IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-改装浴室ドア 図1
  • 特開-改装浴室ドア 図2
  • 特開-改装浴室ドア 図3
  • 特開-改装浴室ドア 図4
  • 特開-改装浴室ドア 図5
  • 特開-改装浴室ドア 図6
  • 特開-改装浴室ドア 図7
  • 特開-改装浴室ドア 図8
  • 特開-改装浴室ドア 図9
  • 特開-改装浴室ドア 図10
  • 特開-改装浴室ドア 図11
  • 特開-改装浴室ドア 図12
  • 特開-改装浴室ドア 図13
  • 特開-改装浴室ドア 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176508
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】改装浴室ドア
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20241212BHJP
   E06B 7/14 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095073
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山内 龍介
【テーマコード(参考)】
2E011
2E036
【Fターム(参考)】
2E011JA00
2E011KA06
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KC07
2E011KD14
2E011KG06
2E011KH01
2E036RA06
2E036TA04
2E036TA07
(57)【要約】
【課題】水が枠内に入り込みにくい構成の改装用浴室ドアを提供すること。
【解決手段】建物躯体100の開口部に取り付けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に取り付けられる新設枠3と、を備え、新設枠3は、新設枠3の上部を構成する新設上枠31を有し、新設上枠31は、浴室側下側へ延びる下方延部311bを有する改装用浴室ドアである。既設枠2は、既設上枠21、既設下枠22、及び、一対の既設縦枠23、24により矩形に四方組みされて構成され、新設枠3は、新設上枠31、新設下枠32、及び、一対の新設縦枠33、34が、それぞれ既設上枠21、既設下枠22、及び、一対の既設縦枠23、24の各々の内周面側に個別に取付けられることにより、矩形に四方組みされて構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に取り付けられる既設枠と、
前記既設枠の内周側に取り付けられる新設枠と、を備え、
前記新設枠は、前記新設枠の上部を構成する新設上枠を有し、
前記新設上枠は、浴室側下側へ延びる下方延部を有する改装用浴室ドア。
【請求項2】
前記下方延部は、前記新設上枠の端部において下側へ延びるリブにより構成される請求項1に記載の改装用浴室ドア。
【請求項3】
建物躯体の開口部に取り付けられる既設枠と、
前記既設枠の内周側に取り付けられる新設枠と、を備え、
前記新設枠は、前記新設枠の下部を構成する新設下枠を有し、
前記新設下枠は、浴室側下側へ向けて傾斜する傾斜面を有する改装用浴室ドア。
【請求項4】
前記既設枠は、既設上枠、既設下枠、及び、一対の既設縦枠により矩形に四方組みされて構成され、
前記新設枠は、新設上枠、新設下枠、及び、一対の新設縦枠が、それぞれ前記既設上枠、既設下枠、及び、一対の既設縦枠の各々の内周面側に個別に取付けられることにより、矩形に四方組みされて構成される請求項1~請求項3のいずれかに記載の改装用浴室ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装用浴室ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
改装用浴室ドアとしては、既設枠を覆うようにして新設枠が設けられる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-020982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改装用浴室ドアの浴室側においては、水が枠内に入り込みにくい構成が要求される。本開示は、水が枠内に入り込みにくい構成の改装用浴室ドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、建物躯体の開口部に取り付けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に取り付けられる新設枠と、を備え、前記新設枠は、前記新設枠の上部を構成する新設上枠を有し、前記新設上枠は、浴室側下側へ延びる下方延部を有する改装用浴室ドアに関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態に係る改装建具を脱衣室側から見た正面図である。
図2図1のII-II線に沿った縦断面図である。
図3図1のIII-III線に沿った横断面図である。
図4図2に示すAで囲った部分の拡大断面図である。
図5図2に示すBで囲った部分の拡大断面図である。
図6図3に示すCで囲った部分の拡大断面図である。
図7図4に示すDで囲った部分の拡大断面図である。
図8図1に示す改装建具の新設縦枠と新設下枠との突合せ部の斜視図である。
図9図8に示す改装建具の新設縦枠と新設下枠との突合せ部の乾式シーリング部材の右側斜視図である。
図10図8に示す改装建具の新設縦枠と新設下枠との突合せ部の乾式シーリング部材の左側斜視図である。
図11図1に示す改装建具の新設縦枠と新設下枠との突合せ部において、新設縦枠が新設下枠に突合される前の状態を示す斜視図である。
図12図1に示す改装建具の新設縦枠と新設下枠との突合せ部において、新設縦枠が新設下枠に突合された状態を示す斜視図である。
図13図13に示す改装建具の新設縦枠と新設下枠との突合せ部に、乾式シーリング部材を挿入する様子を示す斜視図である。
図14図2に示すAで囲った部分の変形例の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る改装建具1は、既設枠2が建物躯体100の開口部に取り付けられた状態で、既設枠2に新設枠3が取り付けられるリフォーム用(改装用)の改装建具としての浴室ドアである。
【0008】
既設枠2は、既設上枠21、既設下枠22、及び、一対の既設縦枠23、24により矩形に四方組みされて構成されている。新設枠3を構成する新設上枠31、新設下枠32、一対の新設縦枠33、34は、取付前には予め四方組みされておらず分解された状態となっており、それぞれ既設上枠21、既設下枠22、及び、一対の既設縦枠23、24に個別に取付けられ、矩形に四方組みされて構成されている。本工法により施工されて構成される改装建具1においては、新設枠3を予め四方組みしておく必要が無い為、施工性に優れる。
【0009】
以下の説明においては、見込方向とは、改装建具1における浴室から脱衣室へ向かう方向又はその反対の方向である。見付方向とは、改装建具1における面材の面方向に沿う方向であり、見込方向に対して直交する方向である。図面において、改装建具1の浴室側を「浴室側X1」とし、改装建具1の脱衣室側を「脱衣室側X2」とする。改装建具1を正面視したときの横方向を「左右方向」とする。改装建具1を正面視したときの改装建具1の中央部に向かう方向を「内方」とし、改装建具1の中央部から離れる方向を「外方」とする。
【0010】
既設枠2は、図1図2等に示すように、既設上枠21、既設下枠22及び左右一対の既設縦枠23、24の4つの枠部材を矩形に四方組みすることによって形成され、改装前の建物躯体100の開口部の内側に取り付けられている。
【0011】
図2に示すように、既設枠2の脱衣室側には見付け部材101が配置される。見付け部材101は、建物躯体100の開口部の内周面の四周における上側及び左右に亘って取り付けられ、既設枠2の脱衣室側X2の端面に当接もしくは近接して配置されている。見付け部材101は、木材、樹脂材、もしくはアルミ材により形成され、建物躯体100の開口部の内周面からの既設枠2の突出高さと略同一高さを有して既設枠2の脱衣室側X2の見付け面を覆っている。四方組みされた既設枠2と建物躯体100の浴室側X1に設けられる壁材102との隙間は、湿式シーリング104によって四周に亘って目止めされている。
【0012】
既設上枠21は、図2に示すように、建物躯体100の開口部の上部に配置されている。既設上枠21の脱衣室側には、見付け部材101の上部が、既設上枠21に当接もしくは近接して配置されている。既設上枠21と建物躯体100の浴室側X1に設けられる壁材102の上部との隙間は、湿式シーリング104によって目止めされている。既設上枠21は、図4に示すように、水平部211と垂直部212とを有する。
【0013】
既設下枠22は、図2に示すように、建物躯体100の開口部の下部に配置されて固定されている。既設下枠22の脱衣室側には、床材103が、既設下枠22に当接もしくは近接して配置されている。既設下枠22と建物躯体100の浴室側X1に設けられる壁材102の下部との隙間は、湿式シーリング104によって目止めされている。既設下枠22は、図5に示すように、水平部221と垂直部222とを有する。
【0014】
既設縦枠23、24は、図3に示すように、建物躯体100の開口部の左右の縦部に配置されて固定されている。既設縦枠23、24の脱衣室側には、見付け部材101の左右それぞれの部分が、既設縦枠23、24に当接もしくは近接して配置されている。既設縦枠23、24と建物躯体100の浴室側X1に設けられる壁材102の左右それぞれの部分との隙間は、湿式シーリング104によって目止めされている。既設縦枠23は、図6に示すように、見込部231と見付部232とを有する。既設縦枠24は、図7に示すように、見込部241と見付部242とを有する。
【0015】
新設枠3は、既設上枠21の下側に固定される新設上枠31と、既設下枠22の上側に固定される新設下枠32と、左右の既設縦枠23、24の内側に固定される新設縦枠33、34とを有している。新設上枠31、新設下枠32、及び、新設縦枠33、34は、いずれも長尺な部材により構成されている。
【0016】
より具体的には、新設上枠31は、矩形に枠組みされた既設枠2における既設上枠21の下面全体を覆うことができる程度の長さを有している。新設下枠32は、矩形に枠組みされた既設枠2における既設下枠22の上面全体を覆うことができる程度の長さを有している。新設縦枠33、34は、矩形に枠組みされた既設枠2における左右の既設縦枠23、24の内側の面全体を覆うことができる程度の長さを有している。
【0017】
新設上枠31は、図4に示すように、新設上枠31の長手方向における断面視で、水平部311と垂直部312とを有するL字形状に形成されている。水平部311は、既設上枠21の水平部211に対向し、下方に向けて突出して新設折戸5を案内するガイドレール311aを有する。
【0018】
水平部311の浴室側X1の端部は、垂直に下側へ延びる下方延部としてのリブ311bを有して、T字形状に形成されている。リブ311bの下端部は、リブ311bに接続されている水平部311の基部側の部分に対して下側に位置している。これにより、リブ311bに付着した水滴は、リブ311bに沿ってリブ311bの下端部から滴下し、この結果水滴が、既設枠2内や、新設枠3内や、水平部311を伝って脱衣室側X2へと流れていくことを防ぐことが可能となる。
【0019】
リブ311bの上端部と水平部211との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材214が設けられている。乾式シーリング部材214は、リブ311bの上端部、及び、水平部211に当接しており、乾式シーリング部材214により、リブ311bの上端部と水平部211との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材214を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0020】
また、垂直部312の脱衣室側X2の見付面と垂直部212の下端部との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材215が設けられている。乾式シーリング部材215により、垂直部312と垂直部212との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材215を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0021】
新設下枠32は、図5に示すように、新設下枠32の長手方向における断面視で、水平部321と垂直部322とを有するL字形状に形成されている。水平部321は、既設下枠22の水平部221に対向し、上方に向けて突出して新設折戸5を案内するガイドレール321aを有する。
【0022】
ガイドレール321aよりも浴室側X1の水平部321の上側の部分は、浴室側X1へ向かって下側へ緩やかに傾斜する傾斜面321cを有している。これにより、傾斜面321cに落ちた水滴は、傾斜面321cを伝って浴室側X1へ流れる。このため、傾斜面321cに落ちた水滴を浴室側X1へ容易に排水することが可能となり、排水性を高めることが可能となる。
【0023】
水平部321の浴室側X1の端部は、垂直に下側へ延びる下方延部としてのリブ321bを有して、L字形状に形成されている。リブ321bの下端部は、リブ321bに接続されている水平部321の基部側の部分に対して下側に位置している。これにより、リブ321bまで流れた水滴は、リブ321bに沿ってリブ321bの下端部へ流れ、この結果、リブ321bにおける水滴は、浴室側X1へ容易に排水することが可能となり、排水性を高めることが可能となる。
【0024】
リブ321bの下端部と水平部221との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材224が設けられている。乾式シーリング部材224は、リブ321bの下端部、及び、水平部221に当接しており、乾式シーリング部材224により、リブ321bの下端部と水平部221との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材224を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0025】
また、上下方向における垂直部322の上端部と垂直部222の上端部との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材225が設けられている。乾式シーリング部材225により、垂直部322と垂直部222との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材225を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0026】
新設縦枠33は、図6に示すように、新設縦枠33の長手方向における断面視で、見込部331と見付部332とを有するL字形状に形成されている。見込部331は、既設縦枠23の見込部231に対向する。
【0027】
見込部331の浴室側X1の端部は、見付方向外方へ延びるリブ331bを有して、L字形状に形成されている。リブ331bの見付方向外方の端部と見込部231との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材234が設けられている。乾式シーリング部材234は、リブ331bの見付方向外方の端部、及び、見込部231に当接しており、乾式シーリング部材234により、リブ331bの見付方向外方の端部と見込部231との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材234を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0028】
また、見付部332の脱衣室側X2の見付面と見付部232の見付方向内方の端部との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材235が設けられている。乾式シーリング部材235により、見付部332と見付部232との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材235を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0029】
新設縦枠34は、図7に示すように、新設縦枠34の長手方向における断面視で、見込部341と見付部342とを有するL字形状に形成されている。見込部341は、既設縦枠24の見込部241に対向する。
【0030】
見込部341の浴室側X1の端部は、見付方向外方へ延びるリブ341bを有して、L字形状に形成されている。リブ341bの見付方向外方の端部と見込部241との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材244が設けられている。乾式シーリング部材244は、リブ341bの見付方向外方の端部、及び、見込部241に当接しており、乾式シーリング部材244により、リブ341bの見付方向外方の端部と見込部241との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材244を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0031】
また、見付部342の脱衣室側X2の見付面と見付部242の見付方向内方の端部との間には、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材245が設けられている。乾式シーリング部材245により、見付部342と見付部242との間が液密にシールされる。これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材245を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0032】
新設下枠32と新設縦枠34との突合せ部には、図8に示すように、ゴムや樹脂等により構成される部品である乾式シーリング部材346が配置されている。なお、新設下枠32と新設縦枠33との突合せ部、新設上枠31と新設縦枠33との突合せ部、及び、新設上枠31と新設縦枠34との突合せ部にも、乾式シーリング部材346と同様の乾式シーリング部材、又は、乾式シーリング部材346と左右対称形状の乾式シーリング部材が配置されている。以下、乾式シーリング部材346についてのみ説明し、他の乾式シーリング部材については説明を省略する。
【0033】
乾式シーリング部材346は、図9図10に示すように、L字形状に形成された板状の被挟持部346bと、被挟持部346bの上端縁の全体から新設下枠32の中央に向かって延びる板状の端部覆い部346aとを有している。新設下枠32と新設縦枠34との突合せ部における新設下枠32と新設縦枠34との間には、被挟持部346bの厚さよりも僅かに狭い隙間が形成されている。被挟持部346bは、新設下枠32と新設縦枠34との突合せ部において、新設下枠32と新設縦枠34とに挟まれる位置となるこの隙間に挿入されて配置される。端部覆い部346aは、新設下枠32の水平部321の端部の浴室側X1の見付面及び上面と、垂直部322の端部の浴室側X1の見付面及び上面を覆うようにして、配置される。
【0034】
これにより、シール部材としての部品である乾式シーリング部材346を、この位置に配置させるだけで、液密にシールすることが可能となるため、液密にシールをするために流動的なシール材を充填して乾燥させる工程を省くことができ、施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0035】
新設折戸5は、図1図3に示すように、例えば中桟57、58により樹脂製のパネルが上下に仕切られた2枚の障子5a、5bが、戸先框51と中間框52との間及び吊元框53と中間框52との間に補助框54、55を介して取り付けられている。各補助框54、55は、それぞれ中間框52に回転可能に支持されている。これによって、各障子5a、5bは中間框52に対して折り畳み可能に取り付けられている。中桟58には中桟58に沿って平行に延びる把手58aが固定されている。
【0036】
前述の乾式シーリング部材214、乾式シーリング部材215、乾式シーリング部材224、乾式シーリング部材225、乾式シーリング部材234、乾式シーリング部材235、乾式シーリング部材244、乾式シーリング部材245は、例えば、以下の3つの方法のうちのいずれかの方法により、上述の位置に設置される。
【0037】
すなわち、1つめの方法としては、先ず、新設上枠31、新設下枠32、新設縦枠33、34のそれぞれを、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23、24、のそれぞれに固定して取り付ける。そして、新設上枠31と既設上枠21との間に、乾式シーリング部材214、乾式シーリング部材215のそれぞれを圧入して配置する。以上が1つ目の方法である。
【0038】
2つめの方法としては、先ず、乾式シーリング部材214、乾式シーリング部材215を両面テープで既設上枠21に張り付ける。また、乾式シーリング部材224、乾式シーリング部材225を両面テープで既設下枠22に張り付ける。また、乾式シーリング部材234、乾式シーリング部材235、を両面テープで既設縦枠23に張り付ける。また、乾式シーリング部材244、乾式シーリング部材245を両面テープで既設縦枠24に張り付ける。
【0039】
次に、乾式シーリング部材214、乾式シーリング部材215に新設上枠31を当接させる。また、乾式シーリング部材224、乾式シーリング部材225に新設下枠32を当接させる。また、乾式シーリング部材234、乾式シーリング部材235に新設縦枠33を当接させる。また、乾式シーリング部材244、乾式シーリング部材245に新設縦枠34を当接させる。以上が2つ目の方法である。
【0040】
3つめの方法としては、先ず、予め乾式シーリング部材214、乾式シーリング部材215を新設上枠31に張り付けしておく。また、予め乾式シーリング部材224、乾式シーリング部材225を新設下枠32に張り付けしておく。また、予め乾式シーリング部材234、乾式シーリング部材235を新設縦枠33に張り付けしておく。また、予め乾式シーリング部材244、乾式シーリング部材245を新設縦枠34に張り付けしておく。
【0041】
次に、乾式シーリング部材214、乾式シーリング部材215に既設上枠21を当接させる。また、乾式シーリング部材224、乾式シーリング部材225に既設下枠22を当接させる。また、乾式シーリング部材234、乾式シーリング部材235に既設縦枠23を当接させる。また、乾式シーリング部材244、乾式シーリング部材245に既設縦枠24を当接させる。以上が3つ目の方法である。このように、予め乾式シーリング部材214、215、224、225、234、235、244、245を、新設枠3に貼付けておくことで、更なる施工時間の短縮を図ることが可能となる。
【0042】
前述の乾式シーリング部材346は、例えば、以下の方法により、上述の位置に設置される。先ず図11に示す新設縦枠34に対して、新設下枠32を接近させてゆき、図12に示すように、突合せることにより突合せ部を形成する。次に、図13に示すように、上側から乾式シーリング部材346を突合せ部に接近させてゆく。そして、被挟持部346bを新設下枠32と新設縦枠34との隙間に挿入して押圧することにより、乾式シーリング部材346を新設下枠32と新設縦枠34との間に配置させる。
【0043】
また、乾式シーリング部材346を以下の方法により上述の位置に設置してもよい。具体的には、例えば、乾式シーリング部材346を、予め新設縦枠34に張り付けられ、予め新設縦枠34に張り付けられた乾式シーリング部材346に対して新設下枠32を当接させるようにして、乾式シーリング部材346を新設縦枠34と、新設下枠32との間に設ける。
【0044】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0045】
例えば、本実施形態に係る改装建具1は、リフォーム用(改装用)の浴室ドアであったが、これに限定されない。例えば、改装建具は、改装用サッシや、玄関ドアや、勝手口ドアであってもよい。
【0046】
また、本実施形態では、下方延部は、上側及び下側へ突出する突出部を構成するリブ311bにより構成されたが、これに限定されない。下方延部は、下方延部が接続されている新設上枠の部分よりも下側に延びている形状を有していればよい。具体的には、例えば、図14に示すように、下方延部は、上側へ突出する凸部311Acの端縁において下側に延びる端部垂下部311Abにより構成されてもよい。端部垂下部311Abが接続されている凸部311Acの上面は、乾式シーリング部材214の下面に、面で当接しており、シール性が高められる。
【符号の説明】
【0047】
1 改装建具、 2 既設枠、 3 新設枠、21 既設上枠、22 既設下枠、23、24 既設縦枠、 31 新設上枠、 32 新設下枠、 33、34 新設縦枠、 214、215、224、225、234、235、244、245 乾式シーリング部材、 311Ab 端部垂下部(下方延部)、 311Ac 凸部(突出部)、 311b リブ(突出部)、 321c 傾斜面、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14