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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176531
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電解液体生成装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/60 20210101AFI20241212BHJP
   C25B 1/13 20060101ALI20241212BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20241212BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
C25B9/60
C25B1/13
C25B9/00 A
C25B9/00 Z
C02F1/461 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095114
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今堀 修
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】松山 直樹
(72)【発明者】
【氏名】長田 実
【テーマコード(参考)】
4D061
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB01
4D061EB04
4D061EB13
4D061EB16
4D061EB19
4D061EB29
4D061EB30
4D061EB35
4K021AB15
4K021BA02
4K021CA01
4K021DA11
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC07
(57)【要約】
【課題】電解部における電解液体の生成効率を向上させることが可能な電解液体生成装置を提供する。
【解決手段】電解液体生成装置100は、電解部1と、弾性体2と、ハウジング3と、を備える。電解部1は、第1電極13及び第2電極11が第1方向D1に並び、液体を電解処理する。弾性体2は、電解部1の第1電極13を第1方向D1に押さえている。ハウジング3は、電解部1及び弾性体2が内部に配置されている。ハウジング3は、電解部1に供給される液体が流入する流入口と、電解部1で生成される電解液体が流出する流出口と、を有する。ハウジング3は、内部に面している内面33に複数の凸部列を有するカバー32を含む。複数の凸部列の各々は、第2方向D2に間隔を空けて並ぶ複数の凸部332を含む。複数の凸部列は、第3方向D3に間隔を空けて並んでいる。複数の凸部列は、電解部1の第2電極11を第1方向D1に押さえている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極及び第2電極が積層方向である第1方向に並び、液体を電解処理する電解部と、
前記電解部の前記第1電極を前記第1方向に押さえている弾性体と、
前記電解部及び前記弾性体が内部に配置されているハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、
前記電解部に供給される前記液体が流入する流入口と、
前記電解部で生成される電解液体が流出する流出口と、を有し、
前記ハウジングは、前記内部に面している内面に複数の凸部列を有するカバーを含み、
前記複数の凸部列の各々は、前記第1方向と交差する第2方向に間隔を空けて並ぶ複数の凸部を含み、
前記複数の凸部列は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に間隔を空けて並んでおり、
前記複数の凸部列は、前記電解部の前記第2電極を前記第1方向に押さえている、
電解液体生成装置。
【請求項2】
前記第3方向において、前記複数の凸部列のうちの両端に位置している2つの端列は、いずれも、前記内面の2つの端部よりも内側に位置しており、
前記液体が前記ハウジングの前記内部を通過する経路である流路は、前記電解部と前記カバーとの間に位置している主流路と副流路とを含み、
前記第3方向において、
前記主流路は、前記2つの端列の間に位置しており、
前記副流路は、前記2つの端列よりも外側に位置しており、
前記主流路と前記副流路とは互いに連通している、
請求項1に記載の電解液体生成装置。
【請求項3】
前記第3方向において、前記2つの端列は、いずれも、前記第1電極と重なる位置に配置されている、
請求項2に記載の電解液体生成装置。
【請求項4】
前記第3方向において、前記2つの端列は、いずれも、前記弾性体と重なる位置に配置されている、
請求項3に記載の電解液体生成装置。
【請求項5】
前記第2電極は、前記第2方向に間隔を空けて並んでいる複数の貫通孔を有し、
前記第2方向において、前記複数の凸部列の各々に含まれる前記複数の凸部の幅は、前記第2電極の前記複数の貫通孔の間隔より狭いか同じである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電解液体生成装置。
【請求項6】
前記複数の凸部列は、3以上の凸部列を含み、
前記第2方向において、前記複数の凸部列のうち前記第3方向の両端以外の凸部列に含まれる前記複数の凸部の各々の幅は、前記複数の凸部列のうち前記第3方向の両端に位置する前記凸部列に含まれる前記複数の凸部の各々の幅よりも大きい、
請求項5に記載の電解液体生成装置。
【請求項7】
前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方は給電部に接続されており、
前記カバーは、前記内面に、前記給電部を前記第1方向に押さえることが可能な突出部を更に有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電解液体生成装置。
【請求項8】
前記カバーの前記内面からの前記突出部の高さは、前記カバーの前記内面からの前記複数の凸部列の高さとは異なる、
請求項7に記載の電解液体生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は電解液体生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電解液体生成装置として、オゾン(電解生成物)が水に溶解したオゾン水(電解液体)を生成するオゾン水生成装置が知られている。電解部は、一対の電極と、一対の電極の間に配置されている導電性膜を有する。そして、電解部を水に浸した状態で一対の電極の間に電位差を生じさせることで、水中にて電気化学反応を起こす電解処理が行われて、オゾン水が生成される(例えば、特許文献1参照)。電解部は、電極ケース蓋(カバー)を備えるハウジングに収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-176993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電解液体生成装置では、電極ケース蓋に設けられている突起部が電解部の電極を押さえている構成である。しかしながら、一対の電極が対向する向きと直交する方向において、電極ケース蓋の突起部が電解部を押さえている力が不均一である場合、電極に反りが生じて電解部の電気抵抗に偏りが生じ、電解液体の生成効率が低下する場合がある。
【0005】
本開示は、電解部における電解液体の生成効率を向上させることが可能な電解液体生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電解液体生成装置は、電解部と、弾性体と、ハウジングと、を備える。前記電解部は、第1電極及び第2電極が積層方向である第1方向に並び、液体を電解処理する。前記弾性体は、前記電解部の前記第1電極を前記第1方向に押さえている。前記ハウジングは、前記電解部及び前記弾性体が内部に配置されている。前記ハウジングは、流入口と、流出口と、を有する。前記流入口は、前記電解部に供給される前記液体が流入する。前記流出口は、前記電解部で生成される電解液体が流出する。前記ハウジングは、前記内部に面している内面に複数の凸部列を有するカバーを含む。前記複数の凸部列の各々は、前記第1方向と交差する第2方向に間隔を空けて並ぶ複数の凸部を含む。前記複数の凸部列は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に間隔を空けて並んでいる。前記複数の凸部列は、前記電解部の前記第2電極を前記第1方向に押さえている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る電解液体生成装置によれば、電解部における電解液体の生成効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電解液体生成装置の分解斜視図である。
図2図2は、同上の電解液体生成装置のカバーの斜視図である。
図3図3は、同上の電解液体生成装置の第2方向を法線方向とする端面図である。
図4図4は、同上の電解液体生成装置の第1方向を法線方向とする部分端面図である
図5図5は、同上の電解液体生成装置の第3方向を法線方向とする部分端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る電解液体生成装置について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、以下に実施する実施形態は、本開示の実施形態の一例に過ぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(実施形態)
(1)概要
まず、実施形態に係る電解液体生成装置100の概要について、図1図3を参照して説明する。
【0011】
実施形態に係る電解液体生成装置100は、液体を電解処理することで電解液体を生成する。本実施形態では一例として、電解液体生成装置100は、上記液体として上水道から供給される水道水を用い、電解液体としてオゾン水を生成するオゾン水生成装置である。オゾン水生成装置である電解液体生成装置100は、水道水を電気分解する電解処理によってオゾン(電解生成物)を発生させ、当該オゾンを水道水に溶解させることで、オゾン水を生成する。オゾン水は、除菌、脱臭、及び有機物分解等に有効であるため、水処理分野、衛生分野、食品分野、及び医学分野等の各分野において広く利用されている。
【0012】
実施形態に係る電解液体生成装置100は、図1及び図3に示すように、電解部1と、弾性体2と、ハウジング3と、給電部4と、を備える。電解部1は、一対の電極である第1電極及び第2電極と、一対の電極の間に位置している導電性膜12と、を含む。実施形態では、第1電極は陽極13であり、第2電極は陰極11である。電解部1は、液体を電解処理する。ハウジング3は、電解部1が内部に配置されている。給電部4は、上記液体を電解処理するための電力を電解部1に供給する。
【0013】
ハウジング3は、ケース31及びカバー32を含む。ケース31は、収容部3110を有するケース本体311を含む。カバー32は、図2及び図3に示すように、ケース本体311の収容部3110の開口3111を閉塞する内面33に、第3方向D3に並ぶ複数の凸部列331を有している。複数の凸部列331の各々は、第2方向D2に間隔を開けて並ぶ複数の凸部332を含む。複数の凸部列331は、電解部1の第2電極である陰極11を押さえている。これにより、電解部1の近傍における液体の流れを妨げないようにカバー32が電解部1を保持することが出来る。したがって、電解液体の生成効率が向上する。
【0014】
(2)詳細
次に、実施形態に係る電解液体生成装置100の詳細について、図1図5を参照して説明する。以下の説明では、後述する電解部1における陰極11、導電性膜12及び陽極13の積層方向を第1方向D1と規定し、後述するハウジング3の長手方向を第2方向D2と規定し、ハウジング3の短手方向(幅方向)を第3方向D3と規定する。ただし、これらの方向は電解液体生成装置100の使用時の方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の「D1」、「D2」、「D3」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。
【0015】
実施形態に係る電解液体生成装置100は、図1に示すように、電解部1と、弾性体2と、ハウジング3と、給電部4と、複数(図示例では2つ)のOリング5と、を備える。
【0016】
(2.1)ハウジング
ハウジング3は、電解部1及び弾性体2が内部に配置されている。ハウジング3は、図1に示すように、ケース31及びカバー32を含む。
【0017】
ケース31は、ケース本体311を含む。ケース本体311は、第1方向D1における一端(図1の上面)が開放された中空の直方体状に形成されている。すなわち、ケース本体311は、収容部3110を有する。また、ケース31の第2方向D2における両端には接続部312及び接続部313が形成されている。接続部312には液体の流入口が形成されており、流入口は収容部3110と連通している。また、接続部313には電解液体の流出口が形成されており、流出口は収容部3110と連通している。すなわち、流入口から流入した液体は、収容部3110で電解処理され、電解液体として流出口から流出する。
【0018】
カバー32は、図1及び図2に示すように、長方形状の板である。カバー32は、第1方向D1に沿ってケース本体311に接しており、ケース本体311の開口3111を覆っている。また、カバー32のうち、ケース本体311の開口3111に面している内面33には、複数の凸部列331(図2及び図3参照)が形成されている。詳細は後述する。
【0019】
また、ケース本体311は、一対の電極ピン41を貫通させるための一対の貫通孔3112を有する。
【0020】
ケース31及びカバー32は、アクリル等の非導電性の樹脂で形成されている。
【0021】
(2.2)弾性体及び電解部
ケース31の収容部3110には、弾性体2、給電部4の給電体44、陽極13、導電性膜12、及び陰極11が収納されている。より詳細には、弾性体2、給電体44、陽極13、導電性膜12、及び陰極11は、この順に、第1方向D1に沿って積層されている。
【0022】
弾性体2は、例えば、ゴム等の弾力性を有する材料を用いて、直方体状に形成されている。弾性体2は、直方体状の本体21と、複数の突起22及び突起23とを含む。複数(図1では6つ)の突起22は、本体21の第1方向D1における一方の端部(第1端)において、第3方向D3における端部に形成されている。複数(図1では2つ)の突起23は、本体21の第1方向D1における一方の端部(第1端)において、第2方向D2における端部に形成されている。弾性体2の一方の端部(第1端)は後述する給電部4の給電体44と接しており、他端(第2端)は、ケース本体311の収容部3110に面している内面に接している。弾性体2は、給電体44及び陽極13を、第1方向D1に押さえている。
【0023】
陽極13は、電解部1の第1電極である。陽極13は、第2方向D2に長尺な長方形状に形成されている。陽極13は、一方の面(第1面)が後述する給電部4の給電体44と接しており、他方の面(第2面)の少なくとも一部が導電性膜12に接している。陽極13は、例えば、シリコンを用いた矩形板状の導電性基板に導電性ダイヤモンド膜を成膜することで形成されている。
【0024】
導電性膜12は、陽極13と陰極11との間に位置している。導電性膜12は、例えば、プロトン導電型のイオン交換フィルムである。また、導電性膜12は、第3方向D3に延伸する複数のスリットを有する。導電性膜12は、例えば、くし型である。導電性膜12は、第2方向D2に長手形状である主片121と、第3方向D3を長手方向とする複数の突片122と、を含む。複数の突片122は、第2方向D2に沿って等間隔に並んでいる。なお、複数の突片122の各々の延伸方向は、第2方向D2と交差する方向であればよく、必ずしも第3方向D3と一致しなくてもよい。また、第3方向D3における突片122の長さは、陽極13の第3方向D3における幅よりも大きい。すなわち、導電性膜12のスリットの第3方向D3における長さは、陽極13の第3方向D3における幅よりも大きい。
【0025】
陰極11は、電解部1の第2電極である。陰極11は、後述する電極板42A及びばね部43Aと一体に成形されている。陰極11は、第2方向D2に長尺である長方形状であり、第1方向D1に導電性膜12と接している。陰極11は、例えば、チタン合金などの導電性の材料で形成されている。
【0026】
陰極11は、第2方向D2に沿って等間隔に並ぶ複数の貫通孔111を有する。複数の貫通孔111の各々は同じ形状であり、例えば、V字状である。これにより、陰極11と導電性膜12との界面の少なくとも一部が液体(水道水)と接触する。これにより陽極13と導電性膜12との界面も液体(水道水)と接触する。したがって、陽極13の表面で生じるオゾンが、陰極11とカバー32との間の空間(以下、「主流路という」)の液体(水道水)に溶解しやすくなる。また、気体であるオゾンが電解部の内部に留まることによるオゾンの生成効率の低下を低減させることが可能となる。
【0027】
また、陰極11の複数の貫通孔111の第3方向D3における幅は、導電性膜12のスリットの第3方向D3における幅よりも大きい。したがって、第1方向D1からの平面視において、貫通孔111の内部に、導電性膜12とも陽極13とも重ならない部分を有する。すなわち、電解部1は、電解部1を第1方向D1に貫通する貫通孔を有する。したがって、第1方向D1に沿って液体(水道水)が電解部1を通過できるため、ケース31の収容部3110におけるオゾン水中のオゾン濃度が均一化し、オゾン水の生成効率が向上する。
【0028】
(2.3)給電部
給電部4は、液体を電解処理するための電力を電解部1に供給する。給電部4は、図1に示すように、複数(図示例では2つ)の電極ピン41と、複数(図示例では2つ)の電極板42A,42Bと、複数(図示例では2つ)のばね部43A,43Bと、給電体44と、複数(図示例では2つ)のナット45と、複数(図示例では2つ)のばね座金46と、複数(図示例では2つ)のワッシャ47と、を含む。複数の電極ピン41と、複数のナット45、複数のばね座金46及び複数のワッシャ47とは、一対一に対応している。
【0029】
複数の電極ピン41の各々は、第1方向D1に長尺である。すなわち、各電極ピン41の長手方向は、第1方向D1と平行な方向である。各電極ピン41は、フランジ部411と、ねじ部412と、シャフト部413と、を有する。各電極ピン41において、フランジ部411は、第1方向D1における第1端(図1の上端)に設けられている。また、各電極ピン41において、ねじ部412は、第1方向D1における第2端(図1の下端)を含む所定範囲に設けられている。
【0030】
電極板42A及び42Bは、電極ピン41が第1方向D1に貫通する貫通孔421を有する。より詳細には、第1方向D1からの平面視において、貫通孔421は、シャフト部413が通過可能で、かつ、フランジ部411が通過不可能な形状である。これにより、電極板42A及び42Bには、電極ピン41のシャフト部413が貫通孔421に位置した状態で、少なくともフランジ部411が電極板42A及び42Bに当接する。電極板42Aは、ばね部43Aを介して陰極11と電気的に接続される。電極板42Bは、ばね部43Bを介して給電体44に電気的に接続される。
【0031】
(3)カバーの構成
(3.1)液体との関係
図2及び図3に示すように、カバー32は、ケース本体311の収容部3110の開口3111を閉塞する内面33を有している。すなわち、カバー32の内面33は、ケース本体311の収容部3110に面している。また、カバー32は、内面33に、複数(図2では3つ)の凸部列331を有している。複数の凸部列331は、第3方向D3に並んでいる。
【0032】
複数の凸部列331の各々は、図2に示すように、第2方向D2に並ぶ複数の凸部332を含む。各々の凸部332は、図3に示すように、第1方向D1に陰極11を押さえている。すなわち、電解部1は、第1方向D1において、弾性体2とカバー32の複数の凸部332とによって挟まれている。
【0033】
複数の凸部列331の各々において、複数の凸部332は、第2方向D2に間隔を空けて配置されている。これにより、電解部1とカバー32の内面33との間に位置している液体の主流路61(図3参照)において、少なくとも1つの凸部列331を跨いで第3方向D3にも液体が流れることができる。これにより、電解部1のうち陰極11の貫通孔111近傍で生じるオゾン水と、主流路61を流れる水道水及びオゾン水とが混じりやすくなる。したがって、主流路61においてオゾンが拡散し、陰極11の貫通孔111近傍のオゾンを希釈できる。したがって、電解部1で生じるオゾンが主流路61に流れる水道水に溶解しやすくなるため、電解液体のオゾン濃度を向上させることができる。また、電解部1の内部にオゾンが留まることによる電解効率の低下を低減させることができる。
【0034】
ここで、複数の凸部列331のうち、第3方向D3において両端に配置されている2つの凸部列331の各々を端列331Aという。端列331Aに含まれる複数の凸部332Aは、図3に示すように、第3方向D3における内面33の端部34よりも内方側に位置している。すなわち、端列331Aは、第3方向D3における内面33の端部34よりも内方側に位置している。ここで、端部34とは、第2方向D2に延びる内面33の端縁を指し、「端列331Aが第3方向D3における内面33の端部34よりも内方側に位置している」とは、端列331Aが第3方向D3における内面33の端部34と接していないことをいう。
【0035】
これにより、端列331Aとケース本体311の収容部3110の内周面との間に、液体が流れる副流路62が存在する。ここで、液体の主流路61と液体の副流路62とは、第3方向D3に隣接しており、端列331Aによって区画されている。また、端列331Aは、第2方向D2に間隔を空けて配置されている凸部332を有する。言い換えると、液体の主流路61と液体の副流路62とは、第2方向D2に連通している。したがって、主流路61のオゾン水と副流路62の水道水が混じりやすくなる。これにより、電解部1近傍のオゾン水のオゾンが希釈されるため、電解部1近傍でオゾンが溶解しやすくなる。また、電解部1の内部にオゾンが留まることによる電解効率の低下を低減させることができる。さらに、副流路62のオゾン水のオゾン濃度が上昇するため、電解液体生成装置100が生成するオゾン水のオゾン濃度を向上させることができる。
【0036】
(3.2)陽極及び弾性体との関係
また、端列331Aは、第1方向D1に陽極13と重なる位置に配置されている。ここで、「端列331Aは、第1方向D1に陽極13と重なる位置に配置されている」とは、第2方向D2からの平面視において、第1方向D1に陽極13の一部と端列331Aとが並んでいることをいう。これにより、複数の凸部列331が電解部1を第1方向D1に押さえる力は、第3方向D3において均等となる。したがって、陰極11において第1方向D1の反りが発生しづらい。さらに、端列331Aは、第1方向D1に弾性体2と重なる位置に配置されている。より詳細には、端列331Aは、第2方向D2からの平面視において、弾性体2の第3方向D3の両端を通る2つの仮想線X1の間に位置している。
【0037】
ここで、例えば、端列331Aと陰極11とが接している位置が陽極13に重ならない場合には、カバー32の複数の凸部列331が電解部1を第1方向D1に押さえる力と、弾性体2が電解部1を第1方向D1に押さえる力とのバランスが、第3方向D3において均一とならない。例えば、端列331Aと弾性体2とが第1方向D1に重ならない場合には、第3方向D3において、端列331Aが弾性体2より外側に位置している。すなわち、第3方向D3において弾性体2より外側の位置では、電解部1は、弾性体2から押される力が弱く、カバー32から強く押されることとなる。したがって、第2方向D2からの平面視において、陰極11は、複数の凸部列331に接触している部分が陽極13に接近し、それ以外の部分が陽極13から離れるように、反りが生じる場合がある。
【0038】
陰極11にこのような反りが発生すると、電解部1において陰極11と陽極13との間の距離に偏りが生じるため、電流密度に偏りが生じる。したがって、陰極11と陽極13との間の距離が広がっている部分では、電流密度が低下してオゾンの生成効率が低下する。また、陰極11と導電性膜12との間、又は、導電性膜12と陽極13との間に隙間が存在すると、例えば水道水に含まれるカルシウム化合物が、スケールとして上記隙間に蓄積しやすくなる。したがって、陰極11と導電性膜12との間、又は、導電性膜12と陽極13との間に隙間が存在する場合には、スケールの蓄積によって、陰極11と陽極13との間の距離が広がっている部分の電気抵抗が上昇しやすくなる。したがって、電解部1において電流密度の偏りがより顕著となり、オゾン水の生成効率が低下するとともに、電解液体生成装置100が短寿命化する。
【0039】
これに対し、実施形態に係る電解液体生成装置100では、端列331Aは、第1方向D1に陽極13と重なる位置に配置されている。また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、端列331Aは、第1方向D1に弾性体2と重なる位置に配置されている。これにより、陰極11の第1方向D1の反りが発生しづらいため、オゾンの生成効率を上昇させることが可能となる。
【0040】
(3.3)陰極の貫通孔との関係
図4に示すように、複数の凸部列331に含まれる複数の凸部332は、第1方向D1に陰極11を押さえている。
【0041】
ここで、複数の凸部列331において、複数の凸部332の第2方向D2における幅は、端列331Aと、端列以外の凸部列331Bとで異なる。より詳細には、端列331A以外の凸部列331Bに含まれる複数の凸部332Bの各々の第2方向D2における幅d1は、端列331Aに含まれる複数の凸部332Aの各々の第2方向D2における幅d2よりも大きい。これにより、複数の凸部列331のうち端列331A以外の凸部列331Bでは、複数の凸部332Bの各々と陰極11との接触面積が大きいため、電解部1の陰極11、導電性膜12及び陽極13をより均一に接触させることができる。したがって、電解部1における電流密度の均一化させることができる。一方、端列331Aでは、第2方向D2に隣接する2つの凸部332Aの間隔が広くなるため、主流路61と副流路62との間で液体及び電解液体の移動が容易となり、オゾン水の濃度を均一化させることでオゾンの溶解を容易にすることが可能となる。
【0042】
また、複数の凸部332の各々は、陰極11のうち、貫通孔111以外の部分に接している。より詳細には、複数の凸部列331の各々において、第2方向D2における凸部332Aの幅d2及び第2方向D2における凸部332Bの幅d1の各々は、陰極11の複数の貫通孔111の第2方向D2における間隔d3より狭いか同じである。これにより、複数の凸部列331に含まれる複数の凸部332は、陰極11の複数の貫通孔111を塞がない。したがって、複数の凸部332が、陰極11と導電性膜12との界面と、主流路61との間の液体の流れを妨げない。
【0043】
ここで、複数の凸部列331の各々に含まれる複数の凸部332は、第1方向D1からの平面視において、頂点部分にR部が形成された多角形状となるように形成されている。これにより、凸部332が液体の流れを妨げにくい。
【0044】
(3.4)給電部との関係
図2に示すように、カバー32の内面33には、一対の突出部35が形成されている。突出部35は、複数の凸部332を第1凸部としたとき、第2凸部に相当する。一対の突出部35は、給電部4を第1方向D1に押さえることが可能である。一対の突出部35の一方は、給電部4のうち、陽極13と電気的に接続されている電極ピン41を第1方向D1に押さえることが可能である。また、一対の突出部35の他方は、陰極11と電気的に接続されている電極ピン41を第1方向D1に押さえることが可能である。
【0045】
電解液体生成装置100を組み立てる際には、ハウジング3のケース本体311の収容部3110の開口3111を上方に向けた状態で、収容部3110に弾性体2、給電部4、及び、電解部1を配置する。その後、収容部3110の開口3111を閉塞するようにケース31にカバー32を固定した後、カバー32が下方になるようにハウジング3を裏返し、一対の電極ピン41の各々にOリング5、ワッシャ47、ばね座金46及びナット45を取り付け、複数のナット45の各々を締め付ける。ここで、ハウジング3を裏返す際には、電極ピン41が第1方向D1に固定されていないため、電極ピン41がカバー32側に移動する可能性がある。ここで、電極ピン41のシャフト部413が、電極板42A及び42Bの貫通孔421から外れると、電極ピン41の固定が難しくなる場合がある。
【0046】
一対の突出部35の各々は、一対の電極ピン41の各々を押さえることが可能である。より詳細には、一対の突出部35の各々は、電極ピン41のシャフト部413が、電極板42A及び42Bの貫通孔421から外れないように、電極ピン41を保持することが可能である。したがって、電解液体生成装置100の組み立てが容易となる。
【0047】
突出部35は、電極ピン41が移動しないように、電極ピン41と接触していてもよい。また、突出部35は、電極ピン41と接触していなくてもよい。この場合、突出部35は、電極ピン41と突出部35とが接触した状態で、電極ピン41のシャフト部413が、電極板42A及び42Bの貫通孔421から外れない高さを有する。言い換えると、第1方向D1において、突出部35と電極板42A及び42Bとの間の距離は、電極ピン41のシャフト部413の長さよりも短い。
【0048】
複数の突出部35の各々の第1方向D1における高さは、複数の凸部332の高さと同一でもよいし、異なる高さでもよい。また、複数の突出部35の各々の高さは、同一でもよいし互いに異なってもよい。本実施形態では、電極板42A側の突出部35の高さの方が、電極板42B側の突出部35の高さより低くなっている。
【0049】
(4)効果
実施形態に係る電解液体生成装置100は、電解部1と、弾性体2と、ハウジング3と、を備える。電解部1は、陽極13及び陰極11が第1方向D1に並び、液体を電解処理する。弾性体2は、電解部1の第1電極13を第1方向D1に押さえている。ハウジング3は、電解部1及び弾性体2が内部に配置されている。ハウジング3は、電解部1に供給される水道水が流入する流入口と、電解部1で生成されるオゾン水が流出する流出口と、を有する。ハウジング3は、内部に面している内面33に複数の凸部列331を有するカバー32を含む。複数の凸部列331の各々は、第2方向D2に間隔を空けて並ぶ複数の凸部332を含む。複数の凸部列331は、第3方向D3に間隔を空けて並んでいる。複数の凸部列331は、電解部1の陰極11を第1方向D1に押さえている。
【0050】
したがって、実施形態に係る電解液体生成装置100によれば、ハウジング3の内部において水道水及びオゾン水の第3方向D3の流動が発生しやすいため、ハウジング3の内部においてオゾンが拡散しやすく溶解しやすい。また、電解部1で生じるオゾンが電解部1の近傍に留まりにくいため、オゾンの生成効率が低下しづらい。したがって、オゾン水の生成効率が向上し、濃度の高いオゾン水を生成することが可能となる。
【0051】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、第3方向D3において、複数の凸部列331のうちの両端に位置している2つの端列331Aは、いずれも、内面33の2つの端部34よりも内側に位置している。液体がハウジング3の内部を通過する経路である流路は、電解部1とカバー32との間に位置している主流路61と副流路62とを含む。第3方向D3において、主流路61は、2つの端列331Aの間に位置している。第3方向D3において、副流路62は、2つの端列331Aよりも外側に位置している。主流路61と副流路62とは互いに連通している。
【0052】
したがって、実施形態に係る電解液体生成装置100によれば、オゾン水が生成する主流路61と水道水が流れる副流路62との間で水の移動が発生しやすいため、ハウジング3の内部においてオゾンが拡散しやすい。したがって、オゾン水の生成効率が向上し、濃度の高いオゾン水を生成することが可能となる。
【0053】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、第3方向D3において、2つの端列331Aは、いずれも、陽極13と重なる位置に配置されている。これにより、第3方向において、カバー32が陰極11を第1方向D1に押さえる力の偏りが生じにくい。したがって、第1方向D1への陰極11の反りが生じにくいため、第3方向D3において、電解部1の電気抵抗の偏りが生じづらい。したがって、オゾン水の生成効率が向上する。
【0054】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、第3方向D3において、2つの端列331Aは、いずれも、弾性体2と重なる位置に配置されている。これにより、第3方向において、カバー32と弾性体2との各々が電解部1を第1方向D1に押さえる力の偏りが生じにくい。したがって、第1方向D1への陰極11の反りが更に生じにくい。
【0055】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、陰極11は、第2方向D2に間隔を空けて並んでいる複数の貫通孔111を有する。第2方向D2において、複数の凸部列331の各々に含まれる複数の凸部332の幅d1及びd2は、陰極11の複数の貫通孔111の間隔d3より狭いか同じである。これにより、複数の凸部332を陰極11の貫通孔111を塞がないように配置することが可能となる。したがって、オゾン水の第3方向D3に沿った移動が生じやすく、オゾン水の生成効率の低下を低減することが可能となる。
【0056】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、第2方向D2において、複数の凸部列331のうち第3方向D3の両端以外の凸部列331Bの各々に含まれる凸部332Bの幅d1は、複数の凸部列331のうち第3方向D3の両端に位置する端列331Aに含まれる複数の凸部332Aの各々の幅d2よりも大きい。これにより、凸部列331Bは、陰極11が反らないように電解部1を第1方向D1に押さえることができる。また、端列331Aの各々では、第3方向D3におけるオゾン水の流動の阻害を低減し、オゾン水の生成効率の低下を低減することが可能となる。
【0057】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、陽極13と陰極11とは給電部4に接続されている。カバー32は、内面33に、給電部4を第1方向D1に押さえることが可能な突出部35を更に有する。これにより、電解液体生成装置100を組み立てる際、給電部4を仮押さえすることができるため、組み立て効率が向上する。
【0058】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、カバー32の内面33からの突出部35の高さは、カバー32の内面33からの複数の凸部列331の高さとは異なる。これにより、電解液体生成装置100を組み立てる際、第1方向D1において給電部4を好適な位置に仮押さえすることが可能となるため、組み立て効率が向上する。
【0059】
(変形例)
(1)実施形態に係る電解液体生成装置100では、端列331Aは、第3方向D3における内面33の端部34よりも内方側に位置している。しかしながら、端列331Aは、内面33の端部34に設けられていてもよい。この構成においても、端列331Aが液体及び電解液体の第3方向D3における移動を妨げない。したがって、オゾン水の生成効率が向上し、濃度の高いオゾン水を生成することが可能となる。
【0060】
(2)実施形態に係る電解液体生成装置100では、カバー32は3つの凸部列331を有するが、カバー32は、4以上の凸部列331を有してもよい。この場合において、端列331A以外の2以上の凸部列331は、例えば、上述の凸部列331Bと同様の構成を有している。これにより、複数の凸部列331Bの各々は、陰極11が反らないように電解部1を第1方向D1に押さえることができる。
【0061】
(3)実施形態に係る電解液体生成装置100では、カバー32は一対の突出部35を有するが、カバー32は、突出部35を1つだけ備えてもよい。
【0062】
(4)実施形態に係る電解液体生成装置100では、液体が水道水であり、電解液体がオゾン水である。しかしながら、液体及び電解液体はこれに限られず、電解液体が液体の電解処理によって生成されるものであれば、液体及び電解液体は任意の液体であってよい。
【0063】
(態様)
第1の態様に係る電解液体生成装置(100)は、電解部(1)と、弾性体(2)と、ハウジング(3)と、を備える。電解部(1)は、第1電極(13)及び第2電極(11)が積層方向である第1方向(D1)に並び、液体を電解処理する。電解部(1)は、第1電極(13)及び第2電極(11)が第1方向(D1)に並び、液体を電解処理する。弾性体(2)は、電解部(1)の第1電極(13)を第1方向(D1)に押さえている。ハウジング(3)は、電解部(1)及び弾性体(2)が内部に配置されている。ハウジング(3)は、電解部(1)に供給される液体が流入する流入口と、電解部(1)で生成される電解液体が流出する流出口と、を有する。ハウジング(3)は、内部に面している内面(33)に複数の凸部列(331)を有するカバー(32)を含む。複数の凸部列(331)の各々は、第1方向(D1)と交差する第2方向(D2)に間隔を空けて並ぶ複数の凸部(332)を含む。複数の凸部列(331)は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)と交差する第3方向(D3)に間隔を空けて並んでいる。複数の凸部列(331)は、電解部(1)の第2電極(11)を第1方向(D1)に押さえている。
【0064】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、ハウジング(3)の内部において液体及び電解液体の第3方向(D3)の流動が発生しやすいため、ハウジング(3)の内部において電解液体の濃度が均一化されやすい。また、電解部(1)の近傍で電解液体の濃度が過度に高くなりにくいため、電解効率の低下が生じづらい。したがって、電解液体の生成効率が向上し、濃度の高い電解液体を生成することが可能となる。
【0065】
第2の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第1の態様において、第3方向(D3)において、複数の凸部列(331)のうちの両端に位置している2つの端列(331A)は、いずれも、内面(33)の2つの端部(34)よりも内側に位置している。液体がハウジング(3)の内部を通過する経路である流路は、電解部(1)とカバー(32)との間に位置している主流路(61)と副流路(62)とを含む。第3方向(D3)において、主流路(61)は、2つの端列(331A)の間に位置している。第3方向(D3)において、副流路(62)は、2つの端列(331A)よりも外側に位置している。主流路(61)と副流路(62)とは互いに連通している。
【0066】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、電解液体が生成する主流路(61)と液体が流れる副流路(62)との間で液体の混合が生じやすいため、ハウジング(3)の内部において電解液体の濃度が均一となりやすい。したがって、電解液体の生成効率が向上し、濃度の高い電解液体を生成することが可能となる。
【0067】
第3の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第2の態様において、第3方向(D3)において、2つの端列(331A)は、いずれも、第1電極(13)と重なる位置に配置されている。
【0068】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、第3方向(D3)において、カバー(32)が第2電極(11)を第1方向(D1)に押さえる力の偏りが生じにくい。したがって、第1方向(D1)への陰極(11)の反りが生じにくいため、第3方向(D3)において、電解部(1)の電気抵抗の偏りが生じづらい。したがって、電解液体の生成効率が向上する。
【0069】
第4の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第2又は第3の態様において、第3方向(D3)において、2つの端列(331A)は、いずれも、弾性体(2)と重なる位置に配置されている。
【0070】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、第3方向(D3)において、カバー(32)及び弾性体(2)が電解部(1)を第1方向(D1)に押さえる力の偏りが生じにくい。したがって、第1方向(D1)への陰極(11)の反りが更に生じにくい。
【0071】
第5の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第1から第4の態様のいずれかにおいて、第2電極(11)は、第2方向(D2)に間隔を空けて並んでいる複数の貫通孔(111)を有する。第2方向(D2)において、複数の凸部列(331)の各々に含まれる複数の凸部(332)の幅(d1,d2)は、第2電極(11)の複数の貫通孔(111)の間隔(d3)より狭いか同じである。
【0072】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、複数の凸部(332)を第2電極(11)の貫通孔(111)を塞がないように配置することが可能となる。したがって、電解液体の第3方向(D3)に沿った移動が生じやすく、電解液体の生成効率の低下を低減することが可能となる。
【0073】
第6の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第5の態様において、複数の凸部列(331)は、3以上の凸部列(331)を含む。第2方向(D2)において、複数の凸部列(331)のうち第3方向(D3)の両端以外の凸部列(331B)に含まれる複数の凸部(332B)の各々の幅(d1)は、複数の凸部列(331)のうち第3方向(D3)の両端に位置する凸部列(331A)に含まれる複数の凸部(332A)の各々の幅(d2)よりも大きい。
【0074】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、凸部列(331B)は、陰極(11)が反らないように電解部(1)を第1方向(D1)に押さえることができる。また、凸部列(331A)の各々では、第3方向(D3)における電解液体の流動の阻害を低減し、電解液体の生成効率の低下を低減することが可能となる。
【0075】
第7の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第1から第6の態様のいずれかにおいて、第1電極(13)と第2電極(11)の少なくとも一方は給電部(4)に接続されている。カバー(32)は、内面(33)に、給電部(4)を第1方向(D1)に押さえることが可能な突出部(35)を更に有する。
【0076】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、電解液体生成装置(100)を組み立てる際、給電部(4)を仮押さえすることができるため、組み立て効率が向上する。
【0077】
第8の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第7の態様において、カバー(32)の内面(33)からの突出部(35)の高さは、カバー(32)の内面(33)からの複数の凸部列(331)の高さとは異なる。
【0078】
上記態様に係る電解液体生成装置(100)によれば、電解液体生成装置(100)を組み立てる際、第1方向(D1)において給電部(4)を好適な位置に仮押さえすることが可能となるため、組み立て効率が向上する。
【符号の説明】
【0079】
100 電解液体生成装置
1 電解部
11 陰極(第2電極)
111 貫通孔
13 陽極(第1電極)
2 弾性体
3 ハウジング
32 カバー
33 内面
331,331A,331B 凸部列
332,332A,332B 凸部
4 給電部
61 主流路
62 副流路
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
d1 凸部の幅
d2 凸部の幅
d3 貫通孔の間隔
図1
図2
図3
図4
図5