(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176499
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】業務支援装置、端末、及び、業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095060
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久郷 紀之
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】 スタッフが搭乗者の搭乗口への集合度合いを容易に把握することができる業務支援装置、端末、及び、業務支援方法を提供する。
【解決手段】本開示の業務支援装置1は、乗物に搭乗口7を介して搭乗する搭乗者の誘導業務を支援する業務支援装置であって、搭乗口の周辺領域を含む集合エリアの少なくとも一部を撮像する集合エリア撮像装置11と、集合エリア撮像装置によって取得された集合エリア画像に基づいて、誘導業務を支援するための情報を生成するプロセッサ61と、を備え、プロセッサは、搭乗者を特定するための人物識別情報を含む人物情報を取得し、集合エリア画像を取得して集合エリア内にいる人物を抽出し、人物情報を用いて抽出された人物が搭乗口を介して乗物に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定し、乗物に搭乗することが予定された人物の集合状態に係る情報を出力する構成とする。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物に搭乗口を介して搭乗する搭乗者の誘導業務を支援する業務支援装置であって、
前記搭乗口の周辺領域を含む集合エリアの少なくとも一部を撮像する集合エリア撮像装置と、
前記集合エリア撮像装置によって取得された集合エリア画像に基づいて、前記誘導業務を支援するための情報を生成するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記搭乗者を特定するための人物識別情報を含む人物情報を取得し、前記集合エリア画像を取得して前記集合エリア内にいる人物を抽出し、前記人物情報を用いて抽出された人物が前記搭乗口を介して前記乗物に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定し、前記乗物に搭乗することが予定された人物の集合状態に係る情報を出力する業務支援装置。
【請求項2】
前記集合エリアに接続する入場エリアにおいて撮像する入場エリア撮像装置を備え、
前記プロセッサは、前記入場エリア撮像装置によって取得された入場エリア画像を用いて、前記搭乗者を特定するための前記人物識別情報を取得する請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記入場エリア画像から前記人物識別情報として人物特徴データを取得し、前記集合エリア画像を前記人物特徴データに照合することにより、前記集合エリア画像に写っている人物を特定する請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記集合エリア撮像装置は、前記集合エリアを撮像する複数のカメラを含む請求項2又は請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記入場エリア画像から取得された前記人物識別情報を用いて、前記集合エリアに集合していない前記搭乗者を抽出する請求項2又は請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記人物情報は介助の要否を含む介助情報を含み、
前記プロセッサは、前記人物情報に基づいて前記搭乗者の介助の要否を取得する請求項2又は請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記搭乗者の前記集合状態に基づいて、前記誘導業務を行うスタッフに要請するべき要請内容を決定する請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項8】
前記スタッフからの入力を受け付ける入力装置を備え、
前記プロセッサは、前記集合エリア画像における前記集合エリアに対応する領域の設定入力を前記入力装置において受け付ける請求項7に記載の業務支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載の業務支援装置から前記集合状態に係る情報を取得して画面表示を行い、前記誘導業務を行うスタッフに情報を通知する端末。
【請求項10】
乗物に搭乗口を介して搭乗する搭乗者の誘導業務を支援する業務支援方法であって、
前記搭乗者を特定するための人物識別情報を含む人物情報を取得し、
前記搭乗口の周辺領域を含む集合エリアの少なくとも一部を撮像する集合エリア画像を取得して前記集合エリア内にいる人物を抽出し、
前記人物情報を用いて抽出された人物が前記搭乗口を介して前記乗物に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定して前記乗物に搭乗することが予定された人物の集合状態を取得し、
前記誘導業務を行うスタッフに前記集合状態に係る情報を通知する業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物に搭乗する搭乗者の誘導業務を支援するための業務支援装置、端末、及び、業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
搭乗客が搭乗口に到着し、搭乗できるようになるためには、国際線で言えば、チェックイン、保安検査場、出国審査、など様々な手続きを経る必要がある。そこで、従来、搭乗客となる人物が目的地となる出国審査に到達するのに要する所要時間と、人物が出国審査に到達すべき時間的期限とに基づき、人物についての時間的な余裕度を判定する判定手段と、余裕度に応じた通知を送信する通信手段とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載された従来技術では、搭乗手続を管理している空港スタッフにより操作される情報表示装置に、搭乗便名に対応する搭乗予定者の一覧表が、搭乗予定者名毎のステータスとともに表示される。搭乗予定者のステータスとして、チェックインが完了しているかどうか、保安検査が完了しているかどうか、出国審査が完了しているかどうかが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の人が乗り合う航空機や、バス、電車等の乗物においては、搭乗者が搭乗口に到着していないときに、出発に遅延が生じる虞がある。そのため、スタッフが搭乗者を搭乗口に案内する誘導業務を行うことで、よりスムーズな乗物の運行業務が可能となると期待できる。
【0006】
しかしながら、搭乗口近傍に位置する人物それぞれを外見からその搭乗口を介して乗物に搭乗するか否かを把握することは容易ではない。そのため、スタッフは搭乗予定の人物がどの程度、搭乗口近傍に集合しているかを把握することが難しく、誘導業務に要する業務負荷を予測することが困難であるという問題がある。
【0007】
そこで、本開示は、スタッフが搭乗者の搭乗口への集合度合いを容易に把握することができる業務支援装置、端末、及び、業務支援方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の業務支援装置は、乗物に搭乗口を介して搭乗する搭乗者の誘導業務を支援する業務支援装置であって、前記搭乗口の周辺領域を含む集合エリアの少なくとも一部を撮像する集合エリア撮像装置と、前記集合エリア撮像装置によって取得された集合エリア画像に基づいて、前記誘導業務を支援するための情報を生成するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記搭乗者を特定するための人物識別情報を含む人物情報を取得し、前記集合エリア画像を取得して前記集合エリア内にいる人物を抽出し、前記人物情報を用いて抽出された人物が前記搭乗口を介して前記乗物に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定し、前記乗物に搭乗することが予定された人物の集合状態に係る情報を出力する構成とする。
【0009】
本開示の端末は、上記の業務支援装置から前記集合状態に係る情報を取得して画面表示を行い、前記誘導業務を行うスタッフに情報を通知する構成とする。
【0010】
本開示の業務支援方法は、乗物に搭乗口を介して搭乗する搭乗者の誘導業務を支援する業務支援方法であって、前記搭乗者を特定するための人物識別情報を含む人物情報を取得し、前記搭乗口の周辺領域を含む集合エリアの少なくとも一部を撮像する集合エリア画像を取得して前記集合エリア内にいる人物を抽出し、前記人物情報を用いて抽出された人物が前記搭乗口を介して前記乗物に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定して前記乗物に搭乗することが予定された人物の集合状態を取得し、前記誘導業務を行うスタッフに前記集合状態に係る情報を通知する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、スタッフが搭乗者の搭乗口への集合度合いを容易に把握することができる業務支援装置、端末、及び、業務支援方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る業務支援装置による業務支援が行われる空港例、及び、二点鎖線部分の拡大図
【
図2】実施形態に係る業務支援装置を含む業務支援システムの全体構成図
【
図3】実施形態に係る業務支援装置を含む業務支援システムの機能ブロック図
【
図7】集合エリア撮像装置に含まれるカメラの配置例と、それぞれの撮像範囲とを示す模式図
【
図10】(A)集合エリアを示す枠の例、及び(B)集合エリアデータベースの例
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、乗物に搭乗口を介して搭乗する搭乗者の誘導業務を支援する業務支援装置であって、前記搭乗口の周辺領域を含む集合エリアの少なくとも一部を撮像する集合エリア撮像装置と、前記集合エリア撮像装置によって取得された集合エリア画像に基づいて、前記誘導業務を支援するための情報を生成するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記搭乗者を特定するための人物識別情報を含む人物情報を取得し、前記集合エリア画像を取得して前記集合エリア内にいる人物を抽出し、前記人物情報を用いて抽出された人物が前記搭乗口を介して前記乗物に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定し、前記乗物に搭乗することが予定された人物の集合状態に係る情報を出力する構成とする。
【0014】
これによると、業務支援装置は、集合エリアにいる人物が搭乗することが予定された人物か否かを判定することによって、搭乗者の集合状態を取得し、集合状態に係る情報を出力する。そのため、業務支援装置を用いることで、集合状態に係る情報をスタッフに通知することができ、スタッフが搭乗者の搭乗口への集合度合いを容易に把握することが可能となる。
【0015】
また、第2の発明は、前記集合エリアに接続する入場エリアにおいて撮像する入場エリア撮像装置を備え、前記プロセッサは、前記入場エリア撮像装置によって取得された入場エリア画像を用いて、前記搭乗者を特定するための前記人物識別情報を取得する構成とする。
【0016】
これによると、集合エリア撮像装置によって撮像された人物を特定するための人物識別情報を取得することができる。
【0017】
また、第3の発明は、前記プロセッサは、前記入場エリア画像から前記人物識別情報として人物特徴データを取得し、前記集合エリア画像を前記人物特徴データに照合することにより、前記集合エリア画像に写っている人物を特定する構成とする。
【0018】
これによると、集合エリア画像に写っている人物を特定することができる。
【0019】
また、第4の発明は、前記集合エリア撮像装置は、前記集合エリアを撮像する複数のカメラを含む構成とする。
【0020】
これによると、集合エリアに位置する人物の抽出漏れを低減することができる。
【0021】
また、第5の発明は、前記プロセッサは、前記入場エリア画像から取得された前記人物識別情報を用いて、前記集合エリアに集合していない前記搭乗者を抽出する構成とする。
【0022】
これによると、スタッフが誘導するべき、集合エリアに未集合の搭乗者を抽出することができる。
【0023】
また、第6の発明は、前記人物情報は介助の要否を含む介助情報を含み、前記プロセッサは、前記人物情報に基づいて前記搭乗者の介助の要否を取得する構成とする。
【0024】
これによると、誘導業務に要する業務負荷の予測に必要となる情報を取得することができる。
【0025】
また、第7の発明は、前記プロセッサは、前記搭乗者の前記集合状態に基づいて、前記誘導業務を行うスタッフに要請するべき要請内容を決定する構成とする。
【0026】
これによると、スタッフに集合状態に基づく要請を行うことができる。
【0027】
また、第8の発明は、前記スタッフからの入力を受け付ける入力装置を備え、前記プロセッサは、前記集合エリア画像における前記集合エリアに対応する領域の設定入力を前記入力装置において受け付ける構成とする。
【0028】
これによると、誘導を行う必要があるエリアの設定を行うことが可能となる。
【0029】
また、第9の発明は、端末であって、上記の業務支援装置から前記集合状態に係る情報を取得して画面表示を行い、前記誘導業務を行うスタッフに情報を通知する構成とする。
【0030】
これによると、端末の画面表示によって誘導を行うスタッフに集合状態を通知することができる。
【0031】
また、第10の発明は、乗物に搭乗口を介して搭乗する搭乗者の誘導業務を支援する業務支援方法であって、前記搭乗者を特定するための人物識別情報を含む人物情報を取得し、前記搭乗口の周辺領域を含む集合エリアの少なくとも一部を撮像する集合エリア画像を取得して前記集合エリア内にいる人物を抽出し、前記人物情報を用いて抽出された人物が前記搭乗口を介して前記乗物に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定して前記乗物に搭乗することが予定された人物の集合状態を取得し、前記誘導業務を行うスタッフに前記集合状態に係る情報を通知する構成とする。
【0032】
これによると、集合状態に係る情報がスタッフに通知されるため、スタッフが搭乗者の搭乗口への集合度合いを容易に把握することが可能となる。これにより、スタッフは搭乗予定の人物がどの程度、搭乗口近傍に集合しているかを把握でき、誘導業務に要する業務負荷を予測することができる。
【0033】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0034】
本発明に係る業務支援装置1は、バス、船舶、列車や、航空機等の乗物に搭乗する搭乗者にサービスを提供するスタッフの業務支援を行う。本実施形態では、業務支援装置1は、航空機に搭乗する搭乗者を支援する。
【0035】
図1には、業務支援装置1によって業務支援が行われる空港2の平面図の例が示されている。搭乗者が飛行機に搭乗する場合には、窓口やスマートフォン等のユーザ端末3を用いて航空便のチケット予約を行う。予約日に搭乗者は空港2に到着すると、チェックインを行い、その後、保安検査場5にて保安検査を行う。
【0036】
保安検査場5は搭乗待合室6に接続されており、保安検査を終えると、搭乗者は保安検査場5の出口を出て、搭乗待合室6で待機する。
【0037】
その後、搭乗者はスタッフのアナウンスに従い、搭乗口7を経由して、航空機に搭乗する。
図1では、空港2の搭乗口7番~13番に対応する部分が図示されている。
【0038】
航空機の出発時刻前には搭乗者を集める必要がある。そこで、例えば、ラウンジ業務を行うスタッフが、搭乗者(詳細には、搭乗待合室6で待機する搭乗者)を搭乗口7に誘導する誘導業務を行うことが考えられる。ここでは、業務支援装置1が、このようなスタッフの誘導業務を支援する場合を例示して説明する。
【0039】
図2及び
図3に示すように、業務支援装置1は、搭乗口7周辺に設置される集合エリア撮像装置11と、保安検査場5の入口に設置される入場エリア撮像装置12と、集合エリア撮像装置11及び入場エリア撮像装置12によってそれぞれ取得された撮像画像に基づいて、スタッフの業務支援のためのデータを出力する業務支援サーバ13(空港業務支援システムサーバともいう)とを備えている。
【0040】
業務支援装置1、集合エリア撮像装置11及び入場エリア撮像装置12はインターネットやLAN(Local Area Network)等から構成される通信ネットワーク14を介して互いに通信可能に接続されている。
【0041】
通信ネットワーク14にはその他、航空便ごとの搭乗者に係る情報を記憶する運航情報サーバ16と、保安検査場5に設けられ、保安検査場5に入場しようとする人物に関する情報を取得する人物情報取得装置17(
図1参照)と、スタッフに情報を通知可能なスタッフ端末18と、が接続されている。集合エリア撮像装置11、入場エリア撮像装置12、業務支援サーバ13、運航情報サーバ16、人物情報取得装置17、及び、スタッフ端末18によって、スタッフに業務に係る情報を通知して誘導業務を支援する業務支援システム20が構成される。
【0042】
その他、通信ネットワーク14には、搭乗口7に設けられた搭乗ゲート装置22が接続されている。
【0043】
通信ネットワーク14には更に、保安検査場5に入場しようとする人物や、周辺の人物に対して情報を提示する提示装置24が接続されている。提示装置24はいわゆるサイネージであって、タッチパネルディスプレイ25を備えている。
【0044】
本実施形態では、スタッフはそれぞれ携帯端末26を保持している。携帯端末26はいわゆるスマートフォン等によって構成され、通信ネットワーク14を介して業務支援サーバ13に接続する。携帯端末26は表示装置としてのタッチパネルディスプレイを有し、タッチパネルディスプレイによる表示によって、スタッフに通知を行う。
【0045】
なお、業務支援装置1は、少なくとも集合エリア撮像装置11及び業務支援サーバ13を備えていればよい。以下、運航情報サーバ16、集合エリア撮像装置11、入場エリア撮像装置12、人物情報取得装置17、搭乗ゲート装置22、スタッフ端末18、及び、業務支援サーバ13について詳細に説明する。
【0046】
図4に示すように、運航情報サーバ16は、プロセッサ31(CPU、MPU等)、メモリ32(RAM32A、ROM32B等)、通信インタフェース33、及びストレージ34等の公知の構成を備えたコンピュータによって構成されている。
【0047】
運航情報サーバ16は航空便の運航に要する情報や、航空便に搭乗する搭乗者に係る情報を保持・記憶する。また、運航情報サーバ16は、各種端末やサーバから通信ネットワーク14を含むネットワークを介して送信されるデータに基づき、保持・記憶する情報を追加、変更等を行う。その他、運航情報サーバ16は。各種端末やサーバから通信ネットワーク14を含むネットワークを介して送信される要求に応じて、保持・記憶する情報を対応する端末やサーバにネットワークを介して出力する。
【0048】
例えば、運航情報サーバ16は、搭乗者が保持するユーザ端末3に通信ネットワーク14、又は、他のネットワークを介して、通信可能に構成されている。ユーザ端末3はタッチパネルディスプレイ37(
図2参照)を備えたスマートフォン等によって構成されている。搭乗者は、通信ネットワーク14、又は、他のネットワークを介して、運航情報サーバ16に接続し、航空機の予約を行う。また、搭乗者は、ユーザ端末3を操作することにより、タッチパネルディスプレイ37に、2次元コードを含むチケットを表示させることができる。
【0049】
本実施形態では、運航情報サーバ16はストレージ34に、航空便に係る情報が記録された運航データベースD1と、航空便ごとの搭乗者に係る情報が記録された搭乗者データベースD2と、を保持・記憶している。
【0050】
図5には、運航データベースD1の例が示されている。運航データベースD1には、航空便の識別番号となる便名と、出発地となる空港名(又は識別番号)と、搭乗口7の識別番号(搭乗ゲート番号や、単に、ゲート番号ともいう)と、出発時刻(離陸時刻)と、目的地となる空港名(又は識別番号)と、出発済であるか否かの状態を示す情報とが関連付けて記録されている。
【0051】
運航情報サーバ16は、航空機が空港2から離陸して出発すると、出発済であるか否かの状態を示す情報を出発済に変更するとともに、業務支援サーバ13に、出発した航空機の便名を示す情報を業務支援サーバ13に送信する。
【0052】
図6には、搭乗者データベースD2の例が示されている。搭乗者データベースD2には、航空便の識別番号となる便名と、搭乗者の識別番号と、対応する搭乗者の氏名と、対応する航空券の航空券番号(発券番号)と、対応する搭乗者への介助の要否を示す情報(介助情報)とが記録されている。
【0053】
搭乗者データベースD2のうち、航空便の識別番号となる便名と、搭乗者の識別番号と、対応する搭乗者の氏名と、対応するチケットの航空券番号と、介助の要否を示す情報と、は、航空機の予約を受け付ける予約受付を行う際に記録される。航空機の予約受付時には、また、予約を行った者に対し、チケットの航空券番号が記録された2次元コードが印刷された航空券(チケット)が発行されるか、又は、2次元コードを表示するための情報が予約を行った者の保持するスマートフォン等のユーザ端末3に送信される。
【0054】
集合エリア撮像装置11は搭乗待合室6の内部を撮像する1以上のカメラ40(
図2参照)を備えている。集合エリア撮像装置11は搭乗待合室6において、自らが予約した航空機の搭乗口7に集合する搭乗者を漏らすことなく撮像することができるよう、複数のカメラ40を備えているとよい。
【0055】
図7には、集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40の配置と、それぞれの撮像範囲とが示されている。
図7に示す例では、集合エリア撮像装置11は、搭乗口7の前の領域を撮像する搭乗ゲート前カメラ40Aと、搭乗待合室6内の座席が設けられた領域を撮像する1以上(好ましくは、複数)の待合室カメラ40Bとを備えている。
図7において、それぞれのカメラ40の撮像範囲は破線によって示されている。
【0056】
集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40にはそれぞれ識別番号(カメラID)が付与されている。
図7に示す例では、搭乗待合室6には10番の搭乗口7の周辺を撮像する搭乗ゲート前カメラ40A(カメラID:CJ-01)が設けられている。更に、搭乗待合室6には、9番の搭乗口7と10番の搭乗口7との間に設けられた座席を含めた領域を撮像する2つの待合室カメラ40B(カメラID:CI-02及びCI-03)と、10番の搭乗口7と11番の搭乗口7との間に設けられた座席を含めた領域を撮像する2つの待合室カメラ40B(カメラID:CJ-02及びCJ-03)とが設けられている。
【0057】
入場エリア撮像装置12は搭乗待合室6への入り口となる保安検査場5において撮像し、撮像画像(以下、入場エリア画像)を取得する。入場エリア撮像装置12は保安検査場5の入口に設けられた1以上の入場カメラ42を備えている。入場カメラ42は、保安検査場5の入口部分を撮像するように配置されているとよい。
図1の拡大図には、入場カメラ42の撮像範囲が破線で示されている。
【0058】
図1に示すように、人物情報取得装置17は保安検査場5の入口ごとに設けられ、保安検査場5に入場しようとする人物に関する情報を取得する。本実施形態では、人物情報取得装置17は、保安検査場5の入口に設けられた入場ゲート装置45に含まれ、ゲート制御装置49及び読取機48によって構成される。
【0059】
図2に示すように、入場ゲート装置45は、保安検査場5の入口に設けられた扉である入場ゲート46と、入場ゲート46を開閉させるべく入場ゲート46を駆動するゲート駆動装置47と、ユーザ端末3やチケットから情報を読み取る読取機48と、読取機48によって取得された情報に基づき、ゲート駆動装置47を制御するゲート制御装置49とを備えている。
【0060】
ゲート駆動装置47は、ゲート制御装置49からの信号に基づき、入場ゲート46を人物が保安検査場5に出入り可能な開位置と、人物が保安検査場5に出入り不能な閉位置とに変位させる。ゲート駆動装置47は入場ゲート46を開閉駆動させるモータを含んでいてもよい。
【0061】
読取機48は公知のコードスキャナによって構成され、ユーザ端末3のタッチパネルに表示されたコードや、チケットに印字されたコードを読み取る。読取機48が読み取るコードは、1次元コード(バーコード)であってもよく、また、2次元コードであってもよい。
【0062】
ゲート制御装置49は読取機48によって読み取られた情報を搭乗者データベースD2と照合し、その照合結果に基づいてゲート制御装置49を制御し、入場ゲート46を開閉する。
【0063】
具体的には、ゲート制御装置49は、読取機48において2次元コードから航空券番号を取得し、取得された航空券番号が搭乗者データベースD2に記録されているか否かを判定する。搭乗者データベースD2に記録されていない場合には、ゲート制御装置49は入場ゲート46を閉じ、保安検査場5の入場を禁止(不能に)する。
【0064】
一方、搭乗者データベースD2に記録されている場合には、ゲート制御装置49は所定時間、入場ゲート46を開き、保安検査場5の入場を可能とする。ゲート制御装置49は同時に、読取機48によって読み取った航空券番号を業務支援装置1に送信する。すなわち、ゲート制御装置49及び読取機48によって、航空券番号(人物に関する情報)を取得し、業務支援装置1に送信する人物情報取得装置17が構成されている。なお、読取機48が情報の送信機能を有する場合には、読取機48単独で人物情報取得装置17を構成することができる。
【0065】
人物情報取得装置17によって取得された航空券番号を用いることにより、搭乗者データベースD2を参照することで、入場ゲート46を通過した人物が搭乗に際して通過するべき搭乗口7の特定や、介助の要否等の人物情報を取得することが可能となる。
【0066】
搭乗ゲート装置22は、搭乗口7の近傍に設置された読取機51を有し、読取機51によって読み取られた2次元コードから航空券番号を取得して、運航管理サーバや業務支援サーバ13に送信する。航空機に搭乗する搭乗者は、搭乗口7を通過する際に、チケット又はユーザ端末3の画面を読取機51に読み取らせた後、航空機に搭乗する。
図2に示すように、搭乗ゲート装置22は搭乗口7に設けられたゲート22Aを開閉するゲート駆動装置(不図示)を備えていてもよい。
【0067】
図8に示すように、スタッフ端末18は、スタッフによって使用されるタブレット端末、スマートフォン、またはPCなどの通信機能を有する情報機器を含む。スタッフ端末18は、プロセッサ53(CPU、MPU等)、メモリ54(RAM54A,ROM54B等)、タッチパネルディスプレイ55、通信インタフェース56、及びストレージ57等の公知のハードウェアを備え得る。
【0068】
スタッフ端末18は、業務支援装置1から送信される情報に基づいて、タッチパネルディスプレイ55に画面表示を行う。
【0069】
また、スタッフ端末18は、タッチパネルディスプレイ55において、スタッフから業務支援に係る要請を設定するための入力を受け付ける。すなわち、タッチパネルディスプレイ55は、スタッフに情報を提示し、入力を受け付ける入出力装置として機能する。スタッフ端末18は受け付けた設定入力に係る情報を、業務支援サーバ13に送信する。
【0070】
図9に示すように、業務支援サーバ13は、プロセッサ61(CPU、MPU等)、メモリ62(RAM62A、ROM62B等)、通信インタフェース63、及びストレージ64等の公知の構成を備えたコンピュータによって構成されている。
【0071】
業務支援サーバ13は、通信ネットワーク14を介して、運航情報サーバ16、集合エリア撮像装置11、入場エリア撮像装置12、人物情報取得装置17及びスタッフ端末18に接続されている。業務支援サーバ13は、運航情報サーバ16、集合エリア撮像装置11、入場エリア撮像装置12及び人物情報取得装置17から情報を取得して、スタッフ端末18に信号を送信する。スタッフ端末18は業務支援サーバ13から信号を受信すると、誘導業務を行うスタッフに情報を通知するべく画面表示を行う。
【0072】
このような処理を行うため、業務支援サーバ13は、機能部として、記憶部71と、特徴量取得部72と、入場登録部73と、搭乗登録部74と、データ削除部75と、人物特定部76と、集合判定部77と、領域設定部78と、集合状態取得部79と、集合状態表示部80と、要請部81と、要請内容設定部82と、を備えている。
【0073】
記憶部71はストレージ64を含み、業務支援の処理に係る各種情報を記憶・保持している。記憶部71が記憶・保持している情報には、集合エリアデータベースD3と、待機情報データベースD4とが含まれる。
【0074】
集合エリアデータベースD3には、空港2に設置される搭乗口7と、搭乗口7ごとに関連付けて設定された領域(以下、集合エリア)に係る情報(以下、集合エリア情報)とが関連付けられて記録されている。集合エリアは対応付けられた搭乗口7を含む領域に設定されている。
【0075】
搭乗者は概ね、自らが予約した航空機の出発時刻(離陸時刻)が近くなると、その航空機に搭乗する際に通過するべき搭乗口7の周辺の領域に待機する。集合エリアは、このような搭乗者が待機する搭乗口7の周辺の領域に設定される。
【0076】
すなわち、自らが予約した航空便に搭乗する際に通過するべき搭乗口7の集合エリアにいない搭乗者に対しては、スタッフは搭乗口7への誘導をする誘導業務を行うことが望ましい。すなわち、搭乗者が自ら予約した航空便に対応する搭乗口7の集合エリア内に位置しているか否かに基づいて、誘導を行う必要がある人物であるか否かを判定することもできる。
【0077】
本実施形態では、搭乗者が集合エリア内に位置しているか否かは、搭乗者の像が集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40の撮像範囲に設定された枠Fの内部に位置するか否かによって判定される。
【0078】
図10(A)には、カメラCI-02(
図7参照)の撮像範囲に設定された集合エリアの境界を示す枠Fの例が示されている。
図10(A)において、枠Fは太線によって示されている。
図10(B)には、集合エリアデータベースD3の例が示されている。集合エリアデータベースD3には、空港2に設置された搭乗口7の識別番号と、集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40ごとに撮像範囲に設定された枠Fを示す情報(枠番号)とが関連付けて記録されている。
【0079】
待機情報データベースD4には、保安検査場5又は搭乗待合室6にて待機している搭乗者の識別番号(搭乗者ID)と、対応する搭乗者を特定するための人物識別情報と、対応する搭乗者の集合情報とを含む人物情報が記録されている。
【0080】
人物識別情報は、集合エリア撮像装置11(待合室カメラ40B)によって取得された撮像画像(以下、集合エリア画像)から搭乗者を特定するために使用される。人物識別情報は、搭乗者の顔特徴量や身体特徴量等の人物特徴データであってよい。人物識別情報は、保安検査場5への入場時や、保安検査場5内部において、入場エリア撮像装置12によって取得された撮像画像(入場エリア画像)を用いて生成される。
【0081】
ここでいう身体特徴量とは、人物の身体の特徴を示す量であって、例えば、全身または上半身の骨格情報、あるいは耳の位置や、肩幅、腕の長さや、脚の長さ等に基づくものであってよい。顔特徴量は、例えば、人物の顔の特徴を示す量であって、目の位置や大きさ、鼻の位置、口の位置や大きさ等に基づくものであってよい。
【0082】
搭乗者それぞれの集合情報は、搭乗者自らが予約した航空便の搭乗口7にどの程度、近接しているかを示す。集合情報は搭乗者が搭乗口7からどの程度離れた位置にいるかを示すことから、スタッフは集合状態を用いて誘導に要する負荷を推定することができる。
【0083】
本実施形態では、集合情報は、搭乗者それぞれが集合エリア内にいるかいないかを表すフラグ(以下、集合フラグ)によって表現される。搭乗者が集合エリア内にいるときには、集合フラグはTrue(真)に設定され、搭乗者が集合エリア内にいないときには、集合フラグはFalse(偽)に設定される。
【0084】
搭乗者それぞれの集合情報を用いて、航空便の搭乗口7への搭乗者の集合度合いを取得することができる。
【0085】
本実施形態では、集合度合いは、搭乗口7から搭乗する航空便を予約した搭乗者であって、保安検査場5に入場した者のうち、搭乗口7に集合している者の割合(すなわち、集合率)を示すものであって、搭乗口7への集合度合いが低くなるほど、誘導に要する負荷が大きくなる。
【0086】
このように、搭乗者それぞれの集合情報と、搭乗者の集合度合いとは搭乗者の集合状態を示すものであって、それぞれ、スタッフが誘導に要する負荷の推定や、搭乗者の誘導を行う際に有用である。
【0087】
図11には待機情報データベースD4の例が示されている。
図11に示す例では、待機情報データベースD4に記録される人物情報に、搭乗者の識別番号(ID)と、対応する集合情報及び人物識別情報(人物特徴データ)の他、便名、搭乗ゲート番号、氏名、航空券番号(航空券番号)、介助フラグ、搭乗フラグ、及び搭乗者の入場エリア画像が含まれる。待機情報データベースD4には、集合状態、人物識別情報、便名、搭乗ゲート番号、氏名、航空券番号、介助フラグ、搭乗フラグ、及び搭乗者の入場エリア画像が搭乗者の識別番号(搭乗者ID)に関連付けて記録されている。
【0088】
介助フラグは、対応する搭乗者が例えば、車椅子を利用している、妊娠している、怪我をしている等の理由により、搭乗口7までの移動に介助が必要となるか否かを示すフラグであって、介助が必要であるときにはTrueに、不要であるときがFalseに設定される。
【0089】
搭乗フラグは搭乗者の航空機への搭乗済か否かを示す。搭乗フラグは、搭乗者が搭乗口7を通過するまでは、Falseに設定され、搭乗者が搭乗口7を通過する搭乗フラグはTrueに変更される。
【0090】
特徴量取得部72は、プロセッサ61が所定のプログラムを実行することによって構成される。特徴量取得部72は、集合エリア撮像装置11(待合室カメラ40B)によって取得された撮像画像(集合エリア画像)や、入場エリア撮像装置12(入場カメラ42)によって取得された撮像画像(入場エリア画像)から、人物を特定するための人物特徴データを取得する。特徴量取得部72が取得する人物特徴データは身体特徴量であってもよく、また、顔特徴量であってもよい。
【0091】
入場登録部73は、プロセッサ61が所定のプログラムを実行することによって構成される。入場登録部73は、まず、人物情報取得装置17(ゲート制御装置49)から読取機48によって読み取った航空券番号を受信すると、入場エリア撮像装置12(入場カメラ42)から入場エリア画像を取得する。入場登録部73は、読取機48によってチケットやスマートフォンからコードが読み取られたときの撮像画像を入場エリア画像として入場エリア撮像装置12から取得することが好ましい。これにより、入場登録部73は、入場エリア撮像装置12からチケットやユーザ端末3に表示された2次元コードを読取機48に読み取らせる搭乗者が写っている入場エリア画像を取得する。なお、パスポート等に電子的に記録された搭乗者の顔画像、あるいは、航空会社のホームページ等から事前に登録した搭乗者の人物画像などを入場エリア画像に代えて使用することができる。
【0092】
次に、入場登録部73は、搭乗者を含む入場エリア画像を特徴量取得部72に出力することにより、入場エリア画像を用いて、入場エリア画像に写った搭乗者の人物識別情報(人物特徴データ)を取得する。その後、入場登録部73は、入場エリア画像の取得時に読み取られた航空券番号に対応する搭乗者IDを抽出する。更に、入場登録部73は、抽出した搭乗者IDを用いて、運航情報サーバ16から、抽出された搭乗者IDに対応する搭乗者が搭乗する航空機の便名と、出発時刻と、搭乗ゲート番号と、搭乗者の氏名と、介助の要否を含む介助情報と、を取得する。なお、入場エリア画像から搭乗者の人物特徴データを取得する場合、後述の人物同定処理を考慮し、全身の人物特徴データを取得して登録しておくことが望ましい。
【0093】
その後、入場登録部73は、取得した航空機の便名、出発時刻、搭乗ゲート番号、氏名、及び、介助の要否と、入場エリア撮像装置12によって取得された撮像画像、及び、搭乗者の人物識別情報(人物特徴データ)とを抽出した搭乗者IDに関連付けて、待機情報データベースD4に記録する(すなわち、登録する)。このとき、入場登録部73は、介助が要であるときには介助フラグをTrueに、介助が不要であるときには介助フラグをFalseに設定する。また、保安検査場5の入場ゲート46を通過したときには、集合エリアに達していないと考えられるため、このとき入場登録部73は集合フラグをFalseに設定する。
【0094】
入場登録部73は、読取機48によってチケットやスマートフォンからコードが読み取られたときの撮像画像(入場エリア画像)を入場エリア撮像装置12から取得する際に、提示装置24やユーザ端末3に撮像画像の使用許諾を得るための許諾取得画面91を表示させるとよい。
図12には提示装置24に表示された許諾取得画面91の例が示されている。
図12に示す許諾取得画面91の例では、許諾取得画面91に許諾を得る必要があることを示す通知91Aと、使用許可及び使用不許可にそれぞれ対応する入力ボタン91Bとが表示されている。
【0095】
提示装置24において使用許可に対応する入力ボタン91Bへの入力が検出されたときに、入場登録部73は、搭乗者に係る情報の待機情報データベースD4への登録を行う。一方、使用不許可に対応する入力ボタン91Bへの入力があったときには、入場登録部73は、その搭乗者に係る情報の待機情報データベースD4への登録は行わず、入場エリア画像についても消去する。
【0096】
搭乗登録部74は搭乗者が搭乗口7を通過する際に待機情報データベースD4を更新する。
【0097】
具体的には、搭乗登録部74は搭乗ゲート装置22から航空券番号を取得すると、その航空券番号の航空券を所有する搭乗者が航空機に乗り込んだと見做して、航空機に乗り込んだ搭乗者に対応する搭乗フラグをTrue(搭乗済)に変更する。
【0098】
データ削除部75は、出発した航空機の便名を示す情報を運航情報サーバ16から取得すると、待機情報データベースD4から、出発した航空機の便名に合致する(出発した航空機に搭乗した)搭乗者に係るデータを削除する。
【0099】
人物特定部76は、プロセッサ61が所定のプログラムを実行することによって構成される。人物特定部76は、集合エリア撮像装置11によって取得された撮像画像を用い、待機情報データベースD4に記録された人物情報を用いて、撮像画像に写っている人物を特定する。
【0100】
具体的には、人物特定部76は、集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40によって取得された集合エリア画像の中に写っている人物を抽出する。その後、人物特定部76は、集合エリア画像の中の抽出された人物の像を、待機情報データベースD4に記録された人物識別情報(すなわち、人物特徴データ)と照合して、集合エリア画像から抽出された人物を特定(人物同定処理)し、その人物の搭乗者IDを取得する。なお、例えば、搭乗者の正面の全身を対象にした人物特徴データが登録されているときには、集合エリア画像からは、部分的な人物特徴データ(顔部分、上半身、後ろ向き等)しか得られない場合であっても、その部分的な人物特徴データの示す範囲内で照合することで、搭乗者の人物同定処理を行うことができる。
【0101】
集合判定部77は、プロセッサ61が所定のプログラムを実行することによって構成される。集合判定部77は、所定時間ごとに、人物特定部76によって特定された人物が、予約した航空機の搭乗口7に集合した状態にあるか否かを判定する集合判定処理を行う。集合判定部77は、人物特定部76によって特定された人物が、その人物が予約した航空機の搭乗口7の周辺領域(すなわち、集合エリア)に位置しているときに、搭乗口7に集合した状態にあると判定する。
【0102】
集合判定処理において、集合判定部77は、まず、集合エリア撮像装置11から集合エリア画像を取得して、集合エリア画像を人物特定部76に出力する。
【0103】
人物特定部76は集合判定部77から集合エリア画像を取得すると、集合エリア画像に写っている人物を抽出する。その後、人物特定部76は、人物情報(人物識別情報)を用いて、抽出された人物を特定して、集合判定部77に出力する。
【0104】
集合判定部77は、人物特定部76による特定結果を取得し、集合エリア画像から得られる特定結果を、搭乗口7ごとに集める(すなわち、統合する)ことによって、搭乗口7ごとに、対応する集合エリアを示す枠F内に位置する搭乗者の搭乗者IDのリストを生成する。
【0105】
その後、集合判定部77は、生成した搭乗者IDのリストに含まれている人物それぞれに対し、待機情報データベースD4を参照し、その人物が通過すべき搭乗口7を特定する。その後、集合判定部77は、人物特定部76により抽出された人物それぞれが、対応する搭乗口7を介して航空便(乗物)に搭乗することが予定された人物であるか否かを判定する。
【0106】
集合判定部77は、生成した搭乗者IDのリストに含まれる搭乗者IDそれぞれについて、待機情報データベースD4に記録された対応する搭乗口7を取得する。その後、集合判定部77は、待機情報データベースD4に記録された対応する搭乗口7が、集合エリアに対応する搭乗口7と合致しているか否かを判定する。合致しているときには、集合判定部77は、その搭乗者IDに対応する集合フラグをTrueに設定する。
【0107】
但し、集合判定部77は生成した搭乗者IDのリストに含まれているものの、待機情報データベースD4に記録された搭乗口7と、生成した搭乗者IDのリストに対応する搭乗口7とが合致しないときには、その搭乗者IDに対応する集合フラグをFalseに設定してもよい。また、集合判定部77は、集合判定処理の前に、待機情報データベースD4に含まれる集合フラグを全てFalseに設定し、その後、集合判定処理を行ってもよい。
【0108】
領域設定部78は、スタッフ端末18に集合エリア画像における集合エリアに対応する領域の設定入力を受け付ける領域設定画面92を提示させる。スタッフ端末18は入力を受け付けると領域設定部78にその入力に係る情報を送信する。領域設定部78はスタッフ端末18からその情報を受信すると、スタッフ端末18において取得された領域設定画面92への入力に基づき、集合エリア画像における集合エリアに対応する領域の範囲設定や範囲変更を行う。
【0109】
図13には、スタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55に表示される領域設定画面92の例が示されている。領域設定画面92には、集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40(
図13では、カメラCI-02)によって取得された集合エリア画像92A(撮像画像)と、完了ボタン92Bとが表示されている。領域設定部78は、タッチパネルディスプレイ55において撮像画像上を囲むようなタッチ位置の移動が検出され、完了ボタン92Bへの押圧が検出されると、検出されたタッチ位置の移動に基づき、枠Fの設定・変更を行う。これにより、スタッフは、指でタッチパネルに表示された撮像画像上を囲むようになぞることで、集合エリア画像における集合エリアに対応する領域の境界を示す枠Fの設定・変更を行うことができる。
【0110】
その他、領域設定画面92には、撮像画像を取得するカメラ40を集合エリア撮像装置11に含まれる他のカメラ40に切り替えるための「戻る」や「次へ」のボタン92Cが表示されているとよい。
【0111】
集合状態取得部79は、プロセッサ61が所定のプログラムを実行することによって構成される。スタッフがスタッフ端末18に搭乗口7を特定する情報を含む所定の入力を行い、業務支援サーバ13に集合状態の送信要求を送信すると、集合状態取得部79は、待機情報データベースD4を用いて、スタッフ端末18に提示するべき集合状態を取得する。
【0112】
提示される集合状態には、スタッフから入力された所定の搭乗口7における搭乗者の集合率や、搭乗口7から航空機に乗り込む搭乗者それぞれの集合情報、また、搭乗口7から航空機に乗り込む搭乗者のうち、未集合の搭乗者のリスト等が含まれ得る。
【0113】
集合状態取得部79は、スタッフから入力された所定の搭乗口7を含む送信要求を受信すると、対応する搭乗口7の集合率を取得する。更に、集合状態取得部79は、待機情報データベースD4の人物情報のリストを用いて、入場ゲート46を通過済であり、且つ、集合していない(未集合の)搭乗者を抽出し、抽出した未集合の搭乗者のリスト(未集合者リスト)を取得する。
【0114】
ここでいう集合率とは、入力された搭乗口7から搭乗する航空機に予約して入場ゲート46を通過した搭乗者のうち、自らが予約した航空機の搭乗口7の集合エリアにいる(すなわち、集合状態となっている)搭乗者の割合を意味する。集合率の算出において、集合状態取得部79は搭乗者が集合しているか否かの判定に集合フラグを用いるとよい。
【0115】
本実施形態では、集合状態取得部79は、待機情報データベースD4を用いて、所定の航空便に搭乗する搭乗者のうち、介助を要する搭乗者の集合率と、介助を要しない搭乗者の集合率とをそれぞれ算出する。ここでいう介助を要する搭乗者の集合率とは、介助を要する搭乗者のうちの集合状態にある搭乗者の割合を意味し、介助を要しない搭乗者の集合率とは、介助を要しない搭乗者のうちの集合状態にある搭乗者の割合を意味する。介助を要しない(又は介助を要する)搭乗者の集合率の算出において、集合状態取得部79は介助を要するか否かの判定に介助フラグを用いるとよい。
【0116】
集合状態表示部80は、プロセッサ61が所定のプログラムを実行することによって構成される。集合状態表示部80は、スタッフ端末18に、集合状態取得部79によって算出された集合率や、集合していない搭乗者のリストを含む集合状態表示画面93を表示させる。
【0117】
図14にはスタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55に表示される集合状態表示画面93の例が示されている。集合状態表示画面93には、介助を要する搭乗者及び介助を要しない搭乗者の両方を含む全搭乗者における集合率と、介助を要する搭乗者の集合率と、介助を要しない搭乗者の集合率とが表示されている。
図14に示すように、集合状態表示画面93には、集合エリア撮像装置11に含まれる搭乗ゲート前カメラ40Aや待合室カメラ40Bによるリアルタイムの撮像画像が表示されていてもよい。更に、その撮像画像には、抽出された人物を示す枠93Aと、その枠93A内の人物に関する情報とが重畳して表示されているとよい。重畳して表示される情報には、例えば、人物特定部76によって特定された搭乗者IDや、その搭乗者IDに関連付けて待機情報データベースD4に記憶された氏名、介助の要否等が含まれ得る。
【0118】
集合状態表示画面93には未集合者表示ボタン93Bが設けられている。未集合者表示ボタン93Bにタッチすると、スタッフ端末18は集合していない搭乗者に係る情報を含む未集合者表示画面94を表示する。
【0119】
図15にはスタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55に表示される未集合者表示画面94の例が示されている。未集合者表示画面94には、集合していない搭乗者が保安検査場5に入るときに入場エリア撮像装置12によって取得された入場エリア画像(撮像画像)が一覧表示されている。本実施形態では、未集合者表示画面94には、集合していない搭乗者のうち、介助を要する搭乗者の入場エリア画像を示す欄94Aと、介助を要しない搭乗者の入場エリア画像を示す欄94Bとがそれぞれ設けられている。
【0120】
未集合者表示画面94には、スタッフの追加要請を行うための追加要請ボタン94Cが表示されている。スタッフが未集合者表示画面94の追加要請ボタン94Cにタッチすると、スタッフ端末18からは追加要請要求が業務支援サーバ13に送信される。
【0121】
要請部81は、プロセッサ61が所定のプログラムを実行することによって構成される。要請部81はスタッフ端末18から追加要請要求を受信すると、集合状態取得部79によって算出された集合率と、集合していない搭乗者のリストに基づき、追加要請するスタッフの数等の要請内容を決定する。その後、要請部81は要請内容をスタッフが保持する携帯端末26に送信し、その携帯端末26に要請内容等を表示させる。これにより、追加スタッフは自らが行うべき業務内容(救援内容)を理解することができる。
【0122】
具体的には、要請部81は、集合率や、集合していない搭乗者の数、集合していない介助を要する搭乗者の数などに基づいて、追加要請するスタッフの数を決定してもよい。本実施形態では、要請部81は、集合していない搭乗者の数に基づいて追加要請するスタッフの数を決定する。
【0123】
図16には、要請部81が要請内容の取得後に、スタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55に表示される要請画面95の例が示されている。要請画面95には要請内容(スタッフ2名の追加要請)を示す表示欄95Aと、要請ボタン95Bと、要請を取りやめるためのボタン95C(戻ると表示されたボタン)とが表示されている。
【0124】
要請を行うスタッフが要請ボタン95Bをタッチすると、他のスタッフの携帯端末26に要請があった旨を通知する通知画面96が表示される。
図17には、他のスタッフ(追加スタッフ)の携帯端末26に表示される通知画面96の例が示されている。通知画面96には、要請部81によって決定された要請内容等が表示される。
【0125】
要請内容設定部82は、要請部81が要請内容を決定するための設定入力を受け付ける。具体的には要請内容設定部82は、スタッフ端末18に要請設定画面97を表示させ、要請内容の設定入力を受け付ける。
【0126】
図18にはスタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55に表示される要請設定画面97の例が表示されている。
図18に示す例では、搭乗口7(搭乗ゲート)それぞれに対して、要請内容が設定される。
図18に示す要請設定画面97の例では、集合していない介助を要する搭乗者の数に依存して要請内容を設定するか、又は、集合していない介助が不要な搭乗者の数に依存して要請内容を設定するか、のチェックボックス97Aが表示されている。また、要請設定画面97には、介助を要する場合、又は、介助を要しない場合、それぞれにおいて、集合していない搭乗者の数と、追加要請するスタッフの数との比の入力欄97Bと、追加要請するスタッフの数の最小値及び最大値の入力欄97Cとが設けられている。その他、要請設定画面97には、要請内容の設定を行う搭乗口7(搭乗ゲート)の番号を変更するための「次へ」「戻る」のボタン97Dと、設定入力を終える「完了」ボタン97Eとが設けられている。
【0127】
次に、このように構成した業務支援装置1の動作について説明する。
【0128】
業務支援サーバ13のプロセッサ61は所定のプログラム(業務支援プログラム)を実行することによって業務支援処理を実行し、スタッフの誘導業務を支援する業務支援方法を実施する。
【0129】
図19には、業務支援処理を含む業務支援の流れを示すタイムチャートが示されている。
【0130】
図19に示すように、業務支援サーバ13のプロセッサ61(入場登録部73)は、入場ゲート装置45から、読取機48によって読み取られた航空券番号を受信する(ST101)と、航空券番号が読取機48によって読み取られたときの撮像画像(入場エリア画像)を入場エリア撮像装置12から入場エリア画像として取得する(ST102)。
【0131】
業務支援サーバ13のプロセッサ61は、入場エリア画像を取得すると入場エリア画像に写っている人物を抽出する。その後、業務支援サーバ13のプロセッサ61(特徴量取得部72)は、入場エリア撮像装置12によって取得された入場エリア画像を用いて、搭乗者を特定するための人物識別情報(人物特徴データ)を取得する。
【0132】
その後、業務支援サーバ13のプロセッサ61(入場登録部73)は、読取機48によって読み取られた航空券番号に基づき、運航情報サーバ16から、入場エリア画像に写っている搭乗者の氏名と、搭乗者が搭乗の際に通過するべき搭乗口7と、介助の要否を含む介助情報とを取得する。
【0133】
業務支援サーバ13のプロセッサ61(入場登録部73)は、入場ゲート46を通過した搭乗者の氏名、搭乗口7、航空券番号、介助の要否、人物識別情報(人物特徴データ)、撮像画像等の情報を、人物情報として、待機情報データベースD4に登録する(ST103)。
【0134】
業務支援サーバ13のプロセッサ61(人物特定部76)は、所定時間ごとに集合エリア撮像装置11の撮像画像を集合エリア画像として取得する(ST104)。業務支援サーバ13のプロセッサ61は集合エリア画像を取得すると、集合エリア画像中の集合エリアを示す枠F(
図10(A)参照)内に位置する人物を、集合エリア内に位置する人物として抽出する。
【0135】
集合エリア撮像装置11は複数のカメラ40を備えているため、業務支援サーバ13のプロセッサ61は集合エリアを撮像する複数のカメラ40から集合エリア画像(撮像画像)を取得することにより、それぞれの集合エリア内に位置する人物を抽出する。このように複数のカメラ40から取得された集合エリア画像を用いて人物を特定するため、一つのカメラ40から取得された撮像画像に基づく場合に比べて、集合エリアに位置する人物の抽出漏れを低減することができる。
【0136】
次に、業務支援サーバ13のプロセッサ61(人物特定部76)は、集合エリア内に位置する人物を、待機情報データベースD4に登録された人物識別情報を用いて特定する。その後、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、それぞれの人物が、予約している航空便の搭乗口7に対応する集合エリア内に位置しているか否か(すなわち、集合しているか否か)を判定する。
【0137】
このとき、業務支援サーバ13のプロセッサ61(人物特定部76)は、集合エリア撮像装置11による撮像画像から取得される特徴量(人物特徴データ)を、入場エリア画像から人物識別情報として生成された人物特徴データ(身体特徴量や顔特徴量等)に照合することによって、集合エリア内に位置する人物の搭乗者IDを取得して、抽出された人物を特定する。なお、搭乗者は、航空機に搭乗するまでの間に移動し、その居場所が変わることが想定される。業務支援サーバ13のプロセッサ61は、人物同定処理を定期的に繰り返し行い、その処理結果を随時更新する。また、人物同定処理の際、集合エリア撮像装置11による撮像画像からは、登録された人物特徴データに対応する部位(例えば、正面向き全身、正面向き上半身)よりも情報量の少ない人物特徴量データ(例えば、顔部分のみ、後ろ向きの人物特徴量データ)しか取得できない場合がある。このような情報量の少ない人物特徴量データしか取得できない場合であっても、例えば、全身の人物特徴データが記録されている場合には、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、その情報量の少ない人物特徴量データに基づき人物同定処理を行うことが可能となり、その処理結果を更新することができる。
【0138】
次に、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、待機情報データベースD4を用いて、特定された人物それぞれに対応する搭乗予定の航空機の搭乗口7を取得する。その後、業務支援サーバ13のプロセッサ61(集合判定部77)は、特定された人物それぞれが搭乗予定の航空機の搭乗口7に対応する集合エリアに位置しているかを判定し、集合エリア内に位置する場合にその人物がその搭乗口7を介して航空機に搭乗することが予定された人物であると判定する。
【0139】
業務支援サーバ13のプロセッサ61(集合判定部77)は、特定された人物それぞれが対応する集合エリア内に位置する場合(すなわち、対応する搭乗口7を介して航空機に搭乗することが予定されている場合)に、待機情報データベースD4の集合フラグをTrueに更新する(ST105)。このとき、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、集合エリア撮像装置11から集合エリア画像を取得して集合フラグを更新する前に、待機情報データベースD4に含まれる搭乗者の集合フラグをFalse(未集合)にリセットするように構成されていてもよい。
(ST105)。
【0140】
業務支援サーバ13のプロセッサ61(集合状態取得部79)は、スタッフ端末18から、所定の搭乗口7における集合状態の送信要求を受信する(ST106)と、その搭乗口7から搭乗する搭乗者のうち、集合している搭乗者の割合である集合率と、未集合者のリスト(未集合者リスト)を取得する(ST107)。
【0141】
このとき、業務支援サーバ13のプロセッサ61(集合状態取得部79)は、待機情報データベースD4の中から、送信要求がされた搭乗口7を介して搭乗する航空機を予約し、且つ、入場ゲート46を通過した搭乗者を抽出する。その後、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、集合フラグがTrueとなっている、すなわち、集合している搭乗者を抽出し、集合している搭乗者の数を、入場ゲート46を通過した搭乗者の数で割り算する。これにより、送信要求がされた搭乗口7に対応する航空機に搭乗することが予定された人物の集合状態として、業務支援サーバ13のプロセッサ61は集合率を取得する。
【0142】
また、業務支援サーバ13のプロセッサ61(集合状態取得部79)は、待機情報データベースD4に記録された人物識別情報を含む人物情報のリストを用いて、送信要求がされた搭乗口7に対応する航空機の搭乗者であって、集合エリアに集合していない搭乗者を抽出し、未集合者リストを生成する。
【0143】
更に、業務支援サーバ13のプロセッサ61(集合状態取得部79)は、待機情報データベースD4に記録された人物情報に基づき、介助の要否を含む介助情報を取得して、搭乗者それぞれの要否を判定し、介助が必要となる搭乗者の集合率や、介助が必要となる搭乗者の未集合者リストを取得する。
【0144】
集合率と未集合者リストとの取得が完了すると、業務支援サーバ13のプロセッサ61(集合状態表示部80)は集合率と未集合者リストとをスタッフ端末18に送信する(ST108)。
【0145】
これにより、スタッフ端末18には、集合状態確認画面(
図14参照)及び/又は未集合者表示画面94(
図15参照)が表示される(ST109)。このように、スタッフ端末18は、業務支援サーバ13(業務支援装置1)から集合状態に係る情報を取得して画面表示を行い、誘導業務を行うスタッフに情報を通知する。これにより、スタッフは搭乗予定の人物がどの程度、搭乗口7の近傍に集合しているかを把握することができ、誘導業務に要する業務負荷を予測することができる。
【0146】
スタッフが、スタッフ端末18に表示された追加要請ボタン94Cにタッチすると、スタッフ端末18から業務支援サーバ13に追加要請要求が送信される(ST110)。その後、追加要請要求を受信すると、業務支援サーバ13のプロセッサ61(要請部81)は、搭乗者の集合状態(例えば、未集合者の数や、介助が必要な未集合者の数等)に基づき、追加要請するスタッフの数等の要請内容を決定する(ST111)。
【0147】
次に、プロセッサ61は、要請内容をスタッフが保持する携帯端末26に送信し(ST112)、携帯端末26に通知画面96を表示させて要請内容を通知させる(ST113)。これにより、スタッフに集合状態に基づく要請を行うことができる。
【0148】
搭乗が開始されると、搭乗ゲート装置22の読取機51において読み取られた航空券番号が業務支援サーバ13に送信される(ST114)。業務支援サーバ13のプロセッサ61(搭乗登録部74)は、搭乗ゲート装置22から航空券番号を受信すると、待機情報データベースD4の対応する搭乗者の搭乗フラグをTrue(搭乗済)に変更する(ST115)。
【0149】
航空機が出発すると、運航情報サーバ16から出発した航空機の便名を示す情報が業務管理サーバに送信される。業務支援サーバ13のプロセッサ61(データ削除部75)は、出発した航空機の便名を受信すると(ST116)、業務支援サーバ13のプロセッサ61はその航空機に搭乗していた搭乗者に係る情報を待機情報データベースD4から削除する(ST117)。
【0150】
その他、スタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55にスタッフが所定の入力を行い、業務支援サーバ13に送信すると、業務支援サーバ13のプロセッサ61(領域設定部78)は、スタッフ端末18に領域設定画面92を表示させ、集合エリア画像における集合エリアに対応する領域の境界を示す枠Fの設定入力を受け付ける。枠Fの設定入力を行うことによって、スタッフは集合エリアの範囲を変更することができる。よって、集合していないと見做される領域の設定変更が可能となるため、スタッフは領域設定画面92において、誘導を行う必要があるエリアの設定変更を行うことができる。
【0151】
更に、スタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55にスタッフが所定の入力を行い、業務支援サーバ13に送信すると、業務支援サーバ13のプロセッサ61(要請内容設定部82)は、スタッフ端末18に要請設定画面97を表示させ、要請内容の設定入力を受け付ける。これにより、スタッフは要請内容を決定するための設定入力を行うことができる。
【0152】
その他、別の実施例として、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40それぞれから集合エリア画像を取得し、集合エリア画像に写り込んだ人物を抽出する。その後、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、待機情報データベースD4に照合することにより、待機情報データベースD4に含まれる搭乗者の位置を特定してもよい。
【0153】
その場合には、業務支援サーバ13のプロセッサ61は、スタッフ端末18のタッチパネルディスプレイ55に、位置が特定された未集合者それぞれの位置を通知する未集合者表示画面99を表示させるとよい。
【0154】
図20には、未集合者の位置がそれぞれ重畳された空港2のマップ99Aを含む未集合者表示画面99の例が示されている。
図20に示す未集合者表示画面99の例では、集合エリア撮像装置11に含まれるカメラ40によって取得された未集合者の画像99Bが表示されている。そのため、未集合者表示画面99に表示された画像99Bを用いることによって、スタッフは、未集合者を容易に探し出すことができる。未集合者表示画面99には、その他、未集合者の搭乗口7への移動支援に際して要する時間や移動に要する距離等が表示されていてもよい。
【0155】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0156】
例えば、上記実施形態において、空港2のスタッフが行う誘導業務を支援するために業務支援装置1が使用されていたが、その他、業務支援装置1は、長距離バスや電車、団体旅行等のスタッフが行う誘導業務の支援等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本開示に係る業務支援装置、端末、及び、業務支援方法は、スタッフが搭乗者の搭乗口への集合度合いを容易に把握することができるという効果を有し、乗物に搭乗する搭乗者の誘導業務を支援するための業務支援装置、端末、及び、業務支援方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0158】
1 :業務支援装置
2 :空港
3 :ユーザ端末
5 :保安検査場
6 :搭乗待合室
7 :搭乗口
11 :集合エリア撮像装置
12 :入場エリア撮像装置
13 :業務支援サーバ
14 :通信ネットワーク
16 :運航情報サーバ
17 :人物情報取得装置
18 :スタッフ端末
20 :業務支援システム
22 :搭乗ゲート装置
22A :ゲート
24 :提示装置
25 :タッチパネルディスプレイ
26 :携帯端末
31 :プロセッサ
32 :メモリ
32A :RAM
32B :ROM
33 :通信インタフェース
34 :ストレージ
37 :タッチパネルディスプレイ
40 :カメラ
40A :搭乗ゲート前カメラ
40B :待合室カメラ
42 :入場カメラ
45 :入場ゲート装置
46 :入場ゲート
47 :ゲート駆動装置
48 :読取機
49 :ゲート制御装置
51 :読取機
53 :プロセッサ
54 :メモリ
54A :RAM
54B :ROM
55 :タッチパネルディスプレイ
56 :通信インタフェース
57 :ストレージ
61 :プロセッサ
62 :メモリ
62A :RAM
62B :ROM
63 :通信インタフェース
64 :ストレージ
71 :記憶部
72 :特徴量取得部
73 :入場登録部
74 :搭乗登録部
75 :データ削除部
76 :人物特定部
77 :集合判定部
78 :領域設定部
79 :集合状態取得部
80 :集合状態表示部
81 :要請部
82 :要請内容設定部
91 :許諾取得画面
91A :通知
91B :入力ボタン
92 :領域設定画面
92B :完了ボタン
92C :ボタン
93 :集合状態表示画面
93A :枠
93B :未集合者表示ボタン
94 :未集合者表示画面
94A :欄
94B :欄
94C :追加要請ボタン
95 :要請画面
95A :表示欄
95B :要請ボタン
95C :ボタン
96 :通知画面
97 :要請設定画面
97A :チェックボックス
97B :入力欄
97C :入力欄
97D :ボタン
97E :ボタン
99 :未集合者表示画面
99A :マップ
99B :画像
CI-02 :カメラ
D1 :運航データベース
D2 :搭乗者データベース
D3 :集合エリアデータベース
D4 :待機情報データベース
F :枠