(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176533
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電解液体生成装置
(51)【国際特許分類】
C25B 9/63 20210101AFI20241212BHJP
C25B 1/13 20060101ALI20241212BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241212BHJP
C25B 13/02 20060101ALI20241212BHJP
C02F 1/461 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
C25B9/63
C25B1/13
C25B9/00 A
C25B9/00 Z
C25B13/02 301
C02F1/461 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095116
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】今堀 修
(72)【発明者】
【氏名】長田 実
(72)【発明者】
【氏名】松山 直樹
【テーマコード(参考)】
4D061
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB01
4D061EB04
4D061EB13
4D061EB16
4D061EB19
4D061EB29
4D061EB30
4D061EB35
4K021AB15
4K021BA02
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC07
(57)【要約】
【課題】電解部の位置決め精度の向上を図る。
【解決手段】電解液体生成装置は、電解部と、ハウジング2と、位置決め部材(弾性体8)と、を備える。電解部は、一対の電極間に導電性膜5が挟まれるように配置されており、液体を電解処理する。ハウジング2には、電解部が内部に配置されている。位置決め部材は、電解部の位置決めをしている。一対の電極と、導電性膜5とは、電解部の積層方向において並ぶように、配置されている。位置決め部材及び電解部の一方は、凹部59及び第2凸部85Aの一方を有する。位置決め部材及び電解部の他方は、凹部59及び第2凸部85Aの他方を有する。凹部59は第2凸部85Aに挿入されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極間に導電性膜が挟まれるように配置されており、液体を電解処理する電解部と、
前記電解部が内部に配置されているハウジングと、
前記電解部の位置決めをしている位置決め部材と、
を備え、
前記一対の電極と、前記導電性膜とは、前記電解部の積層方向において並ぶように、配置されており、
前記位置決め部材及び前記電解部の一方は、凹部及び凸部の一方を有し、
前記位置決め部材及び前記電解部の他方は、前記凹部及び前記凸部の他方を有し、
前記凹部は前記凸部に挿入されている、
電解液体生成装置。
【請求項2】
前記位置決め部材は、前記凸部を有し、
前記電解部の前記導電性膜は、前記凹部を有する、
請求項1に記載の電解液体生成装置。
【請求項3】
前記一対の電極及び前記導電性膜は、前記積層方向である第1方向と直交する第2方向に沿った長尺状に形成されており、
前記導電性膜の前記凹部は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に窪んだ形状である、
請求項2に記載の電解液体生成装置。
【請求項4】
前記導電性膜は、導電性膜凸部を更に有し、
前記導電性膜凸部は、前記積層方向に沿った回転軸で前記導電性膜を反転させた場合に前記凹部に挿入可能である、
請求項2又は3に記載の電解液体生成装置。
【請求項5】
前記導電性膜は、前記位置決め部材と前記ハウジングとで位置決めされている、
請求項1に記載の電解液体生成装置。
【請求項6】
前記位置決め部材は、前記凸部を有し、
前記電解部の前記一対の電極の一方は、前記凹部を有する、
請求項1に記載の電解液体生成装置。
【請求項7】
前記一対の電極の前記一方は、陰極である、
請求項6に記載の電解液体生成装置。
【請求項8】
前記位置決め部材は、長尺状に形成され、長手方向が前記積層方向である第1方向と直交する第2方向に沿うように配置されており、
前記位置決め部材及び前記ハウジングは、前記長手方向において前記位置決め部材が前記ハウジングに逆向きに取り付けられることを抑制する抑制機構を有し、
前記抑制機構は、抑制凹部と抑制凸部とを有し、
前記位置決め部材及び前記ハウジングの一方は、前記抑制凹部及び前記抑制凸部の一方を有し、
前記位置決め部材及び前記ハウジングの他方は、前記抑制凹部及び前記抑制凸部の他方を有し、
前記抑制凹部には、前記抑制凸部が挿入されている、
請求項1に記載の電解液体生成装置。
【請求項9】
前記位置決め部材は弾性体であり、
前記電解部は、前記積層方向において前記位置決め部材の上部に配置される、
請求項1に記載の電解液体生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電解液体生成装置に関し、より詳細には、液体を電解処理する電解部を備える電解液体生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体を電解処理する電解部と、電解部が内部に配置されるハウジングと、を備える電解液体生成装置が記載されている。電解部は、互いに隣り合う電極間に導電性膜が介在するように積層された積層体を有する。ハウジングには、通液方向が積層体の積層方向と交差する方向となる流路が形成されている。
【0003】
特許文献1の電解液体生成装置では、ハウジングに対して位置決めされた位置決め部材が配置されている。位置決め部材は、陰極及び陽極のうち少なくとも一方の電極を位置決めしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような電解液体生成装置では、電解部が精度良く位置決めされることが重要である。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、電解部の位置決め精度の向上を図ることができる電解液体生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る電解液体生成装置は、電解部と、ハウジングと、位置決め部材と、を備える。前記電解部は、一対の電極間に導電性膜が挟まれるように配置されており、液体を電解処理する。前記ハウジングには、前記電解部が内部に配置されている。前記位置決め部材は、前記電解部の位置決めをしている。前記一対の電極と、前記導電性膜とは、前記電解部の積層方向において並ぶように、配置されている。前記位置決め部材及び前記電解部の一方は、凹部及び凸部の一方を有する。前記位置決め部材及び前記電解部の他方は、前記凹部及び前記凸部の他方を有する。前記凹部は前記凸部に挿入されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の上記態様に係る電解液体生成装置によれば、電解部の位置決め精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る電解液体生成装置の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の電解液体生成装置の導電性膜の平面図である。
【
図3】
図3は、同上の電解液体生成装置の電解部の平面図である。
【
図4】
図4は、同上の電解液体生成装置の要部を示す平面図である。
【
図5】
図5は、同上の電解液体生成装置の別の要部を示す平面図である。
【
図6】
図6は、同上の電解液体生成装置の弾性体の側面図である。
【
図7】
図7は、同上の導電性膜の形状を説明するための説明図である。
【
図8】
図8は、同上の導電性膜の製造過程を説明するための平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態2に係る電解液体生成装置の要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0011】
本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、図面中の各方向を示す矢印は一例であり、電解液体生成装置1の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0012】
なお、本開示でいう「直交(垂直)」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の差の範囲内で交差する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。すなわち、本開示でいう「直交」は、二者でなす角度が80度以上100度以下である場合を含む。
【0013】
(実施形態1)
(1)概要
まず、実施形態1に係る電解液体生成装置1の概要について、
図1を参照して説明する。
【0014】
実施形態1に係る電解液体生成装置1は、液体を電解処理することで電解液体を生成する。実施形態1では一例として、電解液体生成装置1は、上記液体として上水道から供給される水道水を用い、電解液体としてオゾン水を生成するオゾン水生成装置である。オゾン水生成装置である電解液体生成装置1は、水道水を電気分解する電解処理によってオゾン(電解生成物)を発生させ、当該オゾンを水道水に溶解させることで、オゾン水を生成する。オゾン水は、除菌、脱臭、及び有機物分解等に有効であるため、水処理分野、衛生分野、食品分野、及び医学分野等の各分野において広く利用されている。
【0015】
図1に示すように、実施形態1の電解液体生成装置1は、電解部3と、ハウジング2と、弾性体8(位置決め部材)と、を備える。
【0016】
電解部3は、液体を電解処理する。電解部3は、一対の電極と、導電性膜5と、を有する。導電性膜5は、一対の電極間に挟まれるように配置されている。一対の電極と、導電性膜5とは、電解部3の積層方向(第1方向D1)において並ぶように配置されている。
【0017】
弾性体8及び電解部3の一方は、凹部59(
図2参照)及び凸部(第2凸部85A)を有する。弾性体8及び電解部3の他方は、凹部59及び第2凸部85Aの他方を有する。凹部59には、第2凸部85Aが挿入されている。
【0018】
従来の電解液体生成装置のように、位置決め部材の凸部が電解部の平面状の側面に対向することで電解部の位置決めを行う構成では、第1方向D1と直交する2方向(第2方向D2及び第3方向D3)のうちの一方にのみおいて電解部が位置決めされる。実施形態1の電解液体生成装置1によれば、凹部59に第2凸部85Aが挿入されることで電解部3が弾性体8によって位置決めされるため、1組の凹部59及び第2凸部85Aで、第1方向D1と直交する2方向(第2方向D2及び第3方向D3)において電解部3が位置決めされる。1組の凹部59及び第2凸部85Aにて電解部3の位置決めをすることで、位置決め精度の向上を図ることができる。また、1組の凹部59及び第2凸部85Aにて複数方向における位置決めが可能であるため、例えば凸部等の位置決め部の数を低減できる。
【0019】
(2)詳細
以下、実施形態1に係る電解液体生成装置1の詳細な構成について、
図1~
図5を参照して説明する。以下の説明では、電解部3の積層方向を第1方向D1と規定し、ハウジング2の長手方向を第2方向D2と規定し、ハウジング2の短手方向(幅方向)を第3方向D3と規定する。
【0020】
図1に示すように、実施形態1に係る電解液体生成装置1は、ハウジング2と、電解部3と、給電体7と、弾性体8(位置決め部材)と、一対の電極ピン11と、一対のOリング12と、一対のワッシャ13と、一対のスプリングワッシャ14と、一対のナット15と、を備える。
【0021】
(2.1)電解部
電解部3は、液体を電解処理する。より詳細には、電解部3は、例えば、上記液体としての水道水を電気分解する電解処理によって、電解液体としてのオゾン水を生成する。
図1に示すように、電解部3は、電解部3の積層方向である第1方向D1において弾性体8の上部に配置される。電解部3は、一対の電極と、導電性膜5と、を含む。一対の電極と、導電性膜5とは、第1方向D1において並ぶように、かつ、各々の厚さ方向が第1方向D1に沿うように配置されている。実施形態1では、一対の電極の一方が第1電極4であり、一対の電極の他方が第2電極6である。また、実施形態1では、第1電極4が陰極であり、第2電極6が陽極である。
【0022】
(2.1.1)第1電極
実施形態1では、第1電極4は、導電性膜5に載せ置かれるようにして配置される。第1電極4は、例えば、チタン合金を用いて、0.3mm程度の厚みを有する板状に形成されている。第1電極4は、第2方向D2に沿った長尺状に形成されている。
図1に示すように、第1電極4は、基部41と、複数の貫通孔42と、ばね部43と、電極部44と、凹部45と、を有する。
【0023】
基部41は、矩形板状に形成されている。より詳細には、基部41は、第3方向D3よりも第2方向D2に長い矩形板状に形成されている。基部41には、複数の貫通孔42が形成されている。
【0024】
複数の貫通孔42の各々は、基部41の厚さ方向(第1方向D1)に沿って基部41を貫通している。また、複数の貫通孔42の各々は、第1方向D1からの平面視において、V字状に形成されている。複数の貫通孔42は、基部41の長手方向(第2方向D2)に沿って等間隔に並んでいる。
【0025】
第2方向D2における基部41の一端(
図1の右端)には、ばね部43が設けられている。また、第2方向D2における基部41の他端(
図1の左端)であって、第3方向D3における基部41のほぼ中央には、凹部45が形成されている。凹部45は、第2方向D2における基部41の他端が基部41の内側に窪むようにして形成されている。
【0026】
図5に示すように、凹部45には、弾性体8の第2凸部85Aが挿入されている。凹部45に弾性体8の第2凸部85Aが挿入されることで、第3方向D3に含まれる互い逆向きの2方向と、第2方向D2に含まれる互いに逆向きの2方向のうちの一方向とにおいて、第1電極4の位置決めをすることができる。したがって、第1電極4の位置決め精度の向上をより図ることができる。
【0027】
電極部44は、第1方向D1からの平面視において、矩形枠状に形成されている。電極部44は、貫通孔441を有する。貫通孔441は、厚さ方向(第1方向D1)に沿って電極部44を貫通している。貫通孔441には電極ピン11が挿入されている。実施形態1では、貫通孔441の縁と電極ピン11のシャフト部111とは溶接又は半田付けされている。なお、実施形態1では、電極部44と、電極ピン11のシャフト部111とが面一となるように、貫通孔441の縁と電極ピン11のシャフト部111とが溶接又は半田付けがされている。
【0028】
ばね部43は、弾性を有し、基部41の一端(
図1の右端)と電極部44との間を接続している。ばね部43は、第1方向からの平面視において、基部41に向かって開口する向きのU字状に形成されている。ばね部43は、基部41との間で電極部44を囲うようにして、基部41の一端と電極部44との間を接続している。
【0029】
(2.1.2)導電性膜
実施形態1では、導電性膜5は、第2電極6に載せ置かれるようにして配置される。導電性膜5は、例えば、100~200μm程度の厚みを有するプロトン導電型のイオン交換フィルタである。
図2に示すように、導電性膜5は、第2方向D2に沿った長尺状に形成されている。導電性膜5は、櫛部50と、第1接続部54と、第1位置決め部55と、第2位置決め部56と、第2接続部57と、第3位置決め部58と、を有する。
【0030】
櫛部50は、第1方向D1からの平面視において櫛状に形成されている。櫛部50は、主片51と、複数(
図2の例では25個)の突片52と、複数(
図2の例では24個)の貫通部53と、を有する。
【0031】
主片51は、第2方向D2を長手方向とする長尺状に形成されている。複数の突片52の各々は、第3方向D3における主片51の一端(
図2の右端)から第3方向D3に沿って突出している。つまり、実施形態1の主片51と複数の突片52の各々とは、直交している。なお、以下の説明において、複数の突片52のうち、第2方向D2における主片51の一端(
図2の下端)から突出する突片52のことを突片52Aと呼び、第2方向D2における主片51の他端(
図2の上端)から突出する突片52のことを突片52Bと呼ぶことがある。
【0032】
複数の突片52は、第2方向D2に沿って等間隔に並んでいる。また、第2方向D2における複数の突片52の幅は等しい。また、第3方向D3における複数の突片52の長さは等しい。本開示でいう「等間隔」とは、厳密に同じ間隔でなくてもよく、規定範囲(規定距離±10%)内の間隔であればよい。同様に、「長さ(又は幅)が等しい」とは、厳密に同じ長さでなくてもよく、規定範囲(規定長さ±10%)内の長さであればよい。
【0033】
第2方向D2において隣り合う2つの突片52間には、貫通部53が形成されている。実施形態1では、主片51と複数の突片52とによって、複数の貫通部53の縁が形成されている。つまり、主片51と複数の突片52とは、第2方向D2に並ぶ複数の貫通部53を形成している。実施形態1の貫通部53は、第3方向D3を長手方向とするスリット状の貫通部である。実施形態1の貫通部53は、第3方向D3における一端が開口するように形成されている。したがって、実施形態1の導電性膜5は、第3方向D3における一端が開口しており、他端が閉塞するように形成されている。つまり、導電性膜5は、櫛歯を有する櫛型の形状をしている。第2方向D2において導電性膜5と第2電極6との界面が非連続になることで、オゾンが導電性膜5と第2電極6との界面に沿って移動することを抑制することができ、オゾンの気泡が大きくなることを抑制することができる。
【0034】
導電性膜5の貫通部53の一端が開口するように形成されていることで、第2方向D2において導電性膜5と電極との界面が非連続になる。言い換えると、第2方向D2において、導電性膜5と電極との界面が分割される。したがって、導電性膜5と第2電極6との界面で発生したオゾン(電解生成物)が導電性膜5と電極との界面に沿って移動することを抑制することができ、オゾンの気泡が大きくなることを抑制することができる。
【0035】
第2方向D2において、複数の貫通部53は等間隔で並んでいる。第2方向D2において複数の貫通部53の開口している部分が等間隔に並んでいることで、気泡が大きくなることを抑制する効果のばらつきを低減することができる。
【0036】
また、第2方向D2における複数の貫通部53の幅は等しい。さらに、第2方向D2において、貫通部53の幅と突片52の幅とは等しい。第2方向D2における複数の貫通部53の幅が等しいことで、気泡が大きくなることを抑制する効果のばらつきを低減することができる。
【0037】
また、第3方向D3における複数の貫通部53の長さL1(
図3参照)は等しい。なお、第3方向D3における貫通部53の長さL1は、第3方向D3における突片52の長さと等しい。
【0038】
なお、主片51と複数の突片52と複数の貫通部53との関係は、第2方向D2を長手方向とする矩形状の基部に、基部の厚さ方向(第1方向D1)に沿って基部を貫通する複数の貫通部53が形成されていることで、主片51と複数の突片52とが形成されているとも言える。
【0039】
第1接続部54は、第2方向D2における櫛部50の一端(
図2の下端)から第2方向D2に沿って突出している。より具体的には、第1接続部54は、第2方向D2における主片51の一端(
図2の下端)及び突片52Aの一端(
図2の下端)から第2方向D2に沿って突出している。第1接続部54は、第3方向D3を長手方向とする矩形状に形成されている。第1接続部54は、第3方向D3に沿って、主片51の一端(
図2の右端)と突片52Aの中央部との間に亘って形成されている。第1接続部54は、主片51及び突片52Aと、第1位置決め部55とを接続している。第2方向D2における第1接続部54の一端(
図2の下端)は、第1位置決め部55に接続されており、第2方向D2における第1接続部54の他端(
図2の上端)は、主片51及び突片52Aと接続されている。
【0040】
第1位置決め部55は、第3方向D3を長手方向とする矩形状に形成されている。第2方向D2における第1位置決め部55の一端(
図2の上端)の中央部は、第1接続部54と接続されている。第3方向D3における第1位置決め部55の第1端551(
図2の左端)は、第3方向D3における主片51の他端(
図2の左端)よりも外側に位置している。また、第3方向D3における第1位置決め部55の第2端552(
図2の右端)は、第3方向D3における突片52の先端(
図2の右端)よりも内側に位置している。
【0041】
図4に示すように、第1位置決め部55の第1端551は、ハウジング2のケース2Aの収容部212の内壁と接触している。第1位置決め部55の第1端551がケース2Aの収容部212に接触することにより、導電性膜5はハウジング2によって位置決めされる。
【0042】
図2に示すように、導電性膜5は、凹部59を更に有する。凹部59は、突片52Aと第1接続部54と第1位置決め部55とによって形成されている。凹部59は、第3方向D3に沿って窪んでいる。凹部59には、弾性体8の第2凸部85A(
図4参照)が挿入されている。凹部59に弾性体8の第2凸部85Aが挿入されることで、第2方向D2に含まれる互い逆向きの2方向と、第3方向D3に含まれる互いに逆向きの2方向のうちの一方向とにおいて、導電性膜5の位置決めをすることができる。
【0043】
上述のように、導電性膜5は、弾性体8とハウジング2とで位置決めされている。導電性膜5が弾性体8とハウジング2とで位置決めされることで、導電性膜5の位置決め精度の向上をより図ることができる。
【0044】
第2位置決め部56は、第3方向D3を長手方向とする矩形状に形成されている。第2方向D2における第2位置決め部56の一端(
図2の下端)は、第2方向D2における櫛部50の他端(
図2の上端)と接続されている。より具体的には、第2方向D2における第2位置決め部56の一端(
図2の下端)は、第2方向D2における主片51の他端(
図2の上端)と接続されている。第3方向D3における第2位置決め部56の第1端561(
図2の左端)は、第3方向D3における主片51の他端(
図2の左端)よりも外側に位置している。また、第3方向D3における第2位置決め部56の第2端562(
図2の右端)は、第3方向D3における突片52の先端(
図2の右端)よりも内側に位置している。なお、第3方向D3における第2位置決め部56の第2端562は、導電性膜凸部である。
【0045】
図4に示すように、第2位置決め部56の第1端561は、ハウジング2のケース2Aの収容部212の内壁と接触している。第2位置決め部56の第1端561がケース2Aの収容部212に接触することにより、導電性膜5はハウジング2によって位置決めされる。
【0046】
図2に示すように、第2接続部57は、第2方向D2における第2位置決め部56の他端(
図2の上端)の中央部から第2方向D2に沿って突出している。第2接続部57は、第3方向D3を長手方向とする矩形状に形成されている。第2接続部57は、第2位置決め部56と、第3位置決め部58とを接続している。第2方向D2における第2接続部57の一端(
図2の下端)は、第2位置決め部56に接続されており、第2方向D2における第2接続部57の他端(
図2の上端)は、第3位置決め部58と接続されている。
【0047】
第3位置決め部58は、第3方向D3を長手方向とする矩形状に形成されている。第3方向D3における第3位置決め部58の一端(
図2の左端)は、第2方向D2における第2接続部57の他端(
図2の上端)と接続されている。また、第3方向D3における第3位置決め部58の第1端581(
図2の左端)と、第3方向D3における第2接続部57の一端(
図2の左端)とは面一になっている。第3方向D3における第3位置決め部58の第2端582(
図2の右端)は、第3方向D3における突片52の先端(
図2の右端)よりも外側に位置している。
【0048】
図4に示すように、第3位置決め部58の第2端582は、ハウジング2のケース2Aの収容部212の内壁と接触している。第3位置決め部58の第2端582がケース2Aの収容部212に接触することにより、導電性膜5はハウジング2によって位置決めされる。
【0049】
(2.1.3)第2電極
実施形態1では、第2電極6は、給電体7に載せ置かれるようにして配置される。第2電極6は、例えば、シリコンを用いた導電性基板に導電性ダイヤモンド膜を成膜することで形成されている。
図1に示すように、第2電極6は、第2方向D2に沿った長尺状に形成されている。
【0050】
(2.2)給電体
実施形態1では、給電体7は、弾性体8に載せ置かれるようにして配置される。給電体7は、例えば、チタンを用いて矩形板状に形成されている。
図1に示すように、給電体7は、基部71と、ばね部72と、電極部73と、を備える。
【0051】
図1に示すように、基部71は、第2方向D2を長手方向とする矩形板状に形成されている。具体的には、基部71は、第1方向D1からの平面視において、第2電極6と同じ大きさである。基部71は、第1方向D1において、第2電極6と弾性体8との間に配置されている。第2方向D2における基部71の一端(
図1の左端)には、ばね部72が設けられている。
【0052】
電極部73は、第1方向D1からの平面視において、矩形枠状に形成されている。電極部73は、貫通孔731を有する。貫通孔731は、電極部73の厚さ方向(第1方向D1)に沿って電極部73を貫通している。貫通孔731には電極ピン11が挿入されている。実施形態1では、貫通孔731の縁と電極ピン11のシャフト部111とは溶接又は半田付けされている。なお、実施形態1では、電極部73と、電極ピン11のシャフト部111とが面一となるように、貫通孔731の縁と電極ピン11のシャフト部111とが溶接又は半田付けがされている。
【0053】
ばね部72は、弾性を有し、基部71の一端と電極部73との間を接続している。ばね部72は、第1方向からの平面視において、基部71に向かって開口する向きのU字状に形成されている。ばね部72は、基部71との間で電極部73を囲うようにして、基部71の一端と電極部73との間を接続している。
【0054】
(2.3)弾性体
実施形態1では、弾性体8は、ケース2Aの収容部212の底面に載せ置かれるようにして配置される。弾性体8は、例えば、ゴム等の弾性を有する材料を用いて直方体状に形成されている。
図1に示すように、弾性体8は、長手方向が電解部3の積層方向である第1方向D1と直交する第2方向D2に沿うように配置されている。弾性体8は、本体81と、複数(
図1の例では9つ)の中空部82と、複数(
図1の例では6つ)の第1凸部83と、抑制凸部84と、複数(
図1の例では2つ)の第2凸部85A,85Bと、を含む。
【0055】
本体81は、第2方向D2を長手方向とする直方体状に形成されている。本体81は、電解部3が載せ置かれる載置面811を有する。載置面811は、第1方向D1からの平面視において、第2方向D2を長手方向とする矩形状に形成されている。
【0056】
複数の中空部82は、本体81に形成されている。複数の中空部82の各々は、第1方向D1に沿って形成されている。複数の中空部82は、本体81の長手方向である第2方向D2に沿って並んでいる。なお、複数の中空部82の形状は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0057】
複数の第1凸部83は、第3方向D3における本体81の載置面811の両端に配置されている。より詳細には、6つの第1凸部83のうち3つの第1凸部83は、第3方向D3における載置面811の一端において、第2方向D2に沿って等間隔に配置されている。また、6つの第1凸部83のうち残り3つの第1凸部83は、第3方向D3における載置面811の他端において、第2方向D2に沿って等間隔に配置されている。さらに、6つの第1凸部83は、第3方向D3において、載置面811の外側に配置されている。複数の第1凸部83の各々は、第1方向D1に沿って突出している。このように、複数の第1凸部83を設けることで、第3方向D3における電解部3の位置決めをすることが可能となる。つまり、実施形態1の弾性体8は、電解部3の位置決め部材として機能する。
【0058】
図6に示すように、抑制凸部84は、第2方向D2における本体81の一端(
図6の左端)から第2方向D2に沿って突出している。実施形態1の抑制凸部84は、第3方向D3における中央部に配置されている。抑制凸部84は直方体状に形成されている。第1方向D1における抑制凸部84の一端(
図6の上端)は、本体81の載置面811と面一である。また、第1方向D1における抑制凸部84の他端(
図6の下端)は、本体81の底面812の近傍に位置している。第1方向D1における抑制凸部84の下端は、第1凸部83の下端及び第2凸部85Bの下端よりも下方に位置している。つまり、抑制凸部84の下端は、第1方向D1において、第1凸部83の下端及び第2凸部85Bの下端よりも、本体81の底面812に近い。
【0059】
ここで、
図1に示すように、弾性体8及びハウジング2は、第2方向D2において弾性体8がハウジング2に逆向きに取り付けられることを抑制する抑制機構9を有する。抑制機構9は、抑制凹部252と抑制凸部84とを有する。弾性体8及びハウジング2の一方は、抑制凹部252及び抑制凸部84の一方を有する。弾性体8及びハウジング2の他方は、抑制凹部252及び抑制凸部84の他方を有する。実施形態1では、弾性体8が抑制凸部84を有し、ハウジング2が抑制凹部252を有する。ただし、弾性体8が抑制凹部を有し、ハウジング2が抑制凸部を有していてもよい。また、弾性体8及びハウジング2は、抑制機構9を複数有していてもよい。ただし、弾性体8及びハウジング2が抑制機構9を複数有する場合、複数の抑制機構9は、第2方向D2において弾性体8がハウジング2に逆向きに取り付けられることを抑制することができるように配置される。
【0060】
第2方向D2における正しい向きで弾性体8がハウジング2に取り付けられる場合、抑制凸部84は、抑制凹部252に挿入される。また、第2凸部85Bの下端を含む一部は、ハウジング2の凹部253に挿入される。一方で、第2方向D2における逆向きで弾性体8がハウジング2に取り付けられる場合、抑制凸部84がハウジング2の収容部212の内壁(例えば凹部253)と干渉する。弾性体8が逆向きでハウジング2に取り付けられようとする場合には抑制凸部84とハウジング2とが干渉するため、位置決め部材がハウジング2に逆向きに取り付けられることを抑制することができる。
【0061】
2つの第2凸部85A,85Bは、第2方向D2における載置面811の両端に配置されている。より詳細には、2つの第2凸部85A,85Bは、第2方向D2において、載置面811の外側に配置されている。また、2つの第2凸部85A,85Bは、第3方向D3におけるほぼ中央に配置されている。ただし、2つの第2凸部85A,85Bが第3方向D3における中央に配置されることは必須ではない。つまり、2つの第2凸部85A,85Bの少なくとも一方は、第3方向D3における中央からずれた位置に配置されていてもよい。第2凸部85Aは、第1方向D1における抑制凸部84の一端(
図1の上端)に形成されている。複数の第2凸部85A,85Bの各々は、第1方向D1に沿って突出している。なお、第1方向D1において、第2凸部85Aは、第2凸部85Bよりも突出している。つまり、第1方向D1における第2凸部85Aの一端(
図6の上端)は、第2凸部85Bの一端(
図6の上端)よりも上方に位置する。このように、複数の第2凸部85A,85Bを設けることで、第2方向D2における電解部3の位置決めをすることが可能となる。つまり、実施形態1の弾性体8は、電解部3の位置決め部材として機能する。弾性体8にて電解部3の位置決めを行うことができ、電解液体生成装置1の部品数が増大することを抑制することができる。
【0062】
第2凸部85A(凸部)は、導電性膜5の凹部59(
図4参照)に挿入可能に形成されている。
図4に示すように導電性膜5の凹部59に弾性体8の第2凸部85Aが挿入されることで、導電性膜5は弾性体8によって位置決めされる。1組の凹部59及び第2凸部85Aにて電解部3の位置決めをすることで、位置決め精度の向上を図ることができる。また、1組の凹部59及び第2凸部85Aにて複数方向における位置決めが可能であるため、例えば凸部等の位置決め部の数を低減できる。
【0063】
(2.4)ハウジング
ハウジング2には、電解部3と給電体7と弾性体8とが内部に配置されている。
図1に示すように、ハウジング2は、ケース2Aと、蓋体2Bと、を含む。ケース2A及び蓋体2Bは、例えば、アクリル樹脂等の非導電性を有する材料で形成されている。
【0064】
ケース2Aは、ケース本体21と、第1接続部22と、第2接続部23と、取付部24と、一対の台座25A,25Bを含む。ケース本体21は、一面(
図1の上面)が開口した中空の直方体状に形成されている。すなわち、ケース本体21は、開口部211を有する。また、ケース本体21は、収容部212を更に有する。収容部212には、開口部211を通して、電解部3と、給電体7と、弾性体8とが収容される。
【0065】
一対の台座25A,25Bは、ケース本体21の収容部212の底面に配置されている。台座25Aは、第2方向D2における収容部212の一端(
図1の左端)に配置され、台座25Bは、第2方向D2における収容部212の他端(
図1の右端)に配置されている。一対の台座25A,25Bは、直方体状に形成されている。第1方向D1において、台座25Aには、給電体7の電極部73が近接して設置される。また、台座25Bには、第1電極4の電極部44が近接して設置される。
【0066】
一対の台座25A,25B及びケース本体21には、一対の貫通孔251が形成されている。台座25Aに形成された貫通孔251は、第1方向D1に沿って、台座25A及びケース本体21の底部を貫通している。また、台座25Bに形成された貫通孔251は、第1方向D1に沿って、台座25B及びケース本体21の底部を貫通している。一対の貫通孔251は、第2方向D2に沿って並んでいる。一対の貫通孔251の各々には、一対の電極ピン11のうち対応する電極ピン11が通される。
【0067】
実施形態1の台座25Aには、抑制凹部252が形成されている。抑制凹部252は、第1方向D1に沿って、台座25Aの上面(つまり給電体7と対向する面)から収容部212の底面に向かうように形成されている。第1方向D1における抑制凹部252の下端は、凹部253の下端よりも収容部212の底面に近い。なお、抑制凹部252は、第1方向D1に沿って、台座25Aを貫通するように形成されていてもよい。また、抑制凹部252は、第2方向D2に沿って、台座25Aの内側に窪んでいる。抑制凹部252には、弾性体8の抑制凸部84が挿入される。
【0068】
実施形態1の台座25Bには、凹部253が形成されている。凹部253は、第1方向D1に沿って、台座25Bの上面から収容部212の底面に向かうように形成されている。凹部253は、第2方向D2に沿って、台座25Bの内側に窪んでいる。また、凹部253には、弾性体8の第2凸部85Bの下端を含む一部が挿入される。
【0069】
第1接続部22は、第2方向D2におけるケース本体21の一端(
図2の下端)に設けられている。第1接続部22は、流入口221を有する。第1接続部22は、上記液体としての水道水が流れる配管に接続されている。上記水道水は、流入口221を通ってケース本体21内に導かれる。つまり、流入口221には、電解部3に供給される例えば水道水等の液体が流入する。
【0070】
第2接続部23は、第2方向D2におけるケース本体21の他端(
図2の上端)に設けられている。第2接続部23は、流出口231を有する。第2接続部23は、液体流出路の流入口に接続されている。電解部3で生成された上記電解液体としてのオゾン水は、流出口231を通って液体流出路に導かれる。つまり、流出口231では、電解部3にて生成される例えばオゾン水等の電解液体が流出する。
【0071】
ケース本体21の収容部212内であって、流入口221と流出口231との間には、液体の流路26が形成されている。流路26は、第2方向D2に沿って形成されている。つまり、ケース本体21の収容部212内では、液体は基本的に第2方向D2に沿って流れる。
【0072】
図1に示すように、取付部24は、第2方向D2におけるケース本体21の両端の全域から、第2方向D2に沿って突出するように形成されている。取付部24は、板状に形成されている。取付部24は、複数(
図1の例では10個)の貫通孔241を有する。貫通孔241は、取付部24の厚さ方向(第1方向D1)に沿って取付部24を貫通している。
【0073】
蓋体2Bは、ケース2Aの開口部211を塞ぐようにケース2Aに取り付けられる。
図1に示すように、蓋体2Bは、第2方向D2を長手方向とする矩形板状に形成されている。蓋体2Bは、蓋体2Bがケース2Aに取り付けられている状態で、弾性体8との間で電解部3及び給電体7を保持する。このとき、電解部3及び給電体7は、第1方向D1に沿って蓋体2Bに向かう弾性力を弾性体8から受けており、この弾性力によって弾性体8及び蓋体2Bと密着している。
【0074】
図1に示すように、蓋体2Bは複数(
図1の例では10個)の貫通孔27を有する。蓋体2Bの複数の貫通孔27と、ケース2Aの複数の貫通孔241とは、一対一で対応する。第1方向D1からの平面視において、対応する貫通孔27と貫通孔241とは重なっている。例えば、対応する貫通孔27と貫通孔241とに通されたボルトがナット止めされることで、蓋体2Bとケース2Aとが固定される。
【0075】
(2.5)その他の構成
一対の電極ピン11と、一対のOリング12と、一対のワッシャ13と、一対のスプリングワッシャ14と、一対のナット15とは、一対一に対応している。例えば、第1電極4の電極部44に固定された電極ピン11は、ケース2Aの台座25Bに形成された貫通孔251、Oリング12、ワッシャ13、スプリングワッシャ14の順に各部材を通り、最後にねじ部112とナット15とが嵌合される。また、給電体7の電極部73に固定された電極ピン11は、ケース2Aの台座25Aに形成された貫通孔251、Oリング12、ワッシャ13、スプリングワッシャ14の順に各部材を通り、最後にねじ部112とナット15とが嵌合される。一対の電極ピン11が一対のナット15と嵌合することで、電解部3、給電体7、及び弾性体8が、ケース2Aに対して固定される。
【0076】
(2.6)電解部の位置関係
図3は、電解部3を第1方向D1から見た平面図である。
図3中の2点鎖線は、第1電極4を示し、
図3中の実線は導電性膜5を示し、
図3中のドットハッチングが付された領域は第2電極6を示している。
【0077】
第3方向D3において、導電性膜5の貫通部53の長さL1は、第2電極6の外形の長さL2よりも長い。したがって、導電性膜5と第2電極6との界面で発生したオゾン(電解生成物)が貫通部53を通ることができる。導電性膜5と第2電極6との界面で発生したオゾンは、貫通部53を通って第1方向D1に沿った方向に移動することができるようになるため、オゾンの流れがスムーズになりオゾンの気泡が大きくなることを抑制することができる。
【0078】
図3に示すように、第1方向D1からの平面視において、第3方向D3における導電性膜5の貫通部53の両端、つまり貫通部53の閉塞している側の端部及び開口している側の端部は、第2電極6の外側に配置されている。したがって、第2電極6の外側において、導電性膜5と第2電極6との界面で発生したオゾン(電解生成物)が導電性膜5と電極との界面に沿って移動することを抑制することができる。これにより、オゾンの気泡が大きくなることをより抑制することができる。
【0079】
さらに、実施形態1では、第1方向D1からの平面視において、第3方向D3における貫通部53の一部は第2電極6と重なり、第3方向D3における貫通部53の両端は第2電極6と重なっていない。つまり、第3方向D3において、第2電極6は、貫通部53の一端と他端との間に収まるように配置されている。したがって、導電性膜5と第2電極6との界面で発生するオゾン等の電解生成物が、界面から出てすぐに貫通部53を通過することができるため、オゾンの流れがよりスムーズになりオゾンの気泡が大きくなることをより抑制することができる。
【0080】
図3に示すように、第3方向D3において、第2電極6の長さL2は、第1電極4の貫通孔42の長さL3よりも短い。つまり、実施形態1の第3方向D3において、第1電極4の貫通孔42が第2電極6によって塞がれない部分がある。したがって、導電性膜5と第2電極6との界面で発生するオゾン等の電解生成物が、第1電極4の貫通孔42を通過することができるため、オゾンの流れがよりスムーズになりオゾンの気泡が大きくなることをより抑制することができる。
【0081】
また、
図3に示すように、第1方向D1からの平面視において、第1電極4の貫通孔42と導電性膜5の貫通部53とが重なる部分R1がある。したがって、導電性膜5と第2電極6との界面で発生するオゾン等の電解生成物が、導電性膜5の貫通部53及び第1電極4の貫通孔42を通過することができるため、オゾンの流れがよりスムーズになりオゾンの気泡が大きくなることをより抑制することができる。
【0082】
(3)導電性膜の製造方法
図7に示すように、実施形態1の導電性膜5の形状は、第1方向D1に沿った回転軸で180度回転させた(つまり反転させた)別の導電性膜5が嵌合するような形状である。言い換えると、導電性膜5の凸部の外形は、導電性膜5の対応する凹部の外形と一致する。つまり、導電性膜5の凹部には、第1方向D1に沿った回転軸で反転させた別の導電性膜5の凸部が挿入可能である。また、導電性膜5の凸部は、第1方向D1に沿った回転軸で反転させた別の導電性膜5の凹部に挿入可能である。例えば、第2位置決め部56の第2端562(導電性膜凸部)は、電解部3の積層方向である第1方向D1に沿った回転軸で導電性膜5を反転させた場合に凹部59に挿入可能である。
【0083】
例えば、導電性膜5は、
図8に示すような母材100から導電性膜5を切り取るようにすることで製造される。
図8の例では、二点鎖線で示した部分で母材100をカットすることで導電性膜5が製造される。導電性膜5の形状は、第1方向D1に沿った回転軸で反転させた別の導電性膜5が嵌合するような形状であるため、導電性膜5を製造する場合に、母材100の使用量を抑制することができる。
【0084】
(4)変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。
【0085】
第3方向D3(
図2参照)における複数の貫通部53の長さは、均一でなくてもよい。つまり、第3方向D3における複数の突片52の長さは、均一でなくてもよい。
【0086】
第2方向D2における複数の貫通部53の幅は、均一でなくてもよい。また、第2方向D2において複数の貫通部53が等間隔で並んでいることは必須ではない。
【0087】
貫通部53の長手方向が第3方向D3に沿っていることは必須ではなく、貫通部53の長手方向は第3方向D3と交差していてもよい。つまり、複数の突片52の長手方向が第3方向D3に沿っていることは必須ではなく、複数の突片52の長手方向は第3方向D3と交差していてもよい。
【0088】
(実施形態2)
図9に示すように、実施形態2に係る電解液体生成装置1は、弾性体8が第2凸部85Aに代えて第2凸部85Cを有する点で、実施形態1に係る電解液体生成装置1と相違する。
【0089】
第2凸部85Cは、実施形態1の第2凸部85Aと同様に、第1方向D1における抑制凸部84(
図1参照)の一端(
図1の上端)に形成されている。第2凸部85Cは、抑制凸部84から第1方向D1に沿って突出している。
【0090】
第2凸部85Cの第3方向D3における一面(
図9の左面)は、第3方向D3に沿って窪んでいる。第2凸部85Cの窪みには、導電性膜5の第1位置決め部55の第2端552が挿入されている。つまり、第2実施形態の電解液体生成装置1では、導電性膜5の第2端552が凸部として機能し、第2凸部85Cの窪みが凹部として機能する。1組の凹部及び凸部にて導電性膜5の位置決めをすることで、導電性膜5の位置決め精度の向上を図ることができる。
【0091】
(まとめ)
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様に係る電解液体生成装置(1)は、電解部(3)と、ハウジング(2)と、位置決め部材(弾性体8)と、を備える。電解部(3)は、一対の電極間に導電性膜(5)が挟まれるように配置されており、液体を電解処理する。ハウジング(2)には、電解部(3)が内部に配置されている。位置決め部材は、電解部(3)の位置決めをしている。一対の電極と、導電性膜(5)とは、電解部(3)の積層方向(第1方向D1)において並ぶように、配置されている。位置決め部材及び電解部(3)の一方は、凹部(59;45)及び凸部(第2凸部85A)の一方を有する。位置決め部材及び電解部(3)の他方は、凹部(59;45)及び凸部の他方を有する。凹部(59)は凸部に挿入されている。
【0092】
この態様によれば、位置決め精度の向上を図ることができる。またこの態様によれば、例えば凸部(第2凸部85A)等の位置決め部の数を低減できる。
【0093】
第2の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第1の態様において、位置決め部材(弾性体8)は、凸部(第2凸部85A)を有する。電解部(3)の導電性膜(5)は、凹部(59)を有する。
【0094】
この態様によれば、例えば位置決め部材(弾性体8)に凹部(59)を形成する場合より、製造が容易となる。
【0095】
第3の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第2の態様において、一対の電極及び導電性膜(5)は、積層方向である第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿った長尺状に形成されている。導電性膜(5)の凹部(59)は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)と直交する第3方向(D3)に窪んだ形状である。
【0096】
この態様によれば、第2方向(D2)に含まれる互い逆向きの2方向と、第3方向(D3)に含まれる互いに逆向きの2方向のうちの一方向とにおいて、導電性膜(5)の位置決めをすることができる。
【0097】
第4の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第2又は第3の態様において、導電性膜(5)は、導電性膜凸部(第2端562)を更に有する。導電性膜凸部は、積層方向(第1方向D1)に沿った回転軸で導電性膜(5)を反転させた場合に凹部(59)に挿入可能である。
【0098】
この態様によれば、導電性膜(5)を製造する場合に、導電性膜(5)の母材の使用量を抑制することができる。
【0099】
第5の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第1から第4のいずれか1つの態様において、導電性膜(5)は、位置決め部材(弾性体8)とハウジング(2)とで位置決めされている。
【0100】
この態様によれば、位置決め精度の向上をより図ることができる。
【0101】
第6の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第1から第5のいずれか1つの態様において、位置決め部材(弾性体8)は、凸部(第2凸部85A)を有する。電解部(3)の一対の電極の一方は、凹部(45)を有する。
【0102】
この態様によれば、電解部(3)の一対の電極の一方の位置決め精度の向上を図ることができる。またこの態様によれば、例えば凸部(第2凸部85A)等の位置決め部の数を低減できる。
【0103】
第7の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第6の態様において、一対の電極の一方は、陰極(第1電極4)である。
【0104】
この態様によれば、陰極(第1電極4)の位置決め精度の向上を図ることができる。またこの態様によれば、例えば凸部(第2凸部85A)等の位置決め部の数を低減できる。
【0105】
第8の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第1から第7のいずれか1つの態様において、位置決め部材(弾性体8)は、長尺状に形成され、長手方向が積層方向である第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿うように配置されている。位置決め部材(弾性体8)及びハウジング(2)は、抑制機構(9)を有する。抑制機構(9)は、長手方向において位置決め部材がハウジング(2)に逆向きに取り付けられることを抑制する。抑制機構(9)は、抑制凹部(252)と抑制凸部(84)とを有する。位置決め部材及びハウジング(2)の一方は、抑制凹部(252)及び抑制凸部(84)の一方を有する。位置決め部材及びハウジング(2)の他方は、抑制凹部(252)及び抑制凸部(84)の他方を有する。抑制凹部(252)には、抑制凸部(84)が挿入されている。
【0106】
この態様によれば、位置決め部材(弾性体8)がハウジング(2)に逆向きに取り付けられることを抑制することができる。
【0107】
第9の態様に係る電解液体生成装置(1)では、第1から第8のいずれか1つの態様において、位置決め部材は弾性体(8)である。電解部(3)は、積層方向(第1方向D1)において位置決め部材の上部に配置される。
【0108】
この態様によれば、弾性体(8)にて電解部(3)の位置決めを行うことができ、電解液体生成装置(1)の部品数が増大することを抑制することができる。
【0109】
第1の態様以外の構成については、電解液体生成装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 電解液体生成装置
2 ハウジング
252 抑制凹部
3 電解部
5 導電性膜
562 第2端(導電性膜凸部)
59 凹部
8 弾性体(位置決め部材)
84 抑制凸部
85A 第2凸部(凸部)
9 抑制機構
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向