IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナチュラレーザ・ワンの特許一覧

特開2024-176512多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器
<>
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図1
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図2
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図3
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図4
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図5
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図6
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図7
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図8
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図9
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図10
  • 特開-多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176512
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20241212BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241212BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
F16C11/04 F
H05K5/02 V
H04M1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095077
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】513014628
【氏名又は名称】株式会社ナチュラレーザ・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】森田 竜介
(72)【発明者】
【氏名】武富 義隆
【テーマコード(参考)】
3J105
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
3J105AA05
3J105AB13
3J105AB16
3J105AB17
3J105AB22
3J105AC06
3J105AC07
3J105DA04
3J105DA06
3J105DA15
3J105DA23
3J105DA50
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB17
4E360AB18
4E360AB42
4E360BA01
4E360BA11
4E360BB02
4E360BB12
4E360BB22
4E360BB23
4E360BD05
4E360EA14
4E360EA25
4E360EA28
4E360EC05
4E360EC11
4E360EC13
4E360EC14
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED07
4E360ED15
4E360ED17
4E360ED23
4E360ED28
4E360ED30
4E360GA02
4E360GA08
4E360GA12
4E360GB26
5K023AA07
5K023DD08
5K023HH06
(57)【要約】
【課題】内折り状態、展開状態、外折り状態の全ての状態においてフレキシブルディスプレイシートに適切な面長差補正を行う。
【解決手段】一対の筐体の両表面に跨ってフレキシブルディスプレイシートを取り付けてなる電子機器に用いられ、前記一対の筐体を開閉可能に連結する多軸ヒンジ装置であって、前記一対の筐体の間に挟まれ、前記一対の筐体を各々揺動可能に支持するベースフレームと、前記一対の筐体の揺動角度に応じて前記ベースフレームから前記一対の筐体を離間させる離間移動量を与える筐体スライド機構を有し、前記筐体スライド機構は前記一対の筐体の揺動領域に応じて前記離間移動量を変更する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の筐体の両表面に跨ってフレキシブルディスプレイシートを取り付けてなる電子機器に用いられ、前記一対の筐体を開閉可能に連結する多軸ヒンジ装置であって、前記一対の筐体の間に挟まれ、前記一対の筐体を各々揺動可能に支持するベースフレームと、前記一対の筐体の揺動角度に応じて前記ベースフレームから前記一対の筐体を離間させる離間移動量を与える筐体スライド機構を有し、前記筐体スライド機構は前記一対の筐体の揺動領域に応じて前記離間移動量を変更する事を特徴とする多軸ヒンジ装置。
【請求項2】
前記筐体スライド機構は、前記フレキシブルディスプレイシートを外折り状態から展開状態に移行する領域と前記フレキシブルディスプレイシートを展開状態から内折り状態に移行する領域で前記離間移動量を変更する事を特徴とする請求項1記載の多軸ヒンジ装置。
【請求項3】
前記筐体スライド機構は、前記フレキシブルディスプレイシートを外折り状態から展開状態に移行する領域における前記離間移動量を、前記フレキシブルディスプレイシートを展開状態から内折り状態に移行する領域における前記離間移動量よりも小さくする事を特徴とする請求項1記載の多軸ヒンジ装置。
【請求項4】
前記筐体スライド機構は、前記ベースフレームに設けられた保持部と、前記保持部と前記一対の筐体の揺動角度に応じて揺動するスライドアームと、前記スライドアームにおける揺動角度を前記離間移動量に変換するスライド変換部と、前記スライド変換部の前記離間移動量を前記一対の筐体に与えるテンションブラケットで構成され、前記スライド変換部は前記スライドアームにおける揺動領域に応じて前記離間移動量を変更する事を特徴とする請求項1記載の多軸ヒンジ装置。
【請求項5】
前記スライド変換部は、前記スライドアームにおける揺動角度を前記スライドアームの揺動軸方向の軸方向移動量とするカム部を有し、前記カム部のカム傾斜量は前記スライドアームにおける揺動領域に応じて変化する事を特徴とする請求項4記載の多軸ヒンジ装置。
【請求項6】
前記スライド変換部は、前記スライドアームと第1の関節で揺動可能に支持されると共に前記スライドアームの軸方向移動に応じて軸方向移動する軸方向移動プレートと、前記軸方向移動プレートの移動方向を前記離間移動量の方向に変換する変換プレートを有し、前記変換プレートは前記テンションブラケットと接続される事を特徴とする請求項5記載の多軸ヒンジ装置。
【請求項7】
前記変換プレートは、前記軸方向移動プレートの移動量を拡大して前記テンションブラケットの移動量とする事を特徴とする請求項6記載の多軸ヒンジ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に各記載の多軸ヒンジ装置を用いた事を特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の筐体の両表面に跨って、例えば有機EL製のフレキシブルディスプレイシートを取り付けて成る、携帯電話機、電子手帳、PDA、ネットブック、さらにはノートパソコンなどの各種の電子機器に用いて好適な多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一対の筐体の両表面に跨って1枚の有機EL製のフレキシブルディスプレイシートを取り付けて成る携帯電話機等の電子機器が開発され、世の中に出回りつつある。この様な電子機器を折りたたみ状態から展開状態に移行する時に、フレキシブルディスプレイシートに弛みや突っ張りなどの面長差に起因する問題を軽減する構造について下記特許文献1で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-009923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術文献では、電子機器を折りたたみ状態から展開状態に移行する過程で展開角度に応じてフレキシブルディスプレイシートの面長差対策を施している。しかしながら、内折り状態、展開状態、外折り状態の3状態を可能にした電子機器の全ての状態において、フレキシブルディスプレイシートに適切な面長差対策を行うことは出来ない。
そこで本発明では、内折り状態、展開状態、外折り状態の全ての状態においてフレキシブルディスプレイシートに適切な面長差対策を行う事が出来る構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、一対の筐体の両表面に跨ってフレキシブルディスプレイシートを取り付けてなる電子機器に用いられ、前記一対の筐体を開閉可能に連結する多軸ヒンジ装置であって、前記一対の筐体の間に挟まれ、前記一対の筐体を各々揺動可能に支持するベースフレームと、前記一対の筐体の揺動角度に応じて前記ベースフレームから前記一対の筐体を離間させる離間移動量を与える筐体スライド機構を有し、前記筐体スライド機構は前記一対の筐体の揺動領域に応じて前記離間移動量を変更する事を特徴とする。
【0006】
次に請求項2記載の発明は、前記筐体スライド機構は、前記フレキシブルディスプレイシートを外折り状態から展開状態に移行する領域と前記フレキシブルディスプレイシートを展開状態から内折り状態に移行する領域で前記離間移動量を変更する事を特徴とする。
【0007】
次に請求項3記載の発明は、前記筐体スライド機構は、前記フレキシブルディスプレイシートを外折り状態から展開状態に移行する領域における前記離間移動量を、前記フレキシブルディスプレイシートを展開状態から内折り状態に移行する領域における前記離間移動量よりも小さくする事を特徴とする。
【0008】
次に請求項4記載の発明は、前記筐体スライド機構は、前記ベースフレームに設けられた保持部と、前記保持部と前記一対の筐体の揺動角度に応じて揺動するスライドアームと、前記スライドアームにおける揺動角度を前記離間移動量に変換するスライド変換部と、前記スライド変換部の前記離間移動量を前記一対の筐体に与えるテンションブラケットで構成され、前記スライド変換部は前記スライドアームにおける揺動領域に応じて前記離間移動量を変更する事を特徴とする。
【0009】
次に請求項5記載の発明は、前記スライド変換部は、前記スライドアームにおける揺動角度を前記スライドアームの揺動軸方向の軸方向移動量とするカム部を有し、前記カム部のカム傾斜量は前記スライドアームにおける揺動領域に応じて変化する事を特徴とする。
【0010】
次に請求項6記載の発明は、前記スライド変換部は、前記スライドアームと第1の関節で揺動可能に支持されると共に前記スライドアームの軸方向移動に応じて軸方向移動する軸方向移動プレートと、前記軸方向移動プレートの移動方向を前記離間移動量の方向に変換する変換プレートを有し、前記変換プレートは前記テンションブラケットと接続される事を特徴とする。
【0011】
次に請求項7記載の発明は、前記変換プレートは、前記軸方向移動プレートの移動量を拡大して前記テンションブラケットの移動量とする事を特徴とする。
【0012】
次に請求項8記載の発明は、電子機器に請求項1乃至7のいずれか1項に各記載の多軸ヒンジ装置を用いた事を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の様に構成すると、折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【0014】
請求項2の様に構成すると、折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【0015】
請求項3の様に構成すると、折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【0016】
請求項4の様に構成すると、少ない部品点数で折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【0017】
請求項5の様に構成すると、コンパクト化を図りつつ、折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【0018】
請求項6の様に構成すると、コンパクト化を図りつつ、折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【0019】
請求項7の様に構成すると、折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【0020】
請求項8のように構成すると、電子機器の折りたたみ時に発生するフレキシブルディスプレイシートに加わる弛みや突っ張りを軽減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る多軸ヒンジ装置を用いたフレキシブルディスプレイシートを有する電子機器を示し、(a)はフレキシブルディスプレイシートが内折り状態の時における筐体斜視図、(b)はフレキシブルディスプレイシートが展開状態の時における筐体斜視図、(c)はフレキシブルディスプレイシートが外折り状態の時における筐体斜視図である。
図2】フレキシブルディスプレイシートが展開状態の時における一対の筐体と多軸ヒンジ装置の配置を示す平面図である。
図3】取付プレート、ベースフレーム、カバー及びロウワーカバーの斜視図である。
図4】面長差を説明する図であり、(a)はフレキシブルディスプレイシートの状態変化模式図、(b)は外折り状態から展開状態を経て内折り状態に移行する時の面長差の変化例を表す図である。
図5】筐体スライド機構の全体像を示す図であり、(a)は取付プレートに配置された状態の斜視図、(b)は取付プレートに配置された状態の平面図である。
図6】筐体スライド機構におけるスライド変換部の一部である軸方向移動プレートと変換プレートの動作を説明する平面図であり、(a)は説明の為に軸方向移動プレートとアッパーカバーを省いた図、(b)は軸方向移動プレートとアッパーカバーを加えた動作図である。
図7】筐体スライド機構における保持部とスライドアーム及びスライド変換部の一部であるカム部及び弾性部の斜視図であり、(a)は上面から見た斜視図、(b)は裏面から見た斜視図である。
図8】筐体スライド機構における保持部とスライドアーム及びスライド変換部の一部であるカム部及び弾性部を裏面から見た分解斜視図である。
図9】筐体スライド機構におけるスライドアームの動作を説明する斜視図であり、(a)はフレキシブルディスプレイシートが内折り状態の時の斜視図、(b)はフレキシブルディスプレイシートが展開状態の時の斜視図、(c)はフレキシブルディスプレイシートが外折り状態の時の斜視図である。
図10】筐体スライド機構におけるカム部の傾斜を説明する図であり、(a)はスライドアーム及びスライド変換部の一部である作用カム及び弾性部であるコイルスプリングの斜視図、(b)は作用カムの拡大斜視図である。
図11】筐体スライド機構におけるスライドアームの同期を説明する図であり、(a)は保持部、スライドアーム及びスライド変換部の一部である作用カム及び弾性部であるコイルスプリングの平面図、(b)は(a)におけるC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明に係る多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた電子機器の実施の形態を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【実施例0023】
図1は本発明に係る多軸ヒンジ装置を用いた電子機器の一例としての携帯電話機A(スマートフォン)を概略的に示している。
【0024】
図1(a)は一対の筐体1の互いのなす角度が略0度となる、フレキシブルディスプレイシート4が内折り(以下、内折り状態)における携帯電話機Aの斜視図である。ここで携帯電話Aの外装は、一対の筐体1と背面カバー2に分けられ、背面カバー2は一対のロウワーカバー21、カバー22、スライドブラケット23、ベースブラケット24で構成される。又、スイッチ3はフレキシブルディスプレイシートの表示を起動する為に設けられている。後述するが、一対の筐体1は取付プレート(図1では見えない。)と接続されている。又、ベースフレームに設けられる多軸ヒンジ装置B(図1では見えない。)により一対の取付プレートはベースフレームに対して揺動可能に支持されている。
図1(b)は一対の筐体1の互いのなす角度を略180度に開いてフレキシブルディスプレイシート4を展開(以下、展開状態)した時における携帯電話機Aの斜視図である。ここで、展開状態におけるフレキシブルディスプレイシート4の矢印4d方向の長さを「面長」と定義する。そして、一対の筐体1の互いのなす角度を360度にすると図1(c)となる。図1(c)ではフレキシブルディスプレイシート4は外折り(以下、外折り状態)となり、携帯電話機Aのコンパクト性を保ちながらユーザーはフレキシブルディスプレイシート4に表示される情報を受け取ることが出来る。
図1(a)、図1(b)、図1(c)の形態をとる携帯電話機Aでは、一般的に展開状態と内折り状態、外折り状態で機器表面の長さが変化する。その為、機器の表面長さと、その上に支持されるフレキシブルディスプレイシート4の面長の差(「面長差」と定義する。)によりフレキシブルディスプレイシート4に弛みや突っ張りが発生する。そして、このような面長差に起因する弛みや突っ張りを軽減する機構がフレキシブルディスプレイシート4に加わる負荷を低減する為に重要になってくる。
【0025】
図2はフレキシブルディスプレイシート4が展開状態の時における、多軸ヒンジ装置B及び一対の筐体1、一対の取付プレート5を図示した平面図である。図2においては、多軸ヒンジ装置Bを図示する為にフレキシブルディスプレイシート4等を省いている。
多軸ヒンジ装置Bはヒンジ機構7、ロック機構8、筐体スライド機構9、カバースライド機構10、同期機構11、フレキシブルディスプレイシートガイド機構12、カバーガイド機構13で構成される。尚、ヒンジ機構7、ロック機構8、筐体スライド機構9、カバースライド機構10、同期機構11は図3に示すベースフレーム6に取り付けられ、フレキシブルディスプレイシートガイド機構12、カバーガイド機構13は取付プレート5に設けられている。
【0026】
ヒンジ機構7と図3に示すベースフレーム6はベースフレーム6の取付孔6cで螺合され固定されている。そしてヒンジ同期部71から延出するヒンジアーム72の取付孔72aが図3に示す一対の取付プレート5に設けられた取付ネジ孔5aと螺合している。その為、一対の取付プレート5はヒンジアーム72の揺動軸1aにおける矢印1b周りに揺動可能に支持される。ヒンジ機構7はベースフレーム6上に設けられている為に一対の取付プレート5はベースフレーム6に対して揺動可能に支持される事になる。尚、ヒンジアーム72の揺動軸1aは一対の筐体1を内折り状態、展開状態、外折り状態の3状態を最適に実現する為にヒンジ同期部71内でスウィング移動する構造になっている。
【0027】
ロック機構8とベースフレーム6はベースフレーム6の取付孔6eで螺合されている。そしてロック同期部81の第1関節部82から延出するロックアーム84は第2関節部83、ロックジョイント85、ロックブラケット86を介して一対の取付プレート5と接続されている。具体的にはロックブラケット86はロックブラケット86の裏面に設けられた不図示の軸と図3に示す一対の取付プレート5の位置決め穴5dで位置決めされると共に、取付孔86aと取付ネジ孔5cにより螺合される。ロック機構8は内折り状態、展開状態及び外折り状態を保持する為に設けられており各関節部には動作負荷を発生させる負荷発生部を設けている。尚、第1、第2関節部82、83の様に複数の関節部でベースフレーム6と取付プレート5を接続する事でヒンジ機構7との重複嵌合が生じない構成となっている。
【0028】
筐体スライド機構9とベースフレーム6はベースフレーム6の取付孔6d、6eで螺合されている。ここで取付孔6eは前述したロック機構8と共締めとなっている。筐体スライド機構9は外折り状態から展開状態を経て内折り状態への移行に基づいて一対の筐体を矢印1c方向に押し出す。これにより、外折り状態から展開状態を経て内折り状態になるにつれて生じるフレキシブルディスプレイシート4の弛みや突っ張りを軽減する機構である。筐体スライド機構9は一対の取付プレート5の揺動を拾う開閉検出部A91であるスライドアーム91a、スライドアーム91aで拾った取付プレート5の動き方向を変換するスライド変換部A92である軸方向移動プレート92a、スライド変換部A92の動きを一対の筐体1に伝えるテンションブラケット93aで構成され、テンションブラケット93aの取付孔93abが一対の筐体1に設けられた取付ネジ孔(不図示)と螺合している。この様な構造により、筐体スライド機構9は一対の筐体1をベースフレーム6から離間方向に移動させる。その為、フレキシブルディスプレイシート4は取付プレート5の揺動量に応じた適度なテンションを受けることが出来る。筐体スライド機構の詳細については後述する。
【0029】
カバースライド機構10は図3に示すカバー22を常に矢印1c方向に引っ張ることで外折り状態になるにつれて生じるカバー22の弛みをとる機構であり、図3におけるカバー22の耳部22aと螺合するカバー付勢部102をコイルスプリング等のテンション弾性部101で矢印1c方向に付勢する構成になっている。
【0030】
同期機構11とベースフレーム6はベースフレーム6の取付孔6bと螺合されている。同期機構11は一対の同期シャフトピン111と一対の同期シャフトピン111を軸とし互いに噛合する一対の同期ギア112を有し、一対の取付プレート5の揺動を同期させる為に設けられている。
【0031】
フレキシブルディスプレイシートガイド機構12は長孔121に嵌め込まれたフレキシブルディスプレイシートガイドピン122がフレキシブルディスプレイシート4に裏打ちされた保護シートと接着される事によりフレキシブルディスプレイシート4を矢印1c方向及びその逆方向のみに移動する様にガイドしている。
【0032】
カバーガイド機構13は長孔131に嵌め込まれたカバーガイドピン132がカバー22のガイド孔22bと嵌め合う事でカバー22を矢印1c方向及びその逆方向のみに移動する様にガイドしている。
【0033】
図3において、カバー22は取付孔22cとベースフレーム6の取付ネジ孔6aにより螺合されてベースフレーム6に取り付けられる。又、ロウワーカバー21の取付孔21aと取付プレート5の取付ネジ孔5bにより螺合されて取付プレート5に取り付けられる。更にフック21b、21cは図2に示したスライドブラケット23と係合されている。
【0034】
多軸ヒンジ装置Bはこれら複数の機構で構成されており、各々異なる役割を担っている。本発明ではそれら役割の中でも外折り状態から展開状態を経て内折り状態と移行する時にフレキシブルディスプレイシート4に発生する弛みや突っ張りを軽減する筐体スライド機構9について詳細を説明してゆく。
【0035】
図4は面長差を説明する図であり、(a)はフレキシブルディスプレイシートの状態変化模式図、(b)は外折り状態から内折り状態に移行する時に発生する面長差の変化例を表す図である。
図4においてフレキシブルディスプレイシート4は原点41を中心にして円弧c4aを有する外折り状態となるフレキシブルディスプレイシート4aからフレキシブルディスプレイシート4bの展開状態を経て円弧c4cを有する内折り状態となるフレキシブルディスプレイシート4cに移行する。図4(b)は上記移行時における面長差曲線42を表すグラフであり、横軸43はフレキシブルディスプレイシート4が外折り状態から内折り状態に移行する時における筐体1の開閉状態、縦軸44は面長差を示している。
【0036】
図4(b)の面長差曲線42においてフレキシブルディスプレイシート4が外折り状態4aから展開状態4bに至る迄の面長差の変化42aはフレキシブルディスプレイシート4が展開状態4bから内折り状態4cに至る迄の面長差の変化42bよりも小さい。外折り状態から展開状態に至る迄の面長差の変化42aが小さい理由は、外折り状態におけるフレキシブルディスプレイシート4a及び円弧c4aは原点41に対して揺動軸1aと同じ側に設けられている事、及び円弧c4aの曲率半径が大きい事による。それに対して展開状態から内折り状態に至る迄の面長差の変化42bが大きい理由は、内折り状態におけるフレキシブルディスプレイシート4c及び円弧c4cは揺動軸1aに対して原点41から反対側となっている事、及び円弧c4cの曲率半径が小さい事による。又、展開状態から内折り状態に至る迄の面長差の変化42bに直線領域が多いのは円弧c4cの曲率半径が小さいので、フレキシブルディスプレイシート4の折りたたみ長さに対する円弧c4cの長さの割合が少ない為である。
【0037】
図4(b)に示す様に面長差曲線42が筐体1の開閉角度に対して比例していない時には、特許文献1に示される様に筐体1の揺動角度に比例する弛みや突っ張りを軽減の為の補正(面長差補正)を行うと筐体開閉途中でフレキシブルディスプレイシート4に強い突っ張り力が加わったり、逆に大きな弛みが生じてしまう。
本発明では外折り、展開、内折り状態をとる電子機器において、フレキシブルディスプレイシート4の面長差変化が筐体1の揺動角度に応じて変わることを見出した。そして、それに対応する為に、特許文献1の様に筐体1の揺動角度に応じて定量の面長差補正を行うのではなく、筐体1の揺動領域に応じて面長差補正量を変化させる(変化率を変える)事を特徴としている。具体的には、筐体スライド機構9は一対の筐体1の揺動角度に応じてベースフレーム6から一対の筐体1を離間させる際に一対の筐体1の揺動領域に応じて前記離間の移動量(以降、離間移動量)を変更する。
【0038】
図5は筐体スライド機構9の全体像を示す図であり、(a)は取付プレート5に配置された状態の斜視図、(b)は取付プレート5に配置された状態の平面図である。図6は筐体スライド機構におけるスライド変換部の一部である軸方向移動プレートと変換プレートの動作を説明する平面図である。図5図6を用いて筐体スライド機構9を構成するスライド変換部A92の一部及びテンションブラケット93aの各部材配置を説明する。
【0039】
[スライド変換部A92の一部及びテンションブラケット93aの各部材配置]
不図示のベースフレーム6には保持部A90を構成する保持枠90aが取り付けられている。開閉検出部A91であるスライドアーム91aは揺動軸1a周りを揺動可能に保持部A90に支持されている。図6(a)及び図7に示す様にスライドアーム91aの先端部は第1の関節として、軸受91acにスライドアーム軸91abが嵌合している。そしてスライドアーム軸91abは図6(b)に示す様に軸方向移動プレート92aとも嵌合しており、更にスライドアーム91aの先端部は軸方向移動プレート92aの挟持部92abに挟持されている。その為、スライドアーム91aが図5(b)における矢印91b方向に移動する時には軸方向移動プレート92aも同方向に移動する。軸方向移動プレート92aの軸方向スライド軸92aeに沿う軸受部92acはアッパーカバー94aに設けられた軸方向移動プレート軸94acと嵌合しており、軸受部92ac方向には移動可能且つ軸受部92ac周りにも揺動可能に支持されている。アッパーカバー94aは軸方向移動プレート92aが取り付けられた状態で、取付プレート5に対して取付孔94abにより螺合される。
【0040】
変換プレート92cは揺動軸92caまわりに揺動可能に取付プレート5に支持されている。変換プレート92cの長孔92cdは図6(b)における軸方向移動プレート92aの裏面に設けられた作用軸92adが挿入されている。その為、軸方向移動プレート92aが矢印92b方向に移動すると、変換プレート92cは揺動軸92caまわりに揺動する。図5(b)に示すテンションブラケット93aは取付プレート5に設けられたスライド軸93acと軸受93adで嵌合しており、スライド軸93ac上を摺動可能に支持されている。テンションブラケット93aの長孔93aeには変換プレート92cの作用軸92cbが挿入されており、変換プレート92cの揺動軸92caまわりの揺動に伴う作用軸92cbの移動によりテンションブラケット93aはスライド軸93ac上を摺動する。テンションブラケット93aの取付孔93abは筐体1の不図示の取付ネジ孔と螺合している。軸方向移動プレート92a、変換プレート92c及び後述する作用カム部92e、カム受け部92f、カムシャフト92g、ワッシャ92h、コイルスプリング92iによりスライド変換部A92を構成している。
【0041】
上記説明した各部材において展開状態から内折り状態に移行する時の動作について図5図6を用いて説明する。
【0042】
[スライド変換部A92の一部及びテンションブラケット93aの動作説明]
一対の筐体1を図5に示す展開状態から内折り状態へと操作すると、一対の筐体1に接続される取付プレート5の揺動に伴ってスライドアーム91aは揺動軸1a周りを揺動する。スライドアーム91aの揺動は後述するカム機構により矢印91b方向のスライドアーム91aの軸方向移動に変換される。スライドアーム91aを挟持する軸方向移動プレート92aもスライドアーム91aの矢印91b方向の軸方向移動に伴って矢印92b方向に軸方向移動する。軸方向移動プレート92aの軸方向移動により作用軸92adが変換プレート92cの長孔92cdを付勢する。これにより変換プレート92cは揺動軸92caまわりを矢印92d方向に揺動する。
【0043】
テンションブラケット93aの長孔93aeは変換プレート92cの作用軸92cbにより矢印92d方向に付勢される。これによりテンションブラケット93aはスライド軸93ac上を矢印1c方向に移動する。ここで、軸方向移動プレート92aの軸方向移動量は拡大されてテンションブラケット93aの移動量となる。何故ならば変換プレート92cの揺動軸92caと軸方向移動プレート92aの作用軸92adの間の距離に対して、変換プレート92cの揺動軸92caと変換プレート92cの作用軸92cbの間の距離は十分長く、変換プレート92cにより移動量の拡大が行われている為である。この様に筐体1のベースフレーム6に対する揺動に伴うテンションブラケット93aの作用により筐体1はベースフレーム6から離間する方向(矢印1c)に移動する。
【0044】
前述したスライドアーム91aの矢印91b方向の移動について説明する。
始めに図7(a)、(b)、図8を用いて筐体スライド機構9を構成する保持部A90、開閉検出部A91及びスライド変換部A92の各部材配置を説明する。
【0045】
[保持部A90、開閉検出部A91及びスライド変換部A92の各部材配置]
図7は筐体スライド機構9における保持部A90とスライドアーム91a及びスライド変換部A92の一部であるカム部及び弾性部の斜視図であり、(a)は上面から見た斜視図、(b)は裏面から見た斜視図である。図8は筐体スライド機構9における保持部A90とスライドアーム91a及びスライド変換部A92の一部であるカム部及び弾性部を裏面から見た分解斜視図である。スライドアーム91aは作用カム92e(図8)と噛み合うドグクラッチ91ae、互いに噛合し、一対のスライドアーム91aを同期させる一対の同期ギア91adを有する。尚、作用カム92eをスライドアーム91aと一体化し、ドグクラッチ91aeを省いてもよい。更に、スライドアーム91aは図7(a)、(b)で図示したスライドアーム軸91abが嵌合する第1の関節である軸受91ac及び後述するカムシャフト92gに沿って軸方向に摺動可能に嵌合する軸受91afを有する。
【0046】
作用カム92eの軸受92eb及びスライドアーム91aの軸受91afにはカムシャフト92gが貫通しており、カムシャフト92gと同軸外周には弾性部であるコイルスプリング92iが設けられている。そして、コイルスプリング92iはカムシャフト92gが貫通する一対のワッシャ92hに挟持されている。一対のワッシャ92hは一方は保持枠90aのワッシャ受け90acと当接し、他方はスライドアーム91aと当接している。カムシャフト92gは保持枠90aの軸溝90abに嵌め込まれており、カム受け部92fの軸受92faとも貫通している。
【0047】
ここでコイルスプリング92iは挟持されるワッシャ92hによりチャージされて保持枠90aに嵌め込まれており、スライドアーム91a及び作用カム92eを矢印91c方向に付勢している。その為、作用カム92eとカム受け部92fは対向付勢されている。蓋90bは保持枠90aとネジ90c及び取付孔90ba、取付ネジ穴90adにより螺合されて取付けられる。
【0048】
上記説明した各部材において内折り状態から展開状態を経て外折り状態に移行する時の動作について図9(a)、(b)、(c)を用いて説明する。
【0049】
[保持部A90、開閉検出部A91及びスライド変換部A92の動作説明]
図9は筐体スライド機構9におけるスライドアーム91aの動作を説明する斜視図であり、(a)は内折り状態の時の斜視図、(b)は展開状態の時の斜視図、(c)は外折り状態の時の斜視図である。尚、図9(a)、(b)、(c)は図7(b)と同様に裏面から見た斜視図の為に図1(a)の内折り状態及び図1(c)の外折り状態とはスライドアーム91aの折り曲げ向きが逆になっている。ここで、図9(a)における内折り状態から図9(b)における展開状態となる様にスライドアーム91aを揺動操作すると作用カム92eのカム傾斜とコイルスプリング92iとの関係からスライドアーム91aは矢印91c方向に移動を開始する。そして図9(b)における展開状態から図9(c)における外折り状態となる様にスライドアーム91aを揺動操作するとスライドアーム91aは更に矢印91c方向に移動する。これは前述した様にコイルスプリング92iがスライドアーム91aを矢印91c方向に付勢している事、そして作用カム92eがドグクラッチ91aeを介してスライドアーム91aにより回転させられて、作用カム92eのカム傾斜面とカム受け部92fの当接面が変化する為である。
【0050】
図9におけるスライドアーム91aの揺動角度とスライドアーム91aの矢印91c方向移動量の関係について図10(a)、(b)を用いて説明する。図10は筐体スライド機構9における作用カム92eの傾斜を説明する図である。ここで図10(a)はスライドアーム91a及びスライド変換部A92の一部である作用カム92e及び弾性部であるコイルスプリング92iの斜視図であり、図9の構成から保持部A90を除いた図である。図10(b)は作用カム92eの拡大斜視図である。図10(a)においてスライドアーム91aはコイルスプリング92iにより矢印91c方向に付勢されているが、作用カム92eのカム面92eaとカム受け部92fのカム当接面92fbが当接して移動規制している為にスライドアーム91aは矢印91c方向に移動出来ない。ここでスライドアーム91aの回転がドグクラッチ91aeを介して作用カム92eに伝わるとカム受け部92fのカム当接面92fbに対する作用カム92eのカム面92eaが変化する。その為、カム面の傾斜量に応じてスライドアーム91aは矢印91c方向に移動する。
【0051】
図10(b)の作用カム92e拡大図においてカム面92eaはスライドアーム91aが外折り状態から展開状態に揺動する時のカム領域92ecと展開状態から内折り状態に揺動する時のカム領域92edに分けられている。そしてカム領域92ecのカム傾斜量はカム領域92edのカム傾斜量よりも緩やかに設定されている。即ち、スライドアーム91aの回転角度に応じてカム傾斜量を変化させている。一般的にはスライドアーム91aの回転角度に応じたカム傾斜量は一定にする。しかしながら、前述した様に、外折り状態から展開状態を経て内折り状態になる電子機器においてはカム傾斜量を一定にすると、外折り状態、展開状態、内折り状態へと移行する時にフレキシブルディスプレイシート4に強い突っ張りが加わったり、逆に大きな弛みが生じてしまう。それを避ける為に図4で示した面長差曲線42に基づいて、スライドアーム91aの回転角度に応じたカム傾斜量を変化させている。この様なカム形状を採用する事で、筐体スライド機構9は一対の筐体1の揺動角度に応じてベースフレーム6から一対の筐体1を離間させる際に、揺動領域に応じて離間移動量を変更する事が出来る様になった。
【0052】
本発明の筐体スライド機構9においてスライドアーム91aは左右設けられており、一方のみ揺動してしまうとフレキシブルディスプレイシート4に与える面長差補正が適正にできない。そこで左右一対のスライドアーム91aの揺動量が同期する機能を設けている。図11は筐体スライド機構9におけるスライドアーム91aの同期を説明する図であり、(a)はスライドアーム91a及びスライド変換部A92の一部である作用カム92e及び弾性部であるコイルスプリング92iの平面図、(b)は(a)におけるC-C断面図である。図11(b)でわかる様に一対のスライドアーム91aに設けられている同期ギア91adは互いに噛合している。その為、一方のスライドアーム91aに揺動操作が加わった場合でも他方のスライドアーム91aも同量揺動する。この様な機構を設けている事によりフレキシブルディスプレイシート4に与える面長差補正を常に適正に出来ている。
【0053】
以上説明した様に本発明の多軸ヒンジ機構においては、一対の筐体の揺動角度に応じてベースフレーム6から一対の筐体1を離間させる筐体スライド機構9を設け、筐体スライド機構9は、一対の筐体1の揺動領域に応じて離間移動量を変更する事で内折り状態、展開状態、外折り状態の全ての状態において面長差補正を行うことが出来た。尚、本実施例における筐体スライド機構9は、図2で説明した各種機構を組み合わせた多軸ヒンジ装置での使用に限られず、様々なヒンジ装置に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、一対の筐体に跨らせてフレキシブルディスプレイシートが掛け渡される構成の折り畳み式の電子機器、例えば携帯電話機、電子手帳、PDA、ネットブック、映像ディスプレイ装置、携帯用ゲーム機、ノートパソコンなどに用いて好適な多軸ヒンジ装置、並びにこの多軸ヒンジ装置を用いた折り畳み式の電子機器として好適に用いられるものである。本発明に係る多軸ヒンジ装置は、携帯電話機だけに用いられるものではなく、上記したように、表面に1枚のフレキシブルディスプレイシートを取り付けた一対の筐体を互いに開閉可能に連結する構成の折り畳み式の電子機器において広く用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 筐体
2 背面カバー
3 スイッチ
4 フレキシブルディスプレイシート
5 取付プレート
6 ベースフレーム
7 ヒンジ機構
8 ロック機構
9 筐体スライド機構
10 カバースライド機構
11 同期機構
12 フレキシブルディスプレイシートガイド機構
13 カバーガイド機構
90a 保持枠
90b 蓋
91a スライドアーム
92a 軸方向移動プレート
92c 変換プレート
92e 作用カム
92f カム受け部
92g カムシャフト
92h ワッシャ
92i コイルスプリング
93a テンションブラケット
94a アッパーカバー
A 携帯電話機
B 多軸ヒンジ装置
A90 保持部
A91 開閉検出部
A92 スライド変換部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11