる。このため、ベッド1の利用者がベッド周辺にいる場合に、ガード20A~20Dを手すりとして使用することが可能になる。直線部分の角部を曲線状に滑らかにすることにより、寝返り等の際の手がかりとして、手をかけやすい形状にすることができる。
【0043】
(第2実施形態)
第2実施形態は、ガード20A~20Dに検知装置が含まれるように構成した点が第1実施形態と異なっている。したがって、当該異なる点について詳細に説明する。また、上記第1実施形態と同一構成には、同一符号を付し、これらについての詳細な説明は省略する。なお、本実施形態のベッド1Aは、電動式のベッドである。
【0044】
図15は、ベッド1Aの制御構成の一部を示す図である。
図15に示すように、ベッド1Aは、制御部101、通信部102、検知部111~114を含む。なお、本実施形態では、4つの検知部111~114がベッド1Aに設けられる場合で説明するが、ベッド1Aに4つの検知部111~114から選択された検知部を設けるように構成してもよいし、選択された検知部に、さらに、他の検知部を追加するよう構成してもよい。
【0045】
制御部101は、ベッド1の背ボトム、膝ボトム、フレーム等の動作制御に加え、検知部111~114の検知結果を出力する処理を実行する。通信部102は、ベッド1Aに動作指示をする操作装置、ベッド1Aと通信可能に接続された情報処理装置等と通信を行うためのインタフェースである。情報処理装置は、ベッド1Aが設置される病院等の情報を管理する管理サーバでもよいし、利用者をケアするケアスタッフの所持するスマートフォンでもよい。
【0046】
検知部111は、例えば、圧力センサである。検知部111は、本実施形態では、各ガード20A~20Dの上側部分に配置される。例えば、ガード20A~20Dの上側部分に圧力センサを配置し、当該圧力センサを被覆すればよい。これにより、検知部111は、ガード20A~20Dが掴まれたことを検知することが可能になる。検知結果は、制御部101に送信される。
【0047】
検知部112は、例えば、赤外線センサである。検知部112は、本実施形態では、各ガード20A~20Dからベッド1Aの内部へ向かう方向、つまり、前後方向に赤外線を照射するようにガード20A~20D内に配置される。これにより、検知部112は、ベッド1A上を利用者が通過したか否かを検知することができる。検知結果は、制御部101に送信される。
【0048】
検知部113は、例えば、赤外線センサである。検知部113は、本実施形態では、柵13A~13Dが配置された方向に赤外線が照射するようにガード20A~20Dにそれぞれ配置される。これにより、検知部113は、ベッド1Aに柵13A~13Dが取り付けられているか、外されているかを検知することができる。検知結果は、制御部101に送信される。
【0049】
検知部114は、例えば、赤外線センサである。検知部114は、本実施形態では、ベッド1Aの側面から少し外側方向に赤外線を照射することができるようにガード20A~20Dにそれぞれ配置される。これにより、検知部114は、ベッド1Aから布団が落ちているか否かを検知することができる。検知結果は、制御部101に送信される。
【0050】
ヘッドボード11、及びフットボード12の両端部の上側に設けられるガード20A~20Dの位置は、ベッド1A内の領域と、ベッド1A外の領域と、を区別することが可能な位置である。このため、ガード20A~20Dに検知部111~114を設け、検知結果を取得することにより、利用者を含むベッド1Aの状態を検知することが可能になる。
【0051】
また、検知結果を制御部101から情報処理装置に送信することにより、例えば、ケアスタッフは、情報処理装置により、ベッド1Aを利用する利用者を含むベッド1Aの状態をベッド1Aの近くにいなくても把握することが可能になる。
【0052】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ガード、ガードに含まれる検知部、ベッドに含まれる部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0053】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0054】
その他、本発明の実施形態として上述したガードを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのボード、及びベッドも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0055】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0056】
実施形態は、以下の態様を含む。
【0057】
(付記1)
第1の位置の態様と、前記第1の位置の態様より前後方向に長さ寸法が長い第2の位置の態様と、に変化するベッドに用いられるボードであって、
前記ボードと、前記ベッドに設けられる柵と、の隙間を埋めるように前記ボードから前記柵側に突出する突出部分を有するガードを備え、
前記ガードは、前記第1の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、前記第2の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、を埋める、
ボード。
【0058】
(付記2)
上面視において、前記ガードの前記突出部分は、前記柵の位置より前記ベッドの内側にオフセットされる、
付記1に記載のボード。
【0059】
(付記3)
側面視において、前記ガードの形状は、下側に逆テーパ状に形成される部分を含む、
付記1または2に記載のボード。
【0060】
(付記4)
前記ガードの上側は、直線部分を含む、
付記1~3のいずれか1つに記載のボード。
【0061】
(付記5)
前記ボードは、ヘッドボード、又は、フットボードである、
付記1~4のいずれか1つに記載のボード。
【0062】
(付記6)
第1の位置の態様と、前記第1の位置の態様より前後方向に長さ寸法が長い第2の位置の態様と、に変化するベッド本体と、
前記ベッド本体に設けられた柵支持部と、
前記柵支持部に着脱可能に設けられる柵と、
前記前後方向と交差する方向に沿って設けられるボードと、
を備え、
前記ボードは、前記ボードと、前記柵と、の隙間を埋めるように前記ボードから前記柵側に突出する突出部分を有するガードを含み、
前記ガードは、前記第1の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、前記第2の位置の態様時に前記ボードと、前記柵と、の間に形成される隙間と、を埋める、
ベッド。
【0063】
(付記7)
前記ガードは、検知部を含み、
前記検知部により前記ベッドを利用する利用者を含む前記ベッドの状態を検知する、
付記6のいずれか1つに記載のベッド。
【符号の説明】
【0064】
1,1A…ベッド、10…ベッド本体、10A~10D…柵支持部、11…ヘッドボード、12…フットボード、13A~13D…柵、14…サイドフレーム、15A~15D…ガード取付部、20A~20D…ガード、20A1…第1部材、20A2…第2部材、20A3…第3部材、101…制御部、102…通信部、111~114…検知部、P1…突出部分、T…テーパ状部分

図1
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