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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176488
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】スライドレール
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/477 20170101AFI20241212BHJP
【FI】
A47B88/477
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095045
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】591014271
【氏名又は名称】株式会社スカイ
(71)【出願人】
【識別番号】591015511
【氏名又は名称】高千穂交易株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】野口 広幸
(72)【発明者】
【氏名】釣船 隆司
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AB32
3B160AB47
3B160EA03
3B160EA14
3B160EA32
3B160EB74
3B160EB75
3B160EB82
(57)【要約】
【課題】長期間の使用によっても固定レールに対する移動レールの移動を規制する機能を維持することのできるスライドレールを提供する。
【解決手段】固定側部材に固定される固定レール11と、固定レール11に対して前後方向に移動自在であり、移動側部材に固定される移動レール12と、を備え、固定レール11には、側方に向かって突出し、押圧力を受けることによって突出量が小さくなる可変突起部11cが形成され、移動レールには、可変突起部11cに係合可能な係合突起部12cが形成され、移動レール12は、可変突起部11cに対して係合突起部12cが係合した状態で、固定レール11に対する前方への移動が規制され、可変突起部11cに対して係合突起部12cが係合した状態で、移動レール12に対して前方へ移動させる力を付与することによって、固定レール11に対する前方への移動の規制が解除される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側部材に対して移動側部材を前後方向に往復動自在に支持するとともに、前記固定側部材の所定位置に前記移動側部材を保持可能なスライドレールであって、
前記固定側部材に固定される固定レールと、
前記固定レールに対して前後方向に移動自在であり、前記移動側部材に固定される移動レールと、を備え、
前記固定レールおよび前記移動レールの一方には、側方に向かって突出し、押圧力を受けることによって突出量が小さくなる可変突起部が形成され、
前記固定レールおよび前記移動レールの他方には、前記可変突起部に係合可能な係合突起部が形成され、
前記移動レールは、
前記可変突起部に対して前記係合突起部が係合した状態で、前記固定レールに対する前方への移動が規制され、
前記可変突起部に対して前記係合突起部が係合した状態で、前記移動レールに対して前方へ移動させる力を付与することによって、前記固定レールに対する前方への移動の規制が解除される
スライドレール。
【請求項2】
前記可変突起部は、前記固定レールまたは前記移動レールに取り付けられる弾性を有する矩形状の板状部材を屈曲することによって、前記板状部材の長手方向の中央部側に形成され、
前記板状部材は、
長手方向の一端側が、前記固定レールまたは前記移動レールに固定されるとともに、長手方向の他端側が、前記固定レールまたは前記移動レールの外面に沿って摺動自在に支持され、
前記可変突起部に押圧力が作用すると、長手方向の他端側が、前記固定レールまたは前記移動レールの外面に沿って移動することで、前記可変突起部の突出量を小さくさせる
請求項1に記載のスライドレール。
【請求項3】
前記可変突起部は、前記固定レールまたは前記移動レールに取り付けられる弾性を有する矩形状の板状部材に形成され、
前記板状部材は、
長手方向の一端側が、前記固定レールまたは前記移動レールに固定され、
前記可変突起部に押圧力が作用すると、長手方向の他端側が、前記固定レールまたは前記移動レールの外面から離れる方向に移動することで、前記可変突起部の突出量を小さくさせる
請求項1に記載のスライドレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定側部材に対して移動側部材を所定の方向に往復動自在に支持するスライドレールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスライドレールとしては、グリル庫に固定される固定レールと、固定レールに対して前後方向に移動自在であり、グリル扉に固定される移動レールと、を備えているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のスライドレールは、固定レールの前端側において上方に張り出す板バネからなる第1突起部と、移動レールの前端側において下方に張り出す第2突起部とと、を有している。従来のスライドレールは、グリル扉がグリル庫の開口部を閉鎖した状態において、第2突起部が第1突起部の後方に位置することでグリル扉の前方への移動を規制し、グリル扉の前方への移動が規制された状態で、グリル扉に対して前方への力を付与することによって、第2突起部によって第1突起部を弾性変形させて下方に押し下げ、グリル扉の前方への移動を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-148346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のスライドレールは、グリル扉の開閉動作によって第1突起部に押圧力が作用する以外に、板バネからなる第1突起部に重力が作用し続けることになるため、長期間の使用によって第1突起部を構成する板バネが塑性変形して第1突起部の突出高さが小さくなり、グリル庫の開口部を閉鎖した状態のグリル扉の前方への移動の規制する力が小さくなり、グリル庫の開口部が意図せず開放される可能性がある。
【0006】
本発明の目的とするところは、長期間の使用によっても固定レールに対する移動レールの移動を規制する機能を維持することのできるスライドレールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスライドレールは、固定側部材に対して移動側部材を前後方向に往復動自在に支持するとともに、前記固定側部材の所定位置に前記移動側部材を保持可能なスライドレールであって、前記固定側部材に固定される固定レールと、前記固定レールに対して前後方向に移動自在であり、前記移動側部材に固定される移動レールと、を備え、前記固定レールおよび前記移動レールの一方には、側方に向かって突出し、押圧力を受けることによって突出量が小さくなる可変突起部が形成され、前記固定レールおよび前記移動レールの他方には、前記可変突起部に係合可能な係合突起部が形成され、前記移動レールは、前記可変突起部に対して前記係合突起部が係合した状態で、前記固定レールに対する前方への移動が規制され、前記可変突起部に対して前記係合突起部が係合した状態で、前記移動レールに対して前方へ移動させる力を付与することによって、前記固定レールに対する前方への移動の規制が解除される。
【0008】
また、本発明に係るスライドレールは、前記可変突起部が、前記固定レールまたは前記移動レールに取り付けられる弾性を有する矩形状の板状部材を屈曲することによって、前記板状部材の長手方向の中央部側に形成され、前記板状部材は、長手方向の一端側が、前記固定レールまたは前記移動レールに固定されるとともに、長手方向の他端側が、前記固定レールまたは前記移動レールの外面に沿って摺動自在に支持され、前記可変突起部に押圧力が作用すると、長手方向の他端側が、前記固定レールまたは前記移動レールの外面に沿って移動することで、前記可変突起部の突出量を小さくさせる、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るスライドレールは、前記可変突起部が、前記固定レールまたは前記移動レールに取り付けられる弾性を有する矩形状の板状部材に形成され、前記板状部材は、長手方向の一端側が、前記固定レールまたは前記移動レールに固定され、前記可変突起部に押圧力が作用すると、長手方向の他端側が、前記固定レールまたは前記移動レールの外面から離れる方向に移動することで、前記可変突起部の突出量を小さくさせる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、係合突起部が可変突起部に係合していない状態で、可変突起部に対して突出量が小さくなる方向に力が作用することがないので、長期間の使用によっても可変突起部の突出量が小さくなることはなく、固定レールに対する移動レールの移動を規制する機能を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールの縮小状態を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るスライドレールの伸長状態を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るスライドレールの断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る固定レールの要部斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る移動レールの移動が規制されている状態のスライドレールの要部斜視図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る移動レールの移動の規制が解除されている状態のスライドレールの要部斜視図である。
図7図7は、本発明の他の実施形態に係る固定レールの要部斜視図である。
図8図8は、本発明の他の実施形態に係る固定レールの要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図6は本発明の一実施形態を示すものであり、図1はスライドレールの縮小状態を示す斜視図であり、図2はスライドレールの伸長状態を示す斜視図であり、図3はスライドレールの断面図であり、図4は固定レールの要部斜視図であり、図5は移動レールの移動が規制されている状態のスライドレールの要部斜視図であり、図6は移動レールの移動の規制が解除されている状態のスライドレールの要部斜視図である。本実施形態においては、図1における左方を前方と記載し、図1における右方を後方と定義して説明する。
【0013】
本実施形態のスライドレール10は、例えば、食品の加熱調理を行うためのグリルの固定側部材としてのグリル庫に対して移動側部材としてのグリル扉を前後方向に移動自在に支持するものである。
【0014】
スライドレール10は、図1乃至図3に示すように、グリル庫に固定される固定レール11と、グリル扉に固定される移動レール12と、固定レール11に対して所定範囲内を移動自在に構成された固定側中間レール13と、固定側中間レール13に結合され、移動レール12を所定範囲内で移動自在に支持する移動側中間レール14と、固定レール11と固定側中間レール13との間に設けられる複数の固定側ボール15と、複数の固定側ボール15を保持する固定側リテーナ16と、移動側中間レール14と移動レール12との間に設けられる複数の移動側ボール17と、複数の移動側ボール17を保持する移動側リテーナ18と、を備えている。
【0015】
固定レール11は、例えば金属製の板状部材を屈曲することによって形成され、前後方向に延在する本体部11aと、本体部11aの上下方向両端側のそれぞれから本体部11aの一方の面側に張り出す一対の縁部11bと、を有している。本体部11aの前端側には、本体部11aの一方の面側に突出し、押圧力を付与することによって突出量が小さくなる可変突起部11cが形成されている。
【0016】
可変突起部11cは、図4に示すように、固定レール11の本体部11aに取り付けられる弾性を有する板状部材11dに形成されている。板状部材11dは、矩形状に形成された金属板である。板状部材11dには、長手方向の両端側に対して中央部側を一方の面側に張り出すように屈曲することによって、長手方向の中央部側に可変突起部11cが形成される。板状部材11dは、前端側が本体部11aに固定され、後端側が長手方向に摺動自在に本体部11aに支持されている。即ち、可変突起部11cは、押圧力が作用すると、板状部材11dの前端側が支点となって、板状部材11dの後端側が本体部11aの一方の面に沿って移動することで、突出量が小さくなる。
【0017】
また、一対の縁部11bの内面側には、図3に示すように、本体部11aの延在する方向に沿って設けられ、固定側ボール15が転動する転動溝11b1が形成されている。
【0018】
移動レール12は、例えば金属製の板状部材を屈曲することによって形成され、図3に示すように、前後方向に延在する本体部12aと、本体部12aの上下方向両端側のそれぞれから本体部12aの一方の面側に張り出す一対の縁部12bと、を有している。本体部12a前端部には、本体部12aの一方の面側に突出し、固定レール11の可変突起部11cに係合する係合突起部12cが形成されている。係合突起部12cは、本体部12aの前端部に連続する部分を本体部12aの一方の面側に屈曲することによって形成される。また、一対の縁部12bの内面側には、本体部12aの延在する方向に沿って設けられ、移動側ボール17が転動する転動溝12b1が形成されている。
【0019】
固定側中間レール13は、金属製の板状部材を屈曲することによって形成され、図3に示すように、グリル扉の移動方向に延在する本体部13aと、本体部13aの上下方向両端側のそれぞれから本体部13aの一方の面側に張り出す一対の縁部13bと、を有している。一対の縁部13bの外面側には、本体部13aの延在する方向に沿って設けられ、固定側ボール15が転動する転動溝13b1が形成されている。固定側中間レール13は、長手方向の大きさが、固定レール11の長手方向の大きさよりも小さく形成されている。
【0020】
移動側中間レール14は、金属製の板状部材を屈曲することによって形成され、図3に示すように、グリル扉の移動方向に延在する本体部14aと、本体部14aの上下方向両端側のそれぞれから本体部14aの一方の面側に張り出す一対の縁部14bと、を有している。一対の縁部14bの外面側には、本体部14aの延在する方向に沿って設けられ、移動側ボール17が転動する転動溝14b1が形成されている。移動側中間レール14は、長手方向の大きさが、移動レール12の長手方向の大きさよりも小さく形成されている。
【0021】
ここで、固定側中間レール13は、本体部13aの他方の面を、移動側中間レール14の本体部14aの他方の面に対して、溶接等によって接合することによって一体に形成される。
【0022】
複数の固定側ボール15は、それぞれ、金属製の球形の部材であり、固定レール11の一対の縁部11bの内面側と固定側中間レール13の一対の縁部13bの外面側との間に配置される。複数の固定側ボール15は、固定レール11に対して固定側中間レール13が移動する際に、固定レール11の転動溝11b1および固定側中間レール13の転動溝13b1に沿って転動する。
【0023】
固定側リテーナ16は、金属製の板状部材からなり、固定側ボール15を保持するための複数の保持孔を有している。
【0024】
複数の移動側ボール17は、それぞれ、金属製の球形の部材であり、移動側中間レール14の一対の縁部14bの外面側と移動レール12の一対の縁部12bの内面側との間に配置される。複数の移動側ボール17は、移動側中間レール14に対して移動レール12が移動する際に、移動側中間レール14の転動溝14b1および移動レール12の転動溝12b1に沿って転動する。
【0025】
移動側リテーナ18は、金属製の板状部材からなり、移動側ボール17を保持するための複数の保持孔を有している。
【0026】
以上のように構成されたスライドレール10は、固定レール11がグリル庫に固定され、移動レール12がグリル扉に固定された状態で使用される。
【0027】
このとき、移動レール12を、固定レール11に対する前後方向の移動範囲内における、最大限度まで後方に位置させた状態では、図5に示すように、固定レール11の前端側に設けられた可変突起部11cの後側に、移動レール12の係合突起部12cが位置している。この状態において、移動レール12は、係合突起部12cが可変突起部11cに係合することによって、固定レール11に対する前方の移動が規制され、固定レール11に対して前後方向の位置が保持される。
【0028】
また、可変突起部11cの後側に係合突起部12cが位置している状態において、固定レール11に対して移動レール12を前方に移動させると、移動レール12の係合突起部12cが固定レール11の可変突起部11cに接触する。可変突起部11cに係合突起部12cが接触した状態で、さらに、固定レール11に対して移動レール12を前方へ移動させる力を作用させると、可変突起部11cに押圧力が作用して可変突起部11cの突出量が減少し、係合突起部12cが可変突起部11cを通過可能となる。これにより、移動レール12は、図6に示すように、固定レール11に対して前方に移動させることが可能となる。
【0029】
このように、本実施形態のスライドレールによれば、グリル庫に対してグリル扉を前後方向に往復動自在に支持するとともに、グリル庫の所定位置にグリル扉を保持可能なスライドレール10であって、グリル庫に固定される固定レール11と、固定レール11に対して前後方向に移動自在であり、グリル扉に固定される移動レール12と、を備え、固定レール11には、側方に向かって突出し、押圧力を受けることによって突出量が小さくなる可変突起部11cが形成され、移動レールには、可変突起部11cに係合可能な係合突起部12cが形成され、移動レール12は、可変突起部11cに対して係合突起部12cが係合した状態で、固定レール11に対する前方への移動が規制され、可変突起部11cに対して係合突起部12cが係合した状態で、移動レール12に対して前方へ移動させる力を付与することによって、固定レール11に対する前方への移動の規制が解除される。
【0030】
これにより、係合突起部12cが可変突起部11cに係合していない状態で、可変突起部11cに対して突出量が小さくなる方向に力が作用することがないので、長期間の使用によっても可変突起部11cの突出量が小さくなることはなく、固定レール11に対する移動レール12の移動を規制する機能を維持することが可能となる。
【0031】
また、可変突起部11cは、固定レール11の本体部11aに取り付けられる弾性を有する矩形状の板状部材11dを屈曲することによって、板状部材11dの長手方向の中央部側に形成され、板状部材11dは、長手方向の一端側が、固定レール11に固定されるとともに、長手方向の他端側が、固定レール11の本体部11aの外面に沿って摺動自在に支持され、可変突起部11cに押圧力が作用すると、長手方向の他端側が、固定レール11の本体部11aの外面に沿って移動することで、可変突起部11cの突出量を小さくさせる、ことが好ましい。
【0032】
これにより、可変突起部11cの突出量および弾性力を調整することによって、固定レール11に対する移動レール12の前方への移動を規制する力を調整することが可能となる。
【0033】
図7および図8は本発明の他の実施形態を示すものであり、それぞれ、固定レールの要部斜視図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0034】
本実施形態のスライドレール10は、可変突起部11cが、図7および図8に示すように、固定レール11の本体部11aに取り付けられる弾性を有する板状部材11eに形成されている。板状部材11eは、矩形状に形成された金属板である。板状部材11eには、長手方向の両端側に対して中央部側を一方の面側に張り出すように屈曲することによって、長手方向の中央部側に可変突起部11cが形成される。板状部材11eは、後端側のみが本体部11aに固定されている。即ち、可変突起部11cは、押圧力が作用すると、板状部材11eの一端側が支点となって、板状部材11dの他端側が本体部11aの一方の面から離れる方向に移動することで、突出量が小さくなる。
【0035】
以上のように構成されたスライドレール10は、前記実施形態と同様に、移動レール12を、固定レール11に対する前後方向の移動範囲内における、最大限度まで後方に位置させた状態では、固定レール11の前端側に設けられた可変突起部11cの後側に、移動レール12の係合突起部12cが位置している。この状態において、移動レール12は、係合突起部12cが可変突起部11cに係合することによって、固定レール11に対する前方の移動が規制され、固定レール11に対して前後方向の位置が保持される。
【0036】
また、可変突起部11cの後側に係合突起部12cが位置している状態において、固定レール11に対して移動レール12を前方に移動させると、移動レール12の係合突起部12cが固定レール11の可変突起部11cに接触する。可変突起部11cに係合突起部12cが接触した状態で、さらに、固定レール11に対して移動レール12を前方へ移動させる力を作用させると、可変突起部11cに押圧力が作用して可変突起部11cの突出量が減少し、係合突起部12cが可変突起部11cを通過可能となる。これにより、移動レール12は、前記実施形態と同様に、固定レール11に対して前方に移動させることが可能となる。
【0037】
このように、本実施形態のスライドレールによれば、前記実施形態と同様に、係合突起部12cが可変突起部11cに係合していない状態で、可変突起部11cに対して突出量が小さくなる方向に力が作用することがないので、長期間の使用によっても可変突起部11cの突出量が小さくなることはなく、固定レール11に対する移動レール12の移動を規制する機能を維持することが可能となる。
【0038】
また、可変突起部11cは、固定レール11の本体部11aに取り付けられる弾性を有する矩形状の板状部材11eに形成され、板状部材11eは、長手方向の一端側が、固定レール11の本体部11aに固定され、可変突起部11cに押圧力が作用すると、長手方向の他端側が、固定レール11の本体部11aの外面から離れる方向に移動することで、可変突起部11cの突出量を小さくさせる、ことが好ましい。
【0039】
これにより、可変突起部11cの突出量および弾性力を調整することによって、固定レール11に対する移動レール12の前方への移動を規制する力を調整することが可能となる。
【0040】
尚、前記実施形態では、本発明のスライドレールを、グリル庫に対してグリル扉を前後方向に移動自在に支持するグリルに適用したものについて示したが、これに限られるものではなく、例えば、本体に対して引き出しを前後方向に移動自在に支持するキャビネットに対して本発明のスライドレールを適用してもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、グリル庫に固定される固定レール11に可変突起部11cが設けられ、グリル扉に固定される移動レール12に係合突起部12cを設けるようにしたものを示したが、これに限られるものではなく、固定レールに係合突起部を設け、移動レールに可変突起部を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 スライドレール
11 固定レール
11c 可変突起部
11d,11e 板状部材
12 移動レール
12c 係合突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8