(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024176535
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電解液体生成装置
(51)【国際特許分類】
C25B 9/63 20210101AFI20241212BHJP
C25B 1/13 20060101ALI20241212BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241212BHJP
C02F 1/461 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
C25B9/63
C25B1/13
C25B9/00 A
C25B9/00 Z
C02F1/461 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095118
(22)【出願日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 実
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】今堀 修
(72)【発明者】
【氏名】松山 直樹
【テーマコード(参考)】
4D061
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB13
4D061EB16
4D061EB17
4D061EB19
4D061EB30
4D061EB31
4D061EB35
4K021AB15
4K021BA02
4K021CA01
4K021CA02
4K021CA05
4K021DA11
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC07
(57)【要約】
【課題】電解部の位置ずれを低減する。
【解決手段】電解液体生成装置100は、電解部1と、ハウジング3と、給電部4と、を備える。給電部4は、電極ピン41と、電極板42A,42Bと、を含む。電極ピン41は、第2方向D2における長さがフランジ部411よりも短いシャフト部413を有する。第2方向D2におけるフランジ部411の長さは、第2方向D2における第1貫通孔421の開口長さよりも長い。フランジ部411の中心と第1貫通孔421の中心と第2貫通孔の中心とを一致させた状態で、第2方向D2におけるシャフト部413と第1貫通孔421との間の第1クリアランスは、第2方向D2におけるシャフト部413と第2貫通孔との間の第2クリアランスよりも大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を電解処理する電解部と、
前記電解部が内部に配置されているハウジングと、
前記液体を電解処理するための電力を前記電解部に供給する給電部と、を備え、
前記給電部は、
前記電解部の積層方向である第1方向に長尺であって、前記第1方向における第1端にフランジ部が設けられており、前記第1方向における前記第1端とは反対側の第2端を含む所定範囲にねじ部が設けられている電極ピンと、
前記電極ピンが挿通される第1貫通孔を有し、前記電解部に電気的に接続されている電極板と、を含み、
前記ハウジングは、前記電極板の前記第1貫通孔に挿通させた前記電極ピンが挿通される第2貫通孔を有し、
前記電極ピンは、前記第1方向と直交する第2方向における長さが前記フランジ部よりも短いシャフト部を有し、
前記第2方向における前記フランジ部の長さは、前記第2方向における前記第1貫通孔の開口長さよりも長く、
前記フランジ部の中心と前記第1貫通孔の中心と前記第2貫通孔の中心とを一致させた状態で、前記第2方向における前記シャフト部と前記第1貫通孔との間の第1クリアランスは、前記第2方向における前記シャフト部と前記第2貫通孔との間の第2クリアランスよりも大きい、
電解液体生成装置。
【請求項2】
前記第1クリアランスは、前記シャフト部と前記第1貫通孔との間の全周にわたるクリアランスのうちの最小のクリアランスであり、
前記第2クリアランスは、前記シャフト部と前記第2貫通孔との間の全周にわたるクリアランスのうちの最大のクリアランスである、
請求項1に記載の電解液体生成装置。
【請求項3】
液体を電解処理する電解部と、
前記電解部が内部に配置されているハウジングと、
前記液体を電解処理するための電力を前記電解部に供給する給電部と、を備え、
前記給電部は、
前記電解部の積層方向である第1方向に長尺であって、前記第1方向における第1端にフランジ部が設けられており、前記第1方向における前記第1端とは反対側の第2端を含む所定範囲にねじ部が設けられている電極ピンと、
前記電極ピンが挿通される第1貫通孔を有し、前記電解部に電気的に接続されている電極板と、を含み、
前記ハウジングは、前記電極板の前記第1貫通孔に挿通させた前記電極ピンが挿通される第2貫通孔を有し、
前記電極ピンは、前記第1方向と直交する第2方向における長さが前記フランジ部よりも短いシャフト部を有し、
前記第2方向における前記フランジ部の長さは、前記第2方向における前記第1貫通孔の第1開口長さよりも長く、
前記第1開口長さ、及び前記第2方向における前記第2貫通孔の第2開口長さは、前記第2方向における前記シャフト部の長さよりも長く、
前記第1開口長さは、前記第2開口長さよりも長い、
電解液体生成装置。
【請求項4】
弾性を有し、前記電解部と前記電極板との間を接続しているばね部を更に備え、
前記ばね部は、前記第1方向からの平面視において、前記電極ピンの前記フランジ部と重ならないように配置されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電解液体生成装置。
【請求項5】
前記シャフト部は、前記第1方向に延びる周面を有し、
前記周面を構成する複数の面のうち、前記第2方向において互いに対向する2つの面の少なくとも1つは、平面である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電解液体生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電解液体生成装置に関し、より詳細には、液体を電解処理する電解部を備える電解液体生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積層構造と、ハウジングと、を備える電解水生成装置が記載されている。積層構造は、陽極と、イオン交換膜と、陰極と、を含む。陽極及び陰極の各々には、ばね部を介して給電用シャフトが接続されている。特許文献1に記載の電解水生成装置では、積層構造をハウジングに収容させた後、各給電用シャフトにナットを締結することで積層構造がハウジングに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電解水生成装置(電解液体生成装置)では、給電用シャフト(電極ピン)とばね部とが一体に形成されているため、給電用シャフトの締結時に生じる回転方向の変位によって陽極又は陰極(電解部)の位置ずれが生じる場合がある。
【0005】
本開示の目的は、電解部の位置ずれを低減することが可能な電解液体生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電解液体生成装置は、電解部と、ハウジングと、給電部と、を備える。前記電解部は、液体を電解処理する。前記ハウジングは、前記電解部が内部に配置されている。前記給電部は、前記液体を電解処理するための電力を前記電解部に供給する。前記給電部は、電極ピンと、電極板と、を含む。前記電極ピンは、前記電解部の積層方向である第1方向に長尺であって、前記第1方向における第1端にフランジ部が設けられており、前記第1方向における前記第1端とは反対側の第2端を含む所定範囲にねじ部が設けられている。前記電極板は、前記電極ピンが挿通される第1貫通孔を有し、前記電解部に電気的に接続されている。前記ハウジングは、前記電極板の前記第1貫通孔に挿通させた前記電極ピンが挿通される第2貫通孔を有する。前記電極ピンは、前記第1方向と直交する第2方向における長さが前記フランジ部よりも短いシャフト部を有する。前記第2方向における前記フランジ部の長さは、前記第2方向における前記第1貫通孔の開口長さよりも長い。前記フランジ部の中心と前記第1貫通孔の中心と前記第2貫通孔の中心とを一致させた状態で、前記第2方向における前記シャフト部と前記第1貫通孔との間の第1クリアランスは、前記第2方向における前記シャフト部と前記第2貫通孔との間の第2クリアランスよりも大きい。
【0007】
本開示の別の一態様に係る電解液体生成装置は、電解部と、ハウジングと、給電部と、を備える。前記電解部は、液体を電解処理する。前記ハウジングは、前記電解部が内部に配置されている。前記給電部は、前記液体を電解処理するための電力を前記電解部に供給する。前記給電部は、電極ピンと、電極板と、を含む。前記電極ピンは、前記電解部の積層方向である第1方向に長尺であって、前記第1方向における第1端にフランジ部が設けられており、前記第1方向における前記第1端とは反対側の第2端を含む所定範囲にねじ部が設けられている。前記電極板は、前記電極ピンが挿通される第1貫通孔を有し、前記電解部に電気的に接続されている。前記ハウジングは、前記電極板の前記第1貫通孔に挿通させた前記電極ピンが挿通される第2貫通孔を有する。前記電極ピンは、前記第1方向と直交する第2方向における長さが前記フランジ部よりも短いシャフト部を有する。前記第2方向における前記フランジ部の長さは、前記第2方向における前記第1貫通孔の第1開口長さよりも長い。前記第1開口長さ、及び前記第2方向における前記第2貫通孔の第2開口長さは、前記第2方向における前記シャフト部の長さよりも長い。前記第1開口長さは、前記第2開口長さよりも長い。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る電解液体生成装置によれば、電解部の位置ずれを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電解液体生成装置の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の電解液体生成装置の要部を示す断面図である。
【
図3】
図3は、同上の電解液体生成装置から蓋体を取り外した状態の平面図である。
【
図4】
図4は、同上の電解液体生成装置に関し、
図2のX1-X1線断面図である。
【
図5】
図5は、同上の電解液体生成装置に関し、
図2のX2-X2線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る電解液体生成装置について、図面を参照して説明する。下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、下記の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
まず、実施形態に係る電解液体生成装置100の概要について、
図1を参照して説明する。
【0012】
実施形態に係る電解液体生成装置100は、液体を電解処理することで電解液体を生成する。本実施形態では一例として、電解液体生成装置100は、上記液体として上水道から供給される水道水を用い、電解液体としてオゾン水を生成するオゾン水生成装置である。オゾン水生成装置である電解液体生成装置100は、水道水を電気分解する電解処理によってオゾン(電解生成物)を発生させ、当該オゾンを水道水に溶解させることで、オゾン水を生成する。オゾン水は、除菌、脱臭、及び有機物分解等に有効であるため、水処理分野、衛生分野、食品分野、及び医学分野等の各分野において広く利用されている。
【0013】
実施形態に係る電解液体生成装置100は、
図1に示すように、電解部1と、ハウジング3と、給電部4と、を備える。電解部1は、液体を電解処理する。ハウジング3は、電解部1が内部に配置されている。給電部4は、上記液体を電解処理するための電力を電解部1に供給する。給電部4は、複数(図示例では2つ)の電極ピン41と、複数(図示例では2つ)のナット45と、複数(図示例では2つ)の電極板42A,42Bと、を含む。複数の電極ピン41の各々は、電解部1の積層方向である第1方向D1に長尺であって、第1方向D1における第1端(
図1の上端)にフランジ部411が設けられており、第1方向D1における第1端とは反対側の第2端(
図1の下端)を含む所定範囲にねじ部412が設けられている。複数のナット45の各々は、複数の電極ピン41のうち対応する電極ピン41のねじ部412にねじ込まれる。複数の電極板42A,42Bの各々は、対応する電極ピン41が挿通される第1貫通孔421を有し、電解部1に電気的に接続されている。
【0014】
ハウジング3は、各電極板42A,42Bの第1貫通孔421に挿通させた電極ピン41がそれぞれ挿通される複数の第2貫通孔3112(
図2参照)を有する。各電極ピン41は、第1方向D1と直交する第2方向D2における長さL2(
図4参照)がフランジ部411よりも短いシャフト部413を有する。第2方向D2におけるフランジ部411の長さL1(
図4参照)は、第2方向D2における第1貫通孔421の開口長さL3(
図4参照)よりも長い。フランジ部411の中心P1(
図4参照)と第1貫通孔421の中心P2(
図4参照)と第2貫通孔3112の中心P3(
図5参照)とを一致させた状態で、第2方向D2におけるシャフト部413と第1貫通孔421との間の第1クリアランスC1(
図4参照)は、第2方向D2におけるシャフト部413と第2貫通孔3112との間の第2クリアランスC2(
図5参照)よりも大きい。
【0015】
実施形態に係る電解液体生成装置100では、フランジ部411の中心P1と第1貫通孔421の中心P2と第2貫通孔3112の中心P3とを一致させた状態で、第1クリアランスC1は第2クリアランスC2よりも大きい。これにより、ナット45を電極ピン41にねじ込む際に電極ピン41に伝達される力を第2貫通孔3112の開口縁で受けることができるので、電極ピン41と第1貫通孔421の開口縁とが接触することを抑制することが可能となる。その結果、上記力が電極板42A,42Bに伝達されることを抑制することが可能となり、電極板42A,42Bの位置ずれが抑制されることで、電極板42A,42Bと一体である電解部1の位置ずれを低減することが可能となる。
【0016】
(2)詳細
次に、実施形態に係る電解液体生成装置100の詳細について、
図1~
図5を参照して説明する。以下の説明では、電極ピン41の長手方向、すなわち電解部1の積層方向を第1方向D1と規定し、ハウジング3の短手方向(幅方向)、すなわち電解液の通液方向(又は、流路方向)を第2方向D2と規定し、ハウジング3の長手方向を第3方向D3と規定する。ただし、これらの方向は電解液体生成装置100の使用時の方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の「D1」、「D2」、「D3」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。
【0017】
実施形態1に係る電解液体生成装置100は、
図1に示すように、電解部1と、弾性体2と、ハウジング3と、給電部4と、複数(図示例では2つ)のOリング5と、を備える。
【0018】
(2.1)電解部
電解部1は、液体を電解処理する。より詳細には、電解部1は、例えば、上記液体としての水道水を電気分解する電解処理によって、電解液体としてのオゾン水を生成する。電解部1は、
図1に示すように、陰極11と、導電性膜12と、陽極13と、を含む。
【0019】
陰極11は、例えば、チタン合金を用いて、0.3mm程度の厚みを有する矩形板状に形成されている。より詳細には、陰極11は、第2方向D2よりも第3方向D3に長い矩形板状に形成されている。陰極11は、複数の貫通孔111を有する。複数の貫通孔111の各々は、陰極11の厚さ方向(第1方向D1)に貫通する。また、複数の貫通孔111の各々は、第1方向D1からの平面視において、V字状である。複数の貫通孔111は、陰極11の長手方向(第3方向D3)に沿って等間隔に並んでいる。第3方向D3における陰極11の一端(
図1の右端)には、後述のばね部43Aを介して、後述の電極板42Aが一体に形成されている。
【0020】
導電性膜12は、例えば、100~200μm程度の厚みを有するプロトン導電型のイオン交換フィルタである。導電性膜12は、
図1に示すように、第1方向D1からの平面視において、櫛歯状に形成されている。導電性膜12は、主片121と、複数の突片122と、を含む。主片121は、第3方向D3を長手方向とする長尺状である。複数の突片122の各々は、第2方向D2における主片121の一端から第2方向D2に沿って突出している。複数の突片122は、第3方向D3に沿って等間隔に並んでいる。
【0021】
陽極13は、例えば、シリコンを用いた導電性基板に導電性ダイヤモンド膜を成膜することで形成されている。陽極13は、
図1に示すように、第2方向D2よりも第3方向D3に長い矩形板状に形成されている。本実施形態では、陰極11、導電性膜12及び陽極13は、第1方向D1において、陽極13、導電性膜12、陰極11の順に積層された積層体を構成している。
【0022】
(2.2)弾性体
弾性体2は、電解部1が積層される。弾性体2は、例えば、ゴム等の弾性を有する材料を用いて直方体状に形成されている。弾性体2は、
図1に示すように、本体21と、複数(図示例では6つ)の第1位置決め部22と、複数(図示例では2つ)の第2位置決め部23と、を含む。
【0023】
本体21は、
図1に示すように、第2方向D2よりも第3方向D3に長い直方体状に形成されている。すなわち、弾性体2は、電解部1と弾性体2との積層方向である第1方向D1と直交する第3方向D3に長尺である。本体21は、電解部1が積層される上面212を有する。上面212は、第1方向D1からの平面視において、第2方向D2よりも第3方向D3に長い矩形状に形成されている。すなわち、弾性体2は、電解部1が積層される上面212を有する。
【0024】
複数の第1位置決め部22は、
図1に示すように、第2方向D2における上面212の両側に配置されている。より詳細には、6つの第1位置決め部22のうち3つの第1位置決め部22は、第2方向D2における上面212の一端側において、第3方向D3に沿って等間隔に配置されている。また、6つの第1位置決め部22のうち残り3つの第1位置決め部22は、第2方向D2における上面212の他端側において、第3方向D3に沿って等間隔に配置されている。さらに、6つの第1位置決め部22は、第2方向D2において、上面212の外側に配置されている。複数の第1位置決め部22の各々は、第1方向D1に沿って突出する突出部で構成されている。このように、複数の第1位置決め部22を設けることで、弾性体2に対して第2方向D2に電解部1を位置決めすることが可能となる。
【0025】
複数の第2位置決め部23は、
図1に示すように、第3方向D3における上面212の両側に配置されている。より詳細には、2つの第2位置決め部23は、第3方向D3において、上面212の外側に配置されている。また、2つの第2位置決め部23のうちの一方は、第2方向D2におけるほぼ中央に配置されている。2つの第2位置決め部23のうちの残りは、第2方向D2における一端側に配置されている。このように、2つの第2位置決め部23の位置を異ならせることで、ハウジング3のケース31に対する弾性体2の取付ミスを低減することが可能となる。複数の第2位置決め部23の各々は、第1方向D1に沿って突出する突出部で構成されている。このように、複数の第2位置決め部23を設けることで、弾性体2に対して第3方向D3に電解部1を位置決めすることが可能となる。
【0026】
(2.3)ハウジング
ハウジング3は、電解部1及び弾性体2が内部に配置されている。ハウジング3は、
図1に示すように、ケース31と、蓋体32と、を含む。ケース31及び蓋体32は、例えば、アクリル樹脂等の非導電性を有する材料で形成されている。
【0027】
ケース31は、ケース本体311と、第1接続部312と、第2接続部313と、を含む。ケース本体311は、一面(
図1の上面)が開放された中空の直方体状に形成されている。すなわち、ケース本体311は、開口部3111を有する。また、ケース本体311は、収容部3110を更に有する。収容部3110には、電解部1及び弾性体2が収容される。つまり、ケース31は、開口部3111を有し、開口部3111を通して電解部1及び弾性体2が収容される。
【0028】
ケース本体311は、
図2に示すように、複数(図示例では片方のみ図示)の第2貫通孔3112を有する。複数の第2貫通孔3112の各々は、ケース本体311の底面3113において底面3113の厚さ方向に貫通する。複数の第2貫通孔3112は、第3方向D3に並んでいる。各第2貫通孔3112には、電極ピン41が挿通される。すなわち、ハウジング3は、2つの電極板42A,42Bにそれぞれ挿通させた2つの電極ピン41が挿通される2つの第2貫通孔3112を有する。
【0029】
第1接続部312は、第3方向D3におけるケース本体311の第1端に設けられている。第1接続部312は、上記液体としての水道水が流れる配管に接続されており、上記水道水をケース本体311内に導く。第2接続部313は、第3方向D3におけるケース本体311の第2端(第1端とは反対側の端)に設けられている。第2接続部313は、液体流出路の流入口に接続されており、電解部1で生成された上記電解液体としてのオゾン水を液体流出路に導く。
【0030】
蓋体32は、ケース31の開口部3111を塞ぐようにケース31に取り付けられる。蓋体32は、
図1に示すように、第2方向D2よりも第3方向D3に長い矩形板状に形成されている。蓋体32は、蓋体32がケース31に取り付けられている状態で、弾性体2との間で電解部1を保持する。このとき、電解部1は、蓋体32側の弾性力を弾性体2から受けており、この弾性力によって弾性体2及び蓋体32と密着している。
【0031】
(2.4)給電部
給電部4は、液体を電解処理するための電力を電解部1に供給する。給電部4は、
図1に示すように、複数(図示例では2つ)の電極ピン41と、複数(図示例では2つ)の電極板42A,42Bと、複数(図示例では2つ)のばね部43A,43Bと、給電体44と、複数(図示例では2つ)のナット45と、複数(図示例では2つ)のばね座金46と、複数(図示例では2つ)のワッシャ47と、を含む。複数の電極ピン41と、複数のナット45、複数のばね座金46及び複数のワッシャ47とは、一対一に対応している。
【0032】
複数の電極ピン41の各々は、第1方向D1に長尺である。すなわち、各電極ピン41の長手方向は、第1方向D1と平行な方向である。各電極ピン41は、フランジ部411と、ねじ部412と、シャフト部413と、を有する。各電極ピン41において、フランジ部411は、第1方向D1における第1端(
図1の上端)に設けられている。また、各電極ピン41において、ねじ部412は、第1方向D1における第2端(
図1の下端)を含む所定範囲に設けられている。
【0033】
複数の電極板42A,42Bの各々は、第1方向D1からの平面視において、矩形枠状に形成されている。すなわち、各電極板42A,42Bは、各電極板42A,42Bの厚さ方向(第1方向D1)に各電極板42A,42Bを貫通する第1貫通孔421を有する。第1貫通孔421には、電極ピン41が挿通される。電極板42Aは、ばね部43Aを介して陰極11と一体に形成されている。電極板42Bは、ばね部43Bを介して給電体44と一体に形成されている。すなわち、電極板42A,42Bは、電解部1に電気的に接続されている。ここで、電極板42A及びばね部43Aの材料は、陰極11と同じチタン合金である。電極板42B及びばね部43Bの材料は、給電体44と同じチタン合金である。また、各電極ピン41の材料は、電極板42Aと同じチタン合金である。
【0034】
ばね部43Aは、弾性を有し、電解部1の陰極11と電極板42Aとの間を接続している。ばね部43Aは、
図3に示すように、第1部分431と、第2部分432と、第3部分433と、を含む。第1部分431は、第2方向D2を長手方向とする板状に形成されている。第2部分432及び第3部分433の各々は、第3方向D3を長手方向とする板状に形成されている。第1部分431の第1端は電極板42Aに接続されており、第1部分431の第2端は第2部分432の第1端に接続されている。第2部分432の第2端は第3部分433の第1端に接続されており、第3部分433の第2端は陰極11に接続されている。ばね部43Aは、第2方向D2において電極板42Aと第2部分432及び第3部分433とが並ぶように配置されている。
【0035】
ばね部43Bは、弾性を有し、給電体44と電極板42Bとの間を接続している。ばね部43Bは、
図3に示すように、第4部分434と、第5部分435と、第6部分436と、を含む。第4部分434及び第6部分436の各々は、第3方向D3を長手方向とする板状に形成されている。第5部分435は、第2方向D2を長手方向とする板状に形成されている。第4部分434の第1端は電極板42Bに接続されており、第4部分434の第2端は第5部分435の第1端に接続されている。第5部分435の第2端は第6部分436の第1端に接続されており、第6部分436の第2端は給電体44に接続されている。ばね部43Bは、第1方向D1からの平面視において、U字状に形成されている。ばね部43Bは、第4部分434と第5部分435と第6部分436とで電極板42Bを取り囲むように配置されている。
【0036】
給電体44は、例えば、チタン合金を用いて矩形板状に形成されている。より詳細には、給電体44は、
図1に示すように、第2方向D2よりも第3方向D3に長い矩形板状に形成されている。具体的には、給電体44は、第1方向D1からの平面視において、陽極13と同じ大きさである。給電体44は、第1方向D1において、陽極13と弾性体2との間に配置されている。第3方向D3における給電体44の一端には、上述したように、ばね部43Bを介して電極板42Bが一体に形成されている。
【0037】
複数のナット45の各々は、複数の電極ピン41のうち対応する電極ピン41のねじ部412にねじ込まれる。複数のばね座金46及び複数のワッシャ47の各々は、複数の電極ピン41のうち対応する電極ピン41に挿通される。
【0038】
(2.5)Oリング
複数のOリング5の各々は、
図2に示すように、複数の第2貫通孔3112のうち対応する第2貫通孔3112を塞ぐようにケース31に取り付けられる。より詳細には、各Oリング5は、複数の電極ピン41のうち対応する電極ピン41に挿通させた後、対応する第2貫通孔3112を塞ぐようにケース31に取り付けられる。各Oリング5は、対応する電極ピン41にナット45がねじ込まれて電解部1がケース31に固定された状態において、ケース31側の力が加えられてケース31の底面3113に押し付けられる。
【0039】
(3)構造
次に、実施形態に係る電解液体生成装置100の要部の構造について、
図4及び
図5を参照して説明する。
【0040】
図4は、電極ピン41のフランジ部411、シャフト部413及び電極板42Bの第1貫通孔421を示す断面図である。
図5は、電極ピン41のシャフト部413及びケース31の第2貫通孔3112を示す断面図である。なお、電極ピン41のフランジ部411、シャフト部413、電極板42Aの第1貫通孔421及びケース31の第2貫通孔3112については、電極ピン41のフランジ部411、シャフト部413、電極板42Bの第1貫通孔421及びケース31の第2貫通孔3112と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0041】
電極ピン41のシャフト部413は、第2方向D2(
図4の上下方向)において互いに対向する2つの平面4131と、第3方向D3(
図4の左右方向)において互いに対向する2つの曲面4132とを含む、第1方向D1に延びる周面を有する。すなわち、第2方向D2におけるシャフト部413の両端は、第2方向D2と交差(直交)する2つの平面4131である。また、シャフト部413は、第1方向D1からの平面視において、2つの等しい長さの平行線と2つの半円形からなる、オーバルトラックのような形状である。なお、電極ピン41のシャフト部413では、第3方向D3におけるシャフト部413の長さは、第2方向D2におけるシャフト部413の長さL2よりも長い。
【0042】
電極板42Bの第1貫通孔421は、
図4に示すように、電極ピン41のシャフト部413を挿通可能で、かつ電極ピン41のフランジ部411を挿通不可能な大きさに形成されている。また、第1貫通孔421の開口縁(内縁)は、第1方向D1からの平面視において、シャフト部413の外形と相似である。したがって、
図4に示すように、第2方向D2におけるシャフト部413の長さL2は、第2方向D2におけるフランジ部411の長さL1よりも短い。また、第2方向D2におけるフランジ部411の長さL1は、第2方向D2における第1貫通孔421の第1開口長さL3よりも長い。さらに、第2方向D2における第1貫通孔421の第1開口長さL3は、第2方向D2におけるシャフト部413の長さL2よりも長い。
【0043】
ケース31の第2貫通孔3112は、
図5に示すように、電極ピン41のシャフト部413を挿通可能な大きさである。また、第2貫通孔3112の開口縁(内縁)は、第1方向D1からの平面視において、シャフト部413の外形と相似である。したがって、
図5に示すように、第2方向D2におけるケース31の第2貫通孔3112の第2開口長さL4は、第2方向D2における電極ピン41のシャフト部413の長さL2よりも長い。
【0044】
ここで、
図4及び
図5に示すように、シャフト部413との相対関係から、電極板42Bの第1貫通孔421の第1開口長さL3は、ケース31の第2貫通孔3112の第2開口長さL4よりも長い。また、第1開口長さL3及び第2開口長さL4は、第2方向D2におけるシャフト部413の長さL2よりも長い。
【0045】
また、
図4及び
図5に示すように、電極ピン41のフランジ部411の中心P1と電極板42Bの第1貫通孔421の中心P2とケース31の第2貫通孔3112の中心P3とを一致させた状態では、第2方向D2におけるシャフト部413と第1貫通孔421との間の第1クリアランスC1は、第2方向D2におけるシャフト部413と第2貫通孔3112との間の第2クリアランスC2よりも大きい。
【0046】
ここで、第1クリアランスC1と第2クリアランスC2とは、
図4及び
図5に示すように、シャフト部413における同一面(図示例では、下側の平面4131)と、各貫通孔421,3112における上記同一面と対向する対向面(図示例では、下側の面)との間の距離をいう。さらには、第1クリアランスC1の最小値と、第2クリアランスC2の最大値とを比較し、第1クリアランスC1が第2クリアランスC2よりも大きいことが好ましい。すなわち、第1クリアランスC1は、シャフト部413と第1貫通孔421との間の全周にわたるクリアランスのうち最小のクリアランスであり、第2クリアランスC2は、シャフト部413と第2貫通孔3112との間の全周にわたるクリアランスのうち最大のクリアランスであることが好ましい。要するに、「最大のクリアランス」は、シャフト部413と第2貫通孔3112との間の全周にわたるクリアランスのうち最も広いクリアランスであり、「最小のクリアランス」は、シャフト部413と第1貫通孔421との間の全周にわたるクリアランスのうち最も狭いクリアランスである。
【0047】
ところで、給電部4の電極ピン41及びナット45を用いて電解部1がハウジング3に取り付けられた状態では、
図3に示すように、ばね部43Aは、第1方向D1からの平面視において、電極ピン41のフランジ部411と重ならないように配置されている。これにより、フランジ部411によってばね部43Aの変形を妨げないようにすることが可能となる。また、
図3に示すように、ばね部43Bは、第1方向D1からの平面視において、電極ピン41のフランジ部411と重ならないように配置されている。これにより、フランジ部411によってばね部43Bの変形を妨げないようにすることが可能となる。
【0048】
(4)効果
実施形態に係る電解液体生成装置100では、フランジ部411の中心P1と第1貫通孔421の中心P2と第2貫通孔3112の中心P3とを一致させた状態で、第1クリアランスC1は第2クリアランスC2よりも大きい。これにより、ナット45を電極ピン41にねじ込む際に電極ピン41に伝達される力を第2貫通孔3112の開口縁で受けることができるので、電極ピン41と第1貫通孔421の開口縁とが接触することを抑制することが可能となる。その結果、上記力が電極板42A,42Bに伝達されることを抑制することが可能となり、電極板42A,42Bの位置ずれが抑制されることで、電極板42A,42Bと一体である電解部1の位置ずれを低減することが可能となる。
【0049】
さらに、電解部1の位置ずれを低減することで電解面積の低下を抑制することが可能となり、その結果、電解部1で生成される電解液体の発生効率の低下を抑制することが可能となる。
【0050】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、第1クリアランスC1は、シャフト部413と第1貫通孔421との間の全周にわたるクリアランスのうち最小のクリアランスであり、第2クリアランスC2は、シャフト部413と第2貫通孔3112との間の全周にわたるクリアランスのうち最大のクリアランスである。これにより、電解部1の位置ずれを更に低減することが可能となる。
【0051】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、第1開口長さL3及び第2開口長さL4はシャフト部413の長さL2よりも長く、第1開口長さL3は第2開口長さL4よりも長い。これにより、ナット45を電極ピン41にねじ込む際に電極ピン41に伝達される力を第2貫通孔3112の開口縁で受けることができるので、電極ピン41と第1貫通孔421の開口縁とが接触することを抑制することが可能となる。その結果、上記力が電極板42A,42Bに伝達されることを抑制することが可能となり、電極板42A,42Bの位置ずれが抑制されることで、電極板42A,42Bと一体である電解部1の位置ずれを低減することが可能となる。
【0052】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、給電部4の電極ピン41及びナット45を用いて電解部1がハウジング3に取り付けられた状態では、ばね部43A,43Bは、第1方向D1からの平面視において、電極ピン41のフランジ部411と重ならないように配置されている。これにより、ナット45を電極ピン41にねじ込む際に電極ピン41に伝達される力がばね部43A,43Bに伝達されることを抑制することが可能となる。
【0053】
また、実施形態に係る電解液体生成装置100では、シャフト部413の平面4131が第2貫通孔3112の開口縁に接触することで、電極ピン41の回転を規制することが可能となる。
【0054】
(5)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つにすぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0055】
上述の実施形態では、電極ピン41の材料と電極板42A,42Bの材料とが同じ材料であるが、異なる材料であってもよい。
【0056】
上述の実施形態では、シャフト部413における、第1方向D1に延びる周面を構成する複数の面のうち、第2方向D2において互いに対向する2つの面はどちらも平面4131であるが、少なくとも1つが平面4131であればよい。すなわち、第2方向D2におけるシャフト部413の少なくとも一端が、第2方向D2と交差する平面4131であればよい。また、上述の実施形態では、平面4131が第2方向D2と直交しているが、平面4131は、第2方向D2と交差していればよい。
【0057】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0058】
第1の態様に係る電解液体生成装置(100)は、電解部(1)と、ハウジング(3)と、給電部(4)と、を備える。電解部(1)は、液体を電解処理する。ハウジング(3)は、電解部(1)が内部に配置されている。給電部(4)は、液体を電解処理するための電力を電解部(1)に供給する。給電部(4)は、電極ピン(41)と、電極板(42A,42B)と、を含む。電極ピン(41)は、電解部(1)の積層方向である第1方向(D1)に長尺であって、第1方向(D1)における第1端にフランジ部(411)が設けられており、第1方向(D1)における第1端とは反対側の第2端を含む所定範囲にねじ部(412)が設けられている。電極板(42A,42B)は、電極ピン(41)が挿通される第1貫通孔(421)を有し、電解部(1)に電気的に接続されている。ハウジング(3)は、電極板(42A,42B)の第1貫通孔(421)に挿通させた電極ピン(41)が挿通される第2貫通孔(3112)を有する。電極ピン(41)は、第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)における長さ(L2)がフランジ部(411)よりも短いシャフト部(413)を有する。第2方向(D2)におけるフランジ部(411)の長さ(L1)は、第2方向(D2)における第1貫通孔(421)の開口長さ(L3)よりも長い。フランジ部(411)の中心(P1)と第1貫通孔(421)の中心(P2)と第2貫通孔(3112)の中心(P3)とを一致させた状態で、第2方向(D2)におけるシャフト部(413)と第1貫通孔(421)との間の第1クリアランス(C1)は、第2方向(D2)におけるシャフト部(413)と第2貫通孔(3112)との間の第2クリアランス(C2)よりも大きい。
【0059】
この態様では、フランジ部(411)の中心(P1)と第1貫通孔(421)の中心(P2)と第2貫通孔(3112)の中心(P3)とを一致させた状態で、第1クリアランス(C1)は第2クリアランス(C2)よりも大きい。これにより、ナット(45)を電極ピン(41)にねじ込む際に電極ピン(41)に伝達される力を第2貫通孔(3112)の開口縁で受けることができるので、電極ピン(41)と第1貫通孔(241)の開口縁とが接触することを抑制することが可能となる。その結果、上記力が電極板(42A,42B)に伝達されることを抑制することが可能となり、電極板(42A,42B)の位置ずれが抑制されることで、電極板(42A,42B)と一体である電解部(1)の位置ずれを低減することが可能となる。
【0060】
第2の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第1の態様において、第1クリアランス(C1)は、シャフト部(413)と第1貫通孔(421)との間の全周にわたるクリアランスのうち最小のクリアランスである。第2クリアランス(C2)は、シャフト部(413)と第2貫通孔(3112)との間の全周にわたるクリアランスのうち最大のクリアランスである。
【0061】
この態様によれば、電解部(1)の位置ずれを更に低減することが可能となる。
【0062】
第3の態様に係る電解液体生成装置(100)は、電解部(1)と、ハウジング(3)と、給電部(4)と、を備える。電解部(1)は、液体を電解処理する。ハウジング(3)は、電解部(1)が内部に配置されている。給電部(4)は、液体を電解処理するための電力を電解部(1)に供給する。給電部(4)は、電極ピン(41)と、電極板(42A,42B)と、を含む。電極ピン(41)は、電解部(1)の積層方向である第1方向(D1)に長尺であって、第1方向(D1)における第1端にフランジ部(411)が設けられており、第1方向(D1)における第1端とは反対側の第2端を含む所定範囲にねじ部(412)が設けられている。電極板(42A,42B)は、電極ピン(41)が挿通される第1貫通孔(421)を有し、電解部(1)に電気的に接続されている。ハウジング(3)は、電極板(42A,42B)の第1貫通孔(421)に挿通させた電極ピン(41)が挿通される第2貫通孔(3112)を有する。電極ピン(41)は、第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)における長さ(L2)がフランジ部(411)よりも短いシャフト部(413)を有する。第2方向(D2)におけるフランジ部(411)の長さ(L1)は、第2方向(D2)における第1貫通孔(421)の第1開口長さ(L3)よりも長い。第1開口長さ(L3)、及び第2方向(D2)における第2貫通孔(3112)の第2開口長さ(L4)は、第2方向(D2)におけるシャフト部(413)の長さ(L2)よりも長い。第1開口長さ(L3)は、第2開口長さ(L4)よりも長い。
【0063】
この態様では、第1開口長さ(L3)及び第2開口長さ(L4)はシャフト部(413)の長さ(L2)よりも長く、第1開口長さ(L3)は第2開口長さ(L4)よりも長い。これにより、ナット(45)を電極ピン(41)にねじ込む際に電極ピン(41)に伝達される力を第2貫通孔(3112)の開口縁で受けることができるので、電極ピン(41)と第1貫通孔(241)の開口縁とが接触することを抑制することが可能となる。その結果、上記力が電極板(42A,42B)に伝達されることを抑制することが可能となり、電極板(42A,42B)の位置ずれが抑制されることで、電極板(42A,42B)と一体である電解部(1)の位置ずれを低減することが可能となる。
【0064】
第4の態様に係る電解液体生成装置(100)は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、ばね部(43A,43B)を更に備える。ばね部(43A,43B)は、弾性を有し、電解部(1)と電極板(42A,42B)との間を接続している。ばね部(43A,43B)は、第1方向(D1)からの平面視において、電極ピン(41)のフランジ部(411)と重ならないように配置されている。
【0065】
この態様によれば、フランジ部(411)によってばね部(43A,43B)の変形を妨げないようにすることが可能となる。
【0066】
第5の態様に係る電解液体生成装置(100)では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、シャフト部(413)は、第1方向(D1)に延びる周面を有する。周面を構成する複数の面のうち、第2方向(D2)において互いに対向する2つの面の少なくとも1つは、平面(4131)である。
【0067】
この態様によれば、平面(4131)が第2貫通孔(3112)の開口縁に接触することで、電極ピン(41)の回転を規制することが可能となる。
【0068】
第2、第4又は第5の態様に係る構成については、電解液体生成装置(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 電解部
3 ハウジング
4 給電部
41 電極ピン
42A,42B 電極板
43A,43B ばね部
100 電解液体生成装置
411 フランジ部
412 ねじ部
413 シャフト部
421 第1貫通孔
3112 第2貫通孔
4131 平面
C1 第1クリアランス
C2 第2クリアランス
D1 第1方向
D2 第2方向
L1,L2 長さ
L3 第1開口長さ(開口長さ)
L4 第2開口長さ
P1,P2,P3 中心